明 細 書
新規な縮合多環芳香族化合物およびその利用
技術分野
[0001] 本発明は、光電気的、光電子的、電気的、電子的部品に用いられる有機半導体電 子材料に関するものであり、例えば、有機半導体層を有する薄膜トランジスタ (TFT) 、薄膜光電変換素子、色素増感太陽電池、有機キャリア輸送層または発光層を有す る発光デバイス等に利用可能な有機電子部品材料に関するものである。
背景技術
[0002] 近年、有機半導体材料を有機電子部品として利用する有機半導体デバイス (例え ば、有機エレクト口ルミネッセンス (EL)デバイス、有機 FETデバイス、有機薄膜トラン ジスタデバイスまたは有機薄膜光電変換デバイスなどの薄膜デバイス)に関する研究 力 されており、このような研究の成果として、有機半導体デバイスの一部実用ィ匕も 始まっている。
[0003] これら有機半導体デバイスの作製において、その高性能化を図る際に特に重要と なる点は、優れた性能を有する有機半導体材料が用いられることである。このため、 高い発光性能および Zまたはキャリア移動度等を有する有機半導体材料が精力的 に、探索され、そして研究されている。
[0004] 一般に、有機薄膜トランジスタなどの電気的及び電子的デバイスに利用可能な有 機電子材料には、キャリア輸送能が要求される。例えば、有機 ELデバイスにおいて、 キャリア移動度は、電荷の輸送効率に影響するので、高効率の発光や低電圧駆動の ための重要な要素である。また有機 FETデバイスでは、スイッチング速度や駆動する 装置の性能に直接影響するので、実用化のためにはキャリア移動度の向上は必須 の課題である。
[0005] 有機半導体は、シリコン系半導体と比較して一般にキャリア移動度が低ぐその結 果、応答速度が遅い。そのためが有機半導体の実用上のネックとなっていたが、最 近新たな有機半導体の開発によりアモルファスシリコン程度の移動度が実現されて いる。
[0006] 例えば、 5個のベンゼン環が直線状に縮合した多環芳香族分子であるペンタセン において、アモルファスシリコンに匹敵する高移動度(0. 1〜1. 0cm2ZVs)が報告 されている力 ペンタセンをベースとした TFTの性能は,活性層であるペンタセンの 純度に大きく依存し、デバイス作製前に複数回の真空昇華精製または水素気流中で の昇華精製を行うことによって、初めて達成されている [例えば、非特許文献 1 (IEE E Electron Dev. Lett. 18, 87 (1997) )を参照のこと]。
[0007] また、非特許文献 2 (Joyce G. Laquindanumら、 Adv. Mater. 9, 36 (1997) ) には、ベンゾジチォフェンモノマーを二量体化したベンゾジチォフェンダイマーにお V、て 0. 04cm2ZVsの移動度が得られたと報告されて!、る。
[0008] さらに、近年、チォフェンとフルオレンとを組み合わせることによって、移動度が 0. 1 4cm2ZVsに達する材料が報告されている [例えば、非特許文献 3 (Z. Baoら、 J. A m. CHEM. Soc. 123, 9214 (2001) )を参照のこと]。さらに、最近では、アントラ センのダイマーまたはトリマーにおいて 0. lcm2ZVsオーダーの移動度が報告され ている [例えば、非特許文献 4 (Suzuki 、Angew. Chem. Int. Ed. 42, 1159 (2 003) )を参照のこと]。また、大きな縮合多環芳香族化合物であるォバレン、へキサ ベンゾコロネン、サ一力ムアントラセンなどを半導体層に用いた電界効果素子が報告 されている(特許文献 1:特開 2004— 158709公報(平成 16年 6月 3日公開))。 発明の開示
[0009] 〔発明が解決しょうとする課題〕
このように、高移動度を発現するための有機半導体材料の分子設計方針は確立さ れておらず、既存の化合物の利用やその修飾などが主に行われている。
[0010] しかし、非特許文献 1に記載のペンタセンは材料の純ィ匕に問題がある。また、非特 許文献 2〜4に記載された材料は、その製造において多段階の反応を必要とする上 に、低収率の段階も含まれているので、大量合成に不適当であり、実用材料としての 応用には製法的にも克服すべき点が残されて!、る。特許文献 1に記載の有機半導体 材料では、材料の蒸気圧が低いため高純度化や薄膜に形成するためには超高真空 が必要であるなどという問題を有する。また、特許文献 1に記載の化合物は、極めて 多数の芳香族環が縮合しており、このような構造を有する化合物では一般に酸素と
の親和性が高くなるので、大気中で素子を駆動することは困難である。
[0011] 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、超高真空環 境を必要とすることなく高純度化および Zまたは薄膜形成することができる有機半導 体材料を実現することにある。また本発明は、大気中で素子を駆動することができる 有機半導体材料を実現することにある。
[0012] 〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る化合物は、一般式
[0013] [化 1]
[0014] で表され、
ここで、 X1および X2はそれぞれ独立してカルコゲン原子であり、 nは 1〜3の整数であ り、 R1および R2はそれぞれ独立して、ハロゲン、 C アルキル、ハロゲンを有する C
1-18 1 アルキル、 C アルキルォキシ、 C アルキルチオ、もしくはァリール、または、
-18 1-18 1-18
ハロゲン、 c アルキル、ハロゲンを有する C アルキル、 C アルキルォキシ、
1-18 1-18 1-18
もしくは C アルキルチオの少なくとも 1種を有するァリールであることを特徴として
1-18
いる。
[0015] 本発明に係る化合物において、上記カルコゲン原子は、硫黄原子、セレン原子ま たはテルル原子であることが好まし!/、。
[0016] 本発明に係る化合物において、上記 R1および R2はそれぞれ独立して、ハロゲン、 C アルキル、ハロゲンを有する C アルキル、 C アルキルォキシ、 C アル
1-18 1-18 1-18 1-18 キルチオ、またはァリールの少なくとも 1種を有しかつ
[0017] [化 2]
[0018] で表わされることが好ましい。
[0019] 本発明に係る化合物を製造する方法は、上記の ヽずれかの化合物を製造するた めに、式
[0020] [化 3]
[0021] の反応を用いることを特徴として 、る:ここで、 X1および X2はそれぞれ独立してカルコ ゲン原子であり、 R1および R2はそれぞれ独立して、ハロゲン、 C アルキル、ハロゲ
1-18
ンを有する C アルキル、 C アルキルォキシ、 C アルキルチオ、もしくはァリ
1-18 1-18 1-18
ール、または、ハロゲン、 C アルキル、ハロゲンを有する C アルキル、 C ァ
1-18 1-18 1-18 ルキルォキシ、もしくは C アルキルチオの少なくとも 1種を有するァリールである。
1-18
[0022] 本発明に係る有機半導体デバイスは、上記の ヽずれかの化合物を用いることを特 徴としている。
[0023] 本発明に係る有機半導体デバイスは、有機半導体層を有する薄膜トランジスタであ ることが好ましい。
[0024] 本発明に係る有機半導体デバイスは、有機キャリア輸送層および発光層を有する 発光デバイスであることが好まし 、。
[0025] 本発明に係る有機半導体デバイスは、 0. lcm2ZVs以上の電界効果移動度を有 することが好ましい。
[0026] 本発明に係る有機半導体デバイスは、 105以上のオン Zオフ電流比を有することが
好ましい。
[0027] 本発明に係る化合物は、一般式
[0028] [化 4]
[0029] で表され、
ここで、 X1および X2はそれぞれ独立してカルコゲン原子であることを特徴として!/、 [0030] 本発明に係る化合物は、一般式
[0031] [化 5]
[0032] で表され、
ここで、 X1および X2はそれぞれ独立してカルコゲン原子であることを特徴として!/、 [0033] 本発明に係る化合物を製造する方法は、
[0034] [化 6]
[0035] で表される化合物のクロ口ホルム溶液にヨウ素を添加する工程を包含することを特徴 としている(ここで、 X1および X2はそれぞれ独立してカルコゲン原子である)。
[0036] 本発明に係る化合物を製造する方法は、
[0038] で表される化合物の ΒιϋΖ ιιΟΚ溶液にカルコゲン原子の粉末を添加する工程; および
ョゥ化メチルをさらに添加する工程
を包含することを特徴として 、る。
[0039] 本発明に係る化合物を製造する方法は、
[0040] [化 8]
[0041] で表される化合物の無水 THF溶液に ιϋを滴下する工程;
カルコゲン原子の粉末をさらに添加する工程;および
ョゥ化メチルをさらに添加する工程
を包含することを特徴として 、る。
[0042] 本発明に係る化合物を製造する方法は、下記式
[0043] [化 9]
[0044] で表される反応を用いることを特徴とする(ここで、 R°および R4はそれぞれ独立してハ ロゲンであり、 R1および R2はそれぞれ独立して、ハロゲン、 C アルキル、ハロゲン
1 - 18
を有する C アルキル、 C アルキルォキシ、または C アルキルチオの少なく
1 - 18 1 - 18 1 - 18
とも 1種を有するァリールであり、上記式で表される反応は、上記 R1または R2を有する 化合物を用いたァリールーァリール'クロスカップリング反応である)。
[0045] 本発明に係る化合物を製造する方法は、下記式
[0047] で表される化合物を製造する方法であって、
T 己式
[0049] で表される反応を用いることを特徴とする(ここで、 X1および X2はそれぞれ独立して力 ルコゲン原子であり、 R3および R4はそれぞれ独立してハロゲンであって、上記式で表 される反応は、上記 R3または R4を有するハロゲン化金属を用いて進められる)。
[0050] 〔発明の効果〕
本発明に係る化合物は、容易に生成することができかつ比較的小さな分子である ので、蒸着法などによって薄膜の形成を容易に行うことができる。本発明に係る化合 物の製造方法を用いれば、少な ヽ工程で本発明に係る化合物を高 、収率で得ること ができる。また、本発明に係る化合物の製造方法を用いれば、不純物の混入が少な い合成品を得ることができる。また本発明に係る化合物の製造方法は、安価な原料 が利用でき、製造段階が少なぐいずれの段階においても高効率で製造できる。よつ て、本発明を用いれば、優れた電気的、電子的および光電気的特性を有する有機 半導体デバイスを従来以上に安価でありかつ簡便に製造することができる。
[0051] 本発明に係る化合物をデバイスに組み込むことによって、高い電界効果移動度を デバイスに付与することができる。また、本発明に係る化合物を組み込んだデバイス は、大気中においてもその性能を著しく減じることなく作動することができる。
図面の簡単な説明
[0052] [図 1(a)]図 1 (a)は、本発明の実施形態を示すものであり薄膜トランジスタデバイスの 構造を示す模式的断面図である。
[図 1(b)]図 1 (b)は、本発明の実施形態を示すものであり薄膜トランジスタデバイスの 構造を示す模式的断面図である。
[図 2]図 2は、 2, 7—ジフエ-ルペンゾセレノ [2, 3—b] [l]ベンゾセレノフェンを用い た薄膜トランジスタデバイスの FET応答曲線を示すグラフである。
[図 3]図 3は、 2, 7—ジフエ-ル [1]ベンゾチエノ [3, 2—b] [l]ベンゾチォフェンを用 いた薄膜トランジスタデバイス(SiZSiO基板 OTS処理、蒸着時の基板温度 100°C
2
)のトランスファーカーブを示すグラフである。
[図 4]図 4は、 2, 7—ジフエ-ルペンゾセレノ [2, 3— b] [l]セレノフェンを用いた薄膜 トランジスタデバイスのトランスファーカーブを示すグラフであり、 2つのカーブはそれ ぞれ、素子作製直後および作製 1年後のカーブを示す。
[図 5]図 5は、 2, 7—ジフエ-ルペンゾセレノ [2, 3— b] [l]セレノフェンを用いた薄膜 トランジスタデバイスのトランスファーカーブを示すグラフである。本図は、素子の駆動 安定性をテストするために、大気中において連続的にオン-オフを 3000回繰り返し 測定したときのもので、それぞれ、駆動 1回目、 2000回目、 3000回目のカーブを示 す。
[図 6]図 6は、本発明の一実施形態における反応のステップを示す図面である。 発明を実施するための最良の形態
[0053] 本発明者らは、有機薄膜デバイス中での分子間相互作用の増大がキャリア移動度 の向上に有効であるという考えに基づいて、重カルコゲン原子 (例えば、硫黄、セレン またはテルル)を有する縮合多環芳香族化合物の半導体特性にっ ヽて検討して ヽる 。これは、原子半径の大きいカルコゲン原子が分子間で接触することで、炭化水素か らなる縮合多環芳香族化合物よりも効果的に分子間相互作用を増大できるためであ る。その結果、ベンゾジカルコゲノフ ン誘導体のセレン類縁体力 極めて高い電界 効果移動度を持つことを見出し、この知見に基づいてさらに鋭意検討し、その結果、 本発明を完成するに至った。
[0054] 本発明に係る縮合多環芳香族化合物および当該化合物の製造方法について、以
下の化学式に基づ 、て説明する c
[0055] 本発明は、
[0056] [化 12]
[0057] で表される縮合多環芳香族化合物である [1]ベンゾカルコゲノ [3, 2-b] [1]ベンゾ カルコゲノフェン誘導体を提供する。ここで、 X1および X2はそれぞれ独立してカルコ ゲン原子であり、 nは 1〜3の整数である。本明細書中において使用される場合、「力 ルコゲン原子」は、酸素、硫黄、セレンまたはテルルが意図され、好ましくは、硫黄、 セレンまたはテノレルである。
[0058] 好ましい局面において、本発明に係る縮合多環芳香族化合物は、 R1および R2はそ れぞれ独立して、ハロゲン、 C アルキル、ハロゲンを有する C アルキル、 C
- 18 - 18 18 ァノレキノレ才キシ、 C アルキルチオ、もしくはァリール、または、ハロゲン、 C ァ
; 1 - 18 ルキル、ハロゲンを有する C アルキル、 C アルキルォキシ、もしくは C アル
1 - 18 1 - 18 1 - 18 キルチオの少なくとも 1種を有するァリールである。ァリール基としては、フエ-ル基、 ナフチル基、アントラ-ル基、フリル基、チェ-ル基、セレノフリル基、チエノチェ-ル 基等が挙げられる。さらに好ましい局面において、本発明に係る縮合多環芳香族化 合物は、 R1および R2はそれぞれ独立して、ハロゲン、 C —アルキル、ハロゲンを有 する C アルキル、 C アルキルォキシ、 C アルキルチオ、またはァリールの
1 - 18 1 - 18
少なくとも 1種を有しかつ
[0059] [化 13]
[0061] 本発明はさらに、上記縮合多環芳香族化合物を製造する方法を提供する。本発明 に係る化合物の製造方法は、
式
[0062] [化 14]
[0063] の反応を用いるが好まし ヽ:ここで、 X1および X2はそれぞれ独立してカルコゲン原子 であり、 R1および R2はそれぞれ独立して、ハロゲン、 C アルキル、ハロゲンを有す
1 - 18
る C アルキル、 C グルキルォキシ、 C 一アルキルチオ、もしくはァリール、また
- 18 1 - 18
は、ハロゲン、 C アルキル、ハロゲンを有する C アルキル、 C アルキルォキ シ、もしくはじ アルキルチオの少なくとも 1種を有するァリールである。
1 - 18
[0064] 本発明者らは、「無置換体の合成法」: Sashida, H.および Yasuike, S.
erocyclic Chem. 35, 725— 726 (1988)に記載される合成方法
[0065] [化 15]
[0066] を用いて本発明に係る化合物を得ることを試みた力
[0068] における 1^ =1^=11以外の化合物を合成することができな力つた。このように本発明 に係る縮合多環芳香族化合物は、従来法を用いても決して得ることができな 、新規 化合物である。
[0069] 第 1の実施形態において、
[0070] [化 17]
[0071] で表される本発明に係る縮合多環芳香族化合物 3は、下記反応式(1)
[0072] [化 18]
[0073] の反応を行うことによって、新規化合物 2
[0074] [化 19]
2
[0075] を合成し、さらに下記反応式(2)
[0076] [化 20]
[0077] の反応を行うことによって合成される。なお、公知物質である化合物 1は市販の化合 物を用いて公知の方法を用いて容易に合成することができる。
[0078] 本発明者らは、化合物 3をィ匕合物 1から直接合成することを試みたが、首尾よく合成
することができな力つた。
[0079] 化合物 2から化合物 3を合成する反応 (反応式(2) )は、セレンメチル (MeSe)中の C— Se結合を切断することによって達成される。 C— Se結合は非常に強固であること が知られているので、この反応が進行することは全く予想できな力つた。しかし、本発 明者らは、反応式(2)において使用するヨウ素の量を増やしかつ反応液を加熱する ことによって、当該反応を達成することができた。
[0080] 第 1の実施形態において、
[0082] で表される縮合多環芳香族化合物である [1]ベンゾカルコゲノ [3, 2— b] [l]ベンゾ カルコゲノフェン誘導体が、 1^= =フエ-ルであり、 X1=X2=Seであり、かつ n= 1の場合を例に説明したが、本発明に係る縮合多環芳香族化合物は、これに限定さ れず、出発物質を適宜選択すれば所望の縮合多環芳香族化合物を得ることができ ることを、本明細書を読んだ当業者は容易に理解する。
[0083] また、反応式(1)において、化合物 1と塩基 (nBuLiZtBuOK)とを極低温にて混 合し、次いで、オルト水素の引抜を進行させるためにー且温度を上げる必要がある。 化合物 1と塩基 (ηΒιι Ζ ιιΟΚ)とを混合させる温度は、 100〜一 60°Cが好まし く、—70〜一 80°Cがより好ましい。オルト水素の引抜を進行させるための温度は、 30〜0°Cが好ましぐ 30〜一 20°Cがより好まし!/、。
[0084] また、反応式(2)にお 、て、ヨウ素以外のハロゲン (臭素、塩素または混合ハロゲン 化合物、塩化ヨウ素)もまた同様に用いることができる。反応式 (2)において使用可能 な溶媒としては、塩素系溶媒のうち沸点が比較的高い (約 70°C以上)ものが挙げられ る。
[0085] 第 2の実施形態において、
[0087] で表される本発明に係る縮合多環芳香族化合物 3は、上記反応式(1)以外の合成 経路を介して合成される。好ましくは、本実施形態において、化合物 3を得るための 化合物 2は、別の公知の出発物質である化合物 4
[0088] [化 23]
[0089] から合成される。より詳細 は、下記反応式 (3)
[0090] [化 24]
[0091] の反応を行うことによって、新規ィ匕合物 6を合成し、さらに下記反応式 (4)
[0092] [化 25]
[0093] の反応を行うことによって合成され得る。なお、化合物 4は市販の化合物を用いる公
知の方法によって容易に合成することができる。
[0094] 本発明者らは、反応式 (3)によって得られたィ匕合物 6から化合物 2を経ることなく直 接ィ匕合物 1を合成することを試みたが、首尾よく合成することができなカゝつた。
[0095] 第 2の実施形態において、
[0096] [化 26]
[0097] で表される縮合多環芳香族化合物である [1]ベンゾカルコゲノ [3, 2— b] [l]ベンゾ カルコゲノフェン誘導体が、 1^=1^2 =フエ-ルであり、 X1=X2=Seであり、かつ n= 1の場合を例に説明したが、本発明に係る縮合多環芳香族化合物は、これに限定さ れず、反応式 (3)および (4)において使用する試薬を適宜選択すれば所望の縮合 多環芳香族化合物を得ることができることを、本明細書を読んだ当業者は容易に理 解する。
[0098] 第 1の実施形態および第 2の実施形態において示した反応式 (2)を介する新規合 成法を用いると、得られた化合物中への不純物の混入が少ないことがわ力つた。した がって、当該合成法を用いれば、 [1]ベンゾカルコゲノ [3, 2—b] [l]ベンゾカルコゲ ノフェン誘導体を容易に生成することができる。また、当該合成法によって生成した [ 1]ベンゾカルコゲノ [3, 2— b] [1]ベンゾカルコゲノフェン誘導体は比較的小さな分 子であるため、蒸着法などによって、容易に有機半導体薄膜を形成することができる
[0099] 本明細書中で使用される場合、用語「薄膜」は、可能な限り薄い膜が好ましぐ有機 半導体に用いるに好ましい薄膜は、 1ηπι〜1 /ζ πι、好ましくは、 5〜500nm、より好ま しくは、 10〜500nmの範囲の膜厚を有する。
[0100] さらに、 [1]ベンゾカルコゲノ [3, 2—b] [l]ベンゾカルコゲノフェン誘導体を組み込 んだデバイスは、高い電界効果移動度を示し、具体的には、 0. lcm2ZVsを超え、 最高で 0. 31cm2ZVsを示した。
[0101] 驚くことに、 [1]ベンゾカルコゲノ [3, 2—b] [l]ベンゾカルコゲノフェン誘導体を組
み込んだデバイスは、大気中においてもその性能を著しく減じることなく作動した。さ らに、本デバイスは、作製した後通常の方法で 2ヶ月間保管した後であっても性能が 全く劣化せず、真空下でも大気中でもその初期性能を再現することができた。
[0102] 第 3の実施形態において、
[0103] [化 27]
[0104] で表される本発明に係る縮合多環芳香族化合物 3は、上記反応式(1)〜(4)以外の 合成経路を介して合成される。本実施形態において、化合物 3は、
[0105] [化 28]
[0106] で表される化合物 7から、反応式(5)
[0107] [化 29]
[0108] によって合成される 化合物 7は、公知の物質である化合物 8
[0109] [化 30]
[0111] [化 31]
[0112] から合成される。すなわち、化合物 9の 2, 7位の選択的ハロゲン化 (本実施形態の場 合は臭素化)によって、化合物 7を合成することができる。
[0113] 化合物 9は、市販の化合物
[0115] カゝら直接的に合成されても、化合物 10
[0116] [化 33]
10
[0117] を介して間接的に合成されてもよい。また、化合物 9は、市販の化合物
[0119] から、
[0121] を介して間接的に合成されてもよい。
[0122] 第 3の実施形態において、
[0124] で表される縮合多環芳香族化合物である [1]ベンゾカルコゲノ [3, 2-b] [1]ベンゾ カルコゲノフェン誘導体が、 1^=1^2 =フエ-ルであり、 X1=X2=Seであり、かつ n=
1の場合を例に説明したが、本発明に係る縮合多環芳香族化合物は、これに限定さ れず、中間体である化合物 9を合成する際に用いた Seの代わりに他のカルコゲン原 子を用いたり、反応式 (5)において使用する試薬を適宜選択したりすれば所望の縮 合多環芳香族化合物を得ることができることを、本明細書を読んだ当業者は容易に 理解する。反応式(5)の反応は、遷移金属触媒下でのァリールーァリール'クロス力 ップリングであればよぐ例えば、スズキ 'クロスカップリング (有機ホウ素試薬、 Ar-B (OH) 、または Ar— B (OR) ;)、 Stille 'クロスカップリング(有機スズ試薬、 Ar— SnR
2 2
(ここで、 Rは、メチル、 n—ブチルなどのアルキル基である))、クマダ 'クロスカツプリ
3
ング (有機マグネシウム試薬。 ArMgX (ここで、 Xは、塩素、臭素またはヨウ素である) )が挙げられる。
[0125] なお、本明細書中で使用される場合、遷移金属触媒とは、遷移金属元素そのもの およびそれらの種々の配位子をもつ遷移金属化合物が意図される。具体的に、遷移 金属触媒としては、パラジウム、ニッケル、チタン、鉄、白金、金、銅が意図されるがこ れらに限定されず、配位子としては、各種のホスフィンィ匕合物、アミンィ匕合物、二トリル 化合物、ハロゲン、カルボ二ルイ匕合物が意図されるがこれらに限定されない。望ましく は、金属としては、パラジウム、ニッケルが好適であり、配位子では、トリフエ-ルホス
フィン、ビス(ジフエ-ルホスフイノ)フエ口セン、ビス(ジフエ-ルホスフイノ)プロパンが 好適である。触媒として最も好適には、テトラキス(トリフエ-ルホスフィン)パラジウム、 二塩化ジフエ-ルホスフイノフエ口センパラジウム、二塩化ビス(ジフエ-ルホスフイノ) プロパンニッケルが用いられる。本実施形態では、触媒が、入手が容易で安価である テトラキス(トリフエ-ルホスフィン)パラジウムを例に用いて説明した力 触媒はこれに 限定される必要はない。ただし、本実施形態のように触媒がテトラキス(トリフエ-ルホ スフイン)パラジウムの場合は、安価でありかつ入手が容易であるため、特に好ましい
[0126] また、カップリング反応において用いる反応溶媒は、カップリング反応の種類にもよ る力 ジェチルエーテノレ、テトラヒドロフラン(THF)、ジォキサン、ジメトキシェタン(DM E)等のエーテル系溶媒や Ν,Ν-ジメチルホルムアミド(DMF)、 Ν,Ν-ジメチルァセトアミ ド(DMA)、 Ν,Ν-ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、 N-メ チルピロリドン (NMP)等の非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレン等の炭化水素 系溶媒、クロ口ベンゼン、ベンゾニトリル等の芳香族系溶媒など多様な溶媒力 選択 できる。下記実施例では Ν,Ν-ジメチルホルムアミド (DMF)を用いた反応を例示して いるが、これに限定されるものではない。
[0127] 第 4の実施形態において、
[0128] [化 37]
[0129] で表される本発明に係る縮合多環芳香族化合物 3は、化合物 9から第 3の実施形態 で述べたと同様の合成経路を経て合成されるが、化合物 9を合成するための化合物 2の合成経路が、第 3の実施形態とは異なる。
[0130] すなわち、本実施形態において、無置換の化合物 9は、化合物 10を出発物質とし た反応式 (8)
[0131] [化 38]
[0132] で示される反応によって化合物 14を合成し、次いで反応式(9)
[0133] [化 39]
[0134] で示される反応を行うことで合成される。なお、化合物 10としては、市販の試薬を用 V、ることもできるし、市販の試薬から容易に合成することも可能である。
[0135] 本実施形態の合成法は、安価な原料を用いると共に、反応系を大きくするのに適し た反応を組み合わせたものであるため、大量合成に好適である。
[0136] なお、化合物 10〜化合物 14に至るまでの反応経路、すなわち反応式 (8)で示され る反応においては、 M. Iwaoka et al., J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 5309- 5317に記 載の反応条件を好適に利用することができる。
[0137] なお、第 4の実施形態において、
[0138] [化 40]
[0139] で表される縮合多環芳香族化合物である [1]ベンゾカルコゲノ [3, 2— b] [l]ベンゾ
カルコゲノフェン誘導体が、 1^= =フエ-ルであり、 X1=X2=Seであり、かつ n= 1の場合を例に説明したが、本発明に係る縮合多環芳香族化合物は、これに限定さ れず、中間体である化合物 9を合成する際に用いた Seの代わりに他のカルコゲン原 子を用いたり、第 3の実施形態で述べたように、反応式 (5)において使用する試薬を 適宜選択したりすることによって所望の縮合多環芳香族化合物を得ることができるこ とを、本明細書を読んだ当業者は容易に理解する。反応式 (5)の反応については既 に述べた通りである。
[0140] また、本発明者らは、本発明に係る化合物をより効率的に製造する方法として、下 記第 5の実施形態に示す方法を見出した。
[0141] 第 5の実施形態において、
16
[0143] で表される本発明に係る縮合多環芳香族化合物 16は、下記化合物 20から、化合物 21を介して製造される。
[0144] このような製造方法としては、例えば、下記化合物 17からべンゾチエノ [3, 2-b] ベンゾチォフェンのジニトロ誘導体 (ィ匕合物 19)合成し、次いで、その化合物のジアミ ノ誘導体 (化合物 20)を合成し、その後アミノ基をハロゲンに置換してジハロゲン誘導 体 (ィ匕合物 21)を得、さらに第 3の実施形態で述べたクロスカップリング法により、化合 物 16を得るという方法が挙げられる。
[0145] より具体的には、本実施形態においては、まず、化合物 17を出発物質とした反応 式(10)
[0146] [化 42]
[0147] で示される 4段階の反応によって化合物 20 (ジァミノ誘導体)を合成する。次 ヽで反 応式(11)
16
[0149] で示される反応によって、化合物 20をー且ジァゾ -ゥム塩とした後、このジァゾ -ゥム 塩を、 2, 7—ジョード誘導体 (化合物 21)へと変換する。この際、ジァゾィ匕に用いる試 薬としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸イソァミル、亜硝酸 t-ブチルなどの亜硝酸ィ匕合 物を用いることが出来る力 安価で入手の容易なことから、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸 イソァミルが好適である。下記実施例では亜硝酸ナトリウムを用いた反応を例示して V、るが、本ジァゾィ匕に用いる試薬力 Sこれに限定されな 、ことを同業者は容易に理解 する。ジァゾ化反応において反応温度は、 25°Cから— 20°Cの低温が好ましぐ特に
好適に 0°Cから 5°Cを用いることが出来る。ジァゾ -ゥム塩から 21の変換においては、 水溶性のヨウ化物を試薬として用いることが出来る。なかでも、ヨウ化リチウム、ヨウィ匕 ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウムを好適に用いることが出来るが、安価で容 易に入手できることから、ヨウ化カリウムが特に好適である。ヨウ素化反応を完結せし めるためには、加温または長時間の反応させることが肝要であり、温度としては 80°C 以上、好ましくは還流温度(100°C)を用いる。また、反応に要する時間は 30分から 2 4時間であるが、反応の完了を保障するためには 2時間以上が望ましい。本実施例で は、 3時間還流することで反応を完結しているが、条件はこれに限定されない。
[0150] 上記のハロゲンィ匕に続いて、例えばパラジウム触媒等を用いるフエ-ルポロン酸と のカップリング反応を行うことによって、化合物 16を合成することができる。なお、化 合物 17としては、市販の試薬を用いることもできるし、市販の試薬から容易に合成す ることもできる。カップリング反応については、上記第 3の実施形態において、反応式 (5)について説明したと同様に、種々の条件におけるカップリング反応を利用するこ とがでさる。
[0151] なお、化合物 17から化合物 20を得る方法については、特に限定されるものではな いが、 S. Y. Zherdeva et al, Zh. Organi. Khimi, 1980, 16, 430- 438に記載の反応条 件を利用してもよい。
[0152] なお、第 5の実施形態において、
[0153] [化 44]
[0154] で表される縮合多環芳香族化合物である [1]ベンゾカルコゲノ [3, 2— b] [1]ベンゾ カルコゲノフェン誘導体が、 1^= =フエ-ルであり、 X1=X2=Sであり、かつ n= l の場合を例に説明したが、本発明に係る縮合多環芳香族化合物は、これに限定され ない。例えば、反応式(11)において使用する試薬を適宜選択することによって、所 望の縮合多環芳香族化合物を得ることができることを、本明細書を読んだ当業者は 容易に理解する。反応式(11)において化合物 21から化合物 16を得るための反応
は、遷移金属触媒下でのァリール—ァリール'クロスカップリングであればよい。このよ うなァリール—ァリール'クロスカップリングとして、例えば、スズキ 'クロスカップリング( 有機ホウ素試薬、 Ar— B (OH) 、または Ar— B (OR) ;)、 Stille 'クロスカップリング(
2 2
有機スズ試薬、 Ar-SnR (ここで、 Rは、メチル、 n—ブチルなどのアルキル基である
3
;) )、クマダ 'クロスカップリング (有機マグネシウム試薬。 ArMgX (ここで、 Xは、塩素、 臭素またはヨウ素である) )が挙げられる。
[0155] なお、化合物 16を得るためには、化合物 21のヨウ素の代わりに他のハロゲンを導 入したジノヽロゲン誘導体を得、このジノヽロゲン誘導体を用 ヽたァリ一ルーァリール ·ク ロスカップリングを行なえばよい。例えば、化合物 20からジァゾィ匕を経て 21を合成す る際 (反応式(11) )に、 KI (ヨウ化カリウム)の代わりに CuBr (臭化銅)を使えば、化合 物 21のヨウ素の代わりに臭素が導入された臭素誘導体が得られる。そして、これら各 種ハロゲンが導入された誘導体は、それぞれ、反応式(11)に示す反応において化 合物 16を得るために利用可能である。
[0156] また、化合物 17からべンゾチエノ [3, 2— b]ベンゾチォフェンのジブロモ誘導体ま たはジクロロ誘導体を得る方法としては、上記反応式(10)に示す方法に限定されな い。すなわち、図 6に示すように、化合物 17から化合物 103を得た後、ベンゾチエノ [ 3, 2— b]ベンゾチォフェンのハロゲン誘導体を得る方法を用いることもできる。図 6の 方法を具体的に説明する。まず、鉄粉末を含む 1%塩化アンモニゥム塩溶液を用い て化合物 17から化合物 101を得る。そして、公知の方法である Sandmeyer反応によ つて化合物 102を得た後、五塩化リンを用いて化合物 102から化合物 103を得る。こ の化合物 103の塩化スルホ二ル基を選択的に還元しチオール基とした後、二重結合 への付カ卩—脱水素を経て 104へと変換する。
[0157] 図 6に示す反応の各段階で、種々の還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水 素化リチウムアルミニウム、亜鉛、錫、鉄、ヨウ化水素酸等が挙げられるがこれらに限 定されない)、および脱水素剤(例えば、四酢酸鉛、種々のキノン誘導体、クロム酸ィ匕 合物、二酸ィ匕マンガン、臭素、塩素等が挙げられるがこれらに限定されない)を用い ることができる。ここに例示した何れの試薬も高い反応性をもち、比較的安価で入手 が容易であるため好適に用いることが出来る。特に好適には、最初の還元の段階で
単離精製を行う必要が無ぐまた、付カ卩—脱水素の段階で副生成物が生じないこと から、還元剤としては、ヨウ化水素酸が、酸化剤としては、臭素を用い、 104を得ること ができる。
[0158] なお、図 6において、 R5は Cほたは Brである。このようにして得られた化合物 104を 反応式(11)の化合物 21の代わりに用いれば、化合物 16を合成することができる。な お、図 6の方法については、 S. Y. Zherdeva et al" Zh. Organi. Khimi, 1980, 16, 430 -438に記載の反応条件を利用することができる。
[0159] 但し、一般的に、遷移金属触媒下でのァリール—ァリール'クロスカップリング反応( 反応式(11) )においては、ヨウ素の方が臭素よりも反応性が高ぐ有利である。
[0160] 続 ヽて、本発明に係る縮合多環芳香族化合物からなる有機半導体材料を備えるデ バイスについて、図 1 (a)および図 1 (b)に基づいて説明する。
[0161] 図 1 (a)および図 1 (b)は、本発明の一実施形態を示すものであり、いずれも薄膜ト ランジスタデバイスの構造を示す模式的断面図である。
[0162] 図 1 (a)において、本発明に係る有機半導体デバイス 10は、ゲート電極として作用 する基板 1の表面上に接点金属 2を備え、基板 1に関して接点金属 2と逆側の表面上 には誘電層 3が形成されており、誘電層 3上にはソース 5およびドレイン 6、ならびにソ ース 5とドレイン 6との接点チャネルが設けられ、さらに有機半導体材料 4が堆積され ている。
[0163] 図 1 (b)において、本発明に係る有機半導体デバイス 11は、ゲート電極として作用 する基板 1の表面上に接点金属 2を備え、基板 1に関して接点金属 2と逆側の表面上 には誘電層 3および有機半導体材料 4が形成されており、有機半導体材料 4上には ソース 5およびドレイン 6、ならびにソース 5とドレイン 6との接点チャネルが設けられて いる。
[0164] 基板 1は、 p型であっても n型であってもよいが、ゲート電極として作用されるために n—ドープされることが好ましい。また、基板 1に用いられるものとしては、例えば、ガラ ス、石英、酸ィ匕アルミニウム、サファイア、窒化珪素、炭化珪素等のセラミックス基板、 シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素等半導体基板、ポリ エチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン
、ポリプロピレン、ポリビュルアルコール、エチレンビュルアルコール共重合体、環状 ポリオレフイン、ポリイミド、ポリアミド、ポリスチレン等の榭脂基板、紙、不織布等が挙 げられ、シリコンが好ましく使用される。
[0165] 接点金属 2に用いることが好ましい金属としては、金、白金、銀、銅、アルミニウム、 ニッケル、チタン、クロム、マグネシウム—銀、有機導電性化合物、カルシウムが挙げ られるがこれらに限定されない。取り扱い容易性に鑑みて、好ましくは、接点金属 2は 金または銀である。基板 1にシリコンを用いる場合、誘電層 3は二酸ィ匕シリコンである 。基板 1上に誘電層 3を形成する手段としては、熱酸ィ匕が好ましい。また、ソース 5とド レイン 6との接点チャネルを設けるための手段としては、電子線描画、フォトリソグラフ ィー、シャドーマスク、シルクスクリーン法などが挙げられるがこれらに限定されない。 好ましくは、接点チャネルは、シャドーマスク法、電子線描画またはフォトリソグラフィ 一によつて設けられる。
[0166] 有機半導体材料 4を堆積するための手段としては、例えば、真空蒸着法、 CVD法 、スパッタリング法、レーザー蒸着法等のドライ成膜方法と、基板上に溶液や分散液 を塗布した後に、溶媒や分散媒を除去することで薄膜を形成するウエット成膜方法が 挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、有機半導体材料 4は、真空蒸着に よって堆積される。真空蒸着を用いる場合、圧力は 10_1Pa以下であることが好ましく 、 10_3Pa以下であることがより好ましい。
[0167] ここで、有機半導体材料は一般的に p型 (ホール輸送性)となる性質が強いので、 優れた p型の有機半導体材料が数多く開発されている。これに対して、 n型 (電子輸 送性)材料はその種類が限られており、その性能も一般的に p型材料より低!、ものが 多い。従って、 n型の有機半導体材料及びその製造方法の開発に対する要望が非 常に大きい。
[0168] n型の有機半導体材料の開発における有効な手段の一つとして、優れた特性を示 す P型の有機半導体材料に電子吸引性の置換基を導入することによって、 p型から n 型への極性転換を図ることが行われている。このような極性転換を目的として、複数 のシァノ、フッ素等を含有する置換基が好適に用いられている。すなわち、当業者は 、一般に p型である有機半導体材料を必要に応じて n型に転換することができる。
[0169] 以上のように、本発明は、
[0170] [化 45]
[0171] で表される縮合多環芳香族化合物である [1]ベンゾカルコゲノ [3, 2-b] [1]ベンゾ カルコゲノフェン誘導体カゝらなる有機半導体層を備えるデバイスを提供する。ここで、
X1および X2はそれぞれ独立してカルコゲン原子であり、 nは 1〜3の整数であり、 R1 および R2はそれぞれ独立して、ハロゲン、 C アルキル、ハロゲンを有する C ァ
1-18 1-18 ルキル、 C アルキルォキシ、 C アルキルチオ、もしくはァリール、または、ハロ
1-18 1-18
ゲン、 C アルキル、ハロゲンを有する C アルキル、 C アルキルォキシ、もし
1-18 1-18 1-18
くは C アルキルチオの少なくとも 1種を有するァリールであることが好まし!/、。
1-18
[0172] なお、本発明の縮合多環芳香族化合物において、 R1および R2はそれぞれ独立し て、ハロゲンを有する C アルキル、 C アルキルォキシ、 C アルキルチオ、も
1-18 1-18 1-18
しくはァリール、または、ハロゲン、 C アルキル、ハロゲンを有する C アルキル
1-18 1-18
、C アルキルォキシ、もしくは C アルキルチオの少なくとも 1種を有するァリー
1-18 1-18
ルであることがさらに好ましい。
[0173] 本発明の縮合多環芳香族化合物においては、 R1または R2の少なくとも一方が上記 ァリールであることが特に好ましぐ R1および R2の両方がァリールであることがさらに 好ましい。
[0174] ァリールを有する本発明の縮合多環芳香族化合物は、電界効果移動度およびオン Zオフ電流比の双方において特に優れており、有機半導体材料として非常に好適に 用!/、ることができる。
[0175] このような構成を有する本発明に係る有機半導体デバイスの用途としては、ダイォ ード、薄膜トランジスタ、メモリ、フォトダイオード、発光ダイオード、発光トランジスタ、 ガスセンサー、バイオセンサー、血液センサー、免疫センサー、人工網膜、味覚セン サ一等が挙げられ、薄膜トランジスタまたは発光デバイスとして機能することが好まし い。薄膜トランジスタは、ディスプレイを構成する画素のスイッチング用トランジスタ、
信号ドライバー回路素子、メモリ回路素子、信号処理回路素子等として好適に使用 できる。ディスプレイの例としては、液晶ディスプレイ、分散型液晶ディスプレイ、電気 泳動型ディスプレイ、粒子回転型表示素子、エレクト口クロミックディスプレイ、有機ェ レクト口ルミネッセンスディスプレイ、電子ペーパー等が挙げられる。
[0176] 具体的には、本発明に係る有機半導体デバイスは、 0. lcm2ZVs以上の電界効 果移動度を有するが好ましぐ 105以上のオン Zオフ電流比を有するので、薄膜トラ ンジスタ、または有機キャリア輸送層もしくは発光層を有する発光デバイスとして極め て有用である。さらに、本発明に係る有機半導体デバイスは、高い電界効果移動度 を有するだけでなぐ大気中においてもその性能を著しく減じることなく作動すること ができる。
[0177] このように、本発明の目的は、有機半導体材料として要求される高い電界効果移動 度と、高 、オン Zオフ電流比の双方を満足し得る新規な縮合多環芳香族化合物を 提供し、当該縮合多環芳香族化合物を用いて良好な性能を有する有機半導体デバ イスを提供することにある。
[0178] 本発明は、以下の実施例によってさらに詳細に説明される力 これに限定されるべ きではない。
[0179] <実施例 >
〔実施例 1:ビス (4 ビフエ-ルーィル)アセチレン (化合物 1)の合成〕
4 ブロモビフエ-ル(5. Og、 20mmol)を、窒素雰囲気下にてジイソプロピルアミ ン (40ml)—無水ベンゼン(20ml)混合溶媒に溶解した後脱気し、トリメチルシリルァ セチレン(1. 4ml, lOmmol)、塩化ビス(トリフエ-ルホスフィン)'パラジウム、(0. 84 g、 1. 2mmol)、ヨウ化第一銅(0. 38g、 2. Ommol)、ジァザビシクロウンデセン(DB U, 1. 83g, 0. 84mmol)、および水(0. 14ml, 7. 8mmol)を添加し、 60。Cで 18 時間攪拌した。反応終了後、析出した固体に水(50ml)を加えた後に濾取し、水、メ タノール、および熱へキサンで洗浄した後、真空乾燥した。得られた固体を二硫化炭
素で抽出し、再結晶することによってビス (4ービフエ-ルーィル)アセチレン (ィ匕合物 1)の無色板状晶を得た(1. 01g、収率 31%)。
融点: 256〜258。C (Nakasuji, K.ら、 Bull. Chem. Soc. Jpn. 45, 883— 891 (1 972)に記載の文献値: mp. 253〜254。C)
'Η NMR(400MHZ、 CDCl ) δ 7. 64〜7. 59 (m, 12H) , 7. 46 (t, J = 7. 6H
3
z, 4H) , 7. 44 (tt, J= l. 2Hz, J = 7. 6Hz, 2H)
13C NMR(100MHz、 CDCl ) δ 140. 97, 140. 34, 132. 02, 128. 86, 127
3
. 63, 127. 02, 122. 19, 89. 98
MS (EI, 70eV) mZz = 330 (M+)。
[0182] 〔実施例 2:ビス( 3 セレノメチル 4 ビフエ-ル ィル)アセチレン(化合物 2)の 合成〕
[0183] [化 47]
[0184] 50mlの三口フラスコに窒素雰囲気下にてカリウム t—ブトキシド(0. 89g、 8. Omm ol)と THF (15ml)をカ卩えた後一 78°Cに冷却した。これに 1. 54Mの n—ブチルリチ ゥム 'へキサン溶液 5. lml (8. Ommol)をゆっくり滴下して 10分攪拌した後に、実施 例 1で得たビス(4ービフエ-ルーィル)アセチレン(ィ匕合物 1) (1. 0g、 3. Ommol)を さらに添加した。この反応溶液を— 78°Cで 30分攪拌し、 30°Cまでゆっくり昇温し、 この温度を維持して 1. 5時間攪拌した。再び— 70°Cに冷却し、セレン粉末 (0. 47g 、 6. Ommol)を 10分かけて徐々に加え、温度を維持して 30分攪拌した後、 20°C まで 2時間かけて昇温した。この温度で、ヨウ化メチル(0. 5ml, 8. Ommol)を添カロし 、デュワーを外さずに室温まで徐々に昇温した。反応終了後、析出した固体 (原料回 収、 0. 6g、 60%)を濾別し、濾液をクロ口ホルム(20ml X 3)で抽出した。抽出液を水 (30ml X 3)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。カラ ムクロマトグラフィー(シリカゲル、二硫ィ匕炭素)によって分画し、 Rf=0. 3の成分から
、黄色の固体を得た。これをクロ口ホルムから再結晶を行うことで、黄色針状結晶とし て目的物のビス(3 セレノメチルー 4ービフエ-ルーィル)アセチレン(ィ匕合物 2)を得 た(0.28g、 18%)
融点: 165〜167°C
収率 18% (原料回収 60% (転化率 45%) )
¾ NMR(CDCl) δ 7.62(d, J = 8.0, 2H), 7.61〜7.57 (m, 4H), 7.52 (
3
d, J=l.2Hz, 2H), 7.47(t, J = 7.2Hz, 4H), 7.40(dd, J=l.2, 8.0Hz, 2 H), 7.39(t, J = 7.2Hz, 2H) .
13C NMR δ 141.86, 140.32, 136.66, 132.92, 128.89, 127.82, 127 . 13, 126.28, 124.24, 122.54, 93.84, 6.49.
MS (EI) m/z = 518(8。Seに基づぃたM+).
C H Se (CHC1 ) 計算値: C, 59.42;H, 3.94.実測値: C, 59.21;H, 3
28 22 2 3 0.5
.70.
〔実施例 3:2, 7 ジフエ-ルー [1]ベンゾセレノ [3, 2—1)][1]べンゾセレノフヱン( 化合物 3)の合成〕
[化 48]
実施例 2で得たビス ( 3 セレノメチル 4 ビフエニル ィル)アセチレン(化合物 2 ) (0.9g、 1.7mmol)を、室温下にてクロ口ホルム(20ml)に溶解した後、ヨウ素(6. 9g、 27mmol)を添加して 12時間還流した。反応終了後、析出した固体を濾取した。 得られた固体を飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液で洗浄することによって遊離したョ ゥ素を除去し、続 、て水(20ml)、メタノール (20ml)、および熱へキサン(20ml)で 洗浄し、白色の固体の 2, 7 ジフエ-ルー [1]ベンゾセレノ [3, 2—b][l]ベンゾセ レノフェン (ィ匕合物 3)を得た (0.75g、 90%)。これを、デバイス作製用に減圧下にて
温度勾配昇華によって精製した。
融点〉 300°C;
'Η NMR(CDCl ) δ 8. 14(d, J=l. 5Hz, 2H), 7. 83(d, J = 8. 3Hz, 2H),
3
7. 65〜7.68 (m, 6H), 7.46(t, J = 7.6Hz, 4H), 7. 36(t, J = 7. 6Hz, 2H) . MS (EI, 70eV) m/z = 488 (80Se【こ基づ!/ヽた M+) .
C H Se 計算値: C, 64. 21;H, 3. 32%.実測値: C, 64.60;H, 3. 32%。
26 16 2
[0187] 〔実施例 4: 3 ブロモー 4 アミノビフエ-ル (ィ匕合物 4)の合成〕
[0188] [化 49]
Bumagm, N. A.および Luzikova, E. V. J. Organometallic し hem. 5ό2, 2 71-273(1997)に記載の方法に従って、 4ーョードア-リンおよび臭化フエ-ルマ グネシゥムから合成した 4 アミノビフエ-ル(18.0g、0. lmol)を、塩化メチレン(15 Oml)に溶解した後、 0°Cに冷却した。これに N ブロモスクシンイミド(19g、 0. lmol )を徐々に添加して室温で 12時間攪拌した。反応終了後、水(100ml)を加えて反応 を終了させ、クロ口ホルム(50ml X 3)で抽出し、水(50ml X 5)で洗浄した。無水硫 酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィー精 製(シリカゲル、クロロホルムZへキサン(l:l(vZv)、Rf=0. 2)によって 3 ブロモ 4 アミノビフエ-ル (ィ匕合物 4)の赤茶色の固体を得た。へキサンで再結晶するこ とにより赤茶色の針状晶を得た(17. 7g、 72%) o
融点: 65〜67°C
¾ NMR(60MHz、 CHCl ) δ 7.61〜7. 15 (m, 7H), 6.68(d, J = 8. 2Hz,
3
1H), 4.01 (s, 2H)
13C NMR(100MHz、 CDC1 ) δ 143. 30, 139. 79, 132. 74, 130. 98, 128
3
. 74, 127.02, 126. 73, 126. 37, 115.87, 109.660;
MS (70eV, EI) m/z = 247( Brに基づいた M )。
[0190] 〔実施例 5: 3 ブロモー 4ーョードビフエ-ル(ィ匕合物 5)の合成〕
[0191] [化 50]
[0192] 実施例 4で得た 3 ブロモー 4 アミノビフエ-ル (ィ匕合物 4) (18g、 70mmol)と濃 塩酸(100ml)を混合加熱して塩酸塩とした後、氷浴で冷却した。氷冷下にて飽和亜 硝酸ナトリウム水溶液 (4.8g、 70mmol)を滴下して 15分攪拌した後、飽和ヨウ化カリ ゥム水溶液(2. 7g、 16mmol)を添加し、 100°Cで 1時間攪拌した。反応混合物をク ロロホルム(30ml X 3)で抽出し、抽出液を水(30ml X 5)で洗浄後、無水硫酸マグネ シゥムで乾燥した。カラムクロマトグラフィー精製 (シリカゲル、へキサン)により分画し 、 Rf=0. 5の成分より黄色のオイルとして 3 ブロモ—4 ョードビフエ-ル(ィ匕合物 5 )を得た(11. 5g、 47%) o
¾ NMR(400MZ, CDCl ) δ 7.86(d, J = 8. 3Hz, 1H), 7.81(d, J = 2. 2H
3
z, 1H), 7.45(dt, J=l. 5, 7. 3Hz, 2H), 7.41(dt, J=l. 5, 7. 3Hz, 2H), 7
. 35(dt, J=l. 5, 7. 3Hz, 1H), 7. 16(dd, J = 2. 2Hz, J = 8. 3Hz, 1H)
13C NMR(100MHz、 CDCl ) δ 143. 30, 139. 79, 132. 74, 130. 98, 128
3
. 74, 127.02, 126. 73, 126. 37, 115.87, 109.66.
MS (70eV, DI) m/z = 358 (79Brに基づいた M+)
C H Brl 計算値: C, 40. 15;H, 2. 25%.実測値: C, 40.00 ;H, 2. 27%。
12 8
[0193] 〔実施例 6:ビス(3 ブロモー 4ービフエ-ルイル)アセチレン(化合物 6)の合成〕 [0194] [化 51]
[0195] 実施例 5で得たーブロモー 4ーョードビフエ-ル(ィ匕合物 5) (5. 5g、 15mmol)を、 窒素雰囲気下にてジイソプロピルアミン(20ml)—無水ベンゼン(20ml)混合溶媒に 溶解して脱気した後、トリメチルシリルアセチレン(1. lml, 7. 55mmol)、塩ィ匕ビス( トリフエ-ルホスフィン)'パラジウム、(0. 65g、0. 93mmol)、ヨウ化第一銅(0. 29g 、 1. 5mmol)、ジァザビシクロウンデセン(DBU, 13. 6, 90mmol)、および水(0. 1 ml, 8. Ommol)を加え、 60°Cで 18時間攪拌した。反応終了後、水(50ml)をカロえ、 クロ口ホルム(50ml X 3)で抽出し、 MgSOで乾燥した。クロ口ホルム—へキサン混合
4
溶媒(1: 1 (vZv) )にてカラムクロマトグラフィーで分画し、 Rf=0. 5の成分を濃縮し た後、クロ口ホルム力 再結晶することで目的物であるビス(3—ブロモー 4ービフエ- ルイル)アセチレン (ィ匕合物 6)を無色の針状結晶として得た(1. 94g、 53%)。
融点: 187〜189°C
'Η NMR(400MHz、 CDCl ) δ 7. 88 (d, J = 2. 0Hz, 2H) , 7. 68 (d, J = 6. 8
3
Hz, 1H) , 7. 59 (m, 4H) , 7. 54 (dd, J = 2. 0, 6. 8Hz, 2H) , 7. 46 (m, 4H) ,
7. 39 (dt, J= l. 2, 7. 2Hz, 2H) .
MS (EI, 70eV) m/z=486 (79Brに基づいた M+)
C H Br 計算値: C, 63. 96 ;H, 3. 30%.実測値: C, 63. 17 ;H, 3. 32%。
26 16 2
[0196] 〔実施例 7:ビス(3—セレノメチルー 4ービフエ-ルイル)アセチレン(化合物 2)の合 成〕
[0197] [化 52]
2
[0198] 実施例 6で得たビス(3—ブロモー 4ービフエ-ルイル)アセチレン(ィ匕合物 6) (0. 8g
、 1. 6mmol)を、窒素雰囲気下にて無水 THF (20ml)に溶解した後、 78°Cに冷 却した。これに、 t—ブチルリチウム 'ペンタン溶液(4. 3ml, 6. 6mmol)を 10分以上 かけて徐々に滴下した。 78°Cで 30分攪拌した後、デュヮ—を外し室温まで昇温し た。セレン粉末(0. 26g、 3. 3mmol)をカ卩えた後、 2時間かけて 30°Cまで昇温した 。セレン溶解後、ヨウ化メチル(0. 2ml, 3. 3mmol)をカ卩え、徐々に室温まで戻した。 反応を終了させた後、反応混合物をクロ口ホルム(20ml X 3)で抽出し、水(20ml X 3)で洗浄した。これを、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去し 、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー精製 (シリカゲル、二硫化炭素、 Rf=0 . 5)して、 目的物ビス(3 セレノメチルー 4ービフエ-ルイル)アセチレン(ィ匕合物 2) を黄色固体として得た。クロ口ホルム力も再結晶を行い、黄色針状結晶(0. 7g, 84% )を得た。
融点: 165〜167°C
収率 18% (原料回収 60% (転化率 45%) )
¾ NMR(CDCl ) δ 7. 62 (d, J = 8. 0, 2H) , 7. 61〜7. 57 (m, 4H) , 7. 52 (
3
d, J= l. 2Hz, 2H) , 7. 47 (t, J = 7. 2Hz, 4H) , 7. 40 (dd, J= l. 2, 8. 0Hz, 2 H) , 7. 39 (t, J = 7. 2Hz, 2H) .
13C NMR δ 141. 86, 140. 32, 136. 66, 132. 92, 128. 89, 127. 82, 127 . 13, 126. 28, 124. 24, 122. 54, 93. 84, 6. 49.
MS (EI) m/z = 518 (8。Seに基づぃたM+) .
C H Se (CHC1 ) 計算値: C, 59. 42 ;H, 3. 94.実測値: C, 59. 21 ;H, 3
28 22 2 3 0. 5
. 70。
[0199] 〔実施例 8:薄膜デバイス〕
上記実施例において合成したィ匕合物を有機半導体材料 4として用いて、図 1 (a)お よび図 1 (b)に示す構造の薄膜デバイスを製造した。
[0200] 具体的には、シリコン基板 1裏面にゲート電極用の接点金属 2を形成した。また、シ リコン基板 1上に、熱酸化により二酸化ケイ素からなる誘電層 3を形成した。ソース 5と ドレイン 6との接点チャネルを、電子線描画またはフォトリソグラフィ一によつて誘電層 3上に設けた(図 l (a) )。シリコン基板 1の誘電層 3上にさらに、約 I X 10_3Pa以下の
圧力で有機半導体材料 4を、真空蒸着により堆積した。その蒸着速度は 0. lnm/s であった。基板の温度は基板が置かれた銅ブロックの加熱により調整した。このチヤ ネルの幅は 200 μ mで、チャネルの長さは 1〜10 μ mの範囲内であった。かかるデ バイスの接点金属は金を用 ヽた。
[0201] 図 1 (b)に示す他の構造の薄膜デバイスでは、ソース 5とドレイン 6を、シャドーマス クを用いて上述のようにして形成された半導体層 4の上面に形成した。ソース 5とドレ イン 6の幅は 1. 5mm、間隔 0. 05mmであった。
[0202] 上記のように形成した薄膜デバイスにおいて、 n—ドープすることによりシリコン基板 1をゲート電極として作用させ、電界効果移動度を、ゲート電圧を固定して一定とし、 各実施例で合成した化合物を用いて半導体層を形成したデバイスに対して、掃引さ れたソースドレイン電圧(0Vから— 100V)を印加することによって測定し、 FET応答 曲線の飽和ドレイン ソース電流を用いて算出した。
[0203] 化合物 3からなる薄膜を用いた FET素子力 得られた FET応答曲線を図 2に示す 。半導体のキャリア移動度の算出を「半導体デバイス物理特性および技術」 [Sze, S . M. , pp30- 35, pp200— 207 (1985) ]の記載内容に準拠して行った。
[0204] 図 1 (b)に示す構造の薄膜デバイスを用いて、化合物 3を用いて製造した半導体薄 膜のキャリア移動度およびオン Zオフ電流比を室温にて測定し、得られた結果を表 1 に示す。表 1は、各温度において付着したフィルムの平均移動度を示す。また、ゲー ト電圧が 100Vをオン、 OVをオフとして、流れた各電流に基づいてオン Zオフ電流 比を算出した。
[0205] なお、薄膜の移動度は、その膜作製時、すなわち膜付着時の基板温度に影響され るので、室温、 60°C、 100°Cにて有機半導体フィルムを付着させることによって、各 薄膜デバイスを製造した。各付着温度において約 10個のデバイスを製造した。 (表 1)
[0206] [表 1]
主皿曰 60°C 100°C 移動度
0.20 0.31 0.17
(Vん m2S)
オン/オフ比 106 106 5 X 105
閾値電圧 (V) -18 -20 - 19
[0207] 表 1に示すように、化合物 3を用いて製造した半導体デバイスは良好な閾電圧を有 するのでオフ値が上昇することなぐまた良好なオン Zオフ比を有する。
[0208] 〔実施例 9 : 2, 7—ジブロモ [1]ベンゾセレノフエノ [3, 2—b] [1]ベンゾセレノフェン
(化合物 7)〕
[0209] [化 53]
[0210] 化合物 9 (672 mg、 2. 0 mmol)をクロ口ホルム(25 mL)に溶解し、 0°Cに冷却し 0 . 24M臭素溶液 (クロ口ホルム溶媒, 25 mL, 3. 6 mmol)を滴下した。反応混合物 を 2°Cで 10時間攪拌した。その後、この反応混合物に亜硫酸水素ナトリウムを加え、 これによつて析出した固体をろ取し、乾燥した。この粗精製物についてクロ口ベンゼン から再結晶を行い、無色の結晶として他の異性体を含まない化合物 7を得た(370m g, 38%) o
融点: 278〜279°C
'Η NMR(400MHz、 CHCl ) δ 8. 09 (d, J= l. 7Hz, 2H) , 7. 64 (d, J = 8. 6
3
Hz, 2H) , 7. 56 (dd, J = 8. 5, 1. 5Hz, 2H);
MS (70eV, EI) m/z=492 (79Brに基づいた M+, Se2個、 Br2個の同位体パタ ーン有り)
C H Br Se 計算値: C, 34. 18 ;H, 1. 23,実測値: C, 34. 00 ;H, 1. 11.
16 6 2 2
〔実施例 10 : 2, 7—ジフエ-ル [1]ベンゾセレノフエノ [3, 2— b] [l]ベンゾセレノフ
ェン (化合物 3)の合成〕
[0211] [化 54]
[0212] 本実施例では、化合物 9に対する 2, 7位の選択的臭素化、およびスズキ 'クロス力 ップリングを経る経路によって化合物 3を合成した。詳細は以下の通りである。
[0213] 窒素雰囲気下、実施例 9で得た化合物 7 (148mg, 0. 3mmol)、フ ニルボロン酸
(95mg, 0. 8mmol)、炭酸ナトリウム(83mg, 0. 8mmol)の水溶液(lmL)を THF —トルエン混合溶媒(6mL, 1: lv/v)に加え、脱気を 1時間行った。 Pd (PPh ) (1
3 4
0. 5mg, 3mol%)をカ卩ぇ 12時間加熱還流後、反応混合物に水(lOmL)をカ卩え、析 出した固体を濾取した。乾燥後、減圧下温度勾配昇華することで黄白色の固体とし て目的物である化合物 3を得た(56mg, 38%)。
[0214] なお、本実施例によって得られたィ匕合物 3を用いて、実施例 8と同様の操作によつ て薄膜デバイスを作製したところ、実施例 8の薄膜デバイスと同様の性能を示した。
[0215] 〔実施例 11 : 2, 7 ビス(4 トリフルオロフェ-ル) [1]ベンゾセレノフエノ [3, 2— b
] [1]ベンゾセレノフェン(ィ匕合物 22)〕
22
[0217] 実施例 9で得た化合物 7 (148mg, 0. 3mmol)と、 4 トリフルォロメチルフエ-ル ボロン酸(203mg, 0. 8mmol)と、水(lmL)に溶かした炭酸ナトリウム(83mg, 0. 8 mmol)とに、 THF (3mL)およびトルエン(3mL)を加えてから、 1時間脱気を行った 。その後、窒素雰囲気下で Pd (PPh ) (10. 5 mg, 3mol%)を加え、 12時間還流
した。還流終了後、水(10mL)を加え析出した固体を濾取した。昇華精製を行うこと により、 目的物である化合物 22の黄色固体を得た (87mg, 47%) o
'Η NMR (400MHZ, CS — CDCl ) δ 8. 15 (d, J= l. 7Hz, 2H) , 7. 85 (d, J =
2 3
8. 3Hz, 2H) , 7. 76 (d, J = 8. 5Hz, 4H) , 7. 70 (d, J = 8. 5Hz, 4H) , 7. 67 (d d, J = 8. 3, 1. 7Hz, 2H);
MS (70eV, EI) mZz = 622(80Seに基づいた M+、 Se2個の同位体パターン有り) C H F Se 計算値: C, 54. 04 ;H, 2. 27,実測値: C, 53. 86 ;H, 2. 16.
28 14 6 2
なお、本実施例によって得られたィ匕合物 22を用いて、実施例 8と同様の操作によつ て薄膜デバイスを作製したところ、実施例 8の薄膜デバイスと同様の性能を示した。
[0218] 〔実施例 12 :transs— 2, 2,一ビス(メチルセレノ)スチルベン(ィ匕合物 10)〕
[0219] [化 56]
10
[0220] 上述の文献(M. Iwaoka et al., J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 5309- 5317)の方法 により合成した 2—メチルセレノベンズアルデヒド(ィ匕合物 15) (1. 28g, 6. 4mmol) の THF (lOmL)溶液を、氷冷した四塩化チタン(1. 2mL)と THF (40mL)の混合 物中に徐々に加えた。反応混合物を氷冷したまま亜鉛粉末(1. 28g)を一度で加え 、冷浴を外し室温まで加温した後、 9時間還流した。反応終了後、混合物を氷(50g) に加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)および塩化メチレン(lOOmL)をカロ え一晩攪拌した。沈殿した固体を濾別し、水層を有機層から分離後、水層を塩化メチ レン(20mL X 3)により分液抽出した。この水層と先の有機層とを併せて水(50mL X 2)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し得られた粗生成物を カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶媒:塩化メチレン、 Rf=0. 8)により精製し、 白色の固体(970mg, 82%)として目的化合物 (化合物 10)を得た。
融点 84〜85°C
¾ NMR (400MHZ, CDCl ) δ 7. 64 [dd, J= l. 4, 7. 6Hz, 2H] , 7. 47 (dd
, J= l. 4, 7. 6Hz, 2H) , 7. 43 (S, 2H) , 7. 26 (td, J = 7. 6, 1. 4Hz, 2H) , 7 . 20 (td, J = 7. 6, 1. 4Hz, 2H)
MS (70eV, EI) mZz = 368 (80Seに基づいた M+, Se2個の同位体パターン有り) C H Se 計算値: C, 52. 47 ;H, 4. 40,実測値: C, 52. 40 ;H, 4. 21.
16 16 2
〔実施例 13: [ 1 ]ベンゾセレノフエノ [3、 2— b] [ 1 ]ベンゾセレノフェン(化合物 9)〕
[0221] [化 57]
[0222] 実施例 12で得られた化合物 10 (732mg, 2mmol)およびヨウ素(2. 54g, 10mm ol)を四塩ィ匕炭素(20mL)に溶解し、 2時間還流した。冷却後、塩化メチレン(100m L)を加え、未反応のヨウ素を濾別した。得られた濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶 液(50mL)および水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を 留去することで目的の化合物 9を黄白色の固体として得、これをクロ口ホルム一へキ サン混合溶媒力も再結晶することで無色の結晶を得た(516mg, 77%) o
[0223] 〔実施例 14 : 2、 7—ジョード [1]ベンゾチエノ [3, 2— b] [1]ベンゾチォフェン(ィ匕合 物 21)〕
[0225] 上述の文献 S. Y. Zherdeva et al., Zh. Organi. Khimi, 1980, 16, 430- 438に従い、 巿販の化合物である 17をクロロスルホン酸中で加熱することで 18へと定量的に変換 した。続いて 18を酢酸中に懸濁し、 55%ヨウ化水素酸を加えて加熱し、生成した沈 殿を一且濾取後、再度、沈殿物を酢酸中に臭素とともに混合'加熱して 19を黄色の 沈殿物として得た。さらに、 19と薄片状の錫を酢酸中に加え加熱し、濃塩酸を徐々に カロえることで 2, 7—ジァミノ [1]ベンゾチエノ [3, 2— b] [l]ベンゾチォフェン(ィ匕合物
20)を白色の沈殿として得た。
[0226] こうして合成した化合物 20 (lOOmg, 0. 37mmol)、水(5mL)、および塩酸(2. 5 mL)を混合し 5°C以下に冷却した混合物に、別途、亜硫酸ナトリウム(52mg, 0. 75 mmol)と水(2mL)とで調製した溶液を、 5°C以下の低温を保ちながら滴下した。滴 下終了後 30分攪拌したのち、ヨウ化カリウム(125mg, 0. 75mmol)水溶液(2mL) を加え、 3時間還流した。室温まで冷却後、亜硫酸水素ナトリウムをカ卩え、沈殿した固 体をろ過によって回収した。固体を乾燥させ、化合物 21の粗精製品を得た(151mg , 83%)。この粗精製品は次の反応 (反応式(11) )に用いることができる。また、溶媒 としてクロ口ベンゼンを用いた再結晶または昇華精製により橙色固体の結晶として元 素分析用サンプルを得ることができた。
融点〉 300°C
¾ NMR (400MHZ, CDCl ) δ 8. 26 (d, J= l. 4Hz, 2H) , 7. 75 (dd, J= l.
3
4, 8. 4Hz, 2H) , 8. 16 (d, J = 8. 4Hz, 2H)
MS (70eV, EI) m/z=492 (M+)
C H I S 計算値: C, 34. 17 ;H, 1. 23,実測値: C, 34. 13 ;H, 1. 18.
16 6 2 2
〔実施例 15 : 2, 7—ジフエ-ル [1]ベンゾチエノ [3, 2—b] [l]ベンゾチォフェン(ィ匕 合物 16)の合成〕
[0228] 窒素雰囲気下、実施例 14で得た化合物 21 (246mg, 0. 5mmol)、フエ-ルボロン 酸(146mg, 1. 2mmol)、およびリン酸三カリウム(170mg)を DMF (lOmL)に加え 、脱気を 30分行った。この混合物に、 Pd(PPh ) (92. 4mg, 0. 08mmol)、および
3 4
Ag 0 (463mg, 2. Ommol)をカ卩ぇ 85°Cで 9時間攪拌した。反応混合物を飽和塩化
2
アンモ-ゥム水溶液(50mL)に注ぎ、析出した固体を濾取し乾燥後、熱クロ口べンゼ ン(lOOmL)で連続抽出した。抽出液を蒸発乾固した後、減圧下温度勾配昇華する
ことで白色の固体として目的物を得た(96mg, 49%)。この固体を下記実施例 15の デバイス作製に用いた。
融点〉 300°C、
'HNMR (400MHz, CDC1 ) δ 8.09(d, J=l.5Hz, 2H), 7.91(d, J = 8.1H
3
z, 2H), 7.69(d, J=l.5, 8.1Ηζ、 2H), 7.67(d, J = 7.8Hz, 4H), 7.46 (t, J = 7.8Hz, 4H), 7.35(t, J = 7.8Hz, 2H).
MS (70eV, EI) m/z = 392(M+)
C H S計算値: C, 79.55;H, 4.11,実測値: C, 79.25;H, 4.11.
26 16 2
〔実施例 16:2, 7 ビス(4 トリフルォロメチルジフエ-ル) [1]ベンゾチエノ [3, 2 b] [1]ベンゾチォフェン (ィ匕合物 23)の合成〕
[0230] 窒素雰囲気下、実施例 14で得た化合物 21 (246mg, 0.5mmol)、 4 トリフルォ ロメチルフエ-ルボロン酸(220mg, 1. 15mmol)、およびリン酸三カリウム(170mg )を DMF(lOmL)にカロえ、脱気を 30分行った。この混合物に、 Pd(PPh ) (92.4m
3 4 g, 0.08mmol)、および Ag 0(463mg, 2. Ommol)を加え 85。Cで 9時間攪拌した
2
。反応混合物を飽和塩ィ匕アンモ-ゥム水溶液(50mL)に注ぎ、析出した固体を濾取 し乾燥後、熱クロ口ベンゼン(lOOmL)で連続抽出した。抽出液を蒸発乾固した後、 減圧下温度勾配昇華することで淡黄色の固体として目的物 (化合物 23)を得た(134 mg, 50%) o
融点〉 300°C、
'HNMR (400MHz, CDC1 ) δ 8.15(d, J=l.5Hz, 2H), 7.98(d, J = 8.3H
3
z, 4H), 7.80(d, J = 8. OHz、 4H), 7.73(d, J = 8. OHz, 4H), 7.71(dd, J =
8.3, 1.5Hz, 2H).
MS (70eV, EI) m/z = 528(M+)
C H F S計算値: C, 63. 63 ;H, 2. 67,実測値: C, 63. 41 ;H, 2. 54.
28 14 2 2
なお、本実施例によって得られたィ匕合物 23を用いて、実施例 8と同様の操作によつ て薄膜デバイスを作製したところ、実施例 8の薄膜デバイスと同様の性能を示した。 〔実施例 17 :薄膜デバイス〕
実施例 8と同様の操作によって、実施例 14で得られた化合物 16を有機半導体材 料 4として用いて、図 1 (a)および図 1 (b)に示す構造の薄膜デバイスである FETデバ イスを製造した。
[0231] 本実施例では、シリコン基板 1に有機半導体材料 4を堆積させるときのシリコン基板 1の温度を、室温、 60°C、または 100°Cの 3通りとすることで、基板温度の素子性能へ の影響を検討した。また、シリコン基板 1に有機半導体材料 4を堆積させる前に、誘電 液で処理した基板と、処理しなカゝつた基板とで FETデバイスを作製した。
[0232] 化合物 16からなる薄膜を備えた図 1 (b)に示す構造の FETデバイスについて、この 化合物 16からなる半導体薄膜の電界効果移動度を、大気中、室温で測定した。結 果(3個以上の FETデバイスの平均値)を表 2に示す。なお、測定の条件は実施例 8 と同様である。
(表 2)
[0233] [表 2]
表 2に示すように、化合物 16を用いて製造した薄膜デバイスにおける電界効果移 動度は非常に高い。また、 OTS処理によりさらに二倍力も数倍程度向上することがわ カゝつた。中でも、 OTS処理基板で基板温度 100°Cのときの電界効果移動度 1. 0cm
2 ZVsは、有機半導体材料を用いたデバイスにつ 、てこれまでに報告されて 、る中で
、最も高い部類に入る。このことからも、化合物 16が極めて優れた半導体材料である ことを示している。
[0235] また、化合物 16からなる薄膜を備えた図 1 (b)に示す構造の FET素子のトランスフ ァーカーブを図 3に示す。図 3に示すように、本実施例で得られた素子は、大気中で の駆動にもかかわらず、オフ時の電流値(サブスレツショールド電流)力 アンべ ァ以下と小さぐさらにオフ時とオン時の電流値の比 (オン/オフ比)が 109近傍まで に達し、きわめて優れたスイッチング特性を示している。このことは、本実施例で得ら れた素子が、理論回路やメモリ回路などで使用されたときに、良好なスイッチング特 性をもたらすことを示す。さらに、オフ力 オンへの電流値の立ち上がり(サブスレツシ ヨールド 'スイング)が約 1. OVZdecと急峻であり、これは 200nmの SiO層を誘電体
2 層に用いた素子としては、これまでに報告されて 、るものの中で最も小さ 、部類に入 る。小さいサブスレツショールド'スイングを持つ半導体材料は、高品位な VLSI回路 などを作製するのに必須であることから、本材料は有機半導体材料として、サブスレ ッショールド特性の観点力らも優れていることがわ力る。
[0236] 〔実施例 18:実施例 8のデバイスの安定性〕
実施例 8の FETデバイスについて、長期間(12ヶ月)の安定性試験を行った。具体 的には、作製直後および 12ヶ月後に、 FETデバイスのトランスファーカーブ(図 4)を 作成し、両者の FET応答特性を比較した。図 4に示すように、素子作製直後と 12ケ 月後とで、 FET応答特性に変化はほとんど見られず、劣化が起きていないことが分 かった。すなわち、化合物 3からなる薄膜を備えた FET素子は、非常に良好な安定 性を備えている。
[0237] また、連続的にゲート on— offを繰り返す耐久性試験を大気中で行った。具体的に は、ソース一ドレイン電圧(Vd)を一 100Vに固定して、ゲート電圧(Vg)を + 20Vから 100V【こ繰り返し掃弓 Iした。掃弓 Iを 1、 2000、 3000回行った FETデノ イス【こつ!/ヽ て、トランスファーカーブ(図 5)を作成した。図 5に示すように、掃引を 3000回行った 後でも、トランスファーカーブ、すなわち FET応答特性に大きな変化はな力つた。す なわち、化合物 3からなる薄膜を備える薄膜デバイスは、繰り返し動作に対しても良 好な安定性を示すと!ヽえる。
産業上の利用の可能性
本発明の新規な半導体ィ匕合物は合成過程における不純物混入が少ないため、一 回の昇華精製により、 TFTデバイスで 1. 0cm2ZVsに達する移動度、高いオン—ォ フ比(106以上)を達成することができる。よって、本発明によれば、優れた電気的、電 子的および光電気的特性を有し、溶解性の高!、多様な半導体材料を簡便に製造す ることがでさる。