明 細 書
ポリラジカル化合物製造方法及び電池
技術分野
[0001 ] 本発明は、 容量密度が高く、 かつ大きな電流を取り出すことができる電極 活物質、 および、 エネルギー密度が高く、 かつ大きな出力をだすことができ る電池、 並びに前記のような特性を有する電極活物質となりうるポリラジカ ル化合物に関する。
背景技術
[0002] 近年、 ノート型パソコン、 携帯電話などの携帯電子機器は、 通信システム の発展に伴い急激に普及しており、 またその性能も年々向上している。 特に 、 携帯機器は、 性能の向上に伴い消費電力も大きくなる傾向にある。 そこで 、 その電源である電池に対して、 高エネルギー密度、 高出力などの要求が高 まっている。
[0003] 高エネルギー密度の電池としては、 リチウムイオン電池が開発され 1 9 9 0年代以降に広く用いられるようになった。 このリチウムイオン電池は、 電 極活物質として、 例えば正極にマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウムと いったリチウム含有遷移金属酸化物、 負極に炭素を用いたものであった。 こ のリチウムイオン電池において、 この電極活物質へリチウムイオンの揷入■ 脱離反応を利用することで、 充放電がなされる。 このようなリチウムイオン 電池はエネルギー密度が大きく、 サイクル特性に優れているため、 携帯電話 のような種々の電子機器に利用されている。 しかしながら、 このリチウムィ オン電池は、 その電極反応の反応速度が小さいため、 大きな電流を取り出す と電池性能は著しく低下する。 そのため、 大きな出力を出すことが難しく、 また充電のためにも長時間要するという欠点があった。
[0004] 大きな出力を出すことができる蓄電デバイスとして、 電気二重層キャパシ タが知られている。 この電気二重層キャパシタは、 大電流を一度に放出でき るため大きな出力を出すことが可能である。 また、 この電気二重層キャパシ
タは、 サイクル特性にも優れているため、 バックアップ電源としてさらなる 開発が進められている。 しかしながら、 エネルギー密度は非常に小さく、 小 型化が困難であることから、 携帯電子機器の電源には適していない。
[0005] 軽量でエネルギー密度の大きな電極材料を得る目的で、 電極活物質として 硫黄化合物や有機化合物を用いた電池も開発されてきた。 例えば、 特許文献
1 (米国特許第 4, 8 3 3, 0 4 8号明細書) 、 特許文献 2 (特許第 2 7 1 5 7 7 8号公報) にはジスルフィド結合を有する有機化合物を正極に用いた 電池が開示されている。 これはジスルフィド結合の生成、 解離を伴う電気化 学的酸化還元反応を電池の原理として利用したものである。 この電池は硫黄 や炭素といった比重の小さな元素を主成分とする電極材料から構成されてい るため、 高エネルギー密度を有する大容量電池である。 しかし、 解離した結 合が再度結合する効率が小さいことや電極活物質の電解液への拡散のため、 充放電サイクルを重ねると容量が低下しやすいという欠点がある。
[0006] また、 有機化合物を利用した電池として、 導電性高分子を電極材料に用い た電池が提案されている。 これは導電性高分子に対する電解質イオンのドー プ、 脱ドープ反応を利用した電池である。 ドープ反応とは、 導電性高分子の 酸化もしくは還元によって生ずる荷電ラジカルを、 対イオンによって安定化 させる反応のことである。 特許文献 3 (米国特許第 4, 4 4 2, 1 8 7号明 細書) には、 このような導電性高分子を正極もしくは負極の材料とする電池 が開示されている。 この電池は、 炭素や窒素といった比重の小さな元素のみ から構成されたものであり、 高容量電池として期待された。 しかし、 導電性 高分子には、 酸化還元によって生じる荷電ラジカルが 7Γ電子共役系の広い範 囲に亘つて非局在化し、 それらが静電反発やラジカルの消失をもたらす相互 作用をするという特性がある。 これは発生する荷電ラジカルすなわちドープ 濃度に限界をもたらすものであり、 電池の容量を制限するものである。 例え ば、 ポリアニリンを正極に用いた電池のドープ率は 5 0 %以下であり、 また ポリアセチレンの場合は 7 %であると報告されている。 導電性高分子を電極 材料とする電池では軽量化という点では一定の効果を奏しているものの、 大
きなエネルギー密度をもつ電池は得られていない。
[0007] 有機化合物を電池の電極活物質と用いる電池として、 ラジカル化合物の酸 化還元反応を用いる電池が提案されている。 たとえば、 特許文献 4 (特開 2 0 0 2 _ 1 5 1 0 8 4公報) には、 ニトロキシドラジカル化合物、 ァリール ォキシラジカル化合物および特定のァミノ 卜リアジン構造を有する高分子化 合物などの有機ラジカル化合物が活物質として開示されており、 また有機ラ ジカル化合物を正極もしくは負極の材料として用いる電池が開示されている 。 さらに、 特許文献 5 (特開 2 0 0 2— 3 0 4 9 9 6号公報) には、 ニトロ キシド化合物の中でも、 特に環状ニトロキシド構造を有する化合物を電極活 物質として用いる蓄電デバイスが開示されている。 また、 そこで電極活物質 として用いられるポリラジカル化合物は、 2, 2, 6 , 6—テトラメチルピ ペリジンメタクリレートを重合開始剤であるァゾビスィソプチロニ卜リルと 反応させて重合した後、 m _クロ口過安息香酸を用いて酸化することで合成 されている。 一方、 特許文献 6 (特開 2 0 0 2— 3 1 3 3 4 4号公報) には 、 ポリラジカル化合物であるニトロキシルラジカルポリマーを電極用のバイ ンダとして用いる電池も開示されている。
[0008] 一方、 ビニルエーテル、 ジビニルエーテル、 トリビニルエーテルなどのビ ニルエーテル類の合成方法として、 加圧下 (約 2 0〜5 0気圧) 、 触媒量の 水酸化カリウム、 水酸化ナトリウム存在下、 アセチレンと相当するアルコー ルを高温 (1 8 0〜2 0 0 °C) で反応させる方法 (非特許文献 1 ) 、 酢酸第 二水銀触媒存在下、 相当するアルコールとアルキルビニルエーテルを加熱還 流する方法 (非特許文献 2 ) 、 イリジウム触媒存在下、 相当するアルコール と酢酸ビニルを加熱還流する方法 (非特許文献 3及び特許文献 7 ) が知られ ている。
[0009] 特許文献 1 :米国特許第 4, 8 3 3, 0 4 8号明細書
特許文献 2:特許第 2 7 1 5 7 7 8号公報
特許文献 3:米国特許第 4, 4 4 2, 1 8 7号明細書
特許文献 4:特開 2 0 0 2 _ 1 5 1 0 8 4公報
特許文献 5:特開 2002 _ 304996号公報
特許文献 6:特開 2002 _ 3 1 3344号公報
特許文献 7:特開 2003 _ 7332 1公報
非特許文献 1 : W. Re p p e (ダブル レッペ) ら、 アンナーレンデァへミ 一 (L i e b i g s A n n. C h em. , ) 、 60 1巻、 8 1〜 1 1 1頁 ( 1 956年)
非特許文献 2 : Wa r r e n H. ら、 ジャーナルォブジアメリカンケミカル ソサエティ (J o u r n a l o f T h e Ame r i c a n C h e m i c a I S o c i e t y) 、 79巻、 2828〜 2833頁 (1 957年
)
非特許文献 3:石井康敬ら、 ジャーナルォブジァメリカンケミカルソサエティ
(J o u r n a l o f T h e Ame r i c a n C h em i c a l S o c i e t y) 、 1 24巻, 1 590〜 1 59 1頁 (2002年)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0010] 上記で述べたように、 正極に遷移金属酸化物を用いたリチウムイオン電池 では、 重量あたりのエネルギー密度が高く、 かつ大きな出力をだせる電池の 製造が困難であった。 また、 電気二重層キャパシタは大きな出力を有するも のの、 重量あたりのエネルギー密度が低く、 高容量化が困難であった。 また 、 硫黄化合物や導電性有機化合物を電極活物質に利用した電池では、 未だェ ネルギー密度の高い電池が得られていない。 また、 有機ラジカル化合物の酸 化還元反応を用いる電池は、 その電池の製造方法によって電極にひび割れが 発生してしまい、 簡便に製造ができないといった問題があった。 このため、 より簡便な新しい電極製造プロセス、 また、 プロセスが簡便になるような新 しい材料が望まれている。 さらに、 より大きなエネルギー密度を有する材料 も望まれている。
[0011] 本発明は、 容量密度が高く、 かつ大きな電流を取り出すことができる電極 活物質、 および、 エネルギー密度が高く、 かつ大きな出力を出すことができ
る電池を提供する。 本発明はまた、 電極活性物質として用いるポリラジカル 化合物、 およびその製造方法を提供する。
課題を解決するための手段
[0012] 本発明者らが、 鋭意検討した結果、 今までに電極活物質として利用されな かった特定の有機化合物、 すなわち分子内に一般式 (1 ) で表される部分構 造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能 性の架橋剤によって架橋されたポリラジカル化合物を電極活物質として利用 することにより、 前記課題を解決できることを見出した。 すなわち、 本発明 によれば、 一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表 される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポ リラジカル化合物 を電極活物質として用い、 この部位の酸化還元を利用し た新規な電池とすることにより、 高エネルギー密度かつ大きな出力をだすこ とができる (より具体的には大電流を放電できる) 新規な電池を提供するこ とができる。
[0013] すなわち本発明は、 一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式
( 2 ) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架 橋されたポリラジカル化合物を含有することを特徴とする電極活物質に関す る。
[0014] (化 1 )
(一般式 (1 ) において、 R
1〜R
3は、 それぞれ独立に水素原子またはメチ ル基、 R
4〜R
7は、 それぞれ独立に炭素数 1〜3のアルキル基を示す。 ) (化 2 )
(一般式 (2) において、 Xは、 単結合、 または炭素数 1〜1 5の直鎖、 分 岐、 もしくは環状アルキレンジォキシ基、 またはアルキレン基、 またはフエ 二レンジォキシ基、 またはフエ二レン基、 または一般式 (3) で表される構 造を示す。 R8〜R13は、 それぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。 )
(一般式 (3) において、 kは 2〜 5の整数を表す。 )
[0016] 本発明の電池において、 一般式 (1 ) で表される部分構造を有するボリラ ジカル化合物は、 充放電の過程で下記スキーム ( I ) もしくは ( I I ) のよ うな酸化還元反応を行う。 スキーム ( I ) の酸化還元反応では、 一般式 (1 ) で表される部分構造を有するポリラジカル化合物を正極に用いた場合、 充 電により (A) から (B) の状態になり、 電子が放出される。 放電により ( B) から (A) の状態になり電子を受け取る。 また、 ( I I ) の酸化還元反 応では、 重合体を正極に用いた場合、 充電により (C) から (A) の状態に なり、 電子が放出される。 放電により (A) から (C) の状態になり電子を 受け取る。 重合体の酸化還元反応の安定性から、 スキーム ( I ) の酸化還元 を用い充放電を行うことが好ましい。
[0018] 電池において電極活物質は充放電によリ酸化もしくは還元されるため、 電 極活物質は出発状態と酸化状態の二つの状態を取る。 本発明において、 前記 電極活物質は充電または放電された状態の何れかの状態で、 一般式 (1 ) で 表された部分構造を有する。
[0019] 本発明は、 分子内に一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式
( 2 ) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架 橋されたポリラジカル化合物が電極活物質として優れていることを見出した ことに基づいてなされたものである。 これは、 分子内に一般式 (1 ) で表さ れる部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個有 する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポリラジカル化合物が、 副反応を ほとんどおこさない、 ほぼ 1 0 0 %の割合で可逆に安定した酸化還元反応を 起こすことによる。 すなわち、 分子内に一般式 (1 ) で表される部分構造を 有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の
架橋剤によって架橋されたポリラジカル化合物を電極活物質として用いた電 池は、 充放電を安定して行うことができ、 サイクル特性に優れた電池となる 。 また、 分子内に一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2
) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋さ れたポリラジカル化合物を電極活物質として用いた電池は、 従来のリチウム イオン電池などに比べ優れた高出力特性を有する。 これは、 分子内に一般式 ( 1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分子内に重 合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポリラジカル化合物 の置換基が大きな電極反応速度をもっために、 大きな電流を一度に放電でき るためである。 また、 分子内に一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 か つ一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤に よって架橋されたポリラジカル化合物は、 炭素、 窒素、 水素、 酸素という質 量の小さい元素のみから構成することができる。 このため、 電極活物質の質 量を小さくでき、 これを用いて製造した電極の単位質量あたりの容量密度は 大きくなリ、 その結果、 この電極活物質を用い電池を作製した場合、 質量当 たりのェネルギー密度が大きな電池となる。
[0020] また、 本発明では、 正極もしくは負極での電極反応に、 一般式 (1 ) で表 される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個 有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポリラジカル化合物が直接寄与 していればよく、 電極活物質材料として用いる電極は正極もしくは負極のい ずれかに限定されるものではない。 ただし、 エネルギー密度の観点から、 特 にこの一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表され る分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたボリラ ジカル化合物を正極の電極活物質として用いることが好ましい。 また、 本発 明の電池は、 高い電圧、 大きな容量が得られるという点から負極に金属リチ ゥムあるいはリチウムイオンが挿入■脱着可能な炭素を用いたリチウム電池 、 特にリチウム二次電池であることが好ましい。
[0021] なお、 本発明で電極活物質として用いるポリラジカル化合物は、 以下の方
法により好適に製造できる。 すなわち、 本発明は、 カチオン重合触媒存在下 、 少なくとも下記一般式 (1 1 ) で表されるラジカル置換ビニルエーテル化 合物を、 一般式 (2) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架 橋剤によって架橋されたポリラジカル化合物を得ることを特徴とするボリラ ジカル化合物の製造方法に関する。
[0022] (化 5)
(一般式 (1 1 ) において、 R1〜R3は、 それぞれ独立に水素原子またはメ チル基、 R4〜R7は、 それぞれ独立に炭素数 1〜3のアルキル基を示す。 ) (化 6)
(一般式 (2) において、 Xは、 単結合、 または炭素数 1〜1 5の直鎖、 分 岐、 もしくは環状アルキレンジォキシ基、 またはアルキレン基、 またはフエ 二レンジォキシ基、 またはフエ二レン基、 または一般式 (3) で表される構 造を示す。 R8〜R13は、 それぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。 )
(一般式 (3) において、 kは 2〜 5の整数を表す。 )
発明の効果
[0024] 本発明は、 一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2) で
表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋された ポリラジカル化合物を含有する電極活物質と、 この電極活物質を用いた新し い電池を提案する。 これにより、 容量密度が高く、 かつ大きな電流を取り出 すことができる電極活物質、 および、 エネルギー密度が高く、 かつ大きな出 力を出すことができる電池を提供できる。 したがって、 本発明によれば、 電 極活物質として重金属を含まない軽くて安全な元素から構成される電池を作 製することを可能とするものであり、 また、 高容量 (質量当たり) で充放電 サイクルの安定性に優れ、 さらに大きな出力を出すことができる電池を実現 できる。 また、 上記のポリラジカル化合物の製造方法を提供できる。
図面の簡単な説明
[0025] 上述した目的、 およびその他の目的、 特徴および利点は、 以下に述べる好 適な実施の形態、 およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかに なる。
[0026] [図 1 ]本発明の電池の構成の一例を示す概念図である。
発明を実施するための最良の形態
[0027] 図 1に本発明の電池の一実施形態の構成を示す。 図 1に示された電池は、 正極集電体 7の片面に配置された正極 6、 負極集電体 3の片面に配置された 負極 4、 電解質を含むセパレータ 5、 絶縁パッキン 2およびステンレス外装
1を備える。 図 1に示された電池は、 正極 6と負極 4とが、 セパレータ 5を 介して対向するように重ねられている。 これらは、 負極側のステンレス外装
1と、 正極側のステンレス外装 1とで外装され、 その間には、 両者の電気的 接触を防ぐ目的で、 プラスチック樹脂等の絶縁性材料からなる絶縁パッキン
2が配置される。 なお、 電解質として固体電解質やゲル電解質を用いる場合 は、 セパレータ 5に代えて、 これら電解質を電極間に介在させることができ る。
[0028] 本発明では、 このような構成において、 負極 4もしくは正極 6または両電 極に用いられる電極活物質が、 上記一般式 (1 ) で表される部分構造を有し 、 かつ上記一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の
架橋剤によって架橋されたポリラジカル化合物を含有することを特徴とする
[0029] 本発明の電池は、 電池容量の点から、 正極活物質として上記の電極活物質 を用いたリチウム電池、 特にリチウム二次電池とすることが好ましい。
[0030] [ 1 ] 電極活物質
本発明における電極の電極活物質とは、 充電反応および放電反応等の電極 反応に直接寄与する物質のことであり、 電池システムの中心的役割を果たす ものである。
[0031] 本発明では、 電極活物質として、 一般式 (1 ) で表される部分構造を有し 、 かつ一般式 (2) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋 剤によって架橋されたポリラジカル化合物を含有する電極活物質を用いる。
[0032] (化 8)
[0034] 一般式 (1 ) において、 R1〜R3は、 それぞれ独立に水素原子またはメチ ル基、 R4〜R7は、 それぞれ独立に炭素数 1〜3のアルキル基を示す。
一般式 (2) において、 Xは、 単結合、 または炭素数 1〜1 5の直鎖、 分 岐、 もしくは環状のアルキレンジォキシ基、 またはアルキレン基、 またはフ ェニレンジォキシ基、 またはフエ二レン基、 または一般式 (3) で表される 構造を示す。 R8〜R13は、 それぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。
[0035] (化 1 0)
一般式 (3 ) において、 kは 2〜 5の整数を示す。
上記式 (2 ) 中の Xとしては、 例えば、 シクロへキシレンジォキシ基、 ジ (エチレンジォキシ) 基、 トリ (エチレンジォキシ) 基が挙げられる。
[0036] 本発明の電池において電極活物質は電極に固定された状態が望ましい。 た だし、 その場合、 電極活物質の電解液への溶解による容量低下を抑制するた めに、 電極活物質は固体状態で電解液に対し不溶性または低溶解性であるこ とが好ましい。 この際、 電解液に対して不溶性であれば、 膨潤しても良い。 電解液への溶解性が高い場合、 電極活物質が電極から電解液中に溶出するこ とで、 充放電サイクルに伴い容量が低下するおそれがあるためである。
[0037] このため、 一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で 表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋された ポリラジカル化合物は、 有機溶媒に溶けないことが好ましい。
[0038] 分子内に一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表 される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポ リラジカル化合物の例として、 下記式 (1 2 ) から (3 1 ) で表される部分 構造を有するポリラジカル化合物が挙げられる。 ここで、 一般式 (1 ) で表 される部分構造と、 一般式 (2 ) で表される架橋剤由来の部分構造とは、 ラ ンダムに重合している。
[0039] (化 1 1 )
[0040] (化 1 2 )
[0047] (化 1 9)
[0048] (化 20)
[0049] (化 21 )
[0053] (化 25 )
[0054] (化 26 )
[0055] (化 27)
[0056] (化 28 )
[0057] (化 29)
[0058] (化 30)
[0059] 分子内に一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2) で表 される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポ リラジカル化合物は、 例えば、 下記の合成スキーム ( I I I ) に示すルート で合成することができる。 すなわち、 カチオン重合触媒と分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤存在下、 ラジカル置換ビニルエーテル化合物を 重合させカチオン重合する方法で行うことができる。 例えば、 カチオン重合 触媒として、 例えば三フッ化ホウ素ジェチルエーテル錯体を用い、 架橋剤と して、 一般式 (2) の化合物 (例えば、 1, 4 _ブタンジオールジビニルェ 一テル) を用い、 式 (1 1 ) の化合物 (例えば、 2, 2, 6, 6—テトラメ チルピペリジン _4_ビニルォキシ _ 1—ォキシル) を重合することで、 ポ リラジカル化合物 (32) を合成することができる。 また、 上記式 (1 2) 〜 (31 ) で表される化合物についても、 類似の方法で合成することが可能 である。
[0060] (化 31 )
(11) (2) (32)
(一般式 (1 1 ) において、 R
1〜R
3は、 それぞれ独立に水素原子またはメ チル基、 R
4〜R
7は、 それぞれ独立に炭素数 1〜3のアルキル基を示す。 一 般式 (2) において、 Xは、 単結合、 または炭素数 1〜1 5の直鎖、 分岐、 もしくは環状のアルキレンジォキシ基、 またはアルキレン基、 またはフエ二
レンジォキシ基、 またはフエ二レン基、 または一般式 (3 ) で表される構造 を示す。 R
8〜R
1 3は、 それぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。 ) (化 3 2 )
(一般式 (3 ) において、 kは 2〜 5の整数を表す。 )
[0061 ] また、 重合に用いるカチオン重合触媒は、 上記の他、 一般的なカチオン重 合に用いられる触媒が使用できるが、 ルイス酸を使用することが好ましい。 カチオン重合触媒としてプロトン酸を用いることも可能であるが、 その際は ラジカルを含有するモノマーと副反応が起きないような条件で行うことが好 ましい。 ルイス酸としては、 塩化アルミニウム、 四塩化スズ、 塩化鉄などが 使用できる。 また、 四塩化スズ、 四塩化チタン、 三塩化チタン、 四塩化バナ ジゥム、 三塩化酸化バナジウムなどの遷移金属化合物とトリェチルアルミ二 ゥム、 ェチルアルミニウムジクロリ ド、 トリェチルォキソニゥムへキサフル ォロボレートなどの典型金属の有機金属化合物を組み合わせた触媒なども使 用できる。 その場合、 合成スキーム、 使用する原料、 反応条件等を適宜変更 し、 また公知の合成技術を組み合わせることで、 目的とするポリラジカル化 合物を合成することができる。 この重合は、 有機溶媒中で行うことが好まし い。 さらに、 モノマーの溶解性の観点から、 ハロゲン系有機溶媒中で行うこ とが好ましい。 ハロゲン系有機溶媒としては、 ジクロロメタンまたはクロ口 ホルムを用いることが好ましい。
[0062] 架橋に用いる架橋剤は、 上記の他、 一般的なポリ (ビニルエーテル) の架 橋剤として用いられる分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤が使用 できる。 2官能性の架橋剤としては、 1, 3 _プロパンジオールジビニルェ 一テル、 1, 4 _ブタンジオールジビニルエーテル、 1, 5 _ペンタンジォ ールジビニルエーテル、 1, 6—へキサンジオールジビニルエーテル、 1, 7 _ヘプタンジオールジビニルエーテル、 1, 8 _オクタンジオールジビニ ルエーテル、 1, 9—ノナンジオールジビニルエーテル、 1, 1 0 _デカン
ジオールジビニルエーテル、 1, 1 1 _ゥンデカンジオールジビニルエーテ ル、 1, 1 2—ドデカンジオールジビニルエーテル、 シクロへキサンジォー ルジビニルエーテル、 シクロへキサンジメタノールジビニルエーテル、 ェチ レングリコールジビニルエーテル、 ジエチレングリコールジビニルエーテル 、 トリエチレングリコールジビニルエーテル、 トリメチルプロパントリビニ ルエーテル、 ジビニルベンゼン、 ジビニロキシベンゼン、 ジ (ひ一メチルビ ニル) ベンゼン、 ブタジエン、 イソブテン、 脂環式ジビニルエーテルなどが 挙げられる。
[0063] なお、 上記のポリラジカル化合物合成に用いられるビニルエーテルモノマ 一や分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤は、 以下の方法を用いて 合成することができる。 例えば、 W. Re p p e (ダブル レッペ) ら、 ァ ンナーレンデァへミー (L i e b i g s An n. C h em. , ) 、 601 巻、 81〜1 1 1頁 (1 956年) に記載されているように、 加圧下 (約 2 0〜50気圧) 、 触媒量の水酸化カリウム、 水酸化ナトリウム存在下、 ァセ チレンと相当するアルコールを高温 (1 80〜200°C) で反応させること で合成することができる。 また、 Wa r r e n H. ら、 ジャーナルォブジ ァメリカンケミカルソサエティ (J o u r n a l o f T h e Ame r i c a n Ch em i c a l S o c i e t y) 、 79巻、 2828頁〜 28 33 (1 957年) に記載されているように、 酢酸第二水銀触媒存在下、 相 当するアルコールとアルキルビニルエーテルを加熱還流することで合成する ことができる。 さらに、 石井康敬ら、 ジャーナルォブジアメリカンケミカル ソサェ丁ィ (J o u r n a l o f T h e Ame r i c a n Ch em i c a I S o c i e t y) 、 1 24巻, 1 590〜 1 591頁 (2002年 ) 、 及び特開 2003— 73321公報に記載されているように、 イリジゥ ム触媒存在下、 相当するアルコールと酢酸ビニルを加熱還流することでも合 成することができる。
[0064] また、 本発明の電池の一つの極の電極活物質において、 一般式 ( 1 ) で表 される部分構造を有し、 かつ一般式 (2) で表される分子内に重合基を 2個
有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポリラジカル化合物は、 単独で 用いることができるが、 二種類以上を組み合わせて用いても良い。 また、 他 の電極活物質と組み合わせて用いても良い。 このとき、 電極活物質中に、 一 般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2) で表される分子内 に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポリラジカル化 合物が 1 0〜 90質量%含まれていることが好ましく、 20〜80質量%含 まれていることがよリ好ましい。
一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2) で表される分 子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポリラジカ ル化合物を正極に用いる場合、 他の電極活物質として、 金属酸化物、 ジスル フィド化合物、 他の安定ラジカル化合物、 および導電性高分子等を組み合わ せることができる。 ここで、 金属酸化物としては、 例えば、 L i Mn02、 L i xMn204 (0<x<2) 等のマンガン酸リチウムまたはスピネル構造を有 するマンガン酸リチウム、 Mn02、 L i Co02、 L i N i 02、 あるいは L i y V205 (0<y <2) 、 オリビン系材料 L i F e P04、 スピネル構造中 の Mnの一部を他の遷移金属で置換した材料 L i N i 0. 5Mn L 504、 L i C ro. 5M rM. 5O4、 L i C o 0. 5M n ! 504 L i CoMnO L i N i 0. 5 M n 0. 5 02、 L i N i 0. 33 M n 0. 33 C 00. 33。2、 L i N i o. 8〇ο0. 202、 L i N0. 5Mn 1 5_zT i zO4 (0<z< 1. 5) 、 等が挙げられる 。 ジスルフイド化合物としては、 ジチオダリコール、 2, 5—ジメルカプト - 1 , 3, 4—チアジアゾール、 S—卜リアジン _ 2, 4, 6_トリチォー ル等が挙げられる。 他の安定ラジカル化合物としては、 ポリ (2, 2, 6, 6—テトラメチルビペリジノキシル _4—ィルメタクリレー卜) 等が挙げら れる。 また、 導電性高分子としては、 ポリアセチレン、 ポリフエ二レン、 ポ リア二リン、 ポリピロール等が挙げられる。 これらの中でも特に、 マンガン 酸リチウムまたは L i Co02と組み合わせることが好ましい。 本発明では、 これらの他の電極活物質を単独、 もしくは 2種以上を組み合わせて使用する こともできる。
[0066] 一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分 子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポリラジカ ル化合物を負極に用いる場合、 他の電極活物質として、 グラフアイトゃ非晶 質カーボン、 金属リチウムやリチウム合金、 リチウムイオン吸蔵炭素、 金属 ナトリウム、 導電性高分子等を用いることができる。 また、 他の安定ラジカ ル化合物を用いてもよい。 他の安定ラジカル化合物としては、 ポリ (2, 2 , 6 , 6—テトラメチルピペリジノキシル一 4 _ィルメタクリレー卜) など が挙げられる。 これらの形状としては特に限定されず、 例えば金属リチウム では薄膜状のものに限らず、 バルク状のもの、 粉末を固めたもの、 繊維状の もの、 フレーク状のもの等であっても良い。 これらの中でも特に、 金属リチ ゥムまたはグラフアイトと組合わせることが好ましい。 また、 これらの他の 電極活物質を単独、 もしくは 2種以上を組み合わせて使用できる。
[0067] 本発明の電池は、 正極もしくは負極の一方の電極反応、 または両方の電極 反応における電極活物質として、 一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤 によって架橋されたポリラジカル化合物を用いるが、 一方の電極反応におけ る電極活物質として用いる場合、 もう一方の電極における電極活物質として 上記例示のような従来公知の電極活物質が利用できる。 これらの電極活物質 を単独、 もしくは 2種以上を組み合わせて使用することもでき、 これらの電 極活物質の少なくとも 1種と一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ 一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によ つて架橋されたポリラジカル化合物とを組み合わせて用いてもよい。 また、 一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分子 内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポリラジカル 化合物を単独で用いることもできる。
[0068] 本発明では、 正極もしくは負極での電極反応に、 一般式 (1 ) で表される 部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポリラジカル化合物が直接寄与してい
ればよく、 電極活物質材料として用いる電極は正極もしくは負極のいずれか に限定されるものではない。 ただし、 エネルギー密度の観点から、 特にこの 一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分子 内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポリラジカル 化合物を正極の電極活物質として用いることが好ましい。 このとき、 正極活 物質としては、 一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋され たポリラジカル化合物を単独で用いることが好ましい。 ただし、 他の正極活 物質と組み合わせて使用することもでき、 その際の他の正極活物質としては 、 マンガン酸リチウムまたは L i C o 0 2が好ましい。 さらに、 上記の正極活 物質を用いる場合、 負極活物質として金属リチウムまたはグラフアイトを用 いることが好ましい。
[ 2 ] 導電付与剤 (補助導電材) およびイオン伝導補助材
前記一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表され る分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたボリラ ジカル化合物を用いて電極を形成する場合に、 インピーダンスを低下させ、 エネルギー密度、 出力特性を向上させる目的で、 導電付与剤 (補助導電材) やイオン伝導補助材を混合させることもできる。 これらの材料としては、 補 助導電材としては、 グラフアイト、 カーボンブラック、 アセチレンブラック 等の炭素質微粒子、 気相成長炭素繊維 ( V G C F ) 、 カーボンナノチューブ 等の炭素繊維、 ポリア二リン、 ポリピロール、 ポリチォフェン、 ポリアセチ レン、 ポリアセン等の導電性高分子が挙げられ、 イオン伝導補助材としては 高分子ゲル電解質、 高分子固体電解質等が挙げられる。 これらの中でも、 炭 素繊維を混合することが好ましい。 炭素繊維を混合することで電極の引張り 強度がよリ大きくなリ、 電極にひびが入つたリ剥がれたりすることが少なく なる。 より好ましくは、 気相成長炭素繊維を混合することがより好ましい。 これらの材料は、 単独でまたは 2種類以上混合して用いることもできる。 電 極中のこれらの材料の割合としては、 1 0〜8 0質量%が好ましい。
[0070] [ 3 ] 結着剤
電極の各構成部材間の結びつきを強めるために、 結着剤を用いることもで きる。 このような結着剤としては、 ポリテトラフルォロエチレン、 ポリフッ 化ビニリデン、 ビニリデンフロラィドーへキサフルォロプロピレン共重合体 、 ビニリデンフロライド一テトラフルォロエチレン共重合体、 スチレン 'ブ タジェン共重合ゴム、 ポリプロピレン、 ポリエチレン、 ポリイミド、 各種ポ リウレタン等の樹脂バインダが挙げられる。 これらの樹脂バインダは、 単独 でまたは 2種類以上混合して用いることもできる。 電極中の結着剤の割合と しては、 5〜3 0質量%が好ましい。
[0071 ] [ 4 ] 増粘剤
電極スラリーを作製しやすくするために、 増粘剤を用いることもできる。 このような増粘剤としては、 カルボキシメチルセルロース、 ポリエチレンォ キシド、 ポリプロピレンォキシド、 ヒドロキシェチルセルロース、 ヒドロキ シプロピルセルロース、 力ルポキシメチルヒドロキシェチルセルロース、 ポ リビニルアルコール、 ポリアクリルアミド、 ポリアクリル酸ヒドロキシェチ ル、 ポリアクリル酸アンモニゥム、 ポリアクリル酸ソーダ等が挙げられる。 これらの樹脂バインダは、 単独でまたは 2種類以上混合して用いることもで きる。 電極中の増粘剤の割合としては、 0 . 1〜5重量%が好ましぃ。
[0072] [ 5 ] 触媒
電極反応をより潤滑に行うために、 酸化還元反応を助ける触媒を用いるこ ともできる。 このような触媒としては、 ポリア二リン、 ポリピロール、 ポリ チォフェン、 ポリアセチレン、 ポリアセン等の導電性高分子、 ピリジン誘導 体、 ピロリ ドン誘導体、 ベンズイミダゾール誘導体、 ベンゾチアゾール誘導 体、 ァクリジン誘導体等の塩基性化合物、 金属イオン錯体等が挙げられる。 これらの触媒は、 単独でまたは 2種類以上混合して用いることもできる。 電 極中の触媒の割合としては、 1 0質量%以下が好ましい。
[0073] [ 6 ] 集電体およびセパレータ
負極集電体、 正極集電体としては、 ニッケル、 アルミニウム、 銅、 金、 銀
、 アルミニウム合金、 ステンレス、 炭素等からなる箔であって、 平板、 メッ シュ状などの形状のものを用いることができる。 また、 集電体に触媒効果を 持たせたリ、 電極活物質と集電体とを化学結合させてもよい。
[0074] 一方、 上記の正極、 および負極が接触しないようにポリエチレン、 ポリプ ロピレン等からなる多孔質フィルムゃ不織布などのセパレータを用いること もできる。
[0075] [7] 電解質
本発明において、 電解質は、 負極と正極の両極間の荷電担体輸送を行うも のであり、 一般には 20°Cで 1 0_5〜1 0_1 SZ cmのイオン伝導性を有し ていることが好ましい。 電解質としては、 例えば電解質塩を溶剤に溶解した 電解液を利用することができる。 電解質塩として、 例えば L i P F6、 L i C I 04、 L i B F4、 L i CF3S03、 L i (C F3S 02) 2N、 L i (C2F 5S02) 2N、 L i (CF3S02) 3C、 L i (C2F5S02) 3C等の従来公 知の材料を用いることができる。 これらの電解質塩は、 単独でまたは 2種類 以上混合して用いることもできる。
[0076] また, 電解液に溶剤を用いる場合、 溶剤としては例えばエチレンカーボネ 一卜、 プロピレンカーボネート、 ジメチルカーボネート、 ジェチルカーポネ 一卜、 メチルェチルカーボネート、 r_プチロラクトン、 テトラヒドロフラ ン、 ジォキソラン、 スルホラン、 N, N—ジメチルホルムアミド、 N, N- ジメチルァセトアミド、 !\1_メチル_2_ピロリ ドン等の有機溶媒を用いる ことができる。 これらの溶剤を単独もしくは 2種類以上混合して用いること もできる。
[0077] さらに、 本発明では電解質として固体電解質を用いることもできる。 これ ら固体電解質に用いられる高分子化合物としては、 ポリフッ化ビニリデン、 フッ化ビニリデン一へキサフルォ口プロピレン共重合体、 フッ化ビニリデン —エチレン共重合体、 フッ化ビニリデン一モノフルォロエチレン共重合体、 フッ化ビニリデン一トリフルォロエチレン共重合体、 フッ化ビニリデン一テ トラフルォロエチレン共重合体、 フッ化ビニリデン一へキサフルォロプロピ
レン一テトラフルォロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体 や、 アクリロニトリル一メチルメタクリレート共重合体、 アクリロニトリル —メチルァクリレー卜共重合体、 ァクリロ二トリル一ェチルメタクリレー卜 共重合体、 アクリロニトリル一ェチルァクリレート共重合体、 ァクリロ二卜 リル一メタクリル酸共重合体、 アクリロニトリル一アクリル酸共重合体、 ァ クリロニトリル一ビニルァセテ一卜共重合体等のァクリルニ卜リル系重合体 、 さらにポリエチレンオキサイド、 エチレンオキサイド一プロピレンォキサ ィド共重合体、 これらのァクリレート体ゃメタクリレー卜体の重合体などが 挙げられる。 これらの高分子化合物に電解液を含ませてゲル状にしたものを 用いても、 電解質塩を含有させた高分子化合物のみをそのまま用いても良い
[0078] [ 8 ] 電池形状
本発明において、 電池の形状は特に限定されず、 従来公知のものを用いる ことができる。 電池形状としては、 電極積層体、 あるいは巻回体を金属ケー ス、 樹脂ケース、 あるいはアルミニウム箔などの金属箔と合成樹脂フィルム からなるラミネートフィルム等によって封止したもの等が挙げられ、 円筒型 、 角型、 コイン型、 およびシート型等で作製されるが、 本発明はこれらに限 定されるものではない。
[0079] [ 9 ] 電池の製造方法
電池の製造方法としては特に限定されず、 材料に応じて適宜選択した方法 を用いることができる。 例えば、 電極活物質、 導電付与剤などに溶剤を加え スラリ一状にして電極集電体に塗布し、 加熱もしくは常温で溶剤を揮発させ ることにより電極を作製し、 さらにこの電極を対極、 セパレータを挟んで積 層または巻回して外装体で包み、 電解液を注入して封止するといつた方法で ある。 スラリー化のための溶剤としては、 テトラヒドロフラン、 ジェチルェ 一テル、 エチレングリコールジメチルエーテル、 ジォキサンなどのエーテル 系溶媒、 N、 N—ジメチルホルムアミド、 N—メチルピロリ ドン等のアミン 系溶媒、 ベンゼン、 トルエン、 キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、 へキ
サン、 ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、 クロ口ホルム、 ジクロロメタ ン、 ジクロロエタン、 トリクロロェタン、 四塩化炭素等のハロゲン化炭化水 素系溶媒、 アセトン、 メチルェチルケトンなどのアルキルケトン系溶媒、 メ タノール、 エタノール、 イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、 ジメチルスルホキシド、 水等が挙げられる。 また、 電極の作製法としては、 電極活物質、 導電付与剤などを乾式で混練した後、 薄膜化し電極集電体上に 積層する方法もある。 電極の作製において、 特に有機物の電極活物質、 導電 付与剤などに溶剤を加えスラリー状にして電極集電体に塗布し、 加熱もしく は常温で溶剤を揮発させる方法の場合、 電極の剥がれ、 ひび割れ等が発生し やすい。 本発明の一般式 (2 ) で表される部分構造を有するポリラジカル化 合物を用い、 好ましくは 4 0 m以上で 3 0 0 m以下の厚さの電極を作製 した場合、 電極の剥がれ、 ひび割れ等が発生しにくい、 均一な電極が作製で きるといった特徴を有している。
電池を製造する際には、 電極活物質として一般式 (1 ) で表される部分構 造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能 性の架橋剤によって架橋されたポリラジカル化合物そのものを用いて電池を 製造する場合と、 電極反応によって一般式 (1 ) で表される部分構造を有し 、 かつ一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋 剤によって架橋されたポリラジカル化合物に変化する重合体を用いて電池を 製造する場合とがある。 このような電極反応によって一般式 (1 ) で表され る部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個有す る 2官能性の架橋剤によって架橋されたポリラジカル化合物に変化する重合 体の例としては、 一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表される分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋さ れたポリラジカル化合物を還元したァニオン体とリチウムイオンゃナトリウ ムイオンといった電解質カチオンとからなるリチウム塩やナトリウム塩、 あ るいは、 一般式 (1 ) で表される部分構造を有し、 かつ一般式 (2 ) で表さ れる分子内に重合基を 2個有する 2官能性の架橋剤によって架橋されたポリ
ラジカル化合物を酸化したカチオン体と P F6_や B F4_といった電解質ァニ オンとからなる塩などが挙げられる。
[0081] 本発明に於いて、 電極からのリードの取り出し、 外装等のその他の製造条 件は電池の製造方法として従来公知の方法を用いることができる。
[0082] 以上、 図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、 これらは本発 明の例示であり、 上記以外の様々な構成を採用することができる。
[0083] 以下、 本発明の詳細について合成例、 実施例により具体的に説明するが、 本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(合成例 1 )
上記式 (1 2) で表される部分構造を有する架橋体 (A) を、 以下に示す 合成スキーム (33) に従い合成した。
[0084] (化 33 )
架橋体
[0085] [ 1 ] 架橋体 (A) の合成
[0086] (化 34)
[0087] アルゴン雰囲気下、 20 OmLの 3口丸底フラスコに、 ジクロロメタン 1 O Om L、 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン _ 4—ビニルォキシ一 1—ォキシル (モノマー) 1 0. 0 g (50. 4mmo I ) 、 エチレングリ コールジビニルエーテル 57mg (架橋剤 1 %) (0. 5 Ommo I ) を加
え、 _78°Cに冷却した。 さらに、 三フッ化ホウ素一ジェチルエーテル錯体 28 Omg (2mmo I ) を加えて均一にした後、 _25°Cで 20時間反応 させた。 反応終了後室温に戻し、 得られた固形物をろ過した後メタノールで 数回洗浄し、 真空乾燥を行うことで、 赤色固体として (架橋体 A) を得た ( 収率 70%) 。 得られた架橋体 (A) の構造を I Rスぺクトルで確認した結 果、 モノマーに観測されていたビニル基に由来するピーク 966、 674 ( cm-1) は消失していた。 得られた架橋体 (A) は、 有機溶媒に全く溶けな かった。 ES Rスペクトルにより求めた架橋体 (A) のスピン密度は、 3. 02 X 1 021 s p i nZgであった。 これはポリマー中のすべてのラジカル が重合によって失活せず、 ラジカルのまま存在すると仮定した場合のスピン 濃度とほぼ一致する。
[0088] (合成例 2)
上記式 (1 3) で表される部分構造を有する架橋体 (B) を、 以下に示す 合成スキーム (34) に従い合成した。
[0089] (化 35 )
[0090] [2] 架橋体 (B) の合成
[0091] (化 36)
アルゴン雰囲気下、 2 OOmLの 3口丸底フラスコにジクロロメタン 1 0 OmL、 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン一 4 _ビニルォキシ _ 1
—ォキシル (モノマー) 1 0. 0 g (50. 4mmo I ) 、 シクロへキサン ジメタノールジビニルエーテル 396mg (架橋剤 4mo l %) (0. 50 mmo I ) を加え、 _78°Cに冷却した。 さらに、 三フッ化ホウ素一ジェチ ルエーテル錯体 1 43m g ( 1 mmo I ) を加えて均一にした後、 _25°C で 20時間反応させた。 反応終了後室温に戻し、 得られた固形物をろ過した 後メタノールで数回洗浄し、 真空乾燥を行うことで、 赤色固体として (架橋 体 B) を得た (収率 70%) 。 得られた架橋体 (B) の構造の I Rスぺク卜 ルで確認した結果、 モノマーに観測されていたビニル基に由来するピーク 9 66、 674 (cm ) は消失していた。 得られた架橋体 (B) は、 有機溶 媒に全く溶けなかった。 ES Rスペクトルにより求めた架橋体 (B) のスピ ン密度は、 2. 63 X 1 021 s p i nZgであった。 これはポリマー中のす ベてのラジカルが重合によって失活せず、 ラジカルのまま存在すると仮定し た場合のスピン濃度とほぼ一致する。
[0093] (合成例 3)
上記式 (1 4) で表される部分構造を有する架橋体 (C) を、 以下に示す 合成スキーム (35) に従い合成した。
[0094] (化 37)
架橋体 (c)
[0095] [3] 架橋体 (C) の合成
[0096] (化 38 )
[0097] アルゴン雰囲気下、 200mLの 3口丸底フラスコにジクロロメタン 1 0
OmL、 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン一 4 _ビニルォキシ _ 1 —ォキシル (モノマー) 1 0. 0 g (50. 4mmo I ) 、 エチレングリコ ールジビニルエーテル 1 1 5mg (架橋剤 4 mo I %) (0. 5 Ommo I ) を加え、 _78°Cに冷却した。 さらに、 三フッ化ホウ素一ジェチルエーテ ル錯体 1 43m g ( 1 mmo I ) を加えて均一にした後、 _ 25 °Cで 20時 間反応させた。 反応終了後室温に戻し、 得られた固形物をろ過した後メタノ ールで数回洗浄し、 真空乾燥を行うことで、 赤色固体として (架橋体 C) を 得た (収率 70%) 。 得られた架橋体 (C) の構造の I Rスぺクトルで確認 した結果、 モノマーに観測されていたビニル基に由来するピーク 966、 6 74 (cm-1) は消失していた。 得られた架橋体 (C) は、 有機溶媒に全く 溶けなかった。 ES Rスペクトルにより求めた架橋体 (C) のスピン密度は 、 2. 70 X 1 021 s p i nZgであった。 これはポリマー中のすべてのラ ジカルが重合によって失活せず、 ラジカルのまま存在すると仮定した場合の スピン濃度とほぼ一致する。
[0098] (合成例 4)
上記式 (25) で表される部分構造を有する架橋体 (D) を、 以下に示す 合成スキーム (36) に従い合成した。
[0099] (化 39 )
[0100] [4] 架橋体 (D) の合成
[0101] (化 40)
[0102] アルゴン雰囲気下、 200mL3口丸底フラスコにジクロロメタン 1 00 mL、 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン一 4 _ビニルォキシ _ 1 _ ォキシル (モノマー) 1 0. O g (50. 4mm o I ) 、 シクロへキサンジ オールジビニルエーテル 1 7 Omg (架橋剤 4mo l %) (0. 5 Ommo I ) を加え、 _78°Cに冷却した。 さらに、 三フッ化ホウ素一ジェチルエー テル錯体 1 43m g ( 1 mmo I ) を加えて均一にした後、 _78°Cで 20 時間反応させた。 反応終了後室温に戻し、 得られた固形物をろ過した後メタ ノールで数回洗浄し、 真空乾燥を行うことで、 赤色固体と架橋体 (D) を得 た (収率 72%) 。 得られた架橋体 (D) の構造の I Rスぺクトルで確認し た結果、 モノマーに観測されていたビニル基に由来するピーク 966、 67 4 (cm- は消失していた。 得られた架橋体 (D) は、 有機溶媒に全く溶 けなかった。 ES Rスペクトルにより求めた架橋体 (D) のスピン密度は、 2. 69 X 1 0
21 s p i nZgであった。 これはポリマー中のすべてのラジ カルが重合によって失活せず、 ラジカルのまま存在すると仮定した場合のス ピン濃度とほぼ一致する。
[0103] (合成例 5)
上記式 (26) で表される部分構造を有する架橋体 (E) を、 以下に示す 合成スキーム (37) に従い合成した。
[0104] (化 41 )
[0105] [5] 架橋体 (E) の合成
[0107] アルゴン雰囲気下、 200mL3口丸底フラスコにジクロロメタン 1 00 mL、 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジン一 4 _ビニルォキシ _ 1 _ ォキシル (モノマー) 1 0. O g (50. 4mmo I ) 、 ジエチレングリコ ールジビニルエーテル 1 59m g (架橋剤 4mo l %) (0. 5 Ommo I ) を加え、 _78°Cに冷却した。 さらに、 三フッ化ホウ素一ジェチルエーテ ル錯体 1 43m g ( 1 mmo I ) を加えて均一にした後、 _ 78 °Cで 20時 間反応させた。 反応終了後室温に戻し、 得られた固形物をろ過した後メタノ ールで数回洗浄し、 真空乾燥を行うことで、 赤色固体と架橋体 (E) を得た (収率 75%) 。 得られた架橋体 (E) の構造の I Rスぺクトルで確認した 結果、 モノマーに観測されていたビニル基に由来するピーク 966、 674 (cm-1) は消失していた。 得られた架橋体 (E) は、 有機溶媒に全く溶け なかった。 ES Rスペクトルにより求めた架橋体 (E) のスピン密度は、 2 . 68 X 1 021 s p i nZgであった。 これはポリマー中のすべてのラジカ ルが重合によって失活せず、 ラジカルのまま存在すると仮定した場合のスピ ン濃度とほぼ一致する。
[0108] (実施例 1 )
合成例 1で合成した架橋体 (A) 300mg、 グラフアイト粉末 6 OOm g、 ポリテトラフルォロエチレン樹脂バインダ 1 OOmgを測り採り、 メノ ゥ乳鉢を用い混練した。 1 0分ほど乾式混合して得られた混合体を、 圧力を 掛けてローラー延伸することにより、 厚さ約 1 50 mの薄膜とした。 これ を、 真空中 1 00°Cでー晚乾燥した後、 直径 1 2mmの円形に打ち抜き、 コ イン電池用電極を成型した。 なお、 この電極の質量は 1 7. 4mgだった。
[0109] 次に、 得られた電極を電解液に浸して、 電極中の空隙に電解液を染み込ま せた。 電解液としては、 1. Omo I ZLの L i P F 6電解質塩を含むェチレ
ンカーボネート Zジェチルカーボネート混合溶液 (混合体積比 3 : 7) を用 いた。 電解液を含浸させた電極は、 正極集電体上に置き、 その上に同じく電 解液を含浸させたポリプロピレン多孔質フィルムセパレータを積層した。 さ らに負極となるリチウム張り合わせ銅箔を積層し、 周囲に絶縁パッキンを配 置した状態で正極側及び負極側からそれぞれのステンレス外装 (H o h s e n製) を重ね合わせた。 これを、 かしめ機によって圧力を加えることで、 正 極活物質として架橋ポリラジカル化合物、 負極活物質として金属リチウムを 用いた密閉型のコイン型電池とした。
[0110] 以上のように作製したコイン電池を、 0. 1 mAZcm2の定電流で電圧が
4. OVになるまで充電し、 その後、 0. 1 mAZcm2の定電流で 3. 0 V まで放電を行った。 その結果、 電圧は 3. 5 V付近で 6時間 1 0分ほぼ一定 となり、 その後急激に低下した。 電極活物質あたりの放電容量は 1 1 7mA hZgだった。 同様に、 4. 0〜3. 0 Vの範囲で充放電を 1 00回繰り返 した。 その結果、 1 00回の充放電すベてにおいて、 放電時に 3. 5V付近 で電圧が一定になり、 [ (1 00回目の放電容量) Z (1回目の放電容量) ] X 1 00 (%) から求められる値は、 は 95%だった。
[0111] (実施例 2)
小型ホモジナイザ容器に N—メチルピロリドン 20 gをはかりとリ、 ポリ フッ化ビニリデン 40 Omgを加え、 30分間撹拌し完全に溶解させた。 そ こへ、 合成例 1で合成した架橋体 (A) を 1. 0 g加え全体が均一なオレン ジ色になるまで 5分間撹拌した。 ここへグラフアイ卜粉末 60 Omgを加え 、 さらに 1 5分間撹拌することによリスラリーを得た。 得られたスラリーを アルミニウム箔上に塗布し、 1 20°Cで乾燥させて正極を作製した。 正極層 の厚みは 1 30 mだった。 作製した電極に、 剥がれ、 ひび割れ等は見られ なく、 表面は均一であった。 これを、 直径 1 2 mmの円形に打ち抜き、 コィ ン電池用電極を成型した。 なお、 この電極の質量は 1 2. 6mgだった。
[0112] 次に、 得られた電極を電解液に浸して、 電極中の空隙に電解液を染み込ま せた。 電解液としては、 1. Omo I ZLの L i P F 6電解質塩を含むェチレ
ンカーボネート Zジェチルカーボネート混合溶液 (混合体積比 3 : 7) を用 いた。 電解液を含浸させた電極は、 正極集電体 (アルミ箔) 上に置き、 その 上に同じく電解液を含浸させたポリプロピレン多孔質フィルムセパレータを 積層した。 さらに負極となるグラフアイト層を片面に付した銅箔を積層し、 周囲に絶縁パッキンを配置した状態で正極側及び負極側からそれぞれのアル ミ外装 (H o h s e n製) を重ね合わせた。 これを、 かしめ機によって圧力 を加えることで、 正極活物質として架橋体 (A) 、 負極活物質としてグラフ アイ卜を用いた密閉型のコイン型電池とした。
[0113] 以上のように作製したコイン電池を、 0. 1 mAの定電流で電圧が 4. 0 Vになるまで充電し、 その後、 0. 1 mAの定電流で 3. 0Vまで放電を行 つた。 その結果、 電圧は 3. 5 V付近で 7時間 30分ほぼ一定となり、 その 後急激に低下した。 電極活物質あたりの放電容量は 1 20mAhZgだった 。 同様に、 4. 0〜3. 0 Vの範囲で充放電を 1 00回繰り返した。 その結 果、 1 00回の充放電すベてにおいて、 放電時に 3. 5 V付近で電圧が一定 になり、 [ ( 1 00回目の放電容量) Z ( 1回目の放電容量) ] X 1 00 ( %) から求められる値は、 96%だった。
[0114] (実施例 3)
小型ホモジナイザ容器に水 1 O gを測りとリ、 カルボキシメチルセルロー ス 25mgを加え、 30分間攪拌し完全に溶解させた。 そこへ、 ポリ (テト ラフルォロエチレン) (PT FE) 1 0 Omgを加えてさらに攪拌し、 気相 成長炭素繊維 (VGCF) 粉末 1. 1 25 gを加えて再び攪拌した。 さらに 、 合成例 1で合成した架橋体 (A) 1. 25 gを加え、 さらに 1時間攪拌す ることによリスラリーを得た。 得られたスラリーをアルミニゥム箔上に塗布 し、 1 00°Cで乾燥させて正極を作製した。 正極の厚みは 1 OO Zmであつ た。 作製した電極に、 剥がれ、 ひび割れ等は見られなく、 表面は均一であつ た。 これを、 直径 1 2 mmの円形に打ち抜き、 コイン電池用電極を成型した 。 なお、 この電極の質量は 5. 2m gであった。
[0115] 次に、 得られた電極を電解液に浸して、 電極中の空隙に電解液を染み込ま
せた。 電解液としては、 1. Omo I ZLの L i P F 6電解質塩を含むェチレ ンカーボネート Zジェチルカーボネート混合溶液 (混合体積比 3 : 7) を用 いた。 電解液を含浸させた電極は、 正極集電体上に置き、 その上に同じく電 解液を含浸させたポリプロピレン多孔質フィルムセパレータを積層した。 さ らに負極となるリチウム張り合わせ銅箔を積層し、 周囲に絶縁パッキンを配 置した状態で正極側及び負極側からそれぞれのステンレス外装 (H o h s e n製) を重ね合わせた。 これを、 かしめ機によって圧力を加えることで、 正 極活物質として架橋ポリラジカル化合物、 負極活物質として金属リチウムを 用いた密閉型のコイン型電池とした。
[0116] このコイン電池を、 0. 1 mAの定電流で電圧が 4. OVになるまで充電 し、 その後、 0. 1 mAの定電流で 3. OVまで放電を行った。 その結果、 電圧平坦部が 3. 5 V付近で約 3時間観測された。 電極活物質あたりの放電 容量は 1 1 8mA hZgだった。 4. 0〜3. 0 Vの範囲で充放電を 1 00 回繰り返した結果、 [ (1 00回目の放電容量) Z (1回目の放電容量) ] X 1 00 (%) から求められる値は、 95%だった。
[0117] (実施例 4)
架橋体 (A) の代わりに、 合成例 2で合成した架橋体 (B) を用いること 以外は、 実施例 3と同様の方法によリコイン電池を作製した。 作製した電極 に、 剥がれ、 ひび割れ等は見られなく、 表面は均一であった。 このコイン電 池の正極重さは 5. 6m gであった。
このコイン電池を、 0. 1 mAの定電流で電圧が 4. 0Vになるまで充電 し、 その後、 0. 1 mAの定電流で 3. 0Vまで放電を行った。 その結果、 電圧平坦部が 3. 5 V付近で 3時間 20分間見られた。 電極活物質あたりの 放電容量は 1 2 OmA hZgだった。 4. 0〜3. 0Vの範囲で充放電を 1 00回繰り返した結果、 [ (1 00回目の放電容量) Z (1回目の放電容量 ) ] X 1 00 (%) から求められる値は、 93%であった。
[0118] (実施例 5)
架橋体 (A) の代わりに、 合成例 3で合成した架橋体 (C) を用いること
以外は、 実施例 3と同様の方法によリコイン電池を作製した。 作製した電極 に、 剥がれ、 ひび割れ等は見られなく、 表面は均一であった。 このコイン電 池の正極重さは 5. 5m gであった。
このコイン電池を、 0. 1 mAの定電流で電圧が 4. OVになるまで充電 し、 その後、 0. 1 mAの定電流で 3. OVまで放電を行った。 その結果、 電圧平坦部が 3. 5 V付近で約 3時間分見られた。 電極活物質あたりの放電 容量は 1 1 7 mA hZgだった。 4. 0〜3. 0 Vの範囲で充放電を 1 00 回繰り返した結果、 [ (1 00回目の放電容量) Z (1回目の放電容量) ]
X 1 00 (%) から求められる値は、 95%であった。
[0119] (比較例 1 )
アルゴン雰囲気下、 20 OmL 3口丸底フラスコに、 2, 2, 6, 6—テ トラメチルビペリジン _4_ビニルォキシ _ 1—ォキシル (モノマー) 1 0 . 0 g (50. 4mmo I ) 、 ジクロロメタン 1 0 OmLを加え、 _78°C に冷却した。 さらに、 三フッ化ホウ素ージェチルエーテル錯体 1 43m g (
1 mmo I ) を加えて均一にした後、 _78°Cで 20時間反応させた。 反応 終了後室温に戻し、 得られた固形物をろ過した後メタノールで数回洗浄し、 真空乾燥を行うことで、 赤色固体として未架橋体 (a) を得た (収率 70% ) 。 得られた架橋体 (C) の構造の I Rスぺクトルで確認した結果、 モノマ 一に観測されていたビニル基に由来するピーク 966、 674 (cm-1) は 消失していた。 ES Rスペクトルにより求めた未架橋体 (a) のスピン密度 は、 2. 75 X 1 021 s p i nZgであった。 これはポリマー中のすべての ラジカルが重合によつて失活せず、 ラジカルのまま存在すると仮定した場合 のスピン濃度とほぼ一致する。
[0120] 実施例 3と同様な方法で、 ただし架橋体 (A) を用いる代わりに、 ここで 合成した未架橋体 (a) を用いてコイン電池を作成した。 作製した電池に対 して、 実施例 3と同様に 3. 0〜4. 0Vの範囲で充放電を行った結果、 電 圧は 3. 5 V付近で 6時間 30分ほぼ一定となり、 その後急激に低下した。 電極活物質あたりの放電容量は 1 1 0. OmAhZgだった。 同様に、 3.
0〜4. OVの範囲で充放電サイクルを 1 00回繰り返した結果、 [ (1 0 0回目の放電容量) Z (1回目の放電容量) ] X 1 00 (%) から求められ る値は、 42%であった。
[0121] (比較例 2)
実施例 1と同様な方法で、 ただし、 架橋体 (A) の代わりに 2, 2, 6, 6—テトラメチルピペリジノキシル (TEMPO) を用いて、 コイン電池を 作製した。
電極活物質あたりの放電容量は 35mA hZgだった。 4. 0〜3. 0 V の範囲で充放電を 1 2回繰り返した結果、 充放電ができなくなり、 電池とし て動作しなくなった。
[0122] (比較例 3)
実施例 2と同様な方法で、 ただし、 架橋体 (A) の代わりに直鎖ポリラジ カル化合物ポリ (メタクリロイロキシ _ 2, 2, 6, 6—テトラメチルピぺ リジン一 N—ォキシル) (Mn = 89, 000、 MwZMn = 3. 0) を用 い電極を作製した。
実施例 1と同様にして充放電を行い、 電極活物質あたりの放電容量を計算 したところ、 電極活物質あたりの放電容量は、 78mAhZgであった。 4 . 0〜3. OVの範囲で充放電を 1 00回繰り返した結果、 [ (1 00回目 の放電容量) Z (1回目の放電容量) ] X 1 00 (%) から求められる値は 、 52%であった。