明 細 書
リンパ球の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、医療分野において有用なリンパ球を取得する方法に関する。
背景技術
[0002] 生体は主として免疫応答により異物から守られており、免疫システムはさまざまな糸田 胞とそれが作り出す可溶性の因子によって成り立つている。なかでも中心的な役割を 果たしているのが白血球、特にリンパ球である。このリンパ球は Bリンパ球(以下、 B細 胞と記載することがある)と Tリンパ球 (以下、 T細胞と記載することがある)という 2種類 の主要なタイプに分けられ、いずれも抗原を特異的に認識し、これに作用して生体を 防御する。
[0003] T細胞は、 CD (Cluster of Differentiation) 4マーカーを有し、主に抗体産生 の補助や種々の免疫応答の誘導に関与するヘルパー T細胞(以下、 T と記載する)
H
、 CD8マーカーを有し、主に細胞傷害活性を示す細胞傷害性 T細胞〔T ;細胞傷害
c
性 Τリンパ球(cytotoxic T lymphocyte)、キラー T細胞とも呼ばれる。以下、 CT Lと記載することがある〕に亜分類される。腫瘍細胞やウィルス感染細胞等を認識して 破壊、除去するのに最も重要な役割を果たしている CTLは、 B細胞のように抗原に対 して特異的に反応する抗体を産生するのではなぐ標的細胞膜表面上に存在する主 要組織適合複合体〔MHC:ヒトにおレ、てはヒト白血球抗原(HLA)と称することもある 〕クラス I分子に会合した標的細胞由来の抗原 (抗原ペプチド)を直接認識して作用す る。この時、 CTL膜表面の T細胞レセプター(以下、 TCRと称す)が前述した抗原べ プチドおよび MHCクラス I分子を特異的に認識して、抗原ペプチドが自己由来のも のなのか、あるいは、非自己由来のものなのかを判断する。そして、非自己由来と判 断された標的細胞は CTLによって特異的に破壊、除去される。
[0004] 近年、薬剤治療法や放射線治療法のように患者に重い肉体的負担がある治療法 が見直され、患者の肉体的負担が軽い免疫治療法への関心が高まっている。特にヒ ト由来のリンパ球から目的とする抗原に対して特異的に反応する CTLを生体外(ex
vivo)で誘導した後、もしくは誘導を行わず、リンパ球を拡大培養し、患者へ移入する 養子免疫療法の有効性が注目されている。例えば、動物モデルにおいて養子免疫 療法がウィルス感染および腫瘍に対して有効な治療法であることが示唆されている( 例えば、非特許文献 1および 2)。この治療法では CTLの抗原特異的細胞傷害活性 を維持もしくは増強させた状態でその細胞数を維持あるいは増加させることが重要で ある。
[0005] 上記のような養子免疫療法において、治療効果を得るためには一定量以上の細胞 数の細胞傷害性リンパ球を投与する必要がある。すなわち、 ex vivoでこれらの細胞 数を短時間に得ることが最大の問題であるといえる。
[0006] CTLの抗原特異的傷害活性を維持および増強するためには、 CTLについて抗原 に特異的な応答を誘導する際に、 目的とする抗原を用いた刺激を繰り返す方法が一 般的である。しかし、通常、この方法では最終的に得られる CTL数が減少し、十分な 細胞数が得られない。
[0007] 次に、抗原特異的な CTLの調製に関しては、 自己 CMV感染線維芽細胞と IL— 2 ( 例えば、非特許文献 3)、あるいは抗 CD3モノクローナル抗体 (抗 CD3mAb)と IL 2を用いて、それぞれ CMV特異的 CTLクローンを単離ならびに大量培養する方法( 例えば、非特許文献 4)が報告されている。
[0008] さらに、特許文献 1には REM法(rapid expansion method)が開示されている。
この REM法は、抗原特異的 CTLおよび T を含む T細胞の初期集団を短期間で増
H
殖(Expand)させる方法である。つまり、個々の T細胞クローンを増殖させて大量の T 細胞を提供可能であり、抗 CD3抗体、 IL 2、並びに放射線照射により増殖性をなく した PBMC (peripheral blood mononuclear cell、末梢血単核細胞)とェプスタ イン—バールウィルス(Epstein—Barr virus,以下 EBVと略す)感染細胞とを用い て抗原特異的 CTL数を増加させることが特徴である。
[0009] また、特許文献 2には改変 REM法が開示されており、当該方法は PBMCとは区別 される T細胞刺激成分を発現する分裂してレ、なレ、哺乳動物細胞株をフィーダ細胞と して使用し、 PBMCの使用量を低減させる方法である。
[0010] CTL以外の疾病の治療に有効なリンパ球としては、例えば、リンフォカイン活性ィ匕
細胞(例えば、非特許文献 5、 6)、高濃度のインターロイキン 2 (IL— 2)を用いて誘 導した腫瘍浸潤リンパ球 (TIL) (例えば、非特許文献 7)が知られている。
[0011] リンフォカイン活性化細胞は、リンパ球を含む末梢血液(末梢血白血球)や臍帯血、 組織液等に IL_ 2を加えて、数日間試験管内で培養することにより得られる細胞傷 害活性を持つ機能的細胞集団である。リンフォカイン活性化細胞の培養工程におい て、抗 CD3抗体をカ卩えることにより、さらにリンフォカイン活性化細胞の増殖は加速す る。このようにして得られたリンフォカイン活性化細胞は非特異的にさまざまながん細 胞やその他のターゲットに対して傷害活性を有する。
[0012] フイブロネクチンは動物の血液中、培養細胞表面、組織の細胞外マトリックスに存 在する分子量 25万の巨大な糖タンパク質であり、多彩な機能を持つことが知られて いる。そのドメイン構造は 7つに分けられており(以下、第 1図参照)、またそのアミノ酸 配列中には 3種類の類似の配列が含まれており、これら各配列の繰返しで全体が構 成されている。 3種類の類似の配歹 IJは I型、 II型、 III型と呼ばれ、このうち、 III型はアミ ノ酸残基 71〜96個のアミノ酸残基で構成されており、これらのアミノ酸残基の一致率 は 17〜40%である。フイブロネクチン中には 14の III型の配列が存在する力 そのう ち、 8番目、 9番目、 10番目(以下、それぞれ III— 8、 111— 9、 III 10と称する)は細 胞結合ドメインに、また 12番目、 13番目、 14番目(以下、それぞれ III— 12、 III— 13 、 III— 14と称する)はへパリン結合ドメインに含有されている。また、 III— 10には VL A (very late activation antigen)— 5結合領域が含まれており、このコア配列は RGDSである。また、へパリン結合ドメインの C末端側には IIICSと呼ばれる領域が存 在する。 IIICSには 25アミノ酸からなる VLA— 4に対して結合活性を有する CS— 1と 呼ばれる領域が存在する(例えば、非特許文献 8〜: 10)。
[0013] リンフォカイン活性化細胞や細胞傷害性リンパ球の製造にぉレ、て、フイブロネクチン やそのフラグメントを使用することで、細胞増殖率の向上作用、細胞傷害活性の維持 作用することについては、既に本発明者らにより検討されてきた(例えば、特許文献 3 、 4および 5)。しかしながら、養子免疫療法への適用を考えた場合、上記文献の方法 では決して満足できるものではなぐさらなる細胞増殖率の向上や、安全性の観点か らフィーダ細胞を使用しなレ、拡大培養方法が求められてレヽた。
非特許文献 l:Greenberg, P. D.著, 1992年発行, Advances in Immunol ogy
非特許文献 2:Reusser P. 他 3名, Blood, 1991年, Vol. 78, No. 5, P1373 〜1380
非特許文献 3:Riddell S. R. 他 4名,】. Immunol. , 1991年, Vol. 146, No
. 8, P2795〜2804
非特許文献 4:Riddell S. R. 他 1名, J. Immunol. Methods, 1990年, Vo 1. 128, No. 2, P189〜201
非特許文献 5: Ho M. 他 9名, Blood, 1993年, Vol. 81, No. 8, P2093〜210 非特許文献 6: Rosenberg S. A.他, N. Engl. J. Med. 1987年, Vol. 31 6, No. 15, P889〜897
非特許文献 7: Rosenberg S. A.他, N. Engl. J. Med. 1988年, Vol. 31 9, No. 25, P1676〜1680
非特許文献 8:Deane F. Momer著, 1988年発行, FIBRONECTIN, ACA DEMIC PRESS INC. , Pl〜8
非特許文献 9:Kimizuka F. 他 8名, J. Biochem. , 1991年, Vol. 110, No. 2, p284-291
非特許文献 10:Hanenberg H. 他 5名, Human Gene Therapy, 1997年, V ol. 8, No. 18, p2193— 2206
特許文献 1:国際公開第 96/06929号パンフレット
特許文献 2:国際公開第 97/32970号ノ
特許文献 3:国際公開第 03/016511号ノ
特許文献 4:国際公開第 03/080817号ノ
特許文献 5:国際公開第 2005/019450号
発明の要約
本発明の第 1の発明は、後述するポリペプチド (X)及び/又はポリペプチド (Y)の 存在下での培養工程を包含することを特徴とする、リンパ球の製造方法に関する。前
記ポリペプチド (X)は配列中にアミノ酸配列(m)を 2個以上、かつアミノ酸配列(n)を 1個以上含有し、該アミノ酸配列 (m)は、配列表の配列番号 1〜3から選択される 1個 のアミノ酸配歹 IJ、もしくは配列表の配列番号 1〜3から選択される数個のアミノ酸配列 が直接又は間接的に連結したアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列 (n)は、配列表 の配列番号 4で表されるアミノ酸配列からなるものである。ただし、前記アミノ酸配列( m)は配列表の配列番号:!〜 3で表される配列のうち、同じ配列を 2個以上含まず、ま たポリペプチド (X)中の 2個以上のアミノ酸配列(m)のそれぞれは同じである。また、 前記ポリペプチド (Y)は、前記ポリペプチド (X)において、前記ポリペプチド (X)に含 まれる配列表の配列番号 1〜3から選択されるいずれかのアミノ酸配列及び配列表 の配列番号 4で表されるアミノ酸配列の少なくとも 1つに、 1もしくは数個のアミノ酸が 置換、欠失、揷入もしくは付加したアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、前記 ポリペプチド (X)と同等な機能を有するものである。本発明の第 1の発明において、 ポリペプチド (X)としては、アミノ酸配列(m)を 2もしくは 3個含む配列を有するポリべ プチド、及びアミノ酸配列 (n)を 2もしくは 3個含む配列を有するポリペプチドが例示さ れる。力力る具体的な ί列としては、酉己歹 IJ表の酉己歹 IJ番号 5、 16、 19、 22、 25、 27、 29、 32、 36、 39、 41、 47及び 49に示すアミノ酸配列を有するポリペプチドが挙げられる 。また、本発明の第 1の発明において、リンパ球としては、抗原特異的細胞傷害性 Τリ ンパ球、リンフォカイン活性化細胞が例示される。
[0015] また、本発明の第 1の発明においては、リンパ球に外来遺伝子を導入する工程をさ らに包含する、リンパ球の製造方法も提供される。外来遺伝子の導入方法としてはレ トロウィルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウィルスベクター、レンチウ ィルスベクターまたはシミアンウィルスベクターを用いて導入する方法が例示される。 本発明の第 1の発明において、 CD3リガンドとは抗 CD3抗体力 CD28リガンドとは 抗 CD28抗体が例示される。
[0016] 本発明の第 2の発明は、本発明の第 1の発明により得られるリンパ球に関する。また 、本発明の第 3の発明は本発明の第 2の発明を有効成分として含有する医薬に関す る。
[0017] 本発明の第 4の発明は、後述の(a)および (b)から選択されるポリペプチドに関する
。 (a)で表されるポリペプチドは、酉己歹 IJ表の酉己歹 IJ番号 5、 16、 19、 22、 25、 27、 29、 3 2、 36、 39、 41、 47及び 49からなる群より選択されるアミノ酸配列を有し、(b)で表さ れるポリペプチドは、前記(a)のポリペプチドのアミノ酸配列において 1もしくは数個の アミノ酸が欠失、揷入、付加もしくは置換したアミノ酸配列を有するものである。
[0018] 本発明の第 5の発明は、後述の(c)〜(g)から選択される核酸に関する。 (c)で表さ れる核酸は、酉己歹' J表の酉己歹' J番号 5、 16、 19、 22、 25、 27、 29、 32、 36、 39、 41、 47 及び 49からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードし、 (d)で 表される核酸は、酉己歹 IJ表の酉己歹' J番号 5、 16、 19、 22、 25、 27、 29、 32、 36、 39、 41 、47及び 49からなる群より選択されるアミノ酸配列において 1もしくは数個のアミノ酸 が欠失、揷入、付加もしくは置換したアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、配 歹 IJ表の酉己歹 1J番号 5、 16、 19、 22、 25、 27、 29、 32、 36、 39、 41、 47及び 49力ら選 択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドと同等な機能を有するポリペプチドをコー ドし、(e)で表される核酸は、酉己歹 IJ表の酉己歹 IJ番号 6、 17、 20、 23、 26、 28、 30、 33、 37、 40、 42、 48及び 50から選択される塩基配列からなり、(f)で表される核酸は、前 記(e)の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダィズする核酸であって、当該核 酸によってコードされるポリペプチド力 前記(e)の核酸によってコードされるポリぺプ チドと同等な機能を有し、(g)で表される核酸は、前記(e)の核酸の塩基配列におい て、 1もしくは数個の塩基の置換、欠失、挿入あるいは付カ卩のいずれ力 1以上が生じ た核酸であって、当該核酸によってコードされるポリペプチド力 前記(e)の核酸によ つてコードされるポリペプチドと同等な機能を有するものである。
図面の簡単な説明
[0019] [図 1]フイブロネクチンのドメイン構造を示す模式図である。
[図 2]H296 _H296の作製法を示す図である。
発明の詳細な説明
[0020] 本発明は、医療への使用に適した、効率的なリンパ球の製造方法に関する。
[0021] 本発明は、フイブロネクチンのへパリン結合ドメインの一部を重複して有する改変型 組換えフイブロネクチンフラグメントの存在下にリンパ球を培養することにより、拡大培 養率が高ぐ細胞傷害活性も高レ、リンパ球が得られることを見出し、本発明を完成す
るに至ったものである。
[0022] 本発明により、リンパ球の製造方法が提供される。当該方法は細胞増殖率が高ぐ 本発明により得られるリンパ球は、例えば、養子免疫療法に好適に使用される。従つ て、本発明の方法は、医療分野への多大な貢献が期待される。また、本発明により、 新規な改変型組換えフイブロネクチンフラグメントが提供される。
[0023] 以下、本発明を具体的に説明する。
[0024] (1)本発明に使用されるポリペプチド (X)またはポリペプチド (Y)
本願明細書中に記載のポリペプチド (X)は、 2個以上のアミノ酸配列 (m)、 1個以 上のアミノ酸配列(n)を必須領域として含むポリペプチドである。
[0025] アミノ酸配列(m)は、フイブロネクチンのへパリン結合ドメインの一部である配列番 号 1〜3から選択される 1もしくは複数個のアミノ酸配列からなるアミノ酸配列である。 ただし、アミノ酸配列(m)は配列表の配列番号:!〜 3で表されるそれぞれの同じ配列 を 2個以上含まないアミノ酸配列であり、配列表の配列番号 1〜3で表されるアミノ酸 配列の組み合わせで構成されるアミノ酸配列である。例えば、アミノ酸配列(m)は、 配列表の配列番号 1で表されるアミノ酸配列を 2個以上含まず、また配列表の配列番 号 2もしくは 3で表されるアミノ酸配列についても同様である。また、ポリペプチド (X) に存在する 2個以上のアミノ酸配列(m)はそれぞれ同一のアミノ酸配列を示す。なお 、配列表の配列番号 1〜3で表されるアミノ酸配列はフイブロネクチンのへパリン結合 ドメインの部分アミノ酸配列を示し、それぞれ III— 12、 111—13、 III— 14のアミノ酸配 列である(第 1図参照)。
[0026] 当該アミノ酸配列(m)としては、そのアミノ酸配列からなるポリペプチドがへパリン結 合活性を有するものが好適に使用できる。へパリン結合活性は、アミノ酸配列 (m)か らなるポリペプチドとへパリンとの結合を公知の方法を使用してアツセィすることにより 調べることができる。例えば、ウイリアムズ D. A.らの方法 [Williams D. A. , e t al.、ネイチヤー(Nature)、第 352卷、第 438〜441頁(1991)〕の細胞接着活性 の測定法を利用し、細胞に換えてへパリン、例えば標識へパリンを使用することにより アミノ酸配列(m)力 なるポリペプチドとへパリンとの結合の評価を行うことができる。
[0027] アミノ酸配列(m)はポリペプチド(X)中に、例えば 2〜5個、好適には 2〜4個、より
好適には 2〜3個含有されていることが好ましい。
[0028] アミノ酸配列(n)は、フイブロネクチンの CS— 1ドメインである配列表の配列番号 4 で表されるアミノ酸配列である。アミノ酸配列(n)はポリペプチド (X)中に、例えば:!〜 5個、好適には:!〜 4個、より好適には:!〜 3個含有されていることが好ましぐ好適に はポリペプチド (X)中に含まれるアミノ酸配列 (m)と同じ個数含有されていることが好 ましい。
[0029] 前述したように、ポリペプチド (X)は 2個以上のアミノ酸配列(m)、 1個以上のァミノ 酸配列 (n)を含有し、かつポリペプチド (X)中の 2個以上のアミノ酸配列 (m)はいず れも同じ配列であるポリペプチドである力 S、本発明の所望の効果が得られるものであ れば、その他のアミノ酸残基を含んでいてもよレ、。例えば、メチォニンや Hisタグ配列 、リンカ一等に由来するアミノ酸残基が含まれてレ、ても良レ、。
[0030] ポリペプチド(X)中の 2個以上のアミノ酸配列(m)と 1個以上のアミノ酸配列(n)の 位置関係については、本発明の所望の効果が得られるものであれば、特に限定はな いが、例えば少なくとも 1つのアミノ酸配列 (m)に対して C末端側にアミノ酸配列 (n) が連結されているものが好ましい。また、ポリペプチド (X)中の N末端側にはアミノ酸 配列 (m)が位置しており、 C末端側にはアミノ酸配列 (n)が位置していることが好まし レ、。より好適には、ポリペプチド (X)中において、アミノ酸配歹 IJ (m)とアミノ酸配歹 IJ (n) が交互に位置してレ、ることが好ましレ、。
[0031] 本発明において、ポリペプチド (X)としては、例えば配列表の配列番号 5で表される アミノ酸配列力 なるポリペプチド(H296— H296)、配列表の配列番号 16で表され るアミノ酸配列からなるポリペプチド(H296— H296— H296— HT)、配列表の配列 番号 19で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド(CH296 - CH296 -HT)、配 列表の配列番号 22で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド(H105— H105— HT)、配列表の配列番号 25で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド(H296— H296 -HT)、配列表の配列番号 27で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド( H296 -H296 -H296)、配列表の配列番号 29で表されるアミノ酸配列からなるポ リペプチド(H105— H105)、配列表の配列番号 32で表されるアミノ酸配列からなる ポリペプチド(H271 -H296)、配列表の配列番号 36で表されるアミノ酸配列からな
るポリペプチド(H296— H271)、配列表の配列番号 39で表されるアミノ酸配列から なるポリペプチド(15aaH105— H105— HT)、配列表の配列番号 41で表されるァ ミノ酸配列からなるポリペプチド(15aaH105— H105)、配列表の配列番号 47で表 されるアミノ酸配列力もなるポリペプチド(H105 _H105Nc_HT)、配列表の配列 番号 49で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド(H105_H105Nc)が例示され る。
[0032] H296— H296は、 N末端側から順に III— 12、 111—13、 111—14、 CS— 1、ァラニ ン、メチォニン、 ΠΙ_ 12、 111—13、 111—14、 CS _ 1で構成されるポリペプチドである
[0033] H296— H296— H296— HTは、 N末端側から順に Hisタグ配歹 IJ (MNHKVHH HHHHIEGRH)、メチォニン、 111—12、 111—13、 111—14、 CS _ 1、ヒスチジン、メ チォニン、 111—12、 111—13、 111—14、 CS— 1、ヒスチジン、メチォニン、 111—12、 II I 13、 111—14、 CS— 1で構成されるポリペプチドである。
[0034] CH296— CH296— HTは、 N末端側から順に Hisタグ配列(MNHKVHHHHH HIEGRH)、メチォニン、 111 8、 111 9、 111—10、ァスパラギン酸、リジン、プロリン 、セリン、メチォニン、 III 12、 III 13、 111—14、 CS— 1、ヒスチジン、メチォニン、 I 11 8、 111 9、 111—10、ァスパラギン酸、リジン、プロリン、セリン、メチォニン、 III— 1 2、 III 13、 111—14、 CS— 1で構成されるポリペプチドである。
[0035] H105— H105— HTは、 N末端側から順に Hisタグ配列(MNHKVHHHHHHI EGRH)、メチォニン、 111—14、 CS— 1、ヒスチジン、メチォニン、 111—14、 CS— 1で 構成されるポリペプチドである。
[0036] H296— H296— HTは、 N末端側から順に Hisタグ配列(MNHKVHHHHHHI EGRH)、メチォニン、 111—12、 111—13、 111—14、 CS— 1、ヒスチジン、メチォニン、 III一 12、 III一 13、 111—14、 CS _ 1で構成されるポリペプチドである。
[0037] H296— H296— H296は、 H296— H296— H296— HTの N末端側の Hisタグ 配列を除いたポリペプチドであり、 H296 _H296 _H296 _HTから公知の方法で Hisタグ配列を切断して製造することができる
[0038] H105— H105は、 H105— H105— HTの N末端側の Hisタグ配列を除いたポリ
ペプチドであり、 H 105— H 105— HT力 公知の方法で Hisタグ配列を切断して製 造すること力 Sできる。
[0039] H271— H296は、 N末端側から順に III— 12、 III 13、 111—14、ァラニン、メチォ ニン、 111—12、 111—13、 111—14、 CS _ 1で構成されるポリペプチドである。
[0040] H296— H271は、 N末端側から順に、 111—12、 111—13、 111—14、 CS _ 1、ァラ ニン、メチォニン、 ΠΙ_ 12、 ΠΙ_ 13、 III— 14で構成されるポリペプチドである。
[0041] 15aaH105 _H105 _HTは、 N末端側から順に Hisタグ配歹 IJ (MNHKVHHHH HHIEGRH)、メチォニン、 III— 13の C末端側の 15アミノ酸、 11—14、 CS— 1、ァラ ニン、メチォニン、ァラニン、 111—14、 CS— 1で構成されるポリペプチドである。
[0042] 15aaH105 _H105は、 15aaH105 _H105 _HTの N末端側の Hisタグ配列を 除いたポリペプチドであり、 15aaH105 _H105_HTから公知の方法で Hisタグ配 歹 IJを切断して製造することができる。
[0043] H105— H105NC— HTは、 N末端側から順に Hisタグ配列(MNHKVHHHHH HIEGRH)、メチォニン、 111—14、 CS— 1、ァラニン、メチォニン、ァラニン、 III— 14 、 CS— 1で構成されるポリペプチドである。なお、当該ポリペプチドは、前述の H105 — H105— HTと比較して、 CS— 1と III— 14の間に含まれるリンカ一部分の 2ァミノ 酸が異なるのみである。
[0044] H105— H105Ncは、 H105— H105Nc— HTのN末端側のHisタグ配列を除ぃ たポリペプチドであり、 H105— H105Nc— HTから公知の方法で Hisタグ配列を切 断して製造することができる。なお、当該ポリペプチドは、前述の H105— H105と比 較して、 CS— 1と III— 14の間に含まれるリンカ一部分の 2アミノ酸が異なるのみであ る。
[0045] なお、これらのポリペプチドは本発明において初めて製造された新規なポリぺプチ ドである。これらのポリペプチドの製造方法等、詳細については、後述の「(4)改変型 フイブロネクチンポリペプチド」に記載する。
[0046] ポリペプチド (X)の調製に関する有用な情報として、フイブロネクチンに関する情報 は、キミヅカ F.ら〔Kimiduka F., et al.、ジャーナノレ'ォブ'バイオケミストリー (J. Biochem. )、第 110卷、 284〜291頁(1991)〕、コーンブリット A. R. ¾ [Ko
rnbrihtt A. R. , et al.、 EMBO ジャーナル(EMBO J. )、第 4卷、第 7号、 1755〜1759 (1985)〕、およびセキグチ K.ら〔Sekiguchi K. , et al. 、ノくィ オケミストリー(Biochemistry)、第 25卷、第 17号、 4936〜4941 (1986)〕等を参 照すること力 Sできる。また、フイブロネクチンをコードする核酸配列又はフイブロネクチ ンのアミノ酸配列については、 Genbank Accession No. NM_002026、 NP _002017に開示されてレヽる。
[0047] 本明細書中に記載のポリペプチド (Y)は、前記ポリペプチド (X)において、前記ポ リペプチド (X)に含まれる配列表の配列番号 1〜3から選択されるいずれかのアミノ 酸配列及び配列表の配列番号 4で表されるアミノ酸配列の少なくとも 1つに、 1もしく は複数個のアミノ酸が置換、欠失、揷入もしくは付加したアミノ酸配列を有するポリべ プチド (Y)であって、前記ポリペプチド (X)と同等な機能を有するポリペプチドである 。すなわち、ポリペプチド (Y)は、前記ポリペプチド (X)の必須成分であるアミノ酸配 歹 lj (m)もしくはアミノ酸配列 (n)中にアミノ酸の置換、欠失、挿入もしくは付加を有す るポリペプチドであり、これらのアミノ酸配列(m)および (n)以外の任意のアミノ酸配 列にアミノ酸の置換、欠失、挿入もしくは付カ卩を有するものではない。当該置換、欠 失、挿入もしくは付加としては、例えば 1〜20個のアミノ酸の置換、欠失、挿入もしく は付加のいずれか 1以上が生じたもの、さらに好適には 1〜5個のアミノ酸の置換、欠 失、挿入もしくは付カ卩のいずれか 1つ以上が生じたものが例示される。
[0048] アミノ酸の置換等は、本来のポリペプチド (X)の機能が維持され得る範囲内で該ポ リペプチド (X)の物理化学的性状等を変化させ得る程度のものであるのが好ましい。 例えば、アミノ酸の置換等は、本来のポリペプチド (X)の持つ性質 (例えば、疎水性、 親水性、電荷、 pK等)を実質的に変化させない範囲の保存的なものが好ましい。具 体的には、アミノ酸の置換は、 1.グリシン、ァラニン; 2.パリン、イソロイシン、ロイシン ; 3.ァスパラギン酸、グノレタミン酸、ァスパラギン、グルタミン; 4.セリン、スレオニン; 5 .リジン、アルギニン; 6.フエ二ルァラニン、チロシンの各グループ内での置換であり、 アミノ酸の欠失、付加、揷入は、ポリペプチド (X)におけるそれらの対象部位周辺の 性質に類似した性質を有するアミノ酸の、対象部位周辺の性質を実質的に変化させ ない範囲での欠失、付加、揷入が好ましい。
[0049] アミノ酸の置換等は種間や個体差に起因して天然に生ずるものであってもよぐま た、人工的に誘発されたものであってもよい。人工的な誘発は公知の方法により行え ばよぐ特に限定はないが、例えば、公知の手法により、前述のポリペプチド (X)をコ ードする核酸において 1もしくは複数個の塩基が置換、欠失、付加もしくは揷入され た所定の核酸を作製し、当該ポリペプチド (X)のアミノ酸配列に置換等を有するアミ ノ酸配列を含むポリペプチド (Y)を製造することができる。また、前述のポリペプチド( X)を遺伝子工学的に取得する場合、例えば大腸菌などを宿主として製造する場合 は、大腸菌由来のメチォニンべプチダーゼ等の影響により、 N末端側のメチォニンが 存在しない場合があるが、このようなポリペプチドも本発明のポリペプチド (Y)の好適 な例として示される。
[0050] 本発明のポリペプチド(Y)としては、好適には、前述の H296— H296、 H296— H 296— H296— HT、 CH296— CH296— HT、 H105— H105— HT、 H296 -H2 96— HT、 H296— H296— H296、 H105— H105、 H271— H296、 H296 -H2 71、 15aaH105— H105— HT、 15aaH105— H105、 H105— H105Nc— HT、 又は H105— H105Ncに含まれる配列表の配列番号 1〜3から選択されるいずれか のアミノ酸配列及び配列表の配列番号 4で表されるアミノ酸配列の少なくとも 1つに、 1もしくは複数個のアミノ酸配列が置換、欠失、挿入もしくは付加したアミノ酸配列から なるポジペプチドであって、前記 H296— H296、 H296— H296— H296— HT、 C H296— CH296— HT、 H105— H105— HT、 H296— H296— HT、 H296— H 296— H296、 H105— H105、 H271— H296、 H296— H271、 15aaH105— H 105— HT、 15aaH105— H105、 H105— H105Nc— HT、又は H105— H105N cと同等な機能を有するポリペプチドが例示され、好適には、:!〜 20個、さらに好適に は 1〜5個のアミノ酸の置換、欠失、揷入もしくは付加のいずれか 1以上が生じたもの が例示される。
[0051] また、本明細書において「同等な機能を有する」とは、比較対照であるポリペプチド
(X)を使用して後述のリンパ球の製造を実施した場合、同等の細胞増殖率が得られ ること、又は同等の細胞傷害活性が維持されていることをいう。すなわち、後述のリン ノヽ。球の製造方法、特 (こ後述の実施 ί列 2〜21、 25〜33、 42〜44、 47〜51、 54〜60
、 64〜66に記載の方法に沿って実施することにより、その機能を適宜確認することが できる。また、ポリペプチド (Y)としては、へパリン結合活性を有するものが好適である 。へパリン結合活性は、前記活性測定方法に準じて評価することができる。当該ポリ ペプチド (X)及び当該ポリペプチド (Y)は、それぞれ単独で、もしくは複数の種類の ものを混合して後述のリンパ球の製造方法に使用することができる。
本発明に使用されるポリペプチド (X)および (Y)は、後述の実施例 9〜: 15、 36〜3 8にも記載のとおり、後述の本発明のリンパ球の製造方法において、公知のフイブ口 ネクチンフラグメントである CH— 296 (フイブロネクチンの細胞結合ドメイン、へパリン 結合ドメイン、 CS— 1ドメインからなるポリペプチド)や H— 296 (フイブロネクチンのへ パリン結合ドメインおよび CS— 1ドメインからなるポリペプチド)と比較しても、明らかに 細胞増殖率が高いこと、本発明の抗原特異的 CTLの製造に使用した場合、細胞傷 害活性を高く維持できることから、これらのポリペプチドを用いた場合、公知のフイブ ロネクチンフラグメントを使用するのと比較してきわめて有用な利点がある。なお、本 発明に使用されるポリペプチドが、これらの極めて有用な効果を発揮する要因の 1つ としては、後述の実施例 35や実施例 61に示すとおり、これらのポリペプチドは細胞 培養器材等の固相への固定化効率が極めて高いことが挙げられる。しかしながら、 後述の実施例 36〜38にも示すとおり、細胞培養器材への固定化量を合わせた場合 でも、本発明に使用されるポリペプチドは、公知のフイブロネクチンフラグメントと比較 して、きわめて高い効果を発揮する。例えば、 H296— H296と、モル換算でその 2倍 量の H— 296を用いて本発明の方法でリンパ球を製造した場合でも、 H296 -H29 6の方が明らかに高い効果を発揮する。このこと力 、本発明に使用されるポリべプチ ド (X)又は (Y)のリンパ球の製造に及ぼす効果は、固定化効率が高レ、ことゃフイブ口 ネクチンフラグメントのドメインが重複することによる単純な相加効果だけでないことが 示される。さらに、後述の(2) _ 1—3でも示すようにポリペプチド (X)又は (Y)を抗原 特異的 CTLの拡大培養に使用することにより、フィーダ細胞を使用しなくとも高い細 胞増殖率、細胞傷害活性の維持が実現できる。抗原特異的 CTLの拡大培養にフィ ーダ細胞を使用しないことは、安全面、細胞培養の操作やそのコスト、フィーダ細胞 の提供者もしくは患者への負担の面において、極めて有意義であるにもかかわらず、
従来の抗原特異的 CTLの拡大培養では実現できなかったことである。この点におい ても、本発明の製造方法は、従来のフイブロネクチンフラグメントを使用したリンパ球 の製造からは予想することができなレ、、極めて有用な方法である。
[0053] これらのポリペプチド (X)又は (Y)を構成するアミノ酸数としては、特に限定はなレ、 が、好適には 100〜3000アミノ酸、より好適には 150〜2800アミノ酸、さらに好適に は 200〜2600アミノ酸である。
[0054] (2)リンパ球の製造方法
以下、本発明のリンパ球の製造方法について具体的に説明する。本発明の方法は 、前述のポリペプチド (X)及び/又はポリペプチド (Y)の存在下での培養工程(以下 、本発明の培養工程と称することがある)を包含することを特徴とする、リンパ球の製 造方法である。なお、本願明細書において、ポリペプチド (X)及び Z又はポリぺプチ ド (Y)を本発明の有効成分と称することがある。
[0055] 本発明のリンパ球の製造方法は、リンパ球製造における培養の全期間、もしくは任 意の一部の期間において本発明の培養工程を実施することにより行われる。すなわ ち、リンパ球の製造工程の一部に前記培養工程を含むものであれば本発明に包含さ れる。リンパ球の製造工程の一部に前記培養工程を含む場合、好適には培養初期 に前記培養工程を含むことが好ましぐより好適には培養開始時に前記培養工程を 含むことが好ましい。
[0056] 本発明の製造方法により得られるリンパ球としては、特に限定するものではないが、 例えば細胞傷害性 Tリンパ球(CTL)、ヘルパー T細胞、リンフォカイン活性化細胞、 腫瘍浸潤リンパ球 (TIL)、 NK細胞、ナイーブ細胞、メモリー細胞、 γ δ Τ細胞、 ΝΚ Τ細胞、これらのうちの少なくとも 1種の細胞を含む細胞集団等が挙げられる。これら のうち、本発明は、抗原特異的 CTLおよびリンフォカイン活性化細胞の製造により適 してレ、る。これらの製造方法にっレ、ては後述の(2) _ 1および(2) _ 2におレ、て具体 的に説明する。なお、本明細書においてリンフォカイン活性化細胞とは、リンパ球を 含む末梢血液(末梢血白血球)や臍帯血、組織液等に IL一 2を加えて、数日間培養 することにより得られる機能的細胞集団を示す。このような細胞集団のことを一般的に リンフォカイン活性化キラー細胞 (LAK細胞)と称することがあるが、当該細胞集団に
は細胞傷害性を有さない細胞(例えば、ナイーブ細胞等)も含まれていることから、本 願明細書においては当該細胞集団をリンフォカイン活性化細胞と称することとする。
[0057] なお、本発明の製造方法により得られるリンパ球の細胞傷害活性を評価する場合 は公知の方法により評価でき、例えば、放射性物質、蛍光物質等で標識した標的細 胞に対する細胞傷害性リンパ球の細胞傷害活性を、細胞傷害性リンパ球により破壊 された標的細胞に由来する放射活性や蛍光強度を測定することによって評価できる 。また、細胞傷害性リンパ球や標的細胞より特異的に遊離される GM_CSF、 IFN- y等のサイト力イン量を測定することにより検出することもできる。その他蛍光色素等 によって標識された抗原ペプチド— MHC複合体の使用によって直接確認することも できる。この場合、例えば細胞傷害性リンパ球を細胞傷害性リンパ球特異性抗体と力 ップリングさせた第 1蛍光マーカーと接触させた後に第 2蛍光マーカーとカップリング させた抗原ペプチド一 MHC複合体を接触させ、そして二重標識細胞の存在をフロ 一サイトメーターで分析することにより細胞傷害性リンパ球の細胞傷害活性を評価す ること力 Sでさる
[0058] 本発明の培養工程は、 CTLになり得る細胞からの抗原特異的 CTLへの誘導、抗 原特異的 CTLの維持、もしくは抗原特異的 CTLやナイーブ細胞等の上記のリンパ 球の拡大培養を目的とするものである。本発明のリンパ球の製造方法においては、 該方法に供する細胞の種類や、培養の条件等を適宜調整してリンパ球の培養を行う ことにより、養子免疫療法等に有用なリンパ球を製造することができる。なお、本明細 書にぉレヽてリンパ球とはリンパ球を含有する細胞群をも包含し、 CTLとは CTLを含有 する細胞群をも包含するものとする。培養に使用される細胞は製造するリンパ球の種 類に応じて適宜設定できるが、当該細胞は生体から採取されたものをそのままもしく は凍結保存したもののいずれも使用することができる。
[0059] 本発明の培養工程において使用される細胞培養器材としては、特に限定はないが 、例えば、シャーレ、フラスコ、バッグ、大型培養槽、バイオリアクター等を使用するこ とができる。なお、バッグとしては、例えば、細胞培養用 C〇ガス透過性バッグを使用
2
すること力 sできる。また、工業的に大量のリンパ球を製造する場合には、大型培養槽 を使用することができる。また、培養は開放系、閉鎖系のいずれでも実施することが
できる力 好適には得られるリンパ球の安全性の観点から閉鎖系で培養を行うことが 好ましい。
[0060] 本発明において前記有効成分の存在下とは、リンパ球の培養を行なう際に、前記 有効成分がその機能を発揮し得る状態で存在することをいい、その存在状態は特に 限定されるものではない。例えば、有効成分を使用する培地に溶解させる場合、培 養を行う培地中における、本発明の有効成分の含有量は所望の効果が得られれば 特に限定するものではなレ、が、例えば、好ましくは 0. 0001〜10000 x gZmL、より 好ましくは 0. 001^10000 z g/mL,さらに好ましくは 0. 005〜5000 μ g/mL、 さらに好ましくは 0. 01〜: lOOO x gZmLである。
[0061] 本発明の有効成分を含め、培地中に使用される成分 (例えば後述の抗 CD3抗体、 抗 CD28抗体、インターロイキン— 2等)は培地中に溶解して共存させる他、適切な 固相、例えばシャーレ、フラスコ、バッグ等の細胞培養器材(開放系のもの、および閉 鎖系のもののいずれをも含む)、またはビーズ、メンブレン、スライドガラス等の細胞培 養用担体に固定化して使用してもよい。それらの固相の材質は細胞培養に使用可能 なものであれば特に限定されるものではない。該成分を、例えば、前記器材に固定 化する場合、培地を該器材に入れた際に、該成分を培地中に溶解して用いる場合の 所望の濃度と同様の割合となるように、器材に入れる培地量に対して各成分の一定 量を固定化するのが好適である力 当該成分の固定化量は所望の効果が得られれ ば特に限定されるものではない。前記担体は、細胞培養時に細胞培養器材中の培 養液に浸漬して使用される。前記成分を前記担体に固定化する場合、該担体を培地 に入れた際に、該成分を培地中に溶解して用いる場合の所望の濃度と同様の割合と なるように、器材に入れる培地量に対して各成分の一定量を固定化するのが好適で あるが、当該成分の固定化量は所望の効果が得られれば特に限定されるものではな レ、。
[0062] 例えば、ポリペプチド (X)及び/又はポリペプチド (Y)の固定化は、国際公開第 97 /18318号パンフレット、ならびに国際公開第 00/09168号パンフレットに記載の フイブロネクチンのフラグメントの固定化と同様の方法により実施することができる。前 記の種々の成分や、本発明の有効成分を固相に固定化しておけば、本発明の方法
によりリンパ球を得た後、該リンパ球と固相とを分離するのみで、該リンパ球と本発明 の有効成分とを容易に分離することができ、該リンパ球への有効成分等の混入を防 ぐことができる。
[0063] 培養条件は、リンパ球の公知の培養条件で行なえばよぐ通常の細胞培養に使用 される条件を適用することができる。例えば、 37°C、 5%CO等の条件で培養すること
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ができる。また、適当な時間間隔で細胞培養液に新鮮な培地を加えて希釈したり、培 地を新鮮なものに交換したり、細胞培養器材を交換することができる。使用される培 地や、同時に使用されるその他の成分等は後述のとおり、製造するリンパ球の種類 によって、適宜設定することができる。
[0064] また、国際公開第 03/080817号パンフレットに記載されたフイブロネクチンや公 知のフイブロネクチンのフラグメントを前記成分と共に用いて培養してもよい。ここで公 知のフイブロネクチンのフラグメントとして、好適には、後述の調製例 1及び 2に記載さ れている H— 296および CH— 296を使用することができる。
[0065] さらに、国際公開第 02/14481号パンフレットに記載された、抗原特異的な細胞 傷害活性を有する細胞傷害性 T細胞の誘導に有効な酸性多糖、酸性オリゴ糖、酸性 単糖およびそれらの塩からなる群より選択される化合物や、国際公開第 03/01651 1号パンフレット下記 (A)〜(D)から選択される物質を前記成分と共に用いて培養し てもよい。
(A) CD44に結合活性を有する物質
(B) CD44リガンドが CD44に結合することにより発せられるシグナルを制御し得る物 質
(C)成長因子の成長因子レセプターへの結合を阻害し得る物質
(D)成長因子が成長因子レセプターに結合することにより発せられるシグナルを制御 し得る物質
[0066] 前記 CD44に結合活性を有する物質としては、例えば CD44リガンドおよび Zまた は抗 CD44抗体が例示される。 CD44リガンドが CD44に結合することにより発せられ るシグナルを制御し得る物質としては、例えば各種リン酸化酵素および脱リン酸化酵 素の阻害剤又は活性化剤が挙げられる。成長因子の成長因子レセプターへの結合
を阻害し得る物質としては、例えば成長因子に結合活性を有し、成長因子と複合体 を形成することにより成長因子が成長因子レセプターに結合するのを阻害する物質、 もしくは成長因子レセプターに結合活性を有し、成長因子が成長因子レセプターに 結合するのを阻害する物質が挙げられる。さらに、成長因子が成長因子レセプター に結合することにより発せられるシグナルを制御し得る物質としては、例えば各種リン 酸化酵素および脱リン酸化酵素の阻害剤又は活性化剤が挙げられる。これらの成分 の培地中の濃度は、所望の効果が得られれば特に限定されるものではなレ、。また、こ れらの成分は培地中に溶解して共存させる他、前記のような適切な固相に固定化し て使用してもよレ、。なお、上記の各種物質は単独で、もしくは 2種以上混合して用い ること力 Sできる。
[0067] 本発明のリンパ球の培養工程に使用される培地としては、細胞培養に使用される 公知の培地を使用すればよぐさらに後述するとおり製造するリンパ球の種類に応じ て各種サイト力イン等を添加すれば良レ、。
[0068] 本発明のリンパ球の培養工程においては、培地中に血清や血漿を添加することも できる。これらの培地中への添力卩量は特に限定はないが、 0〜20容量%、特に自己 由来の血清または血漿を用いる場合、患者への負担を考慮して、 0〜5容量%とする のが好ましい。また、リンパ球の培養工程において、培地中の血清や血漿濃度は段 階的に低減させることができる。例えば、リンパ球の培養工程において培地の交換や 添加を行う際に、新たな培地中の血清や血漿濃度を低く調整することにより、使用す る血漿や血漿を低減させてリンパ球の培養を実施することができる。このように、培地 中の血清や血漿の添力卩量を低減させることができることは、本発明の有効な効果の 1 つである。なお、血清又は血漿の由来としては、 自己(培養するリンパ球と由来が同じ であることを意味する)もしくは非自己(培養するリンパ球と由来が異なることを意味す る)のいずれでも良レ、が、好適には安全性の観点から自己由来のものが使用できる。
[0069] 例えば、本発明の方法において、リンパ球の拡大培養を行う場合、本発明におい て使用される培養開始時の細胞数としては、特に限定はないが、例えば IcellZmL 〜1 X 108cells/mL,好適には lcell/mL〜5 X lO'cells/mL,さらに好適には 1 cellZmL〜2 X 107cellsZmLが例示される。
[0070] (2)— 1 抗原特異的 CTLの製造方法
以下、本発明の製造方法により抗原特異的 CTLを製造する例(以下、本発明の抗 原特異的 CTLの製造方法と称することがある)について詳細に記載する。
[0071] 本発明の製造方法によって抗原特異的 CTLを製造する場合は、 CTLになり得る 能力を有する細胞を抗原特異的 CTLに誘導するための培養 (本発明の抗原特異的 CTLの誘導方法)、抗原特異的 CTLを維持するための培養 (本発明の抗原特異的 CTLの維持方法)、又は抗原特異的 CTLを拡大培養するための培養 (本発明の抗 原特異的 CTLの拡大培養方法)において、本発明の培養工程を実施することができ る。
[0072] (2) - 1 - 1 本発明の抗原特異的 CTLの誘導方法
抗原特異的 CTLの誘導のために本発明のリンパ球の培養工程を実施することにつ いて説明する。抗原特異的 CTLの誘導は CTLになり得る細胞に所望の抗原に対す る認識能力を付与するために、適切な抗原提示細胞や抗原とともに CTLになり得る 細胞を培養することにより実施される。
[0073] CTLになり得る能力を有する細胞としては、末梢血単核球(PBMC)、ナイーブ細 胞、メモリー細胞、臍帯血単核球、造血幹細胞、もしくはリンフォカイン活性化細胞等 が例示される。これらの細胞は生体力 採取されたもの、あるいは生体外での培養を 経て得られたものをそのままもしくは凍結保存したもののいずれも使用することができ る。抗原提示細胞は、 T細胞に対して認識すべき抗原を提示する能力を有する細胞 であれば特に限定はなぐ例えば単球、 B細胞、 T細胞、マクロファージ、樹状細胞、 線維芽細胞等に所望の抗原を提示させ、必要に応じて X線照射等を施すことにより 増殖性を喪失させて本発明に使用することができる。抗原としては、特に限定される ものではなく、例えば、細菌、ウィルス等の外来性抗原や腫瘍関連抗原 (癌抗原)等 の内在性抗原等が挙げられる。また、抗原提示細胞による刺激は、培養期間中、数 回に分けて実施することができる。
[0074] また、抗原特異的 CTLの誘導においては、好適には培地に本発明の有効成分以 外に適当なタンパク質、サイト力イン類、その他の成分を含んでいてもよい。好適には 、インターロイキン _ 2 (以下、 IL— 2と称することがある)を含有する培地が本発明に
使用される。 IL 2の培地中の濃度としては、特に限定はないが、例えば、好適には 0. 01〜:!X 105U/mL、より好適には 0. 1〜: 1 X 104U/mLである。
[0075] その他、抗原特異的 CTLの誘導の一般的な条件としては、公知の条件(Bednare k M. A. et al. , J. Immunol., Vol. 147, No. 12, P4047— 4053, 1991) に従えば良い。培養条件は特に限定はなぐ通常の細胞培養に使用される条件を使 用することができ、例えば、 37°C、 5% CO等の条件下で培養することができる。この
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培養は通常、 2〜: 15日程度実施される。また、適当な時間間隔で細胞培養液を希釈 する工程、培地を交換する工程もしくは細胞培養器材を交換する工程を行っても良 レ、。
[0076] このように本発明の培養工程を実施して抗原特異的 CTLの誘導を行なうことにより 、抗原特異的 CTL誘導後の細胞増殖率が高ぐさらに誘導された抗原特異的 CTL を拡大培養に供した際に極めて高い細胞増殖率を実現することができる。さらに、こ のようにして誘導された抗原特異的 CTLは、長期間にわたって維持培養、あるいは 拡大培養させても、誘導直後に観察されたような高い細胞傷害活性を維持されてい るという特徴を有している。この維持培養や拡大培養については、好ましくは後述す る抗原特異的 CTLの維持培養方法や拡大培養方法により行うことができるが、それ 以外の公知の方法、すなわち前述のポリペプチド (X)及び/又はポリペプチド (Y) の非存在下に抗原特異的 CTLの維持培養や拡大培養が実施されても、得られた細 胞は前述のような細胞傷害活性を高く維持し、かつ高い細胞増殖率が認められる。こ れらの効果については、例えばフイブロネクチンの既知のフラグメントである H— 296 (後述の実施例 9〜: 14参照)の存在下に抗原特異的 CTLの誘導を行なった結果と 比較しても有意に高い効果を発揮する。さらに本発明の抗原特異的 CTLの誘導方 法により得られた抗原特異的 CTLを用いて拡大培養を実施した場合、フィーダ細胞 を用いなくとも、高い細胞増殖率を実現できる。また、例えば誘導された抗原特異的 CTLをクローン化することにより、安定した抗原特異的 CTLを維持することもできる。
[0077] (2) - 1 - 2 本発明の抗原特異的 CTLの維持方法
本発明の抗原特異的 CTLの維持方法は、抗原特異的 CTLの細胞傷害活性を保 つたままで維持する方法である。該方法は前述の本発明の培養工程を抗原特異的 C
TLの維持培養の際に実施することを特徴としており、これにより抗原特異的 CTLの 細胞傷害活性を維持させることができる。
[0078] 該方法を適用可能な抗原特異的 CTLは特に限定はなぐ公知の方法により得られ た抗原特異的 CTLや、前述の本発明の抗原特異的 CTLの誘導方法により得られた 抗原特異的 CTL、もしくは後述の抗原特異的 CTLの拡大培養方法により得られた 抗原特異的 CTLの維持に使用される。また、ここで抗原特異的 CTLとは抗原特異的 CTLを含む細胞集団を意味する。
[0079] 使用される培地については特に限定はなぐ公知の培地を使用することができ、ま た前述の抗原特異的 CTLの誘導と同様に適当なタンパク質、サイト力イン類 (例えば 、 IL— 2)、その他の成分を含んでいてもよい。
[0080] 抗原特異的 CTLの維持培養の一般的な条件については公知の方法(例えば Cart er J. et al. , Immunology, Vol. 57, No. 1, P123— 129, 1996)に従 えば良い。培養条件は特に限定はなぐ通常の細胞培養に使用される条件を使用す ること力 Sでき、例えば、 37°C、 5% CO等の条件下で培養することができる。この培養
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日数については、特に限定はない。また、適当な時間間隔で細胞培養液を希釈する 工程、培地を交換する工程もしくは細胞培養器材を交換する工程を行っても良い。
[0081] (2)— 1 3 本発明の抗原特異的 CTLの拡大培養方法
本発明の抗原特異的 CTLの拡大培養方法は、抗原特異的 CTLの細胞傷害活性 を保ったままで細胞数を急速に拡大培養させる方法である。該方法は前述の本発明 の培養工程を抗原特異的 CTLの拡大培養の際に実施することを特徴とする。ここで 本発明の培養工程の実施は、拡大培養の全期間であっても一部の期間であってもよ ぐ好適には培養開始時に本発明の培養工程を実施することが好ましい。本発明の 培養工程の培養期間については、例えば:!〜 8日、好適には 2〜7日、より好適には 3〜7日が好ましぐより高い拡大培養率を実現する観点からは 3日以上が好ましい。
[0082] 該方法を適用可能な抗原特異的 CTLは、特に限定はなぐ例えば公知の方法で 得られた抗原特異的 CTLや、前述の本発明の抗原特異的 CTLの誘導方法により得 られた抗原特異的 CTL、もしくは前述の抗原特異的 CTLの維持方法により維持培 養された抗原特異的 CTLが使用される。
[0083] 使用される培地については特に限定はなぐ公知の培地を使用することができ、ま た前述の抗原特異的 CTLの誘導と同様に適当なタンパク質、サイト力イン類、その他 の成分、例えば IL 2等を含んでいてもよい。
[0084] 抗原特異的 CTLの拡大培養の一般的な条件については公知の方法(例えば Cart er J. et al. , Immunology, Vol. 57, No. 1, P123— 129, 1996)に従 えば良い。
[0085] 本発明の抗原特異的 CTLの拡大培養方法においては、高い拡大培養率を実現す る観点から、前記有効成分に加え、抗 CD3抗体、好適には抗ヒト CD3モノクローナ ル抗体、より好適には OKT3と共培養することが好ましい。抗 CD3抗体の培養中の 濃度としては、特に限定はないが、例えば 0. 001^100 z g/mL, 0. 01〜: 100 μ g/mLがより好適である。また、さらに副刺激として抗 CD28抗体、より好適には抗ヒ ト CD28モノクローナル抗体と共培養することもできる。また、レクチン等のリンパ球刺 激因子を共培養することもできる。また、これらの成分は前述のとおり、適当な固相に 固定化して使用することもできる。
[0086] また、本発明の抗原特異的 CTLの拡大培養方法においては、必要に応じて適当 なフィーダ細胞と共培養することもできる。抗原特異的 CTLの拡大培養方法にぉレ、 て、フィーダ細胞は前記抗 CD3抗体と共同して CTLを刺激し、 T細胞レセプター又 は各刺激受容体を活性化するものであれば特に限定はない。本発明においてフィー ダ細胞としては、特に限定はないが、例えば自己もしくは非自己由来の PBMCや EB V— B細胞が使用される力 安全性の観点からは EBV— B以外の細胞を使用するこ とが好ましい。通常、フィーダ細胞は X線等の放射線照射またはマイトマイシン (mito mycin)等の薬剤による処理を行うことにより増殖能を奪ったうえで使用される。なお 、フィーダ細胞の培地中における含有量は、公知の方法に従って決定すればよぐ 特に限定はないが、例えば:!〜 1 X 107cellsZmLが好適である。
[0087] し力、しながら、前述したように、養子免疫療法においてフィーダ細胞は、安全性の観 点、コスト、フィーダ細胞の患者または患者への負担の観点からは使用しないことが 好ましい。本発明の抗原特異的 CTLの拡大培養方法は、フィーダ細胞を使用しない 場合でも高い拡大培養率を実現することも一つの大きな特徴である。すなわち、本発
明により、フィーダ細胞を使用しない抗原特異的 CTLの拡大培養方法が提供される 。なお、フィーダ細胞を使用せずに抗原特異的 CTLの製造を行なう場合、本発明の 拡大培養方法に供する抗原特異的 CTLは、高い拡大培養率を実現するという観点 から、前述の本発明の抗原特異的 CTLの誘導方法により得られた抗原特異的 CTL を使用することが望ましい。
[0088] (2) - 2 リンフォカイン活性化細胞の製造方法
以下、本発明の製造方法によりリンフォカイン活性化細胞を製造する例(以下、本 発明のリンフォカイン活性化細胞の製造方法と称することがある)について詳細に記 載する。
[0089] 本発明のリンフォカイン活性化細胞の製造方法は、リンフォカイン活性化細胞にな り得る能力を有する細胞を用いて、 IL_ 2の存在下で本発明の培養工程を実施する ことを特徴とする。ここで本発明の培養工程の実施は、培養の全期間であっても一部 の期間であってもよぐ好適には培養開始時に本発明の培養工程を実施することが 好ましい。本発明の培養工程の培養期間については、例えば:!〜 8日、好適には 2〜 7日、より好適には 3〜7日が好ましぐより高い拡大培養率を実現する観点からは 3 日以上が好ましい。
[0090] リンフォカイン活性化細胞になり得る能力を有する細胞としては、特に限定されるも のではなぐ例えば末梢血単核球(PBMC)、 NK細胞、臍帯血単核球、造血幹細胞 、これらの細胞を含有する血液成分等が挙げられ、血球系細胞であれば使用できる 。また、前記細胞を含有する材料、例えば末梢血液、臍帯血等の血液や、血液から 赤血球や血漿等の成分を除去したもの、骨髄液等を使用することができる。
[0091] また、リンフォカイン活性化細胞を培養するための一般的な条件は、公知の条件〔 例免ば、糸田胞工学、 Vol. 14、 No. 2、 p223〜227、(1995 );糸田胞 ί咅養、 17、(6) 、ρ192〜: 195、(1991年); THE LANCET, Vol. 356、 p802〜807、 (2000); Current Protocols in Immunology, supplement 17, UNIT7. 7を参照 〕に従えばよい。培養条件は特に限定はなぐ通常の細胞培養に使用される条件を 適用することができ、例えば、 37°C、 5%CO等の条件下で培養することができる。こ
2
の培養は通常、 2〜: 15日程度実施され、培養初期に本発明の培養工程を実施する
ことが好ましいことは前述のとおりである。また、適当な時間間隔で細胞培養液を希 釈する工程、培地を交換する工程もしくは細胞培養器材を交換する工程を行っても 良い。
[0092] 使用される培地については特に限定はなぐ公知の培地を使用することができ、ま た前述の抗原特異的 CTLの誘導や拡大培養と同様に適当なタンパク質、サイトカイ ン類、その他の成分を含んでいてもよい。
[0093] 本発明のリンフォカイン活性化細胞の製造方法においては、高い拡大培養率を実 現する観点から、前記有効成分に加え、抗 CD3抗体、特に好適には抗ヒト CD3モノ クローナル抗体、より好適には〇KT3と共培養することが好ましい。抗 CD3抗体の培 地中の濃度としては、特に限定はないが、例えば 0. 001〜100 x gZmL、特に 0. 0 :!〜 100 z g/mLが好適である。また、さらに副刺激として抗 CD28抗体、特に好適 には抗ヒト CD28モノクローナル抗体と共培養することもできる。また、レクチン等のリ ンパ球刺激因子と共培養することもできる。また、これらの成分は前述のとおり、適当 な固相に固定化して使用することもできる。
[0094] 本発明のリンフォカイン活性化細胞の製造方法により得られた細胞は、実施例 33、 43、 44、 47、 54〜56に記載のとおり、 CD45RA陽十生 CCR7陽十生糸田月包や、 CD45R A陽性 CD62L陽性、 CD45RA陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞、 CD27陽性細 胞、 CD28陽性細胞の比率が高い。すなわち、当該方法により得られるリンフォカイ ン活性化細胞はナイーブ T様細胞を高比率に含んでいる細胞であり、養子免疫療法 への利用に極めて適してレ、る。
[0095] (2)— 3 外来遺伝子の導入工程を包含する本発明のリンパ球の製造方法
本発明は、前述したリンパ球の製造方法において、さらに外来遺伝子を導入するェ 程を包含するリンパ球の製造方法も提供する。すなわち、本発明は、その一態様とし て、リンパ球に外来遺伝子を導入する工程をさらに含むリンパ球の製造方法を提供 する。なお、「外来」とは、遺伝子導入対象のリンパ球に対して外来であることをいう。
[0096] 本発明のリンパ球の製造方法、なかでもリンパ球の拡大培養方法を行うことにより、 培養されるリンパ球の増殖能が増強される。よって、本発明のリンパ球の製造方法を 、遺伝子の導入工程と組み合わせることにより、遺伝子の導入効率の上昇が期待さ
れる。
[0097] 外来遺伝子の導入手段には特に限定はなぐ公知の遺伝子導入方法により適切な ものを選択して使用することができる。遺伝子導入の工程は、リンパ球の製造の際、 任意の時点で実施することができる。例えば、前記本発明の CTLの拡大培養方法や リンフォカイン活性化細胞の製造方法中の細胞増殖時に実施するのが好適である。
[0098] 前記の遺伝子導入方法としては、ウィルスベクターを使用する方法、該ベクターを 使用しなレ、方法のレ、ずれもが本発明に使用できる。それらの方法の詳細につレ、ては すでに多くの文献が公表されている。
[0099] 前記ウィルスベクターには特に限定はなぐ通常、遺伝子導入方法に使用される公 知のウィルスベクター、例えば、レトロウイルスベクター、レンチウィルスベクター、ァ デノウィルスベクター、アデノ随伴ウィルスベクター、シミアンウィルスベクター、ヮクシ ユアウィルスベクターまたはセンダイウィルスベクター等が使用される。特に好適には 、ウィルスベクターとしては、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ 随伴ウィルスベクター、レンチウィルスベクターまたはシミアンウィルスベクターが使用 される。上記ウィルスベクターとしては、感染した細胞中で自己複製できないように複 製能を欠損させたものが好適である。また、遺伝子導入の際に導入効率を向上させ る物質を使用してもよぐ例えばレトロネクチン (登録商標、タカラバィォ社製)やその 他のフイブロネクチンフラグメントを使用することもできる。
[0100] レトロウイルスベクターならびにレンチウィルスベクターは、当該ベクターが導入され る細胞の染色体 DNA中に該ベクターに挿入されている外来遺伝子を安定に組み込 むことができ、遺伝子治療等の目的に使用されている。当該ベクターは分裂、増殖中 の細胞に対する感染効率が高いことから、本発明における、リンパ球の製造工程、例 えば、拡大培養の工程において遺伝子導入を行なうのに好適である。
[0101] ウィルスベクターを使用しない遺伝子導入方法としては、本発明を限定するもので はないが、例えば、リボソーム、リガンドーポリリジンなどの担体を使用する方法やリン 酸カルシウム法、エレクト口ポレーシヨン法、パーティクルガン法などを使用することが できる。この場合にはプラスミド DNAや直鎖状 DNAに組み込まれた外来遺伝子が 導入される。
[0102] 本発明においてリンパ球に導入される外来遺伝子には特に限定はなぐ前記細胞 に導入することが望まれる任意の遺伝子を選ぶことができる。このような遺伝子として は、例えば、タンパク質 (例えば、酵素、サイト力イン類、レセプター類等)をコードする ものの他、アンチセンス核酸や siRNA (small interfering RNA)、リボザィムをコ ードするものが使用できる。また、遺伝子導入された細胞の選択を可能にする適当な マーカー遺伝子を同時に導入してもよい。
[0103] 前記の外来遺伝子は、例えば、適当なプロモーターの制御下に発現されるようにべ クタ一やプラスミド等に挿入して使用することができる。また、効率のよい遺伝子の転 写を達成するために、プロモーターや転写開始部位と協同する他の調節要素、例え ば、ェンハンサー配列やターミネータ一配列がベクター内に存在していてもよレ、。ま た、外来遺伝子を相同組換えにより導入対象のリンパ球の染色体へ揷入することを 目的として、例えば、該染色体における該遺伝子の所望の標的揷入部位の両側にあ る塩基配列に各々相同性を有する塩基配列からなるフランキング配列の間に外来遺 伝子を配置させてもよい。導入される外来遺伝子は天然のものでも、または人工的に 作製されたものでもよぐあるいは起源を異にする DNA分子がライゲーシヨン等の公 知の手段によって結合されたものであってもよい。さらに、その目的に応じて天然の 配列に変異が導入された配列を有するものであってもよい。
[0104] 本発明の方法によれば、例えば、癌等の患者の治療に使用される薬剤に対する耐 性に関連する酵素をコードする遺伝子をリンパ球に導入して該リンパ球に薬剤耐性 を付与することができる。そのようなリンパ球を用いれば、養子免疫療法と薬剤療法と を組み合わせることができ、従って、より高い治療効果を得ることが可能となる。薬剤 耐性遺伝子としては、例えば、多剤耐性遺伝子(multidrug resistance gene)が 例示される。
[0105] 一方、前記の態様とは逆に、特定の薬剤に対する感受性を付与するような遺伝子 をリンパ球に導入して、該薬剤に対する感受性を付与することもできる。力、かる場合、 生体に移植した後のリンパ球を当該薬剤の投与によって除去することが可能となる。 薬剤に対する感受性を付与する遺伝子としては、例えば、チミジンキナーゼ遺伝子 が例示される。
[0106] その他、導入する遺伝子としては、標的細胞の表面抗原を認識する TCRをコード する遺伝子や、標的細胞の表面抗原に対する抗体の抗原認識部位を有し、かつ TC Rの細胞内領域(CD3等)を含むキメラレセプターをコードする遺伝子が例示される。
[0107] (3)本発明の製造方法により得られるリンパ球、当該リンパ球を含有する医薬、当該 医薬を用いた疾患の治療方法、本発明の有効成分を含有するリンパ球培養用培地 さらに本発明は、上記の本発明の製造方法で得られたリンパ球を提供する。また、 本発明は当該リンパ球を有効成分として含有する医薬 (治療剤)を提供する。なかで も、当該リンパ球を含有する前記治療剤は養子免疫療法への使用に適している。養 子免疫療法においては、患者の治療に適したリンパ球が、例えば静脈への投与によ つて患者に投与される。当該治療剤は前述の疾患やドナーリンパ球輸注での使用に おいて非常に有用である。当該治療剤は製薬分野で公知の方法に従い、例えば、 本発明の方法により調製された当該リンパ球を有効成分として、たとえば、公知の非 経口投与に適した有機または無機の担体、賦形剤、安定剤等と混合することにより調 製できる。なお、治療剤における本発明のリンパ球の含有量、治療剤の投与量、当 該治療剤に関する諸条件は公知の養子免疫療法に従って適宜、決定でき、特に限 定はないが、例えば、成人一日あたり、好適には 1 X 105〜:!X 1012cells/日、より 好ましくは、 1 X 106〜5 X 10ncells/日、さらに好ましくは 1 X 106〜1 X 10 cells /日が例示される。通常、リンパ球は注射や点滴により静脈、動脈、皮下、腹腔内等 へ投与される。本発明の医薬の投与においては、特に限定はないが、例えば、治療 しょうとするがんに対してワクチンとして機能しうる成分、すなわちがんワクチンを投与 することもできる。例えば、腫瘍抗原、抗原を提示しうる能力を有する細胞、抗原の提 示された細胞、人為的操作により増殖能を失った腫瘍組織由来の細胞や、腫瘍組織 力 の抽出物などを投与することもできる。また、当該医薬の投与においては、リンパ 球刺激因子、例えば、抗 CD3抗体、抗 CD28抗体、サイト力イン(IL_ 2、 IL_ 15、 I L_ 7、 IL_ 12、 IFN- y , IFN_ひ、 IFN_ j3等)、ケモカイン等を適宜投与するこ ともできる。なお、本願明細書において、リンパ球刺激因子とはリンパ球増殖因子を 包含するものである。
[0108] 本発明の方法により製造されるリンパ球を投与される疾患としては、特に限定はな
レ、が、例えば、癌、白血病、悪性腫瘍、肝炎や、インフルエンザ、 HIV等のウィルス、 細菌、真菌が原因となる感染性疾患、例えば結核、 MRSA、 VRE、深在性真菌症が 例示される。また、前述のようにさらに外来遺伝子を導入した場合は、各種遺伝子疾 患に対しても効果が期待される。また、本発明の方法により製造されるリンパ球は骨 髄移植や放射線照射後の感染症予防、再発白血病の寛解を目的としたドナーリンパ 球輸注等にも利用できる。
[0109] また、本発明の別の態様として、前記医薬を用いた疾患の治療方法が提供される。
当該疾患の治療方法は、前述のリンパ球の製造方法により製造されたリンパ球を用 いることを特徴とし、当該医薬の投与の諸条件については、公知の養子免疫療法や 前述の医薬の投与の開示に従って実施できる。
[0110] 本発明の別の態様として、本発明の有効成分を含有する培地が提供される。当該 培地は、さらにその他の任意の成分、たとえば、公知の細胞培養に用いられる培地 成分、タンパク質、サイト力イン類 (好適には IL— 2)、所望のその他の成分とからなる 。当該培地中の本発明の有効成分等の含有量は、本発明の所望の効果が得られれ ば特に限定されるものではなぐ例えば、本発明の方法に使用される前記培地中の 有効成分等の含有量に準じて、所望により、適宜、決定することができる。本発明の 培地の一態様としては、本発明の有効成分が固定化された細胞培養用担体を含有 する培地、本発明の有効成分が固定化された細胞培養器材に封入して提供される 培地が包含される。
[0111] (4)改変型フイブロネクチンポリペプチド
本発明においては、前述のリンパ球の製造方法においての使用に非常に有用な、 下記 (a)および (b)から選択される新規なポリペプチドも提供される。
(a)配列表の配列番号 5(H296_H296)、配列番号 16(H296_H296_H296 _HT)、配列番号 19(CH296_CH296_HT)、配列番号 22(H105_H105_ HT),酉己歹 IJ番号 25(:«296_:«296_:«丁)、酉己歹1』番号2701296_11296_11296 )酉己歹 IJ番号 29CH105_:H105)、酉己歹 1J番号 32(H271_t!296)、酉己歹 IJ番号 36 CH2 96_Η271)、酉己歹 1J番号 39(15aaH105_H105_HT)、酉己歹 IJ番号 41 (15aaH10 5_H105)、配列番号 47(H105_H105Nc_HT)及び配列番号 49(H105_H
105Nc)からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する新規なポリペプチド、
(b)前記(a)のポリペプチドのアミノ酸配列において 1もしくは複数個のアミノ酸が欠 失、挿入、付加もしくは置換したアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、前記(a) のポリペプチドと同等な機能を有する新規なポリペプチド。
また、本発明においては、下記(c)〜(g)から選択される新規な核酸も提供される。
(c)酉己歹 1J表の酉己歹 IJ番号 5、 16、 19、 22、 25、 27、 29、 32、 36、 39、 41、 47及び 49 から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸、
(d)酉己歹 1J表の酉己歹 IJ番号 5、 16、 19、 22、 25、 27、 29、 32、 36、 39、 41、 47及び 49 から選択されるアミノ酸配列において 1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、揷入、付カロ もしくは置換したアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、配列表の配列番号 5、 1 6、 19、 22、 25、 27、 29、 32、 36、 39、 41、 47及び 49力、ら選択されるアミノ酸酉己歹 IJ を有するポリペプチドと同等な機能を有するポリペプチドをコードする核酸、
(e)配列表の配列番号 6 (H296— H296をコードする核酸の塩基配列)、配列番号 1 7 01296— ^1296— ^1296— ^1丁をコードする核酸の塩基配列)、配列番号20 (〇^1 296— CH 296— HTをコ一ドする核酸の塩基配列)、配列番号 23 (H105— H105 — HTをコードする核酸の塩基配列)、配列番号 26 (H296— H296— HTをコードす る核酸の塩基配列)、配列番号 28 (H296— H296— H296をコードする核酸の塩基 配列)、配列番号 30 (H105— H105をコードする核酸の塩基配列)、配列番号 33 ( H271— H296をコードする核酸)、配列番号 37 (H296— H271をコードする核酸)
、配列番号 40 (15aaH105— H105— HTをコードする核酸)、配列番号 42 (15aaH 105— H105をコードする核酸)、配列番号 48 (H105— H105Nc— HTをコードす る核酸)及び配列番号 50 (H105 _H105Ncをコードする核酸)からなる群より選択 される塩基配列からなる核酸、
(f)前記(e)の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダィズする核酸であって、当 該核酸によってコードされるポリペプチドが前記(e)によってコードされるポリペプチド と同等な機能を有する核酸、
(g)前記(e)の核酸の塩基配列において、 1もしくは複数個の塩基の置換、欠失、揷 入あるいは付カ卩のいずれ力、 1以上が生じた核酸であって、当該核酸によってコードさ
れるポリペプチドが、前記 )の核酸によってコードされるポリペプチドと同等な機能 を有する核酸。
なお、上記(c)の核酸は、前記(a)のポリペプチドをコードする核酸であり、前記(d) の核酸は、前記(b)のポリペプチドをコードする核酸である。また、前記(a)のポリべ プチドは、上記(c)の核酸を用いてタンパク発現に供する場合、 N末端のメチォニン 残基が消化されてレ、る場合がある。
[0113] なお、本明細書において、前記新規なポリペプチドを本発明のポリペプチドと称し、 前記新規な核酸を本発明の核酸と称することがある。
[0114] 以下、本発明のポリペプチド、本発明の核酸、該ポリペプチドおよび該核酸の製造 方法について説明する。
[0115] 本発明の前記(b)のポリペプチドとしては、好適には配列表の配列番号 5、 16、 19 、 22、 25、 27、 29、 32、 36、 39、 41、 47及び 49力らなる群より選択される少なくとも 1つのアミノ酸配列に 1〜20個のアミノ酸の置換、欠失、挿入あるいは付加のいずれ 力 1以上が生じたもの、より好適には 1〜: 10個のアミノ酸の置換、欠失、挿入あるいは 付加のいずれ力 1以上が生じたもの、さらに好適には:!〜 5個のアミノ酸の置換、欠失 、挿入あるいは付加のいずれか 1以上が生じたものが例示される。また、配列番号 16 、 19、 22、 25、 39又は 47に記載のアミノ酸酉己歹 IJを有するポリペプチド力ら、 Hisタグ 配列(配列表の配列番号 16における 1〜: 15番目のアミノ酸配歹 lj、配列表の配列番 号 19における:!〜 15番目のアミノ酸配歹 lj、配列表の配列番号 22における:!〜 15番 目のアミノ酸配歹 lj、配列表の配列番号 25における 1〜: 15番目のアミノ酸酉己列、配列 表の配列番号 39における 1〜: 15番目のアミノ酸配歹 lj、配列表の配列番号 47におけ る 1〜: 15番目のアミノ酸配列)を欠失させたポリペプチドや、配列番号 5記載のァミノ 酸配列に Hisタグ配列を付カ卩したポリペプチドも、本発明の前記(b)のポリペプチドに 包含される。また、配列番号 5に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドはその N末 端のメチォニン残基は除去されており、発現の際にメチォニンアミノぺプチダーゼに より除去されたことが予想される。本発明において、(b)のポリペプチドのアミノ酸の欠 失、揷入としては、このような N末端のメチォニン残基の揷入、欠失を包含するもので ある。なお、アミノ酸の置換等は、本来のポリペプチドの機能が維持され得る範囲内
で該ポリペプチドの物理化学的性状等を変化させ得る程度のものであってもよレ、。そ の際のアミノ酸の置換等は、好適には「(1)本発明に使用されるポリペプチド (X)また はポリペプチド (Y)」の記載と同様に行なうことができる。
[0116] 本発明のポリペプチドをコードする配列表の配列番号 6、 17、 20、 23、 26、 28、 30 、 33、 37、 40、 42、 48及び 50力らなる群より選択される核酸は、天然型のフイブロネ クチンをコードする核酸、もしくは組み替え型のフイブロネクチンフラグメント、例えば 前述の CH— 296や H— 296等をコードする核酸を用いて、本発明のポリペプチドを 構成する各ドメインをコードする核酸を取得し、公知の方法によりこれらをつなぎ合わ せることにより取得すること力 Sできる。例えば、後述の実施例 1、 22-24, 39〜41、 4 5、 46、 52、 53に記載のとおり、 CH— 296をコードする核酸からへパリン結合ドメィ ンの一部もしくは全部、および CS— 1ドメインをコードする核酸を取得し、これを重複 してつなぎ合わせることにより取得することができる。
[0117] 酉己歹 IJ番号 6、 17、 20、 23、 26、 28、 30、 33、 37、 40、 42、 48及び 50力らなる群よ り選択される塩基配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダィズし、本 発明のポリペプチドと同等な機能、すなわち前述のリンパ球の製造において所望の 効果を有するポリペプチドをコードする核酸も本発明の核酸に含まれる。上記「ストリ ンジェントな条件」とは特に限定されず、例えば、これらの塩基配列からなる DNAに ハイブリダィズさせる DNAに応じて、ハイブリダィゼーシヨン時の、好ましくはさらに洗 浄時の温度および塩濃度を適宜決定することにより設定し得るが、ストリンジェントな 条件としては、例えば、モレキュラー クローニング ァ ラボラトリー マニュアル 第 3 片¾ Lサンブノレ1 ~~ク (sambrookノり、 Molecular cloning, A laboratory manual 3rd edition, 2001年、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)社発行〕等の文献に記載の条件が挙げられ る。
[0118] 具体的には、例えば、 6 X SSC (1 X SSCは、 0. 15M NaCl、 0. 015M クェン 酸ナトリウム、 pH7. 0)と 0. 5%SDSと 5 Xデンハル KDenhardt,s、 0. 1 %ゥシ血 †青ァノレブミン(BSA)、 0. 1 %ポリビニノレピロリドン、 0. 1 %フイコーノレ 400〕と 100 z g /mLサケ精子 DNAとを含む溶液中、 50°C、好ましくは 65°Cで保温する条件が例
示される。前記の温度は用いる DNAの Tm値が既知である場合は、その値より 5〜1 2°C低い温度としてもよい。さらに、非特異的にハイブリダィズした DNAを洗浄により 除去するステップ、ここで、より精度を高める観点から、より低イオン強度、例えば、 2 X SSC、よりストリンジヱントには、 0. 1 X SSC等の条件および/またはより高温、例 えば、用いられる核酸の Tm値により異なる力 25°C以上、よりストリンジヱントには、 3 7°C以上、さらにストリンジェントには、 42°C以上、よりさらにストリンジ工ントには、 50 °C以上等の条件下で洗浄を行なう、とレ、う条件等を追加してもよレ、。
[0119] より低いストリンジエンシーのハイブリダィゼーシヨン条件で本発明のポリヌクレオチ ドにハイブリダィズする核酸分子もまた本発明に包含される。ノ、イブリダィゼーシヨン のストリンジエンシーおよびシグナル検出の変化は、主として、ホルムアミド濃度はり 低い百分率のホルムアミドが、低下したストリンジエンシーを生じる)、塩濃度、または 温度の操作によって行われる。例えば、より低いストリンジエンシー条件は、 6 X SSP E (20 X SSPE = 3M NaCl ; 0. 2M NaH P〇 ; 0. 02M EDTA、 pH7. 4)、 0.
2 4
5%SDS、 30%ホルムアミド、 100 i g/mLサケ精子ブロッキング DNAを含む溶液 中での 37°Cでのー晚インキュベーション;次いで I X SSPE、 0. 1%SDSを用いた 5 0°Cでの洗浄を含む。さらに、より低いストリンジエンシーを達成するために、ストリンジ 工ントなハイブリダィゼーシヨン後に行われる洗浄は、より高い塩濃度(例えば、 5 X S SC)で行うことができる。
[0120] 上記の条件は、ハイブリダィゼーシヨン実験においてバックグラウンドを抑制するた めに使用される代替的なブロッキング試薬を添加および/または置換することによつ て改変することができる。代表的なブロッキング試薬としては、デンハルト試薬、 BLO TT〇、へパリン、変性サケ精子 DNA、および市販の製品処方物が挙げられる。また 、この改変に応じて、上記のハイブリダィゼーシヨン条件の他の要素の改変が必要な 場合もある。
[0121] また、本発明の核酸としては、酉己歹 IJ表の酉己歹 1J番号 6、 17、 20、 23、 26、 28、 30、 33 、 37、 40、 42、 48及び 50からなる群より選択される核酸の塩基配列において、 1な いし複数個の置換、欠失、揷入あるいは付加のいずれ力、 1以上が生じたものも含まれ る。例えば酉己歹表の酉己歹 IJ番号 6、 17、 20、 23、 26、 28、 30、 33、 37、 40、 42、 48又
は 50に記載の塩基配列から 1〜60塩基の置換、欠失、挿入あるいは付カ卩のいずれ 力 1以上が生じたもの、より好適には 1〜30塩基の置換、欠失、挿入あるいは付加の いずれか 1以上が生じたもの、さらに好適には 1〜: 15塩基の置換、欠失、挿入あるい は付カ卩のいずれ力 4以上が生じたものが例示される。なお、塩基の置換等は、核酸 にコードされるポリペプチドの機能が維持され得る範囲内で該ポリペプチドの物理化 学的性状等を変化させ得る程度のものであってもよい。その詳細、塩基の置換等の 方法については前記のアミノ酸の置換等に関する記載に準ずる。
[0122] 一方、このようにして得られた核酸を用いて、本発明のポリペプチド、特に配列表の 酉己歹 IJ番号 5、 16、 19、 22、 25、 27、 29、 33、 37、 40、 42、 47及び 49力らなる群より 選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを遺伝子工学的に取得することができ る。すなわち、当該核酸を適切な発現用ベクター、特に限定はないが、例えば pET ベクターや pColdベクター等に挿入し、公知の方法により、当該ポリペプチドを、例え ば、大腸菌等で発現させることにより取得することができる。
実施例
[0123] 以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの記 載に何ら限定されるものではない。
[0124] 調製例 1 H— 296の調製
H— 296 (フイブロネクチンのへパリン結合ドメインおよび CS— 1ドメインからなるポリ ペプチド)は Escherichia coli HB10l/pHD102 (FERM BP— 7420)を用レヽ 、これを米国特許第 5, 198, 423号明細書の記載に基づいて調製した。
[0125] 調製例 2 CH— 296の調製
CH- 296 (フイブロネクチンの細胞結合ドメイン、へパリン結合ドメインおよび CS— 1ドメインからなるポリペプチド)は Escherichia coli HB10l/pCH102 (FERM BP— 2800)を用レ、、これを米国特許第 5, 198, 423号明細書の記載に基づいて 調製した。
[0126] 実施例 1 H296— H296の作製
本明細書に記載の操作のうち、プラスミドの調製、制限酵素消化などの基本的な操 作については 2001年、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー発行、 Τ·マニア
テイス(Τ· Maniatis)ら編集、モレキュラー クローニング:ァ ラボラトリー マ二ユア ノレ 3|{¾ (Molecular Cloning : A Laboratory Manual τά ed. パこ 己 ¾ の方法によった。
[0127] ( 1 )発現ベクターの構築
(i) H _ 296発現ベクターの構築
配列表の配列番号 7記載の CH— 296のアミノ酸配列の N末端側よりアミノ酸 278 〜574 (塩基番号 835〜1 725)よりなるポリペプチドを H— 296とし、この H— 296力 S 2つ連結した改変型フイブロネクチンフラグメント(H296— H296)を発現させるため 、以下のようにして発現ベクターを構築した。以下、図 2を参照。
[0128] まず、配列表の配列番号 8記載の CH— 296の塩基配列(国際公開第 03/08081 7パンフレット参照)より、配列表の配列番号 9及び 10に記載の塩基配列を有する合 成プライマー H296 _ NcoF及び H296 _ HindRを DNA合成機で合成し、常法に より精製した。上記合成プライマー H296— NcoFは、制限酵素 Ncolの認識配列を 塩基番号 1 1〜16に、さらに CH— 296のアミノ酸配列(配列番号 7)のアミノ酸番号 2 78〜283に相当する塩基配列を塩基番号 1 3〜30にもつ合成 DNAである。また、 合成プライマー H296— HindRは、制限酵素 Hindlllの認識配列を塩基番号 1 1〜1 6に、さらに CH— 296のアミノ酸配列(配列番号 7)のアミノ酸番号 570〜574に相当 する塩基配列を塩基番号 20〜34にもつ合成 DNAである。
[0129] 上記合成プライマーを用いて、 PCRを行った。 PCRの反応条件を以下に示す。す なわち、铸型 DNAとして pCH 102 約 0. 1 /i g、 5 /i Lの l O X Ex Taq Buffer (タ カラバイオ社製)、 5 / Lの dNTP混合液 (タカラバイオ社製)、 l Opmolの合成プライ マー H296— NcoF、 l Opmolの合成プライマー H296— HindR、 0. 5Uの TaKaRa Ex Taq (タカラバイオ社製)を加え、滅菌水を加えて全量を 50 μしとした。前記反 応液を TaKaRa PCR Thermal Cycler SP (タカラバイオ社製)にセットし、 94 °C 1分、 55°C 1分、 72°C 3分を 1サイクルとする 30サイクルの反応を行なった。
[0130] 反応終了後、該反応液 5 μ Lを 1 . 0 %ァガロースゲル電気泳動に供し、 目的の約 0 . 9kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PCR反応液を電気泳動し、そのフラグ メントを回収'精製し、エタノール沈殿を行なった。エタノール沈殿後の回収 DNAを 1
0 /i Lの滅菌水に懸濁し、制限酵素 Ncol (タカラバイオ社製)及び制限酵素 Hindlll (タカラバイオ社製)で 2重消化し、 1. 0%ァガロースゲル電気泳動によりその NcoI、 Hindlll消化物を抽出精製し、 Ncol - Hindlll消化 DNA断片を得た。
[0131] 次に国際公開第 99Z27117号パンフレットの実施例 1〜6記載の方法に従レ、、 pC old04NC2ベクターを調製した(これ以降、この pCold04NC2ベクターを pColdl4 ベクターとする)。
[0132] 次に上記 pColdl4ベクターを上記 NcoI_HindIII消化 DNA断片を調製した時に 用いたのと同じ制限酵素で切断し、末端を脱リン酸処理したものを調製し、上記 Nco I— Hindlll消化 DNA断片と混合し、 DNAライゲーシヨンキット(タカラバイオ社製)を 用いて連結した。その後、ライゲーシヨン反応液 20 x Lを用いて大腸菌 JM109を形 質転換し、その形質転換体を 1. 5% (wZv)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリ ン 50 μ g/mL含む)上で生育させた。
[0133] 目的の DNA断片が挿入されたプラスミドは、シークェンシングすることにより確認し 、この組み換えプラスミドを pColdl4— H296とした。この pColdl4— H296は、 CH — 296のアミノ酸番号 278〜574のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むプラス ミドである。
[0134] (ii) H296— H296発現ベクターの構築
次に、国際公開第 03/080817パンフレットで公開されている塩基配列より、配列 表の配列番号 11記載の塩基配列を有する合成プライマー H296— NcoRを DNA合 成機で合成し、常法により精製した。上記合成プライマー H296— NcoRは、制限酵 素 Ncolの認識配列を塩基番号 10〜15に、さらに CH— 296のアミノ酸配列(配列番 号 7)のアミノ酸番号 574〜569に相当する塩基配列を塩基番号 17〜34にもつ合成 DNAである。上記合成プライマーと配列表の配列番号 12記載の pColdl4ベクター の 5 ' UTR部分にアニーリングするプライマー NC2 _ 5 ' UTRを用いて PCRを行った 。 PCRの反応条件を以下に示す。
[0135] すなわち、铸型 DNAとして pCoW14— H296 約 0. 1 μ g、 10 μ Lの 10 X Pyrobe st Bufferll (タカラバイオ社製)、 8 μ Lの dNTP混合液、 20pmolの合成プライマー NC2— 5,UTR、 20pmolの合成プライマー H296— NcoR、 5Uの Pyrobest DN
A Polymerase (タカラバイオ社製)を加え、滅菌水を加えて全量を 100 μしとした。 前記反応液を TaKaRa PCR Thermal Cycler SPにセットし、 96°C 1分、 68 °C 4分を 1サイクルとする 30サイクルの反応を行なった。
[0136] 反応終了後、該反応液 5 μ Lを 1. 0%ァガロースゲル電気泳動に供し、 目的の約 0 . 9kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PCR反応液を Bio_Radカラムにより 回収'精製し、エタノール沈殿を行なった。エタノール沈殿後の回収 DNAを 39 L の滅菌水に懸濁、全量 50 z Lとした反応液を制限酵素 Ncolで消化し、 1. 0%ァガロ ースゲル電気泳動によりその NcoI、 Ncol消化物を抽出精製し、 Ncol— Ncol消化 D NA断片を得た。
[0137] 次に、(i)で調製した pColdl4_H296を制限酵素 Ncolで消化し、末端を脱リン酸 処理したものを調製し、上記 Ncol— Ncol消化 DNA断片と混合し、 DNAライゲーシ ヨンキットを用いて連結した。その後、ライゲーシヨン反応液 20 z Lを用いて大腸菌 J M109を形質転換し、その形質転換体を 1. 5% (w/v)濃度の寒天を含む LB培地( アンピシリン 50 μ g/mL含む)上で生育させた。
[0138] 目的の DNA断片が挿入されたプラスミドは、シークェンシングすることにより確認し 、この組み換えプラスミドを pColdl4— H296— H296とした。この pColdl4— H296 — H296は、 CH— 296のアミノ酸番号 278〜574のアミノ酸配列をコードする塩基 配列が、間にアミノ酸" A"を挟んで 2つ連結した形で含むプラスミドである。当該ブラ スミドにより発現されるタンパク質のアミノ酸配列を配列表の配列番号 5に、塩基配列 を配列表の配列番号 6に示す。
[0139] (2)発現、精製
上記(1)で調製した pColdl4_H296 _H296を用いて大腸菌 BL21を形質転換 し、その形質転換体を 1. 5% (wZv)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリン 50 z g /mL含む)上で生育させた。生育したコロニーを 30mLの LB液体培地(アンピシリン 50 μ g/mL含む)に植菌し、 37°Cでー晚培養した。全量を 3Lの同 LB培地に植菌 し、 37°Cで対数増殖期まで培養した。なお、この培養の際には、 5L容ミニジャーファ ーメンター(Biott社製)を使用し、 120r/min, Air= l . OLZminの条件で行なつ た。前記培養後、 15°Cまで冷却した後、 IPTGを終濃度 1. OmMになるように添加し
、そのまま 15°Cで 24時間培養して発現誘導させた。その後菌体を遠心分離により集 め、約 40mLの細胞破砕溶液 [50mM Tris -HCl (pH7. 5) , ImM EDTA, lm M DTT, ImM PMSF, 50mM NaCl]に再懸濁した。超音波破砕により菌体を 破砕し、遠心分離(11 , 000r/min、 20分)により上清の抽出液と沈殿とに分離した 。得られた上清の抽出液を 2Lの bufferA[50mM Tris-HCl (ρΗ7. 5) , 50mM NaCl]で透析を行レ、、その約 40mLを用いてさらにイオン交換クロマトによる精製を 以下のように行なった。
[0140] すなわち、樹脂容積にして lOOmL分の SP— Sepharose (アマシャムフアルマシア 社製)を buff erAで飽和させたカラム( 4cm X 20cm)を準備し、これに透析後のサ ンプルをアプライした。その後、
T ris -HCl (pH7. 5) , 1M NaCl]で 50mMから 1Mの塩化ナトリウムの濃度勾配に より目的タンパク質の溶出を行なった。 5mLずつ分画を行い、 10%SDS _PAGEに より、分子量約 65kDaの目的タンパク質を多く含む画分、約 lOOmLを回収し、 2Lの buff erAで透析を行なった。
[0141] 次に、樹脂容積にして 50mL分の Q— Sepharose (アマシャムフアルマシア社製)を buff erAで飽和させたカラム(Φ 3cm X 16cm)を準備し、これに透析後のサンプル をアプライした。その後、 250mLの bufferAと 250mLの bufferBで 50mMから 1M の塩ィ匕ナトリウムの濃度勾配により目的タンパク質の溶出を行なった。 5mLずつ分画 を行い、 10%SDS— PAGEにより、分子量約 65kDaの目的タンパク質を多く含む画 分、約 lOOmLを回収し、 2Lの buffer D [50mM 炭酸ナトリウム緩衝液(ρΗ9· 5) ]で透析を行なった。
[0142] その後、セントリコン一 10 (ミリポア社製)で約 20倍の 5mLまで濃縮を行レ、、さらに 1 0%SDS_PAGEで確認したところ、分子量約 65kDaの目的タンパク質がほぼ単一 バンドで検出され、これを H296— H296とした。その後、 MicroBCAキット(ピアース 社製)を使用して、タンパク質濃度を測定したところ、 2. 16mgZmLであった (分子 量から計算して、約 33 μ M)。また、 N末端解析を行なったところ、メチォニンは消化 されており、 N末端は Alaであった。
[0143] 実施例 2 H296— H296を用いた特異的細胞傷害活性保持 CTLの誘導
(1) PBMCの分離および保存
HLA-A2. 1保有ヒト健常人ドナーより成分採血を実施後、採血液をリン酸緩衝生 理食塩水(PBS)で 2倍希釈し、 Ficoll-paque〔アマシャムバイオサイエンス(Amer sham Biosciences)社製〕上に重層後、 600 X gで 20分間遠心した。遠心後、中間 層の末梢血単核細胞(PBMC)をピペットで回収、洗浄した。採取した PBMCは 5 X 107cellsZmLになるように RPMI1640培地〔シグマ(Sigma)社製〕に懸濁した後、 CP— 1 (極東製薬工業社製)と 25%ヒト血清アルブミン〔ブミネート:バクスター(Baxt er)社製〕を 17: 8の割合で混合した保存液を等量加えて懸濁し、液体窒素中にて保 存した。 CTL誘導時にはこれら保存 PBMCを 37°C水浴中にて急速融解し、 10 μ g /mL DNase〔カルビオケム(Calbiochem)社製〕を含む RPMI 1640培地で洗浄 後、トリパンブルー染色法にて生細胞数を算出して各実験に供した。
[0144] (2) H296 _H296フラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に H296— H296を固定化した。すなわち、 H29 6— H296 (終濃度 25 /i g/mL)を含む PBSを 24穴細胞培養プレート〔ベタトンディ ッキンソン (Becton, Dickinson and Company)社製〕に lmL ウエノレずっ添 加し、 4°Cでー晚インキュベートした。また、上記のプレートは使用前に PBSで 2回洗 浄したのち RPMI1640培地で 1回洗浄した。
[0145] (3)抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの誘導
抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの誘導は、ベドナレク(Bednarek)らの方 ¾ [Bednarek M. A. et al.、J. Immunology.、第 147卷、第 4047〜405 3頁(1991)〕を一部改変して実施した。すなわち、 5%ヒト AB型血清、 ImM ピルビ ン酸ナトリウム、 2mM L—グルタミン、 1 X NEAA Mixture〔全てキャンプレックス( Cambrex)社製〕、 1 %ストレプトマイシン ^ニシリン(ナカライテスタ社製)を含む R PMI1640培地(以下 5HRPMIと略す)に 4 X 106cells/mLとなるように実施例 2 _ (1)で調製した PBMCを懸濁後、実施例 2—(2)で作製した 24穴細胞培養プレート に lmL/ゥヱルずつ添加し、 5% CO湿式インキュベーター内にて、 37°Cで 1. 5時
2
間インキュベートし、プラスチック接着性の単球を分離した(対照には H296— H296 固定化処理を行っていないプレートを使用)。その後、非接着性の細胞を RPMI164
0培地を用いて回収し、レスポンダー細胞として氷上保存した。分離した単球には、 抗原ペプチドとして 5 μ g/mLのインフルエンザウイルスタンパク質由来ェピトープ ペプチド(配列表の配列番号 13に記載のマトリックスプロテイン由来— HLA—A2. 1 結合性ペプチド)および 1 μ g/mLの β 2マイクログロブリン〔スクリプス(Scrips)社製 〕を含む 5HRPMIを 0. 5mLずつ添加し、 2時間室温にてインキュベート後、 X線照 射(1. 42Cノ kg)して抗原提示細胞とした。各ゥヱルからペプチド液を吸引除去し、 ゥヱルを RPMI1640培地を用いて洗浄後、氷上保存しておいたレスポンダー細胞を 1 X 106cells/mLとなるよう 5HRPMIに懸濁し、 lmL/ゥヱルずつ抗原提示細胞 上に添カ卩したのち、プレートを 5%C〇 中、 37°Cで培養した。培養開始後 1日目に、
2
60UZmLの IL— 2 (プロロイキン: CHIRON社製)を含む 5HRPMI lmLを各ゥェ ルに添加、また 5日目には培養上清を半分除去後、同様の IL— 2含有培地を lmL ずつ添加した。 7日目に上記と同様にして抗原提示細胞を調製したあと、 1週間培養 したレスポンダー細胞を回収し、 440 X gで 10分間遠心した。遠心後、レスポンダー 細胞を lmLの 5HRPMIに懸濁し、調製した抗原提示細胞上に lmL/ゥヱルずつ 添加し、再刺激した。このとき、プレートは H296— H296を固定化したものを使用し た(対照には固定化していないプレートを使用)。再刺激後 1日目に、 60U/mLの I L— 2を含む 5HRPMI lmLを各ゥエルに添カロ、また 4日目あるレ、は 5日目には培養 上清を半分除去後、除去前と同じ内容の培地を lmLずつ添加し、さらに培養を続け 、 CTLを誘導した。 14日間培養後の細胞増殖率を表 1に示す。細胞増殖率は CTL 誘導開始時のレスポンダー細胞数に対する誘導終了時点での細胞数の比を増殖率 として求めた。
[0146] [表 1] 表 1
サンプル 細胞増殖率 (倍)
対照 2 . 3
H 2 9 6 - H 2 9 6 4 . 9
[0147] その結果、 H296— H296を固定化した群では固定化していない対照群と比較して
高い増殖率を示した。つまり、 CTL誘導時に H296— H296を使用することで、細胞 の増殖率を高めることが明らかとなった。
[0148] 実施例 3 実施例 2の CTLのフィーダ細胞を用いた拡大培養
(1) H296 _H296フラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に H296— H296を固定化した。すなわち、 H29 6— H296 (終濃度 25 z g/mL)を含む PBSを 12. 5cm2フラスコ(Becton, Dicki nson and Company社製)を立てて 2. 7mLずつ添加し、 4。Cでー晚インキュベー トした。また、上記のフラスコは使用前に PBSで 2回洗浄したのち RPMI1640培地で 1回洗浄した。
[0149] (2)実施例 2の CTLのフィーダ細胞を用いた拡大培養
実施例 2_ (3)で調製した H296— H296存在下で誘導した CTL (対照は H296— H296非存在下で誘導した CTUを 3 X 104cells/mLに調整した。一方、実施例 2 ー(1)と同様の方法により採取した HLA—A2. 1非保持 allogenic PBMCを 2ドナ 一混合したのち X線照射(0. 851C/kg)し、培地で洗浄後、 4 X 106cells/mLに 調整した(フィーダ細胞とする)。これら 3 X 104cellsの CTLおよび 4 X 106cellsのフィ ーダ細胞を 5mLの 10%Hyclone FBS (HyClone社製)、 ImM ピルビン酸ナトリ ゥム、 2mM L—グルタミン、 I X NEAA Mixture, 1%ストレプトマイシン一ぺニシ リンを含む RPMI1640培地(以下 lOHycloneRPMIと略す)に懸濁し、さらに終濃 度 50ng/mLの抗 CD3抗体(抗ヒト CD3モノクローナル抗体(OKT3):ヤンセンファ 一マ社製)を加えて 12· 5cm2のフラスコを立てたものに入れ、 37°C 湿式 COインキ
2 ュベータ一中で 14日間培養した。この際、実施例 3— (1)の H296— H296固定化フ ラスコを使用した (対照については非固定化フラスコを使用)。この間ペプチドによる 刺激はまったく付加せず、培養開始 1日目に lOHycloneRPMI 5mLと終濃度 120 UZmLの IL— 2を添加、さらに培養開始後 5日目以降は 2〜3日ごとに培養上清を 半分除去後、 60U/mLの IL— 2を含む lOHycloneRPMI 5mLを各フラスコに添 加し、 14日間拡大培養を行った。結果を表 2に示す。拡大培養時の増殖率は拡大 培養開始時の細胞数に対する拡大培養終了時点の細胞数の比を増殖率として求め 、誘導からの増殖率は誘導開始時のレスポンダー細胞数に対する拡大培養終了時
点の細胞数の比として求めた。
[表 2] 表 2
細胞増殖率 (倍)
サンプル 拡大培養時 誘導から
対照 4 5 . 5 1 0 4. 6
H 2 9 6 - H 2 9 6 1 9 3 . 1 9 5 4. 6
[0151] その結果、 CTL誘導時および拡大培養時に H296— H296を固定化した群の CT Lは、 H296— H296を固定化しな力、つた対照群より高い増殖率を示した。つまり、 C TL誘導時および拡大培養時に H296— H296を使用することで、細胞の増殖率を 高めることが明らかとなった。
[0152] 実施例 4 実施例 3の CTLの細胞傷害活性の測定
実施例 3で調製した拡大培養開始後 14日目の CTLの細胞傷害活性は、 Calcein AMを用いた細胞傷害活性測定法〔リヒテンフェルズ R.ら(Lichtenf els R. et al. )、J. Immunol. Methods、第 172卷、第 2号、第 227〜239頁(1994)〕に て評価した。ー晚ェピトープペプチド存在下、もしくは非存在下で培養した HLA— A 2. 1保持 EBVトランスフォーム B細胞(細胞名 221A2. 1)を 1 X 106cells/mLと なるよう 5%FBS (fetal bovine serum, ゥシ胎児血清、 Cambrex社製)を含む R PMI1640培地に懸濁後、終濃度 25 μ Μとなるように Calcein— AM (同仁化学研 究所社製)を添加し、 37°Cで 1時間培養した。細胞を Calcein— AMを含まない培地 にて洗浄後、 Calcein標識標的細胞とした。 Calcein標識標的細胞は、 30倍量の K5 62細胞 (ATCC CCL— 243)と混合し、細胞傷害活性測定用細胞とした。なお、 K 562細胞はレスポンダー細胞中に混入する NK細胞による非特異的傷害活性を排除 するために用いた。
[0153] 実施例 3で調製した抗インフルエンザウイルス メモリー CTLをエフェクター細胞と して 1 X 105〜3 X 106cellsノ mLとなるように 5HRPMIで段階希釈後、 96穴細胞培 養プレート(Becton, Dickinson and Companv社製)の各ゥエルに 100 μ L/
ゥエルずつ分注しておき、これらに Calcein標識標的細胞濃度が 1 X 105/mLとなる ように調整した細胞傷害活性測定用細胞を 100 μ L/ゥエルずつ添加した。この際、 Calcein標識標的細胞(T)に対するエフェクター細胞(E)の比を E/T比として示し、 E/T比 30、 10、 3、 1について測定を行った。上記細胞懸濁液の入ったプレートを 4 00 で1分間遠心後、 37°Cの湿式 C〇インキュベーター内で 4時間インキュベート
2
した。 4時間後、各ゥヱルカ 培養上清 100 Lを採取し、蛍光プレートリーダー〔ベ ルトールド(Berthold technologies)社製〕(励起 485nmZ測定 538nm)によって 培養上清中に放出された Calcein量を測定した。「特異的細胞傷害活性(%)」は以 下の式 1にしたがって算出した。
式 1:特異的細胞傷害活性(%) =
{ (各ゥエルの測定値—最小放出量)/ (最大放出量-最小放出量) } X 100 上式において最小放出量は細胞傷害活性測定用細胞のみ含有するゥエルの Calce in放出量であり、 Calcein標識標的細胞からの Calcein自然放出量を示す。また、最 大放出量は細胞傷害活性測定用細胞に 0. 1 %界面活性剤 Triton X— 100 (ナカ ライテスタ社製)をカ卩えて細胞を完全破壊した際の Calcein放出量を示している。また 、 E/T比 3において、拡大培養前の細胞傷害活性をどれだけ維持しているかを「細 胞傷害活性維持(%)」として以下の式 2にしたがって算出した。
式 2:細胞傷害活性維持(%) =
〔拡大培養後の細胞傷害活性(%)Z拡大培養前の細胞傷害活性(%)〕 X 100 測定結果を表 3に示す。
[表 3] 表 3
CTI. ,拡大培養後細胞傷害活性 (; ¾) 活性維持効果 (¾0
E/T比 Ε/τ = 3 サンプル 30 10 3 1
対照 n. t . 72. 7 36. 6 12. 1 73. 9
H 296 -H296 89. 6 83. 9 62. 4 28. 9 123. 3
n. t . : no t t e s t ed ペプチド非存在下で培養した Calcein標識標的細胞に対する細胞傷害活性はほ
ぼ 0%であり、非特異的な活性はな 、ことを確認した。ペプチド存在下で培養した Cal cein標識標的細胞に対する細胞傷害活性にぉレ、て、 CTL誘導時および拡大培養 時に H296— H296フラグメントを固定化した群については、 14日間の拡大培養後 においても特異的で高い細胞傷害活性を保持していた。一方、 CTL誘導時および 拡大培養時のどちらにも H296— H296を固定化しな力、つた対照群では、その活性 は、明らかに低下していた。つまり、 H296— H296を CTL誘導時および拡大培養時 に使用することにより、特異的で高い細胞傷害活性を長期的に保持した状態で、 CT Lの拡大培養が可能になることが明らかになった。
[0156] 実施例 5 実施例 3の CTL細胞集団中における TCR V/317陽性細胞含有比率の 測定
今回、 CTL誘導に用いた HLA—A2. 1結合性インフルエンザウイルスタンパク質 由来ペプチドは TCR V β 17陽性 Τ細胞により認識されることが Lehnerらによって 示されている〔Lehner P.J. et al. , J. Exp. Med.、第 181卷、第 79〜91 頁(1995)〕。したがって、 TCR V 317の陽性細胞含有比率を測定することにより、 抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの指標となり得る。
[0157] 実施例 3で調製した 2X 105cellsの CTLを PBSで洗浄し、 1%牛血清アルブミン(B SA) (Sigma社製)を含む 15 AiLの PBS中に懸濁し、 FITC標識マウス IgGlもしくは FITC標識マウス抗ヒト TCR V β 17抗体〔ともにベックマンコールター(BECKMA N COULTER)社製〕を添加後、氷上で 30分間インキュベートした。インキュベート 後、細胞を 0· 1%BSAを含む PBSで 2回洗浄し、 1%BSAを含む PBSに懸濁した。 この細胞を Cytomics FC500 (BECKMAN COULTER社製)を用いたフローサ ィトメトリーに供し、 TCR V/317陽性細胞の含有率を測定した。測定結果を表 4に 示す。
[0158] [表 4] 表 4
サンプル TCR V/317陽性細胞含有比率 (% )
対照 24. 9
H296-H296 85. 3
[0159] CTL誘導時および拡大培養時に H296— H296を固定化した群の CTLは、固定 化しなかった対照群と比較して明らかに高い陽性細胞含有率を示した。なお、誘導 後の CTL、すなわち拡大培養前の TCR Ύ β 17陽性細胞含有率は、 Η296— Η29 6を固定化した群については 78. 0%、固定化していない対照群については 73. 0% であった。つまり、 CTL誘導時および拡大培養時に Η296— Η296を使用することで 、抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの含有率を高く保持したまま拡大培養が 可能であることが認められた。
[0160] 実施例 6 実施例 2の CTLのフィーダ細胞を用いない拡大培養
( 1 )抗 CD3抗体と Η296— Η296フラグメントの固定化
以下のフィーダ細胞を用いない CTL拡大培養実験で使用する培養器材に Η296 — Η296を固定化した。すなわち、抗 CD3抗体(終濃度 5 z gZmL)と Η296— Η29 6 (終濃度 25 μ g/mL)を含む PBSを 96穴細胞培養プレートに 160 μ LZゥヱルず つ添加し、 4°Cでー晚インキュベートした(対照には抗 CD3抗体のみを固定化)。また 、上記のプレートは使用前に PBSで 2回洗浄したのち RPMI1640で 1回洗浄した。
[0161] (2)フィーダ細胞を用いなレ、CTLの拡大培養
実施例 2— (3)で調製した H296— H296存在下で誘導した CTL (対照は H296— H296非存在下で誘導した CTL)を 5HRPMIで洗浄したのち、 1 X 105cellsを 5HR PMI 300 /i Lに懸濁し、実施例 6—(1 )で作製した 96穴培養プレートを用いて 37 °C 湿式 COインキュベータ一中で培養を開始した。培養開始 1日目に終濃度 120
2
U/mLとなるように IL—2を添加、さらに培養開始後 5日目以降は 2〜3日ごとに固 定化を行っていないプレートに継代を行い、終濃度 100U/mLの IL 2を添加した 。この間ペプチドによる刺激はまったく付加せず、 13日間拡大培養を行った。細胞増 殖率を表 5に示す。
[0162] [表 5]
表 5
細胞増殖率 (倍)
サンプル 拡大培養時 誘導から
対照 9. 2 21. 1
H296-H296 30. 6 149. 8
[0163] 誘導時および拡大培養時に H296— H296を固定化した群については、固定化し ていない対照群と比較して高い増殖率を示した。つまり、誘導時および拡大培養時 に H296— H296を使用することで、フィーダ細胞を用いずに CTLの拡大培養が可 肯 となった。
[0164] 実施例 7 実施例 6の CTLの細胞傷害活性の測定
実施例 6—(2)で得られた CTLを実施例 4と同様の方法にて CTLの特異的細胞傷 害活性を測定した。その結果を表 6に示す。
[0165] [表 6] 表 6
CTL拡大培養後細胞傷害活性 (¾ 活性維持効果 (¾;)
EZT比 E/T=3 サンプル 30 10 3 1
対照 n. t . 53. 3 20. 8 8. 2 42. 2
H296-H296 84. 8 80. 0 53. 0 25. 8 104. 8
n. L . : no t t e s t ed
[0166] ペプチド非存在下で培養した Calcein標識標的細胞に対する細胞傷害活性はほ ぼ 0%であり、非特異的な活性はないことを確認した。ペプチド存在下で培養した Cal cein標識標的細胞に対する細胞傷害活性について、誘導時および拡大培養時に H 296— H296を添加した群の CTLは、対照群と比較して、 13日間の拡大培養後に おいても特異的で高い細胞傷害活性を保持していた。つまり、 H296— H296を CT L誘導時および拡大培養時に使用することにより、特異的で高い細胞傷害活性を長 期的に保持した状態で、フィーダ細胞を用いない方法で拡大培養が可能になること が明らかになった。
[0167] 実施例 8 実施例 6の CTL細胞集団中における TCR V 17陽性細胞含有比率の 測定
実施例 6—(2)で調製した 2X 105cellsの CTLを実施例 5と同様の方法にて TCR Vj317陽性細胞含有比率の測定を行った。なお、 H296— H296の非存在下で拡 大培養した CTLを用いた対照群については拡大培養後に得られた細胞数が少なか つたため、試験を実施しな力、つた。結果を表 7に示す。
[0168] [表 7]
表 7
サンプル TCR V/31 7陽性細胞含有比率 (¾
H296-H296 81. 5
[0169] H296— H296を誘導時および拡大培養時に使用した群において、高い陽性細胞 含有比率を示した。なお、誘導後の CTL、すなわち拡大培養前の TCR Vj317陽 性細胞含有率は、 H296— H296を固定化した群については 78.0%であった。つ まり、 H296— H296を誘導時および拡大培養時に使用することにより、フィーダ細胞 を用いない系で、抗インフルエンザウイルス メモリー CTL含有比率を高く保持したま ま拡大培養が可能であることが認められた。
[0170] 実施例 9 H296— H296および H— 296を用いた特異的細胞傷害活性保持 CTL の誘導
(1)H296_H296および H— 296フラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に H296— H296および H— 296を固定化した。 すなわち、 H296— H296および H— 296(終濃度 25 ig/mL)それぞれを含む PB Sを 24穴細胞培養プレートに lmLずつ添加し、 4°Cでー晚インキュベートした。また、 上記のプレートは使用前に PBSで 2回洗浄したのち RPMI1640培地で 1回洗浄した
[0171] (2)抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの誘導
実施例 2— (1)に記載の方法で分離、保存した PBMCを用い、実施例 2— (3)と同 様の方法で、抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの誘導を行った。このとき使用
した培養プレートは、実施例 9一(1)で作製したものを用いた(対照には H296— H2 96および H— 296を固定化していないプレートを使用)。誘導開始後 14日目の細胞 増殖率を表 8に示す。
[表 8] 表 8
サンプル 細胞増殖率 (倍)
対照 1. 1
H 296 -H296 4. 3
H - 296 3. 2
[0173] この結果、 H296— H296を固定化した群が最も高い増殖率を示し、ついで H— 2 96を固定化した群で、固定化してレ、なレ、対照群はこれらと比較して低 、増殖率であ つた。つまり、 CTL誘導時に H296— H296あるレ、は H— 296を使用することで、糸田 胞の増殖率を高めることが明らかとなり、 H296— H296を使用した方がより高い効果 が得られた。
[0174] 実施例 10 実施例 9の CTLの細胞傷害活性の測定
実施例 9で得られた CTLを実施例 4と同様の方法にて CTLの特異的細胞傷害活 性を測定した。その結果を表 9に示す。
[0175] [表 9] 表 9
CTL誘導後細胞傷害活性 (%)
E/T比
サンプル 30 1 0 3 1 対照 n . t 5 4 . 4 2 4. 4 5, . 8
H296 -H296 6 6. 9 5 9 ■ 2 3 2. 8 9. • 9
H-296 6 2. 9 5 7 . 4 3 2. 6 8. , 6
η . t . : no t t e s t ed
[0176] ペプチド非存在下で培養した Calcein標識標的細胞に対する細胞傷害活性はほ ぼ 0%であり、非特異的な活性はなレ、ことを確認した。ペプチド存在下で培養した Cal
cein標識標的細胞に対する細胞傷害活性において、誘導時に H296— H296ある いは H— 296を固定化した群の CTLは、対照群の CTLに比べて特異的で高い細胞 傷害活性を保持していた。つまり、 H296— H296あるいは H— 296を CTL誘導時に 使用することにより、高い細胞傷害活性を持った CTLを誘導することが可能となった
[0177] 実施例 11 実施例 9の CTL細胞集団中における TCR V /3 17陽性細胞含有比率 の測定
実施例 9で調製した 2 X 105cellsの CTLを実施例 5と同様の方法にて TCR V β 1 7陽性細胞含有比率の測定を行った。結果を表 10に示す。なお、 CTL誘導前のレス ポンダー細胞の V j3 17陽性細胞含有率は 2. 5。/。であった。
[0178] [表 10] 表 1 0
サンプル T C R ν β 1 7陽性細胞含有比率 (;¾ ) 対照 5 0 . 6
H 2 9 6 - H 2 9 6 7 3 . 5
H - 2 9 6 7 3 . 2
[0179] Η296— Η296あるいは Η— 296を誘導時に使用した群において、使用していない 対照群に比べて高い陽性細胞含有比率を示した。すなわち、 Η296— Η296あるい は Η— 296を誘導時に使用することにより、抗インフルエンザウイルス メモリー CTL を効率よく誘導出来ることが明らかとなった。
[0180] 実施例 12 実施例 9の CTLのフィーダ細胞を用いない拡大培養
(1)抗 CD3抗体と Η296— Η296あるいは Η— 296の固定化
以下のフィーダ細胞を用いない CTL拡大培養実験で使用する培養器材に Η296 — Η296あるいは Η— 296を固定化した。すなわち、抗 CD3抗体(終濃度 5 μ g/m L)と、 H296— H296あるレ、は H— 296 (終濃度 25 μ g/mL)を含む PBSを 96穴糸田 胞培養プレートに 160 /i L/ゥエルずつ添加し、 4°Cでー晚インキュベートした(対照 には抗 CD3抗体のみを固定化)。また、上記のプレートは使用前に PBSで 2回洗浄 したのち RPMI1640で 1回洗浄した。
[0181] (2)フィーダ細胞を用いなレ、CTLの拡大培養
実施例 9で調製した H296— H296あるいは H— 296の存在下で誘導した CTL (対 照は非存在下で誘導した CTL)を 5HRPMIで洗浄したのち、 1 X 105cellsを 5HRP Ml 300 z Lに懸濁し、実施例 12— (1)で作製した 96穴培養プレートを用いて 37 °C 湿式 COインキュベータ一中で培養を開始した。培養開始 1日目に終濃度 500
2
UZmLとなるように IL—2を添カロ、 5日目以降は 5HRPMIを用いて固定化を行って いないプレートに継代を行レ、、終濃度 500UZmLの IL—2を添加した。すなわち、 培養開始後 5日目には l X 105cellsZmL、 8日目には 1. 5 X 105cells/mL, 12日 目には 3. 2 X 105cellsZmLで継代を行った。この間ペプチドによる刺激はまったく 付加せず、 15日間拡大培養を行った。細胞増殖率を表 11に示す。
[0182] [表 11] 表 1 1
細胞増殖率 (倍)
サンプル 拡大培養時 誘導から
対照 1 . 2 1 . 3
H 2 9 6 - H 2 9 6 5 6 . 0 2 4 0 . 8
H - 2 9 6 3 4 . 0 1 0 9 . 1
[0183] 誘導時および拡大培養時に H296— H296を固定化した群が最も高い増殖率を示 し、ついで誘導時および拡大培養時に H— 296を固定化した群で、固定化していな い対照群は最も低い増殖率を示した。つまり、誘導時および拡大培養時に H296— H296あるいは H— 296を使用することで、フィーダ細胞を用いずに CTLの拡大培 養が可能となり、その効果は H296— H296を使用した方が高いことが示された。
[0184] 実施例 13 実施例 12の CTLの細胞傷害活性の測定
実施例 12—(2)で得られた CTLを実施例 4と同様の方法にて CTLの特異的細胞 傷害活性を測定した。その結果を表 12に示す。なお、 E/T比 30については、試験 を行わなかった。
[0185] [表 12]
表 12
C T L拡大培養後細胞傷害活性 (%) 活性維持効果 (¾
EZT比 E/T=3 サンプル 10 3 1
対照 n. t . n. t . -0 . 4 n. t .
H296-H296 65. 5 41. 5 16 . 8 126. 4
H-296 34. 6 12. 4 3 . 7 38. 1 n. t. : n o t t e s t ed
[0186] ペプチド非存在下で培養した Calcein標識標的細胞に対する細胞傷害活性はほ ぼ 0%であり、非特異的な活性はないことを確認した。ペプチド存在下で培養した Cal cein標識標的細胞に対する細胞傷害活性について、誘導時および拡大培養時に H 296— H296を添加した群の CTLは、 15日間の拡大培養後においても特異的で高 い細胞傷害活性を保持していた。また、誘導時および拡大培養時に H— 296を添加 した群の CTLは、 H296— H296を添カ卩した群より低レ、が、特異的な細胞傷害活性 を保持していた。つまり、 H296— H296あるいは H— 296を CTL誘導時および拡大 培養時に使用することにより、特異的な細胞傷害活性を長期的に保持した状態で、 フィーダ細胞を用いない方法で拡大培養が可能になることが明らかになり、 H296— H296の方が高い効果が得られた。
[0187] 実施例 14 実施例 12の CTL細胞集団中における TCR V 17陽性細胞含有比率 の測定
実施例 12—(2)で調製した 2X 105cellsの CTLを実施例 5と同様の方法にて TCR Ύβ 17陽性細胞含有比率の測定を行った。結果を表 13に示す。
[0188] [表 13] 表 13
サンプル TCR νβ 17陽性細胞含有比率 (% )
対照 13. 2
Η296-Η296 83. 1
Η- 296 16. 4
[0189] H296— H296を誘導時および拡大培養時に使用した群が最も高い陽性細胞含 有比率を示し、次いで H— 296を誘導時および拡大培養時に使用した群が高ぐ固 定化していない対照群は最も低い陽性細胞含有比率を示した。なお、誘導後の CT L、すなわち拡大培養前の TCR V /3 17陽性細胞含有率は、対照群については 50 . 6%、 Η296 _Η296を固定ィ匕した群につレヽては 73. 5%、 Η_ 296を固定ィ匕した 群については 73. 2。/0であった。つまり、 Η296— Η296を誘導時および拡大培養時 に使用することにより、フィーダ細胞を用いない系で、抗インフルエンザウイルス メモ リー CTL含有比率を高く保持したまま拡大培養が可能であることが認められた。
[0190] 実施例 15 30mL採血を想定した実施例 9の CTLのフィーダ細胞を用いない拡大 培養
(1)抗 CD3抗体と H296— H296あるいは CH— 296フラグメントの固定化 以下のフィーダを用いない CTL拡大培養実験で使用する培養器材に H296— H2 96あるいは CH— 296を固定化した。すなわち、抗 CD3抗体(終濃度 5 i g/mL)と 、 H296— H296あるいは CH— 296 (終濃度 25 /i g/mL)を含む PBSを 96穴細胞 培養プレートに 160 /i L/ゥエルずつ添加し、 4°Cでー晚インキュベートした(対照に は抗 CD3抗体のみ固定化)。また、上記のプレートは使用前に PBSで 2回洗浄した のち RPMI培地で 1回洗浄した。
[0191] (2)フィーダ細胞を用いなレ、CTLの拡大培養
実施例 9で H296— H296を用いて誘導した CTLを 3%ヒト AB型血清、 ImM ピ ノレビン酸ナトリウム、 2mM L—グルタミン、 1 X NEAA Mixture, 1%ストレプトマイ シン ペニシリンを含む RPMI1640培地(以下 3HRPMIと略す)で洗浄したのち、 1 X 105cellsを 300 μ Lの 3HRPMIに懸濁し、実施例 15— (1)で作製した 96穴培養 プレートに入れ、 37°C 湿式 C〇インキュベータ一中で培養を開始した。この際、 30
2
mL採血力 得られると予想される PBMC 3 X 107cellsを用いた培養スケールにお いて、誘導から拡大培養までのヒト AB型血清の使用量を最大 15mL、 RPMI培地使 用量を最大 10Lに制限して拡大培養をおこなった。培養開始 1日目に終濃度 500U /mLの IL— 2を添カロ、 5日目には 1%ヒト AB型血清 RPMI培地を用いて固定化を行 つていないプレートに 1 X 105cellsZmLで継代を行レ、、終濃度 500UZmLの IL—
2を添カ卩した。培養開始後 8日目には 0.2%ヒト AB型血清 RPMI培地を用いて固定 化を行っていないプレートに 1.5X105cells/mLで継代を行い、終濃度 500U/m Lの IL 2を添加し、 12日目には終濃度 500U/mLの IL—2のみ添加した。この間 ペプチドによる刺激はまったく付加せずに 15日間拡大培養を行った。細胞増殖率を 表 14に示す。
[表 14]
表 14
細胞増殖率 (倍)
サンプル 拡大培養時 誘導から
対照 35. 3 1 51. 7
H296-H296 56. 7 243. 6
CH- 296 50. 8 218. 9
[0193] 拡大培養時に H296— H296あるいは CH— 296を固定化した群の CTLは、拡大 培養時に H296— H296あるいは CH—296を固定化しなかった群より高い増殖率を 示した。つまり、 H296— H296を誘導時に用いて得られた CTLについて、拡大培養 時に H296— H296あるいは CH— 296を使用することにより高い細胞増殖効果が見 られた。
[0194] 実施例 16 H296— H296を用いた特異的細胞傷害活性保持 CTLの誘導(自己血 漿)
実施例 2— (1)に記載の方法で分離、保存した PBMCを用い、実施例 2— (3)と同 様の方法で、抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの誘導を行った。その際、 5% 自己血漿、 ImM ピルビン酸ナトリウム、 2mM L グルタミン、 1 X NEAA Mixtu re、 1%ストレプトマイシン ペニシリンを含む RPMI培地(以下 5PlasmaRPMIと略 す)を用いた。こうして調製した誘導開始後 14日目の細胞増殖率を表 15に示す。
[0195] [表 15]
表 1 5
サンプル 細胞増殖率 (倍)
対照 1 . 7
H 2 9 6 - H 2 9 6 4. 1
[0196] 誘導時に H296— H296を固定化した群において、 H296— H296を固定ィ匕して レ、ない対照群よりも高い増殖率が得られた。つまり、 自己血漿を含む培地において、 CTL誘導時に H296— H296を使用することで、細胞の増殖率を高めることが明らか となった。
[0197] 実施例 17 実施例 16の CTL細胞集団中における TCR V 17陽性細胞含有比率 の測定
実施例 16で調製した 2 X 105cellsの CTLを実施例 5と同様の方法にて TCR V β 17陽性細胞含有比率の測定を行った。結果を表 16に示す。なお、 CTL誘導前のレ スポンダー細胞の V j3 17陽性細胞含有率は 2. 5%であった。
[0198] [表 16] 表 1 6
サンプル T C R V i3 1 7陽性細胞含有比率 (%)
対照 7 2 . 1
H 2 9 6 - H 2 9 6 8 0 . 1
[0199] 誘導時に H296— H296を固定化した群について、 H296— H296を固定ィ匕して レ、ない対照群と比較して高い陽性細胞含有比率を示した。すなわち、誘導時に H29 6— H296を用レヽることで、抗インフルエンザウイルス メモリー CTLを効率よく誘導で きることが明らかとなった。
[0200] 実施例 18 実施例 16の CTLのフィーダ細胞を用いた拡大培養
実施例 16で調製した H296— H296存在下で誘導した CTL (対照は H296— H2 96非存在下で誘導した CTL)を用い、実施例 3と同様の方法で、 CTLの拡大培養を 行った。この際、 5PlasmaRPMI培地を用いて培養し、 14日間拡大培養を行った。 1
4日後の細胞増殖率を表 17に示す。
[0201] [表 17]
表 17
細胞増殖率 (倍)
サンプル 拡大培養時 誘導から
対照 276. 5 468. 7
H296 -H296 337. 8 1380. 7
[0202] 誘導時及び拡大培養時に H296— H296を固定化した群については、 H296— H 296を固定化しなかった群より高い増殖率を示した。つまり、 H296— H296を誘導 時あるいは拡大培養時に使用することで、細胞の増殖率を高めることが明らカ^なつ た。
[0203] 実施例 19 実施例 18の CTL細胞傷害活性の測定
実施例 18で得られた CTLを実施例 4と同様の方法にて CTLの特異的細胞傷害活 性を測定した。その結果を表 18に示す。
[0204] [表 18] 表 18
CTL拡大培養後細胞傷害活性 (? έ) 活性維持効果 (! ¾)
ΕΖΤ比 Ε/Τ=3 サンプル 30 10 3 1
対照 52. 6 24. 1 9. 5 5. 2 18. 0
H296-H296 88. 6 83. 2 57. 7 26. 9 1 17. 0
[0205] ペプチド非存在下で培養した Calcein標識標的細胞に対する細胞傷害活性はほ ぼ 0%であり、非特異的な活性はないことを確認した。ペプチド存在下で培養した Cal cein標識標的細胞に対する細胞傷害活性について、誘導時および拡大培養時に H 296— H296を固定化した群は 14日間の拡大培養後においても特異的で高い細胞 傷害活性を保持していた。一方、誘導時および拡大培養時に H296— H296を固定 化しない対照群については、その活性は明らかに低下していた。つまり、 自己血漿を
用レ、た拡大培養で、H296— H296を CTL誘導時および拡大培養時に使用すること により、特異的で高い細胞傷害活性を長期的に保持した状態で、 CTLの拡大培養 が可能になることが明らかになった。
[0206] 実施例 20 実施例 18の CTL細胞集団中における TCR V /3 17陽性細胞含有比率 の測定
実施例 18で調製した 2 X 105cellsの CTLを実施例 5と同様の方法にて TCR V /3 17陽性細胞含有比率の測定を行った。結果を表 19に示す。
[0207] [表 19]
表 1 9
サンプル T C R ν β 1 7陽性細 ϋ包含有比率 (% )
対照 8 . 6
H 2 9 6 - H 2 9 6 6 2 . 0
[0208] 誘導時および拡大培養時に Η296— Η296を固定化した群について、固定化して レ、ない対照群と比較して、明らかに高い陽性細胞含有比率を示した。なお、誘導後 すなわち拡大培養前の CTLについての TCR V j3 17陽性細胞含有率は、表 16に 示したように、 H296— H296を固定化した群については 80. 1 %であり、固定化して いない群については 72. 1。/0であった。つまり、自己血漿を用いた拡大培養で、 H29 6— H296を CTL誘導時および拡大培養時に使用することで、抗インフルエンザウイ ノレス メモリー CTLの含有比率を高く保持したまま拡大培養が可能であることが明ら かとなつた。
[0209] 実施例 21 H296— H296を用いたリンパ球(リンフォカイン活性化細胞)の拡大培 養
(1) PBMCの分離および保存
インフォームド 'コンセントの得られたヒト健常人ドナーより成分採血を実施後、採血 液をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で 2倍希釈し、 Ficoll— paque上に重層して 500 X gで 20分間遠心した。中間層の末梢血単核球細胞(PBMC)をピペットで回収、洗 浄した。採取した PBMCは 90%FBS/10%DMSO (SIGMA社製)力 なる保存 液に懸濁し、液体窒素中にて保存した。リンパ球拡大培養時にはこれら保存 PBMC
を 37°C水浴中にて急速融解し、 lO g/mL DNaseを含む RPMI1640培地で洗 浄後、トリパンブルー染色法にて生細胞数を算出して各実験に供した。
[0210] (2)抗ヒト CD3抗体および H296— H296フラグメント固定化
以下の実験で使用する培養器材に抗ヒト CD3抗体および H296— H296を固定化 した。すなわち 12穴細胞培養プレート(Becton, Dickinson and Campany社 製)に抗ヒト CD3抗体(終濃度 5 μ g/mL)を含む PBSを 1. 9mL/ゥエルずつ添カロ した。この時、 H296— H296添加群には実施例 1で調製した H296— H296を終濃 度(25 μ g/mL)となるように添加した。
[0211] これらの培養器材を室温で 5時間インキュベート後、使用時まで 4°Cに保存した。使 用直前にはこれらの培養器材から抗体および H296— H296を含む PBSを吸引除 去後、各ウエノレを PBSで 2回、 RPMI培地で 1回洗浄し各実験に供した。
[0212] (3)リンパ球の拡大培養
3%humanAB血清を含む AIM—V (Invitrogen社製、以下 3%AIM—Vと略す) に 1 X 106cells/mLとなるように実施例 21— (1)で調製した PBMCを懸濁後、実施 例 21— (2)で作製した抗ヒト CD3抗体固定化プレート、または抗ヒト CD3抗体および H296— H296固定化プレートに 3%AIM—Vを 2mL/ゥエルで添加しておき、糸田 胞液を lmL/ゥヱルずつ添加した。終濃度 1000U/mLとなるように IL 2を添加し 、これらのプレートを 5%CO中 37°Cで培養した (培養 0日目)。培養開始 4日目に、
2
各群とも 0. 075 X 106cells/mLとなるように l%humanAB血清を含む AIM— Vに より希釈し (液量 6mL)、培養液を何も固定化していなレ、 12. 5cm2細胞培養フラスコ に移し、終濃度 500U/mLとなるように IL— 2を添カ卩した。血清濃度は、 30mL採血 より得られた PBMCを培地 10Lで培養することを想定して決定した。培養を継続し、 7日目には各群とも 0. 25 X 106cells/mLとなるように、対照群(H296— H296 固定化)では 0. l%humanAB血清を含む AIM—Vを用いて、および H296— H29 6固定化群では 0. 09%humanAB血清を含む AIM—Vを用いて希釈した培養液( 液量 12. 6mL)を何も固定化していない新しい 25cm2細胞培養フラスコを立てたも のに移した。いずれも終濃度 500UZmLとなるように IL— 2を添加した。培養開始後 10日目には、 7日目と同じ血清濃度の humanAB血清を含む AIM—Vを用いて 0.
413X106/mLとなるように細胞液を希釈し (液量 12.6mL)、何も固定化していな い新しい 25cm2細胞培養フラスコを立てたものにそれぞれ移した。各群において終 濃度 500U/mLとなるように IL— 2を添加した。培養開始後 15日目にトリパンブル 一染色法にて生細胞数を計測し、培養開始時の細胞数と比較して拡大培養率を算 出した。結果を表 20に示す。
[0213] [表 20] 表 20
血清濃度 (%) 培養日数 サンプル 拡大培養率 (倍率)
3— 1→0. 1 15日間 対照 (H296— H296非固定化) 343
3→1→0. 09 15日間 H296-H296 498
[0214] 表 20に示されるように、リンパ球拡大培養初期に H296— H296を固定化した培養 器材を使用した群においては、対照群に比較してリンパ球の拡大培養率が高かった 。このこと力、ら、 H296— H296はリンパ球拡大培養時に好適に使用されることが明ら かとなつた。
[0215] 実施例 22 H296_H296_H296_HTの作成
(1)H296_H296_H296_HT発現ベクターの構築
H— 296が 3つ連結した改変型フイブロネクチンフラグメント(H296— H296— H2 96-HT)を発現させるため、以下のようにして発現ベクターを構築した。
[0216] (i)H296— HT発現ベクターの構築
CH— 296の塩基配列(配列表の配列番号 8)より、配列表の配列番号 14に記載の 塩基配列を有する合成プライマー H296— NdeFを DNA合成機で合成し、常法によ り精製した。上記合成プライマー H296— NdeFは、制限酵素 Ndelの認識配列を塩 基番号 9〜: 14に、さらに CH— 296のアミノ酸酉己歹 IJのアミノ酸番号 278〜285に相当 する塩基配列を塩基番号 12〜35にもつ合成 DNAである。
[0217] 上記合成プライマーと、合成プライマー H296— HindRを用いて、 PCRを行った。
PCRの反応条件を以下に示す。すなわち、铸型 DNAとして pCH102 約 0· 1 /i g、 5/1 の10 £ Taq Buffer, 5 μ Lの dNTP混合液、 lOpmolの合成プライマー H296— NdeF、 lOpmolの合成プライマー H296— HindR、 0.5Uの TaKaRa Ex
Taqを加え、滅菌水を加えて全量を 50 μしとした。前記反応液を TaKaRa PCR Thermal Cycler SPiこセットし、 94°C 1分、 55°C 1分、 72°C 3分を 1サイクノレ とする 30サイクルの反応を行なった。反応終了後、該反応液 5 i Lを 1 · 0%ァガロー スゲル電気泳動に供し、 目的の約 0. 9kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PC R反応液を電気泳動し、そのフラグメントを回収'精製し、エタノール沈殿を行なった。 エタノール沈殿後の回収 DNAを 10 μ Lの滅菌水に懸濁し、制限酵素 Ndel (タカラ バイオ社製)及び制限酵素 Hindlllで 2重消化し、 1. 0%ァガロースゲル電気泳動に よりその Ndel、 Hindlll消化物を抽出精製し、 NdeI _ HindIII消化 DNA断片を得た
[0218] 次に pColdlベクター(タカラバイオ社製)を Ndel、 Hindlllで切断したものを調製し 、上記 Ndel、 Hindlll消化 DNA断片と混合し、 DNAライゲーシヨンキットを用いて連 結した。その後、ライゲーシヨン反応液 20 z Lを用いて大腸菌 JM109を形質転換し、 その形質転換体を 1. 5% (w/v)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリン 50 μ g/ mL含む)上で生育させた。 目的の DNA断片が挿入された組み換えプラスミドを、 pC oldl— H296とした。
[0219] (ii) H296— H296— H296— HT発現ベクターの構築
次に、 CH— 296の塩基配列(配列表の配列番号 8)より、配列表の配列番号 15に 記載の塩基配列を有する合成プライマー H296— NdeRを DNA合成機で合成し、 常法により精製した。上記合成プライマー H296— NdeRは、制限酵素 Ndelの認識 配列を塩基番号 4〜9に、さらに CH— 296のアミノ酸配列(配列表の配列番号 7)の アミノ酸番号 574〜569に相当する塩基配列を塩基番号 10〜27にもつ合成 DNA である。
[0220] 上記合成プライマーと、合成プライマー H296 _ NdeFを用いて PCRを行った。 PC Rの反応条件を以下に示す。すなわち、铸型 DNAとして pCH102 約 0. l z g, 5 μ Lの Ι Ο Χ Εχ Taq Buffer, 5 μ Lの dNTP混合液、 l Opmolの合成プライマー H29 6— NdeF、 l Opmolの合成プライマー H296— NdeR、 0. 5Uの TaKaRa Ex Taq を加え、滅菌水を加えて全量を 50 x Lとした。前記反応液を TaKaRa PCR Ther mal Cycler SPにセットし、 94°C 1分、 55°C 1分、 72°C 3分を 1サイクノレとする
30サイクルの反応を行なった。反応終了後、該反応液 5 Lを 1. 0%ァガロースゲル 電気泳動に供し、 目的の約 0. 9kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PCR反応 液を電気泳動し、そのフラグメントを回収 ·精製し、エタノール沈殿を行なった。ェタノ ール沈殿後の回収 DNAを 10 の滅菌水に懸濁し、制限酵素 Ndelで消化し、 DN Aライゲーシヨンキットを用いて連結した後、得られた 1. 8kbp以上の DNA断片を 1. 0%ァガロースゲル電気泳動により抽出精製した。
[0221] 次に、上記 pColdI_H296を Ndel消化し、末端を脱リン酸化処理したものを調製 し、上記 DNA断片と混合し、 DNAライゲーシヨンキットを用いて連結した。その後、ラ ィゲーシヨン反応液 20 μ Lを用いて大腸菌 JM109を形質転換し、その形質転換体を 1. 5。/。(w/v)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリン 50 x gZmL含む)上で生育 させた。
[0222] 目的の H— 296が 3つ連結したタンパク質をコードする DNA断片が揷入されたプラ スミドは、シークェンシングすることにより確認し、この組み換えプラスミドを pColdl— H296— 3とした。この pColdl— H296— 3は、 CH— 296のアミノ酸番号 278— 574 のアミノ酸配列をコードする塩基配列力 間にアミノ酸" H"を挟んで 3つ連結しその N 末端に Hisタグ配列を有するポリペプチドをコードする DNA配列を含むプラスミドで ある。当該タンパク質を H296— H296— H296— HTと命名し、そのアミノ酸配列を 配列表の配列番号 16に、塩基配列を配列表の配列番号 17に示す。
[0223] (2) H296— H296— H296— HT発現、精製
上記( 1 )で調製した pColdl— H296— 3を用レ、て大腸菌 BL21を形質転換し、その 形質転換体を 1 · 5% (w/v)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリン 50 μ g/mL 含む)上で生育させた。生育したコロニーを 200mLの LB液体培地(アンピシリン 50 μ g/mL含む)に植菌し、 OD = 0. 4〜0. 6になるまで(約 5〜8時間) 37°Cで培養 した。その後、 15°Cまで冷却した後、 IPTGを終濃度 1. OmMになるように添カ卩し、そ のまま 15°Cで 24時間培養して発現誘導させた。その後菌体を遠心分離により集め、 約 10mLの Biniding Buffer[50mM Tris-HCl (pH8. 5)、 150mM NaCl、 1 mM MgCl ]に懸濁した後、超音波破砕により菌体を破砕し、遠心分離(11 , 000r
2
/min 20分)により上清の抽出液を得た。得られた上清の抽出液を、 2mLの Ni_
NTA樹脂に添加し、 4°C、 1時間攪拌した後、樹脂を Binding Buffer 10mL、 Wa shing BufferA [ 2 OmM Tris-HCl (pH8. 5)、 100mM NaCl、 ImM MgCl
2
、 10% glycerol, 20mM Imidazole] lOmL, Washing BufferB [20mM Tris -HC1 (pH8. 5)、 800mM NaCl、 ImM MgCl、 10% glycerol, 20mM Imi
2
dazole] 10mL、 Washing BufferA lOmLで順次処理した後、樹脂に結合してい た目的タンパク質を 3mLの Elution Buffer[20mM Tris-HCl (ρΗ8. 5)、 100 mM NaCl、 ImM MgCl、 10% glycerol, 200mM Imidazole]で溶出した。
2
得られた溶出液を、 Vivaカラム(ザルトリウス社製)を用いて 0. 3mLに濃縮した。得ら れた濃縮液を SDS _ PAGEで解析したところ、分子量約 99kDaの目的タンパク質 がほぼ単一バンドとして検出された。その後、 MicroBCAキットを使用して、タンパク 質濃度を測定したところ、 2. 5mg/mLであった(分子量から計算して、約 25 μ Μ)。
[0224] 実施例 23 CH296— CH296— HTの作成
CH— 296が 2つ連結した改変型フイブロネクチンフラグメント(CH296— CH296 ΗΤ)を発現させるため、以下のようにして発現ベクターを構築した。
[0225] (1) CH296— CH296— ΗΤ発現ベクターの構築
(i) CH296— HT発現ベクターの構築
CH— 296の塩基配列より、配列表の配列番号 18記載の塩基配列を有する合成プ ライマー CH296— NdeFを DNA合成機で合成し、常法により精製した。上記合成プ ライマー CH296— NdeFは、制限酵素 Ndelの認識配列を塩基番号 9〜14に、さら に CH— 296のアミノ酸配列のアミノ酸番号 1〜6に相当する塩基配列を塩基番号 15 〜32にもつ合成 DNAである。
[0226] 上記合成プライマーと合成プライマー H296 _HindRを用いて、 PCRを行った。 P CRの反応条件を以下に示す。すなわち、铸型 DNAとして pCH102 約 0. 1 μ g, 5 At Lの ΙΟ Χ Εχ Taq Buffer, 5 μ Lの dNTP混合液、 lOpmolの合成プライマー C H296— NdeF、 lOpmolの合成プライマー H296— HindR、 0. 5Uの TaKaRa Ex
Taqをカロえ、滅菌水を加えて全量を 50 μしとした。前記反応液を TaKaRa PCR Thermal Cycler SP こセットし、 94°C 1分、 55°C 1分、 72°C 3分を 1サイクノレ とする 30サイクルの反応を行なった。反応終了後、該反応液 を 1. 0%ァガロー
スゲル電気泳動に供し、 目的の約 1. 7kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PC R反応液を電気泳動し、そのフラグメントを回収 ·精製し、エタノール沈殿を行なった。 エタノール沈殿後の回収 DNAを 10 /i Lの滅菌水に懸濁し、制限酵素 Ndel及び制 限酵素 Hindlllで 2重消化し、 1. 0。/。ァガロースゲル電気泳動によりその Ndel、 Hin dill消化物を抽出精製し、 Ndel - Hindlll消化 DNA断片を得た。
[0227] 次に pColdlベクターを Ndel、 Hindlllで消化したものを調製し、上記 Ndel— Hind III消化 DNA断片と混合し、 DNAライゲーシヨンキットを用いて連結した。その後、ラ ィゲーシヨン反応液 20 μ Lを用いて大腸菌 JM109を形質転換し、その形質転換体を 1. 5。/。(w/v)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリン 50 x gZmL含む)上で生育 させた。 目的の DNA断片が揷入された組み換えプラスミドを、 pColdI_CH296とし た。
[0228] (ii) CH296 - CH296 _HT発現ベクターの構築
合成プライマー CH296— NdeF、合成プライマー H296— NdeRを用いて PCRを 行った。 PCRの反応条件を以下に示す。すなわち、铸型 DNAとして pCH102 約 0 . l /i g、 5 Lの ΙΟ Χ Εχ Taq Buffer, 5 μ Lの dNTP混合 ί夜、 lOpmolの合成プ ライマー CH296— NdeF、 lOpmolの合成プライマー H296— NdeR、 0. 5Uの Ta KaRa Ex Taqを加え、滅菌水を加えて全量を 50 /i Lとした。前記反応液を TaKa Ra PCR Thermal Cycler SPにセットし、 94°C 1分、 55°C 1分、 72°C 3分を
[0229] 反応終了後、該反応液 5 β Lを 1. 0%ァガロースゲル電気泳動に供し、 目的の約 1 . 7kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PCR反応液を電気泳動し、そのフラグ メントを回収'精製し、エタノール沈殿を行なった。エタノール沈殿後の回収 DNAを 1 0 z Lの滅菌水に懸濁し、制限酵素 Ndelで消化し、 目的の 1. 7kbpの DNA断片を 1 . 0%ァガロースゲル電気泳動により抽出精製した。
[0230] 次に、 pColdI_CH296を Ndel消化し、末端を脱リン酸処理したものを調製し、上 記 DNA断片と混合し、 DNAライゲーシヨンキットを用いて連結した。その後、ライゲ ーシヨン反応液 20 μ Lを用いて大腸菌 JM109を形質転換し、その形質転換体を 1. 5% (w/v)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリン 50 μ g/mL含む)上で生育さ
せた。
[0231] 目的の CH— 296が 2つ連結したタンパク質をコードする DNA断片が挿入されたプ ラスミドは、シークェンシングにより確認し、この組み換えプラスミドを pColdl— CH29 6— 2とした。この pColdI_CH296 _ 2は、 CH— 296のアミノ酸番号:!〜 574のアミ ノ酸配列の N末端にメチォニンを付加したアミノ酸配列をコードする塩基配列が、間 にアミノ酸" H"を挟んで 2つ連結しその N末端に Hisタグ配列を有するポリペプチドを コードする DNA配列を含むプラスミドである。当該タンパク質を CH296— CH296— HTと命名し、そのアミノ酸配列を配列表の配列番号 19に、塩基配列を配列表の配 列番号 20に示す。
[0232] (2) CH296 _CH296 _HTの発現、精製
上記( 1 )で調製した pColdl _ CH296 _ 2を用レ、て大腸菌 BL21を形質転換し、実 施例 22— (2)と同様に CH296— CH296— HTの発現、精製を行なった。得られた 濃縮液を SDS— PAGEで解析したところ、分子量約 128kDaの目的タンパク質がほ ぼ単一バンドとして検出された。その後、 MicroBCAキットを使用して、タンパク質濃 度を測定したところ、 3. lmg/mLであった(分子量から計算して、約 24 /i M)。
[0233] 実施例 24 H105— H105— HTの作成
(1) H105— H105— HT発現ベクターの構築
CH— 296のアミノ酸酉己歹 IJの N末端佃 Jよりアミノ酸 460〜574 (塩基番号 1381〜: 17 25)よりなるポリペプチドを H— 105とし、この H— 105が 2つ連結した改変型フイブ口 ネクチンフラグメント(H105— H105— HT)を発現させるため、以下のようにして発 現ベクターを構築した。
[0234] (i) H105 _HT発現ベクターの構築
CH— 296の塩基配列より、配列表の配列番号 21記載の塩基配列を有する合成プ ライマー H105— NdeFを DNA合成機で合成し、常法により精製した。上記合成ブラ イマ一 H105 _NdeFは、制限酵素 Ndelの認識配列を塩基番号 9〜14に、さらに C H— 296のアミノ酸配列のアミノ酸番号 460〜466に相当する塩基配列を塩基番号 1 5〜35にもつ合成 DNAである。
[0235] 上記合成プライマーと H296 _HindRを用いて、 PCRを行った。 PCRの反応条件
を以下に示す。すなわち、铸型 DNAとして pCH102 約 0· 1 μ g、 5 μ Lの ΙΟ Χ Εχ Taq Buffer (タカラバイオ社製)、 5 μ Lの dNTP混合液(タカラバイオ社製)、 1 Op molの合成プライマー H105— NdeF、 lOpmolの合成プライマー H296— HindR、 0. 5Uの TaKaRa Ex Taq (タカラバイオ社製)を加え、滅菌水を加えて全量を 50 μ Lとした。前記反応液を TaKaRa PCR Thermal Cycler SP (タカラバイオ社 製)にセットし、 94。C 1分、 55°C 1分、 72。C 3分を 1サイクルとする 30サイクルの 反応を行なった。反応終了後、該反応液 を 1. 0%ァガロースゲル電気泳動に 供し、 目的の約 0. 35kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PCR反応液を電気 泳動し、そのフラグメントを回収'精製し、エタノール沈殿を行なった。エタノール沈殿 後の回収 DNAを 10 a Lの滅菌水に懸濁し、制限酵素 Ndel (タカラバイオ社製)及び 制限酵素 Hindlll (タカラバイオ社製)で 2重消化し、 1. 0。/oァガロースゲル電気泳動 によりその Ndel、 Hindlll消化物を抽出精製し、 NdeI_HindIII消化 DNA断片を得
[0236] 次に pColdlベクター(タカラバイオ社製)を Ndel、 Hindlllで消化したものを調製し 、上記 Ndel— Hindlll消化 DNA断片と混合し、 DNAライゲーシヨンキット(タカラバ ィォ社製)を用いて連結した。その後、ライゲーシヨン反応液 20 / Lを用いて大腸菌 J M109を形質転換し、その形質転換体を 1. 5% (w/v)濃度の寒天を含む LB培地( アンピシリン 50 μ g/mL含む)上で生育させた。 目的の DNA断片が挿入された組 み換えプラスミドは、シークェンシングにより確認し、この組み換えプラスミドを pColdl — H105とした。この pColdl— H105は、 CH— 296のアミノ酸番号 460〜574のアミ ノ酸配列をコードする塩基配列の N末端に Hisタグ配列とメチォニンを有するポリべ プチドをコードする DNA配列を含むプラスミドである。
[0237] (ii) H105 _H105 _HT発現ベクターの構築
H105 _NdeF、 H296— NdeRを用いて PCRを行った。 PCRの反応条件を以下 に示す。すなわち、錡型 DNAとして pCH102 約 0. 1 μ g、 5 μ Lの 10 X Ex Taq Buffer (タカラバイオ社製)、 5 z Lの dNTP混合液(タカラバイオ社製)、 lOpmolの 合成プライマー H105— NdeF、 lOpmolの合成プライマー H296— NdeR、 0. 5U の TaKaRa Ex Taq (タカラバイオ社製)をカロえ、滅菌水を加えて全量を 50 μしとし
た。前記反応液を TaKaRa PCR Thermal Cycler SP (タカラバイオ社製)にセ ットし、 94°C 1分、 55°C 1分、 72°C 3分を 1サイクルとする 30サイクルの反応を行 なった。
[0238] 反応終了後、該反応液 5 β Lを 1. 0%ァガロースゲル電気泳動に供し、 目的の約 0 . 35kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PCR反応液を電気泳動し、そのフラ グメントを回収'精製し、エタノール沈殿を行なった。エタノール沈殿後の回収 DNA を 10 μ Lの滅菌水に懸濁し、制限酵素 Ndel (タカラバイオ社製)で消化し、 目的の 0 . 35kbpの DNA断片を 1. 0%ァガロースゲル電気泳動により抽出精製した。
[0239] 次に、 pColdI_H105を Ndel消化し、末端を脱リン酸処理したものを調製し、上記 DNA断片と混合し、 DNAライゲーシヨンキット(タカラバイオ社製)を用いて連結した 。その後、ライゲーシヨン反応液 20 x Lを用いて大腸菌 JM109を形質転換し、その 形質転換体を 1. 5% (w/v)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリン 50 μ g/ml含 む)上で生育させた。
[0240] 目的の H— 105が 2つ重複したタンパク質をコードする DNA断片が挿入されたプラ スミドは、シークェンシングにより確認し、この組み換えプラスミドを pColdl— H105— 2とした。この pColdl— H105— 2は、 CH— 296のアミノ酸番号 460〜574のァミノ 酸配列をコードする塩基配列が、間にアミノ酸" HM"を挟んで 2つ連結しその N末端 に Hisタグ配列とメチォニンを有するポリペプチドをコードする DNA配列を含むプラ スミドである。当該タンパク質を H105— H105— HTと命名し、そのアミノ酸配列を配 列表の配列番号 22に、塩基配列を配列表の配列番号 23に示す。
[0241] (2) H105— H105— HTの発現、精製
上記( 1 )で調製した pColdl _ H 105 _ 2を用レ、て大腸菌 BL21を形質転換し、実 施例 22— (2)と同様に H105— H105— HTの発現、精製を行なった。なお、培養液 、 Binding Buffer, Washing BufferA、 Elution Buffer,濃縮液の液量は必要 に応じて適宜変更した。得られた濃縮液を SDS _ PAGEで解析したところ、分子量 約 28kDaの目的タンパク質がほぼ単一バンドとして検出された。その後、 MicroBC Aキットを使用して、タンパク質濃度を測定したところ、 5. lmg/mLであった(分子 量から計算して、約 180 μ Μ)。
[0242] 実施例 25 FNフラグメントを用いた特異的細胞傷害活性保持 CTLの誘導
( 1 )各 FNフラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に 3種類の FNフラグメント(H296— H296、 H29 6-H296-H296-HT, CH296— CH296— HT)をそれぞれ固定化した。すな わち、終濃度 4〜25 z g/mLの FNフラグメントを含む PBSを 24穴細胞培養プレー トに lmLZゥエルずつ添加し、 4°Cでー晚インキュベートした。なお、 FNフラグメント の濃度は、培養器材への各 FNフラグメントの固定化量を一定に合わせるために使 用する FNフラグメントの濃度を調整した。培養器材は使用前に PBSで 2回洗浄した のち RPMI1640培地で 1回洗浄し各実験に供した。
[0243] (2) 抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの誘導
実施例 2_ (1)に記載した方法で分離、保存した PBMCを用い、実施例 2_ (3)と 同様の方法で抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの誘導を行なった。その際、 プレートは実施例 25— ( 1 )で作製したものを使用した。 H105— H105— HTにつレヽ ては、対照と同様に調製したゥエルに終濃度 0.4/ g/mLになるように添カ卩し、培養 した(対照には FNフラグメントを固定化していないプレートを使用)。 14日間培養後 の細胞増殖率を表 21に示す。
[0244] [表 21]
表 2 1
FNフラグメント 細胞増殖率 (倍)
対照 (FNフラグメント非固定化) 0. 8
H296-H296 2. 3
H296-H296-H296-HT 1. 5
CH 296 -CH 296 - HT 2. 3
II 105 - H 105 -HT 1. 8
細胞増殖率は CTL誘導開始時のレスポンダー細胞数に対する誘導終了時点での 細胞数の比を増殖率として求めた。その結果、 FNフラグメントを使用した群では使用 していない対照群と比較して高い増殖率を示した。つまり、 CTL誘導時に FNフラグメ ントを使用することで、細胞の増殖率を高めることが明らかとなった。
[0246] 実施例 26 実施例 25で得られた CTLのフィーダ細胞を用いた拡大培養 (1) 各 FNフラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に 3種類の FNフラグメントを固定化した。すなわ ち、終濃度 4〜25 xg/mLの FNフラグメントを含む PBSを 12.5cm2フラスコを立て たものに 2.7mLずつ添加し、 4。Cでー晚インキュベートした。なお、 FNフラグメントの 濃度は、培養器材への各 FNフラグメントの固定化量を一定に合わせるために使用 する FNフラグメントの濃度を調整した。また、上記のフラスコは使用前に PBSで 2回 洗浄したのち RPMI1640培地で 1回洗浄し各実験に供した。
[0247] (2)実施例 25で得られた CTLのフィーダ細胞を用いた拡大培養
実施例 25—(2)で調製した CTLを実施例 3— (2)に記載の方法で拡大培養を行 なった。その際、 5HRPMI培地で培養し、フィーダ細胞には 3ドナーを混合したもの を用いた。また、培養器材は実施例 26 _ (1)の各 FNフラグメント固定化フラスコを使 用し、 H105— H105— HTについては対照と同様に調製したフラスコに終濃度 0.4 β g/mLとなるように添カ卩し、培養した(対照については非固定化フラスコを使用)。 結果を表 22に示す。
[0248] [表 22] 表 22
細胞増殖率 (倍)
FNフラグメント 拡大培養時 誘導から
対照 (FNフラグメント非固定化) 258. 0 197. 2
H296-H296 313. 3 7 12. 5
H296-H296-H296-HT 250. 0 363. 1
CH296-CH296— HT 344. 7 795. 7
HI 05 - HI 05-HT 254. 7 464. 3 拡大培養時の増殖率は拡大培養開始時の細胞数に対する拡大培養終了時点の 細胞数の比を増殖率として求め、誘導からの増殖率は誘導開始時のレスポンダー細 胞数に対する拡大培養終了時点の細胞数の比として求めた。その結果、 CTL誘導 時および拡大培養時に FNフラグメントを固定化あるいは溶液添加した群の CTLは、
FNフラグメントを使用しな力 た対照群より高い増殖率を示した。つまり、 CTL誘導 時および拡大培養時に FNフラグメントを使用することで、細胞の増殖率を高めること が明らかとなった。
[0250] 実施例 27 実施例 26で得られた CTLの細胞傷害活性の測定
実施例 26—(2)で得られた CTLを実施例 4と同様の方法にて CTLの特異的細胞 傷害活性を測定した。その際、 HLA—A2保持 Lymphoblast (細胞名 T2:ATCC CRL-1992)を用いて Calcein標識標的細胞を調製した。 CTL拡大培養後細胞 傷害活性結果を表 23、活性維持効果を表 24に示す。なお、細胞傷害活性維持効 果については、 EZT比 3および 1の 2点について算出した。
[0251] [表 23] 表 23
CTL拡大培養後細胞傷害活性 (% )
Eノ T比
FNフラグメント 30 10 3 1
対照 ( F Nフラグメント非固定化) 77. 8 75 . 7 39. 0 1 2. 2
H296-H296 90. 6 85 . 5 62. 7 34. 0
H296-H296-H296-HT 83. 4 80 . 3 56. 7 22. 5
CH 296 -CH296 -HT 81. 3 80 . 9 63. 1 27. 6
H 1 05 -H 1 05 -HT 86. 0 84 . 0 65. 3 36. 5
[0252] [表 24] 表 24
活性維持効果 (%)
E/T比
FNフラグメント 3 1
対照 (FNフラグメント非固定化) 49. 2 29. 7
H 296 -H296 79. 8 94.
H296 -H 296 -H 296 - HT 70. 3 56. 7
CH296 -CH 296 -HT 87. 3 92. 1
H 105 - H 105 -HT 90. 9 1 1 6. 8
[0253] ペプチド非存在下で培養した Calcein標識標的細胞に対する細胞傷害活性はほ ぼ 0%であり、非特異的な活性はないことを確認した。ペプチド存在下で培養した Cal cein標識標的細胞に対する細胞傷害活性にぉレ、て、 CTL誘導時および拡大培養 時に FNフラグメントを使用した群については、 14日間の拡大培養後においても特異 的で高い細胞傷害活性を保持していた。一方、 CTL誘導時および拡大培養時のど ちらにも FNフラグメントを使用しなかった対照群では、その活性は、明らかに低下し ていた。つまり、 FNフラグメントを CTL誘導時および拡大培養時に使用することによ り、特異的で高い細胞傷害活性を長期的に保持した状態で、 CTLの拡大培養が可 能になることが明らかになった。
[0254] 実施例 28 実施例 26で得られた CTL細胞集団中における TCR Vj317陽性 CD8 陽性細胞含有比率の測定
実施例 26— (2)で調製した 2X 105cellsの CTLを PBSで洗浄し、 1%BSAを含む 15/i Lの PBS中に懸濁し、ネガティブコントロールとして FITC標識マウス IgGl/R Dl標識マウス IgGl/PC5標識マウス IgGlあるいは FITC標識マウス抗ヒト TCR V β 17抗体と RD1標識マウス抗ヒト CD8(BECKMAN COULTER社製)を添加後 、氷上で 30分間インキュベートした。インキュベート後、細胞を 0. 1%BSAを含む PB Sで 2回洗浄し、 0.1%BSAを含む PBSに懸濁した。この細胞を Cytomics FC50 0を用いたフローサイトメトリーに供し、 TCR νβ 17陽性 CD8陽性細胞の含有率を 測定した。測定結果を表 25に示す。
[0255] [表 25]
表 25
FNフラグメント TCR V 317 + CD 8+ (%)
対照 (FNフラグメント非固定化) 43. 9
H 296- H 296 77. 3
H296-H296-H296-HT 55. 3
CH296-CH296 -HT 71. 7
H 105 -H 105 -HT 74. 4
[0256] CTL誘導時および拡大培養時に FNフラグメントを使用した CTLは、使用しな力
た対照群と比較して高い陽性細胞含有率を示した。なお、誘導後の CTL、すなわち 拡大培養前の TCR Ύ β 17陽性 CD8陽性細胞含有率は、 FNフラグメントを使用し た群については 47. 9%〜63. 8%、使用していない対照群については 67. 8%で あった。つまり、 CTL誘導時および拡大培養時に FNフラグメントを使用することで、 抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの含有率を高く保持したまま拡大培養が可 能であることが認められた。
[0257] 実施例 29 60mL採血を想定した実施例 25で得られた CTLのフィーダ細胞を用い ない拡大培養
( 1 )抗 CD3抗体と各 FNフラグメントの固定化
以下のフィーダ細胞を用いない CTL拡大培養実験で使用する培養器材に抗 CD3 抗体と 3種類の FNフラグメントを固定化した。すなわち、抗 CD3抗体(終濃度 mL)と、終濃度 4〜25 μ g/mLの FNフラグメントを含む PBSを 48穴細胞培養プレ ート (Becton, Dickinson and Company社製)に 375 i L/ウエノレずっ添カロし 、 4°Cで一晩インキュベートした (対照には抗 CD3抗体のみを固定化)。また、上記の プレートは使用前に PBSで 2回洗浄したのち RPMI1640で 1回洗浄した。なお、 FN フラグメントの濃度は、培養器材への各 FNフラグメントの固定化量を一定に合わせる ために使用する FNフラグメントの濃度を調整した。
[0258] (2)フィーダ細胞を用いなレ、CTLの拡大培養
実施例 25—(2)で調製した CTL1 X 105cellsを 5HRPMI 600 μ Lに懸濁し、実 施例 29—(1 )で作製した 48穴培養プレートに入れ、 37°C 湿式 COインキュベータ
2
一中で培養を開始した。なお、 H105— H105— HTについては対照と同様に調製し たゥエルに終濃度 0. 4 μ g/mLとなるように添カ卩し、培養を開始した。この際、 60m L採血から得られると予想される PBMC5 X 107cellsを用いた培養スケールにおいて 、誘導から拡大培養までのヒト AB型血清の使用量を最大 30mL、 RPMI培地使用量 を最大 12Lに制限して拡大培養を行なった。培養開始 1日目に終濃度 500UZmL となるように IL— 2を添カロ、 5日目以降は 5HRPMIを 0HRPMI (0%ヒト AB型血清、 ImM ピルビン酸ナトリウム、 2mM L—グルタミン、 10mM HEPES、 1 %ストレプ トマイシン ^ニシリンを含む RPMI1640培地)で適宜希釈した血清濃度の培地を
用いて固定化を行っていないプレートに継代し、終濃度 500U/mLの IL— 2を添加 した。すなわち、培養開始後 5日目には 1 X 105cells/mL、 8日目には 1.5X105c ells/mL, 12日目には 3 X 105cells/mLで継代を行った。この間ペプチドによる刺 激はまったく付加せず、 15日間拡大培養を行った。細胞増殖率を表 26に示す。
[表 26] 表 26
細胞増殖率 (倍)
FNフラグメント 拡大培養時 誘導から
対照 (FNフラグメント非固定化〕 3. 2 2. 5
H296-H296 128. 1 291. 5
H296 -H 296 -H 296 -HT 105. 2 1 52. 8
CH296 -CH296 -HT 72. 1 1 66. 1
H 1 05 - H 105 -HT 36. 3 65. 5
[0260] 誘導時および拡大培養時に FNフラグメントを使用した群については、使用してい ない対照群と比較して高い増殖率を示した。つまり、誘導時および拡大培養時に FN フラグメントを使用することで、フィーダ細胞を用いずに CTLの拡大培養が可能となり 、その効果が最も高レ、 FNフラグメントは H296— H296であることが示された。
[0261] 実施例 30 実施例 29の CTLの細胞傷害活性の測定
実施例 29—(2)で得られた CTLを実施例 27と同様の方法にて CTLの特異的細 胞傷害活性を測定した。 CTL拡大培養後細胞傷害活性結果を表 27、活性維持効 果を表 28に示す。なお、細胞傷害活性結果については E/T比 30について試験を 行わず、細胞傷害活性維持効果については、 EZT比 3および 1の 2点について算出 した。
[0262] [表 27]
¾27
CTL拡大培養後細胞傷害活性 (%
E/T比
FNフラグメント 10 3 1
対照 ( F Nフラグ ン卜非固定化) n. t n. t 1 0. 6
H296-H296 83. 1 57. 3 27. 1
H296-H296-H296-HT 67. 6 34. 4 15. 7
CH296-CH2 G 6 -HT 60. 7 32. 8 14. 1
HI 05-H105 -HT 83. 5 66. 0 36. 9 n . t . = n o t t e s t e d
[0263] [表 28]
表 28
活性維持効果 (¾)
対照 (FNフラグメント非固定化) n . t . 25. 8
H296-H296 73. 0 75. 3
H296-H296-H296一 HT 42. 7 39. 5
CH 296 -CH 296 -HT 45. 3 47. 2
H I 05 - H 105 -HT 91. 9 1 18. 3
n . t . = n o t t e s t e d
[0264] ペプチド非存在下で培養した Calcein標識標的細胞に対する細胞傷害活性はほ ぼ 0%であり、非特異的な活性はないことを確認した。ペプチド存在下で培養した Cal cein標識標的細胞に対する細胞傷害活性について、誘導時および拡大培養時に F Nフラグメントを使用した群の CTLは、対照群と比較して、 15日間の拡大培養後にお いても特異的で高い細胞傷害活性を保持していた。つまり、 FNフラグメントを CTL誘 導時および拡大培養時に使用することにより、特異的で高い細胞傷害活性を長期的 に保持した状態で、フィーダ細胞を用いない方法で拡大培養が可能であり、その効 果が高レ、 FNフラグメントは H296— H296、 H105— H105— HTであることが明らか
になった。
[0265] 実施例 31 実施例 29で得られた CTL細胞集団中における TCR Vi317陽性細胞 含有比率の測定
実施例 29— (2)で調製した 2X 105cellsの CTLを実施例 28と同様の方法にて TC R V/317陽性 CD8陽性細胞含有比率の測定を行った。結果を表 29に示す。
[0266] [表 29] 表 29
FNフラグメント TCR ViS 17 + CD8+ ( )
対照 (FNフラグメント非固定化) 19. 9
II 296 - H 296 81. 9
H296-H296-H296 -HT 25. 4
CH296-CH296— HT 22. 9
H 105 -H 105 -HT 80. 9
[0267] FNフラグメントを誘導時および拡大培養時に使用した群において、高い陽性細胞 含有比率を示した。なお、誘導後の CTL、すなわち拡大培養前の TCR Vj317陽 性 CD8陽性細胞含有率は、 FNフラグメントを使用した群については 47.9%〜63. 8%、使用していない対照群については 67.8%であった。つまり、 FNフラグメントを 誘導時および拡大培養時に使用することにより、フィーダ細胞を用いない系で、抗ィ ンフルェンザウィルス メモリー CTL含有比率を高く保持したまま拡大培養が可能で あること力 忍められ、特に H296_H296と Η105_Η105_:ΗΤカ有効であること力 S 示された。
[0268] 実施例 32 各 FNフラグメントを用いたリンパ球(リンフォカイン活性化細胞)拡大培養
(1)抗ヒト CD3抗体および 3種の FNフラグメント固定化
以下の実験で使用する培養器材に抗ヒト CD3抗体および 3種類の FNフラグメント( H296— H296、 H296— H296— H296— HT、 CH296— CH296— HT)をそれ ぞれ固定化した。すなわち 12穴細胞培養プレートに抗ヒト CD3抗体 (終濃度 5 / g/ mL)と終濃度 2〜4 μ g/mLの FNフラグメントを含む PBSを 1· 9mL/ゥエルずつ
添加した。なお、 FNフラグメントの濃度は、培養器材への各 FNフラグメントの固定化 量を一定に合わせるために使用する FNフラグメントの濃度を調整した。これらの培養 器材を室温で 5時間インキュベート後、使用時まで 4°Cに保存した。使用直前にはこ れらの培養器材から抗体 ' FNフラグメントを含む PBSを吸引除去後、各ゥヱルを PB Sで 2回、 RPMI培地で 1回洗浄し各実験に供した。
[0269] (2)リンパ球の拡大培養
0. 5%humanAB血清と 0. 2%ヒト血清アルブミンを含む GT—T503 (タカラバィ 才社製、以下 0. 5%GT_T503と略す)に 0. 25 X 106cells/mLとなるように実施 例 21 _ ( 1 )で調製した PBMCを懸濁後、実施例 32 _ ( 1 )で調製した抗ヒト CD3抗 体固定化プレート、または抗ヒト CD3抗体および FNフラグメント固定化プレートに 0. 5%GT_T503を 0. 5mLZゥヱルで添加しておき、細胞液を lmL/ゥヱルずつ 添加した。 H105— H105— HTは、対照と同様に調製したゥエルに終濃度 0. 67 μ g /mLになるように直接添加した。続いて終濃度 1000U/mLとなるように IL— 2を添 加し、これらのプレートを 5%C〇 中 37°Cで培養した (培養 0日目)。培養開始 4日目
2
に、各群の培養液を 0. 5%GT— T503を用いて 8倍希釈し、希釈液 6mLを何も固 定化していない 12· 5cm2糸田胞培養フラスコに移し、終濃度 500U/mLとなるように I L— 2を添カ卩した。培養を継続し、 7日目には各群の培養液を 0. 5%GT— T503を 用いて 4. 2倍希釈し、希釈液 12. 6mLを何も固定化していない新しい 25cm2細胞 培養フラスコを立てたものに移し、いずれも終濃度 500U/mLとなるように IL— 2を 添加した。培養開始後 1 1日目には、 0. 2%ヒト血清アルブミンを含む無血清 GT— T 503を用いて、各群の細胞培養液を 2倍希釈し、何も固定化していない新しい 25cm 2細胞培養フラスコを立てたものに希釈量 12. 6mLをそれぞれ移した。各群において 終濃度 500U/mLとなるように IL— 2を添加した。培養開始後 14日目にトリパンブ ルー染色法にて生細胞数を計測し、培養開始時の細胞数と比較して拡大培養率を 算出した。結果を表 30に示す。
[0270] [表 30]
表 30
FNフラグメント 拡大培養率 (倍率)
対照(FNフラグメント非固定化) 172
H296-H296 514
H296-H296-H296-HT 477
CH296 -CH296 -HT 437
HI 05 - HI 05-HT 408
[0271] 表 30に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメントを固定化した培養 器材を使用した群、もしくは培養液に直接溶液添加した群は、対照群と比較して高い 拡大培養率が得られた。つまり、 4種の FNフラグメントはリンパ球拡大培養時に好適 に使用されることが明らかとなった。
[0272] 実施例 33 CD45RA陽性 CCR7陽性細胞、 CD27陽性細胞、 CD28陽性細胞の 解析
実施例 32— (2)で調製した細胞を PBS、 1%BSAZPBSで洗浄した。 1%BSAを 含む PBS中に細胞を懸濁し、ネガティブコントロールとして FITC標識マウス IgGl/ RD1標識マウス IgGl/PC5標識マウス IgGl (BECKMAN COULTER社製)を 添加した。同様に、 RD1標識マウス抗ヒト CD45RA抗体(BECKMAN COULTE R社製) /FITC標識マウス抗ヒト CCR7抗体(R&D Systems社製)を添加した細 胞、 RD1標識マウス抗ヒト CD27抗体(BECKMAN COULTER社製) ZFITC標 識マウス抗ヒト CD28抗体(eBioscience社製)を添加した細胞を用意した。各々の抗 体を添加後、氷上で 30分間インキュベートした。インキュベート後、 0. 1%BSAを含 む PBSで細胞を洗浄し、再度 PBSに懸濁した。この細胞をフローサイトメトリーに供し 、各々の細胞集団について、 CD45RA陽性 CCR7陽性細胞、 CD27陽性細胞、 C D28陽性細胞の割合を算出した。結果を表 31、表 32、表 33に示す。
[0273] [表 31]
表 31
FNフラグメント CD45 R A + CCR 7+ (¾)
対照( F Nフラグメント非固定化) 21 . 2
H296 -H296 71. . 9
H296-H296-H296-HT 70. . 8
CH296-CH296-HT 68. . 3
H105-H105 -HT 73. . 5
[0274] [表 32] 表 32
FNフラグメン卜 CD27 + (¾)
対照( F IVフラグメント非固定化) 54. 1
H296 -H296 88. 5
H296-H296-H296-HT 90. 0
CH296— CH 296 -HT 89. 3
H 105 -H 105 -HT 87. 8
[0275] [:表 33] 表 33
FNフラグメン卜 CD 28 + ( )
対照( F Nフラグメント非固定化) 80. 1
H29 G-H296 96. 0
H296-H296-H296-HT 96. 5
CH296 -CII296 -HT 96. 4
H 105 H 1 ϋ 5 -ΗΤ 94. 2 表 31、表 32、表 33に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメントを固 定化した培養器材を使用した群、もしくは培養液に直接溶液添加した群にぉレ、ては 、対照群と比較して、 CD45RA+CCR7+細胞集団、 CD27+細胞集団、 CD28+細 胞集団が高い結果が得られた。これらは、いずれもナイーブ T細胞でみられる表現型 であり、拡大培養後のリンパ球を体内に戻したときの効果が期待できる。当該実施例
より、 4種の FNフラグメントを用いることにより、ナイーブ T様細胞を高効率で増殖でき ることが明ら力となった。
[0277] 実施例 34 H— 296の固定化緩衝液の検討
pH3.8力、ら 0.6毎に pH8.0までの 0.2M リン酸緩衝液または 0.2M 酢酸緩衝 液を 25および 50 g/mLに調製した H— 296を 96穴細胞培養プレートの各ゥエル にそれぞれ添加し、 5時間室温で固定化した。 PBSで 3回洗浄後、 PBSを用いて 4倍 希釈した Block Ace (大日本製薬社製)を各ゥエルに添加し、 1時間室温で静置し た。 PBSで 3回洗浄し、 HRP標識した FNH3— 8抗体 (タカラバイオ社製)を各ウエノレ に添加して、 1時間室温で静置したのち、 PBSで 3回洗浄した。このプレートを ABTS (SIGMA社製)を用いて発色し、 405nmの吸光度を測定することで固定化率を評 価した。なお、 FNH3— 8抗体はフイブロネクチンの部分領域である III— 12を特異 的に認識する抗体である(図 1参照)。結果を表 34に示す。
[0278] [表 34] 表 34
405 nm
PH 緩衝液 25 yg/mL 50 μ g/ mL
8. 0 リン酸緩衝液 0. 1 04 0. 174
7. 4 リン酸緩衝液 0. 080 0. 169
6. 8 リン酸緩衝液 0. 075 0. 167
6. 2 リン酸緩衝液 0. 131 0. 244
5. 6 酢酸緩衝液 0. 475 0. 567
5. 0 酢酸緩衝液 0. 392 0. 45 1
4. 4 酢酸緩衝液 0. 428 0. 379
3. 8 酢酸緩衝液 0. 243 0. 213
[0279] 表 34より、 H— 296はリン酸緩衝液よりも pHの低い酢酸緩衝液を使用した方が培 養プレートへの固定化効率が高ぐ pH5.6酢酸緩衝液を用いて固定化した場合に 高い固定化率を示すことが明らかとなった。
[0280] 実施例 35 H— 296、 H296— H296の固定化量の比較
0.2M 酢酸緩衝液 (ρΗ5· 6) (以下、 ρΗ5.6酢酸緩衝液と記載)を用いて段階 希釈した Η— 296と、 PBS(pH7.4)を用レ、て段皆希釈した H296— H296を 96穴 細胞培養プレートにそれぞれ固定化し、 5時間静置した。このプレートの FNフラグメ ント固定化量を実施例 34と同様の方法で測定した。結果を表 35に示す。
[表 35]
表 3 5
40 5 nm
F N f r濃度 H- 2 9 6 H 2 9 6 -H 2 9 6
(u g/mL) (p H 5. 6酢酸緩衝液) (P B S)
2 0 0 0. 9 6 4
1 0 0 0. 4 9 9
5 0 0. 3 04
2 5 0. 2 24 2. 0 2 2
1 2. 5 0. 2 7 7 1. 7 3 1
6. 2 5 0. 2 2 1 1. 2 9 1
3. 1 2 5 1. 0 1 0
1 . S 6 3 0. 7 3 2
[0282] その結果、 H296— H296は H— 296と比べて培養プレートへの固定化効率が極 めて高ぐまた、 ρΗ5· 6酢酸緩衝液を用いた Η— 296 200 / g/mLの固定化量と、 PBSを用いた H296— H296 約 3 / g/mLの固定化量は、重量比でほぼ一致する ことが示された。
[0283] 実施例 36 培養器材への固定化量を合わせた H— 296、 H296— H296を用いた 特異的細胞傷害活性保持 CTLの誘導
( 1 )各 FNフラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に 2種類の FNフラグメント(H— 296、 H296— H 296)をそれぞれ固定化した。すなわち、表 36に示した終濃度の FNフラグメントを含 む pH5.6酢酸緩衝液あるいは PBSを 24穴細胞培養プレートに lmLZゥヱルずつ 添加し、 4°Cでー晚インキュベートした。培養器材は使用前に PBSで 2回洗浄したの ち RPMI1640培地で 1回洗浄し各実験に供した。
[0284] [表 36] 表 36
FNフラグメント 固定化緩衝液 終濃度
H- 296 pH5. 6酢酸緩衝液 200 ng mL
H296-H296 P B S 3 g/mL
[0285] なお、前述の実施例 35より、上記の終濃度 200 /ig/mL H— 296を用いた培養 プレートへの固定化量は、終濃度 3 ig/mL H296— H296を用いたものと同等で ある。
[0286] (2)抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの誘導
実施例 2— (1)に記載した方法で分離、保存した PBMCを用い、実施例 2— (3)と 同様の方法で抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの誘導を行った。その際、プ レートは実施例 36— ( 1 )で作製したものを使用した(対照には FNフラグメントを固定 化していないプレートを使用)。 14日間培養後の細胞増殖率を表 37に示す。
[0287] [表 37]
表 37
FNフラグメン卜 細胞増殖率 (倍)
対照 (FNフラグメント非 H定化) 1. 2
H- 296 (200 M g/mL) 1. 5
H296 -H296 (3 /ig/mL固定化) 2. 1
[0288] 細胞増殖率は CTL誘導開始時のレスポンダー細胞数に対する誘導終了時点での 細胞数の比を増殖率として求めた。その結果、 FNフラグメントを使用した群では使用 していない対照群と比較して高い増殖率を示した。つまり、 CTL誘導時に FNフラグメ ントを使用することで、細胞の増殖率を高めることが明らかとなった。また、 H— 296( 200 μ g/mL)と H296— H296 (3 μ g/mL)では、プレートへの固定化量は同量 であるにもかかわらず、 H296— H296(3^g/mL)の方が細胞増殖率が高力 た
[0289] 実施例 37 30mL採血を想定した実施例 36の CTLのフィーダ細胞を用いなレ、 CTL
の拡大培養
(1)抗 CD3抗体と各 FNフラグメントの固定化
以下のフィーダ細胞を用いない CTL拡大培養実験で使用する培養器材に抗 CD3 抗体と 2種類の FNフラグメントを固定化した。すなわち、抗 CD3抗体(終濃度 mL)と表 36に示した濃度の FNフラグメントを含む pH5.6酢酸緩衝液または PBSを 96穴細胞培養プレートに 160 μ LZゥヱルずつ添加し、 4°Cでー晚インキュベートし た(対照には抗 CD3抗体のみを固定化)。また、上記のプレートは使用前に PBSで 2 回洗浄したのち RPMI1640で 1回洗浄した。
[0290] (2)フィーダ細胞を用いなレ、CTLの拡大培養
実施例 36— (2)で調製した CTL 1 X 105cellsを実施例 15— (2)と同様の方法で 拡大培養を行なった。この際、実施例 37— (1)で作製した 96穴培養プレートを使用 し、 5HRPMIを用いて培養を開始した。培養開始 1日目に終濃度 500U/mLとなる ように IL 2を添力 Q、 5日目以降は 5HRPMIを 0HRPMIで適宜希釈した血清濃度 の培地を用いて固定化を行っていないプレートに継代し、終濃度 500U/mLの IL 2を添カ卩した。すなわち、培養開始後 5日目には 0.75X 105cells/mL、 8日目に は 1· 5X105cells/mL、 12日目には 3 X 105cells/mLで継代を行った。この間べ プチドによる刺激はまったく付加せず、 15日間拡大培養を行った。細胞増殖率を表 38に示す。
[0291] [表 38]
表38
細胞増殖率 (倍)
FNフラグメン卜 拡大培養時 誘導から
対照 (FNフラグ :ント非固定化) 3. 8 4. 7
H- 296 (200 U s/mL) 27. 6 41. 9
11296 -H296 (3 g/mL) 73. 2 150. 4
誘導時および拡大培養時に FNフラグメントを使用した群については、使用してい ない対照群と比較して高い増殖率を示した。つまり、誘導時および拡大培養時に FN フラグメントを使用することで、フィーダ細胞を用いずに CTLの拡大培養が可能とな
つた。また、 H-296(200/ig/mL)と H296— H296 (3 /i g/mL)では、プレート への固定化量は同量であるにもかかわらず、 H296— H296 (3 μ g/mL)の方が極 めて高レ、細胞増殖率を示した。
[0293] 実施例 38 実施例 37の CTLの細胞傷害活性の測定
実施例 37— (2)で得られた CTLを実施例 27と同様の方法にて CTLの特異的細 胞傷害活性を測定した。 CTL拡大培養後細胞傷害活性結果を表 39、活性維持効 果を表 40に示す。なお、細胞傷害活性結果の E/T比 30については試験を行わず 、細胞傷害活性維持効果については、 EZT比 3および 1の 2点について算出した。
[0294] [表 39]
表 39
CTL拡大培養後細胞傷害活性 (; ¾)
E/T比
FNフラグメント 1 0 3 1
対照 (FNフラグメント非固定化) n. t . n. t . 2 . 9
II 2 96 1 8. 5 7. 8 β • 0
H 2 96 -H 2 9 6 (3 fi g/mL) 5 5. 7 24. 0 9 . 9
n . t . —no t t e s t e d
[0295] [表 40]
表 40
活性維持効果 (%)
R T比
FNフラグメント 3 1
対照 (FNフラグメント非固定化) n. t. 9. 6
H - 296 12. 5 20, 1
H296 -H296 (3 g/mL) 41. 2 34, 4
n . t . = n o t t e s t e d
[0296] ペプチド非存在下で培養した Calcein標識標的細胞に対する細胞傷害活性はほ ぼ 0%であり、非特異的な活性はないことを確認した。ペプチド存在下で培養した Cal cein標識標的細胞に対する細胞傷害活性にっ 、て、誘導時および拡大培養時に F
Nフラグメントを使用した群の CTLは、対照群と比較して、 15日間の拡大培養後にお いても特異的で高い細胞傷害活性を保持していた。つまり、 FNフラグメントを CTL誘 導時および拡大培養時に使用することにより、特異的で高い細胞傷害活性を長期的 に保持した状態で、フィーダ細胞を用いない方法で拡大培養が可能であり、その効 果が高レ、 FNフラグメントは H296— H296であることが明らかになった。
[0297] 実施例 39 H296 _H296 _HTの作成
(1) H296 _H296 _HT発現ベクターの構築
H— 296が 2つ連結した改変型フイブロネクチンフラグメント(H296— H296— HT )を発現させるため、以下のようにして発現ベクターを構築した。
[0298] (i) pT7_H296ベクターの構築
CH_ 296の塩基配列(配列表の配列番号 8)より、配列表の配列番号 24記載の塩 基配列を有する合成プライマー CSl _NdeRを DNA合成機で合成し、常法により精 製した。合成プライマー CS1— NdeRは、制限酵素 Ndelの認識配列を塩基番号 4〜 9に、さらに CH— 296のアミノ酸配列(配列表の配列番号 7)のアミノ酸番号 574〜5 69に相当する塩基配列を塩基番号 10〜27にもつ合成 DNAである。
[0299] 上記合成プライマーを用いて、 PCRを行った。 PCRの反応条件を以下に示す。す なわち、铸型 DNAとして実施例 22— (1) - (i)で構築した pColdl— H296 約 0. 1 /i g、 10 /i Lの lO X Ex Taq Buffer, 8 μ Lの dNTP混合 ί夜、 20pmolの合成プラ イマ一 H296— NdeF、 20pmolの合成プライマー CS1— NdeR、 1Uの TaKaRa E X Taqを加え、滅菌水を加えて全量を 100 i Lとした。前記反応液を TaKaRa PC R Thermal Cycler SPにセットし、 94°C 1分、 55°C 1分、 72°C 3分を 1サイク ルとする 30サイクルの反応を行なった。反応終了後、該反応液 を 1. 0。/oァガロ ースゲル電気泳動に供し、 目的の約 0. 9kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PCR反応液を電気泳動し、そのフラグメントを回収'精製した。
[0300] 次に pT7Blue T_ vector (Novagen (メルク社)、タカラバイオ社製)と、上記 DN A断片を混合し、 DNAライゲーシヨンキットを用いて連結した。その後、ライグーショ ン反応液 10 z Lを用いて大腸菌 JM109を形質転換し、その形質転換体を 1. 5% (w /v)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリン 50 μ g/mL含む)上で生育させた。 目
的の DNA断片が挿入された組み換えプラスミドを、 pT7— H296とした。
[0301] (ii) H296— H296— HT発現ベクターの構築
pT7— H296を Ndel消ィ匕して、約 0. 9kbpの DNAフラグメントを 1 · 0%ァガロース ゲル電気泳動により回収、精製した。次に、実施例 22— (1) - (i)で構築した pColdl — H296を Ndel消化し、末端を脱リン酸化処理したものを調製し、上記約 0. 9kbpの DNAフラグメントと混合、 DNAライゲーシヨンキットを用いて連結した。その後、ライ ゲーシヨン反応液 10 μ Lを用いて大腸菌 JM109を形質転換し、その形質転換体を 1 . 5% (w/v)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリン 50 μ gZmL含む)上で生育さ せた。
[0302] 目的の H— 296が 2つ連結したタンパク質をコードする DNA断片が揷入されたプラ スミドは、シークェンシングすることにより確認し、この組み換えプラスミドを pColdl— H296— 2とした。この pColdI_H296 _ 2は、 CH— 296のアミノ酸番号 278— 574 のアミノ酸配列をコードする塩基配列力 間にアミノ酸" H"を挟んで 2つ連結しその N 末端に Hisタグ配列を有するポリペプチドをコードする DNA配列を含むプラスミドで ある。当該タンパク質を H296— H296— HTと命名し、そのアミノ酸配列を配列表の 配列番号 25に、塩基配列を配列表の配列番号 26に示す。
[0303] (2) H296— H296— HT発現、精製
実施例 39— (1) - (ii)で調製した pColdl— H296— 2を用いて大腸菌 BL21を形 質転換し、実施例 22— (2)と同様に H296— H296— HTの発現、精製を行なった。 / お、 j¾-¾¾¾^ Binding Buffer^ Washing BufierA、 Washing BufferB、 Elut ion Buffer,濃縮液の液量は必要に応じて適宜変更した。得られた濃縮液を 2100 Bioanalyzer (アジレントテクノロジ一社製)で解析したところ、分子量約 67kDaの 目的タンパク質がほぼ単一バンドとして検出され、タンパク質濃度は、 1. 3mg/mL であった(分子量から計算して、約 19 μ Μ)。
[0304] 実施例 40 Η296— Η296— Η296の作成
(1) Η296— Η296— Η296— ΗΤ発現、精製
実施例 22— (1) - (ii)で調製した pColdI_H296 _ 3を用いて大腸菌 BL21を形 質転換し、実施例 22_ (2)と同様に11296 _11296 _1¾96 _1^丁の発現、精製を
行なった。なお、培養夜、 Binding Buffer, Washing BufferA, Washing Buff erB、 Elution Buffer,濃縮液の液量は必要に応じて適宜変更した。得られた濃縮 液を 2100 Bioanalyzerで解析したところ、分子量約 99kDaの目的タンパク質がほ ぼ単一バンドとして検出され、タンパク質濃度は、 3. 7mgZmLであった(分子量か ら計算して、約 37 μ Μ)。
[0305] (2) Η296 _Η296 _Η296の精製
次に、 Factor Xa Cleavage Capture Kit (メルク社製)を用いて、実施例 40 - (1)で精製した 1¾96 _:«296 _11296 _11丁精製タンパク質311^分の1¾3タグ配 列の切断を 4°Cにてー晚行った後、 Hisタグなしの目的タンパク質の精製を行った。
Hisタグの切断および目的タンパク質の精製は上記 Kitに付属の操作書に従って行 つた。切断後の溶液を 2100 Bioanalyzerで解析したところ、分子量約 97kDaの目 的タンパク質がほぼ単一バンドとして検出され、タンパク質濃度は、 0. 65mg/mL であった(分子量力ら計算して、約 6. 7 /i M)。 H296— H296— H296のアミノ酸酉己 列を配列表の配列番号 27に、また当該タンパク質をコードすると予想される塩基配 列を配列表の配列番号 28に示す。
[0306] 実施例 41 H105— H105の作成
(1) H105— H105— HTの発現、精製
実施例 24— (2)と同様の方法で H105— H105— HTの発現、精製を行なった。得 られた濃縮液を 2100 Bioanalyzerで解析したところ、分子量約 28kDaの目的タン パク質がほぼ単一バンドとして検出され、タンパク質濃度は、 1. 25mg/mLであつ た(分子量から計算して、約 45 β Μ)。
[0307] (2) Η105 _Η105の精製
Factor Xa Cleavage Capture Kitを用いて、実施例 40— (2)と同様に上記 の H105— H105— HT精製タンパク質 3mg分の Hisタグ配列の切断を 4°Cにてー晚 行った後、 Hisタグなしの目的タンパク質の精製を行った。 Hisタグの切断および目的 タンパク質の精製は上記 Kitに付属の操作書に従って行った。切断後の溶液を 210 0 Bioanalyzerで解析したところ、分子量約 26kDaの目的タンパク質がほぼ単一バ ンドとして検出され、タンパク質濃度は、 0. 42mgZmLであった(分子量から計算し
て、約 16 μ Μ)。 H105— H105のアミノ酸配列を配列表の配列番号 29に、また当該 タンパク質をコードすると予想される塩基配列を配列表の配列番号 30に示す。
[0308] 実施例 42 抗 CD3抗体、抗 CD28抗体および FNフラグメント(Η296— Η296— Η T、 Η296— Η296— Η296— HT、 H105— H105— ΗΤ、 Η296— Η296、 Η296 -Η296 -Η296, H105— H105)を用いたリンパ球(リンフォカイン活性化細胞)の 拡大培養
(1)抗ヒト CD3抗体、抗ヒト CD28抗体、および 6種の FNフラグメントの固定化 以下の実験で使用する培養器材に抗ヒト CD3抗体、抗ヒト CD28抗体および 6種の FNフラグメント(H296— H296— HT、 H296— H296— H296— HT、 H105 -H1 05— HT、 H296 -H296, H296— H296— H296、 H105— H105)を固定ィ匕した 。すなわち 12穴細胞培養プレート(コーユング社製)に抗ヒト CD3抗体 (終濃度 5 μ g /mL)抗ヒト CD28抗体 (ダコ 'ジャパン社製、終濃度 5 μ g/mL)および終濃度:!〜 25 /i g/mLの FNフラグメントを含む ACD— A液(ρΗ5· 0)を 0. 45mL/ゥエルず つ添加した。なお、 FNフラグメントの濃度は、培養器材への各 FNフラグメントの固定 化量を一定に合わせるために調整した。この時、 FNフラグメントとして実施例 39で調 製した H296— H296— HT、実施例 22で調製した H296— H296— H296— HT、 実施例 24で調製した H105— H105— HT、実施例 1で調製した H296— H296、実 施例 40で調製した H296— H296— H296、実施例 41で調製した H105— H105を 使用した。これらの培養器材を室温で 5時間インキュベートした。使用直前にはこれら の培養器材から抗体および FNフラグメントを含む ACD— A液(pH5. 0)を吸引除去 後、各ゥエルを PBSで 2回、 RPMI培地で 1回洗浄し各実験に供した。
[0309] (2)リンパ球の拡大培養
0. 5%GT_T503に 0. 5 X 106cellsZmLとなるように実施例 2_ (1)で調製した PBMCを懸濁後、実施例 42— (1)で調製した抗ヒト CD3抗体.抗ヒト CD28抗体固 定化プレート、または抗ヒト CD3抗体'抗ヒト CD28抗体および FNフラグメント固定化 プレートに 0. 5%GT_T503を 1. OmLZゥエルで添加しておき、細胞液を 0. 5m LZゥヱルずつ添加した。続いて終濃度 1000U/mLとなるように IL— 2を添加し、こ れらのプレートを 5%CO中 37°Cで培養した (培養 0日目)。培養開始 4日目に、各群
の培養液を 0.5%GT— T503を用いて 14.3倍希釈し、希釈液 10mLを何も固定化 していない 25cm2細胞培養フラスコを立てたものに移し、終濃度 500U/mLとなるよ うに IL 2を添カ卩した。培養を継続し、 8日目には各群の培養液を 0.5%GT-T50 3を用いて 2倍希釈し、希釈液 10mLを何も固定化してレ、なレ、新しレ、25cm2細胞培 養フラスコを立てたものに移し、いずれも終濃度 500U/mLとなるように IL 2を添 加した。培養開始後 11日目にトリパンブルー染色法にて生細胞数を計測し、培養開 始時の細胞数と比較して拡大培養率を算出した。結果を表 41に示す。
[表 41]
表 41
FNフラグメント 拡大培養率 (倍率)
対照( F Nフラグメント非固定化) 367
H296 -H296— HT 402
H296-H296 434
H296 -H296-H296-HT 463
H296-H296-H296 392
H 105 -H 105 -HT 490
H 105 -H 105 496
[0311] 表 41に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメントを固定化した培養 器材を使用した群は、対照群と比較して高い拡大培養率が得られた。つまり、 6種の FNフラグメントは抗 CD3抗体、抗 CD28抗体刺激と組み合わせたリンパ球拡大培養 時においても好適に使用されることが明らかとなった。
[0312] 実施例 43 各 FNフラグメント(H296— H296— HT、 H296— H296)を用いて培養 したリンパ球(リンフォカイン活性化細胞)の CD45RA陽性 CCR7陽性細胞、 CD45 RA陽性 CD62L陽性細胞、 CD45RA陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞の解析 (1)抗ヒト CD3抗体および 2種の FNフラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に実施例 42— (1)と同様の方法で抗ヒト CD3抗 体および 2種の FNフラグメント(H296_H296_HT、 H296— H296)を固定化し た。この際、抗ヒト CD28抗体は添加しな力、つた。ただし、 FNフラグメントは終濃度 1
〜3/ig/mLとなるように ACD— A液(ρΗ5· 0)に添カロした。なお、 FNフラグメントの 濃度は、培養器材への各 FNフラグメントの固定化量を一定にあわせるために調整し た。この時、 FNフラグメントとして実施例 39で調製した H296— H296— HT、実施 例 1で調製した H 296— H 296を使用した。
[0313] (2)リンパ球の拡大培養
実施例 42—(2)と同様の方法で、リンパ球の拡大培養を行った。培養開始 0日目 には、実施例 43— (1)で調製した抗ヒト CD3抗体固定化プレート又は抗ヒト CD3抗 体 'FNフラグメント固定化プレートを使用し、ただし、培養開始 11日目には 0.2。/0ヒト 血清アルブミンを含む無血清 GT—T503を用いて、各群の細胞培養液を 2倍希釈 後、終濃度 500U/mLとなるように IL— 2を添加した。培養開始後 14日目にトリパン ブルー染色法にて生細胞数を計測し、培養開始時の細胞数と比較して拡大培養率 を算出した。結果を表 42に示す。
[0314] [表 42] 表 42
FNフラグメント 拡大培養率 (倍率)
対照 (FNフラグメント非固定化) 129
H296-H296 -HT 342
H296-H296 201
[0315] 表 42に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメント(H296— H296— HT、 H296— H296)を固定化した培養器材を使用した群は、対照群と比較して高 い拡大培養率が得られた。
[0316] (3)CD45RA陽性 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞、 CD45RA 陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞の解析
実施例 43— (2)で調製した細胞について実施例 33と同様の方法で CD45RA陽 性 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞、 CD45RA陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞の解析を行った。ただし、解析時には RD1標識マウス抗ヒト CD45 RA抗体 ZFITC標識マウス抗ヒト CCR7抗体 ZPC5標識マウス抗ヒト CD62L抗体( いずれも BECKMAN COULTER社製)を添加した。この細胞をフローサイトメトリ
一に供し、各々の細胞集団について、 CD45RA陽性 CCR7陽性細胞、 CD45RA 陽性 CD62L陽性細胞、 CD45RA陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞の割合を算出 した。結果を表 43に示す。
[0317] [表 43]
表 43
FNフラグメント CD 45 RA+ CD45 RA+ CD45RA +
CCR 71 CD 62 L+ C C R 7 +
(¾) ( ) CD 62 -
(%)
対照 27. 8 53. 9 24. 2
(FNフラグメント非固定化) '
H 296 - H296 - HT 58. 5 80. 1 56. 9
H 296 -H296 57. 8 80. 9 57. 1
[0318] 表 43に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメント(H296— H296— HT、 H296— H296)を固定化した培養器材を使用した群においては、対照群と比 較して、 CD45RA陽性 CCR7陽性細胞集団、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞集 団、 CD45RA陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞集団の比率が高い結果が得られた 。当該実施例より、 2種の FNフラグメン HH296— H296— HT、 H296— H296)を 用いることにより、ナイーブ T様細胞を高効率で増殖できることが明らかとなった。
[0319] 実施例 44 抗 CD3抗体および FNフラグメント(H296— H296— HT、 H296— H2 96、 H296-H296-H296-HT, Π296— Π296— Π296)を用レ、たジンノヽ。球(ジ ンフォ力イン活性化細胞)の拡大培養
(1)抗ヒト CD3抗体および 4種の FNフラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に抗ヒト CD3抗体および 4種の FNフラグメント(H 296-H296-HT, H296— H296、 H296— H296— H296— HT、 H296-H2 96— H296)を実施例 43- (1)と同様の方法で固定化した。ただし、固定化の際の緩 衝液は ACD— A液(pH5.0)を使用し、 FNフラグメントは終濃度:!〜 25 μ g/mLと なるように添加した。なお、 FNフラグメントの濃度は、培養器材への各 FNフラグメント の固定化量を一定にあわせるために調整した。この時、 FNフラグメントとして実施例
39で調製した H296— H296— HT、実施例 1で調製した H296— H296、実施例 2 2で調製した H296— H296— H296— HT、実施例 40で調製した H296— H296 —H296を使用した。
[0320] (2)リンパ球の拡大培養
実施例 43— (2)と同様の方法で、リンパ球の拡大培養を行った。ただし、培養開始 0日目には、実施例 44— (1)で調製した抗ヒト CD3抗体固定化プレート又は抗ヒト C D3抗体 'FNフラグメント固定化プレートを使用し、 H296— H296— HT、 H296- H296については、対照と同様に調製したゥエルに終濃度 0.67 xgZmLとなるよう に直接添加する群も設定した。培養開始後 14日目にトリパンブルー染色法にて生細 胞数を計測し、培養開始時の細胞数と比較して拡大培養率を算出した。結果を表 44 に示す。
[0321] [表 44] 表 44
FNフラグメント 固定化または直接添加 拡大培養率 (倍率) 対照 (FNフラグメント非固定化または無 395
添加)
H 296 -H296一 HT 固定化 603
H296-H296 固定化 641
H296 -H296 -H 296 -HT 固定化 528
H 296 - H 296— H 296 固定化 420
H296 -H296 -HT 直接添加 545
H296 -H296 直接添加 441 表 44に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメント(H296— H296— HT、 H296-H296, H296— H296— H296— HT、 H296— H296— H296)を 固定化した培養器材を使用した群は、対照群と比較して高い拡大培養率が得られた 。また FNフラグメン卜(t!296_tl296_tl丁、 Π296_:Η296)を培地中に直接添カロ した群においても対照群と比較して高い拡大培養率が得られた。つまり、 4種の FNフ ラグメント(H296— H296— HT、 H296— H296、 H296— H296— H296— HT、 H296— H296— H296)はリンパ球拡大培養時において好適に使用されることが明
らかとなつた。
[0323] (3)CD45RA陽性 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞、 CD45RA 陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞の解析
実施例 44— (2)で調製した細胞について実施例 43— (3)と同様の方法で CD45R
A陽性 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞、 CD45RA陽性 CCR7 陽性 CD62L陽性細胞の解析を行った。結果を表 45に示す。
[0324] [表 45]
表 45
FNフラグメント 固定化 CD45RA+ CD 45RA+ CD 45 R + または CCR 7+ CD 62 L+ CCR 7 +
直接添加 (%) (%) CD 62 L + 対照 (FNフラグメン卜非固 2 9. 1 6 3. 8 2 7. 2 定化または無添加)
H296-H296-HT 固定化 7 6. 2 9 2. 5 7 5. 4
H296-H296 固定化 8 1. 2 9 5. 9 8 0. 9
Η296-Η296-Π296-ΙΙΤ 固定化 7 6. 8 9 5. 4 7 6. 5
H296-H296-H296 固定化 7 9. 1 9 5. 5 7 9. 0
H296-H296-HT 直接添加 6 1. 9 9 3. 6 6 1. 1
H296-H296 直接添加 6 2. 2 9 2. 6 6 1. 4 表 45に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメント(H296— H296— HT、 H296-H296, H296— H296— H296— HT、 H296— H296— H296)を 固定化した培養器材を使用した群においては、対照群と比較して、 CD45RA陽性 C CR7陽性細胞集団、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞集団、 CD45RA陽性 CCR7 陽性 CD62L陽性細胞集団の比率が高い結果が得られた。また FNフラグメント(H2 96— H296— HT、 H296— H296)を培地中に直接添加した群にぉレ、ても同様に 高い比率が得られた。当該実施例より、 4種の FNフラグメント(H296— H296— HT 、 H296— H296、 H296— H296— H296— HT、 H296— H296— H296)を用レヽ ることにより、ナイーブ T様細胞を高効率で増殖できることが明らかとなった。
[0326] 実施例 45 H271— H296の作成
(1) H271— H296発現ベクターの構築
H— 271と H— 296が連結した改変型フイブロネクチンフラグメント(H271— H296 )を発現させるため、以下のようにして発現ベクターを構築した。
[0327] (i) pColdl4_H271 _H296ベクターの構築
CH_ 296の塩基配列(配列表の配列番号 8)より、配列表の配列番号 31記載の塩 基配列を有する合成プライマー H271—NcoRを DNA合成機で合成し、常法により 精製した。上記合成プライマー H271 _NcoRは、制限酵素 Ncolの認識配列を塩基 番号 10〜: 15に、さらに CH— 296のアミノ酸配歹 1J (配列番号 7)のアミノ酸番号 549〜 544に相当する塩基配列を塩基番号 17〜34にもつ合成 DNAである。上記合成プ ライマーと配列表の配列番号 12記載の合成プライマー NC2 _ 5, UTRを用レ、て PC Rを行った。 PCRの反応条件を以下に示す。
[0328] すなわち、铸型 DNAとして実施例 1— (1)— (i)で構築した pColdl4— H296 約 0. 1 /i g、 10 μ Lの lO X Pyrobest Bufferll, 8 μ Lの dNTP混合液、 20pmolの合 成プライマー NC2— 5,UTR、 20pmolの合成プライマー H271— NcoR、 5Uの Pyr obest DNA Polymeraseを加え、滅菌水を加えて全量を 100 /i Lとした。前記反 応液を TaKaRa PCR Thermal Cycler SPにセットし、 96°C 1分、 68°C 4分 を 1サイクルとする 30サイクルの反応を行なった。
[0329] 反応終了後、該反応液 5 μ Lを 1. 0%ァガロースゲル電気泳動に供し、 目的の約 0 . 9kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PCR反応液を回収'精製し、エタノー ル沈殿を行なった。エタノール沈殿後の回収 DNAを滅菌水に懸濁、全量 50 μしとし た反応液で制限酵素 Ncol消化し、 1. 0%ァガロースゲル電気泳動によりその Ncol 、 Ncol消化物を抽出精製し、約 0. 8kbpの Ncol— Ncol消化 DNA断片を得た。
[0330] 次に、 pColdl4_H296を Ncol消化し、末端を脱リン酸化処理したものを調製し、 上記約 0. 8kbpの DNAフラグメントと混合、 DNAライゲーシヨンキットを用いて連結 した。その後、ライゲーシヨン反応液 10 z Lを用いて大腸菌 JM109を形質転換し、そ の形質転換体を 1. 5% (wZv)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリン 50 μ gZm L含む)上で生育させた。
[0331] 目的の H— 271と、 H— 296が連結したタンパク質をコードする DNA断片が挿入さ れたプラスミドは、シークェンシングすることにより確認し、この組み換えプラスミドを p Coldl4— H271— H296とした。この pColdl4— H271— H296は、 CH— 296の アミノ酸番号 278— 549のアミノ酸配列をコードする塩基配列と CH— 296のアミノ酸 番号 278— 574のアミノ酸配列をコードする塩基配列が間にアミノ酸 "A"を挟んで連 結したプラスミドである。当該タンパク質を H271—H296と命名し、そのアミノ酸配列 を配列表の配列番号 32に、塩基配列を配列表の配列番号 33に示す。
[0332] (2) H271 _ H296発現、精製
上記(1 )で調製した pColdl4 _ H271—H296を用いて大腸菌 BL21を形質転換 し、実施例 1 _ (2)と同様に H271—H296の発現、精製を行なった。なお、培養液、 細胞破砕溶液、樹脂容積、 bufferA, bufferB, bufferD、分画液、濃縮液の液量 は必要に応じて適宜変更した。得られた濃縮液を 10%SDS _ PAGEで確認したと ころ、分子量約 62kDaの目的タンパク質がほぼ単一バンドで検出され、これを H271 H296とした。その後、 MicroBCAキットを使用して、タンパク質濃度を測定したと ころ、 1. 6mg/mLであった(分子量から計算して、約 25. 8 μ Μ) 0なお、 Ν末端は メチォニン消化されて Alaとなることが予想される。
[0333] 実施例 46 H296— H271の作成
( 1 ) H296— H271発現ベクターの構築
H— 296と H— 271が連結した改変型フイブロネクチンフラグメント(H296— H271 )を発現させるため、以下のようにして発現ベクターを構築した。
[0334] (i) pColdl4— H271ベクターの構築
CH— 296の塩基配列(配列表の配列番号 8)より、配列表の配列番号 34及び 35 記載の塩基配列を有する合成プライマー 12 - Nco _ F2及び H271 _ BamRを DN A合成機で合成し、常法により精製した。上記合成プライマー 12 _ Nco _ F2は、制 限酵素 Ncolの認識配列を塩基番号 7〜12に、さらに CH— 296のアミノ酸配列のァ ミノ酸番号 279〜285に相当する塩基配列を塩基番号 12〜32にもつ合成 DNAで ある。また、合成プライマー H271—BamRは、制限酵素 BamHIの認識配列を塩基 番号 8〜13に、さらに CH _ 296のアミノ酸配列(配列表の配列番号 7)のアミノ酸番
号 549〜544に相当する塩基配列を塩基番号 19〜36にもつ合成 DNAである。
[0335] 上記合成プライマーを用いて、 PCRを行った。 PCRの反応条件を以下に示す。す なわち、铸型 DNAとして pColdl4— H296 約 0. 1 /i g、 10 /i Lの 10 X Pyrobest Bufferll, 8 Lの dNTP混合液、 20pmolの合成プライマー 12_Nco_F2、 20pm olの合成プライマー H271— BamR、 2. 5Uの Pyrobest DNA Polymeraseを 加え、滅菌水を加えて全量を 100 x Lとした。前記反応液を TaKaRa PCR Ther mal Cycler SPにセットし、 98°C 10禾少、 68°C 1分を 1サイクノレとする 30サイクノレ の反応を行なった。反応終了後、該反応液 を 1. 0%ァガロースゲル電気泳動 に供し、 目的の約 0. 8kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PCR反応液をエタ ノール沈殿を行なレ、、回収 DNAを滅菌水に懸濁して、制限酵素 Ncol及び制限酵素 BamHI (タカラバイオ社製)で 2重消化した。 1. 0%ァガロースゲル電気泳動によりそ の NcoI、 BamHI消化物を抽出精製し、 Ncol— BamHI消化 DNA断片を得た。
[0336] 次に pColdl4ベクターを NcoI、 BamHIで消化したものを調製し、上記 Ncol— Ba mHI消化 DNA断片と混合し、 DNAライゲーシヨンキットを用いて連結した。その後、 ライゲーシヨン反応液 10 / Lを用いて大腸菌 JM109を形質転換し、その形質転換体 を 1 · 5% (w/v)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリン 50 μ g/mL含む)上で生 育させた。 目的の DNA断片が挿入された組み換えプラスミドを、 pColdl4-H271 とした。
[0337] (ii) H296— H271発現ベクターの構築
次に、配列表の配列番号 11記載の塩基配列を有する合成プライマー H296— NC oRと配列表の配列番号 12記載の合成プライマー NC2— 5 ' UTRを用 V、て PCRを行 つた。 PCRの反応条件を以下に示す。
[0338] すなわち、铸型 DNAとして実施例 l _ (l) _ (i)で構築した pColdl4_H296 約 0. 1 μ g、 10 μ Lの lO X Pyrobest Bufferll, 8 μ Lの dNTP混合夜、 20pmolの合 成プライマー NC2— 5,UTR、 20pmolの合成プライマー H296— NcoR、 5Uの Pyr obest DNA Polymeraseを加え、滅菌水を加えて全量を 100 μ Lとした。前記反 応液を TaKaRa PCR Thermal Cycler SPにセットし、 96°C 1分、 68。C 4分 を 1サイクルとする 30サイクルの反応を行なった。
[0339] 反応終了後、該反応液 5 μ Lを 1. 0%ァガロースゲル電気泳動に供し、 目的の約 0 . 9kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PCR反応液を回収し、エタノール沈殿 を行なった。エタノール沈殿後の回収 DNAを滅菌水に懸濁、全量 50 Ai Lとした反応 液で制限酵素 Ncol消化し、 1. 0。/。ァガロースゲル電気泳動によりその NcoI、 Ncol 消化物を抽出精製し、 Ncol— Ncol消化 DNA断片を得た。
[0340] 次に、実施例 46— (1) - (i)で構築した pColdl4_H271を Ncol消化し、末端を 脱リン酸化処理したものを調製し、上記約 0. 9kbpの DNAフラグメントと混合、 DNA ライゲーシヨンキットを用いて連結した。その後、ライゲーシヨン反応液 10 x Lを用い て大腸菌 JM109を形質転換し、その形質転換体を 1. 5% (wZv)濃度の寒天を含 む LB培地(アンピシリン 50 μ g/mL含む)上で生育させた。
[0341] H— 296と H— 271が連結したタンパク質をコードする DNA断片が揷入されたプラ スミドは、シークェンシングすることにより確認し、この組み換えプラスミドを pColdl4 H296— H271とした。この pColdl4— H296— H271は、 CH— 296のアミノ酸番 号 278— 574のアミノ酸配列をコードする塩基配列と CH— 296のアミノ酸番号 278 — 549のアミノ酸配列をコードする塩基配列の間にアミノ酸 "A "を挟んで連結したプ ラスミドである。当該タンパク質を H296— H271と命名し、そのアミノ酸配列を配列表 の配列番号 36に、塩基配列を配列表の配列番号 37に示す。
[0342] (2) H296— H271発現、精製
上記( 1 )で調製した pColdl 4— H296— H271を用レ、て大腸菌 BL21を形質転換 し、実施例 1— (2)と同様に H296— H271の発現、精製を行なった。なお、培養液、 細胞破砕溶液、樹脂容積、 bufferA, bufferB、 bufferD、分画液、濃縮液の液量 は必要に応じて適宜変更した。得られた濃縮液を 10%SDS _PAGEで確認したと ころ、分子量約 62kDaの目的タンパク質がほぼ単一バンドで検出され、これを H296 一 H271とした。その後、 MicroBCAキットを使用して、タンパク質濃度を測定したと ころ、 1. lmg/mLであった(分子量から計算して、約 17. 7 μ Μ)。なお、 Ν末端は メチォニン消化されて Alaとなることが予想される。
[0343] 実施例 47 抗 CD3抗体および FNフラグメント(H271 _H296、 H296— H271)を 用いたリンパ球(リンフォカイン活性化細胞)の拡大培養
(1)抗ヒト CD3抗体および 2種の FNフラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に抗ヒト CD3抗体および 2種の FNフラグメント(H 271— H296、 H296— H271)を実施例 43— (1)と同様の方法で固定化した。ただ し、固定化の際の緩衝液は ACD— A液(pH5. 0)または PBSを使用し、 FNフラグメ ントは終濃度 11〜: 16 z g/mLとなるように添加した。なお、 FNフラグメントの濃度は 、培養器材への各 FNフラグメントの固定化量を一定にあわせるために調整した。こ の時、 FNフラグメントとして実施例 45で調製した H271 _H296、実施例 46で調製 した H296— H271を使用した。
[0344] (2)リンパ球の拡大培養
実施例 43— (2)と同様の方法で、リンパ球の拡大培養を行った。ただし、培養開始 0日目には、実施例 47— (1)で調製した抗ヒト CD3抗体固定化プレート又は抗ヒト C D3抗体 'FNフラグメント固定化プレートを使用し、培養は 15日間とした。培養開始 後 15日目にトリパンブルー染色法にて生細胞数を計測し、培養開始時の細胞数と比 較して拡大培養率を算出した。結果を表 46に示す。
[0345] [表 46] 表 4 6
F Nフラグメント 拡大培義率 (倍率)
対照 (F Nフラグメント非固定化) 3 6 8
H 2 7 1 - H 2 9 6 6 7 7
H 2 9 6 - H 2 7 1 6 9 0
[0346] 表 46に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメント(H271— H296、 H296— H271)を固定化した培養器材を使用した群は、対照群と比較して高い拡 大培養率が得られた。つまり、 2種の FNフラグメント(H271— H296、 H296 -H27 1)はリンパ球拡大培養時において好適に使用されることが明らかとなった。
[0347] (3) CD45RA陽性 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞、 CD45RA 陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞の解析
実施例 47— (2)で調製した細胞について実施例 43— (3)と同様の方法で CD45R A陽性 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞、 CD45RA陽性 CCR7
陽性 CD62L陽性細胞の解析を行った。結果を表 47に示す。
[表 47]
表 4
FNフラグメント CD45RA— CD 45 R A + CD 45 R A1
CCR7 CD 62 L + CCR7 +
(%) (%) CD 62 L +
(%)
対照 27. 6 66. 2 24. 0
(FNフラグメント非固定化)
H27 1 -H296 81. 4 88. 9 79. 7
H296-H27 1 76. 5 82. 4 73. 2
[0349] 表 47に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメント(H271_H296、 H296— H271)を固定化した培養器材を使用した群においては、対照群と比較して 、 CD45RA陽性 CCR7陽性細胞集団、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞集団、 CD 45RA陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞集団の比率が高い結果が得られた。当該 実施 ί列より、 2種の FNフラグメント(H271— Η296、 Η296— H271)を用レ、ることに より、ナイーブ Τ様細胞を高効率で増殖できることが明らかとなった。
[0350] 実施例 48 FNフラグメントを用いた特異的細胞傷害活性保持 CTLの誘導
(1) 各 FNフラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に 3種類の FNフラグメント(H296— H296、 H27 1_H296、 H296— H271)を固定化した。すなわち、終濃度 5〜: 10 μ gZmLの F Nフラグメントを含む ACD—A液(pH5.0)を 24穴細胞培養プレートには 0.24mL /ゥエルずつ、 48穴細胞培養プレートには 0.09mLZゥヱルずつ添加し、 4°Cで一 晚インキュベートした。培養器材は使用前に PBSで 2回洗浄したのち RPMI1640培 地で 1回洗浄し各実験に供した。なお、 FNフラグメントの濃度は、培養器材への各 F Nフラグメントの固定化量を一定に合わせるために使用する FNフラグメントの濃度を 調整した。このとき、 FNフラグメントとして実施例 1で調製した H296— H296、実施 例 45で調製した H 271— H 296、実施例 46で調製した H 296— H 271を使用した。
[0351] (2) 抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの誘導
実施例 2— (1)に記載した方法で分離、保存した PBMCを用い、実施例 2— (3)と 同様の方法で抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの誘導を行なった。その際、 培養開始時は実施例 48— (1)で作製した 48穴細胞培養プレートを用い(対照には FNフラグメントを固定化していないプレートを使用)、レスポンダー細胞は 0.4mL/ ゥエルずつ添加した。培養 7日目には実施例 48— (1)で作製した 24穴細胞培養プ レートを使用した(対照には FNフラグメントを固定化していないプレートを使用)。 14 日間培養後の細胞増殖率を表 48に示す。
[表 48]
表 48
FNフラグメント 細胞増殖率 (倍)
対照 (FNフラグメント非固定化) 0. 8
H296-H296 3. 1
H 271 - H 296 3. 1
H296 -H27 1 2. 1
[0353] 表 48に示されるように、 FNフラグメントを使用した群では使用していない対照群と 比較して高い増殖率を示した。つまり、 CTL誘導時に FNフラグメントを使用すること で、細胞の増殖率を高めることが明らかとなった。
[0354] 実施例 49 60mL採血を想定した実施例 48の CTLのフィーダ細胞を用いない拡大 培養
(1)抗 CD3抗体と各 FNフラグメントの固定化
以下のフィーダ細胞を用いない CTL拡大培養実験で使用する培養器材に抗 CD3 抗体と 3種類の FNフラグメントを固定化した。すなわち、抗 CD3抗体(終濃度 mL)と実施例 48— (1)と同濃度の FNフラグメントを含む ACD—A液(pH5.0)を 48 穴細胞培養プレートに 0.09mLZゥヱルずつ添加し、 4°Cでー晚インキュベートした (対照には抗 CD3抗体のみを固定化)。また、上記のプレートは使用前に PBSで 2回 洗浄したのち RPMI1640で 1回洗浄した。
[0355] (2)フィーダ細胞を用いなレ、CTLの拡大培養
実施例 48—(2)で調製した CTL 1 X 105cellsを実施例 29— (2)と同様の方法で 拡大培養を行なった。この際、実施例 49— (1)で作製した 48穴培養プレートを使用 した。 15日間培養後の細胞増殖率を表 49に示す。
[表 49] 衷 49
細胞増殖率 (倍)
FNフラグメント 拡大培養時 誘導から
対照 (FNフラグメント非固定化) 29. 1 23. 3
H296 -H296 59. 8 178. 2
H271 -H296 41. 7 128. 7
H 296 -H 27 1 89. 3 197. 5
[0357] 表 49に示されるように、誘導時および拡大培養時に FNフラグメントを使用した群に ついては、使用していない対照群と比較して高い増殖率を示した。つまり、誘導時お よび拡大培養時に FNフラグメントを使用することで、フィーダ細胞を用いずに CTLの 拡大培養が可能となった。
[0358] 実施例 50 実施例 49の CTLの細胞傷害活性の測定
実施例 49一(2)で得られた CTLを実施例 27と同様の方法にて CTLの特異的細 胞傷害活性を測定した。 CTL拡大培養後の細胞傷害活性の結果を表 50、活性維 持効果を表 51に示す。なお、細胞傷害活性効果の E/T比 30については試験を行 わず、細胞傷害活性維持効果については、 E/T比 3および 1の 2点について算出し た。
[0359] [表 50]
表 50
CTL拡大培養後細胞傷害活性 (%)
E/T比
FNフラグメント 1 0 3 1
対照 ( F Nフラグメント非固定化) 44 . 4 15. 2 2 • 8
H296-H296 66 . 1 46. 8 丄 8 . 3
H271 -H296 76 . 6 46. 7 20 . 9
H 296 -H271 80 . 2 50. 7 25 . 9
[0360] [表 51]
表 5
活性維持効果 (%)
E/T比
FNフラグメン卜 3 1
対照 ( F Nフラグメント非固定化) 35. 2 8. 8
H2 S 6-H 296 86. 2 52. 3
H27 1 -H296 64. 8 44. 1
H296 -H271 66. 7 45. 2
[0361] ペプチド非存在下で培養した Calcein標識標的細胞に対する細胞傷害活性はほ ぼ 0%であり、非特異的な活性はなレ、ことを確認した。ペプチド存在下で培養した Cal cein標識標的細胞に対する細胞傷害活性について、誘導時および拡大培養時に F Nフラグメントを使用した群の CTLは、対照群と比較して、 15日間の拡大培養後にお いても特異的で高い細胞傷害活性を保持していた。つまり、 FNフラグメントを CTL誘 導時および拡大培養時に使用することにより、特異的で高い細胞傷害活性を長期的 に保持した状態で、フィーダ細胞を用いない方法で拡大培養が可能であることが明 らかになつた。
[0362] 実施例 51 実施例 49の CTL細胞集団中における TCR V 317陽性 CD8陽性細 胞含有比率の測定
実施例 49一(2)で調製した 2X 105cellsの CTLを実施例 28と同様の方法にて TC
R νβ 17陽性 CD8陽性細胞の含有率を測定した。測定結果を表 52に示す c [0363] [表 52]
表 52
FNフラグメント TCR Υβ 17+CD 8+ (¾)
対照 固定化) 15. 8
H 296一 H 296 70. 5
H271-H296 45. 0
H 296 -H27 1 45. 3
[0364] 表 52に示されるように、 CTL誘導時および拡大培養時に FNフラグメントを使用し た CTLは、使用しなかった対照群と比較して高い陽性細胞含有率を示した。なお、 誘導後の CTL、すなわち拡大培養前の TCR V β 17陽性 CD8陽性細胞含有率は 、 FNフラグメントを使用した群については 67.5%〜71.8%、使用していない対照 群については 68.0%であった。つまり、 CTL誘導時および拡大培養時に FNフラグ メントを使用することで、抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの含有率を高く保持 したまま拡大培養が可能であることが認められた。
[0365] 実施例 52 H105_H105Nc_HT及び H105_H105Ncの作成
(l)H105_H105Nc_HT発現ベクターの構築
H— 105が 2つ連結した改変型フイブロネクチンフラグメント(H105— H105Nc— HT)を発現させるため、以下のようにして発現ベクターを構築した。
[0366] (i)pColdl4_H105ベクターの構築
配列表の配列番号 45及び 46記載の塩基配列を有する合成プライマー AID— F— Nco及び CSl— R— Xbaを DNA合成機で合成し、常法により精製した。上記合成プ ライマー AID— F— Ncoは、制限酵素 Ncolの認識配列を塩基番号 10〜15に、さら に CH— 296のアミノ酸配列(配列番号 7)のアミノ酸番号 460〜466に相当する塩基 配列を塩基番号 18〜38にもつ合成 DNAである。また、合成プライマー CSl— R— Xbaは、制限酵素 Xbalの認識配列を塩基番号 10〜15に、さらに CH— 296のァミノ 酸配列(配列番号 7)のアミノ酸番号 574〜569に相当する塩基配列を塩基番号 19 〜36にもつ合成 DNAである。
[0367] 上記合成プライマーを用いて PCRを行った。 PCRの反応条件を以下に示す。すな わち、铸型 DNAとして実施例 1— (l) - (i)で構築した pColdl4— H296 約 0. 1 μ g、 10 /i Lの 10 X Pyrobest Bufferll, 8 μ Lの dNTP混合液、 20pmolの合成プラ イマ一 AID— F— Nco、 20pmolの合成プライマー CS1— R— Xba、 2. 5Uの Pyro best DNA Polymeraseを加え、滅菌水を加えて全量を 100 μ Lとした。前記反応 液を TaKaRa PCR Thermal Cycler SPにセットし、 98°C 10秒、 68。C 1分を 1サイクルとする 30サイクルの反応を行なった。反応終了後、該反応液 を 1. 0 %ァガロースゲル電気泳動に供し、 目的の約 0. 35kbpの DNAフラグメントを確認し た。残りの PCR反応液をエタノール沈殿を行なレ、、回収 DNAを滅菌水に懸濁して、 制限酵素 Ncol及び制限酵素 Xbalで 2重消化した。 1. 0%ァガロースゲル電気泳動 によりその NcoI、 Xbal消化物を抽出精製し、 Ncol—Xbal消化 DNA断片を得た。
[0368] 次に pColdl4ベクターを NcoI、 Xbalで消化したものを調製し、上記 Ncol— Xbal 消化 DNA断片と混合し、 DNAライゲーシヨンキットを用いて連結した。その後、ライ ゲーシヨン反応液 10 μ Lを用いて大腸菌 JM109を形質転換し、その形質転換体を 1 . 5% (w/v)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリン 50 μ g/mL含む)上で生育さ せた。 目的の DNA断片が挿入された組み換えプラスミドを、 pColdl4— H105とした
[0369] (ii) pColdl4— H105— 2ベクターの構築
配列表の配列番号 45及び 11記載の塩基配列を有する合成プライマー AID— F— Nco及び H296— NcoRを用いて PCRを行った。 PCRの反応条件を以下に示す。 すなわち、铸型 DNAとして pColdl4— H296 約 0. 1 /i g、 10 /i Lの 10 X Pyrobes t Bufferll, 8 μ Lの dNTP混合液、 20pmolの合成プライマー AID_F_Nco、 20 pmolの合成プライマー H296— NcoR、 2. 5Uの Pyrobest DNA Polymerase を加え、滅菌水を加えて全量を 100 x Lとした。前記反応液を TaKaRa PCR The rmal Cycler SPにセッ卜し、 98°C 10禾少、 68°C 1分を 1サイクノレとする 30サイク ルの反応を行なった。反応終了後、該反応液 を 1. 0%ァガロースゲル電気泳 動に供し、 目的の約 0. 35kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PCR反応液を エタノール沈殿を行なレ、、回収 DNAを滅菌水に懸濁して、制限酵素 Ncol消化した
。 1· 0%ァガロースゲル電気泳動によりその NcoI、 Ncol消化物を抽出精製し、 Nco I一 Ncol消化 DNA断片を得た。
[0370] 次に、実施例 52— (1) - (i)で構築した pColdl4— H105を Ncol消化し、末端を 脱リン酸化処理したものを調製し、上記約 0. 35kbpの DNAフラグメントと混合、 DN Aライゲーシヨンキットを用いて連結した。その後、ライゲーシヨン反応液 10 z Lを用 いて大腸菌 JM109を形質転換し、その形質転換体を 1. 5% (w/v)濃度の寒天を 含む LB培地(アンピシリン 50 μ g/mL含む)上で生育させた。 目的の DNA断片が 揷入された組み換えプラスミドを、 pColdl4_H105_2とした。
[0371] (iii)pColdI_H105_2Ncベクターの構築
配列表の配列番号 21記載の合成プライマー H105_NdeFと配列表の配列番号 1 0記載の合成プライマー H296_HindRを用いて PCRを行った。 PCRの反応条件を 以下に示す。すなわち、錡型 DNAとして実施例 52— (1) - (ii)で構築した pColdl4 -H105-2 約 0. l g、 IO Lの lOXPyrobest BufferII、 8 /i Lの dNTP混合 液、 20pmolの合成プライマー H105— NdeF、 20pmolの合成プライマー H296— HindR、 2. 5Uの Pyrobest DNA Polymeraseを加え、滅菌水を加えて全量を 100/i Lとした。前記反応液を TaKaRa PCR Thermal Cycler SPにセットし、 9 8°C 10秒、 68°C 1分を 1サイクルとする 30サイクルの反応を行なった。反応終了 後、該反応液 5/i Lを 1. 0%ァガロースゲル電気泳動に供し、 目的の約 0. 7kbpの D NAフラグメントを確認した。残りの PCR反応液をエタノール沈殿を行ない、回収 DN Aを滅菌水に懸濁して、制限酵素 Ndel及び制限酵素 Hindlllで 2重消化した。 1. 0 %ァガロースゲル電気泳動によりその Ndel、 Hindlll消化物を抽出精製し、 Ndel— Hindlll消化 DNA断片を得た。
[0372] 次に、 pColdlベクターを制限酵素 Ndel及び制限酵素 Hindlllで 2重消化したもの を調製し、上記約 0. 7kbpの DNAフラグメントと混合、 DNAライゲーシヨンキットを用 いて連結した。その後、ライゲーシヨン反応液 10 xLを用いて大腸菌 JM109を形質 転換し、その形質転換体を 1. 5% (wZv)濃度の寒天を含む LB培地(アンピシリン 5 0 μ g/mL含む)上で生育させた。
[0373] H— 105が 2つ連結したタンパク質をコードする DNA断片が揷入されたプラスミド
は、シークェンシングすることにより確認し、この組み換えプラスミドを pColdl— H105 — 2Ncとした。この pColdl— H105— 2Ncは、 CH— 296のアミノ酸番号 460— 574 のアミノ酸配列をコードする塩基配列がアミノ酸" AMA"を挟んで 2つ連結しその N末 端に Hisタグ配列とメチォニンを有するポリペプチドをコードする DNA配列を含むプ ラスミドである。当該タンパク質を H105— H105NC— HTと命名し、そのアミノ酸配 列を配列表の配列番号 47に、塩基配列を配列表の配列番号 48に示す。
[0374] (2) H105_H105Nc_HTの発現、精製
上記( 1 )で調製した pColdl _ H 105 _ 2Ncを用レ、て大腸菌 BL21を形質転換し、 実施例 22— (2)と同様に H105 _H105Nc_HTの発現、精製を行なった。なお、 培養液、 Binding Buffer, Washing BufferA、 Elution Buffer,濃縮液の液量 は必要に応じて適宜変更した。得られた濃縮液を SDS _ PAGEで解析したところ、 分子量約 28kDaの目的タンパク質がほぼ単一バンドとして検出された。その後、 Mic roBCAキットを使用して、タンパク質濃度を測定した。タンパク質濃度は、 1. 25mg /mLであった(分子量から計算して、約 44 μ Μ)。
[0375] (3) H105— H105Ncの精製
Factor Xa Cleavage Capture Kitを用いて、実施例 40— (2)と同様に上記 の H105— H105Nc— HT精製タンパク質 3mg分の Hisタグ配列の切断を 4°Cにて ー晚行った後、 Hisタグなしの目的タンパク質の精製を行った。 Hisタグの切断および 目的タンパク質の精製は上記 Kitに付属の操作書に従って行った。切断後の溶液を 2100 Bioanalyzerで解析したところ、分子量約 26kDaの目的タンパク質がほぼ単 一バンドとして検出された。 H105— H105Ncのアミノ酸配列を配列表の配列番号 4 9に、また当該タンパク質をコードすると予想される塩基配列を配列表の配列番号 50 に示す。
[0376] 実施例 53 15aaH105— H105及び 15aaH105— H105— HTの作成
(1) 15aaH105_H105 _HT発現ベクターの構築
CH— 296のアミノ酸配列番号 445〜459に H—105が 2つ連結した改変型フイブ ロネクチンフラグメント(15aaH105— H105— HT)を発現させるため、以下のように して発現ベクターを構築した。
[0377] (i) pColdI— 15aaH105— H105ベクターの構築
配列表の配列番号 38記載の塩基配列を有する合成プライマー Nde— 15aa— Fを DNA合成機で合成し、常法により精製した。上記合成プライマー Nde— 15aa— Fは 、制限酵素 Ndelの認識配列を塩基番号 7〜12に、さらに CH_ 296のアミノ酸配歹^ 配列番号 7)のアミノ酸番号 445〜451に相当する塩基配列を塩基番号 13〜33にも つ合成 DNAである。上記合成プライマーと配列表の配列番号 11記載の H296— N coRを用レ、て PCRを行った。 PCRの反応条件を以下に示す。
[0378] すなわち、铸型 DNAとして実施例 22— (1) - (i)で構築した pColdI_H296 約 0 . 1 μ g、 20 μ Lの 5 X PrimeSTAR Buffer (タカラバイオ社製)、 8 μ Lの dNTP混 合液、 20pmolの合成プライマー Nde— 15aa— F、 20pmolの合成プライマー H296 _NcoR、 2. 5Uの PrimeSTAR HS DNA Polymerase (タカラバイオ社製)を 加え、滅菌水を加えて全量を 100 とした。前記反応液を TaKaRa PCR Ther mal Cycler PERSONAL (タカラバイオ社製)にセットし、 NORMモードで 96°C 10秒、 58°C 15秒、 72°C 30秒を 1サイクルとする 30サイクルの反応を行なった。
[0379] 反応終了後、該反応液 5 μ Lを 1. 0%ァガロースゲル電気泳動に供し、 目的の約 0 . 4kbpの DNAフラグメントを確認した。残りの PCR反応液を回収し、エタノール沈殿 を行なった。エタノール沈殿後の回収 DNAを滅菌水に懸濁、全量 120 Ai Lとした反 応液で制限酵素 Ndel及び制限酵素 Ncolで二重消化し、 1. 0%ァガロースゲル電 気泳動によりその Ndel、 Ncol消化物を抽出精製し、 Ndel— Ncol消化 DNA断片を 得た。
[0380] 次に、実施例 52— (1)一(iii)で構築した pColdI— H105— 2Ncを制限酵素 Ndel 及び制限酵素 Ncolで二重消化し、上記約 0. 4kbpの DNAフラグメントと混合、 DN Aライゲーシヨンキットを用いて連結した。その後、ライゲーシヨン反応液 10 z Lを用 いて大腸菌 JM109を形質転換し、その形質転換体を 1. 5% (w/v)濃度の寒天を 含む LB培地(アンピシリン 50 μ g/mL含む)上で生育させた。
[0381] 目的の CH— 296のアミノ酸配列番号 445〜459に H—105が 2つ連結したタンパ ク質をコードする DNA断片が揷入されたプラスミドは、シークェンシングすることによ り確言忍し、この組み換えプラスミドを pColdl— 15aaH105— H105とした。この pCold
I 15aaH105— H105は、 CH— 296の塩基配歹 Ij445〜459のアミノ酸配列をコー ドする塩基配列に CH— 296のアミノ酸番号 460— 574のアミノ酸配列をコードする 塩基配列が間にアミノ酸" AMA"を挟んで 2つ連結しその N末端に Hisタグ配列とメ チォニンを有するポリペプチドをコードする DNA配列を含むプラスミドである。当該タ ンパク質を 15aaH105 _ H105 _ HTと命名し、そのアミノ酸配列を配列表の配列番 号 39に、塩基配列を配列表の配列番号 40に示す。
[0382] (2) 15aaH105 _ H105 _ HT発現、精製
上記( 1 )で調製した pColdl - 15aaH 105— H105を用レ、て大腸菌 BL21を形質 転換し、実施例 22— (2)と同様に 15aaH105 _ H105 _ HTの発現、精製を行なつ た。なお、培養 f夜、 Binding Buffer, Washing Buffer A, Washing BufferB, E lution Buffer,濃縮液の液量は必要に応じて適宜変更した。得られた濃縮液を 21 00 Bioanalyzerで解析したところ、分子量約 29kDaの目的タンパク質がほぼ単一 バンドとして検出され、タンパク質濃度は、 1. 5mg/mLであった(分子量から計算し て、約 51 · 7 μ Μ) 0
[0383] (3) 15aaH105— H105精製
次に、 Factor Xa Cleavage Capture Kitを用いて、実施例 40—(2)と同様に 上記の 15aaH105— H105— HT精製タンパク質 3mg分の Hisタグ配列の切断を 4 °Cにてー晚行った後、 Hisタグなしの目的タンパク質の精製を行った。 Hisタグの切 断および目的タンパク質の精製は上記 Kitに付属の操作書に従って行った。切断後 の溶液を 2100 Bioanalyzerで解析したところ、分子量約 27kDaの目的タンパク質 がほぼ単一バンドとして検出され、タンパク質濃度は、 lmg/mLであった(分子量か ら計算して、約 37 μ Μ)。 15aaH105 _ H105のアミノ酸配列を配列表の配列番号 4 1に、また当該タンパク質をコードすると予想される塩基配列を配列表の配列番号 42 に示す。
[0384] 実施例 54 各 FNフラグメント(H105— H105Nc— HT、 H296— H296— HT、 H2 96— H296)を用いて培養したリンパ球(リンフォカイン活性化細胞)の CD45RA陽 性細胞 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性細胞 CD62L陽性細胞、 CD45RA陽性細 胞 CCR7陽性細胞 CD62L陽性細胞の解析(FNフラグメントの直接添加)
(1)抗ヒト CD3抗体の固定化
以下の実験で使用する培養器材に実施例 42— (1)と同様の方法で抗ヒト CD3抗 体を固定化した。ただし、この際抗ヒト CD28抗体および各種 FNフラグメントは固定 ィ匕しなかった。
[0385] (2)リンパ球の拡大培養
実施例 42— (2)と同様の方法で、リンパ球の拡大培養を行った。ただし、培養開始 0日目には実施例 52で作成した H105_H105Nc_HT、実施例 39で作成した H2 96— H296— HT、実施例 1で作成した H296— H296を終濃度 0.67 xg/mLまた は 0.34 xg/mLになるように直接添加した。培養開始 11日目に 0.2%ヒト血清ァ ルブミンを含む無血清 GT—T503を用いて、各群の細胞培養液を 2倍希釈後、終濃 度 500U/mLとなるように IL— 2を添加した。培養開始後 14日目にトリパンブルー 染色法にて生細胞数を計測し、培養開始時の細胞数と比較して拡大培養率を算出 した。結果を表 53、 54に示す。
[0386] [表 53] 表 53
FNフラグメント 添加量 拡大培養率 (倍率〉
( g/mL
対照 (FNフラグスント無添加) 130
H105-H105NC I IT 0. 67 339
HI 05— HI 05Nc -HT 0. 34 302
[0387] [表 54]
表 54
FNフラグメント 添加量 拡大培養率 (倍率)
(w g/mL)
対照 ( F Nフラグメント無添加) 395
H 296 -H 296 -HT 0. 67 545
H 296 -H296 0. 67 441
[0388] 表 53、 54に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメント(H105— H1
05Nc-HT, H296-H296-HT, ti296— ti296)を培養夜に直接培地に添カロ した群は、対照群と比較して高レ、拡大培養率が得られた。
[0389] (3)CD45RA陽性 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞、 CD45RA 陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞の解析
実施例 54_ (2)で調製した細胞について実施例 43— (3)と同様の方法で CD45R
A陽性 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞、 CD45RA陽性 CCR7 陽性 CD62L陽性細胞の解析を行った。結果を表 55、表 56に示す。
[0390] [表 55] 表 55
FNフラグメント 添加量 CD 45 RA + CD45 R A + CD 45RA +
CCR 7 + C D 62 L + CCR 7 + ( ) (%) CD 62 L '
(%) 対照 27. 8 53. 9 24. 2
(FNフラグメント無添加)
H I 05— H I 05Nc— HT 61. 6 88. 6 60.
H I 05— H I 0 5Nc HT 59. 6 82. 4 57.
[0391] [表 56] 表 56
添加量 CD45 RA + CD45 RA + CD 45 RA(
( g/mL) CCR 7 + CD 62 L + C C R 7 +
(%) (%) CD62L + 対照 29. 1 63. 8 27. 2
(FNフラグメント無添加)
H 296 -H29 G -HT 0. 67 6 1. 9 93. 6 6 1. 1
H 296 -H296 0. 67 62. 2 92. 6 6 1. 4
[0392] 表 55、 56に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメント(H105— HI 05Nc-HT, H296-H296-HT, H296— H296)を培養夜に直接溶夜添カロし
た群においては、対照群と比較して、 CD45RA陽性 CCR7陽性細胞集団、 CD45R A陽性 CD62L陽性細胞集団、 CD45RA陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞集団の 比率が高い結果が得られた。当該実施例より、 3種の FNフラグメントを直接添加で用 レ、ても、ナイーブ T様細胞を高効率で増殖できることが明らかとなった。
[0393] 実施例 55 抗 CD3抗体、抗 CD28抗体および FNフラグメント(H296 _H296、 H2 96 -H296 -H296, H105— H105Nc)を用いたリンパ球(リンフォカイン活性化 細胞)の拡大培養
(1)抗ヒト CD3抗体、抗ヒト CD28抗体、および FNフラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に抗ヒト CD3抗体、抗ヒト CD28抗体、 FNフラグメ ン卜(H296— H296、 H296— H296— H296、 H105— H105Nc)を実施例 42— ( 1)と同様の方法で固定化した。ただし、 FNフラグメントは終濃度 3〜25 z g/mLと なるように添加した。なお、 FNフラグメントの濃度は、培養器材への各 FNフラグメント の固定化量を一定にあわせるために調整した。この時、 FNフラグメントとして実施例 1で調製した H296— H296、実施例 40で調製した H296— H296— H296、実施 例 52で調製した H 105— HI 05Ncを使用した。
[0394] (2)リンパ球の拡大培養
実施例 42— (2)と同様の方法で、リンパ球の拡大培養を行った。ただし、培養開始 0日目には、実施例 55—(1)で調製した抗ヒト CD3抗体'抗ヒト CD28抗体固定化プ レート又は抗ヒト CD3抗体'抗ヒト CD28抗体 'FNフラグメント固定化プレートを使用 し、培養開始 4日目には各群の細胞濃度を 0. 02 X 106cells/mLとなるように 0. 5 %GT— T503を用いて希釈後、希釈液 6mLを 12. 5cm2細胞培養フラスコに移し、 終濃度 500U/mLとなるように IL— 2を添カ卩した。培養を継続し、 7日目には 0. 1 X 106cellsZmLとなるように 0. 5%GT_T503を用いて希釈後、希釈液 6mLを 12. 5 cm2糸田胞培養フラスコに移し、終濃度 500U/mLとなるように IL— 2を添カ卩した。培 養開始後 10日目にトリパンブルー染色法にて生細胞数を計測し、培養開始時の細 胞数と比較して拡大培養率を算出した。結果を表 57に示す。
[0395] [表 57]
表 57
FNフラグメント 拡大培養率 (倍率)
対照 ( F Nフラグ ント非固定化) 319
11296 H296 376
H I 05-H105Nc 409
H296-H296-H296 505
[0396] 表 57に示されるように、リンパ球拡大培養初期に抗 CD3抗体、抗 CD28抗体およ び FNフラグメント(H296— H296、 H105— H105Nc、 H296— H296— H296)を 固定化した培養器材を使用した群についても、対照群と比較して高い拡大培養率が 得られた。つまり、 FNフラグメント(H296— H296、 H105— H105Nc、 H296-H2 96— H296)は抗 CD3抗体、抗 CD28抗体を用いたリンパ球拡大培養時において 好適に使用されることが明ら力となった。
[0397] (3)CD45RA陽性 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞、 CD45RA 陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞の解析
実施例 55—(2)で調製した細胞について実施例 43— (3)と同様の方法で培養開 始 10日目に CD45RA陽性細胞 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性細胞 CD62L陽性 細胞、 CD45RA陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞の解析を行った。結果を表 58に 示す。
[0398] [表 58]
表 58
FNフラグメント CD45RA CD45R A+ CD 45 RA +
CCR 7+ CD 62 L+ C CR 7 +
(%) (%) CD 62 L +
( )
対照 41. 2 75. 0 19. 6
(FNフラグメント非固定ィ匕)
H 296 -H296 54. 6 89. 6 53. 5
HI 05— HI 05Nc 53. 1 77. 4 50. 3
H296 -H296 -H296 44. 3 81. 0 41. 1
[0399] 表 58に示されるように、リンパ球拡大培養初期に抗 CD3抗体、抗 CD28抗体およ び FNフラグメント(H296— H296、 H105— H105Nc、 H296— H296— H296)を 固定化した培養器材を使用した群にっレ、ては、対照群と比較して CD45RA陽性 CC R7陽性細胞集団、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞集団、 CD45RA陽性 CCR7陽 性 CD62L陽性細胞集団の比率が高い結果が得られた。当該実施例より、 FNフラグ メン卜 CH296 _ H296、 H105 - H105NC, H296 _ H296 _ H296)を用レヽることに より、ナイーブ T様細胞を高効率で増殖できることが明らかとなった。
[0400] 実施例 56 抗 CD3抗体および FNフラグメント(15aaH105 _H105)を用いたリンパ 球 (リンフォカイン活性化細胞)の拡大培養
(1)抗ヒト CD3抗体および FNフラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に抗ヒト CD3抗体および FNフラグメント(15aaHl 05— H105)を実施例 43_ (1)と同様の方法で固定化した。ただし、固定化の際の 緩衝液は PBSを使用し、 FNフラグメントは終濃度 10 μ g/mLとなるように添加した。 この時、 FNフラグメントとして実施例 53で調製した 15aaH105— H105を使用した。
[0401] (2)リンパ球の拡大培養
実施例 43— (2)と同様の方法で、リンパ球の拡大培養を行った。ただし、培養開始 0日目には、実施例 56— (1)で調製した抗ヒト CD3抗体固定化プレート又は抗ヒト C D3抗体 'FNフラグメント固定化プレートを使用し、実施例 43— (2)における培養開 始 8日目の操作を当該実施例では 7日目に行った。培養開始後 14日目にトリパンブ ルー染色法にて生細胞数を計測し、培養開始時の細胞数と比較して拡大培養率を 算出した。結果を表 59に示す。
[0402] [表 59]
表 5 9
F Nフラグメント 拡大培養率 (倍率)
対照 (F Nフラグメント非固定化) 3 1 3
1 5 a a H 1 0 5 - H 1 0 5 6 4 3
[0403] 表 59に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメント(15aaH105
05)を固定化した培養器材を使用した群は、対照群と比較して高い拡大培養率が得 られた。つまり、 FNフラグメント(15aaH105— H105)はリンパ球拡大培養時におい て好適に使用されることが明らかとなった。
[0404] (3)CD45RA陽性 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞、 CD45RA 陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞の解析
実施例 56— (2)で調製した細胞について実施例 43— (3)と同様の方法で CD45R A陽性細胞 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性細胞 CD62L陽性細胞、 CD45RA陽 性細胞 CCR7陽性細胞 CD62L陽性細胞の解析を行った。結果を表 60に示す。
[0405] [表 60]
表 60
FNフラグ ント CD45RA+ CD45RA+ CD 45 RA†
CCR7+ CD 62 L+ CCR 7
(%) (%) CD 62 L +
(%)
対照 25. 8 64. 2 24. 0
(FNフラグメント非固定化)
15 a aH105-H105 76. 3 88. 4 76. 1
[0406] 表 60に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメント(15aaH105_Hl 05)を固定化した培養器材を使用した群においては、対照群と比較して、 CD45RA 陽性 CCR7陽性細胞集団、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞集団、 CD45RA陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞集団の比率が高い結果が得られた。当該実施例より、 FNフラグメント(15aaH105— H105)を用いることにより、ナイーブ T様細胞を高効 率で増殖できることが明らかとなった。
[0407] 実施例 57 FNフラグメントを用いた特異的細胞傷害活性保持 CTLの誘導
(1) 各 FNフラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に 3種類の FNフラグメント(H296— H296、 H10 5— H105Nc、 15aaH105— H105)を固定ィ匕した。すなわち、終濃度 5〜: 10 /i g/ mLの FNフラグメントを含む ACD—A液(ρΗ5· 0)あるいは PBSを 24穴細胞培養プ
レートに 0· 24mL/ゥエルずつ添カ卩し、 4°Cでー晚インキュベートした。培養器材は 使用前に PBSで 2回洗浄したのち RPMI1640培地で 1回洗浄し各実験に供した。な お、 FNフラグメントの濃度と固定化液については、培養器材への各 FNフラグメントの 固定化量を一定に合わせるために使用する FNフラグメントの濃度と固定化液を調整 した。このとき、 FNフラグメントとして実施例 1で調製した H296_H296、実施例 52 で調製した H 105— H105Nc、実施例 53で調製した 15aaH 105 _ H 105を使用し た。
[0408] (2) 抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの誘導
抗インフルエンザウイルス メモリー CTLの誘導は、実施例 2_ (3)の方法を一部改 変して実施した。培養開始時に実施例 57— (1)で調製した 24穴細胞培養プレートを 使用し、直接添加の H296— H296については対照と同様に調製したゥエルに終濃 度 1 μ g/mLになるように添加した。また、 CpG(CpG_C DNA:配列表の配列番 号 43記載の DNA:Hycult biotecnology社製)を添加した試験区も設定した。 Cp Gは、免疫細胞を活性化する働きを有することが知られる公知のオリゴヌクレオチドで ある。 CpGについては終濃度 1 μ g/mLあるいは 5 μ g/mLとなるように添加した。 培養 7日目にはペプチドパルスした抗原提示細胞による再刺激を行なわず、 5日目と 同様に培養上清を半分除去後、 IL 2含有培地を lmLずつ添加し、 9日間培養を 継続した。細胞増殖率を表 61に示す。
[0409] [表 61]
表 61
FNフラグメント 固定化または直接添加 細胞増殖率 (倍) 対照 (FNフラグメント非固定化) 1. 1
H296-H296 固定化 2. 9
H105-H105NC 固定化 3. 0
15 a aH 105 -H 105 固定化 2. 7
H 296 -H296 直接添加 ( 1 g/mL) 3. 3
C G 直接添加 ( 1 a g/mL) 1. 5
CpG 直接添加 (5 g/mL) 2. 1
[0410] 表 61に示されるように、 FNフラグメントを使用した群では使用していない対照群と 比較して高い増殖率を示した。また、 CpGについては、対照と比較して高い増殖率 を示したが、 FNフラグメントの増殖率には及ばなかった。つまり、 CTL誘導時に FN フラグメントを使用することで、細胞の増殖率を高めることが明らかとなり、その増殖率 は CpGを超えることが示された。
[0411] 実施例 58 60mL採血を想定した実施例 57の CTLのフィーダ細胞を用いない拡大 培養
(1)抗 CD3抗体と各 FNフラグメントの固定化
以下のフィーダ細胞を用いない CTL拡大培養実験で使用する培養器材に抗 CD3 抗体と 3種類の FNフラグメントを固定化した。すなわち、抗 CD3抗体(終濃度 1 μ g/ mL)と実施例 57— (1)と同濃度の FNフラグメントを含む ACD— A液 (pH5. 0)ある いは PBSを 48穴細胞培養プレートに 0. lmLZゥヱル添加し、 4°Cでー晚インキュべ ートした(対照には抗 CD3抗体のみを固定化)。また、上記のプレートは使用前に PB Sで 2回洗浄したのち RPMI1640で 1回洗浄した。
[0412] (2)フィーダ細胞を用いなレ、CTLの拡大培養
実施例 57—(2)で調製した CTL 2 X 105cellsを実施例 29— (2)と同様の方法で 拡大培養を行なった。この際、実施例 58— (1)で作製した 48穴培養プレートを使用 し、直接添加する群については実施例 57— (2)の濃度に従って添加した。また細胞 継代日を 4日目、 7日目、 10日目に変更し、 14日間培養を継続した。 14日後の細胞 増殖率を表 62に示す。
[0413] [表 62]
表 62
細胞増殖率 (倍)
FNフラグメン卜 固定化または直接添加 拡大培養時 誘導から 対照 19. 7 21. 4
(FNフラグメント非固定化)
H 296 -H296 固定化 68. 4 196. 4
HI 05— HI 05Nc 固定化 73. 2 21 . 4
15 aaH105-H105 固定化 76. 9 209. 7
Η296-Η29 Ω ί«接添加 (1 g/mL) 29. 5 98. 0
CpG 直接添加 (1 /ig/mし) 1. 2 1. 8
CpG 直接添加 (5iig/mL) 16. 2 33. 9
[0414] 表 62に示されるように、誘導時および拡大培養時に FNフラグメントを使用した群は 、対照群または CpGを使用した群と比較して高い増殖率を示した。つまり、誘導時お よび拡大培養時に FNフラグメントを使用することで、フィーダ細胞を用いずに CTLの 拡大培養が可能となった。
[0415] 実施例 59 実施例 58の CTLの細胞傷害活性の測定
実施例 58— (2)で得られた CTLを実施例 27と同様の方法にて CTLの特異的細 胞傷害活性を測定した。 CTL拡大培養後細胞傷害活性結果を表 63に示す。なお、 E/T比 30については、試験を行わなかった。
[0416] [表 63]
表 63
C T L拡大培養後細 ^包傷害活性
(¾)
固定化または Ε/Τ比
FNフラグメント 直接添加 10 3 1
対照 3丄. 7 12 • 1 1. 2
(FNフラグメント非固定化)
H 296 -H296 固定化 66. 1 35 - 9 1 3. 5
H1 05-H105NC 固定化 5. 4 35 - 0 1 2. 3
15 a aH 105 -II 105 固定化 58. 4 24 ■ ό ' 6. 3
11296 -H296 直接添加 77. 1 63 . 3 2 7. 7
( 1 g/mL)
CpG 直接添加 n. t 25 . 0 8. 5
( 1 H g/mL)
C G 直接添加 41. 5 1 . 5 6. 5
(δ g/mL)
n. t - : no t t e s t ed
[0417] ペプチド非存在下で培養した Calcein標識標的細胞に対する細胞傷害活性はほ ぼ 0%であり、非特異的な活性はないことを確認した。ペプチド存在下で培養した Cal cein標識標的細胞に対する細胞傷害活性について、誘導時および拡大培養時に F Nフラグメントを使用した群の CTLは、対照群または CpGを使用した群と比較して、 1 4日間の拡大培養後においても特異的で高い細胞傷害活性を保持していた。つまり 、 FNフラグメントを CTL誘導時および拡大培養時に使用することにより、特異的で高 い細胞傷害活性を長期的に保持した状態で、フィーダ細胞を用いない方法で拡大 培養が可能であることが明らかになった。
[0418] 実施例 60 実施例 58の CTL細胞集団中における TCR V /317陽性 CD8陽性細 胞含有比率の測定
実施例 58— (2)で調製した 2X 105cellsの CTLを実施例 28と同様の方法にて TC R V/317陽性 CD8陽性細胞の含有率を測定した。測定結果を表 64に示す。
[0419] [表 64]
表 64
FNフラグメント 固定化または B接添加 TCR β 1 7 + C D 81
(%)
対照 6. 8
(FNフラグメント非固定化)
H296-H296 固定化 30. 4
H105-H105NC 固定化 29. 8
1 5 a aH105— H105 固定化 25. 0
H296-H296 直接添加 77. 7
( 111 /mL)
C p G 直接添加 7. 9
( 1 g/mL)
C p G 直接添加 10. 4
[0420] CTL誘導時および拡大培養時に FNフラグメントを使用した CTLは、対照群または CpGを使用した群と比較して高い陽性細胞含有率を示した。なお、誘導後の CTL、 すなわち拡大培養前の TCR V/317陽性 CD8陽性細胞含有率は、 FNフラグメント を使用した群については 54.0%〜64.4%、使用していない対照群については 43 .7%、 CpGを使用した群については 42.0%〜45.8%であった。つまり、 CTL誘 導時および拡大培養時に FNフラグメントを使用することで、抗インフルエンザウイノレ ス メモリー CTLの含有率を高く保持したまま拡大培養が可能であることが認められ た。
[0421] 実施例 61 各種 FNフラグメントの固定化率の比較
各種 FNフラグメント 0〜25/i g/mLを含む ACD— A液(ρΗ5· 0)または PBSを 9 6穴細胞培養プレートの各ゥエルに 40 xLずつ添加し、 5時間室温で固定化した。 0 • 05%Tween20(SIGMA社製)を含む PBSで 3回洗浄後、 PBSを用いて 4倍希釈 した Block Aceを各ゥエルに 300 /.Lずつ添加し、 1時間室温で静置した。 0.05% Tween20を含む PBSで 3回洗浄後、 1次抗体として適宜希釈した HRP標識 FNH3 — 8またはマウス抗ヒトフイブロネクチン CS— 1抗体(CHEMICON社製)を各ゥエル
に 40 iLずつ添カロし、 1時間室温で静置した後 0· 05%Tween20を含む PBSで 3 回洗浄した。 1次抗体としてマウス抗ヒトフイブロネクチン CS— 1抗体使用時には、さ らに 2次抗体として適宜希釈した HRP標識ゥサギ抗マウス IgM抗体(Zymed Labor atories社製)を各ゥヱルに 40 xLずつ添加し、 1時間室温で静置した後 0.05%Tw een20を含む PBSで 3回洗浄した。抗体反応後、 ABTS (KPL社製)を各ゥヱルに 4 ずつ添加し、室温で約 10〜25分静置した後、 150mMシユウ酸(ナカライテス ク社製) 20 μ Lを加え反応停止後、 405nmの吸光度を測定することで固定化率を評 価した。なお、マウス抗ヒトフイブロネクチン CS— 1抗体はフイブロネクチンの部分領 域である CS— 1を特異的に認識する抗体である(図 1参照)。結果を表 65、表 66、表 67に示す。なお、下記表における「405nm (測定値一ブランク)」とは各 FNフラグメ ント濃度における吸光値から各 FNフラグメント濃度 0 μ gZmLにおける吸光値を引 いた値である。
[表 65] 表 65
405 nm (測定値—ブランク)
1次抗体 FNH3— 8使用
FNフラグメント濃度 CH-296 H296-H296-HT H296-HZ96-H296-HT
( g/vnL)
2 5 0. 859 0. 965 0. 99 1
1 0 0. 976 0. 924
5 0. 878 0. 870
4 0. 843 0. 8 1 0
3 0. 742 0. 743
2 0. 540 0. 545
1 0. 1 86 0. 26 1
0. 5 0. 033 n. t .
n. し =n o t t e s t e d [表 66]
表 66
405 nm (測定値—ブランク)
1次抗体 マウス抗ヒ卜フイブロネクチン CS— 1抗体
FN f r濃度 CH- 2S)(i H105-H105NC H105-H105Nc-HT
25 0. 571 0. 559 1. 064
20 0. 610 1. 076
1 5 0. 628 1. 2 I 1
10 0. 566 1. 076
5 ϋ. 194 丄. 0丄 6
2. 5 0. 063 ϋ. 606
[0424] [表 67]
¾67
405 nm (測定値 ブランク)
1次抗体 FNH3—8使 ffl
FN f r濃度 CH— 296 H271 -H296 H296 -II 27 1 gZmU
25 0. 564 n . t . n . t .
20 0. 603 n . t .
1 8 0. 610 n . t -
16 0. 594 n . t .
1 5 n. t . 0. 635
14 0. 605 n . t .
13 n. t 0. 609
12 0 639 n . t .
i 1 n. t . 0. 561
10 0. 600 n . t
9 n. t. 0. 560
7 11, t . 0. 518
5 n. t - 0. 448
n. t . = n o t t e s t e d
[0425] その結果、 H296— H296— HT、 H296— H296— H296— HT、 H105— H105
Nc、 H105-H105Nc-HT, H271— H296、 H296— H271は CH— 296と];匕べ て培養プレートへの固定化効率が高いことが明らかとなった。
[0426] 実施例 62 HI 05— HTの作成
(1)H105_HTの発現、精製
実施例 24— (1) - (i)で調製した pColdI_H105を用いて大腸菌 BL21を形質転 換し、実施例 22— (2)と同様に H105— HTの発現、精製を行なった。なお、培養液 、 Binding Buffer^ Wasning BufferA、 Washing BufferB、 Elution Buffer 、濃縮液の液量は必要に応じて適宜変更した。得られた濃縮液を 2100 Bioanalyz erで解析したところ、分子量約 14. 8kDaの目的タンパク質がほぼ単一バンドとして 検出され、タンパク質濃度は、 0. 23mg/mLであった (分子量から計算して、約 15. 5μΜ)0当該タンパク質を H105— HTと命名し、そのアミノ酸配列を配列表の配列 番号 51に、塩基配列を配列表の配列番号 52に示す。
[0427] 実施例 63 抗 CD3抗体および FNフラグメント(H105— H105Nc— HT、 H105— HT)を用いたリンパ球(リンフォカイン活性化細胞)の拡大培養
(1)抗ヒト CD3抗体および FNフラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に抗ヒト CD3抗体を実施例 54— (1)と同様の方 法で固定化した。
[0428] (2)リンパ球の拡大培養
実施例 54— (2)と同様の方法で、リンパ球の拡大培養を行った。ただし、培養開始 0日目には、実施例 63—(1)で作成したプレートを使用し、実施例 52で作成した HI 05— H105Nc— HT、実施例 62で作成した H105— HTを終濃度 0· 67または 0· 7 8 zg/mLになるように培地に直接添加した。なお、 FNフラグメントの濃度は培養液 中における各 FNフラグメントのモル比を一定にあわせるために調整した。培養開始 後 14日目にトリパンブルー染色法にて生細胞数を計測し、培養開始時の細胞数と比 較して拡大培養率を算出した。結果を表 68に示す。
[0429] [表 68]
表 fi S
FNフラグ ント 拡大 ¾養率 (倍率)
対照 (F Nフラグメント無添加) 138
H 105 -H 1 05Nc -HT 629
II 105 -HT 196
[0430] 表 68に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメント(H105— H105N c_HT、 H105— HT)を直接培地に添加した群は、対照群と比較して高い拡大培 養率が得られた。さらには、改変型 FNフラグメント(H105_H105Nc_HT)を用い た場合、 H105— HTよりも高い効果が得られた。このことから、改変型 FNフラグメント (H105— H105NC— HT)は H105— HTよりも抗 CD3抗体を用いた拡大培養時に おいて好適に使用されることが明らかとなった。
[0431] (3)CD45RA陽性 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞、 CD45RA 陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞の解析
実施例 63— (2)で調製した細胞について実施例 43— (3)と同様の方法で CD45R A陽性細胞 CCR7陽性細胞、 CD45RA陽性細胞 CD62L陽性細胞、 CD45RA陽 性細胞 CCR7陽性細胞 CD62L陽性細胞の解析を行った。結果を表 69に示す。
[0432] [表 69] 表 69
FNフラグメント CD45 RA + CD 45 RA + CD45RA +
CCR 7 + CD 62 L + CCR 7 +
(%) (%) CD 62 L +
(%)
対照 (FNフラグメント無添加) 10. 4 68. 7 9. 5
HI 05— HI 05Nc -HT 52. 7 81. 0 48. 2
H 105 -HT 22. 5 61. 9 16. 6
表 69に示されるように、リンパ球拡大培養初期に FNフラグメント(H105— H105N c_HT、 H105— HT)を直接培地に添加した群においては、対照群と比較して、 C
D45RA陽性 CCR7陽性細胞集団、 CD45RA陽性 CD62L陽性細胞集団、 CD45 RA陽性 CCR7陽性 CD62L陽性細胞集団の比率が高い結果が得られた。さらには 、改変型 FNフラグメント(HI 05— HI 05NC— HT)を用いた場合、 HI 05— HTより も高い効果が得られた。当該実施例より、改変型 FNフラグメント(HI 05— HI 05Nc -HT)は H105— HTよりもナイーブ T様細胞を高効率で増殖できることが明らかと なった。
[0434] 実施例 64 Η296— Η296フラグメントを用いた特異的細胞傷害活性保持 CTLの誘 導
(1) Η296 _Η296フラグメントの固定化
以下の実験で使用する培養器材に Η296— Η296を固定化した。すなわち、終濃 度 5 z g/mLの Η296— Η296を含む ACD—A液(ρΗ5. 0)を 24穴細胞培養プレ ートに 0. 24mLZゥエルずつ添加し、 4°Cでー晚インキュベートした。また、上記のプ レートは使用前に PBSで 2回洗浄したのち RPMI1640培地で 1回洗浄し実験に供し た
[0435] (2)抗サイトメガロウィルス メモリー CTLの誘導
抗サイトメガロウィルス メモリー CTLの誘導は、実施例 57— (2)の方法に従って行 なった。ただし、抗原ペプチドには 40 Ai g/mLのサイトメガロウィルスタンパク質由来 ェピトープペプチド(配列表の配列番号 44に記載のマトリクスプロテイン pp65由来— HLA-A2. 1結合性ペプチド)のみを用いた。培養 9日後の細胞増殖率を表 70に 示す。
[0436] [表 70]
表 7 0
F Nフラグメント 細胞増殖率(倍)
対照 (F Nフラグメント非固定化) 0 . 9
H 2 9 6 - H 2 9 6 2 . 8 表 70に示されるように、 FNフラグメントを使用した群では使用していない対照群と 比較して高い増殖率を示した。つまり、 CTL誘導時に FNフラグメントを使用すること
で、細胞の増殖率を高めることが明らかとなった。
[0438] 実施例 65 60mL採血を想定した実施例 64の CTLのフィーダ細胞を用いない拡大 培養
(1)抗 CD3抗体と各 FNフラグメントの固定化
以下のフィーダ細胞を用いない CTL拡大培養実験で使用する培養器材に抗 CD3 抗体と H296— H296を固定ィ匕した。すなわち、抗 CD3抗体(終濃度 1 μ g/mL)と H296 -H296 (終濃度 5 μ g/mL)を含む ACD—A液(pH5. 0)を 48穴細胞培養 プレートに 0. lmLZゥヱルずつ添加し、 4°Cでー晚インキュベートした(対照には抗 CD3抗体のみを固定化)。また、上記のプレートは使用前に PBSで 2回洗浄したの ち RPMI1640で 1回洗浄した。
[0439] (2)フィーダ細胞を用いなレ、CTLの拡大培養
実施例 64— (2)で調製した CTL 2 X 105cellsを実施例 58— (2)と同様の方法で 拡大培養を行なった。 14日後の細胞増殖率を表 71に示す。
[0440] [表 71]
表 7 1
細胞増殖率 (倍)
F Nフラグメント 拡大培養時 誘導から
対照 (F Nフラグメント非固定化) 1 0 . 8 1 0 . 0
H 2 9 6 - H 2 9 6 6 8 . 8 1 9 3 . 2
[0441] 表 71に示されるように、誘導時および拡大培養時に H296— H296を使用した群 については、使用していない対照群と比較して高い増殖率を示した。つまり、誘導時 および拡大培養時に H296— H296を使用することで、フィーダ細胞を用いずに CT Lの拡大培養が可能となった。
[0442] 実施例 66 実施例 65の CTLの細胞傷害活性の測定
実施例 65—(2)で得られた CTLを実施例 27と同様の方法にて CTLの特異的細 胞傷害活性を測定した。 CTL拡大培養後細胞傷害活性結果を表 72、活性維持効 果を表 73に示す。なお、細胞傷害活性維持効果については、 E/T比 3および 1の 2 点について算出した。
[0443] [表 72] 表 72
CTL拡大培養後細胞傷害活性 (% )
E T比
FNフラグメント 3 0 10 3 1 対照 ( F Nフラグメント非固定化) 18 . 5 9. 2 0. 8 — 1. 9
H 296 -11296 52 . 6 29. 7 12. 1 6. 0
[0444] [表 73] 表 73
活性維持効果 (%)
E/T比
FNフラグメント 3 1
対照 (FNフラグメント非固定化) 2. 3 —9. 8
H296-H296 30. 0 34. 1
[0445] ペプチド非存在下で培養した Calcein標識標的細胞に対する細胞傷害活性はほ ぼ 0%であり、非特異的な活性はないことを確認した。ペプチド存在下で培養した Cal cein標識標的細胞に対する細胞傷害活性について、誘導時および拡大培養時に H 296— H296を使用した群の CTLは、対照群と比較して、 14日間の拡大培養後に おいても特異的で高い細胞傷害活性を保持していた。つまり、 H296— H296を CT L誘導時および拡大培養時に使用することにより、特異的で高い細胞傷害活性を長 期的に保持した状態で、フィーダ細胞を用いなレ、方法で拡大培養が可能であること が明らかになった。
[0446] 本発明により、リンパ球の製造方法が提供される。当該方法は細胞増殖率が高
本発明により得られるリンパ球は、例えば、養子免疫療法に好適に使用される。従つ て、本発明の方法は、医療分野への多大な貢献が期待される。
配列表フリーテキスト
[0447] SEQ ID ΝΟ:1; Partial region of fibronectin named 111-12.
SEQ ID N0:2; Partial region of fibronectin named ΙΠ-13.
SEQ ID NO :3; Partial region of fibronectin named ΙΠ-14.
SEQ ID N0:4; Partial region of fibronectin named CS-l.
SEQ ID N0:5; Fibronectin fragment named H296-H296.
SEQ ID NO :6; Polynucleotide coding Fibronectin fragment named H296-H296.
SEQ ID N0:7; Fibronectin fragment named CH-296.
SEQ ID NO :8; Polynucleotide coding Fibronectin fragment named CH-296.
SEQ ID NO :9; Primer H296-NcoF.
SEQ ID NO: 10; Primer H296- HindR.
SEQ ID N0: 11; Primer H296— NcoR.
SEQ ID N0: 12; Primer NC2-5' UTR.
SEQ ID N0: 13 ; Designed peptide based on matrix-protein derived from influenza vi rus.
SEQ ID N0: 14 ; Primer H296- NdeF.
SEQ ID N0: 15; Primer H296-NdeR.
SEQ ID N0: 16 ; Fibronectin fragment named H296- H296- H296— ΗΤ·
SEQ ID N0: 17 ; Polynucleotide coding Fibronectin fragment named H296_H29b_H2
96- HT.
SEQ ID N0: 18 ; Primer CH296- NdeF.
SEQ ID N0: 19 ; Fibronectin fragment named CH296 - CH296 - HT.
SEQ ID NO:20 ; Polynucleotide coding Fibronectin fragment named CH29b~CH296
-HT
SEQ ID N0:21 ; Primer H105- NdeF.
SEQ ID NO:22 ; Fibronectin fragment named H105-H105-HT.
SEQ ID NO:23 ; Polynucleotide coding Fibronectin fragment named H105 - H105 - H
T.
SEQ ID NO:24 ; Primer CSl- NdeR.
SEQ ID NO:25 ; Fibronectin fragment named H296 - H296 - HT.
SEQ ID NO: :26 Polynucleotide coding Fibronectin fragment named H296_H296_H
T.
SEQ ID NO: :27 Fibronectin fragment named H296-H296-H296.
SEQ ID NO: :28 Polynucleotide coding Fibronectin fragment named H296 - H296 - H2
96.
SEQ ID NO: :29 Fibronectin fragment named H105-H105.
SEQ ID NO: :30 Polynucleotide coding Fibronectin fragment named H105 - H105.
SEQ ID NO: :31 Primer H271- NcoR.
SEQ ID NO: :32 Fibronectin fragment named H271-H296.
SEQ ID NO: :33 Polynucleotide coding Fibronectin fragment named H271-H296.
SEQ ID NO: :34 Primer 12- Nco- F2,
SEQ ID NO: :35 Primer H271-BamR.
SEQ ID NO: :36 Fibronectin fragment named H296-H271.
SEQ ID NO: :37 Polynucleotide coding Fibronectin fragment named H296-H271.
SEQ ID NO: :38 Primer Nde— 15aa— F.
SEQ ID NO: :39 Fibronectin fragment named 15aaH105_H105— HT.
SEQ ID NO: :40 Polynucleotide coding Fibronectin fragment named 15aaH105_H10
5 - HT.
SEQ ID NO: :41 Fibronectin fragment named 15aaH105— H105.
SEQ ID NO :42 Polynucleotide coding Fibronectin fragment named 15aaH105_H10
5.
SEQ ID NO :43 Oligonucleotide CpG— C DNA.
SEQ ID NO :44 Designed peptide based on matrix-protein derived from pp65.
SEQ ID NO :45 Primer AID - F - Nco
SEQ ID NO :46 Primer CSl-R-Xba
SEQ ID NO :47 Fibronectin fragment named H105-H105Nc-HT
SEQ ID NO :48 Polynucleotide coding Fibronectin fragment named H105 - H105Nc -
HT
SEQ ID NO :49; Fibronectin fragment named H105- H105Nc
SEQ ID NO:50; Polynucleotide coding Fibronectin fragment named H105_H105Nc SEQ ID No:51; Fibronectin fragment named H105—HT
SEQ ID No:52; Polynucleotide coding Fibronectin fragment named H105—HT