明 細 書
モルホリン化合物の塩
技術分野
[0001] 本発明は(2S)— [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4 一(3, 4 ジクロ口ベンジル)モルホリンー2 ィル]メチル }ァセトアミドの塩及びその 医薬用途に関する。
背景技術
[0002] (2S)— [4一(カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ]一 N— { [4一 (3, 4— ジクロロベンジル)モルホリンー2 ィル]メチル }ァセトアミドは国際公開 WO2006 /028284号パンフレット(特許文献 1)に記載されている化合物である。この化合物 は CCR3親和性を示すことが知られており、免疫並びにアレルギー性疾患を含めた 急性及び慢性炎症性疾患、例えば、喘息、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、アトピー 性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性脊髄炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、 慢性リウマチ性関節炎等の治療又は予防に有用である。
[0003] 特許文献 1の実施例 2には、前記化合物のフリー体が記載されているが、前記化合 物の塩形態につ!/、ての具体的な記載はなレ、。
特許文献 1:国際公開 WO2006/028284号パンフレット
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] 本発明は、 (2S)— [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N { [4
- (3, 4 ジクロロベンジル)モルホリン— 2 ィル]メチル }ァセトアミドの新規な塩形 態を提供することを課題として!/、る。
課題を解決するための手段
[0005] 本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、 (2S) [4 (カルボキシ メチノレ)チアゾール 2 ィルチオ] N—{ [4—(3, 4 ジクロロベンジル)モルホリ ン— 2—ィル]メチル }ァセトアミド 臭化水素酸塩 (以下、本発明化合物ということがあ る。)がそのフリー体と比較して水分吸着による重量変化を起こしにくい安定な化合
物であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) (2S) [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4一(3, 4ージクロ口ベンジル)モルホリン 2 ィル]メチル }ァセトアミド 臭化水素酸塩。
(2) (2S) [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4一(3,
4ージクロ口ベンジル)モルホリン 2 ィル]メチル }ァセトアミド 臭化水素酸塩の結 曰
曰曰
(3) 粉末 X線回折スペクトルにおいて、 2 Θで表される回折角度として 24. ( ± 0.
2° )付近にピークを示す(2)に記載の結晶。
(4) 粉末 X線回折スペクトルにおいて、 2 Θで表される回折角度として 25. 6° ( ± 0. 2° )付近にピークを示す(2)又は(3)に記載の結晶。
(5) 粉末 X線回折スペクトルにおいて、 2 Θで表される回折角度として 22. 3° ( ± 0. 2° )付近にピークを示す(2)〜(4)の!/、ずれか 1項に記載の結晶。
(6) 粉末 X線回折スペクトルにおいて、 2 Θで表される回折角度として 20. 9° ( ± 0. 2° )付近にピークを示す(2)〜(5)の!/、ずれか 1項に記載の結晶。
(7) 粉末 X線回折スペクトルにおいて、 2 Θで表される回折角度として 20. 9°、 22. 3°、 24. 及び 25· 6° (それぞれ ± 0· 2° )付近にピークを示す(2)〜(6)のいずれ か 1項に記載の結晶。
(8) 示差走査熱分析による融点 (補外開始温度)が約 163°C〜約 171°Cである(2) 〜(7)の!/、ずれか 1項に記載の結晶。
(9) 示差走査熱分析による融点(補外開始温度)が約 169°Cである(2)〜(8)の!/ヽ ずれか 1項に記載の結晶。
(10) 下記の A及び/又は Bで示される物理化学的性質を有する(2S)— [4 (力 ルポキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4一(3, 4 ジクロ口ベンジル) モルホリンー2—ィル]メチル }ァセトアミド 臭化水素酸塩の結晶。
A:図 1に示される粉末 X線回折パターンを有する。
B:図 2に示される示差走査熱分析曲線を有する。
(11) 粉末 X線回折スペクトルにおいて、 2 Θで表される回折角度として 24. 9° ( ± 0
. 2° )付近にピークを示す(2)に記載の結晶。
(12) 粉末 X線回折スペクトルにおいて、 2 Θで表される回折角度として 21. 7° ( ± 0 . 2° )付近にピークを示す(2)又は(11)の!/、ずれか 1項に記載の結晶。
(13) 粉末 X線回折スペクトルにおいて、 2 Θで表される回折角度として 16. 0° ( ± 0 . 2° )付近にピークを示す(2)、(11)又は(12)のいずれか 1項に記載の結晶。
(14) 粉末 X線回折スペクトルにおいて、 2 Θで表される回折角度として 16· 0° 21 • 7°及び 24. 9° (それぞれ ± 0· 2° )付近にピークを示す(2)、(11)、 (12)又は(13 )のいずれか 1項に記載の結晶。
(15) 示差走査熱分析による融点(補外開始温度)が約 135°C〜約 143°Cである(2 )、(11)、(12)、 (13)又は(14)のいずれ力、 1項に記載の結晶。
(16) 示差走査熱分析による融点 (補外開始温度)が約 141°Cである(2)、(11)、 ( 12)、(13)、(14)又は(15)のいずれか 1項に記載の結晶。
(17) 下記の C及び/又は Dで示される物理化学的性質を有する(2S)— [4 (力 ルポキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4一(3, 4 ジクロ口ベンジル) モルホリンー2—ィル]メチル }ァセトアミド 臭化水素酸塩の結晶。
C :図 3に示される粉末 X線回折パターンを有する。
D:図 4に示される示差走査熱分析曲線を有する。
(18) (2S) [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4 3 , 4ージクロ口ベンジル)モルホリンー2 ィル]メチル }ァセトアミド 臭化水素酸塩の 非晶質体。
(19) 下記の Eで示される物理化学的性質を有する(2S)— [4 (カルボキシメチル )チアゾールー 2 ィルチオ]—N— { [4—(3, 4 ジクロロベンジル)モルホリン 2 ィル]メチル }ァセトアミド 臭化水素酸塩の非晶質体。
E :図 5に示される粉末 X線回折パターンを有する
(20) (1)〜(; 19)の!/、ずれかに記載の化合物を含む医薬。
(21) (1)〜(; 19)のいずれかに記載の化合物を有効成分として含む CCR3拮抗剤
(22) (1)〜(; 19)の!/、ずれかに記載の化合物と製薬上許容される添加剤とを含有
する医薬組成物。
(23) 喘息、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜 炎、アレルギー性脊髄炎、潰瘍性大腸炎、クローン病又は関節リウマチの予防剤及 び/又は治療剤である(22)に記載の医薬組成物。
(24) (2S) [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4- (3 , 4 ジクロロベンジル)モルホリン一 2 ィル]メチル }ァセトアミド カリウム塩。
(25) (2S) [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4- (3 , 4ージクロ口ベンジル)モルホリンー2 ィル]メチル }ァセトアミド カリウム塩の結晶
〇
(26) 粉末 X線回折スペクトルにおいて、 2 Θで表される回折角度として 23. 1° 、 29 . 8°及び 30. 7° (それぞれ ± 0. 2° )付近にピークを示す請求項 25に記載の結晶。
(27) 下記の Fで示される物理化学的性質を有する(2S)— [4 (カルボキシメチル )チアゾールー 2 ィルチオ]—N— { [4—(3, 4 ジクロロベンジル)モルホリン 2 —ィル]メチル }ァセトアミド カリウム塩の結晶。
F :図 6に示される粉末 X線回折パターンを有する。
発明の効果
[0007] (2S)— [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4一(3, 4— ジクロロベンジル)モルホリン 2—ィル]メチル }ァセトアミドの新規な塩形態を提供 可能である。
図面の簡単な説明
[0008] [図 1]化合物 1—3の粉末 X線回折パターンを示す図である。
[図 2]化合物 1 3の DSC曲線を示す図である。
[図 3]化合物 2の粉末 X線回折パターンを示す図である。
[図 4]化合物 2の DSC曲線を示す図である。
[図 5]化合物 3の粉末 X線回折パターンを示す図である。
[図 6]化合物 4の粉末 X線回折パターンを示す図である。
[図 7]臭化水素酸塩 I形結晶の水分吸着測定の結果を示す図である。
[図 8]臭化水素酸塩 II形結晶の水分吸着測定の結果を示す図である。
[図 9]フリー体の水分吸着測定の結果を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0009] 本発明は、下記式 (I)
HBr
[0011] で示される(2S)— [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4 - (3, 4 ジクロロベンジル)モルホリン— 2 ィル]メチル }ァセトアミドの新規な塩形 態を提供するものである。
[0012] 本発明化合物の好ましい態様として(2S)— [4 (カルボキシメチル)チアゾールー
2 ィルチオ] N— { [4—(3, 4 ジクロロベンジル)モルホリン 2 ィル]メチル } ァセトアミド 臭化水素酸塩の結晶を挙げることができる。この結晶(I形結晶)は図 1 に示される粉末 X線回折パターン及び/又は図 2に示される示差走査熱分析 (DSC )曲線を有することが好ましい。ここで、粉末 X線回折パターンにおける特徴的なピー クは 2 Θで表される回折角度として 20. 9° 、 22. 3° 、 24. 1° 及び/又は 25. 6° (それぞれ ± 0. 2° )付近を挙げることができる。また、 DSCによる融点 (補外開始温 度)は約 163°C〜約 171°C、好ましくは約 169°Cを挙げることができる。別の好ましい 結晶(II形結晶)としては、図 3に示される粉末 X線回折パターン及び/又は図 4に示 される DSC曲線を有するものを挙げること力 Sできる。ここで、粉末 X線回折パターンに おける特徴的なピークは 2 Θで表される回折角度として 16. 0° 、 21. 7° 及び/又 は 24· 9° (それぞれ ± 0· 2° )付近を挙げることができる。また DSCによる融点 (補 外開始温度)は約 135°C〜約 143°C、好ましくは約 141°Cを挙げること力 Sできる。また 、本発明化合物は非晶質体として得ることも可能である。
[0013] これらの本発明化合物は、例えば、国際公開 WO2006/028284号パンフレット の実施例 2として記載されて!/、る合成方法に準じて製造することができる(2S)— [4 (カルボキシメチノレ)チアゾールー 2 ィルチオ]—N—{ [4—(3, 4 ジクロ口ベン ジル)モルホリンー2—ィル]メチル }ァセトアミド 1モルに対して、臭化水素酸を 1な
いし 10モル、好ましくは 1ないし 2モル、さらに好ましくは 1モルを反応させることにより 得ること力 Sできる。また、本発明化合物の非晶質体を適当な溶媒、例えばアセトン又 は含水アセトン等に溶解させた後に結晶化させることでも得ることができる。この他に 、後述の実施例に示すような方法などに従っても製造することができる。さらに、(2S)
[4 (カルボキシメチノレ)チアゾールー 2 ィルチオ]—N—{ [4—(3, 4 ジクロ口 ベンジル)モルホリン 2—ィル]メチル }ァセトアミド 力リウム塩を製造中間体又は原 料として用い、過剰量の臭化水素酸を加えて反応させることでも本発明化合物を得る こと力 Sでさる。
[0014] このカリウム塩は結晶として得ることができ、粉末 X線回折パターンにおける特徴的 なピークは 2 Θで表される回折角度として 11. 5° 、 23. 1° 、 26. 9° 、 29. 8° 、 30 . 7° 、 31. 8° 、 34. 0° 及び/又は 34· 5° (それぞれ ± 0· 2° )付近を挙げるこ とができる。カリウム塩の中でテトラヒドロフラン溶媒から結晶化させた化合物の粉末 X 線回折パターンにおける特徴的なピークとしては 2 Θで表される回折角度で 23. 1° 、 29. 8° 及び 30· 7° (それぞれ ± 0· 2° )付近を挙げることができる。
[0015] 本発明化合物は溶液状態において、 (2S) [4 (カルボキシメチル)チアゾーノレ
2 ィルチオ] N— { [4—(3, 4 ジクロロベンジル)モルホリン 2 ィル]メチル }ァセトアミドとして存在し、この化合物は CCR3とそのリガンドとの結合を阻害し、アン タゴニストとして作用することが知られている(国際公開 WO2006/028284号パ ンフレット 実験例 1の表 1)。従って、本発明化合物は CCR3拮抗剤として有用であ り、さらに、 CCR3を有する細胞が病態の発症、進展、維持において重要な役割を演 じている疾患、例えば、喘息、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、ァレ ルギー性結膜炎、アレルギー性脊髄炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、慢性リウマチ性 関節炎等を治療薬及び/又は予防薬として有用である。
[0016] 本発明化合物を前記の予防及び/又は治療薬として使用する場合、通常、本発明 化合物を製薬上許容しうる担体と混合して得られる医薬組成物あるいは製剤 (例えば 、錠剤、液剤等)の形態で経口的又は非経口的に投与することができる。医薬組成 物は通常の方法に従って製剤化することができる。
[0017] 投与量は、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄
速度、薬物の組合せ、患者のその時に治療を行っている病状の程度に応じ、それら あるいはその他の要因を考慮して決められる。本発明化合物は、低毒性で安全に使 用すること力 sでき、その 1日の投与量は、患者の状態や体重、化合物の種類、投与経 路等によって異なる力 例えば、経口的には 0.01〜; 1000mg/kg体重/日であり、 一日 1〜数回に分けて投与され、また非経口的には約 0. 01〜; 100mg/kg体重/ 日を一日 1〜数回に分けて投与するのが好ましい。
[0018] なお、本明細書において、「予防薬」とは疾患を発症していない健常人に対して投 与される薬であり、例えば、疾患の発症を防止する目的で投与される薬のことである 。 「治療薬」とは医師により疾患を発症している診断された人 (患者)に対して投与さ れる薬であり、例えば、疾患や症状の軽減、又は健康を回復することを目的として投 与される薬である。また、投与の目的が疾患や症状の悪化防止、又は発作の防止で あっても、投与されるのが患者であれば治療薬である。
実施例
[0019] 以下、実施例等で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限 定されるものではない。
[0020] なお、 ifi— NMRのケミカルシフト値は、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS) を用い、相対的なデルタ( δ Μ直をパーツパーミリオン (ppm)で表した。カップリング 定数は自明な多重度をへルツ(Hz)で示し、 s (シングレット)、 d (ダブレット)、 t (トリプ レット)、 q (カルテット)、 sept (セプテツト)、 m (マルチプレット)、 dd (ダブルダブレット) 、 brs (ブロードシングレット)等と表記した。
[0021] 実施例 1 (2S)— [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4 一(3, 4 ジクロ口ベンジル)モルホリンー2 ィル]メチル }ァセトアミド臭化水素酸塩 の合成 (I形結晶)
1 - 1 (2S) -N- { [4- (3, 4ージクロ口べンジノレ)モルホリンー2 ィノレ]メチル } クロロアセトアミドの合成
(2S) 2 アミノメチルー 4一(3, 4 ジクロ口ベンジル)モルホリン · 2塩酸塩 120gを tert ブチルメチルエーテル 450mlに溶解し、次いで水 450mlを加え、氷浴上で冷 却した。炭酸水素ナトリウム 95. 56gをゆっくりと加え、添加後、クロロアセチルクロリド
29mlを、内温 15°C以下を保ちながら約 10分かけて滴下した。滴下終了後、室温で 1. 5時間攪拌した。 1. 5時間後、反応混合液に室温下炭酸水素ナトリウム 3gと、クロ ロアセチルクロリド 2. 7mlを順次追加し、さらに 1. 5時間攪拌した。反応混合液を静 置後分液し、有機層を(2S)— N— { [4一(3, 4 ジクロ口ベンジル)モルホリン 2— ィル]メチル }クロロアセトアミドの tert ブチルメチルエーテル溶液として得た。
[0022] 1 - 2 (2S)— [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ) N— { [4一(
3, 4 ジクロロベンジル)モルホリン 2 ィル]メチル }ァセトアミド(化合物 1 2)の 合成
4 エトキシカルボ二ルメチルー 2 メルカプトチアゾール 70· 14gを、水 300mlと t ert ブタノール 250mlの混合溶液に溶解した後、水浴上で、水酸化ナトリウム 29. 46gを加え、 1. 5時間攪拌した。この反応混合物に上記 1— 1で得た(2S)— N— { [ 4一(3, 4 ジクロ口べンジノレ)モルホリンー2 ィル]メチノレ }クロロアセトアミドの tert ブチルメチルエーテル溶液を加えた。次いで 65°Cで 6時間攪拌した。反応混合液 に n ヘプタン 50mlおよび水 50mlを添加し、室温まで冷却した。反応混合液を静 置後分液し、水層はさらに tert ブチルメチルエーテル 200ml/n ヘプタン 20ml の混合溶媒で洗浄した。水層に 6N塩酸 60mlを加え、酢酸ェチル 750mlで抽出し、 さらに酢酸ェチル 175ml/tert ブタノール 20mlの混合溶媒で 2回抽出した。得ら れた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、化合物 1 2の粗生 成物 18 lgを得た。
[0023] 1 - 3 (2S)— [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ]—N—{ [4—(
3, 4 ジクロ口ベンジル)モルホリンー2 ィル]メチル }ァセトアミド 臭化水素酸塩( 化合物 1 3)の合成
1 - 3 - 1 :化合物 1—2の粗生成物 18 lgをアセトン 800mlに溶解した。セライトフィ ルターを用いて不溶物を分離し、さらにアセトン 200mlおよび水 5mlを加えた。種晶 を加えた後室温で 1時間、さらに氷浴下 2時間攪拌し、析出した結晶を濾取し、 0. 5 %含水アセトンで洗浄した後、減圧下で乾燥し、化合物 1 3の粗生成物 170. 6gを 得た。
[0024] 1 - 3 - 2 : 1 - 3 - 1と同様の方法を用レ、て得られた化合物 1 3の粗生成物 507.
7gをアセトン 1000mlおよび水 120mlの混合溶媒に 60°Cで加熱溶解した。活性炭 8 . 2gを加え 60°Cで 20分攪拌後、セライトフィルターを用いて活性炭を濾去した。溶解 容器およびフィルターを温アセトン 300mlおよび水 30mlの混合溶媒で洗浄した。先 の濾液と洗液をあわせ 40°Cに加熱し、同温度を保ちながらアセトン 3500mlを加えた 。種晶を加えた後室温で 4時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、 1 %含水アセトン で洗浄した後、減圧下で乾燥し、化合物 1—3を白色結晶として 443. 49g得た。
[0025] 'H-NMRCDMSO-d ) δ : 2. 77— 2. 88 (1H, m) , 2. 98— 3. 38 (5H, m) ,
6
3. 65- 3. 83 (4H, m) , 3. 96— 4. 06 (3H, m) , 4. 34— 4. 44 (2H, m) , 7. 39 (1H, s) , 7. 50- 7. 56 (1H, m) , 7. 75— 7. 79 (1H, m) , 7. 84— 7. 87 (1H, m) , 8. 50 (1H, t, J = 5. 6Hz) , 10. 16 (1H, brs) , 12. 47 (1H, brs)。
[0026] 粉末 X線回折 (XRD)分析
以下の条件で XRDパターンを測定した。
装置: RINT2200/Ultima+ (リガク社)
条件:
X線管球: Cu Κ α 1
管電流: 40 mA
管電圧: 40
走査速度: 4° /min
書き出し範囲: 2 Θ = 2〜35°
得られた粉末 X線回折パターンを図 1に示した。
結晶の特徴的なピークは、 2 Θで表される回折角度として 20. 9° 、 22. 3° 、 24. 1
° 及び 25· 6° (それぞれ ± 0· 2° )付近であった。
[0027] 示差走査熱分析 (DSC)
得られた化合物 2. 8mgを示差走査熱測定装置 DSC821e (メトラー ·トレド社)に のせ、昇温速度10°じ/111^ (25〜200° 窒素 40mL/min)で測定した。その結 果、融点 (補外開始温度)は約 169°C付近に認められた。得られた DSC曲線を図 2に 示した。
[0028] 元素分析
得られた化合物について元素分析を実施したところ、 C : 39.99, H:3.70, N:7.39, S: l 1.19, Cl: 12.41, ΒΓ: 13·60 (理論値; C : 39.94, Η:3·88, Ν:7.35, S: 11.22, Cl: 12.41, Br: l 3.99)であった。
[0029] また、化合物 1 2は次の方法により合成することも可能である。
[0030] (2S) [4 (エトキシカルボニルメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4
(3, 4 ジクロロベンジル)モノレホリン 2 ィル]メチル }ァセトアミド(化合物 A)の合 成
国際公開 WO06/028284号パンフレットの実施例 75に記載の方法に準じて製 造することができる(2S)— [4 (エトキシカルボニルメチル)チアゾールー 2 ィルチ ォ]— N— [ (モルホリン一 2 ィノレ)メチノレ]ァセトアミド 500mgと 3, 4 ジクロロベン ズアルデヒドをジクロロメタン 7mlに溶解した後、室温で酢酸 0. 85mlを添加した。室 温で 1時間攪拌した後、反応液にトリァセトキシ水素化ホウ素ナトリウム 590mgをカロえ 、さらに室温で 6時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロ 口ホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄、続いて硫酸ナトリウムで乾燥後、 溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、クロ 口ホルムとメタノールの混合溶媒を溶出液として精製した。溶出液より溶媒を減圧留 去し、化合物 Aを淡黄色油状物として 360mg得た。
[0031] 化合物 1 2の合成
350mgの化合物 Aをテトラヒドロフラン 1. 5mlとメタノール 1. 5mlに溶解した。反応 液に 1M水酸化ナトリウム水溶液 1. 5mlを加え、室温でー晚攪拌した。反応液に 1M 塩酸を 2ml加えた後、有機溶媒のみ減圧留去した。得られた残渣に水を加え、クロ口 ホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄、続いて硫酸ナトリウムで乾燥後、溶 媒を減圧留去することにより、化合物 1 2を無色無定形固体として 270mg得た。
[0032] 実施例 2 (2S)— [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N { [4 一(3, 4 ジクロ口ベンジル)モルホリンー2 ィル]メチル }ァセトアミド 臭化水素酸 塩 (化合物 2)の合成 (Π形結晶)
0. 34gの化合物 1 3に 5%含水アセトン 4mlを加えて 60°Cにて加熱還流して完 全に溶解させた。この溶液を急激に o°cまで冷却し、種晶を少量加えると結晶性の白
沈が生じた。更に同温度で 5分間攪拌し、沈殿物を濾取し、室温で 2時間減圧乾燥し て化合物 2を白色結晶として 0. 18g得た。
[0033] XRD分析
実施例 1に記載した XRD分析条件と同条件で測定した粉末 X線回折パターンを図 3に示した。結晶の特徴的なピークは 2 Θで表される回折角度として 16. 0° 、 21. 7 ° 及び 24· 9° (それぞれ ± 0· 2° )付近であった。
[0034] 示差走査熱分析 (DSC)
得られた化合物 1. 3mgを示差走査熱測定装置 DSC821e (メトラー ·トレド社)に のせ、昇温速度 40°C/min (25〜200°C,窒素 40 mL/min)で測定した。その結 果、第一融点 (補外開始温度)は約 141°C付近に認められた。得られた DSC曲線を 図 4に示した。
元素分析
得られた化合物について元素分析を実施したところ、 C : 39.33, H:3.75, N:7.20, S: l 1.06, Cl: 12.16, ΒΓ: 13·38 (理論値; C : 39.94, Η:3·88, Ν:7.35, S: 11.22, Cl: 12.41, Br: l 3.99)であった。
[0035] 実施例 3 (2S)— [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4 一(3, 4 ジクロ口ベンジル)モルホリンー2 ィル]メチル }ァセトアミド 臭化水素酸 塩 (化合物 3)の合成 (非晶質体)
2gの実施例 1で得られた化合物 1 3を遊星ボールミル粉砕機 (FRITSCH社製 P- 7型)を用いて、 900rpmにて 1時間粉砕を行い、化合物 3を白色固体として得た。
XRD分析
実施例 1に記載した XRD分析条件と同条件で測定した粉末 X線回折パターンを図 5に示した。特徴的なピークは 2 Θで表される回折角度として全く示すことはなぐ非 晶質体特有のブロードなパターン (ノ、ロー)を示した。
[0036] 実施例 4 (2S)— [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4 一(3, 4 ジクロ口ベンジル)モルホリンー2 ィル]メチル }ァセトアミド カリウム塩( 化合物 4)の合成
WO2006/028284号パンフレット実施例 2に記載の方法に準じて得られた化合物
1—2約 5mgにテトラヒドロフラン 500 Lを添加して溶解し、これに 1 · 7mol/Lの水 酸化カリウム水溶液を 10 L加えて、十分に混ぜ合わせた後、 40°Cに加温し、その 後、室温にて溶媒を自然蒸散させることにより、白色固体を得た。
XRD分析
走査速度を 2° /minにした以外は実施例 1に記載した XRD分析条件と同条件で 測定した。得られた粉末 X線回折パターンを図 6に示した。結晶の特徴的なピークは 2 Θで表される回折角度として 23· 1° 、 29. 8° 及び 30· 7° (それぞれ ± 0. 2° ) 付近であった。
[0037] 試験例 1 水分吸着測定
吸湿性の指標となる水分吸着測定を、 DVS-1型水分吸着装置 (SMS社製)を用い、 以下の条件で行った。試料約 7mgを用いて、相対湿度 0%から 90%までの範囲に ついて、 10%毎に相対湿度を上昇させた後、最終的に相対湿度 95%まで上昇させ た。設定した相対湿度毎に重量変化を記録し、相対湿度 0%における重量をもとに 変化量(%)に換算をした。試料は国際公開 WO2006/028284号パンフレット実 施例 2に記載の方法に準じて得られた化合物 1 2 (以下、フリー体という。)、実施例 1に記載の方法により得られた化合物 1 3 (以下、臭化水素酸塩 I形結晶という。)及 び実施例 2に記載の方法により得られた化合物 2 (以下、臭化水素酸塩 II形結晶とい う。)を用いた。
[0038] その結果、図 7〜9に示した通り、フリー体は相対湿度 70%において、 3. 3%も吸 湿して重量増加する(図 9)のに対して、臭化水素酸塩 I形結晶(図 7)及び、臭化水 素酸塩 II形結晶(図 8)は、 0. 1 %及び 1. 4%しか吸湿性を示さな力 た。湿度に対 して、重量変化が少ないことは、医薬品の原薬の仕込み量を管理する上で重要な要 素である。本発明化合物の結晶である臭化水素酸塩 I形結晶及び臭化水素酸塩 II形 結晶は、医薬品の原薬として相応しい物性を有していることが明らかとなった。
産業上の利用可能性
[0039] (2S)— [4 (カルボキシメチル)チアゾールー 2 ィルチオ] N— { [4一(3, 4— ジクロロベンジル)モルホリン 2—ィル]メチル }ァセトアミド 臭化水素酸塩の結晶は 湿度に対して、重量変化が少なく安定であり、医薬品の原薬として優れた化合物であ
本出願は、 3本で出願された特願 2006— 190437を基礎としており、その内容は 、本明細書にすべて包含されるものである。