明 細 書
ガレクチン 9一ポリマーコンジュゲート
技術分野
[0001] 本発明は、ガレクチン 9 _ポリマーコンジュゲートに関する。本発明は、化学的に修 飾されているガレクチン 9及びその改変体 (安定化ガレクチン 9)に関する。
背景技術
[0002] ガレクチンは β -ガラタトシドに親和性を持ち、一次配列上に保存された領域を持つ レクチンファミリーである。現在までに、 10種類以上の哺乳類ガレクチンが発見され、 細胞-細胞接着又は細胞-細胞外基質接着、細胞活性化、細胞増殖、アポトーシス など多彩な生物活性が報告されてレ、る。
本発明者等のグループはヒト Τ細胞由来好酸球遊走因子のクローニングに成功し、 それによりそれが Tureci等が報告したヒトガレクチン 9 (human galectin 9: hGal9、非 特許文献 1)のバリアント、ェカレクチンであることを見出した (非特許文献 2)。さらに、 本発明者等のグループはェカレクチンと Gal9は同一の物質であることを明らかにし、 ヒトの Gal9はそのリンクペプチドの長さの違いにより、ショートタイプ、メディアムタイプ、 ロングタイプの 3種類があることをも明らかにした(非特許文献 3)。 Gal9含有医薬が、 抗腫瘍剤 (抗ガン剤)、抗アレルギー剤、免疫抑制剤、自己免疫疾患用剤、抗炎症 剤及び副腎皮質ステロイドホルモン代替用剤として有望であることは、 WO 2004/064 857 (2004.08.05) 〔特許文献 1〕に開示してある。 Gal9は、活性化 T細胞にアポトーシ スを誘導することも報告されている。さらに、安定化 Gal9 (Gal9改変体)及びその用途 について WO 2005/093064 (2005.10.06)〔特許文献 2〕に開示を行っている。
[0003] 生物学的に活性なタンパク質をポリマーとコンジユゲートイ匕せしめて、免疫反応が 生ずるのを抑制したり、生体内での当該タンパク質の循環寿命を延長させたり、水溶 性及び/又は抗原性といった特性を改良しょうとする技術は、インスリン、へモグロビ ン、インターフェロン、インターロイキン- 2などで適用され、現在も、様々なタンパク質 でその研究開発が試みられている。代表的な例は、ペプチド又はポリペプチドをポリ エチレングリコール〔poly(ethylene glycol): PEG〕あるいは類似した水溶性ポリマーと
カップリングせしめるものである〔特許文献 3〕。
し力 ながら、多くの生物学的に活性な物質にとっては、コンジュゲート化は、生物 活性の著しい低下や喪失を引き起こすこととなり、その問題を解決することは依然とし て困難な問題と認識されている。薬学的な活性を得るのに必要な活性部位や生物学 的な活性に関与する部位が、ポリマーによりブロックされる場合にも、問題が生ずる可 能性がある。一般的には、タンパク質をポリマーでコンジユゲー H匕する反応は、溶液 系で行われることから、こうした問題を回避することは、非常に難しいのが現状である
[0004] 特許文献 1: WO 2004/064857 (2004.08.05)
特許文献 2 : WO 2005/093064 (2005.10.06)
特許文献 3:特公昭 56-23587号公報
非特許文献 l : Tureci 0. et al" J Biol Chem" 1997, 272(10):6416-22
非特許文献 2 : Matsumoto R. et al. , J Biol Chem., 1998, 273: 16976-84
非特許文献 3 : Matsushita N. et al., J Biol Chem., 2000, 275:8355-60
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] ガレクチン 9は、既知のサイト力イン類とは異なる新しいクラスに属する免疫機能調 節因子であり、自己免疫疾患をはじめとする様々な免疫関連疾患に対する治療薬と しての利用が期待される。しかし、ガレクチン 9には、プロテアーゼに対する高感受性 、低溶解性など、治療薬開発において解決すべき問題点がある。このような、天然型 ガレクチン 9自身の性質に基づく問題に対処するため、ガレクチン 9のリンカーぺプチ ドを改変し、ガレクチン 9の改変体、すなわち、安定化ガレクチン 9が作製されている。 安定化ガレクチン 9は、天然型と比較して以下のような特徴を持つ。
(1)プロテアーゼに対する耐性の上昇、(2)生物活性の上昇、そして (3)溶解性の上昇 ガレクチン 9を治療薬として利用するためには、溶解性のより一層の向上、体内動態 の改善 (例えば、血中半減期の延長といった作用持続時間の延長など)、血球凝集 活性の抑制などの改善が求められる。
課題を解決するための手段
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を進め、バイオコンジユゲーショ ン(Bioconjugation):人工的に合成'精製した高分子と、ガレクチン 9及びその改変体 とを結合させ、その高分子に様々な機能 (Targeting、徐放化などの機能)を担わせる こと、そして、高分子の持つ性質を薬物に付与することにつき研究した結果、ガレクチ ン 9、特には安定化ガレクチン 9のバイオコンジユゲーシヨンの 1つである PEG化による 化学修飾で、ガレクチン 9の性能向上に成功し、本発明を完成した。
本発明では、次なる態様が提供される。
〔1〕ガレクチン 9及びガレクチン 9改変体からなる群から選択されたものとポリマーとが 共有結合を介して結合しているガレクチン 9-ポリマーコンジュゲートであることを特徴 とする化学修飾ガレクチン 9又は化学修飾ガレクチン 9改変体。
[2]ポリマーが、ポリアルキレンォキシド又はアルコキシ末端基の付レ、たポリアルキレ ンォキシドであることを特徴とする上記〔1〕に記載の化学修飾ガレクチン 9又は化学 修飾ガレクチン 9改変体。
〔3〕ポリマーが、ポリエチレングリコール (PEG)又は低級アルコキシ末端基の付レ、たポ リエチレングリコールであることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の化学修飾ガレ クチン 9又は化学修飾ガレクチン 9改変体。
〔4〕ポリマーが、モノメトキシ-ポリエチレングリコール (mPEG)であることを特徴とする上 記〔1〕〜〔3〕のいずれか一記載の化学修飾ガレクチン 9又は化学修飾ガレクチン 9改 変体。
〔5〕ポリマーの分子量が、約 200〜100,000であることを特徴とする上記〔1〕〜〔4〕の いずれか一に記載の化学修飾ガレクチン 9又は化学修飾ガレクチン 9改変体。
〔6〕ポリマーの分子量が、約 5,000〜40,000であることを特徴とする上記〔1〕〜〔5〕の いずれか一に記載の化学修飾ガレクチン 9又は化学修飾ガレクチン 9改変体。
〔7〕 mPEG_SPA又は mPEG2-NHSを、ガレクチン 9及びガレクチン 9改変体からなる群 力 選択されたものと反応させて得られたものであることを特徴とする上記〔1〕〜〔6〕 のいずれか一に記載の化学修飾ガレクチン 9又は化学修飾ガレクチン 9改変体。 〔8〕ガレクチン 9及びガレクチン 9改変体からなる群から選択されたものとして G9NC(n ull)を使用していることを特徴とする上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一に記載の化学修飾
ガレクチン 9又は化学修飾ガレクチン 9改変体。
〔9〕ガレクチン 9及びガレクチン 9改変体からなる群から選択されたものとポリマーとが 共有結合を介して結合しているガレクチン 9-ポリマーコンジュゲートである化学修飾 ガレクチン 9又は化学修飾ガレクチン 9改変体を含有していることを特徴とする医薬。 〔10〕ガレクチン 9及びガレクチン 9改変体からなる群から選択されたものとポリマーとの コンジュゲートの位置異性体混合物を含有してレ、ることを特徴とする上記〔9〕に記載 の医薬。
〔11〕抗腫瘍剤 (抗ガン剤)、抗アレルギー剤、免疫抑制剤、自己免疫疾患用剤、抗 炎症剤及び副腎皮質ステロイドホルモン代替用剤からなる群から選択されたものであ ることを特徴とする上記〔9〕又は〔10〕に記載の医薬。
〔12〕ガレクチン 9及びガレクチン 9改変体からなる群から選択されたものと PEG化試薬 とを共有結合が形成されてタンパク質が PEG化される条件下に反応させ、 PEG化ガレ クチン 9コンジュゲートを形成させることを特徴とする化学修飾ガレクチン 9又は化学修 飾ガレクチン 9改変体の製造法。
〔13〕 PEG化試薬が、カルボニルォキシ -N-ジカルボキシイミド体であることを特徴とす る上記〔12〕に記載の化学修飾ガレクチン 9又は化学修飾ガレクチン 9改変体の製造 法。
〔14〕 PEG化試薬力 mPEG-SPA又は mPEG2_NHSであることを特徴とする上記〔12〕 又は〔13〕に記載の化学修飾ガレクチン 9又は化学修飾ガレクチン 9改変体の製造法
発明の効果
本発明で得られた化学修飾ガレクチン 9又はその改変体、すなわち、ガレクチン 9 _ ポリマーコンジュゲートは、より有用な可溶性と血中消失半減期延長を与え、腫瘍細 胞、特には悪性腫瘍細胞に対してより増強された細胞傷害(障害)活性を示し、赤血 球凝集作用の消失という副作用の低減が達成できるものであり、優れた生体内分布 を図ることも可能と考えられる。したがって、ガレクチン 9 ポリマーコンジュゲートは、 医薬並びに生理活性物質として有用で且つ優れている。
本発明のその他の目的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載より当
業者にとっては明白であろう。し力しながら、以下の記載及び具体的な実施例等の記 載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明のた めにのみ示されているものであることを理解されたい。本明細書に開示した本発明の 意図及び範囲内で、種々の変化及び Z又は改変(あるいは修飾)をなすことは、以 下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易に明ら かであろう。本明細書で引用されている全ての特許文献及び参考文献は、説明の目 的で引用されているもので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに含めて 角军釈されるべきものである。
発明を実施するための最良の形態
[0008] 本発明では、ガレクチン 9 ポリマーコンジュゲートにおけるガレクチン 9部分は、「ガ レクチン 9」 (galectin 9: Gal9)に由来するもので、当該ガレクチン 9には、例えば、 L型 ガレクチン- 9(Gal9L)、 M型ガレクチン- 9(Gal9M)、 S型ガレクチン- 9(Gal9S)、さらには それらのガレクチン 9のアミノ酸配列を改変したガレクチン 9改変体、例えば、安定化 ガレクチン 9 (例えば、 G9NC (皿 11》などが含まれていてよい。ガレクチン 9は、各種の 起源から調製又は単離 ·精製されたものであることができ、例えば、 Gal9産生能を有 するヒトの白血球や培養株化細胞力 産生される天然型ガレクチン 9 (native Gal9 or naturally-occurring Gal9)、及び、前記白血球や特定の培養株化細胞由来の Gal9を コードする遺伝子を遺伝子組換え技術により動物細胞や大腸菌などの微生物に組 み込んで得られる組換え型ガレクチン 9 (recombinant galectin 9: rGal9)などを意味し 、その何れも有利に用いることができる。トランスジヱニック動物などから得られるもの であってもよレ、。当該トランスジヱニック動物としては、マウス、ラット、ゥサギ、ゥシ、ブ タ、ャギ、ヒッジなどが含まれてよレ、。当該 Gal9として、 2種以上のガレクチン 9混合物 を用いることも可能である。当該 Gal9は、抗原性の面から見て、ヒト Gal9 (hGal9)が有 利に使用できる。
[0009] 本明細書中、「ガレクチン 9」(galectin 9: Gal9)としては典型的には天然型 Gal9が挙 げられる。天然型 Gal9としては、現在、ロングタイプ(L型)ガレクチン 9(galectin 9 long isoform or long type galectin 9: Gal9L)、ミディアムタイプ (M型)ガレクチン 9(galectin 9 medium isoform or medium type galectin 9: Gal9M)及びショートタイプ (S型)ガレク
チン 9(galectin 9 short isoform or short type galectin 9: Gal9S)が幸告されているが、 Gal9Lは WO 02/37114 A1に開示の配列番号 4の推定リンクペプチド領域により N端 ドメイン (N末端側糖鎖認識部位、 N-terminal carbohydrate recognition domain: NCR D)と C端ドメイン (C末端側糖鎖認識部位、 C-terminal carbohydrate recognition domai n: CCRD)とが連結されたもの、 Gal9Mは該 WO 02/37114 Alの配列番号 5の推定リン クペプチド領域により NCRDと CCRDとが連結されたもの、そして Gal9Sは該 WO 02/37 114 A1の配列番号 6の推定リンクペプチド領域により NCRDと CCRDとが連結された ものであると考えられており、 Gal9Mでは Gal9Lの当該リンクペプチド領域より該 W〇 0 2/37114 Alの配列番号 7の配列のアミノ酸残基が欠失している点で Gal9Lと異なるこ と、そして Gal9Sでは Gal9Mの当該リンクペプチド領域より該 WO 02/37114 A1の配列 番号 8の配列のアミノ酸残基が欠失している点で Gal9Mと異なること、すなわち Gal9S では Gal9L推定リンクペプチド領域より該 WO 02/37114 Alの配列番号 9のアミノ酸 残基が欠失している点で L型ガレクチン 9と異なる。ところで、 Gal9Lのアミノ酸配歹 IJは 、 WO 02/37114 A1に開示の配列番号 1に、 Gal9Mのアミノ酸配列は、 WO 02/37114 A1に開示の配列番号 2に、そして Gal9Sのアミノ酸配列は、 WO 02/37114 A1に開示 の配列番号 3に、それぞれその典型的な配列のものが示されている。
本明細書において、ガレクチン 9としては、上記 Gal9L、 Gal9M及び Gal9S、その他、 それらガレクチン 9ファミリーの天然に生ずる変異体、さらにそれらに人工的な変異( すなわち、一個または数個といった一個以上のアミノ酸残基において、欠失、付加、 修飾、挿入など)を施したものあるいはそれらの一部のドメインや一部のペプチドフラ グメントを含むものを意味してよい。 WO 2004/064857 (2004.08.05)、 J. Biol. Chem" 275 (12): pp. 8355-8360 (2000)に開示のものはすべて含まれてよレ、。当該ガレクチン 9には、天然のガレクチン 9バリアント、さらに PCT/JP 2005/006580 (出願日 2005.03.2 9)に開示の「ガレクチン 9改変体」、「ガレクチン 9改変体ポリペプチド」、さらには「ガレ クチン 9改変体治療剤」はすべて含まれてよい。特に好ましいものとしては、 PCT/JP 2 005/006580 (出願日 2005.03.29)の実施例lで製造取得されてぃるG9NC(null)〔PCT /JP 2005/006580(出願日 2005.03.29)の配列番号 1で示される塩基配列によりコード され、配列番号 2で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド〕が挙げられる。「ガレ
クチン 9改変体」又は「ガレクチン 9改変体ポリペプチド」のうちには、天然型ガレクチン 9に比して、より安定化された性状を示すものが得られることが認識されており、そうし たものは本明細書において、「安定化ガレクチン 9」と称されてもいる。該安定化ガレク チン 9の代表的なものとしては、上記した G9NC(null)が挙げられる力 これに限定され るものではなぐ同様な性状を示すものはそれに含まれてよい。
本発明の治療及び Z又は予防剤並びにその治療及び/又は予防法は、 WO 2004 /064857 (2004.08.05)や、 PCT/JP 2005/006580 (出願日 2005.03.29)の開示に準じて それを実施でき、それらの中にある記載はそれを参照することにより本明細書の開示 に含められる。
図面の簡単な説明
[図 l]mPEG2-NHS分子量 20,000を用いて PEG化した安定化ガレクチン 9〔mPEG2_N HS(20K)PEG化 G9NC(null)〕についての、 RESOURCE Sカラム(GEヘルスケアバイオ サイエンス (株))を用いたイオン交換クロマトグラフィーにおける蛋白質の溶出パター ンと各画分の SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す。実線は 280 nmに おける吸光度、破線は電気伝導度。
[図 2]PEG化ガレクチン 9改変体 (PEG化安定化ガレクチン 9)のヒト前立腺ガン由来細 胞株 PC-3に対する増殖抑制活性を調べた結果を示す。 G9Null: G9NC(null), G9Null -PEG-5K-SE2: mPEG_SPA分子量 5,000を用いて PEG化した安定化ガレクチン 9(G9 NC(null))の SE2画分, G9NuU- PEG-10K- SE2: mPEG2- NHS分子量 10,000を用ぃて EG化した安定化ガレクチン 9(G9NC(null))の SE2画分
[図 3]PEG化ガレクチン 9改変体 (PEG化安定化ガレクチン 9)のヒト前立腺ガン由来細 胞株 PC-3に対する増殖抑制活性を調べた結果を示す。 G9Null: G9NC(null), G9Null -PEG-20K-SE2: mPEG2_NHS分子量 20,000を用いて PEG化した安定化ガレクチン 9( G9NC(null》の SE2画分, G9Nul卜 PEG- 40K-SE2: mPEG2_NHS分子量 40,000を用レヽ て PEG化した安定化ガレクチン 9(G9NC(null))の SE2画分
[図 4]PEG化ガレクチン 9改変体 (PEG化安定化ガレクチン 9)のヒト前立腺ガン由来細 胞株 PC-3に対する増殖抑制活性を調べた結果を示す。 G9Null-PEG-5K-SE2: mPE G-SPA分子量 5,000を用いて PEG化した安定化ガレクチン 9(G9NC (皿 11》の SE2画分,
G9Nul卜 PEG-5K-SE1: mPEG-SPA分子量 5,000を用いて PEG化した安定化ガレクチ ン 9(G9NC(null))の SE1画分, G9NuU-PEG_10K_SE2: mPEG2-NHS分子量10,000を 用いて PEG化した安定化ガレクチン 9(G9NC (皿 11》の SE2画分, G9NuU-PEG-10K_SE 1: mPEG2-NHS分子量 10,000を用ぃて?60化した安定化ガレクチン9(〇9^^(111111))の SE1画分
[図 5]PEG化ガレクチン 9改変体 (PEG化安定化ガレクチン 9)のヒト前立腺ガン由来細 胞株 PC-3に対する増殖抑制活性を調べた結果を示す。 G9Null-PEG-20K-SE2: mP EG2-NHS分子量 20,000を用ぃてPEG化した安定化ガレクチン9(G9NC(null))のSE2画 分, G9Nul卜 PEG-20K-SE1: mPEG2-NHS分子量20,000を用ぃてPEG化した安定化 ガレクチン 9(G9NC(null))の SE1画分, G9Nul卜 PEG-40K- SE2: mPEG2- NHS分子量 40 ,000を用いて PEG化した安定化ガレクチン 9(G9NC(null》の SE2画分, G9NuU_PEG- 4 0K-SE2: mPEG2-NHS分子量 40,000を用ぃてPEG化した安定化ガレクチン9(G9NC(n ull))の SE1画分
[図 6]PEG化安定化ガレクチン 9のゥサギ赤血球およびヒト赤血球に対する血球凝集 活性を測定した結果を示す。
[図 7]PEG化安定化ガレクチン 9のラット CIAモデルに対する治療活性を調べた結果を 示す。
本発明では、「遺伝子組換え技術」を利用して所定の核酸 (ポリヌクレオチド)や所 定のペプチド(ポリペプチド)を構築したり取得すること、また単離 ·配列決定したり、 組換え体を作製したりできる。本明細書中使用できる遺伝子組換え技術 (組換え DN A技術を含む)としては、当該分野で知られたものが挙げられ、例えば J. Sambrook et al, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd edition (1989) & 3rd edition (20 01) , Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York; D. M. Glover et al. ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1 to 4, (The Practical Approach Ser ies), IRL Press, Oxford University Press (1995);日本生化学会編、「続生化学実験講 座 1、遺伝子研究法 II」、東京化学同人(1986);日本生化学会編、「新生化学実験講 座 2、核酸 III (組換え DNA技術)」、東京化学同人 (1992); M. J. Gait (Ed), Oligonuc leotiae Synthesis, IRL Press (1984); B. D. Hames and S. J. Higgins (Ed), Nucleic Ac
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含められる) 〔以下、これら全てを「遺伝子組換え技術」という)。
本発明のガレクチン 9ポリペプチド、あるいはガレクチン 9改変体ポリペプチドを製造 するためには広範な単細胞および多細胞発現系(すなわち宿主一発現ベクターの 組み合わせ)を使用しうる。可能なタイプの宿主細胞には細菌、酵母、昆虫、哺乳動 物、植物などが含まれるが、これらに限定されない。大腸菌の場合、例えば大腸菌 K1 2株あるいは B株に由来するものなどを挙げることができ、例えば、 NM533, XLl-Blue, C600, DH1, DH5, DH11S, DH12S, DH5ひ, DH10B, HB101, MC1061, JM109, ST BL2, B834株由来としては、 BL21(DE3)pLysSなどが挙げられ、それに適した発現べク ターを選択して使用できる。酵母菌として、パン酵母、分裂酵母などが含まれてよぐ ί列 は、サッカロミセス (Saccharomyces)属、シンサッカロミセス (Schizosaccharomyces) 属、ピキア (Pichia)属菌などである。より具体的には、サッカロミセス.セレビッシェ (Sac charomyces cerevisiae八ンゾサッカロ セス'ポンべ (Schizosaccharomyces pombe)、ヒ キア'パストリス (Pichia pastoris)などを挙げることができ、それに適した発現ベクターを 選択して使用できる。代表的な発現ベクターとしては、例えば、 pBR322、 pUC18, pU C19, pUC118, pUC119, pSP64, pSP65, pTZ-18R/-18U, pTZ_19R/- 19U, pGEM-3, pGEM-4, pGEM-3Z, pGEM-4Z, pGEM-5Zf(-), pGEMEX-l(Promega), pBC KS (Str atagene), pBC SK (Stratagene), pBluescript SK (Stratagene), pBluescript II SK ( Stratagene社), Bluescript II KS (Stratagene), pBS (Stratagene), pAS, pKK223~3( Amersham Pharmacia Biotech), pMC1403, pMC931, pKC30, pRSET-B (Invitrogen), pSE280(Invitrogen), pBTrp2(Boehringer Mannheim), pBTac 1 (Boehringer Mannheim) , pBTac2(Roche社), GEX(Amersham Biosciences), pQE series(QIAGEN), pET Exp ression System (Novagen), YEP13 (ATCC37115)、 YEp24 (ATCC37051)、 YCp50 (A TCし 37419)、 pHS19、 pHS15、さ bには、 invitrogen vectors for Mammalian Expressio n (例えば、 BsdCassette Vectors, Epitope- Tagged pcDNA Vectors, Eukaryotic TA Expression Kit, Flp-In Expression Vectors and Kits, Flp-In -REx Expres sion Vectors, Free Style 293 Expression System, GeneSwitch System, pBCl Milk Expression Vector Kit, pBudCE4.1, pcDNA Gateway Vectors, pcDNA 3.1 Dir ectional TOPO Expression Kit, pcDNA 1-E Echo Expression Vector Kit, pc
DNA 3.1/V5- His TOPO Expression Kit, pcDNA 4/HisMax and pcDNA 4/His Max TOPO™ TA Expression Kit, pcDNA™4/TO_E Echo™ Vector Expression Kit, pcDNA™6 BioEase™ Gateway™ Biotinylation System, pcDNA/V5— GW/D—TOPO™ Vectors, pCEP4 and pREP4, pDisplay™ Vector, pEF6/V5_His TOPO™ TA Expres sion Kit, pFRT/lacZeo and pFRT/lacZeo2, pSecTag2 and pSecTag2/Hygro, pShoot er™ Vectors, pVAX™200- DEST Vector System, pVAXl, pZeoSV2, T-REx™ Gatew ay Vectors, T-REx System, Tag-On-Demand™ Technology, Untagged pcDNAT M Vectors, Vivid Colors™ pcDNA™ 6.2 Fluorescent Protein Gateway™ Destination Vectors, ZeoCassette™ Vectorsなど), Clontech vectors (例えば、 Adenoviral Expres sion Vectors, Creator System Vectors, IRES Bicistronic Expression Vectors, Livin g Colors Fluorescent Protein Vectors, MATCHMARJER Vectors, Retroviral Expr ession Vectors, Signal Transduction Vectors, Tet Expression System Vectors, BacP ak Baculovirus Expression Vectors, HAT Protein Expression System Vectorsなど), HaloTag™ pHT2 Vector, pACT Vectors, pBIND Vectors, pCAT™3 Vectors, pCI V ectors, phRG Vectors, phRL Vectors (Promega Corp.), Novagen vectors for protein expression (列えば、 TriEX Multisystem Expression Vectors, pBiEX Multisyste m Expression Vectors, pTandem —1 Vector, pTK-neo DNAなど)など力 s挙げられる 力 その他当該分野で知られていたり、市販されているものも適宜選択して使用でき る。
細胞 (培養細胞を含む)、培養上清、あるいは抽出液中に含まれる目的生成物は、 自体公知の分離 ·精製法を適切に組み合わせてその精製を行なうことができ、例え ば硫酸アンモニゥム沈殿法などの塩析、セフアデックスなどによるゲルろ過法、例え ばジェチルアミノエチル基あるいはカルボキシメチル基などを持つ担体などを用いた イオン交換クロマトグラフィー法、例えばブチル基、ォクチル基、フエニル基など疎水 性基を持つ担体などを用いた疎水性クロマトグラフィー法、色素ゲルクロマトグラフィ 一法、電気泳動法、透析、限外ろ過法、ァフィ二ティー'クロマトグラフィー法、高速液 体クロマトグラフィー法などにより精製して得ることができる。好ましくは、ポリアクリルァ ミドゲル電気泳動、リガンドなどを固定化したァフィ二ティー'クロマトグラフィーなどで
処理し精製分離処理できる。該リガンドとしては、特異的認識をするモノクローナル抗 体を含めた抗体又はそのフラグメント、レクチン、糖、結合ペア一の一方などが挙げら れる。例えば、ィムノ'ァフィ二ティー'クロマトグラフィー、ゼラチン一ァガロース'ァフィ 二ティ^ ~ ·クロマトグラフィー、へパリン一ァガロース'クロマトグラフィー、ラタトース一ァ ガロース'クロマトグラフィーなどを含めた _ガラクトシドがリガンドとして固定されてい るァガロースなどの担体を使用するクロマトグラフィーなどが挙げられる。特には遺伝 子組換え技術を利用し、融合タンパク質あるいは融合ポリペプチドとして産生せしめ 、融合部 (タグ)を利用して、それに対する抗体などの特異的結合リガンドを利用して 、ァフィ二ティー ·クロマトグラフィーなどで簡便に精製できる。
ガレクチン 9、及びその改変体は、化学合成されたものであってよレ、。例えば、タン パク質及びその一部のペプチドの合成には、当該ペプチド合成分野で知られた方法 、例えば液相合成法、固相合成法などの化学合成法を使用することができる。こうし た方法では、例えばタンパク質あるいはペプチド合成用樹脂を用い、適当に保護し たアミノ酸を、それ自体公知の各種縮合方法により所望のアミノ酸配列に順次該樹脂 上で結合させていく。縮合反応には、好ましくはそれ自体公知の各種活性化試薬を 用いる力 そうした試薬としては、例えばジシクロへキシルカルポジイミドなどカルポジ イミド類を好ましく使用できる。生成物が保護基を有する場合には、適宜保護基を除 去することにより目的のものを得ることができる。同様に、ガレクチン 9、及びその改変 体からなる群から選択されたものをコードする核酸は、化学合成されたものであってよ レ、。 ί列えば、フォスフォトリエステノレ法、フォスフォジエステノレ法、フォスファイト法、フォ スフオアミダイト法、フォスフォネート法などの方法により化学合成されることができる。 通常合成は、修飾された固体支持体上で合成を便利に行うことができることが知られ ており、例えば、 自動化された合成装置を用いて行うことができ、該装置は市販され ている。ガレクチン 9、及びその改変体からなる群から選択されたものをコードする核 酸の配列内には、例えば、選択した宿主細胞で好適に発現するに適した修飾された コドン (例えば、コドンの置換)を含むようにしてあってよいし、制限酵素部位が設けら れていても良いし、 目的とする遺伝子の発現を容易にするための発現制御配列、調 節配列など、 目的とする遺伝子を操作するのに適した、リンカ一、アダプターなど、さ
らには抗生物質耐性などを制御したり、栄養要求性'代謝を制御したり、選別'検知 などに有用な配列などを含む、便利又は有用な修飾が施されていても良い。本発明 のコンジュゲートのためのガレクチン 9の調製法は本明細書で記載されたものに限定 されない。
本発明で、ガレクチン 9 _ポリマーコンジュゲートにおけるポリマー部分は、「水溶性 ポリマー」に由来するもので、当該ポリマー部分を与えるポリマーとしては、例えば、 ポリアルキレンォキシド、リン脂質ポリマー、ポリビニノレピロリドン、デキストランなどの 多糖類などが挙げられる。ポリマーとしては、室温で水溶性のものが広く知られており 、それから選択できる力 例えば、代表的なものとしては、ポリアルキレンォキシドホモ ポリマー、ポリオキシエチレン化ポリオール、これらのコポリマー、及びこれらのブロッ クコポリマーなどが挙げられる。ポリアルキレンォキシドは、ポリエチレングリコール (PE G)、ポリプロピレングリコールなどが包含されてよレ、。 PEGコポリマーとしては、分岐さ れていないもの、例えば、直鎖状のものを好ましく使用することができ、また、置換さ れてレヽなレ、ものが好適であるが、その一つの末端がアルキル基で置換されてレ、るも のも好適である。当該末端に存在するアルキル基としては、 C〜Cアルキル基であつ
1 5
てよぐ好適には c〜cアルキル基であってよぐさらにはメチル基が好ましい。
1 3
ポリオキシエチレン化ポリオールとしては、ポリオキシエチレン化グリセロール、ポリ ォキシエチレン化ソルビトール、ポリオキシエチレン化グルコースなどが包含されてよ レ、。ポリオキシエチレン化グリセロールにおけるポリオキシエチレン化 (PEG化: PEGyl ation)は、例えば、モノ PEGィ匕、ジ PEGィ匕、及びトリ PEG化を包含するものであってよい 好ましいポリマーとしては、非置換の PEGホモポリマー、末端にモノメチル置換され ている PEGホモポリマー(メトキシポリエチレングリコーノレ: mPEG)、 PEGィ匕グリセロー ルなどが挙げられ、最も好ましくは mPEGが挙げられる。
ポリマーは所定の目的が得られる限りある特定の分子量を有するものに制限される ということはないが、代表的には数平均分子量が約 200〜100,000のものを通常選択 することができ、約 500〜90,000のもの、約1,000〜80,000のもの、約 2,000〜70,000の もの、約 3,000〜60,000のもの、約 4,000〜50,000のもの、約 4,500〜45,000のもの、約
5,000〜40,000のものを選択できる。また、ポリマーは、 mPEGの場合、例えば、数平 均分子量が約 2,500〜7,500のもの、さらには約 4,000〜6,000のもの、別の場合では、 約 8,000〜15,000のもの、さらには約 9,000〜12,000のもの、さらに別の目的の場合で は、約 15,000〜25,000のもの、さらには約 18,000〜22,000のもの、さらに別の例では、 約 25,000〜50,000のもの、さらには約 30,000〜45,000のものを選択できる。
[0017] 当該ポリマー部分とタンパク質であるガレクチン 9との間は直接の共有結合を介した もの、あるいはカップリング剤あるいはリンカ一に由来するもの、又は、ガレクチン 9 _ ポリマー間の相互関係を適切にするためのものである、スぺーサー (又はスぺーサー アーム)を介したものであってよぐ当該スぺーサ一としては、該ポリマー部分とガレク チン 9部分間に共有結合が存在して連結しているようにしているものが挙げられる。該 ポリマー部分とガレクチン 9部分間の結合には、炭素—炭素間結合、炭素—酸素間 結合、炭素一硫黄間結合、炭素一窒素間結合、及び硫黄一硫黄間結合などからな る群から選択されたものが含まれていてよぐ例えば、エステル結合 (_CO-0-)、チォ エステル結合、アミド結合 (_NH-CO-)、エーテル結合、チォエーテル結合、ジスルフ イド結合 (-S-S -)、ウレタン結合 (-0-CO-NH-)などからなる群から選択されたものを有 しているものであることができる。
mPEGなどのポリマーとガレクチン 9とを結合せしめてコンジュゲートを形成するため には、通常は、ポリマーの水酸基の一つ(例えば、 mPEGなどでは末端の水酸基の一 つ)は、コンジユゲーシヨンが可能となるように反応性の官能基に変えられる。この変 換工程は、多くの場合、活性化と称される。そして、当該活性化処理して得られた生 成物は、活性化ポリマーあるいは官能基化されたポリマーといわれる。別の手法では 、ポリマーの水酸基の一つ(例えば、 mPEGなどでは末端の水酸基の一つ)は、ァミノ 基あるいはスルフヒドリ基 (HS-基)に置き換えられた後、活性化処理に付されて、対応 する活性化ポリマーとされていてよい。また、活性化された PEGは、当該分野では、 P EG化剤又は PEG化試薬といわれる。
[0018] タンパク質に存在するリジン残基の ε -アミノ基ゃ Ν末端アミノ基といった窒素原子 の所で活性化されたポリマーに対する結合が起こるようにするためには、当該タンパ ク質窒素原子部と反応する基、すなわち、ポリマー側の活性化されている基 (官能基)
としては、好適にはスクシンィミジルォキシカルボニル基などの末端カルボ二ルォキ シ -N -ジカルボキシイミド基などが好適に使用される。該 N-ジカルボキシイミド基とし ては、 N-スクシンイミド基、 N-フタルイミド基、 N-グルタルイミド基、 N-テトラヒドロフタ ノレイミド基、 N-5-ノルボルネン -2,3 -ジカルボキシイミド基などが包含されてよレ、が、 N -スクシンイミド基を好適に使用できる。該末端カルボニルォキシ -N-ジカルボキシイミ ド基を形成するには、様々な手法が知られている力 例えば、カルボニルハロゲン化 物又はカルボ二ルォキシスルホニル化合物と、 N -ヒドロキシスクシンイミドなどの N-ヒ ドロキシジカルボキシイミドとを反応させるなどの手法により得られる。 N-ヒドロキシジ カルボキシイミドとしては、 N-ヒドロキシスクシンイミド、 N-ヒドロキシフタルイミド、 N -ヒド ロキシグルタルイミド、 N-ヒドロキシテトラヒドロフタルイミド、 N -ヒドロキシ -5-ノルボルネ ン -2,3-ジカルボキシイミドなどが挙げられる。
上記したタンパク質窒素原子部と反応するポリマー側の活性化されてレ、る基 (官能 基)(例えば、末端カルボニルォキシ -N-ジカルボキシイミド基)とポリマーの主要骨格 (例えば、ポリマーが PEGや mPEGなどの場合〔- CH -CH _0_〕の繰返し構造部分あ るいは〔- CH -CH -0-〕の繰返し構造部に隣接して存在する末端部の〔- CH -CH -
NH -〕部)との間には、例えば、上記カルボニルハロゲン化物又はカルボニルォキシ スルホニル化合物などに存在する当該活性化されたカルボン酸残基部を与えるよう に、該ポリマーはカップリング剤で処理されていたり、あるいは当該カップリング剤で の処理に便利なように及び/又はガレクチン 9 ポリマー間の相互関係を適切にする ために修飾されていてよぐそして、それに由来するスぺーサ一部が存在していてよ レ、。ポリマーの主要骨格とガレクチン 9との間に存在するものは、スぺーサ一又はスぺ ーサーアームと称することができ、当該スぺーサ一は、窒素原子、酸素原子、硫黄原 子などを有していてもよい飽和又は不飽和の炭化水素基であってよぐそれは直鎖 状あるいは分岐鎖状のいずれであってもよぐ二価の結合手を提供するもの、三価の 結合手を提供するもの、あるいはそれ以上の結合手を提供するものなどが挙げられ る。スぺーサ一は、タンパク質修飾の分野で当業者に知られたものあるいはそれの修 飾誘導体などから選択してよぐ適宜適切なものを選択できる。典型的なスぺーサー は、メチレン鎖の連結したものなど、リジンなどのアミノ酸力 誘導されたもの、ジぺプ
チドなどのオリゴペプチドから誘導されたもの、無水コハク酸、無水ダルタル酸などの 二官能性カルボン酸無水物などから誘導されたもの、ヒドロキシ酪酸などのヒドロキシ カルボン酸力ら誘導されたものなどが挙げられ、例えば、 -0-CH CH -CO-、 -0-CH
-CH(CH )— CO—、 (-NH-CO-O-CH ) CH―、 -O-CH _CO_、 -O-CO-NH-CH -CH
-CO-, -O-CO-NH-CH -CH(CH )— CO_、 -O-CO-NH-CH -CH -CH -CH _CH(C
〇_)— CO_、 -NH-CO-O-CH CH _CO_、 -NH-CO-O-CH _CH(CH )— CO_、(_NH— C
0-O-CH ) CH-O-CH CH CH _C〇_、 -O-CH -CH -NH-CO-O-CH CH _C〇_、 (-
O-CH -CH -NH-CO-O-CH ) CH-O-CH CH CH—CO-など(ここで、ポリマー側に 存在する _0 -あるいは- NH-は、理解を容易にするため表示されてレ、る)が挙げられ る。
カップリング剤としては、当該分野で知られたもの、特にはタンパク質修飾に利用す ることが知られたものなどが挙げられ、リンカ一として知られたものも包含されてよぐ 例えばホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、へキサメチレンジイソシァネート、へキ サメチレンジイソチオシァネート、 Ν,Ν'-ポリメチレンビスョードアセトアミド、 Ν,Ν'-ェチ レンビスマレイミド、エチレングリコールビススクシ二ミジルスクシネート、ビスジァゾベ ンジジン、 1-ェチル -3-(3_ジメチルァミノプロピル)カルボジイミド、スクシンィミジル 3 -(2-ピリジルジチォ)プロピオネート (SPDP)、 N-スクシンィミジル 4-(N-マレイミドメチ ル)シクロへキサン- 1-カルボキシレート (SMCC)、 N-スルホスクシンィミジル 4-(N-マ レイミドメチル)シクロへキサン- 1-カルボキシレート、 N-スクシンィミジル(4-ョードアセ チル)ァミノべンゾエート、 N-スクシンィミジル 4-(1-マレイミドフエ二ル)ブチレート、 Ν-( ε -マレイミドカプロィルォキシ)コハク酸イミド (EMCS),イミノチオラン、 S-ァセチル メルカプトコハク酸無水物、メチル -3-(4'_ジチォピリジル)プロピオンイミデート、メチ ル -4-メルカプトブチリルイミデート、メチル -3-メルカプトプロピオンイミデート、 N -スク シンィミジル _S_ァセチルメルカプトアセテートなどが挙げられる。
PEG化剤又は PEG化試薬としては、各種のものが当該分野で知られており、それら の中から選択して使用できる力 市販のものを使用するのが便利であり、例えば、 NE KTAR, San Carlos, CA, USAなど力、ら入手できるものを使用できる。該市販の PEGィ匕 試薬としては、例えば、 mPEG -スクシンィミジルプロピオネート (mPEG_SPA)、分岐型 P
EG N-ヒドロキシスクシンイミド (mPEG2-NHS)などを挙げることができる力 S、それに限 定されるものではなレ、。代表的な PEG化試薬につき、その化学構造のいくつかを次 に示す。
[化 2]
mPEG2-NHS
[化 3]
[化 4]
[化 5]
[化 6]
H
3C-(-OCH,CH
2)-NH-C-0 -
ガレクチン 9をポリマーと結合せしめる、すなわち、コンジュゲートを形成する反応は 、コンジユゲーシヨン又はコンジュゲート化(又はコンジユゲーシヨン反応)と称される。 そして、ポリマー力 SPEGの場合、このコンジユゲーシヨンは PEG化 (PEGylation)又は PE G化反応と呼ばれる。一般的には、本反応は水性溶媒中で行うことができるが、水性 環境中担体に付着させた状態で行うこともできる。当該担体としては、タンパク質の単 離精製において使用されるものの中から適当なものを適宜選択して使用できるが、 例えば、ァフィ二ティー'クロマトグラフィー用担体の中から選択して使用できる。代表 的な担体としては、糖鎖などのリガンドを有している担体などが挙げられ、例えば、ラ
クトースァガロースなど ;3 -ガラタトシドがリガンドとして固定されているァガロースなど の担体が挙げられる。
本発明のコンジユゲーシヨン反応では、好ましくは、ガレクチン 9の生物活性に重要 な部位のリジン残基に存在するアミノ基を修飾することを避けるようにして行うことを包 含している。また、ガレクチン 9の生理活性に重要な部位のリジン残基に存在するアミ ノ基を修飾することを避けるようにして行うことを包含しているものであってよいし、そ れが好ましい場合がある。
本コンジユゲーシヨンは、ガレクチン 9改変体〔本明細書では、安定化されたヒトガレ クチン 9であることから、「安定化ガレクチン 9」と称されることもある力 代表的なものは 、 WO2005/093064(公開日: 2005年 10月 06日)に開示されているもので、具体例として は、 W〇2005/093064(公開日:2005年 10月 06日)の配列表の配列番号 2で示されるァ ミノ酸配列を有するもので、 G9NC(null)と略記されるものが挙げられる〕に関しては、 6 個のリジン残基〔WO2005/093064(公開日:2005年 10月 06日)の配列表の配列番号 2 で示されるアミノ酸配列における、 Lys88, Lys95, Lys"1, Lys180, Lys238,そして LyS 259〕並 びに N-末端のアミノ基において生起する可能性があり、 M型ガレクチン 9(Gal9M)につ いても、同様、 6個のリジン残基〔WO 02/037114(公開日: 2002年 5月 10日)の配列表 の配列番号 2で示されるアミノ酸配列における、 Lys88, Lys95, Lys"1, Lys207, Lys265,そ して Lys286〕並びに N-末端のァミノ基にぉレ、て、及び S型ガレクチン 9(Gal9S)につレ、て も、同様、 6個のリジン残基〔WO 02/037114(公開日:2002年 5月 10日)の配列表の配 列番号 3で示されるアミノ酸配列における、 Lys88, Lys95, Lys111, Lys195, Lys253,そして L ys274〕並びに N-末端のアミノ基において生起する可能性があり、さらに、 L型ガレクチ ン 9(Gal9L)に関しては、 7個のリジン残基〔WO 02/037114(公開日:2002年 5月 10日) の配列表の配列番号 1で示されるアミノ酸配列における、 Lys88, Lys95, Lys111, Lys180, Lys239, Lys297,そして LyS 318〕並びに N_末端のアミノ基において生起する可能性があり 、例えば、該リジン残基の 1力所に PEG分子が結合した分子種 (及びそれらの位置異 性体を含んでよい)、該リジン残基の 2力所に PEG分子が結合した分子種 (及びそれら の位置異性体を含んでょレ、)、該リジン残基の 3力所に PEG分子が結合した分子種( 及びそれらの位置異性体を含んでよい)、該リジン残基の 4力所に PEG分子が結合し
た分子種 (及びそれらの位置異性体を含んでょレ、)などを得ることが可能である。好ま しい場合には、該リジン残基の 1力所に PEG分子が結合した分子種、あるいは該リジ ン残基の 2力所に PEG分子が結合した分子種であってよい。
[0024] 本コンジユゲーシヨンでは、ガレクチン 9に対して PEG化試薬などの活性化ポリマー は、その使用量に特には制限は無いが、所要の修飾物、すなわち、コンジュゲートを 得るように選択できる。例えば、典型的な場合では、ガレクチン 9に対して PEG化試薬 は、比較的わずかに少ないモル量から比較的わずかに過剰なモル量までの範囲で 使用されること力 Sできる。ある場合には、ガレクチン 9に対して PEG化試薬は約 0.8〜8 倍のモル過剰量使用できるし、約 1〜8倍のモル過剰量使用できるし、別の場合では 、ガレクチン 9に対して PEG化試薬は約 1.25〜7倍のモル過剰量使用できるし、約 1.7 5〜6倍のモル過剰量使用できる。反応温度は、特には制限はないが、通常、 0〜50 °Cで行うことができる力 好ましくは、約 4〜40°Cで行うことができ、典型的な場合約 4 °Cあるいは室温付近で行うことができ、また、 15〜25°Cで行うことができる。反応時間 は、比較的短時間でよぐ例えば、 30分間〜 3時間、ある場合には、約:!〜 2時間であ る力 これには限定されない。反応は所定時間進行させた後、停止させることが可能 であり、ある場合には好ましい。本反応における水性媒体中の pHは、約 7.0〜約 9.0、 好ましくは約 7.5〜約 8.5であり、好ましくは緩衝溶液中で行われる。当該緩衝溶液に は、リン酸イオン、塩素イオン、重炭酸イオン、炭酸イオンなどから選択されたものが 含まれていてよぐ例えば、 NaCl, KC1, Na PO , K PO , Na HPO , K ΗΡΟ,(ΝΗ ) Η
3 4 3 4 2 4 2 4 4 2
ΡΟ , NaH PO , ΚΗ PO , Na CO , Κ CO , NaHCO , KHCO , ΝΗ CI, (ΝΗ ) CO , ¾
4 2 4 2 4 2 3 2 3 3 3 4 4 2 3 どから選択された塩などを含有してレ、る水溶液などが好適に使用される。好ましレ、緩 衝液系としては、 Na HPO -NaH PO系を利用したものが挙げられる。反応終了後は
2 4 2 4
、別の緩衝液系に交換することができるし、透析、ゲルろ過及び/又はイオン交換ク 口マトグラフィー、さらにはァフィ二ティー'クロマトグラフィーなどにより、共存するィォ ンを変えることも可能である。
[0025] 本コンジユゲーシヨンではガレクチン 9分子上の異なる部位に結合したポリマー鎖を 含んでいるといった不均一な混合物として反応生成物溶液を得たものであってよレ、。 これらコンジュゲートを含有する溶液はそれをそのまま使用しても有用である力 S、分子
量、あるいは、ガレクチン 9分子上のポリマー鎖結合位置の違いなどに基いてコンジ ュゲートを分離'精製処理にかけることも好ましい。本コンジユゲーシヨンで得られた反 応混合物中のガレクチン 9-ポリマーコンジュゲートの特性をカチオン交換クロマトダラ フィ一により行うことができ、例えば、ポリマー鎖がガレクチン 9分子上の 1力所に結合 したもの、また、異なる部位に結合したもの、さらには、ポリマー鎖がガレクチン 9分子 上の 2力所に結合したもの、それの互いに異なる部位に結合したもの、例えば、位置 異性体などを同定することが含まれてよい。本発明においては、ガレクチン 9_ポリマ ーコンジュゲートの位置異性体を含有する混合物、及び Z又は、ポリマー鎖のガレク チン 9分子上の結合数の違う分子種が混ざった混合物、のいずれも、それを利用する ことが可能である。コンジュゲートを含有する溶液のいずれも、少なくとも 2種の位置 異性体を含有する混合物の形態のもの、ある場合には、 3種の位置異性体を含有す る混合物の形態のもの、さらには 4種以上の位置異性体を含有する混合物の形態の ものであってもよい。
本コンジユゲーシヨンで得られた反応生成溶液中に含まれる目的生成物は、自体 公知の分離 ·精製法を適切に組み合わせてその精製を行なうことができ、例えば硫 酸アンモニゥム沈殿法などの塩析、セフアデックスなどによるゲルろ過法、例えばジェ チルアミノエチル基、カルボキシメチル基、 -SO—基などを持つ担体などを用いたィォ
3
ン交換クロマトグラフィー法、例えばブチル基、ォクチル基、フエニル基など疎水性基 を持つ担体などを用いた疎水性クロマトグラフィー法、色素ゲルクロマトグラフィー法 、電気泳動法、透析、限外ろ過法、ァフィ二ティー'クロマトグラフィー法、高速液体ク 口マトグラフィ一法などにより精製して得ることができる。好ましくは、ポリアクリルアミド ゲル電気泳動、リガンドなどを固定化したァフィ二ティー'クロマトグラフィーなどで処 理し精製分離処理できる。該リガンドとしては、特異的認識をするモノクローナル抗体 を含めた抗体又はそのフラグメント、レクチン、糖、結合ペア一の一方などが挙げられ る。例えば、ィムノ'ァフィ二ティー'クロマトグラフィー、ゼラチン一ァガロース'ァフィ二 ティー.クロマトグラフィー、へパリン一ァガロース'クロマトグラフィー、ラタトース一ァガ ロース'クロマトグラフィーなどを含めた β -ガラタトシドがリガンドとして固定されている ァガロースなどの担体を使用するクロマトグラフィーなどが挙げられる。好適には、強
酸性力チオン交換樹脂、強酸性力チオン交換ゲルなどを使用するイオン交換クロマト グラフィーなどにより、所望の画分に分けることもできる。分子のサイズに基いた分離 も可能なゲルろ過クロマトグラフィーを利用するのが有効な場合もあり、さらにァニォ ン交換クロマトグラフィーなどを利用しても有効な場合がある。担体からの目的コンジ ュゲートの溶離には、濃度勾配を利用することも可能である。溶離は、好ましくは水性 媒体を使用するが、例えば、緩衝溶液が好適に使用できる。当該緩衝溶液には、リ ン酸イオン、塩素イオン、重炭酸イオン、炭酸イオンなどから選択されたものが含まれ ていてよぐ例えば、 NaCl, KC1, Na PO , K PO , Na HP〇, K ΗΡΟ , (ΝΗ ) ΗΡ〇, Ν
3 4 3 4 2 4 2 4 4 2 4 aH PO , ΚΗ PO , Na CO , Κ CO , NaHCO , KHCO, ΝΗ CI, (ΝΗ ) CO ,などから
2 4 2 4 2 3 2 3 3 3 4 4 2 3 選択された塩などを含有してレ、る水溶液などが好適に使用される。好ましレ、緩衝液 系としては、 Na HPO -NaH PO系を利用したものが挙げられる。本分画処理におけ
2 4 2 4
る水性媒体中の pHは、生成物に悪影響を及ぼさない限り特には制限はなレ、が、通 常、約 5.0〜約 10.0、好ましくは約 6.0〜約 9.0、より好ましくは約 7.0〜約 8.0である。溶 離の場合の操作温度は、特には制限はないが、通常、 0〜37°Cで行うことができるが 、好ましくは、約 4〜30°Cで行うことができ、典型的な場合約 4°Cあるいは室温付近で 行うことができ、また、約 4〜25°Cで行うことができる。
典型的な場合、カチオン交換ゲルを充填したカラムを常法にてコンジユゲーシヨンし たガレクチン 9溶液とその pHや塩濃度などが同一の緩衝水溶液を使用して平衡化せ しめ、次いで、コンジュゲートを含有する溶液をカラムに吸着せしめる。適宜必要によ り、コンジユゲーションしたガレクチン 9溶液とその pHや塩濃度などが同一の緩衝水溶 液をカラムに流し、未吸着成分を溶出させる。次に、塩濃度を次第に増加させる勾配 を与える溶離緩衝液をカラムに流し、溶出液を分画毎に分けて集める。分離精製に より、得られた分画において本質的に均一な分子量並びに置換度のガレクチン 9-ポ リマーコンジュゲートのものとすることもできる。好適なガレクチン 9_ポリマーコンジュゲ ート分画としては、ガレクチン 9分子あたり:!〜 6本のポリマー鎖〔例えば、 PEG化試薬 に mPEG2-NHSを使用した場合、ガレクチン 9上のアミノ酸残基にあるアミノ基の一つ に結合した場合(1置換の結合)で、ポリマー鎖である mPEGは、 2本導入されたことに なる〕を有するガレクチン 9コンジュゲート分子を含むものであってよいし、ある場合に
は、当該分画は、ガレクチン 9分子あたり:!〜 4本のポリマー鎖を有するガレクチン 9コ ンジュゲート分子を含むものであってよいし、さらには、ガレクチン 9分子あたり:!〜 2 本のポリマー鎖を有するガレクチン 9コンジュゲート分子を含むものであってよいし、ま た、ガレクチン 9分子あたり 1本のポリマー鎖を有するガレクチン 9コンジュゲート分子 を含むものであってよい。
本発明で得られるガレクチン 9_ポリマーコンジュゲートは、活性成分として医薬に有 禾 IJに使用できる。該活性成分として使用する場合、ガレクチン 9-ポリマーコンジュゲ ートは、単独の分子形態にまで分離精製されたものであってもよいし、本質的に均一 な分子量並びに置換度のガレクチン 9_ポリマーコンジュゲートを含有する分画、さら には、治療上均一とされる複数のガレクチン 9_ポリマーコンジュゲート分子種を含有 する混合物の形態のいずれであってもよぐ適宜、 目的並びに作用効果を勘案して 選択使用できる。
本発明の活性成分を医薬として用いる場合、通常単独或いは薬理的に許容される 各種製剤補助剤と混合して、医薬組成物又は医薬調製物などとして投与することが できる。好ましくは、経口投与、局所投与、または非経口投与等の使用に適した製剤 調製物の形態で投与され、 目的に応じていずれの投与形態(吸入法、あるいは直腸 投与も包含される)によってもよレ、。本発明の活性成分はそれぞれを混合物として、 例えば、ガレクチン 9-ポリマーコンジュゲートとネイティブなガレクチン 9との混合物、 ガレクチン 9-ポリマーコンジュゲートとガレクチン- 9改変体との混合物、ガレクチン 9- ポリマーコンジュゲートとガレクチン 9誘導因子との混合物、ガレクチン 9-ポリマーコン ジュゲートとガレクチン 9とガレクチン 9誘導因子との混合物、ネイティブなガレクチン 9 とガレクチン 9_ポリマーコンジュゲートとガレクチン- 9改変体との混合物などにして、 それを使用してもよい。
また、本発明の活性成分は、各種医薬、例えば抗腫瘍剤 (抗ガン剤)、抗生物質、 腫瘍移転阻害剤、血栓形成阻害剤、関節破壊治療剤、鎮痛剤、消炎剤、抗アレルギ 一剤、免疫調節剤及び/又は免疫抑制剤と配合して使用することもでき、それらは、 有利な働きを持つものであれば制限なく使用でき、例えば当該分野で知られたもの の中力ら選択すること力 Sできる。
[0029] 好ましくはヒトを含む哺乳動物に非経口的(例、細胞内、組織内、静脈内、筋肉内、 皮下、皮内、腹腔内、胸腔内、脊髄腔内、点滴法、注腸、経直腸、点耳、点眼や点 鼻、歯、皮膚や粘膜への塗布など)に投与することができる。具体的な製剤調製物の 形態としては、溶液製剤、分散製剤、半固形製剤、粉粒体製剤、成型製剤、浸出製 剤などが挙げられ、例えば、マイクロカプセル剤、坦込剤、粉末剤、散剤、顆粒剤、細 粒剤、注射剤、液剤、エリキシル剤、ェマルジヨン剤、灌注剤、水剤、乳剤、懸濁剤、 エアゾール剤、スプレー剤、吸入剤、噴霧剤、皮膚用水剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤
、塗布剤、輸液剤、注射用液剤などのための粉末剤、凍結乾燥製剤、ゲル調製品等 が挙げられる。
医薬用の組成物は通常の方法に従って製剤化することができる。例えば、適宜必 要に応じて、生理学的に認められる担体、医薬として許容される担体、アジュバント 剤、賦形剤、補形剤、希釈剤、香味剤、香料、甘味剤、べヒクル、防腐剤、安定化剤 、結合剤、 pH調節剤、緩衝剤、界面活性剤、基剤、溶剤、充填剤、増量剤、溶解補 助剤、可溶化剤、等張化剤、乳化剤、懸濁化剤、分散剤、増粘剤、ゲル化剤、硬化 剤、吸収剤、粘着剤、弾性剤、可塑剤、崩壊剤、噴射剤、保存剤、抗酸化剤、遮光 剤、保湿剤、緩和剤、帯電防止剤、無痛化剤などを単独もしくは組合わせて用い、そ れとともに本発明のコンジユゲート等を混和することによって、一般に認められた製剤 実施に要求される単位用量形態にして製造することができる。
[0030] 非経口的使用に適した製剤としては、活性成分と、水もしくはそれ以外の薬学的に 許容し得る媒体との無菌性溶液、または懸濁液剤など、例えば注射剤等が挙げられ る。一般的には、水、食塩水、デキストロース水溶液、その他関連した糖の溶液、エタ ノーノレ、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類が好ましい 注射剤用液体担体として挙げられる。注射剤を調製する際は、蒸留水、リンゲル液、 生理食塩液のような担体、適当な分散化剤または湿化剤及び懸濁化剤などを使用し て当該分野で知られた方法で、溶液、懸濁液、ェマルジヨンのごとき注射しうる形に 調製する。
注射用の水性液としては、例えば生理食塩液、ブドウ糖やその他の補助薬 (例えば 、 D-ソルビトール、 D-マンニトール、塩ィ匕ナトリウムなど)を含む等張液などが挙げら
れ、薬理的に許容される適当な溶解補助剤、たとえばアルコール (たとえばエタノー ルなど)、ポリアルコール(たとえばプロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)
、非イオン性界面活性剤(たとえばポリソルベート 80™, HCO-50など)などと併用して もよレ、。油性液としてはゴマ油、大豆油などが挙げられ、溶解補助剤として安息香酸 ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよレ、。また、緩衝剤(例えば、リン酸 塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)又は浸透圧調節のための試薬、無痛化剤(例 えば、塩化ベンザノレコニゥム、塩酸プロ力インなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブ ミン、ポリエチレングリコールなど)、保存斉 lj (例えば、ベンジルアルコール、フエノール など)、ァスコルビン酸などの酸化防止剤、吸収促進剤などと配合してもよい。調製さ れた注射液は通常、適当なアンプノレに充填される。
[0031] 非経口投与には、界面活性剤及びその他の薬学的に許容される助剤を加えるか、 あるいは加えずに、水、エタノール又は油のような無菌の薬学的に許容される液体中 の溶液あるいは懸濁液の形態に製剤化される。製剤に使用される油性べヒクルある いは溶剤としては、天然あるいは合成あるいは半合成のモノあるいはジあるいはトリグ リセリド類、天然、半合成あるいは合成の油脂類あるいは脂肪酸類が挙げられ、例え ばピーナッツ油、トウモロコシ油、大豆油、ゴマ油などの植物油が挙げられる。例えば 、この注射剤は、通常本発明化合物を 0.1〜10重量%程度含有するように調製される こと力 Sできる。
[0032] 本発明の活性成分は、抗腫瘍剤 (抗ガン剤)、抗アレルギー剤、免疫抑制剤、自己 免疫疾患用剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、副腎皮質ステロイドホルモン代替用剤 などとして有望である。本発明の活性成分は、活性化 T細胞にアポトーシスを誘導す る活性を示し、これを利用した用途に有用である。本発明の活性成分は、免疫調節 剤、抗腫瘍薬、例えば、脳腫瘍 (多型性膠芽腫など)、脊髄腫瘍、上顎洞ガン、瞎液 腺ガン、歯肉ガン、舌ガン、 口唇ガン、上咽頭ガン、中咽頭ガン、下咽頭ガン、喉頭 ガン、甲状腺ガン、副甲状腺ガン、肺ガン、胸膜腫瘍、癌性腹膜炎、癌性胸膜炎、食 道ガン、胃ガン、大腸ガン、胆管ガン、胆嚢ガン、膝臓ガン、肝ガン、腎臓のガン、膀 胱ガン、前立腺ガン、陰茎ガン、精巣腫瘍、副腎のガン、子宮頸ガン、子宮体ガン、 膣ガン、外陰ガン、卵巣ガン、繊毛上皮腫、悪性骨腫瘍、軟部肉腫、乳ガン、皮膚ガ
ン、悪性黒色腫、基底細胞腫、白血病、骨髄化性を伴う骨髄線維症、悪性リンパ腫、 ホジキン病、形質細胞腫、ダリオ一マなどを包含するガンおよび肉腫からなる群から 選択された腫瘍に対する抗腫瘍薬、下記の疾患あるいは病気、又は病的な症状に 対する医薬:
(A)炎症性疾患であり、各臓器でおこる種々の急性および慢性炎症、アレルギー性 および自己免疫性の炎症、感染症等からなる群から選択されたもの;
(B)急性および慢性疾患であり、気管支炎、気管支肺炎、間質性肺炎、肺臓炎、細 気管支炎、急性縦隔炎を含む肺の疾患、心外膜炎、心内膜炎、心筋炎、口内炎、口 角炎、扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎、食道炎、腹膜炎、急性胃炎、慢性胃炎、急性腸炎
、虫垂炎、虚血性大腸炎、薬物性大腸炎、直腸炎を含む肺以外の他の臓器の疾患 、 A型肝炎、 B型肝炎、 C型肝炎、劇症肝炎、急性および慢性肝炎や肝硬変、胆嚢炎 、急性膝炎、慢性陴炎、急性および慢性腎炎、膜性腎炎、糸球体腎炎、 IgA腎症、種 々の膀胱炎、脳髄炎、乳腺炎、皮膚炎、表層角膜炎、乾性角結膜炎、中耳炎や鼻炎 、副鼻腔炎や鼻茸、歯肉炎、歯周炎、歯周囲炎を含む炎症等からなる群から選択さ れたもの;
(C)神経性炎症 (例えば、神経性胃炎、神経性膀胱炎など)、ガンや炎症に伴う痛 みからなる群から選択されたもの;
(D)アレルギー性炎症疾患であり、全身性アナフィラキシー、気管支喘息、過敏性 肺炎、花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、免疫複合体がおこすァレ ルギー性疾患、血管神経性浮腫等からなる群から選択されたもの;
(E) 自己免疫性の炎症(自己免疫疾患)であり、全身性 (慢性関節リウマチ、全身性 エリトマト一デス、結節性多発性動脈炎、強皮症、多発性筋炎 ·皮膚筋炎、シエーグ レン症候群、ベーチェット病など)、神経系(多発性硬化症、重症筋無力症、 HAM (H TLV-1脊髄症)、筋萎縮性側索硬化症など)、内分泌性 (バセドウ病、橋本病、 1型糖 尿病など)、血液(特発性血小板減少性紫斑病、 自己免疫性溶血性貧血、再生不良 性貧血など)、呼吸器 (サルコイドーシス、肺繊維症など)、消化管 (潰瘍性大腸炎、ク ローン病など)、肝臓(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管 炎、自己免疫性胆管炎など)、腎*尿路系 (抗好中球細胞質抗体関連腎炎、血管炎、
Goodpasture症候群、抗糸球体基底膜抗体病など)等からなる群から選択されたもの
(F)感染症であり、病原体が生体の細胞 ·組織 ·臓器を傷害することによって生じる 疾患、あるいはヒトに感染症をもたらす病原体に起因する疾患で病原体が、 1)細菌( スピロヘータ、クラミジァ、リケッチアを含む)、 2)ウィルス、 3)真菌、 4)植物(藻類)、 5) 原虫、 6)寄生虫(吸虫、条虫、線虫)、 7)節足動物からなる群から選択されたもので、 細菌性感染症(コレラ、ペスト、大腸菌感染症など)、スピロヘータ感染症(レブトスピ ラ症など)、クラミジァ感染症 (ォゥム病など)、リケッチア感染症 (発疹チフス、破傷風 など)、ウィルス性感染症(帯状疱疹、ウィルス性出血熱、狂犬病など)、真菌症 (ガン ジダ症、タリプトコッカス症、ァスペルギウス症など)、原虫性疾患(アメーバ一赤痢、 マラリア、トキソプラズマ症など)、寄生虫(吸虫症、線虫症など)、その他、マイコプラ ズマ感染症(マイコプラズマ肺炎など)、ミコバクテリア感染症 (結核、非定型抗酸菌 症など)を含むものから選択されたもの;
(G)皮膚科領域の疾患であり、 i)皮膚感染症、アレルギー性炎症や自己免疫性炎 症を含む皮膚炎症や、乾癬、水疱症、膿疱症、角化、角化異常症など特有の炎症を 有する皮膚疾患、 ii)美容皮膚科関連の障害あるいは老化で、 a)メラニン代篛す調節 (美 白)、 b)毛髪成長 (発毛)の調節、 c)コラーゲン産生調節に関わる皮膚科領域の疾患 ( 老化を含む)から選択されたもの;
(H)生活習慣病であり、高脂血症、動脈硬化症、高血圧、糖尿病などを含むものか ら選択されたもの;
(I)正常細菌叢の維持に関わる異常;
(J)アミロイド一シス、アルツハイマー病、骨粗鬆症、骨折などを含むものから選択さ れたもの;
(K)脳、神経領域における炎症反応、例えば、脳梗塞、心筋梗塞等の虚血性病変 の進展に伴い生じる炎症、統合失調症;
(L)痛風;
(M)骨粗鬆症;又は
(N)間質性肺炎
として、副作用が低減されている(血球凝集活性の抑制を含む)、溶解性が向上して いる、体内動態の改善 (例えば、血中半減期の延長といった作用持続時間の延長な ど)、好ましい生体内分布といった有利な特性を得ることが可能であり、優れている。 明細書及び図面において、用語は、 IUPAC-IUB Commission on Biochemical Norn enclatureによる力、、あるいは当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基 づくものである。
DTT:チオスレィトール (thiothreitol)
PMSF:フエ二ルメチルスルホニルフルオライド (phenylmethylsulfonyl fluoride)
PBS:リン酸塩緩衝塩水溶液又はリン酸塩緩衝生理食塩水 (phosphate-buffered salin e)
以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の 説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの 例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示 する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。本発明で は、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解されるべきで ある。全ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実 施したもの、又は実施することのできるものであり、これは当業者にとり周知で慣用的 なものである。 5K SE2〜40K SE2はそれぞれ分子量 5,000, 10,000, 20,000, 40,000の PEG化試薬で修飾した安定化ガレクチン 9〔ガレクチン 9改変体 G9NC (皿 11)〕を示す。 〔参考例 1〕
以下の実施例で使用のガレクチン 9は、 WO2005/093064(公開日:2005年 10月 06日 )の実施例 1で製造取得されている安定型ガレクチン 9, G9NC(null) [WO2005/093064 (公開日:2005年 10月 06日)の配列番号 1で示される塩基配列によりコードされ、配列 番号 2で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド〕を使用した。
該安定型ガレクチン 9(ガレクチン 9改変体)、すなわち G9NC(null)は次のようにしても 調製できる。
安定型ガレクチン 9 (G9NC(null》の発現誘導は、 pET- G9NC(null)でエレクトロボレ ーシヨン法で形質転換した大腸菌 (BL21(DE3))を 2%(w/v)グルコース及び 100 μ g/ml
アンピシリン含有 2 X YT培地で培養し、 600 nmの吸光度が 0.7に達した時点でイソプ 口ピル- β -D-チォガラタトピラノシドを最終濃度 0.15 mMになるように添加して行った 。 20°Cで 22.5時間培養した後、遠心により菌体を集め、これを- 80°Cで精製まで保存 した。凍結保存した菌体を 10 mM Tris-HCl (pH7.5), 0.5 M NaCl, 1 mM DTT, 1 mM PMSF, 10 mM MgCl , 25 μ g/ml DNase, 0.2 mg/ml卵白リゾチーム中によく懸濁し
2
た後に、最終濃度 1%になるように Triton X-100をカ卩えて 18分間超音波処理した。 18,8 00 X gで 75分間遠心し、得られた上清中の組み換えタンパク質をラタトースァガロー スを用いたァフィ二ティー'クロマトグラフィーで精製した後に、透析によってバッファ 一を PBSに置換した。これを 0.22 μ mの滅菌フィルターを通して沈殿物を除去した後 に、セノレ口ファイン ET-Clean L処理でエンドトキシンを除去し、さらに 0.22 μ mの滅 菌フィルターを通して雑菌及び沈殿物を除去して G9NC(null)の最終標品とした。
[0034] このようにして調製された G9NC(null)はタンパク質ポリアクリルアミド電気泳動で夾 雑バンドを認めず、エンドトキシン量は 0.5 EU/ml以下である。凍結'融解に安定で 、 4°C保存でも半年以上安定に生物活性を保持する。
ガレクチン 9としては、ネイティブな L型ガレクチン 9、 M型ガレクチン 9及び S型ガレ クチン 9を「遺伝子組換え技術」を用レ、、宿主細胞中で発現して得られたリコンビナン ト体を使用してもよい。
実施例 1
[0035] 〔PEG化安定化ガレクチン 9の作製〕
a)組換え宿主である大腸菌から得た細胞上清中の安定化ガレクチン 9〔G9NC(null)〕 を結合したラタトースァガロースゲル 8 mL (ゲノレ 1 mLあたり約 15 mgの安定化ガレクチ ン 9を結合)をカラムに充填し、ゲル体積の 3倍量(24 mL)の 50 mM Na HPO -NaH P
2 4 2
〇 (pH 8.0), 150 mM NaClで洗浄する。洗浄したゲルを組換えガレクチン 9源として使
4
用した。
b) PEG化試薬を 24 mLの 25 mM Na HPO—NaH PO (pH 8.0), 75 mM NaCl, 100 mM
2 4 2 4
lactoseに溶解し、直ちに、上記 a)で得た洗浄したゲルと混合する。 PEG化試薬として 、以下の 4種類を用いた。
[0036] [表 1]
名称 分子量 メーカー名/品番 ゲル 8 mLあたりの使用量 mPEG -SPA 5,000 NEKTAR/2M4M0H01 90 mg
mPEG2 - NHS 10,000 NEKTAR/2Z3Y0L01 180 mg
mPEG2-NHS 20,000 NEKTAR/2Z3Y0P01 360 mg
mPEG2-NHS 40,000 NEKTAR/2Z3Y0T01 720 mg
[0037] mPEG- SPA: methoxy poly(ethylene glycol) succinimidyl propionate
[0038] c)上記各 PEG化試薬と組換えガレクチン 9源のゲルの混合物をコニカルチューブ(日 本べタトン.ディッキンソン (株))に入れ、室温 (20〜22°C)で 1時間撹拌(ローテ一ター 使用)する。
d) PEG化試薬とゲルの混合物をカラムに充填し、流出液 (E1)を集める。 12 mLの TBS( 20mM Tris-HCl, pH7.5, 150 mM NaCl), 200 mM lactoseでゲルを洗浄し、流出液(E 2)を集める。
e) Elと E2を混合し、 1 Lの 20 mM MES-NaOH (pH 6.0)に対して透析する(1回目、 4 時間; 2回目、 12時間; 3回目、 6時間)。 MES: 2-Morpholinoethanesulfonic acid f)透析した液を遠心(15,000 X g、 20分間)し、上清を集める。上清を 0.2 μ mのフィノレ ターで濾過し、濾液を集める。
[0039] 〔PEG化タンパク質のイオン交換クロマトグラフィーによる精製〕
クロマトグラフィーの条件を以下に示す。
a)イオン交換カラム: RESOURCE S (6 mL) (GE Healthcare, 17-1180-01)を使用し、 精製装置は AKTAprime (GE Healthcare)を使用した。上記のステップ d)で得られた 試料の半分を、数回に分けてカラムに流す(5 mLのサンプルループを使用)。
b)カラムを 25 mLの Buffer A (20 mM MES-NaOH (pH 6.0), 20 mM lactose)で洗浄し た後、グラジェントは%Buffer B (20 mM MES-NaOH (pH 6.0), 20 mM lactose, 500 m M NaCl) 0→30 in 300 mL、流速は 5 mL/min、分画量は 6 mL/fractionで溶出する。 c) 1分子の安定化ガレクチン 9あたり複数の PEG分子が導入された修飾体を多く含む 画分 (SE1;図 1参照)と 1個の PEG分子が導入された修飾体を多く含む画分(SE2)を 各々集め、シングノレホロファイバー濃縮器を用レ、て濃縮する。
d)濃縮した試料を 1 Lの PBSに対して透析する(1回目、 4時間; 2回目、 12時間; 3回 目、 6時間)。
e)透析した液を遠心(15,000 X g、 20分間)し、上清を集める。滅菌用フィルターを用 いて上清を濾過滅菌する。これを、精製 PEG化安定化ガレクチン 9標品として用いた
[0040] PEG化安定化ガレクチン 9(PEG化 G9NC(null))につレ、ての、 RESOURCE Sカラム(G Eヘルスケアバイオサイエンス (株))を用いたイオン交換クロマトグラフィーにおける蛋 白質の溶出パターンと各画分の SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果は、図 1 に示したものと同様な結果となった。図 1には、 mPEG2-NHS分子量 20,000を用いて P EG化した安定化ガレクチン 9〔mPEG2_NHS(20K)PEG化 G9NC(null)〕についてのデー タが示してある(そこで実線は 280匪における吸光度、破線は電気伝導度)。
mPEG2_NHS分子量 20,000を用いて PEG化した安定化ガレクチン 9は、大まかに 4 つの画分 (SE1-SE4)に分離された (他の PEG化試薬を用いた場合も本質的に同じ結 果であった)。 SDS-PAGEの結果から、各画分には以下のような分子種が含まれてい ることが分かった。
SE1:主として 2力所以上に PEG分子が結合した分子種を含む
SE2:主として 1力所に PEG分子が結合した分子種を含む
SE3, SE4:主として PEG化されてレ、なレ、分子種を含む
なお、 PEG化された安定化ガレクチン 9の移動度は実際の分子量より小さレ、(計算 上の分子量よりも高分子量側に泳動される)力 S、これは PEG部分に SDSが結合しにく いためと考えられる。
安定化ガレクチン 9(G9NC(null))には 6個のリジン残基が存在する (WO2005/093064 (公開日:2005年 10月 06日)の配列表の配列番号 2で示されるアミノ酸配列における、 L ys88, Lys95, Lysm, Lys180, Lys238,そして Lys259である)ため、 N -末端のアミノ基を含め て PEG分子が結合する可能性のある部位が 7力所存在する。 SE1と SE2には、 PEGィ匕 部位の異なる分子種が混在していると考えられる。 SE3と SE4には、 PEG化試薬中に 存在する不純物 (分子量の小さな修飾試薬など)で修飾された分子が含まれてレ、る 可能性があると思われた。
実施例 2
[0041] 〔PEG化安定化ガレクチン 9の生物活性〕
1.増殖抑制活性の測定
PC-3 (ヒト前立腺ガン細胞, human prostate cancer cell line)及び MOLT-4 (human T-cell leukemia line)に対する増殖抑制性 (増殖抑制性: cytotoxicity)を調べる。 PC-3 に対する増殖抑制性については、 WST-8 (1-Methoxy PMS)添カ卩後に吸光度を測定 して評価する試験により実施した。 MOLT-4に対する増殖抑制性については、 WST- 1 (4- [3_(4-ョードフエ二ル)- 2- (4-ニトロフエニル) -2H-5-テトラゾリオ]- 1 ,3-ベンゼン、 ジスルフォネート)添加後に吸光度を測定して評価する試験により実施する。
1 ) PC-3に対する増殖抑制性
Duloecco s modined Eagle s medium ( ibco BRL), 10% FBS (Thermo Trace Ltd.)に 懸濁した細胞を 96ゥヱルプレート (FALCON)に 3 x 103個/ well (90 μ L)入れ、 48時間 3 7°C、 5% COで培養後、 PEG化安定化ガレクチン 9および安定化ガレクチン 9を最終 濃度 0· 1 ζ Μ, 0.3 μ Μ, Ι μ , 2 Μになるように各 10 Lずつ添加し 24時間 37。Cで培 養した(対照は PBS)。培養後、 WST-8試薬 (Wako, 343-07623) 10 μ Lを各ゥエルに 加え、 37°C, 5% CO条件下で 2時間反応後、プレートリーダーにて 450-600nmの吸光 度を測定した。 PEG化安定化ガレクチン 9と安定化ガレクチン 9を同時に測定し、結果 を比較して活性を評価した。
2.測定結果
得られた結果を図 2〜5に示す。図 2〜5では、 PC-3細胞に対する精製 PEG化安定 化ガレクチン 9標品の増殖抑制作用を測定した結果が示されている。図 2では、 mPE G-SPA分子量 5,000 (G9Null PEG 5K SE2)とmPEG2-NHS分子量10,000 (G9Null ΡΕ G 10K SE2)を用いて PEG化した安定化ガレクチン 9、すなわち、 G9Null-PEG-5K-SE 2 (G9NC(null)- PEG-5K- SE2)及び G9Nul卜 PEG-10K-SE2 (G9NC(null)-PEG_10K- S E2)の活性を調べた結果が示してある。 G9Null PEG 5K SE2 (以下、 5K SE2)は安定 化ガレクチン 9とほぼ同等、 G9Null PEG 10K SE2 (以下、 10K SE2)は安定化ガレクチ ン 9よりやや高い活性 (比活性)を示した。この活性測定では、細胞増殖に対する阻害 効果を調べているため、試料中に培養細胞に対する毒性物質が含まれている場合、 見かけ上高い活性を示す可能性がある。 5K SE2と 10K SE2の活性が安定化ガレクチ ン 9と同様、ラタトースによって阻害されたことから、この活性が PEG化試薬由来の非
特異的な毒性物質の混入によるものである可能性は否定される。
図 3では、 mPEG2-NHS分子量 20,000 (G9Null PEG 20K SE2)と mPEG2_NHS分子 量 40,000 (G9Null PEG 40K SE2)を用いて PEG化した安定化ガレクチン 9、すなわち、 G9Null-PEG-20K-SE2 (G9NC(null)-PEG_20K_SE2)及び G9Nul卜 PEG-40K-SE2 (G 9NC(null)- PEG-40K- SE2)の活性を調べた結果が示してある。 G9Null PEG 20 SE2 ( 以下、 20K SE2)、 G9Null PEG 40K SE2 (以下、 40K SE2)ともに、安定化ガレクチン 9 より高い活性を示した。ラタトース阻害の結果は図 2と同じ。図 4では、 SE1フラクション と SE2フラクションの比較(G9Null PEG 5Kと G9Null PEG 10K)を示してある。 PC_3細 胞に対する増殖抑制活性と PEG分子の結合量 (結合数)の関係を調べるために、 SE1 と SE2画分の比較を行った。 5K、 10Kいずれの場合も SE1画分の活性は低ぐ複数の PEG分子で修飾されることにより活性が低下することが分かった。 1個の PEG分子で 修飾された安定化ガレクチン 9の場合でも、修飾部位の違いにより活性に差が生じる 可能性がある。図 5では、 SE1フラクションと SE2フラクションの比較(G9Null PEG 20K と G9Null PEG 40K)を示してある。 20K、 40Κの場合も、 5K、 10Kと同じ結果が得られ た。
PC-3細胞に対する増殖抑制活性については、 5Κ SE2は安定化ガレクチン 9とほぼ 同等、 10K SE2, 20Κ SE2, 40Κ SE2は安定化ガレクチン 9よりも高い活性 (in vitro)を 示した。 MOLT-4でも同様な結果が出ている。
実施例 3
〔PEG化安定化ガレクチン 9の生物活性〕
1.赤血球凝集活性の測定
ゥサギ赤血球およびヒト赤血球に対する血球凝集活性(hemagglutination activity) を調べた。赤血球に対する凝集反応を目視により評価する試験により実施した。安定 化ガレクチン 9と PEG化安定化ガレクチン 9を同時に測定し、結果を比較して活性を評 価した。
1)ヒト赤血球凝集活性の測定
ヒト血球凝集アツセィ血球凝集活性は、 Nowak et al.の方法 (Nowak et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 68: 650-657 (1976))に準じて行った。 96-ゥエル (FALCON)
に安定化ガレクチン 9あるいは PEG化安定化ガレクチン 9(5K,10K: 100-0.05 μ g/mL, 20K,40K: 100-0.1 μ g/mL)をアツセィ用試料として調製した。最終濃度 0.25 % (w/v)と なるように牛血清アルブミンを、そして最終濃度 1 %(v/v)となるように赤血球の濃度 を調製した ABあるいは 0型のクェン酸あるいは EDTA化全血をゥヱル内の液量が 100 z Lになるように入れた。その反応混合物を室温で 1時間インキュベーションした。凝 集に必要な最小濃度を目視により判定した。
[0044] 2)ゥサギ赤血球凝集活性の測定
a)グノレタルアルデヒド固定トリプシン処理ゥサギ赤血球の調製
ゥサギ血液(清水実験材料より購入、 lOOmL)を 2000rpm、 15分遠心後、上清を除 去し、沈殿物を 0.15M NaClで洗浄した。赤血球濃度が 4%になるように 0.1M Na-phosp hate/ 0.05M NaClをカロえた。トリプシン (終濃度 lmg/mL)(SIGMA)加え 37。C、 1時間ィ ンキュベート。 2300rpm、 15分遠心、上清除去し、沈殿物を 0.15M NaClで洗浄した。 グノレタルアルデヒド (SIGMA)が 1%になるように PBS(pH7.2)で調製し室温 1時間固定し た。次に、遠心、上清除去し 0.1Mグリシン (WAKO)/PBS(pH7.2)で洗浄後、遠心上清 を除去した。 PBS(pH7.2)で洗浄後上清を除去し 10% erythrocyte suspension in 0.05% NaN /PBS(pH7.2)で 4°Cで保存した。
3
b)測定法
血球凝集アツセィ血球?凝集活十生は、 Nowak et al.の方法 (Biochem. Biophys. Res. C ommun. , 68: 650-657 (1976))に準じて行った。 96-ウエノレ (FALCON)に安定化ガレク チン 9あるいは PEG化安定化ガレクチン 9(5K, 10K: 100-0.05 i g/mL, 20K,40K: 100-0 Λ μ g/mL)をアツセィ用試料として調製した。最終濃度 0.25 % (w/v)となるように牛血 清アルブミンを、そして最終濃度 i %(v/v)となるように前述のダルタルアルデヒドで固 定化したトリプシン処理ゥサギ赤血球の液量が 100 μ Lになるように加えた。その反応 混合物を室温で 1時間インキュベーションした。凝集に必要な最小濃度を目視により 判定した。
[0045] 2.測定結果
得られた結果を図 6に示す。安定化ガレクチン 9の血球凝集活性に対する PEG化の 効果を調べるため、レクチン活性の検出に一般的に利用されるゥサギ赤血球(トリプ
シン処理した後、ダルタルアルデヒドで固定した赤血球)と新鮮ヒト赤血球 (糖鎖抗原 を考慮して 0型と AB型を使用)を用いて活性を測定した。安定化ガレクチン 9は、ゥサ ギ赤血球に対して 12.5 - 25 nMで凝集活性を示す (凝集活性を示す最低濃度を活 性の指標とする)。一方、 PEG化安定化ガレクチン 9画分である 10K SE2, 20K SE2, 40 K SE2は、 12.8 μ Mでも凝集活性を示さず、このアツセィにおいて実質的に不活性と 考えられる。 5Κ SE2は、安定化ガレクチン 9のおよそ 1/4の活性 (凝集活性を示す最 低濃度: 50 - 100 nM)を示した。 5K' SE2の凝集活性が高濃度側(およそ 1.6 μ M以 上)で検出されない理由は明らかではないが、安定化ガレクチン 9の場合にも同じ現 象が認められる。可能性としては、ガレクチンの濃度が高い場合、赤血球膜上の糖鎖 リガンドがガレクチンによって飽和してしまうため、血球間の架橋が起こらなくなる状態 が考えられる。
ヒト新鮮赤血球の場合も、安定化ガレクチン 9は 100 - 200 nMで凝集活性を示すが 、 10K SE2, 20K SE2, 40K≤£2は12.8 μ Μでも凝集活性を示さなかった。
力くして、 10K SE2, 20Κ SE2, 40Κ SE2は、ゥサギおよびヒト赤血球に対して、実質 的に凝集活性を示さなかった。 5Κ SE2は安定化ガレクチン 9の約 1/4の活性を示した すなわち、次の結果が得られた。
40Κ SE2, 20Κ SE2, 10K SE2 :不活性
5Κ SE2 <安定化ガレクチン
実施例 4
〔ラット CIAモデルにおける PEG化安定化ガレクチン 9の効果〕
1.方法
ゥシ タイプ IIコラーゲン(コラーゲン技術研修会)を imcomplete Freund's Adjuvant ( IFA: Difco)に溶解し、作製した。ェマルジヨンをラット(Lewisメス 6週齢:日本エスエル シー)の背部皮内に lmLずつ注射(コラーゲン 800 /i g/lmL/rat)した。その 1週間後 に二次感作として、同コラーゲンェマルジヨン液(コラーゲン 800 i g/0.3mL/rat)を動 物の尾根部に投与した。二次感作の 7日後に PEG化ガレクチン- 9改変体〔PEG-Gal9 -10K (PEG-Stable Gal9(10K)), PEG_Gal9_20K (PEG-Stable Gal9(20K》および PEG-
Gal9-40K (PEG-Stable Gal9(40K)), 0.6mg/kg)〕を静脈内に週 3回、 31日まで行った 。左右後肢の足容積はコラーゲン一次感作日(0日)と一次感作後は週 3回(月,水、 金)に測定し、次式に従い浮腫率 (%)を算出した。
足躕容積 (mL)] X 100
[0048] 統計学的処理は次のように行った。左右後肢の加算を個体値とした浮腫率 (%)の平 均値及び標準誤差で表わした。 PBS群と PEG化ガレクチン- 9改変体群との間での差 異は市販の統計ソフト(GraphPad Software, Inc., San Diego, USA)を使用して Dunnet t's Multiple Comparison Test又 fま Bonferroni Post— Testに飞評価した。レヽずれも 水準は 5%未満(pく 0.05)を有意とし、 5%未満および 1%未満(pく 0.01)とに分けて表示 した。
2.結果
得られた結果を図 7に示す。 PEG化安定化ガレクチン 9 (PEG化ガレクチン- 9改変体 )により CIA (コラーゲン誘発関節炎)に対する治療効果が認められた。ヒトの慢性関 節リウマチのモデルと考えられて利用される系に対して治療上の有効性を示している こと力 、 PEG化安定化ガレクチン 9 (PEG化ガレクチン- 9改変体)は、慢性関節リウマ チ治療剤などとして有用と考えられる。同様にして、 PEG化ガレクチン 9及び PEG化ガ レクチン- 9改変体は、抗炎症剤、抗アレルギー剤、免疫調節剤などとしても期待でき ること力わ力る。
PEG (5K, 10K, 20K, 40K)を結合させた安定化ガレクチン 9 (PEG化安定化ガレクチ ン 9)は、その性能試験の結果、 PEG結合により安定化ガレクチン 9の血中消失半減 期の延長、 PC-3 (前立腺癌)細胞や MOLT-4細胞に対する増殖抑制活性の増強お よび赤血球凝集作用の消失が認められ、安定化ガレクチン 9の可溶性と血中消失半 減期延長に関して優れていると評価できるものであった。また、赤血球凝集作用が消 失しているものが得られ、この赤血球凝集作用の消失は、安定化ガレクチン 9に結合 した PEG鎖の長さに比例することが確認された。ガレクチン 9や安定化ガレクチン 9 (ガ レクチン- 9改変体)を生体に投与する場合に副作用となりうる赤血球凝集活性が PE G化により消失せしめることが可能であることから、 PEG化ガレクチン 9や PEG化安定
化ガレクチン 9 (PEG化ガレクチン- 9改変体)は、治療剤としての高められた有用性を 持つ物質であることは明らかであろう。
産業上の利用可能性
本発明のガレクチン 9 _ポリマーコンジュゲートは、優れた医薬候補物質である。特 には、 PEG化安定化ガレクチン 9 (PEG化ガレクチン- 9改変体)は、治療剤としての高 められた有用性を持つ物質で、ガン細胞に対しての増殖抑制活性 (又は増殖抑制活 性)が増強されており、赤血球凝集作用といった望ましくない作用が低減あるいは除 去せしめられており、抗腫瘍剤、抗ガン剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤、免疫調整剤 、抗ウィルス疾患用剤などとしての開発、ガレクチン 9の機能解明用の試薬などとして 利用できる。
本発明は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行できることは明らか である。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であり、従って それらも本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。