明 細 書
使い捨てカートリッジ
技術分野
[0001] 本発明は、測定者の皮膚を穿刺することや血液中の成分を測定するために用いら れる使い捨てカートリッジに関し、一層詳細には、使用済みの前記カートリッジが装置 に対して再装着されることを防止可能な使い捨てカートリッジに関する。
背景技術
[0002] 近年、糖尿病患者には、血糖値の変動を自分自身で測定することによる日常的な 自己管理が推奨されている。この血糖値の測定のために患者が自分の血液を採取 する際には、軸線方向に進退可能な穿刺針に対して弾性体による反発力を与えて 瞬間的に突出させ、皮膚を穿刺する穿刺具を使用することによって微量の血液を導 出させる。なお、穿刺針を含むカートリッジは、衛生上の理由から測定を行うたびに穿 刺具から取り外されて廃棄されると共に、再使用することがないように使い捨てものが 採用されている。
[0003] しかしながら、使用済のカートリッジを誤って穿刺具に対して再装着してしまうことが あり、それに起因して衛生上の問題が生じることがあった。そこで、特開 2004— 290 390号公報に開示されているように、例えば、一度使用されたカートリッジの再使用を 阻止可能な穿刺カートリッジが知られている。
[0004] この穿刺カートリッジでは、アウター部材に設けられたパネ部材の内部に穿刺針を 変位自在に設け、該穿刺針によって穿刺が行なわれた後に前記穿刺針が前記パネ 部材より離脱する。この際、パネ部材が半径内方向に縮径するため、再びアウター部 材の外部側に向かって変位する前記穿刺針が前記パネ部材の端部に当接して係止 される。これにより、穿刺針が再びアウター部材の外部に突出して穿刺することができ ず、穿刺カートリッジが再使用されることがない。
発明の開示
[0005] ところで、上述した特開 2004— 290390号で開示された従来技術においては、穿 刺カートリッジを組み付ける際に、案内パイプによってパネ部材を一時的に拡径させ
、その内部に穿刺針を有するスライダを揷通させている。そのため、穿刺カートリッジ の組付作業が非常に煩雑であり、製造時間の増大が懸念される。
[0006] 本発明の一般的な目的は、簡素な構成とすることにより製造性を良好とし、且つ、 使用済の場合に装置に再装着されることを確実に阻止することが可能な使い捨て力 ートリッジを提供することにある。
[0007] 本発明は、装置の開口部に着脱自在に設けられる使い捨てカートリッジにおいて、 前記開口部に挿入されるハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、該ハウジングの軸線方向に沿って変位自在な変位部 材と、
前記ハウジングに設けられ、前記装置に対する前記ハウジングの変位を規制するス トツパ手段と、
を備え、
前記ストツバ手段は前記装置の開口部内に配設された段部に対して当接可能に設 けられ、前記ハウジングを前記開口部を介して前記装置に装着する際、前記変位部 材は軸線方向に沿って前記ハウジングに対して変位し、前記ストツバ手段による変位 規制状態を解除する使い捨てカートリッジに関するものである。
[0008] 本発明によれば、装置の開口部に装着される使い捨てカートリッジを、ハウジングと 、前記ハウジングに対して軸線方向に沿って変位自在に設けられる変位部材と、前 記装置に対する前記ハウジングの変位を規制可能なストツバ手段とから構成し、前記 ノ、ウジングを装置に対して装着することによってハウジングに装着された変位部材が 変位して前記ハウジングの変位規制状態がストツバ手段によって保持される。
[0009] 従って、ハウジングから構成される使い捨てカートリッジを装置から取り外して再装 着しょうとした場合、ハウジングに装着された変位部材が既に変位しているので、スト ツバ手段による前記ハウジングの変位規制状態が解除されなくなる。そのため、変位 規制状態のままで保持されたストツバ手段によって前記ハウジングの変位が規制され る。その結果、このような簡素な構成とすることにより製造性を良好とし、且つ、使い捨 てカートリッジが誤って装置に装着されることを確実に阻止することができる。
[0010] また、使い捨てカートリッジは、ハウジングの内部に穿刺針が収容され、前記穿刺針
によって穿刺を行う穿刺装置に装着するとよい。これにより、穿刺装置によって穿刺 が行われた使い捨てカートリッジが前記穿刺装置に対して再び装着されることが防止 されるため、前記使い捨てカートリッジを使用することによる衛生上の問題を確実に 回避すること力 Sでさる。
[0011] またさらに、使い捨てカートリッジは、ハウジングの内部に検出部を有し、前記検出 部を電気的あるいは光学的に測定可能な測定装置に対して装着するとよい。これに より、使用済のカートリッジを再使用した場合の測定ミスを確実に回避することができ 、測定装置によって常に正確な測定結果を出すことが可能となる。
図面の簡単な説明
[0012] [図 1]本発明の実施の形態に係る使い捨てカートリッジが装着される穿刺装置力 前 記カートリッジを離脱させた状態を示す外観斜視図である。
[図 2]図 1の穿刺装置及びカートリッジにおいてケーシング及びハウジングのみを断 面で示した一部断面斜視図である。
[図 3]図 1に示す穿刺装置及びカートリッジの分解斜視図である。
[図 4]図 1の穿刺装置における穿刺準備状態を示す縦断面図である。
[図 5]図 4の穿刺装置におけるカートリッジ近傍を示す拡大断面図である。
[図 6]図 4の穿刺装置にカートリッジを装着する前の状態を示す縦断面図である。
[図 7]図 6の穿刺装置におけるカートリッジ近傍を示す拡大断面図である。
[図 8]図 6の穿刺装置にカートリッジのハウジングが揷入された状態を示す縦断面図 である。
[図 9]図 8におけるカートリッジがさらにケーシングの内部へと揷入され、カートリッジの スライダが変位し始めた状態を示す縦断面図である。
[図 10]図 9の穿刺装置において穿刺ボタンを押圧して穿刺針を突出させた穿刺状態 を示す縦断面図である。
[図 11]図 10の穿刺装置によって穿刺が行われた後に、リターンスプリングによって穿 刺針が引き戻された状態を示す縦断面図である。
[図 12]図 11の穿刺装置力 使用済のカートリッジが取り出されて離脱した状態を示 す外観斜視図である。
[図 13]図 12に示す穿刺装置の縦断面図である。
[図 14]図 13の穿刺装置に対して使用済のカートリッジを再装着しょうとした状態を示 す縦断面図である。
[図 15]第 1変形例に係るカートリッジを示す外観斜視図である。
[図 16]図 15に示すカートリッジの側面図である。
[図 17]図 15に示すカートリッジの側面図である。
[図 18]第 2変形例に係るカートリッジを示す外観斜視図である。
[図 19]図 18に示すカートリッジの側面図である。
[図 20]図 18に示すカートリッジの側面図である。
発明を実施するための最良の形態
[0013] 図 1において、参照符号 10は、本発明の実施の形態に係る使い捨てカートリッジが 装着され、測定者の皮膚を穿刺することによって血液を導出させる穿刺装置を示す。
[0014] この穿刺装置 (装置) 10は、図 1〜図 4に示されるように、有底筒状の箱体からなる ケーシング 12と、該ケーシング 12内に変位自在に配設される穿刺ユニット 14と、前 記ケーシング 12の開口部 16に着脱自在に設けられ、穿刺針 18を有するハブ 20が 収容される使い捨てのカートリッジ 22とを含む。
[0015] ケーシング 12の内部には、穿刺ユニット 14が収容される収容穴 24を有し、前記収 容穴 24は前記ケーシング 12の一端部に設けられた開口部 16を介して外部に連通し ている。この開口部 16は略矩形状に開口すると共に、後述する穿刺ボタン 40を有す る上部側の内壁が前記収容穴 24に対して拡幅している。すなわち、この開口部 16と 収容穴 24との境界部位には段部 26が設けられる。
[0016] この収容穴 24には、ケーシング 12の一端部側に設けられ、開口部 16に装着され たカートリッジ 22を係止するストッパ壁 28と、略中央部に設けられ、穿刺ユニット 14が 揷通される第 1孔部 30を有する第 1ユニット壁 32と、前記第 1ユニット壁 32に対して 所定間隔離間し、前記ケーシング 12の他端部側に設けられた第 2ユニット壁 34とが 設けられる。なお、第 2ユニット壁 34の中央には、穿刺ユニット 14が揷通される第 2孔 部 36が形成される。
[0017] また、ケーシング 12の略中央部には、収容穴 24の内壁面から穿刺ユニット 14側に
向かって突出した係止部 38が設けられる。
[0018] 一方、ケーシング 12の他端部側には、その側面に穿刺ボタン 40が傾動自在に設 けられる。穿刺ボタン 40は、前記ケーシング 12の側面と略平行に延在し、その一端 部に前記ケーシング 12側に向力 て突出したプッシャ 42が形成されると共に、その 他端部が前記ケーシング 12の側面に対して接合される。すなわち、穿刺ボタン 40は 、プッシャ 42を有する一端部側が、前記他端部を支点として傾動自在に設けられる。
[0019] また、ケーシング 12の側面には、穿刺ボタン 40のプッシャ 42に臨むボタン孔 44が 形成され、前記穿刺ボタン 40が他端部を支点として傾動した際に、前記プッシャ 42 がボタン孔 44の内部に揷入される。
[0020] 穿刺ユニット 14は、軸線方向に沿って長尺に形成されるボディ 46と、前記ボディ 46 の一端部に形成され、カートリッジ 22に収容されたハブ 20を着脱自在に保持するハ ブ把持部 48と、前記ボディ 46をケーシング 12の開口部 16側(矢印 A方向)へと付勢 する穿刺スプリング 50と、前記ボディ 46を前記開口部 16から離間する方向(矢印 B 方向)へと付勢するリターンスプリング 52とを含む。
[0021] ボディ 46の一端部には、一組のスリット 54を有する円筒状のハブ把持部 48が設け られ、該ハブ把持部 48は前記スリット 54を介して半径方向に拡径自在に形成される 。そして、穿刺針 18を備えたハブ 20の縮径部 56が前記ハブ把持部 48に対して揷入 されることにより一体的に保持される。
[0022] また、ボディ 46における軸線方向(矢印 A、 B方向)に沿った略中央部には、半径 外方向に拡径したフランジ 58を備え、前記フランジ 58には、前記ハブ把持部 48側( 矢印 A方向)に向力 て延在した弹性片 60が設けられる。この弹性片 60は、ボディ 4 6に対して略平行に形成され、前記フランジ 58との接合部位を支点として該ボディ 46 に接近 ·離間する方向に傾動自在に設けられる。
[0023] すなわち、弹性片 60は、ボディ 46から離間する方向に常に付勢し、前記弹性片 60 の端部を前記ボディ 46側に向力 て押圧することにより接合部位を支点として該ボ ディ 46側へと傾動変位する。
[0024] 弹性片 60の先端部には、ボディ 46から離間する方向に突出した第 1突部 62が形 成され、該第 1突部 62は、カートリッジ 22が収容穴 24に収容された際に、係止部 38
に対して係合可能に設けられる。すなわち、第 1突部 62が、ケーシング 12の係止部 3 8に対して係合されることにより、ボディ 46を含む穿刺ユニット 14がケーシング 12の 開口部 16側(矢印 A方向)に向力 て変位することが規制される。また、弹性片 60の 略中央部には、第 1突部 62と同様にボディ 46から離間する方向に突出した第 2突部 64が形成され、前記第 2突部 64は、穿刺ボタン 40のプッシャ 42に臨む位置に設け られる。そして、穿刺を行う際に前記プッシャ 42によって第 2突部 64がボディ 46側へ と押圧されて穿刺ユニット 14の係止状態が解除される。
[0025] フランジ 58は、収容穴 24において第 1ユニット壁 32に対して開口部 16側(矢印 A 方向)となるように配置され、前記フランジ 58と第 1ユニット壁 32との間には穿刺スプリ ング 50が介装される。この穿刺スプリング 50は、フランジ 58を介して穿刺ユニット 14 を開口部 16側(矢印 A方向)に向力、つて付勢している。
[0026] 一方、ボディ 46の他端部にはリング体 66が装着され、前記リング体 66と第 2ュニッ ト壁 34との間にリターンスプリング 52が介装される。このリターンスプリング 52は、穿 刺ユニット 14をケーシング 12の開口部 16から離間させる方向(矢印 B方向)に付勢 するように作用する。
[0027] さらに、ボディ 46には、他端部に装着されたリング体 66とフランジ 58との間に収容 穴 24の内壁面側に向かって突出した係止片 68が形成され、前記係止片 68は、収 容穴 24において第 1ユニット壁 32と第 2ユニット壁 34との間となるように配置される。 そして、ボディ 46が穿刺スプリング 50の弹発作用下に開口部 16側(矢印 A方向)に 向かって変位した際、前記係止片 68が第 1ユニット壁 32に当接することにより、前記 ボディ 46の軸線方向に沿った変位が規制される。
[0028] カートリッジ 22は、有底筒状のハウジング 70と、前記ハウジング 70の内部に嵌合さ れるハブ 20と、前記ハウジング 70の側面に沿って変位自在に設けられたスライダ(変 位部材) 72とを含む。
[0029] ハウジング 70は、開口した一端部がケーシング 12の開口部 16に対して装着可能 な断面略矩形状に形成され、閉塞された他端部の略中央部には穿刺針 18が揷通可 能な穿刺孔 74が形成される。
[0030] このハウジング 70の内部には、ハブ 20の一部を保持する保持孔 76と、前記保持孔
76と連通し、前記ハブ 20の穿刺針 18が揷通される穿刺孔 74とが形成され、前記保 持孔 76に対して穿刺孔 74が縮径して形成される。
[0031] ハウジング 70の一側面 70aは、該ハウジング 70の一端部側が他端部側に対して膨 出して形成され、ハウジング 70を含むカートリッジ 22は、一側面 70a側がケーシング 12の段部 26に臨むように装着される。
[0032] この一側面 70aには、ハウジング 70の一端部側に設けられ後述するスライダ 72を 変位自在に保持する一組のガイドレール 78と、該ガイドレール 78の間に設けられ、 前記一側面 70aに対して傾動自在なフック(可撓性部) 80と、前記ハウジング 70の略 中央部に設けられた平面状のランド部 82と、前記ランド部 82に対して突出したスライ ダロック 84と、前記ランド部 82の端部に設けられ、前記スライダ 72の変位を規制する 係止壁 86を備える。なお、この係止壁 86は、ハウジング 70の他端部側に設けられる
〇
[0033] 一組のガイドレール 78は、互いに所定間隔離間してハウジング 70の一側面 70aの 両側部に設けられ、ランド部 82の両側部を介してハウジング 70の一端部側から他端 部側に配設された係止壁 86の端部まで軸線方向(矢印 A、 B方向)に沿って延在し ている。このガイドレール 78は、ハウジング 70の一側面 70aから離間する方向に鉛直 に延在した後、さらに互いに離間する方向へと延在した断面略 L字状に形成される。 また、ガイドレール 78は、ハウジング 70の軸線(矢印 A、 B方向)と略平行に一直線上 に形成される。
[0034] フック 80は、一組のガイドレール 78の間となるように一側面 70aの略中央に設けら れ、前記ガイドレール 78に対して等間隔離間して略平行に配設される。このフック 80 の一端部がランド部 82の側部に対して接合されると共に、他端部が前記一端部を支 点として上方に向かって傾斜するように設けられる。すなわち、フック 80は、一端部側 を支点として他端部が傾動自在に設けられている。さらに、フック 80の他端部には、 ハウジング 70の一側面 70aから離間する方向に突出した爪部 88を備える。
[0035] ランド部 82は、ガイドレール 78の上面と略同一平面となるように形成され、その略 中央部には、断面略矩形状のスライダロック 84が所定高さで突出している。スライダ ロック 84には、ガイドレール 78及びフック 80側となる側面が所定角度で傾斜した第 1
傾斜面 90を有する。また、係止壁 86は、ハウジング 70の軸線と略直交方向に延在し 、ランド部 82の上面に対して若干だけ高い略一定高さで形成されている。
[0036] ハブ 20は、略円柱状に形成され、その一端部側に穿刺針 18が固定されると共に、 他端部側に形成された縮径部 56が穿刺ユニット 14のハブ把持部 48に揷入される。 これにより、前記ハブ 20が穿刺ユニット 14に対して着脱自在に保持される。
[0037] スライダ 72は、例えば、略一定厚さを有するプレートから形成され、平面状に形成さ れた本体部 92と、該本体部 92の両側部に設けられ、ハウジング 70のガイドレール 7 8に係合される一組のガイド部 94とを有する。
[0038] 本体部 92は、ハウジング 70における一側面 70aの一部を覆うように略同一の幅寸 法で形成され、その略中央部には略矩形状に開口したロック孔 (係合部) 96が形成 される。このロック孔 96は、フック 80の爪部 88及びスライダロック 84が係合可能に形 成される。また、ハウジング 70側となるロック孔 96の内壁面には、所定角度で傾斜し た第 2傾斜面 98が形成され、前記第 2傾斜面 98は、スライダ 72がハウジング 70の他 端部側に変位した際、スライダロック 84の第 1傾斜面 90と対向し、且つ、該第 1傾斜 面 90と略平行に形成される。
[0039] 一組のガイド部 94は、本体部 92の両側部に対して互いに接近する方向に略直角 に折曲される。すなわち、ガイド部 94は、本体部 92に対して所定間隔離間して略平 行に設けられる。そして、一組のガイド部 94には、ハウジング 70のガイドレール 78が それぞれ係合される。
[0040] 換言すれば、スライダ 72は、一組のガイド部 94がガイドレール 78を抱え込むように ハウジング 70に対して装着される。これにより、スライダ 72がガイド部 94を介してガイ ドレール 78の案内作用下にハウジング 70の軸線方向(矢印 A、 B方向)に沿って変 位自在に保持される。
[0041] また、スライダ 72は、ハウジング 70の他端部側へと変位した際、ガイドレール 78に 沿ってランド部 82の上部を通過すると共に、該ランド部 82より突出した係止壁 86によ つてその変位が規制される。
[0042] なお、スライダ 72は、カートリッジ 22が穿刺装置 10に対して未だ装着されていない 未使用時に、ハウジング 70の一端部側に配置され、ロック孔 96にフック 80の爪部 88
が係合された状態にある。すなわち、スライダ 72の軸線方向に沿った変位がフック 8 0によって規制され、該スライダ 72がハウジング 70の一端部側に固定された状態とな
[0043] 本発明の実施の形態に係るカートリッジ 22の装着される穿刺装置 10は、基本的に は以上のように構成されるものであり、次に、カートリッジ 22を前記穿刺装置 10に対 して装着する場合について説明する。なお、図 6に示されるように、穿刺装置 10のケ 一シング 12に対してカートリッジ 22が装着されていない状態を初期状態とする。
[0044] この初期状態では、図 7に示されるように、カートリッジ 22を構成するスライダ 72は、 ハウジング 70の一端部に配置され、上方へと傾動変位したフック 80の爪部 88が前 記スライダ 72のロック孔 96に係合されている。そのため、スライダ 72はフック 80との 係合作用下に変位が規制され、ハウジング 70の一端部側に保持された状態にある。
[0045] 一方、穿刺装置 10では、図 6に示されるように、穿刺スプリング 50の弹発作用下に 穿刺ユニット 14が開口部 16側(矢印 A方向)へと押し出され、弹性片 60の第 1突部 6 2がケーシング 12における係止部 38の傾斜面に当接した状態にある。
[0046] このような状態から、図 8に示されるように、測定者(図示せず)がカートリッジ 22を把 持して開口した一端部側から穿刺装置 10を構成するケーシング 12の開口部 16へと 揷入する。これにより、ハウジング 70の一側面 70aに係合固定されたスライダ 72が、 開口部 16に揷入されて該スライダ 72の端部が段部 26に当接する。
[0047] そして、図 9に示されるように、さらにカートリッジ 22をケーシング 12の内部に揷入 することにより、スライダ 72は段部 26に当接することによって変位が規制されているた め、ハウジング 70の変位に伴ってフック 80の爪部 88がロック孔 96の第 2傾斜面 98に 沿ってハウジング 70の一側面 70a側へと案内されて前記ロック孔 96から離脱する。 その結果、フック 80の爪部 88によるスライダ 72の変位規制状態が解除されると共に 、該スライダ 72がガイドレール 78に係合されたままの状態でハウジング 70が穿刺ュ ニット 14側(矢印 B方向)へと変位する。
[0048] そして、さらにカートリッジ 22をケーシング 12の内部へと押し込み、ハウジング 70の 一端部がケーシング 12のストッパ壁 28に当接して係止されることにより、カートリッジ 22が穿刺装置 10を構成するケーシング 12の内部に装着され、穿刺作業を行うこと
が可能な穿刺準備状態となる(図 4及び図 5参照)。
[0049] この際、カートリッジ 22に収容されたハブ 20の縮径部 56が、穿刺ユニット 14のハブ 把持部 48に揷入されて保持されると共に、前記穿刺ユニット 14のボディ 46が前記ハ ブ 20によって押圧されて穿刺スプリング 50の弹発力に杭して開口部 16から離間す る方向(矢印 B方向)へと変位する。これにより、弹性片 60の第 1突部 62が係止部 38 を乗り越え、その弾発作用下に前記係止部 38に係合される。なお、弾性片 60の第 2 突部 64は、穿刺ボタン 40のプッシャ 42と対向するように配置される。
[0050] また、同時に、スライダ 72が段部 26に当接した状態でハウジング 70がさらに変位 することにより、ランド部 82が前記スライダ 72の内部へと移動し、該ランド部 82に設け られたスライダロック 84がロック孔 96に揷入される。これにより、穿刺準備状態におい て、スライダ 72はスライダロック 84に対する係合作用下にその変位が規制され、ハウ ジング 70の他端部側に保持された状態となる(図 5参照)。
[0051] このような穿刺準備状態において、カートリッジ 22の他端部に、例えば、測定者の 皮膚(図示せず)を押し当て、図 10に示されるように、穿刺ボタン 40をケーシング 12 側に向かって押圧して傾動させる。これにより、穿刺ボタン 40によって弹性片 60の第 2突部 64が押圧されてボディ 46側へと傾動し、係止部 38に対する第 1突部 62の係 合状態が解除される。その結果、ボディ 46が、穿刺スプリング 50の弹発力によって力 ートリッジ 22側(矢印 A方向)へと押し出され、該ボディ 46と共にハブ 20がー体的に 変位する。
[0052] そして、ハブ 20の穿刺針 18力 穿刺孔 74を通じてハウジング 70の他端部から所 定長だけ突出し、前記穿刺針 18が測定者の皮膚を穿刺することによって該穿刺針 1 8により穿刺された皮膚の穿刺箇所から血液が導出される。
[0053] この穿刺装置 10では、図 11に示されるように、穿刺針 18を有するハブ 20及び該ハ ブ 20を保持するボディ 46が、リターンスプリング 52の弹発力によって即座に皮膚か ら離間する方向(矢印 B方向)へと変位し、前記ハブ 20及びボディ 46は、穿刺スプリ ング 50とリターンスプリング 52の弹発力が釣り合う位置まで戻されて停止する。
[0054] 次に、穿刺針 18による穿刺が完了した穿刺装置 10からカートリッジ 22を取り外す。
この場合には、図 12及び図 13に示されるように、例えば、図示しないイジェクタによ
つてカートリッジ 22がケーシング 12から離間する方向(矢印 A方向)へと押し出され、 測定者が前記カートリッジ 22を把持してケーシング 12から離間する方向(矢印 A方 向)へと引っ張る。これにより、穿刺ユニット 14の係止片 68が第 1ユニット壁 32に当接 して該穿刺ユニット 14の変位が規制され、ハブ把持部 48に保持されたハブ 20がボ ディ 46から離脱する。その結果、ハブ 20がカートリッジ 22と共に穿刺装置 10の外部 へと取り出される。
[0055] この際、カートリッジ 22を構成するスライダ 72は、穿刺装置 10に対するカートリッジ
22の装着に伴ってガイドレール 78に沿って変位しているため、スライダロック 84に係 合されてハウジング 70の他端部側に配置された状態にある。
[0056] 換言すれば、スライダ 72は、カートリッジ 22が穿刺装置 10に対して装着される前に は、ハウジング 70の一端部側に配置されてフック 80の爪部 88によって保持される一 方、前記穿刺装置 10に対してカートリッジ 22が装着された後では、ハウジング 70の 他端部側へと変位してスライダロック 84によって保持されている。
[0057] 次に、このように穿刺に使用された使用済のカートリッジ 22を誤って穿刺装置 10に 再装着しょうとした場合について図 14を参照しながら説明する。
[0058] 先ず、上述したように、穿刺装置 10に対して一度装着されたカートリッジ 22を把持 して開口部 16を介してケーシング 12の内部へと揷入する。この場合、スライダ 72が すでにハウジング 70の他端部側(矢印 A方向)へと変位し、スライダロック 84によって 保持されているため、フック 80がランド部 82に対して上方に向力 て傾斜した状態に ある。
[0059] このため、開口部 16に揷入されたハウジング 70は、爪部 88を有するフック 80の他 端部が段部 26に対して当接することとなり、前記ハウジング 70を含むカートリッジ 22 の変位が規制される。その結果、ケーシング 12を含む穿刺装置 10に対して使用済 みのカートリッジ 22を誤って再び装着してしまうことが確実に阻止される。
[0060] すなわち、フック 80は、カートリッジ 22の変位を規制可能なストツバ手段として機能 すると共に、スライダ 72は、ガイドレール 78に沿った変位作用下にフック 80を介して カートリッジ 22の変位規制状態を切換可能な切換手段として機能する。
[0061] 換言すれば、図 6に示すカートリッジ 22が穿刺装置 10に対して未装着(未使用)の
場合には、フック 80の爪部 88に係合されたスライダ 72が段部 26に当接し、且つ、前 記フック 80はスライダ 72の第 1傾斜面 90に沿って下方へと押し下げられるため、前 記フック 80が段部 26に対して係合されることがなくハウジング 70の収容穴 24へと好 適に導かれる。
[0062] 以上のように、本実施の形態では、穿刺装置 10に装着されるカートリッジ 22に変位 自在なスライダ 72を設け、前記カートリッジ 22が未使用である場合には、前記スライ ダ 72を傾動自在に設けられたフック 80に係合させることにより、該フック 80をケーシ ング 12に当接しないように好適に案内して前記穿刺装置 10のケーシング 12に対し てカートリッジ 22を揷入可能として!/、る。
[0063] 一方、カートリッジ 22が穿刺装置 10に装着された後には、前記フック 80に対するス ライダ 72の係合状態が解除され、該フック 80をケーシング 12に対して当接させて前 記穿刺装置 10のケーシング 12に対するカートリッジ 22を揷入を阻止させることがで きる。
[0064] このように、カートリッジ 22に対してスライダ 72、フック 80、スライダロック 84を設ける という簡素な構成で、一度使用された使用済のカートリッジ 22が穿刺装置 10に対し て再び装着されることを確実に阻止することができるため、前記カートリッジ 22を使用 することによる感染等の衛生上の問題が確実に回避される。
[0065] また、カートリッジ 22は、ハウジング 70の一側面 70aに予めフック 80、スライダロック 84を設け、前記ハウジング 70の外部にスライダ 72を揷通させることによって簡便に 組み付けることができるため、従来技術の穿刺カートリッジと比較し、その組付性を向 上させること力 Sでさる。
[0066] 次に、第 1及び第 2変形例に係るカートリッジ 150、 200について図 15〜図 20を参 照しながら説明する。
[0067] 第 1変形例に係るカートリッジ 150は、図 15〜図 17に示されるように、ハウジング 15 2の内部に穿刺針 154がインサート成形された使い捨ての針ハブであり、このカートリ ッジ 150は、ノヽウジング 152と、前記ハウジング 152の一端部を閉塞するキャップ 156 と、前記ハウジング 152の他端部に変位自在に設けられたスライダ 158とからなる。
[0068] キャップ 156は、断面略円形状に形成され、その外周部に設けられた接合部 160
を介してハウジング 152の一端部に接合されている。この接合部 160は、ハウジング 152とキャップ 156とを相対的に回転変位させることにより、該キャップ 156とハウジン グ 152とを離間可能に形成される。すなわち、このカートリッジ 150を用いて穿刺を行 う場合には、接合部 160を介してキャップ 156をハウジング 152から離脱させ、穿刺 針 154を外部に露呈させる。
[0069] また、ハウジング 152の他端部側には、傾動自在なフック 162が設けられ、該ハウジ ング 152の略中央部にはスライダ 158が係合されるスライダロック 164が突出して形 成される。
[0070] スライダ 158は、断面略矩形状に開口した筒状に形成され、その一側面にはフック 162の爪部 168及びスライダロック 164に係合可能なロック孔 166が形成されている
[0071] そして、図 16に示すように、このカートリッジ 150が図示しない穿刺装置(装置)に装 着される前には、スライダ 158がハウジング 152の他端部側に配置されてフック 162 の爪部 168がロック孔 166に係合されている。これにより、スライダ 158は、ハウジング 152の他端部に対して保持されている。スライダ 158に設けた傾斜面は、フック 162 を変形させるように作用するものである。
[0072] 一方、上述したカートリッジ 150が図示しない穿刺装置に装着された後には、図 17 に示されるように、該カートリッジ 150を前記穿刺装置に装着することに伴って、スライ ダ 158がハウジング 152に沿って一端部側へと変位してロック孔 166を介してスライド ロックに係合されて保持される。そのため、フック 162が上方に向かって傾斜した状態 となり、該フック 162が図示しない装置の内部に設けた段部に当接することによって 使用済となった前記カートリッジ 150の再装着が確実に阻止される。
[0073] なお、図 17に示される使用済のカートリッジ 150では、取り外されたキャップ 156を 外部に露呈した穿刺針 154を覆うように装着することによって、不要となったキャップ 156を利用して穿刺針 154による誤針を防止している。
[0074] 第 2変形例に係るカートリッジ 200は、図 18〜図 20に示されるように、センサ部(検 出部) 202が内蔵され、該センサ部 202において微量の血液と試薬とを反応させて 生じる電流値から血糖値等を測定可能なセンサとして用いられるものである。
[0075] このカートリッジ 200は、ベース体(ノヽウジング) 204と、該ベース体 204の一端部に 設けられ試薬が添加されるセンサ部 202と、前記センサ部 202に電気的に接続され た電極端子 206と、前記ベース体 204の他端部に変位自在に設けられたスライダ 20 8とを含む。
[0076] このベース体 204の他端部側には、傾動自在なフック 210が設けられ、該ベース体 204の略中央部にはスライダ 208が係合されるスライダロック 212が突出して形成さ れる。
[0077] スライダ 208は、断面略矩形状に開口した筒状に形成され、その一側面にはフック 210の爪部 214及びスライダロック 212に係合可能なロック孔 216が形成されている
[0078] そして、図 19に示すように、このカートリッジ 200が図示しない測定装置(装置)に装 着される前には、スライダ 208がベース体 204の他端部側に配置されてフック 210の 爪部 214がロック孔 216に係合されている。これにより、スライダ 208は、ベース体 20 4の他端部に対して保持されている。
[0079] 一方、上述したカートリッジ 200が図示しない測定装置に装着された後には、図 20 に示されるように、該カートリッジ 200を前記測定装置に装着することに伴って、スライ ダ 208がベース体 204に沿って一端部側へと変位してロック孔 216を介してスライド ロックに係合されて保持される。
[0080] これにより、一度使用されたカートリッジ 200の装置に対する再装着が確実に阻止 され、使用済のカートリッジ 200を測定装置に装着して再使用した場合の不正確な測 定結果や測定失敗を確実に回避することができる。その結果、測定装置によって常 に正確な測定結果を出力することが可能となる。
[0081] なお、本発明の実施の形態に係る使い捨てカートリッジは、上述の実施の形態に限 らず、本発明の要旨を逸脱することなぐ種々の構成を採り得ることはもちろんである