JP2000009902A - プラスチックレンズ - Google Patents

プラスチックレンズ

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JP2000009902A
JP2000009902A JP10171410A JP17141098A JP2000009902A JP 2000009902 A JP2000009902 A JP 2000009902A JP 10171410 A JP10171410 A JP 10171410A JP 17141098 A JP17141098 A JP 17141098A JP 2000009902 A JP2000009902 A JP 2000009902A
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Japan
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resin
plastic lens
primer layer
silicone
lens
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JP10171410A
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English (en)
Inventor
Osamu Kondo
近藤  治
Takayasu Fujimori
崇泰 藤森
Sadanori Isahaya
禎則 伊佐早
Takashi Konishi
隆 小西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐衝撃性と耐熱性と高いアッベ数と低
い光弾性定数を有し、且つ耐衝撃性にも優れたプラスチ
ックレンズを提供する。 【解決手段】 レンズ基材の表面にプライマー層を施
し、更にその上にシリコーン系硬化層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐磨耗性、耐熱水
性、耐薬品性、レンズ基材と硬化層との密着性などの特
性を有し、特に耐衝撃性に優れるプラスチックレンズに
関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは、軽量性、ファッ
ション性、耐衝撃性などにおいて優れた特性を有するた
め、光学材料、とりわけ眼鏡レンズの分野で急速に普及
しつつある。プラスチック材料の欠点であるとされてき
た表面硬度の低さや、表面反射などの問題は、シリコー
ン系のハードコート膜を設けたり、無機物質をレンズ表
面に蒸着した反射防止膜を設けるなどの表面改質技術の
開発により大きく改善され、レンズの高付加価値化に伴
いますますプラスチックレンズの市場は拡大しつつあ
る。しかし、シリコーン系ハードコートや無機反射防止
膜を設ける場合にはプラスチックレンズが本来有する耐
衝撃性が大幅に低下するという問題が指摘されている。
例えば、汎用熱硬化型プラスチックレンズ材料であるア
リルジグリコールカーボネートを素材とした場合、基材
自身の耐衝撃性(中心肉厚2mmのレンズ中心に、高さ1
27cmから所定重量の鋼球を落下させる落球衝撃試験
において)は200g程度であるが、それにハードコー
トを施すと約60gに低下し、さらにその上に反射防止
膜を付与すると10gに顕著に耐衝撃性が低下すること
が知られている。この問題を回避する目的で、熱硬化型
プラスチックレンズの場合には、プラスチックレンズ基
材とシリコーン系ハードコートとの間にプライマー層を
設けることによって耐衝撃性の改善を得る方法が開示さ
れている。例えば、プライマー層としてウレタン系樹脂
からなる層を設ける方法(特開平8−54501)によ
って、無機反射防止コート後においても米国FDA規格
(落球衝撃値16.4g)をクリアする耐衝撃性を有す
る眼鏡レンズが得られることが開示されている。しかし
ながら、より安全性が要求される分野で使用されるに
は、十分な衝撃性が得られるとは言い難い。
【0003】一方、熱可塑型透明プラスチック材料は、
射出成形が可能であることから熱硬化型樹脂に比べて生
産性の向上、精密成形性、経時的な着色の問題がないな
どの優れた特徴を有する。就中、ポリカーボネートは非
常に優れた耐衝撃性を有するという特性が活かされ、安
全性が重視されたスポーツ用や子供用の眼鏡レンズとし
て需要が拡大している。その優れた耐衝撃性は、上記熱
硬化型材料にみられるような表面改質による低下がほと
んどみられない。しかしながら、ポリカーボネートは屈
折率は比較的高いもののアッベ数が低く(νD=30)、矯
正用眼鏡レンズとして十分な性能を有しているとは云え
ず、さらにシリコーン系のハードコートとの密着性が悪
く、広く一般に使用されるには到っていない。他の代表
的な透明熱可塑樹脂であるアクリル樹脂は、耐熱性、耐
衝撃性などの点で眼鏡レンズ材料として十分な特性を備
えているとは言いがたい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであ
り、特に、矯正用眼鏡レンズとして十分な光学特性を有
し、且つ近年の眼鏡レンズに対する安全性の要求に応え
られる耐衝撃性に優れた熱可塑型眼鏡レンズを提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来プラス
チックレンズの欠点を克服すべく鋭意検討した結果、構
成単位として、上記構造式(1)および構造式(2)を
有するポリカーボネート樹脂からなるプラスチックレン
ズ基材の表面上に、有機樹脂からなるプライマー層を施
し、さらにその上にシリコーン樹脂よりなる硬化層を設
けることにより、十分な耐摩耗性を有し、且つポリカー
ボネート樹脂からなるレンズの持つ欠点である低いアッ
ベ数の問題を解決するとともに、ポリカーボネート樹脂
からなるレンズの特徴である優れた耐衝撃性を維持する
ことができることを見出し本発明に至ったものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるプラスチッ
クレンズの製造法を具体的に説明する。
【0007】本発明で使用するプラスチックレンズ基材
として、上記構造式(1)及び構造式(2)を有する芳
香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを用いる。該共重
合体はランダム、ブロック或いは交互共重合体、或いは
構造式(1)及び構造式(2)を有する芳香族−脂肪族
共重合ポリカーボネートと構造式(1)を有するポリカ
ーボネートのブレンド等を含むものであり、最終的な組
成として上記構造式(1)で表される構成単位(以下I
と称する)と上記構造式(2)で表される構成単位(以
下IIと称する)のモル比(I/II)が、90/10
〜10/90であることが好ましく、さらに好ましくは
70/30〜30/70の範囲である。構造式(1)と
構造式(2)のモル比(I/II)が90/10より高
いと、アッベ数の改善効果が小さくなり、10/90よ
り低いと耐熱性、耐衝撃性等に劣るものとなる。また、
脂肪族−芳香族共重合ポリカーボネート樹脂の重量平均
分子量は50,000〜200,000であることが好
ましく、さらに好ましくは70,000〜150,00
0である。重量平均分子量が50,000より低いと耐
衝撃性が低くなり、200,000より高いと溶融粘度
が高くなりすぎ射出成形が非常に困難となり好ましくな
い。
【0008】上記の芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネ
ートは、一般のポリカーボネートの製造方法として公知
の方法で製造することができ、特にエステル交換法によ
り好ましく製造することができる。炭酸ジエステルを使
用するエステル交換反応では、公知の溶融重縮合法によ
り重合を行うことができる。すなわち、下記式(3)で
表される芳香族ジヒドロキシ化合物、下記式(4)で表
される脂肪族ジヒドロキシ化合物、炭酸ジエステル及び
触媒を用いて、加熱下に常圧または減圧下に副生物を除
去しながら溶融重縮合を行うものである。反応は一般に
は二段階以上の多段工程で実施される。
【化4】 (上記式(3)においてXは、
【化5】 であり、ここに、R3 およびR4 は水素原子または炭素
数1〜10のアルキル基或いはフェニル基であり、R3
とR4 が結合して環を形成していても良い。R1とR2
は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはハロ
ゲンであり、R1とR2 は同じでも異なっていても良
い。また、mおよびnは置換基数を表し0〜4の整数で
ある。)
【化6】 (上式(4)において、R5 、R6 、R7 、R8 は水素
原子または炭素数1〜10の1価のアルキル基であ
る。)
【0009】具体的には、第一段目の反応を120〜2
60℃、好ましくは180〜240℃の温度で0〜5時
間、好ましくは0.5〜3時間反応させる。次いで反応
系の減圧度を上げながら反応度を高めて、最終的には1
mmHg以下の減圧下、200〜300℃の温度で重縮合
反応を行う。また、上記の反応を行うに際して用いられ
る反応装置は、槽型であっても押出機型であっても良
い。
【0010】重合触媒としては、塩基性化合物が用いら
れる。このような塩基性化合物としては、特にアルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物な
どが挙げられ、これらの化合物は単独或いは組み合わせ
て用いることができる。
【0011】このようなアルカリ金属化合物としては、
アルカリ金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸化
物、水素化物、アルコラート等が用いられ、具体的に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウ
ム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ
リウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、
酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸
セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリ
ウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリ
ウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香
酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウ
ム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェ
ニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フ
ェニルリン酸2リチウム、ビスフェノールAの2ナトリウ
ム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェ
ノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチ
ウム塩等が用いられる。
【0012】また、アルカリ土類金属化合物としては、
アルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸
化物、水素化物、アルコラート等が用いられ、具体的に
は、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、
炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ス
トロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢
酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム、
等が用いられる。
【0013】含窒素化合物としては、4級アンモニウム
ヒドロキシド、4級アンモニウム塩類、アミン等が用い
られ、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ
プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアン
モニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウ
ムヒドロキシド、等のアルキル、アリール、アルアリー
ル基などを有するアンモニウムヒドロキシド類、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミ
ン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン、等の2級アミン、メチルアミ
ン、エチルアミン等の1級アミン類、2-メチルイミダゾ
ール、2-フェニルイミダゾール、等のイミダゾール類、
あるいはアンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハ
イドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライ
ド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレー
ト、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート
等の塩基性塩等が用いられる。
【0014】これらの触媒は、上記式(3)で示される
芳香族ジヒドロキシ化合物と上記式(4)で示される脂
肪族ジヒドロキシ化合物との合計1モルに対し、10-9
〜10-3モルの量で、好ましくは10-7〜10-5モルの
量を用いる。
【0015】上記式(3)で用いられる芳香族ジヒドロ
キシ化合物として、具体的には、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−
t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’
−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテ
ル、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルス
ルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキ
シド、4,4’− ジヒドロキシ−3,3’−ジメチル
ジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジメチルジフェニルスルホン等が挙げられる。こららの
内で、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、すなわちビスフェノールAあるいは1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが好まし
い。
【0016】また、上記式(4)で表される脂肪族ジヒ
ドロキシ化合物として、具体的には、(3,9-ビス(2-ヒ
ドロキシエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.
5)ウンデカン)、(3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメ
チルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウ
ンデカン)、(3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジエチル
エチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデ
カン)、(3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジプロピルエ
チル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカ
ン)などが用いられる。好ましくは、(3,9-ビス(2-ヒ
ドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキ
サスピロ(5.5)ウンデカン)が用いられる。好ましく
は、(3,9-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2,4,8,10-テト
ラオキサスピロ(5.5)ウンデカン)が用いられる。
【0017】さらに、炭酸ジエステルとしては、ジフェ
ニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(ク
ロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネ
ートなどが用いられる。これらのうち、特にジフェニル
カーボネートが好ましい。ジフェニルカーボネートは、
上記芳香族ジヒドロキシ化合物(3)と脂肪族ジヒドロ
キシ化合物(4)の合計1モルに対して、1.01〜
1.30モルの量で用いられることが好ましい。
【0018】本発明のポリカーボネート樹脂には、熱安
定性、および加水分解安定性を保持するために、触媒を
除去または失活させることが好ましい。一般的には、公
知の酸性物質の添加によるアルカリ金属あるいはアルカ
リ土類金属等のエステル交換触媒の失活を行う方法が好
適に実施される。これらの物質としては、具体的には、
p−トルエンスルホン酸のごとき芳香族スルホン酸、パ
ラトルエンスルホン酸ブチル等の芳香族スルホン酸エス
テル類、ステアリン酸クロライド、酪酸クロライド、塩
化ベンゾイル、トルエンスルホン酸クロライドのような
有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸のごときアルキル硫酸
塩、塩化ベンジルのごとき有機ハロゲン化物等が好適に
用いられる。
【0019】触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を
0.1〜1mmHgの圧力、200〜300℃の温度で脱
揮除去する工程を設けても良く、このためにはパドル
翼、格子翼、メガネ翼等を備えた横型あるいは薄膜蒸発
器が好適に用いられる。
【0020】なお、本発明に於いて、上記熱安定化剤、
加水分解安定化剤の他に、酸化防止剤、顔料、染料、強
化剤や充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、結晶核
剤、可塑剤、流動性改良材、帯電防止剤等を添加するこ
とができる。また、さらに樹脂の特性を改良する目的で
他のポリカーボネート樹脂、或いは熱可塑性樹脂をブレ
ンドして用いることもできる。
【0021】これらの添加剤は、従来から公知の方法で
各成分をポリカーボネート樹脂に混合することができ
る。例えば、各成分をターンブルミキサーやヘンシェル
ミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサーで代表
される高速ミキサーで分散混合した後、押出器、バンバ
リーミキサー、ロール等で溶融混練する方法が適宜選択
される。
【0022】本発明に用いられるプライマー樹脂として
は、樹脂基材およびシリコーン系硬化膜との密着性に優
れ、且つ応力を緩和するためある程度可とう性を有する
ものであることが好ましい。具体的には、ポリアクリル
および/またはポリメタクリル系樹脂組成物、エポシキ
系樹脂組成物、あるいはポリウレタン系樹脂組成物等を
挙げることができる。
【0023】ポリアクリルおよび/またはポリメタクリ
ル系樹脂組成物としては、1個以上のアクリル酸エステ
ルモノマーおよび/またはメタクリル酸エステルモノマ
ーの重合により得られる熱可塑性樹脂が挙げられる。具
体的なモノマーの例としては、アクリル酸およびメタク
リル酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等のエステルが
挙げられる。アクリル酸エステルモノマーの具体的な化
合物を挙げれば、アクリル酸メチル、アクリル酸イソプ
ロピル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル等がある。メタクリル酸エステルモノマーの具体例
を挙げれば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸イソブチル、およびメタクリル酸プロピルがあ
る。これらの単一のモノマーから誘導されるホモポリマ
ー、あるいは2種以上のモノマーから誘導される共重合
体等がプライマー樹脂として好適に用いられる。
【0024】ポリアクリルおよび/またはポリメタクリ
ル系熱硬化型樹脂組成物としては、活性水素を有するポ
リアクリルおよび/またはポリメタクリル系樹脂とイソ
シアネートとの反応による樹脂組成物を挙げることがで
きる。このような樹脂組成物は、(メタ)アクリルポリ
オールと多官能有機イソシアネート化合物からなるプラ
イマー組成物の硬化反応により得ることができる。
【0025】具体的な(メタ)アクリルポリオールとし
ては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、
ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリ
コールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノ
メタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリ
レート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレー
ト、グリセロールモノメタクリレート等の水酸基を有す
る(メタ)アクリレート類と他の不飽和化合物との共重
合体であり、ここで他の不飽和化合物モノマーとして、
メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルア
クリレート、エチルメタクリレート、イソブチルアクリ
レート、イソブチルメタクリレート、n−ブチルアクリ
レート、n−ブチルメタクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルポリオールの製造は公知の方法により
容易に実施でき、重合開始剤として、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのアゾ化合物、あるいはベンゾイルパー
オキサイドなどのパーオキサイド化合物を用いて製造さ
れる。
【0026】多官能有機イソシアネート化合物として
は、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘ
キサメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサ
ン、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートのビウレット結合体、あるいはイソシアヌレート結
合体、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロー
ルプロパンとの反応アダクト体、2−イソシアネートエ
チル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、1,
6,1,1−ウンデカントリイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの反応
アダクト体、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキ
サンとトリメチロールプロパンとの反応アダクト体等が
ある。
【0027】エポキシ系樹脂組成物としては、グリセリ
ン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチ
ロールメラミン等のジグリシジルエーテル、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、カテコール、レゾルシノール、アルキレ
ングリコール、ヘキサンジオール、ヘキサンジオール、
ブタンジオール、ビルフェノールA、水添ビスフェノー
ルA等の二官能性アルコールのジグリシジルエーテルな
どが挙げられる。エポキシ硬化触媒としては、過塩素酸
塩類が好適に使用される。具体的には、過塩素酸亜鉛、
過塩素酸アンモニウム、過塩素酸オキサジン、過塩素酸
カリウム、過塩素酸第二鉄、過塩素酸テトラエチルアン
モニウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸バリウム、過
塩素酸リチウムなどが挙げられる。
【0028】ポリウレタン系樹脂組成物としては、活性
水素を有する化合物とポリイソシアネートの反応で形成
される樹脂を挙げることができる。活性水素化合物とし
ては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、
等のアルキレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリ
コール等のポリアルキレングリコール類、ポリ(ジエチ
レンアジペート)、ポリ(テトラメチレンアジペー
ト)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ネオ
ペンチレンアジペート)などのポリ(アルキレンアジペ
ート)類、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ(1,4−
ブタンジエン)グリコール、ポリ(1,2−ブタンジエ
ン)グリコール等のポリブタジエングリコール類、ポリ
(ヘキサメチレンカーボネート)などのポリ(アルキレ
ンカーボネート)類、シリコーンポリオール等の2個以
上の水酸基を有するポリオール化合物等を挙げることが
できる。ポリイソシアネート化合物の例としては、トリ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5
−ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジメチル−
4,4’−ジフェニルジイソシアネート等の芳香族ジイ
ソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソ
シアナトメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート
等を挙げることができる。
【0029】ポリウレタン樹脂の製造は公知の方法を用
いることが可能であり、触媒として各種アミンやジブチ
ルスズジラウレートなどの金属系化合物などが用いられ
る。
【0030】以上述べてきた各種樹脂組成物は、溶媒に
溶解させてプライマー組成物として用いられる。溶媒と
しては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコー
ル類、ケトン類、エステル類、エーテル類などが挙げら
れる。特に好ましい溶媒として、基材の樹脂を溶解させ
たり、白化、膨潤等を生じないものとして、メタノー
ル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチル
セロソルブ、ジアセトンアルコール等を挙げることがで
きる。これらは単独で用いることもできるし、混合溶媒
として用いても良い。溶液中に塗布性の向上を目的に各
種レベリング剤を添加したり、耐候性向上を目的に紫外
線吸収剤や酸化防止剤さらに染料や顔料、その他膜性能
向上を目的とする各種添加剤を添加することができる。
プライマー組成物の塗布方法としては、スピンコーティ
ング、ディッピング、その他の公知の方法から適宜選択
される。プライマー組成物を塗布後、30〜200℃、
好ましくは60〜120℃の範囲の任意の温度で加熱す
ることにより、脱溶媒あるいは硬化反応を実施せしめて
プライマー膜を形成することができる。加熱温度の上限
は、樹脂基材のガラス転移温度に応じて選択されること
が好ましい。加熱時間は、用いるプライマー組成物によ
り異なるが、1〜120分の加熱時間が好適である。
【0031】プライマー層の膜厚は0.1〜20μmで
耐衝撃性の向上に効果があり、特に好ましくは1〜10
μmである。0.1μm以下では耐衝撃性向上の効果が
あまり大きくなく、20μmを越えても効果の向上はそ
れほどないばかりかレンズの面精度が低下する等の悪影
響がある。
【0032】本発明では、上記の硬化したプライマー層
の上に有機ケイ素化合物および/またはその加水分解物
を含むコーティング組成物を皮膜硬化させてシリコーン
系硬化層を設ける。本発明に用いられるシリコーン樹脂
は、一般式R1 aR2 bSi(OR3 )4−a−bおよ
び/またはその加水分解物からなる有機ケイ素コーティ
ング組成物を乾燥および/または加熱し硬化させて得ら
れる樹脂硬化層である。(ここで、R1 ,R2 はそれぞ
れアルキル基、アルケニル基、アリル基、または、ハロ
ゲン、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカ
プト基、メタクリルオキシ基あるいはシアノ基を有する
炭化水素基、R3 は炭素数が1〜10のアルキル基、ア
ルコキシアルキル基、アシル基、フェニル基であり、a
およびbは0または1である)
【0033】これらの有機ケイ素化合物としては、メチ
ルシリケート、エチルシリケート、n−プロピルシリケ
ート、iso−プロピルシリケート、n−ブチルシリケ
ート、sec−ブチルシリケート、tert−ブチルシ
リケート等のテトラアルコキシシランおよびその加水分
解物、さらに、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、
メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメト
キシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ク
ロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリアセトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シ
アノエチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシ
シラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチ
ルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキ
シシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α
−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシ
ドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエ
チルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリ
エトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
フェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキ
シシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラ
ン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−
グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシド
キシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチ
ルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメ
トキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシ
ラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリ
メトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)
メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシエトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラ
ン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルト
リメトキシシラン等のトリアルコキシシラン、トリアシ
ルシラン、トリフェノキシシラン類またはその加水分解
物およびジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニル
メチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メ
タクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシ
ラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、α
−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グ
リシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシ
ドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルジメトキシシラン等のジアルコキシシランまたはジア
シルオキキシシラン類またはその加水分解物等が用いら
れる。
【0034】これらの有機ケイ素化合物は単独で用いて
も良いし、2種以上を混合して用いても構わない。特
に、染色性付与の目的にはエポキシ基を含む有機ケイ素
化合物の使用が好適である。
【0035】これらの有機ケイ素化合物は、キュア温度
を下げ硬化をより進行させるためには加水分解して使用
することが好ましい。加水分解は、純水または塩酸、酢
酸、硫酸等の酸性水溶液を有機ケイ素化合物に添加、攪
拌することによって行われる。加水分解の度合いは、純
水または酸性水溶液の添加量を調節することによって容
易に制御することが可能である。加水分解に際しては、
アルコキシ基と等モル以上、3倍モル以下の純水または
酸性水溶液の添加が硬化促進の点で好ましい。
【0036】加水分解は、無溶媒で行っても良いし、加
水分解をさらに均一に行う目的で溶媒を用いても良い。
溶媒を用いる場合には、有機ケイ素化合物を溶媒と混合
した後に加水分解を行うのが好ましい。また、目的に応
じて加水分解後のアルコール等を加熱および/または減
圧下に適当量除去して使用しても良く、除去後に別の溶
媒を添加して用いることも可能である。これらの溶媒と
しては、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、芳
香族炭化水素が挙げられる。またこれらの溶媒は必要に
応じて2種以上の混合溶媒として用いても構わない。
【0037】また、必要に応じて、加水分解反応を促進
し予備縮合等の反応を進めるために加水分解を室温以上
の加熱下で行っても良く、逆に予備縮合を抑制するため
に室温以下の冷却下で行っても良い。
【0038】本発明におけるシリコーン樹脂硬化層の形
成、すなわち有機ケイ素コーティング組成物の硬化にあ
たっては、プラスチックレンズ基材に該コーティング組
成物を塗布した後、乾燥および/または加熱、紫外線照
射あるいは電子線照射などを行うことによって達成しう
るが、硬化促進、低温硬化を可能とする目的で各種の硬
化剤が併用可能である。硬化剤としては、各種エポキシ
樹脂硬化剤あるいは各種有機ケイ素樹脂硬化剤が好適に
使用される。具体的には、各種の有機酸およびそれらの
酸無水物、窒素含有有機化合物、各種金属錯化合物、金
属アルコキシド、アルカリ金属の有機カルボン酸塩、ア
ルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。これらの硬化剤は
単独で用いても良く、必要に応じて2種類以上を混合し
て用いても良い。これらの硬化剤の中でも、コーティン
グ組成物の安定性、硬化層の着色の点からアルミニウム
キレート化合物が好適に使用される。
【0039】本発明において、プラスチックレンズ基材
にコーティング組成物を塗布する際のフローを向上さ
せ、また塗膜の平滑性を向上させて塗膜表面の摩擦係数
を低下させる目的で、該コーティング組成物に界面活性
剤を添加して使用するのが好ましい。具体的には、ジメ
チルシロキサンとアルキレンオキシドとのブロックまた
はグラフト共重合体、あるいはフッ素系界面活性剤等が
有効である。
【0040】また、染顔料や充填剤を分散させたり有機
ポリマーを溶解させて塗膜を着色させたり、塗布性、硬
化膜と基材との密着性、硬化膜の物性向上をはかること
も可能である。また、硬化膜の耐候性向上のための紫外
線吸収剤添加や耐熱劣化向上のための酸化防止剤添加も
好適に実施される。
【0041】さらに、シリコーン樹脂よりなる硬化層の
表面硬度を一層向上させ、また、帯電防止性の向上、硬
化層の屈折率向上、耐候性向上の目的で、コーティング
組成物に対して各種無機物の添加が好適に実施される。
特に、表面硬度向上のためには高分子量無機ケイ酸の水
および/またはアルコールなど有機溶媒中のコロイド状
分散体であるコロイダルシリカが好適に使用される。コ
ロイダルシリカは粒径1〜100mμのシリカ微粒子、
より好ましくは粒径5〜40mμのシリカ微粒子を分散
させたものが好適に使用される。また、コロイダルシリ
カは反射防止膜との密着性向上のためには5〜70%の
範囲で好ましく使用される。
【0042】シリコーン硬化層を塗布する方法は、上述
のプライマー組成物と同様の方法、すなわち、スピンコ
ーティング、ディッピング、スプレー法等から適宜選択
される。この硬化反応は加熱によって進行するため、6
0〜150℃、より好ましくは80〜120℃熱風中3
0〜240分の加熱により実施される。
【0043】本発明においては、シリコーン系硬化層を
皮膜硬化させた後、さらに単層または多層の反射防止膜
を設けることもできる。反射防止膜に用いられる物質と
しては、金属、金属あるいは半金族の酸化物、フッ化
物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、硫化物等が
挙げられ、具体的には、SiO2 、SiO、ZrO2
Al2 3 、TiO2 、Sb2 3 、Sb2 5 、酸化
タンタル等の金属酸化物、MgF2 等のフッ化物などで
ある。
【0044】これらの物質からなる単層または多層の反
射防止膜を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッ
タリング法、イオンプレーティング法、イオンビームア
シスト法等が挙げられる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、眼鏡レンズとして十分
な光学特性を有し、かつ、硬度、密着性、耐衝撃性に優
れるレンズを製造することができ、非常に有用である。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例に従い具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例になんらの制限を受けるも
のではない。
【0047】実施例1(レンズ基材の製造) 2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビス
フェノールA)7716.9g(33.80 モル)、3,9-ビス(2-
ヒドロキシ-1,1- ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオ
キサスピロ(5.5 )ウンデカン(以下スピログリコー
ル)9498.2g(31.20 モル)、ジフェニルカーボネート
15129.5g(70.63モル)、炭酸水素ナトリウム0.0161g
(1.921×10-4モル)を、撹拌機及び留出装置を備えた5
0リットルの撹拌機および留出装置付の反応器に仕込み、窒
素雰囲気下180℃に加熱し2時間保持した後、減圧度を15
0Torrに調節した。この状態で1時間経過後、2時間かけ
て減圧度を0.2Torrとし、この減圧度を保持しながら1時
間かけて260℃に昇温し、生成するフェノールを留去し
ながら合計9時間撹拌下反応を行った。反応終了後、反
応器内に窒素を吹き込み常圧とし、反応器の底からポリ
カーボネートをギアポンプにより抜き出した。この樹脂
を2軸押出機(バレル温度260℃)に送入し、触媒失活剤
としてp-トルエンスルホン酸n-ブチルを0.12g、酸化
防止剤としてアデカスタブAO-50(旭電化(株)製)お
よびアデカスタブ2112(旭電化(株)製)をそれぞれ3.
70g、さらに、離型剤としてSH556(東レダウコーニン
グ社製)を55.8gを混練して均一なポリマーとし、ダイ
を通してストランド状にした後ペレタイザーによりカッ
トしてペレットとした。この共重合ポリカーボネート
は、ビスフェノールA:スピログリコールモル比=5
2:48、重量平均分子量Mw=85,000であった。
この樹脂の物性は、屈折率nD=1.525、アッベ数
υD=40、ガラス転移温度Tg=123℃、であり、1
27cmの高さから鋼球を落とす落球衝撃試験におい
て、535gの球でも割れない非常に耐衝撃性の高いも
のであった。得られた樹脂組成物を100℃にて十分乾
燥後、射出成形機を用いて50mmφ、2mm厚のディスク
に成形し、以下の試験に供した。
【0048】実施例2(シリコーン系コーティング用組
成物の調製) γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン10
6.8gを10℃に冷却し、撹拌しながら0.05規定
塩酸水溶液15.5gを徐々に滴下し、滴下終了後、メ
タノール分散コロイダルシリカ(平均粒子径12±1m
μ、固形分30%)490gを撹拌しながら滴下した。
滴下終了後、10℃にてさらに12時間撹拌を続けた。
この液に、メチルセロソルブ73g、イソプロピルアル
コール292g、n−ブタノール146g、シリコーン
系界面活性剤(日本ユニカー(株)製L−7002)
2.8gを添加し、十分撹拌した後シリコーン系コーテ
ィング組成液とした。
【0049】実施例3 市販されているアクリル−スチレン系水性エマルジョン
として、F430(昭和高分子(株)製、固形分45
%)200gに、撹拌下、純水200g、メタノール2
00gを添加し、さらにエチルセロソルブ800g、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル100gを添加
した。続いてp−t−ブチルフェニルサリシレート25
gおよび高分子用安定剤(三共(株)製、サノールLS
−770)5gを加えてプライマー溶液とした。実施例
1で得られた樹脂ディスクサンプルに、上で得たプライ
マー溶液をディッピング法により塗布を行った。このサ
ンプルを熱風乾燥機中で、100℃で1時間保ち加熱硬
化させた。このプライマー層の膜厚は3.0μmであっ
た。この上に、実施例2で得られたシリコーン系コーテ
ィング液をディッピング法にて塗布し、110℃にて1
時間加熱硬化させた。このようにして得られたハードコ
ート後のディスクの物性を表1に示す。
【0050】実施例4 グリセリンジグリシジルエーテル(長瀬産業(株)製デ
ナコールEX313)100gと過塩素酸マグネシウム
8.1gの混合液に、メチルセロソルブ216gを加
え、均一溶液とした。これに、レベリング剤(日本ユニ
カー(株)製Y−7002)を数滴加えてプライマー溶
液とした。実施例1で得られた樹脂ディスクサンプル
に、上で得たプライマー溶液をディッピング法により塗
布を行った。このサンプルを熱風乾燥機中で、100℃
で1時間保ち加熱硬化させた。このプライマー層の膜厚
は2.0μmであった。この上に、実施例2で得られた
シリコーン系コーティング液をディッピング法にて塗布
し、110℃にて1時間加熱硬化させた。このようにし
て得られたハードコート後のディスクの物性を表1に示
す。
【0051】実施例5 市販のポリウレタンE380(日本エラストラン(株)
製、ポリアルキレンカーボネート)を用い、テトラヒド
ロフランを加えてプライマー濃度3%に調製した。この
液をプライマー溶液として用いた以外は実施例3と同様
の操作を行ってプライマー層、シリコーン硬化層付き樹
脂ディスクを得た。得られたディスクの物性を表1に示
す。
【0052】比較例1 実施例1で得られた樹脂ディスクに、プライマー層を塗
布することなく、直接実施例2で調製したシリコーンコ
ーティング液をディッピング法で塗布し、110℃で1
時間加熱硬化させた。結果を表1に示すが、膜の密着性
が十分でなく、落球衝撃値も非常に低いものであった。
【0053】・塗膜硬度の測定…#0000のスチールウー
ルで1kg荷重下、10往復させて塗膜をこすり、傷つき具
合により4段階で評価した。 a:強く摩擦しても傷がつかない。 b:強く摩擦すると少し傷がつく。 c:弱く摩擦しても傷がつく。 d:爪で簡単に傷がつく。 ・密着性…鋼ナイフを用い、基材の塗布面に1mmのマス
目を100個形成する。次にその上にセロハン粘着テープ
を強く押しつけた後に、90度方向に急速にはがし、塗膜
の剥離の有無を調べた。 ・落球衝撃試験…各種重量の鋼球を127cmの高さから、
成形体の中心部に向かって自然落下させ、割れなかった
最大重量をもって落球衝撃値とした。
【0054】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/04 C09D 183/04 G02B 1/04 G02B 1/04 // C09D 133/00 C09D 133/00 G02C 7/02 G02C 7/02 B29K 69:00 (72)発明者 小西 隆 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 2K009 AA00 AA15 BB24 CC24 CC33 CC35 CC42 DD02 DD06 4F213 AA28 AA33 AG03 AH74 WA14 WA54 WA58 WA87 4J002 CD001 CG011 CG021 CK021 CP051 CP081 CP091 CP101 GF00 GP01 4J038 CG142 DB002 DG002 DL031 PA07 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成単位として、下記構造式(1)およ
    び構造式(2)を有するポリカーボネート樹脂からなる
    プラスチックレンズ基材の表面上に、有機樹脂からなる
    膜厚0.1〜20μmのプライマー層を施し、さらにそ
    の上に有機ケイ素化合物および/またはその加水分解物
    を含むコーティング組成物を皮膜硬化させてシリコーン
    系硬化層を設けることを特徴とするプラスチックレン
    ズ。 【化1】 (上記構造式(1)において、Xは 【化2】 であり、ここに、R3 およびR4 は水素原子または炭素
    数1〜10のアルキル基或いはフェニル基であり、R3
    とR4 が結合して環を形成していても良い。R1とR2
    は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはハロ
    ゲンであり、R1とR2 は同じでも異なっていても良
    い。また、mおよびnは置換基数を表し0〜4の整数で
    ある。) 【化3】 (上記構造式(2)において、R5 、R6 、R7 、R8
    は水素原子または炭素数1〜10の1価のアルキル基で
    ある。)
  2. 【請求項2】 プライマー層が、ポリアクリルおよび/
    またはポリメタクリル樹脂を主成分とする請求項1記載
    のプラスチックレンズ。
  3. 【請求項3】 プライマー層が、エポキシ樹脂を主成分
    とする請求項1記載のプラスチックレンズ。
  4. 【請求項4】 プライマー層が、ポリウレタン樹脂を主
    成分とする請求項1記載のプラスチックレンズ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002241693A (ja) * 2001-02-14 2002-08-28 Mitsubishi Gas Chem Co Inc コーティング用組成物及び光学部材
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