JP2000053734A - ブロック共重合体およびその成形品 - Google Patents
ブロック共重合体およびその成形品Info
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Abstract
ストマー特性を発揮させることが可能であり、しかも熱
安定性にも優れた新規な熱可塑性重合体を提供する。 【解決手段】 本発明は、式:A−B−Cで示される化
学構造を分子主鎖中に有し、かつ分子の集合体において
三相共連続のミクロ相分離構造を形成し得るブロック共
重合体である。ここで、A、BおよびCは、相互に異な
る化学構造を有する重合体ブロックである。ただし、
A、BおよびCのうちの1個または2個はスチレン系単
量体、(メタ)アクリレート系単量体または共役ジエン
系単量体の付加重合体(またはその水素添加物)から構
成される硬質ブロックであり、残りの2個または1個は
(メタ)アクリレート系単量体または共役ジエン系単量
体の付加重合体(またはその水素添加物)から構成され
る軟質ブロックである。
Description
と共に、熱安定性に優れ、かつ高い硬度を有する場合で
あっても優れたエラストマー特性を発揮し得ることか
ら、熱可塑性エラストマーとして幅広い用途に利用可能
な新規なブロック共重合体に関する。また、本発明は、
該ブロック共重合体からなるエラストマー性材料および
成形品に関する。
兼ね備えたエラストマー性材料として自動車部品、電子
・電気機器部品、建築・土木用途などに広く用いられて
いる。特に、A−B−A型ブロック共重合体であるポリ
スチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重
合体、ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリス
チレンブロック共重合体などに代表されるスチレン系熱
可塑性エラストマーは、硬質ブロック(ポリスチレンブ
ロック)の含量、分子量等の条件を適宜選択することに
より、応力−ひずみ特性などに代表されるエラストマー
特性を良好なものにできることから、工業的に広く用い
られている材料である(例えば、小松公栄著「熱可塑性
エラストマー−基礎・応用・市場・将来展望−」(1995
年10月30日日刊工業新聞社発行)など参照)。上記のス
チレン系熱可塑性エラストマーに相当するA−B−A型
ブロック共重合体は、硬質ブロックであるポリスチレン
ブロックの含量を増加させていくに従って、分子の集合
体におけるミクロ相分離構造が球状から柱状構造を経て
ラメラ構造に変化してしまうため、硬度は上昇するもの
の、樹脂的性質を有するようになり優れたエラストマー
特性を有さなくなる。従って、この種のA−B−A型ブ
ロック共重合体では、高い硬度と優れたエラストマー特
性の両立は困難である。
おける重合体ブロック組成とミクロ相分離構造との関係
については、A−B−A型以外のブロック共重合体につ
いても検討されており、ポリスチレン、ポリイソプレン
およびポリ2−ビニルピリジンを構成ブロック成分とす
るA−B−C型ブロック共重合体では、特異的に、ミク
ロ相分離構造において三相共連続構造が柱状構造とラメ
ラ構造の間の比較的広い組成領域において安定して出現
することが報告されている(例えば、Macromol
ecules、1994年、第27巻、第6755〜6
760頁など参照)。しかしながら、同じA−B−C型
ブロック共重合体であっても、ポリスチレン、ポリブタ
ジエンおよびポリメタクリル酸メチルの3ブロック成分
から構成されるものでは、三相共連続構造を形成するこ
とは報告されていない(例えば、Macromolec
ules 1995年、第28巻、第3080〜309
7頁など参照)。
ポリスチレン、ポリイソプレンおよびポリ2−ビニルピ
リジンを構成ブロック成分とするA−B−C型ブロック
共重合体について種々検討した結果、その組成比に応じ
ては、高い硬度を有する場合であっても優れたエラスト
マー特性を発揮させることが可能であること、および、
この性質は、硬質ブロック(ポリスチレンブロックおよ
びポリ2−ビニルピリジンブロック)の含有量が比較的
高い組成領域でも特異的に三相共連続構造を形成してい
ることに由来するものであることを見出した。しかしな
がら、この種のブロック共重合体は熱安定性に劣り、実
用的な用途面における制約が大きいことも判明した。し
かして、本発明の課題は、高い硬度を有する場合であっ
ても優れたエラストマー特性を発揮させることが可能で
あり、しかも熱安定性にも優れた新規な熱可塑性重合
体、ならびに、そのような優れた性質を発揮するエラス
トマー性材料および成形品を提供することにある。
ねた結果、特定のA−B−C型ブロック共重合体におい
て上記の課題が達成されうることを見出し、本発明を完
成するに至った。
とつは、式
互に異なる化学構造を有する重合体ブロックを表す。た
だし、A、BおよびCのうちの1個または2個の重合体
ブロックが、それぞれ、スチレン系単量体、(メタ)ア
クリレート系単量体および共役ジエン系単量体からなる
群から選ばれる少なくとも1種の単量体を主体とする単
量体の付加重合体またはその水素添加物から構成される
硬質ブロックであり、かつ残りの2個または1個の重合
体ブロックが、それぞれ、(メタ)アクリレート系単量
体および共役ジエン系単量体からなる群から選ばれる少
なくとも1種の単量体を主体とする単量体の付加重合体
またはその水素添加物から構成される軟質ブロックであ
る。)
かつ分子の集合体において三相共連続のミクロ相分離構
造を形成し得るブロック共重合体を提供することによっ
て達成される。
は、上記式(I)で示される化学構造を分子主鎖中に有
するブロック共重合体からなり、かつ該ブロック共重合
体が三相共連続のミクロ相分離構造を形成しているエラ
ストマー性材料を提供することによって達成される。
課題は、少なくとも一部が上記エラストマー性材料から
構成されている成形品を提供することによって達成され
る。
互に化学構造の相違するA、BおよびCの3種の重合体
ブロックを分子主鎖中に含有し、分子の集合体において
三相共連続のミクロ相分離構造を形成し得るものであ
る。ただし、A、BおよびCのうち1個または2個の重
合体ブロックは、スチレン系単量体、(メタ)アクリレ
ート系単量体および共役ジエン系単量体からなる群から
選ばれる少なくとも1種の単量体を主体とする単量体の
付加重合体またはその水素添加物から構成される硬質ブ
ロックである。また、A、BおよびCのうち残りの重合
体ブロックは、(メタ)アクリレート系単量体および共
役ジエン系単量体からなる群から選ばれる少なくとも1
種の単量体を主体とする単量体の付加重合体またはその
水素添加物から構成される軟質ブロックである。なお、
本明細書においては、上記「(メタ)アクリレート系単
量体」はアクリレート系単量体とメタクリレート系単量
体の総称を意味するものとする。
ロックは、ブロック共重合体における引張強度が特に良
好となる点から、20℃を超える温度域に実質的に単一
のガラス転移点を有することが好ましく、40℃以上の
温度域に実質的に単一のガラス転移点を有することがよ
り好ましい。このようなガラス転移点を有する硬質ブロ
ックを形成させる目的においては、主として、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ter
t−ブチルスチレンなどのスチレン系単量体;メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸ter
t−ブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ト
リフルオロメチル、アクリル酸tert−ブチルなどの
(メタ)アクリレート系単量体;およびシクロヘキサジ
エンなどの共役ジエン系単量体のうちの1種以上の単量
体を使用することが好ましい。硬質ブロックは、1種類
の単量体の付加重合によって形成される単独重合体ブロ
ックであっても、2種類以上の単量体の付加重合によっ
て形成される共重合体ブロックであっても、またこれら
の重合体ブロック中の不飽和部分が部分的または完全に
水素添加されてなる水素添加物ブロックであってもよ
い。硬質ブロックを構成する重合体の例としては、ポリ
スチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリビニルトルエ
ン、ポリp−tert−ブチルスチレンなどのスチレン
系重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸
sec−ブチル、ポリメタクリル酸tert−ブチル、
ポリメタクリル酸グリシジル、ポリメタクリル酸トリフ
ルオロメチル、ポリアクリル酸tert−ブチルなどの
(メタ)アクリレート系重合体(本明細書においては、
「(メタ)アクリレート系重合体」はアクリレート系重
合体とメタクリレート系重合体の総称を意味する);ポ
リシクロヘキサジエン、水添ポリシクロヘキサジエンな
どの共役ジエン系重合体などを挙げることができる。
ロックは、ブロック共重合体における応力解放後の戻り
などに代表されるエラストマー特性が特に良好となる点
から、20℃以下の温度域に実質的に単一のガラス転移
点を有することが好ましく、10℃以下の温度域に実質
的に単一のガラス転移点を有することがより好ましい。
このようなガラス転移点を有する軟質ブロックを形成さ
せる目的においては、主として、メタクリル酸ヘキシ
ル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタ
クリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イ
ソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec
−ブチル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸3−ペンチ
ル、アクリル酸ヘキシルなど(メタ)アクリレート系単
量体;およびブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン
系単量体のうちの1種以上の単量体を使用することが好
ましい。軟質ブロックは、1種類の単量体の付加重合に
よって形成される単独重合体ブロックであっても、2種
類以上の単量体の付加重合によって形成される共重合体
ブロックであっても、またこれらの重合体ブロック中の
不飽和部分が部分的または完全に水素添加されてなる水
素添加物ブロックであってもよい。軟質ブロックを構成
する重合体の例としては、ポリメタクリル酸ヘキシル、
ポリメタクリル酸オクチル、ポリメタクリル酸デシル、
ポリメタクリル酸ラウリル、ポリメタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸プ
ロピル、ポリアクリル酸イソプロピル、ポリアクリル酸
n−ブチル、ポリアクリル酸sec−ブチル、ポリアク
リル酸ヘプチル、ポリアクリル酸3−ペンチル、ポリア
クリル酸ヘキシルなどの(メタ)アクリレート系重合
体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリブタジ
エン、水添ポリイソプレンなどの共役ジエン系重合体な
どを挙げることができる。
A、BおよびCの各重合体ブロックのうちの1個が硬質
ブロックであり、かつ残りの2個が軟質ブロックである
か、またはA、BおよびCの各重合体ブロックのうちの
2個が硬質ブロックであり、かつ残りの1個が軟質ブロ
ックである。この限りにおいては、A、BおよびCの重
合体ブロックはそれぞれ硬質ブロックであっても軟質ブ
ロックであってもよく、硬質ブロックと軟質ブロックの
配列順序は特に制限されるものではない。ただし、熱可
塑性エラストマーとしての特性が特に良好に発揮され易
い点において、AブロックおよびCブロックがそれぞれ
硬質ブロックであり、Bブロックが軟質ブロックである
ことが好ましい。なお、本発明のブロック共重合体は、
トリブロック共重合体に限定されるものではない。
ブロックの組合せのうち、(硬質ブロック)−(軟質ブ
ロック)−(硬質ブロック)から構成される好ましい代
表例としては、以下のものを挙げることができる。
(ポリメチルメタクリレート);(ポリスチレン)−
(ポリイソプレン)−(ポリメチルメタクリレート);
(ポリスチレン)−(ポリブタジエンの水素添加物)−
(ポリメチルメタクリレート);(ポリスチレン)−
(ポリイソプレンの水素添加物)−(ポリメチルメタク
リレート);(ポリスチレン)−(ポリメタクリル酸ラ
ウリル)−(ポリメタクリル酸メチル);(ポリスチレ
ン)−(ポリメタクリル酸2−エチルヘキシル)−(ポ
リメタクリル酸メチル);(ポリスチレン)−(ポリア
クリル酸n−ブチル)−(ポリメタクリル酸メチル);
(ポリメタクリル酸メチル)−(ポリメタクリル酸ラウ
リル)−(ポリメタクリル酸トリフルオロメチル)
集合体において、Aブロック、BブロックおよびCブロ
ックがそれぞれミクロ相分離した相を形成し、しかもそ
の相分離構造が三相共連続構造となる性質を有すること
が必要である。ここで、このような三相共連続のミクロ
相分離構造は、溶融混練後冷却、溶液の溶媒除去などの
方法によって製造されたブロック共重合体の集合体の一
部分を試料として切り出し、その試料を互いに角度をな
す2以上の方向にそれぞれ切削することによって、20
〜100nm程度の範囲内の厚みを有する2種以上の薄
片を作製し、それぞれを、直接透過型電子顕微鏡(以
下、TEMと略称する)などの手段で観察し、例えばO
TDD(orderd−tricontinuous−
double−diamond)構造(例えば、Mac
romolecules、1994年、第27巻、第6
755〜6760頁など参照)などに代表されるような
三相共連続構造と同様の構造であることを確認すること
によって判定することができる。また、薄片の観察の前
に、必要に応じて四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム
等の電子染色試薬で所望の相を選択的に染色してもよ
い。なお、三相共連続構造を形成する性質の有無を確認
するための試料の作製に際しては、ブロック共重合体が
集合状態において三相共連続構造を形成し易いような作
製条件を採用することが好ましい。例えば、該試料をブ
ロック重合体溶液からの溶媒除去によって作製する場合
には、A、B、Cの各ブロックに対する溶解性があまり
相違することがないような溶媒を使用して重合体溶液を
調製することが好ましい。また、該試料をブロック重合
体の溶融冷却によって作製する場合には、十分なせん断
力を付与しながらブロック共重合体を十分な時間溶融混
練し、次いで集合状態の重合体の各部の温度ができるだ
け均一となるような条件下で冷却・固化させることが好
ましい。
は必ずしも限られるものではないが、2万〜100万の
範囲内であることが好ましい。本発明のブロック共重合
体では、(重量平均分子量)/(数平均分子量)の比で
表される分子量分布が1.0〜1.5の範囲内であるこ
とが好ましい。本発明のブロック共重合体中における各
ブロックの数平均分子量は、ブロック共重合体の集合体
のミクロ相分離構造が三相共連続構造になり得る限りに
おいては必ずしも限られるものではないが、一般に、A
ブロックが1000〜30万の範囲内となり、Bブロッ
クが8000〜90万の範囲内となり、かつCブロック
が1000〜30万の範囲内となるような条件の中で、
ブロック共重合体が三相共連続構造を形成し得る数平均
分子量であることが好ましい。また、本発明のブロック
共重合体は、その分子主鎖末端または側鎖に水酸基、カ
ルボン酸基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を有し
ていても構わない。
られるものではないが、例えば、公知のアニオン重合法
に準じて所定の単量体の付加重合反応を段階的に行うこ
とにより、水素添加されていないA、BおよびCの各ブ
ロックを含む所定の重合体ブロックを任意の順序で順次
形成させ、必要に応じ、さらに水素添加反応を行うこと
によって製造することができる。なお、ブロック共重合
体が三相共連続構造を形成し得るか否かは、各ブロック
を構成する単量体の種類、各ブロックの数平均分子量の
相対割合等の条件に依存するので、本発明のブロック共
重合体を製造するに当たっては、これらの条件を予備実
験等に基づいて適時選択しておくことが好ましい。
通常用いられる条件を採用することができる。通常、重
合温度としては−100℃〜+100℃の範囲内、重合
時間としては0.01〜200時間の範囲内である。ま
た重合雰囲気としては、乾燥アルゴン、窒素などの不活
性ガス下であることが好ましい。上記のアニオン重合に
おける重合開始剤としては、使用する単量体のアニオン
重合が通常可能な開始剤を適宜選択して利用することが
できる。その開始剤の例としては、金属ナトリウム、金
属リチウム等のアルカリ金属;メチルリチウム、エチル
リチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウ
ム等の有機アルカリ金属化合物などを挙げることができ
る。上記のアニオン重合では、通常のアニオン重合で使
用可能な溶媒を適宜選択して用いることができるが、水
素添加されていない各ブロックを形成させるための一連
の重合の際には、所定の硬質ブロックおよび軟質ブロッ
クを形成させるため、所定の単量体が所定の規則性で付
加重合できるように、必要に応じて、常法に従い、重合
途上で溶媒交換を行ったり、添加剤、溶媒等の添加を行
ってもよい。上記のアニオン重合における溶媒として
は、使用する単量体のアニオン重合が通常可能な溶媒を
適宜選択して利用することができる。その溶媒として
は、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素溶媒;ジエ
チルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン、テト
ラヒドロピラン等のエーテル溶媒などを単独でまたは混
合して使用することができる。
は上記のごとき付加重合反応によって製造することがで
きるが、他の種類のものは、付加重合反応によって得ら
れたブロック共重合体を、さらにその中に含まれる炭素
−炭素不飽和二重結合部分の水素添加反応に供すること
によって製造される。水素添加反応は、公知の方法に準
じて、例えば、溶媒中、水素添加触媒の存在下に接触水
素添加することによって行うことができる。溶媒として
は、ヘキサン、シクロヘキサンなどの、水素添加反応に
対して不活性な溶媒が好ましく用いられる。触媒として
は、例えば、ラネーニッケル、もしくはPt、Pd、R
u、Rh、Niなどの金属をカーボン、アルミナ、硅藻
土などの担体に担持させてなる担持触媒などの不均一触
媒;または遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物、
有機リチウム化合物等との組み合わせからなるチーグラ
ー系触媒などが用いられる。水素添加反応におけるその
他の条件については必ずしも限られるものではないが、
水素圧としては常圧〜200kg/cm2の範囲内、反
応温度としては常温〜250℃の範囲内、反応時間とし
ては0.1〜200時間の範囲内が通常採用される。
混合液からのブロック共重合体の単離方法としては、必
ずしも限られるものではないが、例えばブロック共重合
体を含む反応混合液をメタノールなどの貧溶媒と接触さ
せることにより凝固させ、凝固物を取り出し、予備乾燥
させた後、加熱あるいは減圧下に乾燥させることによっ
て本発明のブロック共重合体を得ることができる。
するため、射出成形、押出し成形等の各種の成形方法に
供することができ、シート状、ホース状、箱状、ボール
状等の各種形状の成形品に成形することができる。本発
明のブロック共重合体は、上述のように、その分子の集
合体においてA、BおよびCの各ブロックがそれぞれミ
クロ相分離した相を形成し、しかもその相分離構造が三
相共連続構造となる性質を有するため、該ブロック共重
合体を熱的な成形に付することによって、上記の三相共
連続のミクロ相分離構造を呈しているエラストマー性材
料から構成される成形品を製造することができる。必ず
しも限られるものではないが、エラストマー性材料およ
び成形品においてこのような三相共連続構造を均一に発
現させるためには、これらの製造時に、ブロック共重合
体を十分に溶融混練したり、十分なせん断力が付与され
るような成形条件を採用したり、あるいは、溶融状態に
ある集合状態の重合体を各部の温度が均一となるような
条件下で冷却・固化させることが好結果を与え易い。
ク、BブロックおよびCブロックがそれぞれミクロ相分
離した相を形成し、しかもその相分離構造が三相共連続
構造をなしていることが必要である。また本発明の成形
品は、その少なくとも一部が、該三相連続構造をなして
いるエラストマー性材料から構成されていればよく、本
発明の成形品には、該エラストマー性材料単独からなる
成形品は勿論のこと、他の素材との複合体(積層体、2
色成形品など)も包含される。なお、これらの三相共連
続のミクロ相分離構造は、エラストマー性材料または成
形品のブロック共重合体からなる部分から切り出した試
料を互いに角度をなす2以上の方向にそれぞれ切削する
ことによって20〜100nm程度の範囲内の厚みを有
する2種以上の薄片を作製し、それぞれを、上記の方法
と同様にして観察することによって判定することができ
る。
の成形品中のエラストマー性材料部分は、多くの場合、
65〜95の範囲内のJIS A硬度を有すると共に、
引張試験において500%〜1000%の範囲内の伸度
と10%〜80%の範囲内の伸び率を示す。ここで、伸
び率とは、引張試験において試料を固定した2個のチャ
ック間の距離を、同試験前と試験終了から1時間経過後
(試料が破断した場合には破断面同士を密接に接合させ
た状態とする)についてそれぞれ測定した場合、〔(試
験1時間後でのチャック間距離)×100/(試験前チャ
ック間距離)〕×100/(伸度(%))で算出される値
(単位:%)である。
は、熱安定性に優れ、さらに高硬度であっても優れたエ
ラストマー特性を有するため、自動車用部品、スポーツ
用品、弱電機器部品、電線ケーブル、土木建材などとし
て特に有利に使用される。さらに、本発明のブロック共
重合体は、合成樹脂用の改質剤としても利用可能であ
る。
なお、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。なお、以下の実施例および比較例では、溶媒お
よび単量体として、通常のアニオン重合で用いる場合と
同様に窒素気流下で十分に蒸留したものを用いた。
プレン)−(ポリメタクリル酸メチル)のトリブロック
共重合体の製造例) 窒素置換を行った1リットルオートクレーブ中にメチル
シクロヘキサン230gおよびsec−ブチルリチウム
(以降、s−BuLiと略称する)0.092gを仕込
んだ後、スチレン17.3gを添加し40℃で3時間付
加重合を行った。その後、重合体の一部をサンプリング
し分析を行った。分析はポリスチレン換算ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフ(以降、GPCと略称する)に
より行い、数平均分子量(以降、Mnと略称する)およ
び重量平均分子量/数平均分子量の比(以降、Mw/M
nと略称する)を求めた。その結果、Mn=1200
0、Mw/Mn=1.09のポリスチレンが形成された
ことが判明した。上記の重合後、イソプレン34.6g
を系内に滴下し、40℃で3時間付加重合を行った。そ
の後、得られた重合体の一部をサンプリングし分析を行
った。分析では、GPCによりMnおよびMw/Mnを
測定し、さらに核磁気共鳴吸収測定(以降、NMRと略
称する)によりポリスチレン/ポリイソプレンの重量比
を求めた。その結果、Mn=48700、Mw/Mn=
1.09であり、ポリスチレン/ポリイソプレンの重量
比が1/2であることが判明した。得られた重合反応系
に1,1−ジフェニルエチレン0.55gを添加し、4
0℃で1時間保持した後、−78℃まで冷却し、テトラ
ヒドロフラン267gをゆっくりと滴下した。テトラヒ
ドロフラン滴下終了後、さらに3時間撹拌を継続した
後、系内にメタクリル酸メチルを17.3g添加し、−
78℃で3時間付加重合を行った。その後、0.5gの
メタノールを系内に添加し、重合を停止した。重合停止
時に、得られた重合体の一部をサンプリングし、GPC
およびNMRで分析した結果、Mn=61200、Mw
/Mn=1.05、ポリスチレン/ポリイソプレン/ポ
リメタクリル酸メチル(重量比)=1/2/1の(ポリ
スチレン)−(ポリイソプレン)−(ポリメタクリル酸
メチル)のトリブロック共重合体が最終的に得られたこ
とを確認できた。このようにして得られた重合後の溶液
をメタノール8000g中に注ぐことによって重合体を
凝固させ、この凝固物を回収し、真空乾燥を30℃で2
0時間行うことによって、上記トリブロック共重合体6
9.2gを取得した。次に、各重合体ブロックにおける
ガラス転移点(以降、Tgと略称する)の測定を行っ
た。重合体のサンプルを60℃で20時間真空乾燥した
後、220℃で圧縮成形に供した。得られた試験片を用
い、−150℃〜+250℃の温度領域において10℃
/分の昇温速度で示差走査熱量分析を行った。その際、
重合体中の重合体ブロックのガラス転移に由来する比熱
の変化が認められた場合、その温度を該重合体ブロック
のTgと決定した。その結果、ポリイソプレンブロック
のTgが−70℃に、ポリスチレンブロックのTgが9
5℃に、ポリメタクリル酸メチルブロックのTgが11
0℃に観測された。
プレン)−(ポリスチレン)のトリブロック共重合体の
製造例) 窒素置換を行った1リットルオートクレーブ中にシクロ
ヘキサン460gおよびs−BuLi0.092gを仕
込んだ後、スチレン17.3gを添加し、40℃で3時
間付加重合を行った。その後、得られた重合体の一部を
サンプリングし分析を行った。分析はポリスチレン換算
GPCにより行い、MnおよびMw/Mnを求めた。そ
の結果、Mn=12000、Mw/Mn=1.10のポ
リスチレンが形成されたことが判明した。上記の重合
後、イソプレン34.6gを系内に滴下し、40℃で3
時間付加重合を行った。その後、得られた重合体の一部
をサンプリングし分析を行った。分析はGPCによりM
nおよびMw/Mnを測定し、さらにNMRによりポリ
イソプレンブロック/ポリスチレンブロックの重量比
(以降、PIp/PStと略称する)を求めた。その結
果、Mn=48700、Mw/Mn=1.08、PIp
/PSt=2/1であることが判明した。得られた重合
反応系にスチレン17.3gを添加し、40℃で3時間
付加重合を行った。その後、0.5gのメタノールを系
内に添加し、重合を停止した。重合停止時に、得られた
重合体の一部をサンプリングし、GPCおよびNMRで
分析した結果、Mn=60700、Mw/Mn=1.0
6、PIp/PSt=1/1の(ポリスチレン)−(ポ
リイソプレン)−(ポリスチレン)のトリブロック共重
合体が最終的に得られたことを確認できた。このように
して得られた重合後の溶液をメタノール8000g中に
注ぐことによって重合体を凝固させ、この凝固物を回収
し、真空乾燥を30℃で20時間行うことによって、上
記トリブロック共重合体69.2gを取得した。
プレン)−(ポリ2−ビニルピリジン)のトリブロック
共重合体の製造例) 窒素置換を行った1リットルオートクレーブ中にテトラ
ヒドロフラン530gを仕込み−78℃に冷却した後、
s−BuLi0.037gを仕込んだ後、スチレン7.
0gを添加し1時間付加重合を行った。その後、得られ
た重合体の一部をサンプリングし分析を行った。分析は
GPCにより行い、MnおよびMw/Mnを求めた。そ
の結果、Mn=12000、Mw/Mn=1.05のポ
リスチレンが形成されたことが判明した。上記の重合
後、イソプレン14.0gを系内に滴下し−78℃で4
8時間付加重合を行った。その後、得られた重合体の一
部をサンプリングし分析を行った。分析はGPCにより
MnおよびMw/Mnを測定し、さらにNMRによりP
Ip/PStを求めた。Mn=48500、Mw/Mn
=1.10、PIp/PSt=2/1であることが判明
した。得られた重合反応系に2−ビニルピリジン7.0
gを添加し−78℃で10時間付加重合を行った。その
後、0.5gのメタノールを系内に添加し、重合を停止
した。重合停止時に、得られた重合体の一部をサンプリ
ングし、GPCで分析した結果、Mn=60600、M
w/Mn=1.09であり、またNMRよりポリスチレ
ン/ポリイソプレン/ポリ2−ビニルピリジンの重量比
が1/2/1である(ポリスチレン)−(ポリイソプレ
ン)−(ポリ2−ビニルピリジン)のトリブロック共重
合体が最終的に得られたことを確認できた。このように
して得られた重合後の溶液をメタノール2500g中に
注ぐことによって重合体を凝固させ、この凝固物を回収
し、真空乾燥を30℃で20時間行うことによって上記
トリブロック共重合体28.0gを取得した。
共重合体を、以下に示す各種の観察および測定試験に供
した。
一な厚みを有するプレス金型で220℃で圧縮成形した
後、プレス金型ごと冷却プレスすることにより金型内の
ブロック共重合体各部の温度が均一となるように20℃
まで冷却し、厚さ1mmのシート状のサンプルを作製し
た。このシート状サンプルの面の中央付近から約2mm
四方の正方形の領域を切り取り、その切り取り片を、切
削面が相互に90度の角度をなすような2方向にそれぞ
れ切削し、厚さ約50nmの2種の超薄片を作製した。
これら2種の超薄片に対して、4酸化オスミウム蒸気中
で一晩染色処理を施した。このようにして作製した2種
の染色試料について、それぞれTEMにて、重合体ブロ
ック相のミクロ相分離構造を観察した。
ンプルから、JIS規格加硫ゴム物理試験方法(JIS
K6301)に記載される3号型ダンベルを打ち抜い
た。このダンベルを用いて、引張速度500mm/mi
nの条件で引張試験を行い、引張強度および伸度を測定
した。また、試験後のサンプルの状態(白化等の変化の
有無)を目視で確認した。さらに、ダンベル状サンプル
を固定した2個のチャック間の距離を試験前に測定し
(測定値を「L0」で表す)、試験後、破断したサンプ
ル片を20℃で1時間静置したのち、破断面同士を密接
に接合させた状態でチャック間の距離を測定し(測定値
を「L1」で表す)、これらの測定値に基づいて、伸び
率(%)=〔(L1/L0)×100/(伸度(%))〕
×100を求めた。
ンプルを厚さ12mmになるように重ね、JIS A型
硬度計を用いて硬度測定を行った。
ンプルを60℃で10時間乾燥した。このサンプルを用
いて、窒素気流下、30℃より500℃まで10℃/m
inの昇温速度で熱重量減少測定を行い、5%重量減少
温度を求めた。
果を、以下の表1に示す。
明のブロック共重合体は、三相共連続のミクロ相分離構
造を形成していない比較例1のブロック共重合体と比較
して、同程度の高硬度でありながら、引張試験後サンプ
ルの状態に白化等の変化がなく、戻りも良好である(す
なわち、引張試験後での「伸び率」の値が小さい)点に
現れているように、顕著に優れたエラストマー特性を有
していることが分かる。また、実施例1の本発明のブロ
ック共重合体は、構成単量体成分において本発明とは相
違する比較例2のブロック共重合体に比べて、優れた熱
安定性を有することが分かる。
を有すると共に、熱安定性に優れ、しかも、高硬度にお
いても優れたエラストマー特性を発揮できるため、各種
成形品に成形することにより、エラストマー性材料とし
て幅広い用途に利用することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 式 【化1】A−B−C (式中、A、BおよびCは、それぞれ、相互に異なる化
学構造を有する重合体ブロックを表す。ただし、A、B
およびCのうちの1個または2個の重合体ブロックが、
それぞれ、スチレン系単量体、(メタ)アクリレート系
単量体および共役ジエン系単量体からなる群から選ばれ
る少なくとも1種の単量体を主体とする単量体の付加重
合体またはその水素添加物から構成される硬質ブロック
であり、かつ残りの2個または1個の重合体ブロック
が、それぞれ、(メタ)アクリレート系単量体および共
役ジエン系単量体からなる群から選ばれる少なくとも1
種の単量体を主体とする単量体の付加重合体またはその
水素添加物から構成される軟質ブロックである。)で示
される化学構造を分子主鎖中に有し、かつ分子の集合体
において三相共連続のミクロ相分離構造を形成し得るブ
ロック共重合体。 - 【請求項2】 式 【化2】A−B−C (式中、A、BおよびCは、それぞれ、相互に異なる化
学構造を有する重合体ブロックを表す。ただし、A、B
およびCのうちの1個または2個の重合体ブロックが、
それぞれ、スチレン系単量体、(メタ)アクリレート系
単量体および共役ジエン系単量体からなる群から選ばれ
る少なくとも1種の単量体を主体とする単量体の付加重
合体またはその水素添加物から構成される硬質ブロック
であり、かつ残りの2個または1個の重合体ブロック
が、それぞれ、(メタ)アクリレート系単量体および共
役ジエン系単量体からなる群から選ばれる少なくとも1
種の単量体を主体とする単量体の付加重合体またはその
水素添加物から構成される軟質ブロックである。)で示
される化学構造を分子主鎖中に有するブロック共重合体
からなり、かつ該ブロック共重合体が三相共連続のミク
ロ相分離構造を形成しているエラストマー性材料。 - 【請求項3】 少なくとも一部が請求項2記載のエラス
トマー性材料から構成されている成形品。
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