JP2000077750A - 固体レーザ装置 - Google Patents

固体レーザ装置

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JP2000077750A
JP2000077750A JP24327798A JP24327798A JP2000077750A JP 2000077750 A JP2000077750 A JP 2000077750A JP 24327798 A JP24327798 A JP 24327798A JP 24327798 A JP24327798 A JP 24327798A JP 2000077750 A JP2000077750 A JP 2000077750A
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Japan
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light
laser
solid
excitation light
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JP24327798A
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English (en)
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Toshiyuki Kawashima
利幸 川嶋
Hirobumi Suga
博文 菅
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Hamamatsu Photonics KK
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で、励起効率の高い固体レーザ装置を提
供する。 【解決手段】 固体レーザ装置10は、Yb:YAG結
晶からなる平板状のレーザ媒質12と、レーザ媒質12
を挟むように接して設けられ、レーザ媒質12よりも屈
折率の小さいYAG結晶からなる平板状の下側クラッド
14及び上側クラッド16と、下側クラッド14の下部
に設けられた誘電体多層膜18と、誘電体多層膜18を
介して下側クラッド14の下部に設けられたヒートシン
ク20と、レーザ媒質12を挟んで誘電体多層膜18と
対向して配置された出力ミラー22と、レーザ媒質12
を励起する励起光を出力する半導体レーザ24と、半導
体レーザ24から出力された光を集光し、レーザ媒質1
2の側面に入射させる集光レンズ群26を備えて構成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体レーザ装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体レーザ装置は、小型の装置から比較
的大出力のレーザ光を得ることができるため、従来から
材料加工、医療等の分野において広く用いられている。
また昨今では、さらなる大出力化に向けて、種々の研
究、開発がなされている。
【0003】固体レーザ装置は通常、レーザ発振を起こ
させるレーザ媒質と、レーザ媒質に励起光を照射する励
起光源と、レーザ媒質を挟んで共振器を構成する1対の
反射鏡を備えて構成される。レーザ媒質は、一般に円形
ビームを出力するため、ロッド状(円柱形状)に形成さ
れ、かかるロッドの軸方向にレーザ光が出力される。
【0004】しかし、ロッド状のレーザ媒質において
は、ロッドの中芯部の温度が表面部の温度と比較して高
くなり、この温度分布によって熱レンズ効果が生じ、レ
ーザ光の発生効率が低下してしまう。
【0005】このため、大出力の固体レーザ装置には、
例えば"Multiwatt diode-pumped Yb:YAG thin disk las
er continuously tunable between 1018 and 1053 nm",
OPTICS LETTERS Vol.20,No.7,pp.713-pp.715(April 1,1
995)に示されるように、平板状のレーザ媒質をヒートシ
ンク上に載せた構造が採用される。ここで、薄い平板状
のレーザ媒質に、その主面から励起光を入射させる場合
は、レーザ媒質内における励起光の光路長が小さくな
り、励起効率が低下する。そこで、上記文献に記載の半
導体レーザ1は、図5に示すような構成となっている。
すなわち、ファイバ結合型半導体レーザ2から出射され
た励起光を、複数の集光ミラー3及び反射ミラー4を介
して、ヒートシンク5上に載置された平板状のレーザ媒
質6に対して、その主面から複数回照射し、出力ミラー
7を介してレーザ光を出力するという構成である。固体
レーザ装置1をかかる構成とすることで、励起光は、レ
ーザ媒質5内を厚さ方向に計8回通過することになる。
その結果、レーザ媒質6内を通過する励起光の光路長が
長くなり、励起効率を高めることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記固体レー
ザ装置1には、以下に示す問題点があった。すなわち、
上記固体レーザ装置1は、複数の集光ミラー3及び反射
ミラー4を必要とするため、装置が大型化してしまうと
ともに、各集光ミラー3及び反射ミラー4の光軸を調整
することが著しく困難になる。
【0007】また、レーザ媒質6をヒートシンク5上に
載置する場合は、冷却効率を考慮して、In膜などの接
着物質を介してレーザ媒質6とヒートシンク5とを密着
させる必要がある。しかし、かかる接着物質を用いる
と、接着物質とレーザ媒質6との界面における励起光の
散乱により、励起効率が低下してしまう。
【0008】ここで、レーザ媒質6とIn膜との間に誘
電体多層膜ミラーを設けることも考えられるが、励起光
は、集光ミラー3及び反射ミラー4によって様々な方向
からレーザ媒質6に入射するため、最適な反射特性を有
する誘電体多層膜ミラーを設計することが不可能とな
る。
【0009】また、レーザ媒質6へ入射する励起光の吸
収効率を高めるべく、活性イオンである希土類(例えば
Ybイオン)を高濃度にドープすることも考えられる
が、この場合は、励起されない活性イオンによるYAG
レーザ光の吸収が起こり、レーザ発振のしきい値が高く
なるため、半導体レーザから固体レーザへの光変換効率
が低下する。また、この光変換効率の低下を回避すべ
く、レーザ媒質6を厚くして吸収長を長くする場合は、
レーザ媒質6自体の体積が大きくなり、冷却効率が低下
する。
【0010】そこで本発明は、上記問題点を解決し、小
型に構成できるとともに、励起効率の高い固体レーザ装
置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の固体レーザ装置は、平板状のレーザ媒質
と、レーザ媒質よりも小さい屈折率を有する材料によっ
て平板状に形成され、その一方の主面をレーザ媒質の一
方の主面と接して設けられたクラッド部材と、クラッド
部材の他方の主面に接して設けられた反射膜と、反射膜
を介して、クラッド部材の他方の主面側に設けられたヒ
ートシンクと、レーザ媒質を挟んで、反射膜と対向して
配置された半透明鏡と、レーザ媒質を励起する励起光を
出力する光源と、光源から出力された励起光を集光し、
レーザ媒質の側面に入射させる集光手段とを備えたこと
を特徴としている。
【0012】集光手段によって光源から出力された光を
集光し、レーザ媒質の側面に励起光入射させることで、
レーザ媒質内に入射した励起光は、レーザ媒質内を主面
に平行に近い方向に通過することになる。その結果、集
光レンズ、反射ミラー等の光学手段を用いることなく、
レーザ媒質内を通過する励起光の光路長を長くすること
ができる。
【0013】また、レーザ媒質に接して屈折率の小さい
クラッド部材を設けることで、レーザ媒質の側面から入
射した励起光の多くはレーザ媒質とクラッド部材との界
面で全反射し、励起光はレーザ媒質内に閉じ込められ
る。また、レーザ媒質とクラッド部材との界面には接着
物質が設けられていないため、かかる界面における励起
光の散乱が防止される。
【0014】本発明の固体レーザ装置は、クラッド部材
と略等しい屈折率を有する材料によって平板状に形成さ
れ、その一方の主面をレーザ媒質の他方の主面と接して
設けられた第2のクラッド部材をさらに備えたことを特
徴としても良い。
【0015】レーザ媒質の他方の主面に接して上記クラ
ッド部材と屈折率の等しい第2のクラッド部材を設ける
ことで、レーザ媒質の一方の主面における臨界角と他方
の周面における臨界角とを略一致させることが可能とな
る。
【0016】本発明の固体レーザ装置は、集光手段が、
光源から出力された光を、レーザ媒質の側面の厚さ方向
に集光させる第1の光束変換手段と、前記光源から出力
された光を、レーザ媒質の側面の幅方向に集光若しくは
拡散させる第2の光束変換手段とを備えたことを特徴と
してもよい。
【0017】光源から出力された光を、レーザ媒質の側
面の厚さ方向に集光させる第1の光束変換手段と、レー
ザ媒質の側面の幅方向に集光若しくは拡散させる第2の
光束変換手段とを有することで、レーザ媒質の側面の幅
方向にのみ広がりを持った線状、楕円状あるいは長方形
状のビームスポットを有する光束を、レーザ媒質の側面
に入射させることができる。
【0018】本発明の固体レーザ装置は、上記反射膜が
誘電体多層膜であることを特徴としてもよい。
【0019】上記反射膜を誘電体多層膜とすることで、
レーザ媒質内で誘導放出される誘導放出光の当該反射膜
における反射率を高めることが可能となる。
【0020】本発明の固体レーザ装置は、クラッド部材
がYAG結晶から形成されており、レーザ媒質がYAG
結晶にYbをドープしたYb:YAG結晶から形成され
ていることを特徴としてもよい。
【0021】クラッド部材をYAG結晶から形成し、レ
ーザ媒質をYAG結晶にYbをドープしたYb:YAG
結晶から形成することで、レーザ媒質と、レーザ媒質よ
り屈折率の小さいクラッド部材とを比較的簡単に形成す
ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る固体レー
ザ装置について、図面を参照して説明する。まず、本実
施形態に係る固体レーザ装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る固体レーザ装置の構成図であ
る。
【0023】固体レーザ装置10は、平板状のレーザ媒
質12と、レーザ媒質12を挟むように接して設けられ
た下側クラッド14(クラッド部材)及び上側クラッド
16(第2のクラッド部材)と、下側クラッド14の下
部に設けられた誘電体多層膜18と、誘電体多層膜18
を介して下側クラッド14の下部に設けられたヒートシ
ンク20と、レーザ媒質12を挟んで誘電体多層膜18
と対向して配置された出力ミラー22(半透明鏡)と、
レーザ媒質12を励起する励起光を出力する半導体レー
ザ24(光源)と、半導体レーザ24から出力された励
起光を集光し、レーザ媒質12の側面に入射させる集光
レンズ群26を備えて構成される。以下、各構成要素に
ついて詳細に説明する。
【0024】レーザ媒質12は、YAG結晶にYbをド
ープしたYb:YAG結晶から形成されており、その形
状は約5mm角の主面を有し、厚さが約0.3mmの平
板状になっている。
【0025】下側クラッド14及び上側クラッド16
は、YAG結晶から形成されており、その形状は約5m
m角の主面を有し、厚みが約0.2mmの平板状になっ
ている。
【0026】レーザ媒質12の下面(一方の主面)と下
側クラッド14の上面(一方の主面)、及び、レーザ媒
質12の上面(他方の主面)と上側クラッド16の下面
(一方の主面)は、高温度下で圧力をかける方法(拡散
結合法)によって互いに接合されている。
【0027】下側クラッド14の下面(他方の主面)に
は、当該下面全体にわたって誘電体多層膜18が形成さ
れている。誘電体多層膜18は、下側クラッド14の下
面側から、屈折率が1.46のSiO2層と屈折率が
2.3のTiO2層とを交互に10ずつ積層して構成さ
れており、各層は、出力光となる誘導放出光の反射率を
高めるべく、層厚と材料の屈折率との積が誘導放出光の
波長(1030nm)の4分の1となるような厚さを有
している。また、上側クラッド16の上面には、レーザ
媒質12内で発生した誘導放出光の反射を防止するため
に、MgF2からなる反射防止膜19が形成されてい
る。
【0028】下側クラッド14の下部には、誘電体多層
膜18を介して下側クラッド14を覆うように、銅製の
ヒートシンク20が設けられている。ここで、誘電体多
層膜18が設けられた下側クラッド14の下面とヒート
シンク20とは、厚さが50μm程度のIn膜28を介
して密着されている。
【0029】レーザ媒質12を挟んで上記誘電体多層膜
18と対向する位置、より具体的には、上側クラッド1
6の上面側であって上記誘電体多層膜18と対向する位
置には、入射した光の一部を透過させるとともに一部を
反射させる出力ミラー22が設けられており、当該出力
ミラー22と上記誘電体多層膜18とによってレーザ共
振器が構成される。
【0030】半導体レーザ24は、約1cm長の線状の
ビームスポットを有するレーザ光(波長940nm)を
出射する半導体レーザバー30を、CuW製のスペーサ
32を介して当該線状の方向(図1の紙面垂直方向。以
下z軸方向という)と垂直方向(y軸方向)に6層積層
し、銅製のヒートシンク33で挟み込んだ構成となって
いる。ここで、スペーサ32の厚さが約0.4mmであ
ることから、半導体レーザバー30の積層ピッチも約
0.4mmとなる。半導体レーザ24から出力された励
起光、すなわち各半導体レーザバー30から出射された
励起光は、z軸方向およびy軸方向に拡がりながらx軸
方向に進行する。
【0031】半導体レーザ24の前方、すなわち半導体
レーザ24の出射面に対向する位置には、半導体レーザ
24から出力された励起光を集光し、上記レーザ媒質1
2の側面に入射させる集光レンズ群26が設けられてい
る。集光レンズ群26は、半導体レーザ24側からマイ
クロレンズアレイ34、第1のシリンドリカルレンズ3
6、第2のシリンドリカルレンズ38(第1の光束変換
手段)及び第3のシリンドリカルレンズ40(第2の光
束変換手段)を順次配置した構成となっている。また、
図2は、集光レンズ群26を図1のy軸方向からみた場
合の模式的な平面図である。
【0032】マイクロレンズアレイ34は、各半導体レ
ーザバー30の出射面の近傍に、その軸がz軸と平行と
なるように配置された直径が約0.4mmの円柱状レン
ズから構成される。ここで、半導体レーザ24は、半導
体レーザバー30を6層積層した構成となっているた
め、マイクロレンズアレイ34も、上記円柱状レンズを
6本並べて配置した構成となっている。かかるマイクロ
レンズアレイ34によって、各半導体レーザバー30か
ら出射され、y軸方向に対して約40゜の拡がり角を有
する励起光は、y軸方向に集光され、y軸方向に対して
は拡がらずに進行する平行光となる。
【0033】第1のシリンドリカルレンズ36は、一方
の主面が平面、他方の主面が凸形状の円柱面であるシリ
ンドリカルレンズであり、円柱の底面がxz平面と平行
になるように配置されている。第1のシリンドリカルレ
ンズ36によって、半導体レーザ24から出射され、z
軸方向に対して約10゜の拡がり角を有する励起光は、
z軸方向に集光され、z軸方向に対しても拡がらずに進
行する平行光となる。
【0034】第2のシリンドリカルレンズ38は、一方
の主面が平面、他方の主面が凸形状の円柱面であるシリ
ンドリカルレンズであり、円柱の底面がxy平面と平行
になるように配置されている。第2のシリンドリカルレ
ンズ38によって、半導体レーザ24から出射され、マ
イクロレンズアレイ34、第1のシリンドリカルレンズ
36によって平行化された励起光は、レーザ媒質12の
側面の厚さ方向、すなわちy軸方向に集光される。
【0035】第3のシリンドリカルレンズ40は、一方
の主面が平面、他方の主面が凸形状の円柱面であるシリ
ンドリカルレンズであり、円柱の底面がxz平面と平行
になるように配置されている。第3のシリンドリカルレ
ンズ40によって、半導体レーザ24から出射され、マ
イクロレンズアレイ34、第1のシリンドリカルレンズ
36によって平行化された励起光は、レーザ媒質12の
側面の幅方向、すなわちz軸方向に集光される。
【0036】従って、集光レンズ群26によって、半導
体レーザ24から出力された励起光は、y軸方向、z軸
方向のそれぞれに対して独立に集光される。その結果、
z軸方向に延びる略線状、楕円状あるいは長方形状のビ
ームスポットを有する励起光を形成することができ、か
かる励起光はレーザ媒質12の側面のうち、一の側面に
入射される。ここで、集光レンズ群26を構成する第1
のシリンドリカルレンズ36、第2のシリンドリカルレ
ンズ38及び第3のシリンドリカルレンズ40の位置ま
たは焦点距離は、半導体レーザ24から出力された励起
光をレーザ媒質12の側面に効率よく入射させるよう
に、適宜調節することが好ましく、特に、レーザ媒質1
2に対する開口数(N.A.)を0.1以下とすること
が好適である。さらに、上記マイクロレンズアレイ3
4、第1のシリンドリカルレンズ36、第2のシリンド
リカルレンズ38及び第3のシリンドリカルレンズ40
の表面には、励起光の表面反射を防止するために、誘電
体多層膜による反射防止膜がコーティングされている。
【0037】レーザ媒質12の側面のうち励起光が入射
する上記一の側面(以下、入射面という)には、入射す
る励起光の反射を防止するために、MgF2からなる反
射防止膜42が設けられており、入射面以外の側面に
は、入射した励起光をレーザ媒質12内に閉じ込めるた
めに、SiO2とTiO2とからなる反射膜44が設けら
れている。
【0038】続いて、本実施形態に係る固体レーザ装置
の作用について説明する。本実施形態に係る固体レーザ
装置10を使用する場合は、まず半導体レーザ24によ
って励起光を発生させる。半導体レーザ24から出力さ
れた励起光は、集光レンズ群26によって集光され、レ
ーザ媒質12の側面に入射される。ここで、集光レンズ
群26は、励起光をy軸方向に集光する第2のシリンド
リカルレンズ38と、励起光をz軸方向に集光する第3
のシリンドリカルレンズ40とを備えることで、励起光
束の断面を略線状(あるいは長方形状、楕円状)とする
ことができ、レーザ媒質12の入射面に効率よく励起光
を入射させることが可能となる。
【0039】レーザ媒質12に励起光が入射し、励起光
がレーザ媒質12内にドープされたYbイオンに吸収さ
れると、Ybイオンのエネルギー状態が遷移し、誘導放
出光が発生する。ここで、レーザ媒質12の入射面に入
射された励起光は、図3に示すように振る舞う。
【0040】レーザ媒質12の入射面には反射防止膜4
2が設けられているため、励起光は当該入射面において
反射損失なくレーザ媒質12内に入射する。ここで、下
部クラッド14及び上部クラッド16はYAG結晶によ
って形成されているため、その屈折率は1.82とな
る。これに対して、レーザ媒質12は、YAG結晶にY
bをドープしたYb:YAG結晶から形成されているた
め、下部クラッド14及び上部クラッド16に対して、
屈折率が0.1〜0.2%程度高くなっている。従っ
て、レーザ媒質12と下側クラッド14との界面、また
は、レーザ媒質12と上側クラッド16との界面に臨界
角より大きい角度で入射する光は、当該界面で全反射
し、レーザ媒質12内に閉じ込められることになる。レ
ーザ媒質12の側面から入射した励起光は、レーザ媒質
12内を主面に平行に近い方向に進行するため、レーザ
媒質12と下側クラッド14との界面、または、レーザ
媒質12と上側クラッド16との界面への入射角は大き
く、大部分の励起光は当該界面で全反射する。ここで、
特に、レーザ媒質12に対する開口数(N.A.)が
0.1以下となるように集光レンズ群26を設計した場
合は、レーザ媒質12に入射した励起光のほぼ100%
が全反射条件を満たすことになり、励起光が効率よくレ
ーザ媒質12内に閉じ込められる。また、レーザ媒質1
2の入射面以外の側面に反射膜44が設けられているこ
とで、入射面に対向する面に到達した励起光は反射膜4
4によって反射され、再度入射面の方向に進行する。そ
の結果、レーザ媒質12内を進行する励起光の光路長を
極めて大きくすることが可能となる。また、レーザ媒質
12と下側クラッド14との界面、または、レーザ媒質
12と上側クラッド16との界面にIn膜等の層を設け
ず、屈折率の変化によって励起光をレーザ媒質12内に
閉じ込めることにより、かかる界面で励起光が散乱する
ことが防止される。また本構成は、下側クラッド14と
上側クラッド16とをYAG結晶で形成し、レーザ媒質
12をYAG結晶にYbをドープしたYb:YAG結晶
で形成することから、特殊な製造プロセス等が不要であ
り、比較的簡単に形成することができる。
【0041】誘導放出によって発生した波長1030n
mの光は、誘電体多層膜18と出力ミラー22とを介す
る共振作用によって増幅され、レーザ媒質12の主面の
法線方向、すなわち図1のy軸方向にレーザ光として出
射される。この際、共振器を構成する反射鏡として誘電
体多層膜18を設けることで上記1030nm波長光の
みを効率よく反射させることができるとともに、上側ク
ラッド16の上面に反射防止膜19が形成されているこ
とで、上側クラッド16の上面でレーザ光が反射される
ことが防止される。
【0042】レーザ発振が生じている間、レーザ媒質1
2はヒートシンク20によって冷却される。ここで、レ
ーザ媒質12は平板状となっていることで、ロッド状の
レーザ媒質と比較して、レーザ媒質12全体が極めて効
率よく冷却される。ここで、レーザ媒質12の厚さ、ヒ
ートシンク20の冷却能等によって、レーザ媒質12内
にわずかな温度勾配が生じる場合も考えられるが、かか
る温度勾配は、レーザ媒質12の厚さ方向、すなわち図
1のy軸方向への1次元的な温度勾配であり、y軸方向
に出射されるレーザ光に対しては、熱レンズ効果、レー
ザ媒質12の熱変形等による影響を何ら及ぼすものでは
ない。
【0043】続いて、本実施形態に係る固体レーザ装置
の効果について説明する。本実施形態に係る固体レーザ
装置10は、半導体レーザ24から出射された励起光を
第2のシリンドリカルレンズ38によってy軸方向に集
光させ、第3のシリンドリカルレンズ40によってz軸
方向に集光させる。従って、励起光のビームスポットを
略線状、楕円状あるいは長方形状とすることができ、レ
ーザ媒質12の一の側面である入射面に均一かつ効率よ
く励起光を入射させることが可能となる。その結果、固
体レーザ装置10の励起効率が向上する。
【0044】また、本実施形態にかかる固体レーザ装置
10は反射光を側面から入射させるとともに、レーザ媒
質12を、該レーザ媒質12よりも屈折率の低い下部ク
ラッド14及び上部クラッド16で挟む構造を有し、ま
た、レーザ媒質12に対する開口数(N.A.)が0.
1以下となるように集光レンズ群26を設計している。
従って、励起光は、レーザ媒質12と下側クラッド14
との界面、または、レーザ媒質12と上側クラッド16
との界面でほぼ100%全反射して進行する。また、レ
ーザ媒質12の入射面以外の側面に反射膜44が設けら
れていることで、入射面に対向する面に到達した励起光
は反射膜44によって反射され、再度入射面の方向に進
行する。その結果、レーザ媒質12内を進行する励起光
の光路長を極めて大きくすることが可能となり、励起効
率が向上する。さらに、集光ミラー、反射ミラー等の特
別な光学手段を設けることなくレーザ媒質12内を進行
する励起光の光路長を極めて大きくすることができるこ
とから、装置の小型化も実現する。
【0045】さらに、本実施形態に係る固体レーザ装置
10は、レーザ媒質12と下側クラッド14及び上側ク
ラッド16とを密着させる際に接着物質等を用いていな
いため、当該界面で励起光が散乱することが防止され
る。その結果、散乱による光の損失が押さえられ、励起
効率が向上する。
【0046】また、本実施形態に係る固体レーザ装置1
0は、共振器を構成する反射鏡として誘電体多層膜18
を用いることで誘導放出光のみを効率よく反射させ、レ
ーザ発光効率を向上させることが可能となる。
【0047】本実施形態に係る固体レーザ装置10と上
記従来技術に係る固体レーザ装置1との効率を比較して
みると以下のようになる。上記従来技術に係る固体レー
ザ装置1は、半導体レーザから発せられた励起光を光フ
ァイバに導光する際の光結合効率が約80%、光ファイ
バの出力端から出力された励起光を集光ミラー3、反射
ミラー4を介してレーザ媒質6に入射させる際の入射効
率が約70%、レーザ媒質6における励起光の吸収効率
が約90%であることから、これらの各効率を掛け合わ
せることにより、励起効率は約50%となる。
【0048】これに対して、本実施形態に係る固体レー
ザ装置10は、半導体レーザ24から出力された励起光
を集光レンズ群26を介してレーザ媒質12に入射させ
る際の入射効率が約95%、レーザ媒質12における励
起光の吸収効率が約99%であることから、これらの各
効率を掛け合わせることにより、励起効率は約94%と
なり、上記従来技術に係る固体レーザ装置1と比較し
て、励起効率が極めて高くなる。
【0049】上記実施形態に係る固体レーザ装置10に
おいては、レーザ媒質12を下側クラッド14と上側ク
ラッド16とで挟んだ構成をとっていたが、図4に示す
ように、上側クラッド16を設けない固体レーザ装置5
0のような構成をとっても良い。上側クラッド16を設
けない場合であっても、レーザ媒質12の屈折率が空気
の屈折率(1.00)よりも大きいことから、臨界角以
上の入射角を持ってレーザ媒質12と空気との界面に入
射する励起光は、かかる界面で全反射し、レーザ媒質1
2内に閉じ込められる。
【0050】また、上記実施形態に係る固体レーザ装置
10においては、第3のシリンドリカルレンズ40は、
凸形状の主面を有するレンズであったが、これは凹形状
の主面を有し、半導体レーザ24から出力された励起光
をレーザ媒質12の側面の幅方向に拡散させるものであ
っても良い。半導体レーザバー30が出射する励起光の
z軸方向への拡がりがレーザ媒質12の側面の幅よりも
小さい場合は、かかる凹形状の主面を有するシリンドリ
カルレンズを用いてビームスポットをレーザ媒質12の
側面の幅方向に拡散させることで、レーザ媒質12の側
面に均一かつ効率よく励起光を入射させることができ
る。
【0051】さらに、上記実施形態に係る固体レーザ装
置10においては、レーザ媒質12の母結晶としてYA
G結晶を用いていたが、これはYLF、YVO4、S−
FAP、サファイア、ガラス、アレキサンドライト、フ
ォルステライト、ガーネットなど、固体レーザ装置のレ
ーザ媒質として通常用いられる様々な材料を用いても実
現可能である。特に、クラッド材として、YAG結晶よ
りも屈折率が小さく、熱伝導度の高い単結晶サファイア
等を用いる場合は、極めて励起効率が高くなり、高出力
な固体レーザ装置が実現する。
【0052】また、ドープする元素についてもYbに限
らず、Nd、Er、Ho、Tmなどの他の希土類元素
や、Cr、Tiなどの遷移元素を用いることも可能であ
る。
【0053】
【発明の効果】本発明の固体レーザ装置は、励起光を平
板状のレーザ媒質の側面に入射させ、レーザ媒質に接し
て屈折率の小さいクラッド部材を設けることで、励起光
をレーザ媒質内に閉じ込め、レーザ媒質内を通過する励
起光の光路長を長くすることができる。その結果、励起
効率の高い固体レーザ装置が実現する。また、励起光の
光路長を長くするために、反射ミラー等の特別な光学手
段を設けることが不要であり、固体レーザ装置を小型に
構成することが可能となる。
【0054】また、本発明の固体レーザ装置は、レーザ
媒質の他方の主面に接して上記クラッド部材と屈折率の
等しい第2のクラッド部材を設けることで、レーザ媒質
の一方の主面における臨界角と他方の周面における臨界
角とを略一致させることが可能となる。その結果、レー
ザ媒質内に励起光を均一に通過させることが可能とな
り、励起効率が向上する。
【0055】また、本発明の固体レーザ装置は、光源か
ら出力された励起光を、第1の光束変換手段によってレ
ーザ媒質の側面の厚さ方向に集光させ、第2の光束変換
手段によってレーザ媒質の側面の幅方向に集光若しくは
拡散させることで、レーザ媒質の側面の幅方向にのみ拡
がりを持った略線状、楕円状あるいは長方形状のビーム
スポットを有する光束を形成し、レーザ媒質の側面に均
一かつ効率よく入射させることができ、励起効率が向上
する。
【0056】さらに、本発明の固体レーザ装置は、上記
反射膜として誘電体多層膜を用いることで、レーザ媒質
内で放出される光の反射率を選択的に高めることが可能
となり、レーザ発生効率が向上する。
【0057】さらに、本発明の固体レーザ装置は、クラ
ッド部材をYAG結晶、レーザ媒質がYAG結晶にYb
をドープしたYb:YAG結晶から形成することで、固
体レーザ装置を比較的簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体レーザ装置の構成図である。
【図2】集光レンズ群の模式的な平面図である。
【図3】レーザ媒質内の光の経路を示す説明図である。
【図4】固体レーザ装置の構成図である。
【図5】従来の固体レーザ装置の構成図である。
【符号の説明】
10、50…固体レーザ装置、12…レーザ媒質、14
…下側クラッド、16…上側クラッド、18…誘電体多
層膜、19…反射防止膜、20…ヒートシンク、22…
出力ミラー、24…半導体レーザ、26…集光レンズ
群、28…In膜、30…半導体レーザバー、32…ス
ペーサ、33…ヒートシンク、34…マイクロレンズア
レイ、36…第1のシリンドリカルレンズ、38…第2
のシリンドリカルレンズ、40…第3のシリンドリカル
レンズ、42…反射防止膜、44…反射膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状のレーザ媒質と、 前記レーザ媒質よりも小さい屈折率を有する材料によっ
    て平板状に形成され、その一方の主面を前記レーザ媒質
    の一方の主面と接して設けられたクラッド部材と、 前記クラッド部材の他方の主面に接して設けられた反射
    膜と、 前記反射膜を介して、前記クラッド部材の前記他方の主
    面側に設けられたヒートシンクと、 前記レーザ媒質を挟んで、前記反射膜と対向して配置さ
    れた半透明鏡と、 前記レーザ媒質を励起する励起光を出力する光源と、 前記光源から出力された励起光を集光し、前記レーザ媒
    質の側面に入射させる集光手段とを備えたことを特徴と
    する固体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記クラッド部材と略等しい屈折率を有
    する材料によって平板状に形成され、その一方の主面を
    前記レーザ媒質の他方の主面と接して設けられた第2の
    クラッド部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1
    に記載の固体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記集光手段は、 前記光源から出力された光を、前記レーザ媒質の側面の
    厚さ方向に集光させる第1の光束変換手段と、 前記光源から出力された光を、前記レーザ媒質の側面の
    幅方向に集光若しくは拡散させる第2の光束変換手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の固
    体レーザ装置。
  4. 【請求項4】前記反射膜は誘電体多層膜であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体レー
    ザ装置。
  5. 【請求項5】前記クラッド部材は、YAG結晶から形成
    されており、 前記レーザ媒質は、YAG結晶にYbをドープしたY
    b:YAG結晶から形成されていることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の固体レーザ装置。
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