JP2000186032A - 易崩壊性固形物およびその製造方法 - Google Patents

易崩壊性固形物およびその製造方法

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JP2000186032A
JP2000186032A JP10364364A JP36436498A JP2000186032A JP 2000186032 A JP2000186032 A JP 2000186032A JP 10364364 A JP10364364 A JP 10364364A JP 36436498 A JP36436498 A JP 36436498A JP 2000186032 A JP2000186032 A JP 2000186032A
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Shuji Morimoto
修司 盛本
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 唾液などにより口腔内で容易に崩壊する空隙
率の高い固形物でありながら、簡単かつ安価に製造でき
るようにする。 【解決手段】 賦形剤を含有する固形成分に液体成分を
混合して液状の混合物(9)を調合する。この液状混合物
(9)にマイクロウエーブ(21)を照射して液状混合物(9)
の内部から加熱し、上記液体成分を気化させて空隙率の
高い粒状体(6)に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は口腔内で容易に崩壊
する医薬剤型などの易崩壊性固形物に関し、さらに詳し
くは、空隙率が高く唾液などにより口腔内で容易に崩壊
するものでありながら、簡単かつ安価に製造できる易崩
壊性固形物とその製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】医薬には種々の経口用剤型が知られてい
るが、一般に繁用されている錠剤やカプセル等の場合は
嚥下力の弱い高齢者や小児にとって服用が容易でない問
題がある。一方、散剤や顆粒剤などの経口用剤型の場合
は包装袋を破る際に一部を零したり服用時にむせたりし
て取り扱いが容易でなく、所定量を容易に服用できない
問題があり、また、口腔内に一部が残留し易く不快感が
残る問題もある。さらに、これらの経口用剤型はいずれ
も服用時に飲料水を必要とするうえ、寝たきりの患者に
とってはこの飲料水が口中から零れ易く、医薬を容易に
服用できない問題もある。そこで、保管中は取り扱いの
容易な固形状でありながら、口中で容易に崩壊し、唾液
などの僅かな水分に速やかに溶解して嚥下できる易崩壊
性固形物からなる医薬剤型が種々提案されている。
【0003】
【従来技術】従来の上記易崩壊性固形物としては、例え
ば特公昭62−50445号公報に開示された空隙率の
高い医薬剤型がある。この易崩壊性固形物は、医薬的に
許容可能な水溶性または水分散性重合体担体物質の開放
マトリックス網状構造体を凍結乾燥法により調製し、こ
の開放マトリックス網状構造体に医薬物質を担持させ、
その密度を10〜200mg/mlにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では固形
物の空隙率が高いため口腔内で急速に崩壊するものの、
この空隙を凍結した溶媒の昇華により生じさせることか
ら、空隙率の高い剤型にするには、例えば80%以上に
もなる多量の溶媒を凍結したのちこの凍結溶媒を高真空
下で昇華させる必要があり、製造に長時間を要するうえ
安価に実施することができない。本発明は上記問題点を
解消し、空隙率が高く唾液などにより口腔内で容易に崩
壊するものでありながら、簡単かつ安価に製造できる易
崩壊性固形物とその製造方法を提供することを技術的課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、次のように構成したものである。即ち本発
明1は、賦形剤を含有する固形成分に液体成分を混合し
て液状の混合物(9)を調合し、この液状混合物(9)にマ
イクロウエーブ(21)を照射して液状混合物(9)の内部か
ら加熱することにより上記液体成分を気化させ、空隙率
の高い粒状体(6)に形成したことを特徴とする易崩壊性
固形物である。
【0006】本発明2は、上記本発明1において、上記
粒状体(6)の表面に、内部よりも密度の高い表皮層(6a)
を形成したものである。
【0007】また本発明3は、賦形剤を含有する固形成
分に液体成分を混合して液状の混合物(9)を調合し、こ
の液状混合物(9)を容器(2)の収容部(5)内に注入し、
次いでこの収容部(5)内で上記液状混合物(9)にマイク
ロウエーブ(21)を照射して液状混合物(9)の内部から加
熱し、上記液体成分を除去することを特徴とする、易崩
壊性固形物の製造方法である。
【0008】本発明の上記易崩壊性固形物は、口腔内等
で微量の水分により素早く簡単に崩壊する固形物をい
い、手軽に栄養補給するため等の食品や口臭除去剤など
の医薬部外品などにも適用できるが、特に医薬剤型とし
て有用である。この易崩壊性固形物を形成する上記粒状
体とは、服用等に適した一定範囲の大きさを有する固体
をいい、錠剤形状や顆粒状、細粒状、不定形の塊状な
ど、特定形状に限定されないが、錠剤形状や塊状にする
と包装体から取り出す際の取り扱い等が容易であり、よ
り好ましい。
【0009】上記固形成分とは、液体成分の気化により
粒状体に残留する成分をいい、液体成分を混合する状態
では固形状、細粒状、粉末状、結晶状、油状、溶液状な
どいずれの形状であってもよい。上記易崩壊性固形物が
医薬剤型である場合、上記固形成分には各種の医薬成分
を用いることができる。具体的には、例えば滋養強壮保
健薬、解熱鎮痛消炎薬、向精神病薬、抗不安薬、抗うつ
薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用薬、脳代謝改善
剤、抗てんかん剤、交感神経興奮剤、胃腸薬、制酸剤、
抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、鎮吐剤、呼吸促進剤、気管支拡
張剤、アレルギー用薬、歯科口腔用薬、抗ヒスタミン
剤、強心剤、不整脈用剤、利尿薬、血圧降下剤、血管収
縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、高脂血症用剤、
利胆剤、抗生物質、化学療法剤、糖尿病用剤、骨粗しょ
う症用剤、骨格筋弛緩薬、鎮うん剤、ホルモン剤、アル
カロイド系麻薬、サルファ剤、痛風治療薬、血液凝固阻
止剤、抗悪性腫瘍剤などから選ばれた1種または2種以
上の成分が挙げられる。
【0010】滋養強壮保健薬としては、例えばビタミン
A、ビタミンD、ビタミンE(酢酸d−α−トコフェロ
ールなど)、ビタミンB1(ジベンゾイルチアミン、フ
ルスルチアミン塩酸塩など)、ビタミンB2(酪酸リボ
フラビンなど)、ビタミンB6(塩酸ピリドキシンな
ど)、ビタミンC(アスコルビン酸、L−アスコルビン
酸ナトリウムなど)、ビタミンB12(酢酸ヒドロキソコ
バラミンなど)のビタミン;カルシウム、マグネシウ
ム、鉄などのミネラル;タンパク、アミノ酸、オリゴ
糖、生薬などが挙げられる。解熱鎮痛消炎薬としては、
例えばアスピリン、アセトアミノフェン、エテンザミ
ド、イブプロフェン、塩酸ジフェンヒドラミン、dl−マ
レイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジヒドロコデイ
ン、ノスカビン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸フェニ
ルプロパノールアミン、カフェイン、無水カフェイン、
セラペプターゼ、塩化リゾチーム、トルフェナム酸、メ
フェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム
酸、サリチルアミド、アミノピリン、ケトプロフェン、
インドメタシン、ブコロール、ペンタゾシンなどが挙げ
られる。向精神病薬としては、例えばクロルプロマジ
ン、レセルピンなどが挙げられる。抗不安薬としては、
例えばアルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、ジアゼ
パムなどが挙げられる。抗うつ薬としては、例えばイミ
プラミン、マプロチリン、アンフェタミンなどが挙げら
れる。
【0011】催眠鎮静薬としては、例えばエスタゾラ
ム、ニトラゼパム、ジアゼパム、ペルラピン、フェノバ
ルビタールナトリウムなどが挙げられる。鎮痙薬として
は、例えば臭化水素酸スコポラミン、塩酸ジフェンヒド
ラミン、塩酸パパベリンなどが挙げられる。中枢神経作
用薬としては、例えばシチコリン、ロチレニンなどが挙
げられる。脳代謝改善剤としては、例えばイデベノン、
塩酸メクロフェニキセートなどが挙げられる。抗てんか
ん剤としては、例えばフェニトイン、カルバマゼピンな
どが挙げられる。交感神経興奮剤としては、例えば塩酸
イソプロテレノールなどが挙げられる。胃腸薬として
は、例えばジアスターゼ、含糖ペプシン、ロートエキ
ス、セルラーゼAP3、リパーゼAP、ケイヒ油などの
健胃消化剤;塩酸ペルペリン、耐性乳酸菌、ビフィズス
菌などの整腸剤などが挙げられる。制酸剤としては、例
えば炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、メタケイ
酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、沈
降炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられ
る。抗潰瘍剤としては、例えばランソプラゾール、オメ
プラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾール、ファ
モチジン、シメチジン、塩酸ラニチジンなどが挙げられ
る。
【0012】鎮咳去痰剤としては、例えば塩酸クロペラ
スチン、臭化水素酸デキストロメルトファン、テオフィ
リン、グァヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネ
シン、リン酸コデインなどが挙げられる。鎮吐剤として
は、例えば塩酸ジフェニドール、メトクロプラミドなど
が挙げられる。呼吸促進剤としては、例えば酒石酸レバ
ロルファンなどが挙げられる。気管支拡張剤としては、
例えばテオフィリン、硫酸サルブタノールなどが挙げら
れる。アレルギー用薬としては、例えばアンレキサノク
ス、セラトロダストなどが挙げられる。歯科口腔用薬と
しては、例えばオキシテトラサイクリン、トリアムシノ
ロンアセトニド、塩酸クロルヘキシジン、リドカインな
どが挙げられる。抗ヒスタミン剤としては、例えば塩酸
ジフェンヒドラミン、プロメタジン、塩酸イソチペンジ
ル、dl−マレイン酸クロルフェニラミンなどが挙げられ
る。強心剤としては、例えばカフェイン、ジゴキシンな
どが挙げられる。不整脈用剤としては、例えば塩酸プロ
カインアミド、塩酸プロプラノロール、ピンドロールな
どが挙げられる。利尿薬としては、例えばイソソルピ
ド、フロセミドなどが挙げられる。血圧降下剤さして
は、例えば塩酸デラプリル、塩酸マニジピン、カンデサ
ルタン シレキセチル、メチルドーパなどが挙げられ
る。
【0013】血管収縮剤としては、例えば塩酸フェニレ
フリンなどが挙げられる。冠血管拡張剤としては、例え
ば塩酸カルボクロメン、モルシドミン、塩酸ペラパミル
などが挙げられる。末梢血管拡張薬としては、例えばシ
ンナリジンなどが挙げられる。高脂血症用剤としては、
例えばセリバスタンチンナトリウム、シンバスタチン、
プラバススタチンなどが挙げられる。利胆剤としては、
例えばデヒドロコール酸、トレピプトンなどが挙げられ
る。抗生物質としては、例えばセファレキシン、アモキ
シシリン、塩酸ピプメシリナム、塩酸セフォチアム、塩
酸セフォゾプラン、塩酸セフメノキシム、セフスロジン
ナトリウムなどのセフェム系抗生物質;アンピシリン、
シクラシン、スルベニシリンナトリウム、ナリジクス
酸、エノキサシンなどの合成抗菌剤;カルモナムナトリ
ウムなどのモノバクタム系抗生物質;ペネム系抗生物質
及びカルパペネム系抗生物質などが挙げられる。化学療
法剤としては、例えば塩酸スルファメチゾール、チアゾ
スルホンなどが挙げられる。糖尿病用剤としては、例え
ばトルブタミド、ボグリボース、塩酸ピオグリタゾン、
トログリタゾンなどが挙げられる。骨粗しょう症用剤と
しては、例えばイプリフラボンなどが挙げられる。骨格
筋弛緩薬としては、例えばメトカルパモールなどが挙げ
られる。鎮うん剤としては、例えば塩酸メクリジン、シ
メンヒドリナートなどが挙げられる。
【0014】ホルモン剤としては、例えばリオチニンナ
トリウム、リン酸デキメタゾンナトリウム、プレドニゾ
ロン、オキセンドロン、酢酸リュープロレリンなどが挙
げられる。アルカロイド系麻薬としては、例えばアヘ
ン、塩酸モルヒネ、トコン、塩酸オキシコドン、塩酸ア
ヘンアルカロイド、塩酸コカインなどが挙げられる。サ
ルファ剤としては、例えばスルファミン、スルファメチ
ゾールなどが挙げられる。痛風治療薬としては、例えば
アロプリノール、コルヒチンなどが挙げられる。血液凝
固阻止剤としては、例えばジクマロールが挙げられる。
抗悪性腫瘍剤としては、例えば5−フルオロウラシル、
ウラシル、マイトマイシンなどが挙げられる。
【0015】上記医薬成分は、固形物100重量部に対
して0.01〜70重量部、好ましくは0.02〜50重
量部、さらに好ましくは0.1〜30重量部用いられ
る。前記した医薬成分の中でも、滋養強壮保健薬、解熱
鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、中枢神経作用薬、胃腸薬、抗
潰瘍剤、鎮咳去痰剤、アレルギー用薬、不整脈用剤、利
尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張薬、高脂血
症用剤、糖尿病用剤、骨粗しょう症用剤、骨格筋弛緩
薬、鎮うん剤などが好適に用いられる。
【0016】上記固形成分に含まれる賦形剤とは、液体
成分が除去された固形物の形状を保持できるものであれ
ばよく、具体的には、例えばソルビトール、マンニトー
ル、マルチトール、還元澱粉糖化物、キシリトール、還
元パラチノース、エリスリトールなどの糖アルコールを
挙げることができるが、これに限定されるものではな
く、また2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよ
い。この賦形剤は固形物100重量部に対して5〜90
重量部、好ましくは10〜80重量部用いられる。
【0017】上記液体成分は、具体的には蒸留水やアル
コールなどを挙げることができるが、特定の成分に限定
されるものでなく、上記固形成分を溶解または分散する
溶媒や分散媒であればよい。なお、この液体成分は固形
成分を溶解または分散するものであり、従って、上記液
状の混合物とは、固形成分を完全に溶解させた溶液であ
ってもよく、固形物の一部または全部を溶解せずに分散
させたものであってもよい。細粒状の固形成分を分散さ
せた状態で液状固形物を調合した場合には、この細粒が
集合した構造の易崩壊性固形物を得ることができる。従
ってこの場合、例えば苦みのある医薬成分を甘味成分等
で被覆して各細粒を形成することにより、口腔内で崩壊
しても服用者が苦みを感じさせることなく当該薬効成分
を服用することができる。
【0018】なお、上記液状混合物には、一般の医薬剤
型や食品等に用いられる種々の添加剤等を含有させても
よい。このような添加剤としては、例えば結合剤、酸味
料、発泡剤、人口甘味料、香料、着色剤、安定化剤など
が挙げられるが、これに限定されるものではない。結合
剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、
α化デンプン、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム
末、ゼラチン、プルランなどが挙げられる。酸味剤とし
ては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げら
れる。発泡剤としては、例えば重曹などが挙げられる。
人口甘味料としては、例えばサッカリンナトリウム、グ
リチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、
ソーマチンなどが挙げられる。香料としては、例えばレ
モン、レモンライム、オレンジ、メントールなどが挙げ
られる。着色剤としては、例えば食用黄色5号、食用赤
色2号、食用青色2号などの食用色素;食用レーキ色
素、ベンガラなどが挙げられる。安定化剤としては、塩
基性医薬成分の場合には塩基性物質が、酸性医薬成分の
場合には酸性物質が挙げられる。
【0019】上記液状混合物の加熱は、医薬等の固形成
分の変質等を防ぐため、例えば70℃以下、好ましくは
50℃以下の低温度で液体成分が容易に気化するよう
に、減圧下でマイクロウエーブを照射したり、エチルア
ルコールのような低沸点の液体成分を用いるのが好まし
い。
【0020】
【作用】本発明1では、マイクロウエーブの照射により
混合物は表面からだけでなく内部からも均一に加熱さ
れ、液状混合物に含まれる液体成分が素早く気化して混
合物全体から除去され、固形成分が残る。このとき、こ
の固形成分には賦形剤が含まれているので液体成分の除
去された部位が空間として残り、多数の空隙を有する粒
状体が形成される。なお、上記空隙は、液体成分の除去
により生じた空間で形成してもよく、また液体成分の気
化により気泡を生成させて多数の空隙を形成してもよ
い。さらに、加熱により炭酸ガスなどの気体を発生する
発泡剤を液状混合物に混合しておくことも可能である。
ただし、気泡の生成により急激に膨化させた場合は、粒
状体の内部に形成する空隙が不均一となり易く、過剰な
膨化は避けるのが好ましい。
【0021】上記マイクロフエーブの照射とともに乾燥
空気などを通風換気させると、気化した液体成分を粒状
体から効率よく除去でき、より好ましい。また、上記加
熱による液体成分の気化には、他の加熱手段を併用して
もよく、例えばマイクロウエーブの加熱で大部分の液体
成分を除去して空隙率の高い粒状体に形成し、この粒状
体に残る残余の液体成分を通風乾燥等により除去しても
よい。
【0022】本発明2では、粒状体の表面に密度の高い
表皮層を形成してあることから、この表皮層により乾燥
状態の易崩壊性固形物に適度の硬度が与えられる。
【0023】本発明3では、マイクロウエーブの照射に
より容器の収容部内に空隙率の高い固形物が形成され
る。このとき、容器を薄肉の合成樹脂などで構成するこ
とによりマイクロウエーブの影響をほとんど受けなくす
ることができ、これにより液状混合物は部分的に過熱さ
れることなく全体が均一に加熱される。そして、上記固
形物を収容部内に形成した容器は、このまま開口部をシ
ールシート等で密封して包装し、あるいは他の包装体に
移し替えて包装され、易崩壊性固形物の製造が完了す
る。
【0024】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明する。図1〜図4は本発明の易崩壊性固形物を口
腔内崩壊性医薬剤型に適用した実施形態を示し、図1は
ブリスター包装された口腔内崩壊性医薬剤型の縦断面
図、図2は上記医薬剤型の製造装置の概略構成図、図3
は液状混合物の分注工程での部分拡大図、図4はマイク
ロウエーブ照射工程での部分拡大図である。
【0025】図1に示すように、本実施形態の口腔内崩
壊性医薬剤型(1)は、ブリスターフィルム(2)とシール
シート(3)からなる包装体、即ちブリスター包装(4)の
収容凹部(5)内に密封収容されており、医薬成分と賦形
剤及びその他の添加剤を含む空隙率の高い錠剤形状の粒
状体(6)に形成してある。上記ブリスター包装(4)に
は、ブリスターフィルム(2)に形成された上記収容凹部
(5)の周囲にミシン線(7)が入れてあり、このミシン線
(7)に沿って破断することにより各収容凹部(5)をシー
ルシート(3)で密封したまま互いに分離できるようにし
てある。
【0026】上記口腔内崩壊性医薬剤型(1)を服用する
場合、上記シールシート(3)を引き剥がすことにより収
容凹部(5)を開封し、収容されている医薬剤型(1)を取
り出してもよいが、この実施形態では医薬剤型(1)の表
面に内部よりも密度の高い表皮層(6a)を形成して粒状体
(6)の強度を高めてあり、図1におけるブリスターフィ
ルム(2)の下方から押し上げて医薬剤型(1)自体により
シールシート(3)を破断する、いわゆるプレススルーパ
ック(PTP)形式の包装にしてある。
【0027】ブリスター包装(4)から取り出された医薬
剤型(1)はそのまま口腔内に入れられる。この医薬剤型
(1)の内部には多数の連続気泡状の空隙(8)が形成され
ており、口腔内の唾液等により簡単に溶解され嚥下され
る。なお、この場合に口腔内で歯や舌で押圧することに
より医薬剤型(1)を砕いて一層素早く溶解させてもよ
い。
【0028】次に、図2に示す製造装置(10)を用いて上
記口腔内崩壊性医薬剤型(1)を製造する方法について説
明する。図2に示すように、この医薬剤型(1)の製造装
置(10)は、フィルム供給ロール(11)、収容凹部形成装置
(22)、液状混合物(9)の分注装置(12)、マイクロウエー
ブ照射装置(13)、シート供給ロール(14)、凹部密封ロー
ル(15)、裁断ロール(16)、巻取りロール(17)及びブリス
ター包装(4)の搬出装置(18)からなる。
【0029】上記フィルム供給ロール(11)から送り出さ
れたブリスターフィルム(2)は、収容凹部形成装置(22)
で収容凹部(5)が形成されたのち、分注装置(12)の下
方、マイクロウエーブ照射装置(13)内、及び凹部密封ロ
ール(15)間を順に通過したのち裁断ロール(16)により周
囲の不用部分(19)と医薬剤型(1)を密封包装したブリス
ター包装(4)とが切り離される。そして、この不用部分
(19)が巻取りロール(17)に巻き取られ、一方、ブリスタ
ー包装(4)が搬出装置(18)で梱包工程などの次工程へ搬
出される。
【0030】上記分注装置(12)のタンク(20)内には所定
の固形成分と液体成分を混合してなる液状混合物(9)が
収容されている。上記フィルム供給ロール(11)から送り
出され、収容凹部形成装置(22)を通過したブリスターフ
ィルム(2)は、図3に示すように収容凹部(5)の上面開
口部(5a)が上記分注装置(12)の下方位置に達すると、こ
の収容凹部(5)内に分注装置(12)から所定量の上記液状
混合物(9)が注入される。したがって、この実施形態で
は上記ブリスターフィルム(2)が液状混合物(9)の容器
を構成している。
【0031】上記液状混合物(9)を収容したブリスター
フィルム(2)は次いでマイクロウエーブ照射装置(13)内
に達すると、図4に示すように、マイクロウエーブ(21)
の照射を受ける。これにより液状混合物(9)は内部から
均一に加熱され、液体成分が気化し、多数の空隙を有す
る粒状体(6)が形成される。このとき、塩ビフィルムな
どで形成された薄いブリスターフィルム(2)はマイクロ
ウエーブ(21)の影響をほとんど受けず、実質的に発熱す
ることがないので上記液状混合物(9)の下部などを局部
的に過熱することがない。また上記マイクロウエーブ照
射装置(13)内には乾燥空気を通風してあり、上記気化し
た液体成分を外部へ速やかに排出するようにしてある。
【0032】上記加熱により液体成分が除去されたの
ち、ブリスターフィルム(2)の上面にシート供給ロール
(14)からのシールシート(3)が供給され、凹部密封ロー
ル(15)で貼り合わされて医薬剤型(1)が上記収容凹部
(5)内に密封される。その後、上述したように裁断ロー
ル(16)で不用部分(19)が切り離され、ブリスター包装
(4)が搬出装置(18)により次工程へ搬出される。
【0033】なお、本実施形態では熱風空気を併用して
液体成分を気化させたが、マイクロウエーブの照射のみ
により液体成分を気化させてもよく、あるいは他の乾燥
手段を併用してもよい。また、上記液状混合物には発泡
剤を配合しておき、わずかな昇温により発泡させて混合
物を膨化させてもよい。この場合、50℃程度の比較的
低温で発泡させることが医薬成分への熱影響を防ぐうえ
で好ましい。
【0034】また、本実施形態では、マイクロウエーブ
照射装置で液状混合物を連続的に処理する場合について
説明したが、本発明では液状混合物をバッチ式に処理す
るものであってもよく、この場合、減圧下でマイクロウ
エーブを照射すると低温で液体成分を気化させることが
でき、加熱により変質し易い医薬成分の場合などに好適
である。
【0035】上記実施形態ではブリスターフィルムの収
容凹部内に収容した液状混合物にマイクロウエーブを照
射する場合について説明したが、本発明では他の容器の
収容部内で粒状体を形成したのち、この粒状体をブリス
ター包装や他の包装体等に移し替えて包装してもよい。
また、上記実施形態では医薬剤型に適用した場合につい
て説明したが、本発明の易崩壊性固形物は、食品など医
薬剤型以外の固形物にも適用でき、またヒトだけでなく
他の動物への投与にも適用できることはいうまでもな
い。
【0036】
【実験例】マンニトール15gと蒸留水5gとを均一に
混合してクリーム状の液状混合物を得た。これを各シー
トに10個の収容凹部を有するブリスターフィルム5枚
に分注し、バッチ式オーブン内に入れた。最初に、50
Torrに減圧して125wのマイクロウエーブを18
分間照射した。これにより、上記混合物の水分は19.
8%となった。なお、水分測定は赤外線水分計による。
【0037】次いで、バッチ式オーブン内を常圧に戻
し、60℃の温風を通風しながら125wのマイクロウ
エーブを40分間照射した。なお、温風は液状混合物に
直接当たらないように風向きを規制した。得られた固形
物の水分は2.1%であり、表面にやや密度の高い表皮
層が形成されていた。この固形物は指先で摘んだ程度で
は崩壊しないが、口中に含むと唾液を急速に吸収し、舌
先で触れる程度の僅かな押圧力で簡単に崩壊した。
【0038】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され作用する
ことから、次の効果を奏する。
【0039】(イ) 本発明1では、液状混合物が内部か
ら均一に加熱され、液体成分が混合物全体から素早く気
化して除去されることから、多数の空隙を均一に形成す
ることができ、得られた易崩壊性固形物は口腔内等で唾
液などにより容易に崩壊させることができる。しかも、
マイクロウエーブの照射により加熱して液体成分を素早
く気化させるだけでよく、前記従来技術の凍結乾燥法に
比べて短時間で簡単にかつ安価に実施することができ
る。
【0040】(ロ) 本発明2では、粒状体の表面に密度
の高い表皮層を形成してあることから、易崩壊性固形物
に適度の硬度が与えることができ、製造工程や流通過程
での破損の虞れをなくし、また包装体からの取り出し操
作や取り出した後の固形物の取り扱いを容易にすること
ができる。
【0041】(ハ) 本発明3では、マイクロウエーブの
照射により液状混合物を部分的に過熱することなく空隙
率の高い固形物を形成できるので、短時間で簡単に良好
な易崩壊性固形物を製造できる。しかも、ブリスター包
装などの包装体内で直接製造することができるので、一
層安価に包装された易崩壊性固形物を製造でき、特に医
薬剤型の場合に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す、ブリスター包装され
た口腔内崩壊性医薬剤型の縦断面である。
【図2】医薬剤型の製造装置の概略構成図である。
【図3】液状混合物の分注工程での部分拡大図である。
【図4】マイクロウエーブ照射工程での部分拡大図であ
る。
【符号の説明】
1…易崩壊性固形物(口腔内崩壊性医薬剤型)、 2…容器(ブリスターフィルム)、 3…シールシート、 5…収容部(収容凹部)、 5a…開口部、 6…粒状体、 9…液状混合物、 21…マイクロウエーブ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 賦形剤を含有する固形成分に液体成分を
    混合して液状の混合物(9)を調合し、この液状混合物
    (9)にマイクロウエーブ(21)を照射して液状混合物(9)
    の内部から加熱することにより上記液体成分を気化さ
    せ、空隙率の高い粒状体(6)に形成したことを特徴とす
    る、易崩壊性固形物。
  2. 【請求項2】 上記粒状体(6)の表面に、内部よりも密
    度の高い表皮層(6a)を形成した、請求項1に記載の易崩
    壊性固形物。
  3. 【請求項3】 賦形剤を含有する固形成分に液体成分を
    混合して液状の混合物(9)を調合し、この液状混合物
    (9)を容器(2)の収容部(5)内に注入し、次いでこの収
    容部(5)内で上記液状混合物(9)にマイクロウエーブ(2
    1)を照射して液状混合物(9)の内部から加熱し、上記液
    体成分を除去することを特徴とする、易崩壊性固形物の
    製造方法。
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WO2005048993A3 (en) * 2003-11-14 2006-03-30 Alza Corp Minimization of drug oxidation in drug irradiated excipients formulations
CN100506203C (zh) * 2002-07-23 2009-07-01 钟根元 用微波煎煮中药混合液的方法及应用

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