JP2000204422A - 高純度チタンインゴットの製造方法 - Google Patents

高純度チタンインゴットの製造方法

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JP2000204422A
JP2000204422A JP468799A JP468799A JP2000204422A JP 2000204422 A JP2000204422 A JP 2000204422A JP 468799 A JP468799 A JP 468799A JP 468799 A JP468799 A JP 468799A JP 2000204422 A JP2000204422 A JP 2000204422A
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Takashi Onishi
隆 大西
Yasutoku Yoshimura
泰徳 吉村
Hiroaki Shiraishi
博章 白石
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Osaka Titanium Technologies Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体配線材料に用いられる低酸素の高純度チ
タン材を高い生産性で製造することができる。 【解決手段】(1) アイオダイド法によって作製された円
筒状の析出チタン材の内部に、スポンジチタンをプレス
成形したコンパクトを溶接した内部電極を挿入して消耗
電極とし、この消耗電極を真空アーク溶解することを特
徴とする高純度チタンインゴットの製造方法。 (2) 同様に、チタンスクラップまたはチタンクロップを
溶接した内部電極を挿入して消耗電極とし、この消耗電
極を真空アーク溶解することを特徴とする高純度チタン
インゴットの製造方法。 上記において、円筒状の析出チタン材の酸素濃度を、そ
の内部に挿入する内部電極の酸素濃度より低くするのが
望ましい。さらに、上記円筒状の析出チタン材とその内
部に挿入する内部電極とに、固定部分を設けるのが望ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体用配線材料
の形成に用いられる高純度チタンインゴットの製造方法
に関し、更に詳しくは、スパッタリング用ターゲットを
作製するために、酸素含有量の少ない高純度チタンイン
ゴットを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、半導体用配線材料として、高純度の
高融点金属材料が使用されている。具体的な半導体用配
線材料としては、モリブデン、タングステン、チタンま
たはそれらのシリサイドがあげられるが、中でもチタン
は優れた比強度、加工性および耐食性を有することか
ら、広く使用されている。そして、半導体用配線材料と
して使用されるチタンは高純度であることが要求され、
特に酸素濃度は低いものが必要とされる(特公平4-7530
1号公報参照)。
【0003】例えば、DRAMにおいて、従来の主流で
あった64Mビットの配線材料に使用される高純度チタ
ンインゴットでは、酸素濃度は250ppm以下が要求され
る。ところが、最近、本格的な生産が検討され始めた1
28Mビット、あるいは256Mビットという高い集積
度の配線材料に使用される高純度チタンインゴットで
は、含有される酸素濃度は200ppm以下が要求されてい
る。
【0004】チタンインゴットの製造に供するスポンジ
チタンや針状チタンなどのチタン材の製造には、現在の
ところ3つの方法が一般に用いられている。第1の方法
は、TiCl4あるいはK2TiF6等を溶融塩にして電解する方
法であり、溶融塩電解法と呼ばれている。次ぎに、第2
の方法は、TiCl4のようなチタン化合物をMg等の活性金
属で還元する方法であり、クロール法と呼ばれている。
そして第3の方法は、チタン沃化物(TiI4、 TiI3、 Ti
I2等)を熱分解する方法であり、アイオダイド法と呼ば
れている。これらのチタン材の製造方法における製造コ
ストを比較すると、クロール法が最も安価であり、アイ
オダイド法と溶融塩電解法の製造コストは、大幅に高く
なる。
【0005】上述の方法で製造されたチタン材は、半導
体用配線材料として使用する際に、半導体用スパッタリ
ングターゲットを作製するため、インゴットに溶解され
る。このときのインゴットの溶解方法として、2つの方
法が用いられる。
【0006】図6は、一つの溶解方法である電子ビーム
溶解法の構成を示す図である。高真空のチャンバー内
で、投入原料24または/およびソリッド原料25は電子ビ
ーム26によって溶解され、溶融チタン27とし水冷銅ハー
ス28内に溶融状態に保持される。このとき、アルカリ金
属として、特にNa、Kなどが蒸発、除去される。その
後、溶融チタン27は銅モールド29に滴下され、インゴッ
ト30が下方に引き抜かれながら製造される。
【0007】図7は他の溶解方法である消耗電極式真空
アーク溶解法の構成を示す図であり、図8は消耗電極式
真空アーク溶解法を含む全体のプロセス概要を説明する
図である。図8に示すように、通常、消耗電極の原料と
なるスポンジチタン18は、クロール法によって製造さ
れ、コンパクト20を成形するため、圧縮プレス19により
圧縮成形される。成形されたコンパクト20は、ビード溶
接機21により溶接されて消耗電極33を構成し、この消耗
電極33を消耗電極式アーク溶解炉22内で溶解することに
よりインゴット23を製造する。
【0008】具体的な消耗電極式真空アーク溶解法の構
成は、図7に示すように、消耗電極33は溶接によりスタ
ブ32に固定され、溶解が進むに従ってスティンガーロッ
ド31の降下に伴い連続的に下降される。水冷銅モールド
1内では、アーク4の発生によって消耗電極33は溶解
し、溶融チタン5を形成し、冷却されてインゴット6を
構成する。冷却水は、水冷銅モールド1の下部に設けら
れた冷却水入口35から上部の冷却水出口34へと流され
る。
【0009】上述の通り、チタン材の製造には3つの方
法があり、インゴットの溶解方法として2つの方法が採
用されている。したがって、半導体用スパッタリングタ
ーゲットを作製するためのチタンインゴットの製造工程
としては、これらを組み合わせたものに限定されるが、
実際に採用される工程としては、次の第1〜第3の製造
工程が挙げられる。
【0010】第1の製造工程は、溶融塩電解法と電子ビ
ーム溶解法との組み合わせである。すなわち、溶融塩電
解法により得られた針状チタンであるチタン材を、高真
空中で電子ビームを利用して溶解することにより、針状
チタンに多く含まれるNaやK等のアルカリ金属が蒸発さ
せることができるので、高い精製効果が得られる。さら
に、電子ビーム溶解法は10-5torrの真空条件で行われる
ため、酸素濃度の増加がほとんどない。
【0011】例えば、第1の製造工程の実施例として、
特公平4-75301号公報には、酸素濃度は100〜150ppm、他
の不純物として、Feが0.4〜0.8ppm、Niが0.1〜0.3ppm、
Crが0.3〜0.5ppm、Na、Kが0.05ppmのチタン材が知られ
ている。しかし、電子ビーム溶解法は、高純度なチタン
の製造に有利な溶解法であるが、装置が高価であり、製
造能力として溶解速度が10kg/hr程度に留まり生産性が
低い。加えて、溶融塩電解法の生産性の低さも問題にな
る。
【0012】第2の製造工程は、クロール法により得ら
れた安価なスポンジチタンを消耗電極式真空アーク溶解
法によりインゴットにする方法である。この製造工程に
よれば、特開平7-258765号公報に記載のように、スポン
ジチタンの中心部分を適切に採取し、さらに破砕時の粒
径を制御することにより酸素濃度を220ppm程度に低減し
たチタン材を製造することが可能になる。そして、その
チタン材を消耗電極式真空アーク溶解法により溶解する
場合に、インゴット中の酸素濃度の増加は30ppm程度あ
り、何とか酸素濃度が250ppm以下の高純度チタンインゴ
ットを得ることができる。近年、アーク溶解での真空度
の向上や制御技術の向上などもあり、部分的には酸素濃
度が220ppm以下の高純度チタンインゴットの製造が可能
になるが、酸素濃度が200ppm以下の高純度チタンインゴ
ットの製造は困難であった。
【0013】第3の製造工程は、アイオダイド法と電子
ビーム溶解法または消耗電極式真空アーク溶解法との組
み合わせであり、アイオダイド法により得られた析出チ
タン材を用いてインゴットを溶解する。
【0014】図5は、アイオダイド法によってチタンを
製造する場合の構成例を示す図である。この方法では、
真空排気された反応容器内に導入された原料ガス16によ
って粗チタン15が沃化物ガスとして気化し、この沃化物
ガスがヒーター17で加熱された管状析出基体13上で熱分
解することにより、円筒状で高純度の析出チタン14が得
られる。アイオダイド法には、他に析出基体にワイヤを
用いて、棒状チタンを製造する方法もあるが、生産性は
悪くなる。
【0015】図5に示すアイオダイド法によって得られ
る析出チタン材は、酸素濃度が50ppm程度と極めて高純
度であることから、第3の製造工程では、消耗電極式真
空アーク溶解法や電子ビーム溶解法によって超高純度の
チタンインゴットを製造することができる。しかし、ア
イオダイド法では、他のチタン材の製造方法に比べ、生
産性が低いことが問題である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前述の通り、128M
ビット、あるいは256Mビットという高い集積度の配
線材料に使用される高純度チタンインゴットでは、酸素
濃度は200ppm以下が要求される。このような酸素濃度を
満足する高純度チタンインゴットを製造する工程として
は、第1の製造工程および第3の製造工程が挙げられ
る。しかし、何れも生産性が低いという問題があり、特
に、第3の製造工程でアイオダイド法によって得られる
析出チタン材は、その製造コストが著しく高価になると
いう問題もある。
【0017】本発明は、従来の高純度チタンインゴット
製造工程での問題点に鑑みてなされたものであり、アイ
オダイド法によって極めて低い酸素濃度で得られた析出
チタン材と、クロール法によって得られた安価なスポン
ジチタン、若しくはチタンスクラップ等とを組み合わせ
て、消耗電極式真空アーク溶解法を用いて高い生産性で
高純度チタンインゴットを製造する方法を提供すること
を目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を達成するため、前記図5に示すアイオダイド法で製
造された円筒状の析出チタン材を消耗電極として、真空
アーク溶解法でインゴットを溶解して種々の検討を行っ
た。その結果、下記の〜の知見を得ることができ
た。
【0019】 円筒状析出チタン材をそのまま消耗電
極として真空アーク溶解を行うことにより、超高純度の
チタンインゴットを製造することができる。しかし、消
耗電極の溶解中に、発生するアークが円筒状析出チタン
材の断面形状の影響を受けて、円筒断面に沿って円周状
に分布する。そして、アークの発生面積が小さくなり、
生産性が悪く、またそのためアークの発熱量も不足し、
溶融チタンのプールの中心部が凝固することになる。そ
のため、インゴットの表面欠陥の発生や品質低下を招く
ことになる。
【0020】 後述する図1は、本発明の製造方法を
示す図であるが、同図に示すように、円筒状チタン材の
内部にチタン材からなる内部電極を装入して消耗電極式
真空アーク溶解法を行うことにより、上記のインゴッ
トの表面欠陥や品質の問題を解消することができる。
【0021】 しかも、アイオダイド法で製造された
円筒状チタン材をそのまま消耗電極として、円筒状チタ
ン材の内部に装入される内部電極を、クロール法により
製造されたスポンジチタン、若しくはチタンスクラップ
等にすれば、従来の方法と比較して高い生産性で、酸素
濃度が200ppm以下を満足する高純度チタンインゴットを
製造することができる。
【0022】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
ものであり、下記の(1)および(2)の高純度チタンインゴ
ットの製造方法を要旨とする。
【0023】(1) アイオダイド法によって作製された円
筒状の析出チタン材の内部に、スポンジチタンをプレス
成形したコンパクトを溶接した内部電極を挿入して消耗
電極とし、この消耗電極を真空アーク溶解することを特
徴とする高純度チタンインゴットの製造方法である。
【0024】(2) アイオダイド法によって作製された円
筒状の析出チタン材の内部に、チタンスクラップまたは
チタンクロップを溶接した内部電極を挿入して消耗電極
とし、この消耗電極を真空アーク溶解することを特徴と
する高純度チタンインゴットの製造方法である。
【0025】上記(1)、(2)において、円筒状の析出チタ
ン材の酸素濃度を、その内部に挿入する内部電極の酸素
濃度より低くするのが望ましい。これにより、汎用品と
しての酸素濃度が100数十〜200ppm程度の高純度チタン
インゴットを、生産性良く、安価に製造することができ
る。
【0026】また、上記円筒状の析出チタン材とその内
部に挿入する内部電極とに、固定部分を設けるのが望ま
しい。さらに望ましくは、長手方向に少なくとも2箇所
に固定部分を設けることである。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明によれば、アイオダイド法
で製造された円筒状の高純度チタン材の酸素濃度が十分
低いため、この円筒状のチタン材の内部にクロール法に
より製造されたスポンジチタン、チタンスクラップまた
はチタンクロップから構成された内部電極を装入して溶
解しても、酸素濃度が200ppm以下の高純度チタンインゴ
ットを製造することができる。
【0028】前述の通り、アイオダイド法で製造された
円筒状析出チタン材をそのまま消耗電極として、真空ア
ーク溶解法を実施すると、溶解されたインゴットに表面
欠陥等の問題が発生する。このため、円筒状析出チタン
材は短冊状に切り出され、それらを束ねて消耗電極とし
ていた。しかし、本発明では、アイオダイド法により製
造された円筒状の高純度チタン材をそのまま用いるた
め、消耗電極として一部の電源接続部を加工するだけ
で、その他の加工は必要としない。そのため、加工費用
がほとんど不要であり、また、加工による不純物の混入
の恐れもない。
【0029】図1は、本発明の製造方法によって消耗電
極の溶解する場合の構成例を示す図である。消耗電極
は、円筒状のチタン材2と、その内部に挿入される内部
電極3とで構成されている。図1に示される内部電極3
は、クロール法によって製造されたスポンジチタンから
作製されたコンパクトから構成される。消耗電極は水冷
銅モールド1内でアーク4の発熱により溶解され、溶融
チタン5となり、これが凝固してインゴット6が製造さ
れる。
【0030】図2は、前記図1におけるA−A’矢視を
示す図である。同図は、円筒状析出チタン材と内部電極
とに、固定部分を設けた状況を示している。円筒状チタ
ン材2と内部電極3に固定部分を設けるのが望ましく、
固定手段7は高純度チタン材により作製されたネジまた
は棒で形成し、円筒体2の側面に孔をあけ、円筒体2の
外周の溶接部12で固定されるようにすればよい。
【0031】図3は、本発明の製造方法によって消耗電
極の溶解する場合の他の構成例を示す図である。この場
合には、円筒状チタン材2の内部に挿入される内部電極
8として高純度チタン材のスクラップが用いられ、線溶
接9により互いに接合された状態で挿入される。図3に
示す構成例では、安価なスクラップを用いているので、
内部電極8の製造コストの低減を図ることができる。
【0032】図4は、本発明の製造方法によって消耗電
極の溶解する場合の異なる構成例を示す図である。図4
に示す構成例では、内部電極10としてチタンクロップを
用いている。ここで、クロップとは、高純度スポンジチ
タンを溶解てインゴットとしたのち、鍛造により円柱状
の高純度チタンビレットを加工して、そのビレットの端
材をいう。これらのクロップをお互いに溶接11によって
接合して、内部電極10として用いられる。通常、クロッ
プは形状が不揃いで使用上不具合であることから、スク
ラップとして処理されるが、これらを使用することによ
り、消耗電極の製造コストを低減できる。
【0033】本発明においては、内部電極としてビレッ
トをそのまま使用することも可能である。また、内部電
極としてコンパクト、スクラップまたはクロップの何れ
を用いる場合であっても、円筒状の高純度チタン材の内
部に入る寸法である必要がある。
【0034】
【実施例】本発明の製造方法による効果を、本発明例
1、2と比較例1〜10とを対比しながら詳細に説明す
る。インゴットの溶解に際し、比較例1〜5では、真空
アーク溶解法を用い、比較例6〜10では、電子ビーム溶
解法を用いている。
【0035】[本発明例1]図5に示すアイオダイド法
によって円筒状の析出チタン材を作製した。得られた析
出チタン材の酸素濃度は50ppmの高純度チタンであり、
その寸法は、外径300mm、内径240mm、長さ2000mmとし
た。
【0036】上記円筒状の析出チタン材に挿入する内部
電極としては、スポンジチタンをプレス成形したコンパ
クトを用いることとした。そのため、クロール法により
製造されたスポンジチタンのバッチの高さ方向で、底部
から25%、頂部から10%を切除し、さらにバッチ直径の
20%以上の円周部分を切除することにより中心部分を採
取し、さらに破砕時の粒径を10〜300mmに制御し、酸
素濃度が220ppm程度のスポンジチタンを製造した。その
後、図8に示すように、得られたスポンジチタン18を圧
縮プレス19によりコンパクト20にし、次いで、ビード溶
接機21によって溶接して一体化し、円柱状の内部電極を
作製した。内部電極の寸法は、直径220mm、高さ200mmの
コンパクトをビード溶接して、長さ2000mmとした。
【0037】消耗電極式真空アーク溶解法に用いた溶解
炉のモールドの寸法は、内径400mm、長さ2500mmとし
た。消耗電極として、析出チタン材の内部に上記内部電
極を装入し、両者の上端部を溶接でスタブに固定して電
源接続部とし、さらに、図2に示すように、円周方向4
箇所ネジ止め固定とし、真空アーク溶解を実施した。
【0038】上記の真空アーク溶解によって、直径400m
m、長さ760mm、重量1650kgの高純度チタンインゴットを
製造した。得られたインゴットの分析結果によると、不
純物濃度は、酸素:150ppm、Na:0.05ppm 、K:0.1ppm
、Fe:1.0ppm、Ni:0.1ppm、Cr:0.5ppmであった。
【0039】本発明例1では、内部電極としてスポンジ
チタンを使用できるため、原料製造コストが安価とな
る。また、アイオダイド法で作製された円筒状析出チタ
ン材もそのままの形状で使用できるので、アーク溶解前
に加工が不要になることから、総合的に生産性が高く、
品質面でも全く問題はない。溶解原料に対するスポンジ
チタンの比率が高くなると、生産性が上がる反面、品質
が下がる傾向にある。
【0040】[本発明例2]本発明例2では、内部電極
にクロップを用いて消耗電極を構成して、真空アーク溶
解を実施した。内部電極は、直径200mmのビレットの両
端から切り落とされた酸素濃度240ppmのクロップを用
い、各々の高さは150〜250mm程度で、これらをビード溶
接により一体化し、円筒状析出チタン材に挿入できる円
柱状の内部電極とした。円筒状析出チタン材の性状、溶
解炉のモールド条件等他の条件は、本発明例1の場合と
同じとした。
【0041】上記消耗電極を真空アーク溶解して、直径
400mm、長さ880mm、重量2150kgの高純度チタンインゴッ
トを製造した。得られたインゴットを成分分析すると、
不純物濃度は、酸素:175ppm、Na:0.1ppm 、K:0.1pp
m 、Fe:1.5ppm、Ni:0.1ppm、Cr:1.0ppmであった。
【0042】本発明例2では、内部電極としてクロップ
を用いたため、原料製造コストが安価であり、本発明例
1と同様に、総合的に生産性が高く、品質面でも全く問
題はなかった。
【0043】[比較例1]消耗電極に溶融塩電解法によ
り作製された針状チタンを圧縮プレスによりコンパクト
にしたもののみを用いて、真空アーク溶解を実施した。
【0044】消耗電極式真空アーク溶解法では、針状チ
タン中に含有されるNa、Kが除去できないことから、得
られたインゴットのアルカリ金属濃度はNa:1.0ppm、
K:1.5ppmであった。
【0045】[比較例2]消耗電極は、クロール法で製
造されたバッチの中心部分を採取したスポンジチタンの
みで構成した。本発明例1と同じ条件で採取したスポン
ジチタンを用いて、圧縮プレスによりコンパクトを作製
し、次いで、ビード溶接で一体化して、消耗電極として
真空アーク溶解を実施した。得られたインゴットの酸素
濃度は230ppmであり、200ppm以下のものは製造できなか
った。
【0046】[比較例3]消耗電極にアイオダイド法に
より作製された棒状チタン材を束ねて用いて、真空アー
ク溶解を実施した。棒状チタン材は、析出基体にワイヤ
を用いるものであり、図5に示す管状の析出基体を用い
る方法より生産性が悪いため、原料コストが高額となっ
た。
【0047】[比較例4]消耗電極には、図5に示すア
イオダイド法により作製された円筒状のチタン材を短冊
状に切り出し、これらを束ねて用いて、真空アーク溶解
を実施した。比較例4は、比較例3より生産性が高い
が、析出するチタン材が円筒体であるため、消耗電極を
作製するためには、切断、加工等の工程が必要になるこ
とが問題であった。
【0048】[比較例5]消耗電極にクロップを用い
た。クロップを溶接によって接合し、消耗電極を形成し
て、真空アーク溶解を実施した。得られたインゴットの
酸素濃度が250ppmとなり、200ppm以下を満足することが
できなかった。
【0049】[比較例6]溶解原料は溶融塩電解法によ
り作製された針状チタンを用いて、電子ビーム溶解法を
実施した。電子ビーム溶解法を適用したため、針状チタ
ン中のNa、Kは除去されたが、生産性が低くなった。
【0050】[比較例7]溶解原料は本発明例1と同じ
条件で採取したスポンジチタンを用いて、電子ビーム溶
解法を実施した。得られたインゴットの酸素濃度は230p
pmであり、酸素濃度200ppm以下のインゴットは作製でき
なかった。
【0051】[比較例8]溶解原料はアイオダイド法に
より作製された棒状チタン材を用いて、電子ビーム溶解
法を実施した。
【0052】[比較例9」溶解原料は図5に示すアイオ
ダイド法により作製された円筒状のチタン材を用いて、
電子ビーム溶解法を実施した。
【0053】比較例8および比較例9は、品質上問題な
いが、原料製造が高く、溶解の生産性が低いことが問題
であった。
【0054】[比較例10]溶解原料はクロップを用い
て、電子ビーム溶解法を実施した。得られたインゴット
の酸素濃度は250ppmであり、酸素濃度200ppm以下のイン
ゴットは作製できなかった。
【0055】[本発明例と比較例との総合評価]表1
は、本発明例1、2および比較例1〜10の評価結果を示
したものである。評価は、生産性および製造コストの面
と、インゴットに含有される不純物濃度から観察される
品質面とで行った。したがって、表中のAでは生産性の
面を、Bでは品質面を評価している。評価結果は、A
(生産性)では、◎は極上、○は高、△は中、×は低を
表し、B(品質)では、◎は優、○は良、△は可、×は
不可を表している。
【0056】表1から明らかなように、比較例1〜10で
はいずれもA・Bの総合評価は、×または△であるが、
前述の通り、本発明例1、2では総合的に生産性が高
く、品質面でも全く問題ないことから、○〜◎となって
いる。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明の高純度チタンインゴットの製造
方法によれば、半導体用配線材料の形成に用いられるス
パッタリング用ターゲットを作製するため、消耗電極式
真空アーク溶解法を用いて、高い生産性で、かつ高品質
の高純度チタンインゴットを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって消耗電極の溶解する
場合の構成例を示す図である。
【図2】図1におけるA−A’矢視を示す図であり、円
筒状析出チタン材と内部電極とに固定部分を設けた状況
を示している。
【図3】本発明の製造方法によって消耗電極の溶解する
場合の他の構成例を示す図である。
【図4】本発明の製造方法によって消耗電極の溶解する
場合の異なる構成例を示す図である。
【図5】アイオダイド法によってチタンを製造する場合
の構成例を示す図である。
【図6】一つの溶解方法である電子ビーム溶解法の構成
を示す図である。
【図7】他の溶解方法である消耗電極式真空アーク溶解
法の構成を示す図である。
【図8】消耗電極式真空アーク溶解法を含む全体のプロ
セス概要を説明する図である。
【符号の説明】
1:水冷銅モールド、 2:円筒状のチタン材、 3:
内部電極(コンパクト) 4:アーク、 5:溶融チタン、 6:インゴット、
7:固定手段 8:内部電極(スクラップ)、 9:線溶接、 10:内
部電極(クロップ) 11、12:溶接部、 13:管状析出基体、 14:析出チタ
ン 15:粗チタン、 16:原料ガス、 17:ヒーター 18:スポンジチタン、 19:圧縮プレス、 20:コンパ
クト 21:ビード溶接機、 22:消耗電極式アーク溶解炉 23:インゴット、 24:投入原料、 25:ソリッド原料 26:電子ビーム、 27:溶融チタン、 28:水冷銅ハー
ス 29:水冷銅モールド、 30:インゴット、 31:スティ
ンガーロッド 32:スタブ、 33:消耗電極、 34:冷却水出口 35:冷却水入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白石 博章 兵庫県尼崎市東浜町1番地株式会社住友シ チックス尼崎内 Fターム(参考) 4K001 AA27 BA23 FA11 GA16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アイオダイド法によって作製された円筒状
    の析出チタン材の内部に、スポンジチタンをプレス成形
    したコンパクトを溶接した内部電極を挿入して消耗電極
    とし、この消耗電極を真空アーク溶解することを特徴と
    する高純度チタンインゴットの製造方法。
  2. 【請求項2】アイオダイド法によって作製された円筒状
    の析出チタン材の内部に、チタンスクラップまたはチタ
    ンクロップを溶接した内部電極を挿入して消耗電極と
    し、この消耗電極を真空アーク溶解することを特徴とす
    る高純度チタンインゴットの製造方法。
  3. 【請求項3】上記円筒状の析出チタン材の酸素濃度が、
    その内部に挿入する内部電極の酸素濃度より低いことを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の高純度チタ
    ンインゴットの製造方法。
  4. 【請求項4】上記円筒状の析出チタン材とその内部に挿
    入する内部電極とに、固定部分を設けたことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の高純度チタ
    ンインゴットの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008095168A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Osaka Titanium Technologies Co Ltd 高純度チタンインゴットの製造方法
CN115365463A (zh) * 2021-05-17 2022-11-22 康永红 一种直径25毫米以下钛棒线材连续生产技术
CN115608896A (zh) * 2022-09-29 2023-01-17 济南巨能数控机械有限公司 一种海绵钛整体电极浮动压制的工艺和模具

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CN115608896B (zh) * 2022-09-29 2023-10-03 济南巨能数控机械有限公司 一种海绵钛整体电极浮动压制的工艺和模具

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