JP2000205342A - 高負荷伝動ベルト - Google Patents

高負荷伝動ベルト

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JP2000205342A
JP2000205342A JP11010525A JP1052599A JP2000205342A JP 2000205342 A JP2000205342 A JP 2000205342A JP 11010525 A JP11010525 A JP 11010525A JP 1052599 A JP1052599 A JP 1052599A JP 2000205342 A JP2000205342 A JP 2000205342A
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Japan
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block
resin
friction
belt
coefficient
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JP11010525A
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English (en)
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Shinichi Takagi
晋一 高木
Shoji Tsuji
勝爾 辻
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮伝動タイプの高負荷伝動ベルトにおい
て、ブロック間摩耗を低減し長寿命化する。 【解決手段】 無端キャリア2上にブロック3の係合溝
を係合した圧縮伝動タイプの高負荷伝動ベルト1におい
て、ブロック3のプーリに接触する面の摩擦係数を0.
25〜0.30の範囲とし、ブロック同士が接触する面
の摩擦係数を0.2以下とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や農機の主
駆動や補機駆動のベルト無段変速などに用いられるベル
トであり、センターベルトと耐側圧を補強するブロック
からなる高負荷伝動用に供するベルトに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から無段変速装置等の高負荷伝動を
要求される用途に適用されるベルトとして、ゴム製Vベ
ルトが用いられてきたが、しかしゴム製Vベルトでは高
負荷用のものであっても最大面圧が10kg/cm2
度であり、それ以上のトルクのかかる用途であるとゴム
製Vベルトが高側圧に耐えられず座屈変形してしまう。
【0003】そこで、特開昭55−100443号公報
のようなブロックが金属バンド上を摺動する圧縮伝動タ
イプの金属ベルトが提案されている。金属ベルトは耐側
圧性に優れており、かなりの高側圧に耐えることができ
るので座屈変形しにくく、しかも圧縮伝動であることか
らブロックを金属バンドに噛み合わせるなどして係止す
る必要がないので、ブロックの厚みを薄くしてピッチを
小さくすることができるので、ベルト走行時の耳障りな
騒音を少なくすることができるベルトであるということ
ができる。
【0004】また、このようなブロックを多数重ね合わ
せるように金属バンド上に配置し、ブロックがブロック
を押すことによって動力を伝動するタイプのベルトで
は、ベルトがプーリに巻きかかった状態の時に屈曲可能
にならしめるため、ブロックの前面の内周側に傾斜面を
設けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなベルトは大
きな負荷を受けながら高速で走行する。もちろん直線走
行部分とプーリ内の屈曲走行部分を何度も通過し、曲げ
伸ばしを無数に繰り返すことになる。
【0006】前記のベルトのうち特開昭55−1004
43号公報に示すようなベルトは、ブロック内周側の傾
斜面の開始線において、屈曲を繰り返す度に前後のブロ
ック同士が前記開始線のみが接触した状態でそこを中心
に旋回することになる。
【0007】先述もしたように、ベルトは大きな負荷が
かかった状態で高速で走行する。そして、傾斜面の開始
線を中心とした旋回も無数に行われることになるので、
その旋回の中心となる開始線部分というのは、特に摩耗
が早い部分であるということができる。
【0008】また、開始線部分での前後ブロック同士の
接触はプーリ中では線接触となっており、より摩耗が起
こりやすくまた圧縮変形しやすい形状となっているのが
普通である。その部分で摩耗圧縮変形が発生すると、前
後隣り合うブロックの間でがたつきが発生し、動力伝達
効率の低下や騒音の増加につながってしまう。
【0009】また、本発明者らは特願平9−15802
8号などでブロックのプーリと接触する部分、無端キャ
リアと接触する部分、ブロック同士の接触する部分、無
端キャリアのブロックと接触する部分に摺動性を有する
樹脂を配置することによってオイルなどの供給を必要と
しない、乾式の圧縮伝動ベルトを提案している。
【0010】樹脂素材は金属よりも摩擦や衝撃による摩
耗が顕著で、傾斜面の開始部分においてより大きな摩耗
が発生することになり、ベルトの早期寿命となってしま
う。
【0011】そこで、本発明は圧縮伝動方式のベルトに
おいて、高負荷で高速回転を長時間続けてもブロック同
士の接触による摩耗が少なく、もちろん樹脂素材を用い
た乾式の圧縮伝動ベルトにおいても傾斜面の開始部分に
おける摩耗を大幅に軽減でき、ベルトのがたつきや騒音
の発生の少なくすることができる高負荷伝動ベルトの提
供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために複数のブロックの係合溝を無端キャ
リア上に長手方向摺動可能に係合しており、ブロックの
前面にはベルトがプーリに巻きかかった際に屈曲可能な
ように内周側に傾斜面を有する高負荷伝動ベルトにおい
て、ブロックのプーリに接触する面の摩擦係数を0.2
5〜0.30の範囲とし、ブロック同士が接触する面の
摩擦係数を0.2以下としたことを特徴とする。
【0013】このようにブロックの部位で、それぞれ所
定の摩擦係数を持たせることによってベルトは十分な伝
達性能を持ちつつ騒音を低い状態に保ち、またブロック
の摩耗も少なくできるので、長寿命なベルトとすること
ができる。
【0014】また請求項2では、ブロックの無端キャリ
アと接触する面の摩擦係数を0.2以下としている。
【0015】このことによってブロックと無端キャリア
との間の摩擦が極めて小さくなり、騒音の問題のみなら
ず発熱も小さくなり、伝達ロスを少なくすることができ
る。
【0016】請求項3ではブロック同士が接触する面に
はフェノール樹脂もしくはエポキシ樹脂100重量部に
対してパン系の高弾性カーボン繊維を40〜60重量部
配合した樹脂組成物を用いている。
【0017】フェノール樹脂やエポキシ樹脂にパン系の
高弾性カーボン繊維を配合したものは、十分な強度とと
もに極めて低い摩擦係数を有しており、ブロックの摩擦
や騒音を低く抑え、ブロックの摩耗が少なくベルトを長
寿命化することができる。
【0018】請求項4では、ブロックのプーリとの接触
面がフェノール樹脂もしくはエポキシ樹脂100重量部
にアラミド繊維を20〜40重量部とカーボン繊維を2
0〜40重量部配合した樹脂組成物を用いている。
【0019】フェノール樹脂もしくはエポキシ樹脂10
0重量部にアラミド短繊維を20〜40重量部配合した
樹脂組成物を用いることによって、ブロックの摩耗や騒
音を低く抑えると共にプーリとの間の摩擦力は確保して
おり、ベルトの伝達能力としても十分なものを得ること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明の高負荷伝動ベルト
の要部断面図であり、図2はブロックの側面図である。
【0021】本発明の高負荷伝動ベルト1は、無端キャ
リア2上を多数のブロック3の係合溝に少なくともベル
ト長手方向に摺動可能に係止したベルトであり、プーリ
間に巻きかけて走行させると、駆動プーリによってブロ
ックが動かされ、動かされたブロックのベルト進行方向
の前にあるブロックが押されて次のブロックを押してゆ
き、ベルト全周に渡るブロックが動くことによって従動
プーリが回転し動力を伝える圧縮伝動方式のベルトであ
る。
【0022】本発明の高負荷伝動ベルト1で用いられる
ブロック3は、基本形状的には圧縮伝動に使用すること
のできる形状であれば特に限定するものではなく、形状
の一例としては図1に示す例では2本のベルト側部4と
それらを下端で連結する連結部材5からなり、ベルト側
部4の上端には係止部6、6を有している。
【0023】前記両係止部6、6の間に無端キャリア2
を嵌め込む嵌合溝が開口しており、2本の無端キャリア
2、2を挿入した状態で係止部6によって無端キャリア
2とブロック3が外れないようになっている。
【0024】ベルト側部4の前後面にはそれぞれ凸部7
と凹部8を設けており、前後のブロック3同士の間でそ
の凸部7と凹部8が嵌り合うことによってブロック3が
ベルト走行中でも整列するようになっている。
【0025】また、ブロック3の形状は図1に示すもの
に限られるものではなく、図3に示すように二本の幅方
向部材20、20とそれらを中央で連結する連結部材2
1からなるI形状のブロック3を用いてもよく、その場
合はブロック3の両側の側面に無端キャリア2を挿入す
る溝が開孔している。そして、一対の無端キャリア2、
2上にブロック3が摺動可能に係止したベルトとなる。
【0026】次にブロック3を構成する素材としてはジ
ュラルミン、鉄、チタンなどの金属からなるブロック
や、金属や繊維強化樹脂などからなる高い剛性を有する
芯材9の表面に樹脂層10を被覆した構成となってい
る。
【0027】高負荷伝動ベルト1の中で少なくとも大き
な摩擦が発生する部位に樹脂層を配置介在することによ
って、無端キャリア2に樹脂を用いることと相まって、
従来のようなオイルを供給する潤滑を必要とせずメンテ
ナンスフリーのベルトを実現するものである。
【0028】本発明では芯材9に被覆する樹脂層の摩擦
係数を部位によって異ならせており、ブロックとプーリ
とが接触するブロックの側面に配置する第1の樹脂層1
0aは摩擦係数が0.25〜0.30である。そしてブ
ロック同士が接触するブロックの前後面においては摩擦
係数が0.2以下の第2の樹脂層10bを配置してい
る。
【0029】本発明のようなブロックベルトでは、ブロ
ックとプーリとの間の摩擦によって動力を伝達する機構
であることから、第1の樹脂層10aにおいてはある程
度高い摩擦係数を要することになる。しかし、摩擦係数
が高すぎると今度はベルト走行中、ブロックが一度巻き
かかったプーリから抜けにくくなるので好ましくない。
【0030】このような理由からブロック側面に設ける
第1の樹脂層10aは摩擦係数が0.25〜0.30の
範囲のものを用いることになる。一方ブロック同士の間
は摩擦が小さくする必要があることから、前記のような
摩擦係数が0.2以下と設定している。
【0031】そして、本発明ではブロックのプーリとの
接触する面である側面に設ける第1の樹脂層10aとし
てフェノール樹脂もしくはエポキシ樹脂100重量部に
対してアラミド繊維を20〜40重量部およびカーボン
繊維を20〜40配合した樹脂組成物を用いるとしてい
る。第1の樹脂層10に配合する繊維はアラミド繊維と
カーボン繊維の併用であり、両者が必ず配合されている
必要がある。もしアラミド繊維が配合されていなけれ
ば、摩擦係数が低くなりスリップしやすくなることと樹
脂が脆くなってしまう。一方、カーボン繊維が配合され
ていなければ樹脂層が摩擦によって摩耗しやすくなって
しまうので好ましくない。
【0032】以上のような理由により、繊維の配合量は
フェノール樹脂若しくはエポキシ樹脂100重量部に対
してアラミド繊維は20〜40重量部、またカーボン繊
維は20〜40重量部配合することが必要になる。
【0033】次にブロック同士の接する面であるブロッ
クの前後面に配置する第2の樹脂層10bとしてはフェ
ノール樹脂もしくはエポキシ樹脂100重量部に対して
パン系の高弾性カーボン繊維を40〜60重量部配合し
た樹脂組成物を用いる。
【0034】PAN系のカーボン繊維とは、ポリアクリ
ルニトリルを原料として焼成して造ったカーボン繊維の
ことであり、その中でも高弾性カーボン繊維は引張弾性
率が300GPa以上のカーボン繊維のことである。
【0035】パン系の高弾性カーボン繊維の配合量が4
0重量部未満であると第2の樹脂層の摩耗が多くなって
しまい、60重量部を超えると硬く、脆い状態となり耐
衝撃性に劣ることとベルト走行中の騒音が耳障りな高周
波側の金属音なってしまうので好ましくない。
【0036】ブロック3と無端キャリア2との間も摩擦
係数は小さい方がよく、前記ブロック同士の接触する面
に設けた第2の樹脂層10bと同様の樹脂組成物を、ブ
ロックの無端キャリアと接する面に配置することができ
る。そうすることによって無端キャリアとの間の摩擦係
数が小さくなりブロック、無端キャリアの摩耗や騒音を
小さくすることができるので、ベルトの寿命を延ばすこ
とにもつながる。
【0037】また、これらの樹脂組成物中には他にもフ
ィラー、ウィスカー、シリカ、炭酸カルシウムなどの無
機材料等を混入した強化樹脂とすることも可能である。
【0038】そして、ブロック3はブロックの耐側圧性
や曲げ剛性を持たせる部分である芯材に用いる素材とし
てはアルミ合金や鉄などの金属が挙げられるが、他に樹
脂をカーボン繊維やアラミド繊維の織布やスダレ等で補
強したもので十分な強度を持つものを用いてもよい。
【0039】金属製の芯材9表面に樹脂層10を被覆す
る場合、隣り合うブロック同士など接触する面におい
て、片面のみに樹脂を被覆するという構成を採ることも
可能である。
【0040】無端キャリア2として用いることができる
のは、マルエージング鋼、ステンレスなどからなる金属
バンドの積層体や、金属バンドと樹脂バンドを交互に積
層したもの、金属バンドに樹脂をコーティングしたも
の、樹脂バンドを積層したものなどをあげることができ
る。なお、前記のような無端キャリア2の内樹脂を用い
たものは無端キャリア2上をブロック3が摺動して駆動
する圧縮伝動方式のベルトにおいても、潤滑のための絶
え間ないオイルの供給をなくすことができるので、より
メンテナンスフリーに近づいたベルト駆動装置を提供す
ることができる。
【0041】樹脂素材を用いたような無端キャリア2の
場合、その素材として用いることができる樹脂として
は、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリイミド樹脂、芳
香族ポリアミドイミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、
ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルフ
ァイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙
げられる。
【0042】樹脂バンドを積層したものを用いる場合は
上記に挙げたような樹脂からなる薄いベルトを多数枚積
層したものを用いる。一枚のベルトの厚みは50〜30
0μmの範囲で用いられ、50μm未満であると強度が
十分に得られず特に最下層、最上層においてブロックと
の摩耗により簡単に切断してしまうなどの問題が発生
し、300μmを越えるとベルトの屈曲性が悪くなり動
力の伝達効率が悪くなるので好ましくない。
【0043】また、積層枚数は所定の強度を得るために
は2〜10枚の範囲で用いられ、3枚より少ないとブロ
ックをプーリ内径側へ押しつける十分な力が発生できな
いのでブロックとプーリとの間の摩擦力が小さくなり、
動力の伝達性能が悪くなる。また、20枚より多層にす
ると内側の層と外側の層とで速度差が大きくなりすぎ滑
りが生じるので摩耗したり発熱が大きくなるという問題
があり好ましくない。
【0044】無端キャリア2の別の形態として、樹脂中
にを編布を埋設したものを用いることもできる。編布を
埋設することによって、無端キャリア2の長手方向の寸
法安定性や屈曲疲労性、耐引裂性を向上させることがで
き、もちろんブロックを取り付けた高負荷伝動ベルトと
して前記のような性能の優れたものを得ることができ
る。また、ここで樹脂中に編布を埋設とするというの
は、編布が完全に樹脂中に隠れてしまったような状態は
もちろんのこと、編布の両端などが部分的に露出したよ
うな編布に樹脂をコーティングしたと表現する方が適し
ているものも含まれる。
【0045】樹脂中に埋設する編布としては通常の編布
でも構わないがより好ましい例としては、インレイ編布
を挙げることができる。インレイ編布とは通常の編布中
に直線状の補強繊維を編み込んだ構成となっているもの
で、補強繊維と平行の方向には、伸縮性が少なく寸法安
定性、耐引裂性に優れた性質を示す。その補強繊維を無
端キャリア2の長手方向に合わせることによって無端キ
ャリア2の長手方向の強力を高めることができ、寸法安
定性、対引裂性を向上させることができる。
【0046】インレイ編布の補強繊維としてはアラミド
繊維やガラス繊維、カーボン繊維、PBO繊維を用いる
ことによってなおさら前記のような物性は向上させるこ
とができる。
【0047】編布の素材として用いるものは、ポリエス
テル繊維、ポリアミド繊維、液晶ポリマー、ポリイミド
繊維、ポリアミドイミド繊維などを用いることができ
る。
【0048】更に無端キャリア2として用いられる樹脂
には短繊維を充填することも可能であり、短繊維を充填
することによって無端キャリア表面の摩擦係数を低くす
ることができるとともに、耐摩耗性を上げることもでき
る。
【0049】短繊維として用いられるものとしては、ポ
リアミド繊維やアラミド繊維等の化学繊維、金属繊維、
カーボン繊維等が挙げられ、それらを充填することによ
って強化樹脂とすることができる。また、繊維分を部分
的に露出させたりして摺動面を補強したり、表面の摩擦
係数を調整することも可能である。
【0050】また、樹脂中に二硫化モリブデン、グラフ
ァイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくとも一つ
を混入することによっても無端キャリア2の表面の摩擦
係数を低くすることができる。
【0051】フッ素系樹脂としては、ポリ四フッ化エチ
レン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエー
テル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレ
ン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレ
ン(PFA)等が挙げられる。
【0052】
【実施例】次に、本発明の実施例と比較例を用いてベル
トを走行させ本発明における効果を確かめた。
【0053】まず、第2の樹脂について試験を行った。
実施例1〜2のベルトには基本形状は図1に示すような
ブロックを用いたベルトであり、ブロックはジュラルミ
ン製の芯材に樹脂を被覆したものであり、第1の樹脂層
としてはフェノール樹脂100重量部に対してカーボン
繊維を30重量部、アラミド繊維を30重量部配合した
樹脂を用いた。
【0054】第2の樹脂層としてはフェノール樹脂10
0重量部に対してPAN系の高弾性カーボン繊維(東邦
レーヨン社製HM35 弾性率350GPa)を40重
量部および60重量部とグラファイトかPTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)を10重量部配合したものを
用いた。またベルト一本には3mmピッチで厚みが3m
mのブロックを230個配列している。
【0055】比較例1〜2は、第2の樹脂層としてフェ
ノール樹脂100重量部に対してPAN系の高弾性カー
ボン繊維(東邦レーヨン社製HM35 弾性率350G
Pa)を35重量部もしくは65重量部配合した以外は
すべて実施例1と同じ条件としたもの、それから比較例
3はPAN系ではあるが弾性の低いカーボン繊維(東邦
レーヨン社製HTA 弾性率235GPa)を40重量
部配合した以外は実施例1と同じ条件のベルトを用い
た。
【0056】同様に比較例4〜6も比較例1〜3のグラ
ファイトをPTFEに変更した以外は同じものを用い
た。
【0057】走行条件としては、次の表1に示すような
条件で行ない、第2の樹脂層における摩擦係数と、走行
中の騒音の状況と走行後の摩耗率を測定する試験を行っ
た。摩耗率は、100時間走行させた後のブロックの図
2にしめすLの厚みを図ることで測定した。配合とその
結果を表2に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】続いてエポキシ樹脂もフェノール樹脂と同
様に実施例5〜8と比較例7〜12を用いて摩擦係数
と、走行中の騒音の状況と走行後の摩耗率を測定する試
験を行った。配合とその結果を表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】表2、表3の結果からわかるように、PA
N系の高弾性カーボン繊維を所定量用いたものは樹脂層
の摩擦係数も低く、ベルトを走行させた後の樹脂の摩耗
率も小さく抑えられている。
【0063】PAN系の高弾性カーボン繊維の配合量が
少なくなると、摩擦係数が高くなってしまい摩耗率も大
きくなっている。逆に多すぎると摩擦係数は小さくなる
ものの耳障りな金属音を発生するようになり、低弾性の
カーボン繊維を配合したものは摩擦係数が高く、摩耗率
が大きいことがわかる。
【0064】次に第2の樹脂についての試験を行った。
実施例9〜11としては、基本形状は図1に示すような
ブロックを用いたベルトであり、ブロックはジュラルミ
ン製の芯材に樹脂を被覆したもので、第1の樹脂層とし
てフェノール樹脂100重量部に対するカーボン繊維お
よびアラミド繊維の量を表1に示すように変化させた。
また、第2の樹脂層はフェノール樹脂100重量部に対
してPAN系の高弾性カーボン繊維(東邦レーヨン社製
HM35 弾性率350GPa)を40重量部とグラフ
ァイトを10重量部配合したものを用いた。またベルト
一本には3mmピッチで厚みが3mmのブロックを23
0個配列している。
【0065】これらのベルトの、第1の樹脂の摩擦係数
と表1に示すような走行試験条件で走行させて走行中の
スリップ率と音圧を測定した。配合とその結果を表4に
示す。
【0066】
【表4】
【0067】比較例13〜16としてはフェノール樹脂
100重量部に対してカーボン繊維を10重量部および
50重量部配合し、それに対応してアラミド繊維を50
重量部および10重量部配合したものと、ガラス繊維3
0重量部およびアラミド繊維30重量部を配合したも
の、カーボン繊維30重量部とガラス繊維30重量部を
配合したものを用いた以外は実施例9と同じベルトを使
用した。
【0068】実施例と同様に第1の樹脂層の摩擦係数
と、走行中のスリップ率と音圧を測定した。配合とその
結果を表2に示す。
【0069】続いてエポキシ樹脂もフェノール樹脂と同
様に実施例12〜14と比較例17〜20を用いて第1
の樹脂層の摩擦係数と、走行中のスリップ率と音圧を測
定する試験を行った。配合とその結果を表5に示す。
【0070】
【表5】
【0071】表4、表5の結果からわかるように、カー
ボン繊維とアラミド繊維を所定量配合したものは、適度
な樹脂層の摩擦係数を有しており、音圧も低めに抑えら
れている。
【0072】それに対して、カーボン繊維を少なくアラ
ミド繊維を多めに配合したものは、スリップ率は問題な
いものの音圧が高くなっている。逆にアラミド繊維を少
なくカーボン繊維を多めに配合したものは、スリップ率
が大きくなっている。
【0073】また、カーボン繊維やアラミド繊維の代わ
りにガラス繊維を配合したものはスリップ率も多少大き
めになり、走行中の音圧が極めてお聞くなっていること
がわかる。
【0074】
【発明の効果】複数のブロックの係合溝を無端キャリア
上に長手方向摺動可能に係合しており、ブロックの前面
にはベルトがプーリに巻きかかった際に屈曲可能なよう
に内周側に傾斜面を有する高負荷伝動ベルトにおいて、
ブロックのプーリに接触する面の摩擦係数を0.25〜
0.30の範囲とし、ブロック同士が接触する面の摩擦
係数を0.2以下としたことを特徴とする。
【0075】このようにブロックの部位で、それぞれ所
定の摩擦係数を持たせることによってベルトは十分な伝
達性能を持ちつつ騒音を低い状態に保ち、またブロック
の摩耗も少なくできるので、長寿命なベルトとすること
ができる。
【0076】また請求項2では、ブロックの無端キャリ
アと接触する面の摩擦係数を0.2以下としている。
【0077】このことによってブロックと無端キャリア
との間の摩擦が極めて小さくなり、騒音の問題のみなら
ず発熱も小さくなり、伝達ロスを少なくすることができ
る。
【0078】請求項3ではブロック同士が接触する面に
はフェノール樹脂もしくはエポキシ樹脂100重量部に
対してパン系の高弾性カーボン繊維を40〜60重量部
配合した樹脂組成物を用いている。
【0079】フェノール樹脂やエポキシ樹脂にパン系の
高弾性カーボン繊維を配合したものは、十分な強度とと
もに極めて低い摩擦係数を有しており、ブロックの摩擦
や騒音を低く抑え、ブロックの摩耗が少なくベルトを長
寿命化することができる。
【0080】請求項4では、ブロックのプーリとの接触
面がフェノール樹脂もしくはエポキシ樹脂100重量部
にアラミド繊維を20〜40重量部とカーボン繊維を2
0〜40重量部配合した樹脂組成物を用いている。
【0081】フェノール樹脂もしくはエポキシ樹脂10
0重量部にアラミド短繊維を20〜40重量部配合した
樹脂組成物を用いることによって、ブロックの摩耗や騒
音を低く抑えると共にプーリとの間の摩擦力は確保して
おり、ベルトの伝達能力としても十分なものを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高負荷伝動ベルトの要部断面図であ
る。
【図2】摩耗量の測定方法を説明するブロックの側面図
である。
【図3】ブロックの別の示す断面図である。
【符号の説明】
1 高負荷伝動ベルト 2 無端キャリア 3 ブロック 4 ベルト側部 5 連結部材 6 係止部 7 凸部 8 凹部 9 芯材 10 樹脂層 10a 第1の樹脂層 10b 第2の樹脂層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のブロックの係合溝を無端キャリア
    上に長手方向摺動可能に係合しており、ブロックの前面
    にはベルトがプーリに巻きかかった際に屈曲可能なよう
    に内周側に傾斜面を有する高負荷伝動ベルトにおいて、
    ブロックのプーリに接触する面の摩擦係数を0.25〜
    0.30の範囲とし、ブロック同士が接触する面の摩擦
    係数を0.2以下としたことを特徴とする高負荷伝動ベ
    ルト。
  2. 【請求項2】 ブロックの無端キャリアと接触する面の
    摩擦係数を0.2以下とした請求項1記載の高負荷伝動
    ベルト。
  3. 【請求項3】 ブロック同士が接触する面にはフェノー
    ル樹脂もしくはエポキシ樹脂100重量部に対してPA
    N系の高弾性カーボン繊維を40〜60重量部配合した
    樹脂組成物を用いた請求項1または2記載の高負荷伝動
    ベルト。
  4. 【請求項4】 ブロックのプーリとの接触面がフェノー
    ル樹脂もしくはエポキシ樹脂100重量部にアラミド繊
    維を20〜40重量部とカーボン繊維20〜40重量部
    を配合した樹脂組成物を用いた請求項1乃至3記載の高
    負荷伝動ベルト。
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