JP2000206220A - 磁界検出素子 - Google Patents
磁界検出素子Info
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- JP2000206220A JP2000206220A JP11004552A JP455299A JP2000206220A JP 2000206220 A JP2000206220 A JP 2000206220A JP 11004552 A JP11004552 A JP 11004552A JP 455299 A JP455299 A JP 455299A JP 2000206220 A JP2000206220 A JP 2000206220A
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- magnetic field
- electrode
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 動作磁界が強磁性体金属のトンネル接合素子
と同等に小さく、トンネル抵抗変化率はそれよりも大き
い磁界検出器を得ること。 【解決手段】 ペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電
極と、強磁性体金属電極と、前記2つの電極のあいだに
設置され、トンネル電流の検出と、前記2つの電極間の
交換磁気結合の遮断が可能な厚さを有する絶縁膜とを備
えた。
と同等に小さく、トンネル抵抗変化率はそれよりも大き
い磁界検出器を得ること。 【解決手段】 ペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電
極と、強磁性体金属電極と、前記2つの電極のあいだに
設置され、トンネル電流の検出と、前記2つの電極間の
交換磁気結合の遮断が可能な厚さを有する絶縁膜とを備
えた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁界を電気的に
検出する磁界検出素子に関する。
検出する磁界検出素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、MR素子と呼ばれる磁性体の
磁界による電気抵抗変化(磁気抵抗効果)を利用した磁
界検出素子が位置センサや磁気ディスク装置用磁気ヘッ
ドとして使われてきた。近年では、これよりも磁界検出
感度の高い磁気抵抗効果を有するGMR素子の実用化も
始まっている。この素子構造は多層構造の磁性薄膜であ
る。将来的にさらに高感度の磁界検出素子として期待さ
れているのがCMR素子であり、これはペロブスカイト
型マンガン酸化物の磁気抵抗効果を利用している。一
方、もう一つの将来的な磁界検出素子はTMR素子と呼
ばれるもので、磁性体間のトンネル電流の磁界依存性を
利用するものである。
磁界による電気抵抗変化(磁気抵抗効果)を利用した磁
界検出素子が位置センサや磁気ディスク装置用磁気ヘッ
ドとして使われてきた。近年では、これよりも磁界検出
感度の高い磁気抵抗効果を有するGMR素子の実用化も
始まっている。この素子構造は多層構造の磁性薄膜であ
る。将来的にさらに高感度の磁界検出素子として期待さ
れているのがCMR素子であり、これはペロブスカイト
型マンガン酸化物の磁気抵抗効果を利用している。一
方、もう一つの将来的な磁界検出素子はTMR素子と呼
ばれるもので、磁性体間のトンネル電流の磁界依存性を
利用するものである。
【0003】CMR素子に向けて研究されているペロブ
スカイト型マンガン酸化物について、たとえば“Phy
sical Review B”53(1996)R1
689〜R1692に掲載されたY.Tomioka,
A.Asamitsu,H.Kuwahara,Y.M
oritomoおよびY.Tokuraの論文ではPr
1-xCaxMnO3単結晶が紹介されており、0.3<x
<0.4の組成範囲の単結晶に温度77Kで12Tの磁
界を印加すると、その電気抵抗が6〜8桁も減少する。
また“Appl.Phys.Lett.”66(199
5)1689〜1691に掲載されたG.C.Xion
g,Q.Li,L.Ju,R.l.Greeneおよび
T.Venkatesanの論文では薄膜の場合でもN
d0.7Sr0.3MnO3の薄膜に温度60Kで8Tの磁界
を印加すると、その電気抵抗が2桁近く減少することが
示されている。
スカイト型マンガン酸化物について、たとえば“Phy
sical Review B”53(1996)R1
689〜R1692に掲載されたY.Tomioka,
A.Asamitsu,H.Kuwahara,Y.M
oritomoおよびY.Tokuraの論文ではPr
1-xCaxMnO3単結晶が紹介されており、0.3<x
<0.4の組成範囲の単結晶に温度77Kで12Tの磁
界を印加すると、その電気抵抗が6〜8桁も減少する。
また“Appl.Phys.Lett.”66(199
5)1689〜1691に掲載されたG.C.Xion
g,Q.Li,L.Ju,R.l.Greeneおよび
T.Venkatesanの論文では薄膜の場合でもN
d0.7Sr0.3MnO3の薄膜に温度60Kで8Tの磁界
を印加すると、その電気抵抗が2桁近く減少することが
示されている。
【0004】ペロブスカイト型マンガン酸化物における
このように巨大な磁気抵抗効果の原因は一般に次のよう
に考えられている。一般式R1-xAxMnO3(Rは三価
の希土金属、Aは二価のアルカリ土類金属)で表される
ある種のペロブスカイト型マンガン酸化物は低温では強
磁性の良導電体であり、その伝導機構はいわゆるホッピ
ング伝導である。すなわち、R元素の一部がA元素で置
換されているため三価のマンガンの一部が四価のマンガ
ンとなるので伝導電子準位に空準位が生じ、それを介し
て電子がマンガン原子間を跳び移ることにより電気伝導
が生じる。このとき跳び移り前後で電子のスピンは同じ
向きに保存されるが、強磁性体状態ではマンガン原子の
外殻電子のスピンは同じ向きに揃っている。したがっ
て、電子の跳び移りは容易であって良導電体となる。一
方、高温になってペロブスカイト型マンガン酸化物が強
磁性体から常磁性体に転移したり、組成を変えて反強磁
性体にしたりすると、隣接マンガン原子のスピンは同じ
向きに揃っていないので電子の跳び移りが困難となり、
電気抵抗は非常に大きくなる。この現象をCMR素子と
して使うにはペロブスカイト型マンガン酸化物の組成
を、使用温度では常磁性体または反強磁性体状態であ
り、外部磁界を印加することにより強磁性体状態に転移
できるような組成にしておく。そうすれば外部磁界の印
加により電気抵抗の大きな変化が生じて磁界センサとし
て利用できる。
このように巨大な磁気抵抗効果の原因は一般に次のよう
に考えられている。一般式R1-xAxMnO3(Rは三価
の希土金属、Aは二価のアルカリ土類金属)で表される
ある種のペロブスカイト型マンガン酸化物は低温では強
磁性の良導電体であり、その伝導機構はいわゆるホッピ
ング伝導である。すなわち、R元素の一部がA元素で置
換されているため三価のマンガンの一部が四価のマンガ
ンとなるので伝導電子準位に空準位が生じ、それを介し
て電子がマンガン原子間を跳び移ることにより電気伝導
が生じる。このとき跳び移り前後で電子のスピンは同じ
向きに保存されるが、強磁性体状態ではマンガン原子の
外殻電子のスピンは同じ向きに揃っている。したがっ
て、電子の跳び移りは容易であって良導電体となる。一
方、高温になってペロブスカイト型マンガン酸化物が強
磁性体から常磁性体に転移したり、組成を変えて反強磁
性体にしたりすると、隣接マンガン原子のスピンは同じ
向きに揃っていないので電子の跳び移りが困難となり、
電気抵抗は非常に大きくなる。この現象をCMR素子と
して使うにはペロブスカイト型マンガン酸化物の組成
を、使用温度では常磁性体または反強磁性体状態であ
り、外部磁界を印加することにより強磁性体状態に転移
できるような組成にしておく。そうすれば外部磁界の印
加により電気抵抗の大きな変化が生じて磁界センサとし
て利用できる。
【0005】ペロブスカイト型マンガン酸化物を用いた
磁界センサは別の原理によるものも提案されている。
“Physical Review B”54(199
6)R8357〜R8360に掲載されたY.Lu,
X.W.Li,G.Q.Gong,G.Xiao,A.
Gupta,P.Lecoeur,J.Z.Sun,
Y.Y.WangおよびV.P.Dravidの論文に
はペロブスカイト型マンガン酸化物を電極とするトンネ
ル接合が報告されている。これは二層のLa0.67Sr
0.33MnO3蒸着膜をSrTiO3の絶縁膜を介して積層
したものである。La0. 67Sr0.33MnO3膜は4.2
Kでは強磁性導電体であり、その抗磁力は下層が56O
e、上層が160Oeになっている。絶縁層の厚さは3
〜6nmと薄いため、上下層の電極間に電圧を印加する
と絶縁層を通してトンネル電流が流れる。このトンネル
電流で両層間を移動する電子はスピンの向きが保持され
なければならない。そのため上下層のLa0.67Sr0.33
MnO3膜の磁化の向きが同じときはトンネル電流が流
れやすく、逆向きのときは流れにくい。したがって外部
磁界を変化させ、それが上層、下層の抗磁力をこえる
と、その層の磁化の向きが変わり、上下層の磁化の向き
が平行になったり反平行になったりして同時にトンネル
電流も増減する。4.2Kでのトンネル電流の変化量は
トンネル抵抗値に換算すると、110Oe以下の磁界で
約80%である。
磁界センサは別の原理によるものも提案されている。
“Physical Review B”54(199
6)R8357〜R8360に掲載されたY.Lu,
X.W.Li,G.Q.Gong,G.Xiao,A.
Gupta,P.Lecoeur,J.Z.Sun,
Y.Y.WangおよびV.P.Dravidの論文に
はペロブスカイト型マンガン酸化物を電極とするトンネ
ル接合が報告されている。これは二層のLa0.67Sr
0.33MnO3蒸着膜をSrTiO3の絶縁膜を介して積層
したものである。La0. 67Sr0.33MnO3膜は4.2
Kでは強磁性導電体であり、その抗磁力は下層が56O
e、上層が160Oeになっている。絶縁層の厚さは3
〜6nmと薄いため、上下層の電極間に電圧を印加する
と絶縁層を通してトンネル電流が流れる。このトンネル
電流で両層間を移動する電子はスピンの向きが保持され
なければならない。そのため上下層のLa0.67Sr0.33
MnO3膜の磁化の向きが同じときはトンネル電流が流
れやすく、逆向きのときは流れにくい。したがって外部
磁界を変化させ、それが上層、下層の抗磁力をこえる
と、その層の磁化の向きが変わり、上下層の磁化の向き
が平行になったり反平行になったりして同時にトンネル
電流も増減する。4.2Kでのトンネル電流の変化量は
トンネル抵抗値に換算すると、110Oe以下の磁界で
約80%である。
【0006】磁性体のトンネル接合による磁界センサ
は、磁性体としてペロブスカイト型マンガン酸化物でな
く、強磁性体金属を上下層電極に用いたものも報告され
ている。“Appl.Phys.Lett.”73(1
998)698〜670に掲載されたJ.Nassa
r,M.Hehn,A.Vaures,F.Petro
ffおよびA.Fertの論文にはCo/Al2O3/N
i80Fe20という層構成のトンネル接合が報告されてい
る。このトンネル接合の4.2Kでのトンネル抵抗変化
率は5Oe以下の磁界で約17%であり、室温では約6
%である。
は、磁性体としてペロブスカイト型マンガン酸化物でな
く、強磁性体金属を上下層電極に用いたものも報告され
ている。“Appl.Phys.Lett.”73(1
998)698〜670に掲載されたJ.Nassa
r,M.Hehn,A.Vaures,F.Petro
ffおよびA.Fertの論文にはCo/Al2O3/N
i80Fe20という層構成のトンネル接合が報告されてい
る。このトンネル接合の4.2Kでのトンネル抵抗変化
率は5Oe以下の磁界で約17%であり、室温では約6
%である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた各種磁界
センサはその特性に一長一短がある。ペロブスカイト型
マンガン酸化物の磁気抵抗素子は巨大な抵抗変化を示す
が、そのためには常磁性体または反強磁性体状態から強
磁性体に転移させるための大きな磁界が必要である。こ
の素子を弱磁界でも動作させるためにMnZnフェライ
トやパーマロイなどの透磁率の大きい強磁性体コアで挟
むという方法も考えられるが、素子全体の体積が大きく
なるのと微小化したときの加工法の困難性のために用途
が限られてしまう。
センサはその特性に一長一短がある。ペロブスカイト型
マンガン酸化物の磁気抵抗素子は巨大な抵抗変化を示す
が、そのためには常磁性体または反強磁性体状態から強
磁性体に転移させるための大きな磁界が必要である。こ
の素子を弱磁界でも動作させるためにMnZnフェライ
トやパーマロイなどの透磁率の大きい強磁性体コアで挟
むという方法も考えられるが、素子全体の体積が大きく
なるのと微小化したときの加工法の困難性のために用途
が限られてしまう。
【0008】ペロブスカイト型マンガン酸化物のトンネ
ル接合素子の場合は磁性状態の転移ではなく、強磁性体
状態における磁化方向の反転を利用するため動作磁界は
前記のように大幅に小さくなる。それでも、一層小さい
磁界や微小領域に発生している磁界を検出するためには
さらに動作磁界を小さくする必要がある。たとえば高記
録密度のハードディスク装置に使用されている磁気抵抗
ヘッドは5Oe程度の磁界で動作する磁性膜を用いてお
り、この程度の動作磁界が望まれる。
ル接合素子の場合は磁性状態の転移ではなく、強磁性体
状態における磁化方向の反転を利用するため動作磁界は
前記のように大幅に小さくなる。それでも、一層小さい
磁界や微小領域に発生している磁界を検出するためには
さらに動作磁界を小さくする必要がある。たとえば高記
録密度のハードディスク装置に使用されている磁気抵抗
ヘッドは5Oe程度の磁界で動作する磁性膜を用いてお
り、この程度の動作磁界が望まれる。
【0009】一方、強磁性体金属同志のトンネル接合で
は、強磁性体金属の磁化反転磁界の大きさを小さくする
ことが比較的容易なため、前記例のように動作磁界を極
めて小さくできる。しかしトンネル抵抗の最大変化率は
ペロブスカイト型マンガン酸化物のトンネル接合素子に
比べるとかなり小さい。
は、強磁性体金属の磁化反転磁界の大きさを小さくする
ことが比較的容易なため、前記例のように動作磁界を極
めて小さくできる。しかしトンネル抵抗の最大変化率は
ペロブスカイト型マンガン酸化物のトンネル接合素子に
比べるとかなり小さい。
【0010】この発明は前記のような問題点を解決する
ためになされたもので、動作磁界は強磁性体金属のトン
ネル接合素子と同等に小さく、トンネル抵抗変化率はそ
れよりも大きい磁界検出素子を得ることを目的としてい
る。
ためになされたもので、動作磁界は強磁性体金属のトン
ネル接合素子と同等に小さく、トンネル抵抗変化率はそ
れよりも大きい磁界検出素子を得ることを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1にか
かわる磁界検出素子は、ペロブスカイト型導電性酸化物
磁性体電極と、強磁性体金属電極と、前記2つの電極の
あいだに設置され、トンネル電流の検出と、前記2つの
電極間の交換磁気結合の遮断が可能な厚さを有する絶縁
膜とを備えたものである。
かわる磁界検出素子は、ペロブスカイト型導電性酸化物
磁性体電極と、強磁性体金属電極と、前記2つの電極の
あいだに設置され、トンネル電流の検出と、前記2つの
電極間の交換磁気結合の遮断が可能な厚さを有する絶縁
膜とを備えたものである。
【0012】この発明の請求項2にかかわる磁界検出素
子は、検出対象とする磁界強度範囲の外部磁界に対し
て、前記ペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電極の磁
化方向は実質的に変化せず、前記強磁性体金属電極の磁
化方向が実質的に変化するように前記2つの電極の抗磁
力の大きさが制御されたものである。
子は、検出対象とする磁界強度範囲の外部磁界に対し
て、前記ペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電極の磁
化方向は実質的に変化せず、前記強磁性体金属電極の磁
化方向が実質的に変化するように前記2つの電極の抗磁
力の大きさが制御されたものである。
【0013】この発明の請求項3にかかわる磁界検出素
子は、前記ペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電極が
基板上に形成され、前記絶縁膜と前記強磁性体電極がそ
の上部に配置されたものである。
子は、前記ペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電極が
基板上に形成され、前記絶縁膜と前記強磁性体電極がそ
の上部に配置されたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明の磁界検出素子の基本構
成は、絶縁膜をはさんで、一方にペロブスカイト型マン
ガン酸化物等のペロブスカイト型導電性酸化物磁性体の
電極を備え、他方に強磁性体金属の電極を備えたもので
ある。絶縁膜はトンネル電流が流れる程度に薄く、両側
の2つの電極間の交換磁気結合を遮断し、且つトンネル
電流の測定のための印加電圧に耐える絶縁性を有する厚
さで作られている。このような絶縁膜は金属酸化物や金
属と金属酸化物の積層体で作ることができる。
成は、絶縁膜をはさんで、一方にペロブスカイト型マン
ガン酸化物等のペロブスカイト型導電性酸化物磁性体の
電極を備え、他方に強磁性体金属の電極を備えたもので
ある。絶縁膜はトンネル電流が流れる程度に薄く、両側
の2つの電極間の交換磁気結合を遮断し、且つトンネル
電流の測定のための印加電圧に耐える絶縁性を有する厚
さで作られている。このような絶縁膜は金属酸化物や金
属と金属酸化物の積層体で作ることができる。
【0015】この場合もペロブスカイト型マンガン酸化
物の磁化の向きと強磁性体金属の磁化の向きが平行のと
きにはトンネル抵抗が小さく、反平行のときにはトンネ
ル抵抗が大きい。ただし検出範囲内の磁界に対して、ペ
ロブスカイト型マンガン酸化物の磁化の向きは変化せ
ず、強磁性体金属の磁化の向きだけが変化するようにそ
れぞれの抗磁力の大きさを制御してある。この制御は電
極の材料組成、形成法、形状などを調整することにより
可能である。このような構成の磁界検出素子の動作磁界
は強磁性体金属の抗磁力の大きさだけで決まり、その大
きさを小さくすることは従来技術で行えるので、動作磁
界の小さい磁界検出素子を作ることができる。
物の磁化の向きと強磁性体金属の磁化の向きが平行のと
きにはトンネル抵抗が小さく、反平行のときにはトンネ
ル抵抗が大きい。ただし検出範囲内の磁界に対して、ペ
ロブスカイト型マンガン酸化物の磁化の向きは変化せ
ず、強磁性体金属の磁化の向きだけが変化するようにそ
れぞれの抗磁力の大きさを制御してある。この制御は電
極の材料組成、形成法、形状などを調整することにより
可能である。このような構成の磁界検出素子の動作磁界
は強磁性体金属の抗磁力の大きさだけで決まり、その大
きさを小さくすることは従来技術で行えるので、動作磁
界の小さい磁界検出素子を作ることができる。
【0016】この磁界検出素子の電気抵抗変化率は前記
従来例による強磁性体金属同志のトンネル接合素子より
も大きい。その理由は強磁性体電極間のトンネル電流特
性と強磁性体材料とのあいだに次のような関係があるか
らである。すなわち強磁性体電極間のトンネル抵抗の最
大変化率は理論的に次式で表されることが知られてい
る。
従来例による強磁性体金属同志のトンネル接合素子より
も大きい。その理由は強磁性体電極間のトンネル電流特
性と強磁性体材料とのあいだに次のような関係があるか
らである。すなわち強磁性体電極間のトンネル抵抗の最
大変化率は理論的に次式で表されることが知られてい
る。
【0017】 (Rap−Rp)/Rp=2PAPB(1−PAPB)‥‥‥(1) ここでRpは両電極の磁化の向きが平行のときのトンネ
ル抵抗、Rapは反平行のトンネル抵抗である。PA、
PBはそれぞれの電極のスピン分極率で、上向きスピ
ン、下向きスピンの数をそれぞれn↑、n↓とすると次
式で与えられる。
ル抵抗、Rapは反平行のトンネル抵抗である。PA、
PBはそれぞれの電極のスピン分極率で、上向きスピ
ン、下向きスピンの数をそれぞれn↑、n↓とすると次
式で与えられる。
【0018】 P=(n↑−n↓)/(n↑+n↓)‥‥‥(2) したがってスピン分極率が大きいほど、トンネル抵抗の
最大変化率が大きくなる。この理論式と各種トンネル接
合での実測値とは必ずしも正確に一致はしていないが、
強磁性体電極のスピン分極率が大きいほどトンネル抵抗
の変化率が大きいという傾向は実測結果と一致する。文
献によれば室温でのNi80Fe20およびCoのスピン分
極率はそれぞれ0.30、0.34であり、低温では若
干増加する。一方、“固体物理”32(1997)29
8〜308に掲載された木村および十倉の論文には低温
でのペロブスカイト型マンガン酸化物のスピン分極率は
理論的に1.0に近いことが述べられており、実測では
La0.67Sr0.33MnO3膜で0.54(温度4.2
K)というスピン分極率が報告されている。
最大変化率が大きくなる。この理論式と各種トンネル接
合での実測値とは必ずしも正確に一致はしていないが、
強磁性体電極のスピン分極率が大きいほどトンネル抵抗
の変化率が大きいという傾向は実測結果と一致する。文
献によれば室温でのNi80Fe20およびCoのスピン分
極率はそれぞれ0.30、0.34であり、低温では若
干増加する。一方、“固体物理”32(1997)29
8〜308に掲載された木村および十倉の論文には低温
でのペロブスカイト型マンガン酸化物のスピン分極率は
理論的に1.0に近いことが述べられており、実測では
La0.67Sr0.33MnO3膜で0.54(温度4.2
K)というスピン分極率が報告されている。
【0019】前記各種材料のスピン分極率を用い、式
(1)に基づいてトンネル抵抗変化率を計算すると次の
ようになる。すなわち、Ni80Fe20とCoの組み合わ
せを電極としたときは23%、La0.67Sr0.33MnO
3同志を電極としたときは82%、Ni80Fe20とLa
0.67Sr0.33MnO3の組み合わせを電極としたときは
39%となる。したがって本発明による構成のトンネル
接合型磁界検出素子は、ペロブスカイト型マンガン酸化
物同志を電極としたものよりも弱い磁界で動作し、かつ
強磁性体金属同志を電極としたものよりも大きなトンネ
ル抵抗変化率が得られることになる。
(1)に基づいてトンネル抵抗変化率を計算すると次の
ようになる。すなわち、Ni80Fe20とCoの組み合わ
せを電極としたときは23%、La0.67Sr0.33MnO
3同志を電極としたときは82%、Ni80Fe20とLa
0.67Sr0.33MnO3の組み合わせを電極としたときは
39%となる。したがって本発明による構成のトンネル
接合型磁界検出素子は、ペロブスカイト型マンガン酸化
物同志を電極としたものよりも弱い磁界で動作し、かつ
強磁性体金属同志を電極としたものよりも大きなトンネ
ル抵抗変化率が得られることになる。
【0020】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図に基づいて説
明する。図1は本実施例にかかわる磁界検出素子の断面
図である。図1において、1は基板、2は下部リード配
線、3はペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電極、4
は強磁性体金属電極、5はトンネル接合部に設置された
絶縁膜、6は上部リード配線、7はリード配線間の絶縁
層である。
明する。図1は本実施例にかかわる磁界検出素子の断面
図である。図1において、1は基板、2は下部リード配
線、3はペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電極、4
は強磁性体金属電極、5はトンネル接合部に設置された
絶縁膜、6は上部リード配線、7はリード配線間の絶縁
層である。
【0021】基板1はシリコンウェハを用い、その上に
下部リード配線2としての白金膜をスパッタリングで形
成する。この基板を700℃に加熱しながらペロブスカ
イト型導電性酸化物磁性体電極3として厚さ80nmの
La0.67Sr0.33MnO3膜をレーザアブレーションで
形成し、つづいてその上に厚さ1.5nmのアルミニウ
ム膜をスパッタリングで形成した。絶縁膜5はこのアル
ミニウム膜をAr+O 2ガス中でスパッタエッチしてA
l2O3に変えることにより形成した。したがって絶縁膜
5の正確な厚さは不明であるが、スパッタエッチの諸条
件を変化させ最適なトンネル電流が得られる条件で試料
を作成した。他の報告例によれば、特性からの推定値と
して1.5〜6nmの範囲であろうとの報告がある。さ
らにこの上に厚さ50nmのNi80Fe20膜をスパッタ
リングで形成して強磁性体金属電極4とした。次に写真
製版によりレジストパターンを形成し、イオンミリング
でエッチングすることにより、3、4、5の積層構造を
10μm×30μmの大きさにパターニングした。つづ
いてリフトオフ法により絶縁層7をSiO2膜で形成
し、さらに上部リード配線6を金スパッタ膜で形成し
た。ペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電極3の抗磁
力は約80Oeであった。強磁性体金属電極4の磁気特
性はパターニング前の磁界中熱処理により最適化し、パ
ターニング後の抗磁力の大きさが5Oe以下になるよう
にした。
下部リード配線2としての白金膜をスパッタリングで形
成する。この基板を700℃に加熱しながらペロブスカ
イト型導電性酸化物磁性体電極3として厚さ80nmの
La0.67Sr0.33MnO3膜をレーザアブレーションで
形成し、つづいてその上に厚さ1.5nmのアルミニウ
ム膜をスパッタリングで形成した。絶縁膜5はこのアル
ミニウム膜をAr+O 2ガス中でスパッタエッチしてA
l2O3に変えることにより形成した。したがって絶縁膜
5の正確な厚さは不明であるが、スパッタエッチの諸条
件を変化させ最適なトンネル電流が得られる条件で試料
を作成した。他の報告例によれば、特性からの推定値と
して1.5〜6nmの範囲であろうとの報告がある。さ
らにこの上に厚さ50nmのNi80Fe20膜をスパッタ
リングで形成して強磁性体金属電極4とした。次に写真
製版によりレジストパターンを形成し、イオンミリング
でエッチングすることにより、3、4、5の積層構造を
10μm×30μmの大きさにパターニングした。つづ
いてリフトオフ法により絶縁層7をSiO2膜で形成
し、さらに上部リード配線6を金スパッタ膜で形成し
た。ペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電極3の抗磁
力は約80Oeであった。強磁性体金属電極4の磁気特
性はパターニング前の磁界中熱処理により最適化し、パ
ターニング後の抗磁力の大きさが5Oe以下になるよう
にした。
【0022】このようにして作成した素子を温度4.2
Kに冷却し、上下部リード配線間に直流電圧を印加して
両電極間に流れるトンネル電流の外部磁界依存性を測定
した結果を図2に示す。トンネル抵抗に換算すると外部
磁界5Oe以下で最大抵抗変化率30%が得られた。
Kに冷却し、上下部リード配線間に直流電圧を印加して
両電極間に流れるトンネル電流の外部磁界依存性を測定
した結果を図2に示す。トンネル抵抗に換算すると外部
磁界5Oe以下で最大抵抗変化率30%が得られた。
【0023】本発明の磁界検出素子に用いるペロブスカ
イト型導電性酸化物としては、スピン分極率の大きいこ
とが要求されるが、抗磁力が小さいことは必要でなく、
選択の自由度が大きい。また、抗磁力を小さくするため
の形成条件の制約もない。
イト型導電性酸化物としては、スピン分極率の大きいこ
とが要求されるが、抗磁力が小さいことは必要でなく、
選択の自由度が大きい。また、抗磁力を小さくするため
の形成条件の制約もない。
【0024】本実施例では、ペロブスカイト型導電性酸
化物磁性体電極3としてLa0.67Sr0.33MnO3膜を
用いたが、その理由はこの膜のキュリー温度が300K
以上であり、低温でのスピン分極率が大きいと考えたか
らである。La1-xPbxMnO3(x=0.3−0.
4)膜やLa1-xSrxNiO3(x=0.3)膜もキュ
リー温度が300K以上であり、同様に使用が可能であ
る。キュリー温度がもっと低い他のペロブスカイト型導
電性酸化物磁性体を電極として用いても、使用温度範囲
は狭くなるが原理的に動作は同じである。また今後キュ
リー温度のもっと高いペロブスカイト型導電性酸化物磁
性体が発見されれば、同様の素子構成で使用温度範囲を
高くすることが可能である。また本実施例では強磁性体
金属電極4としてNi80Fe20膜を用いたが、抗磁力が
小さければ他のFe、Ni、Coのいずれかを含む強磁
性体金属膜でもよい。また本実施例では絶縁膜5として
Al2O3膜を用いたが、SrZrO3、SrZr(T
i)O3、PbTiO3、MgO、ZrO2などの絶縁膜
を用いてもよい。
化物磁性体電極3としてLa0.67Sr0.33MnO3膜を
用いたが、その理由はこの膜のキュリー温度が300K
以上であり、低温でのスピン分極率が大きいと考えたか
らである。La1-xPbxMnO3(x=0.3−0.
4)膜やLa1-xSrxNiO3(x=0.3)膜もキュ
リー温度が300K以上であり、同様に使用が可能であ
る。キュリー温度がもっと低い他のペロブスカイト型導
電性酸化物磁性体を電極として用いても、使用温度範囲
は狭くなるが原理的に動作は同じである。また今後キュ
リー温度のもっと高いペロブスカイト型導電性酸化物磁
性体が発見されれば、同様の素子構成で使用温度範囲を
高くすることが可能である。また本実施例では強磁性体
金属電極4としてNi80Fe20膜を用いたが、抗磁力が
小さければ他のFe、Ni、Coのいずれかを含む強磁
性体金属膜でもよい。また本実施例では絶縁膜5として
Al2O3膜を用いたが、SrZrO3、SrZr(T
i)O3、PbTiO3、MgO、ZrO2などの絶縁膜
を用いてもよい。
【0025】
【発明の効果】以上のように、この発明によればトンネ
ル接合型の磁気検出素子において強磁性体金属およびペ
ロブスカイト型導電性酸化物磁性体を上下電極とし、検
出磁界範囲で強磁性体金属電極の磁化の向きだけが実質
的に変化するような構成にしたので、次のような効果が
得られる。
ル接合型の磁気検出素子において強磁性体金属およびペ
ロブスカイト型導電性酸化物磁性体を上下電極とし、検
出磁界範囲で強磁性体金属電極の磁化の向きだけが実質
的に変化するような構成にしたので、次のような効果が
得られる。
【0026】1)強磁性体金属同志を電極とするトンネ
ル接合型磁界検出素子と同様の弱磁界で動作し、それよ
りもトンネル抵抗変化率の大きい磁界検出素子が得られ
る。
ル接合型磁界検出素子と同様の弱磁界で動作し、それよ
りもトンネル抵抗変化率の大きい磁界検出素子が得られ
る。
【0027】2)従来のペロブスカイト型導電性酸化物
磁性体同志を上下電極とするトンネル接合型磁界検出素
子はできるだけ検出磁界を小さくするために下部電極の
抗磁力を小さくしなければならず、そのために下部電極
の形成条件に種々の制約があったが、この発明によれば
ペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電極の抗磁力はい
くら大きくても良いので、作成が容易となる。
磁性体同志を上下電極とするトンネル接合型磁界検出素
子はできるだけ検出磁界を小さくするために下部電極の
抗磁力を小さくしなければならず、そのために下部電極
の形成条件に種々の制約があったが、この発明によれば
ペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電極の抗磁力はい
くら大きくても良いので、作成が容易となる。
【図1】 本発明の一実施例にかかわる磁界検出素子の
断面図である。
断面図である。
【図2】 本発明の磁界検出素子のトンネル電流の外部
磁界依存性を示す図である。
磁界依存性を示す図である。
1 基板、2 下部リード配線、3 ペロブスカイト型
導電性酸化物磁性体電極、4 強磁性体金属電極、5
絶縁膜、6 上部リード配線、7 リード配線間絶縁
層。
導電性酸化物磁性体電極、4 強磁性体金属電極、5
絶縁膜、6 上部リード配線、7 リード配線間絶縁
層。
Claims (3)
- 【請求項1】 ペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電
極と、強磁性体金属電極と、前記2つの電極のあいだに
設置され、トンネル電流の検出と、前記2つの電極間の
交換磁気結合の遮断が可能な厚さを有する絶縁膜とを備
えた磁界検出素子。 - 【請求項2】 検出対象とする磁界強度範囲の外部磁界
に対して、前記ペロブスカイト型導電性酸化物磁性体電
極の磁化方向は実質的に変化せず、前記強磁性体金属電
極の磁化方向が実質的に変化するように前記2つの電極
の抗磁力の大きさが制御された請求項1記載の磁界検出
素子。 - 【請求項3】 前記ペロブスカイト型導電性酸化物磁性
体電極が基板上に形成され、前記絶縁膜と前記強磁性体
電極がその上部に配置された請求項1または2記載の磁
界検出素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11004552A JP2000206220A (ja) | 1999-01-11 | 1999-01-11 | 磁界検出素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11004552A JP2000206220A (ja) | 1999-01-11 | 1999-01-11 | 磁界検出素子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000206220A true JP2000206220A (ja) | 2000-07-28 |
Family
ID=11587220
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11004552A Pending JP2000206220A (ja) | 1999-01-11 | 1999-01-11 | 磁界検出素子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000206220A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002084014A (ja) * | 2000-09-06 | 2002-03-22 | Ricoh Co Ltd | トンネル磁気抵抗効果素子及びこの素子を用いたデバイス |
| US6746875B2 (en) | 2001-10-17 | 2004-06-08 | Nec Electronics Corporation | Magnetic memory and method of its manufacture |
| JP2004228561A (ja) * | 2003-01-23 | 2004-08-12 | Sharp Corp | デュアルトレンチで隔離されたクロスポイントメモリアレイとその製造方法 |
| JP2004260162A (ja) * | 2003-02-27 | 2004-09-16 | Sharp Corp | Rramアレイの製造方法及びrram |
-
1999
- 1999-01-11 JP JP11004552A patent/JP2000206220A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002084014A (ja) * | 2000-09-06 | 2002-03-22 | Ricoh Co Ltd | トンネル磁気抵抗効果素子及びこの素子を用いたデバイス |
| US6746875B2 (en) | 2001-10-17 | 2004-06-08 | Nec Electronics Corporation | Magnetic memory and method of its manufacture |
| JP2004228561A (ja) * | 2003-01-23 | 2004-08-12 | Sharp Corp | デュアルトレンチで隔離されたクロスポイントメモリアレイとその製造方法 |
| JP2004260162A (ja) * | 2003-02-27 | 2004-09-16 | Sharp Corp | Rramアレイの製造方法及びrram |
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