JP2000207772A - 光情報記録媒体 - Google Patents
光情報記録媒体Info
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- JP2000207772A JP2000207772A JP11002465A JP246599A JP2000207772A JP 2000207772 A JP2000207772 A JP 2000207772A JP 11002465 A JP11002465 A JP 11002465A JP 246599 A JP246599 A JP 246599A JP 2000207772 A JP2000207772 A JP 2000207772A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】記録層材料の分解物、副生成物、あるいは未分
解物等が基板内に拡散する量を防止ないし制御すること
ができ、変調度を増加させ、それにより最適記録パワー
を低減することによりジッタを低減させる。 【解決手段】プラスチック基板1上にスパッタにより約
10nmの例えばAu薄膜層を形成して、これを拡散防
止層5とする。有機材料をスピンコートにより成膜して
記録層2とし、その上にスパッタにより金反射層3、さ
らに紫外線硬化型樹脂からなる保護層4を設けて、光情
報記録媒体を作成する。記録パワーに対する変調度の変
化を測定すると、拡散性を防止・抑制することで変調度
が高められた結果、最適記録パワーを低くすることがで
きる。
解物等が基板内に拡散する量を防止ないし制御すること
ができ、変調度を増加させ、それにより最適記録パワー
を低減することによりジッタを低減させる。 【解決手段】プラスチック基板1上にスパッタにより約
10nmの例えばAu薄膜層を形成して、これを拡散防
止層5とする。有機材料をスピンコートにより成膜して
記録層2とし、その上にスパッタにより金反射層3、さ
らに紫外線硬化型樹脂からなる保護層4を設けて、光情
報記録媒体を作成する。記録パワーに対する変調度の変
化を測定すると、拡散性を防止・抑制することで変調度
が高められた結果、最適記録パワーを低くすることがで
きる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光により記
録可能な光情報記録媒体に関し、特にレーザ光により記
録する際に記録層中に生じる分解物等が基板中に拡散し
ないように拡散防止層を設けて、最適記録パワーを低く
することが可能な光情報記録媒体に関するものである。
録可能な光情報記録媒体に関し、特にレーザ光により記
録する際に記録層中に生じる分解物等が基板中に拡散し
ないように拡散防止層を設けて、最適記録パワーを低く
することが可能な光情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、光情報記録媒体に用いられる
記録層中の有機材料に対して、光学特性や熱物性に関す
る必要条件について、多くの研究が行われている。特
に、DVD−R(Digital Versatile
Disc−追記型)のような高密度光情報記録媒体に
おいては、記録層中の材料の熱分解や温度に対する減量
率変化等が大きな影響を及ぼすため、熱物性は重要視さ
れている。例えば、特許第2641048号公報には、
有機色素(記録層)の融点と分解点の差を±10℃の範
囲に限定することにより、ビットエラーレートの低い光
情報記録媒体を提供できることが記載されている。すな
わち、有機色素を有する物体の重量は温度を上げると分
解等を起こし減少するが、その減量率変化の傾きが大き
いほど、マークが形成する範囲が小さくてすみ、記録の
際のずれが小さくなってビットエラーも少なくなる。ま
た、特開平9−274732号公報あるいは特開平10
−6644号公報には、熱重量分析における、温度に対
する減量率変化の傾き(いわゆる分解の傾き)を規定し
ており、分解傾きの大きい材料を用いることで、高密度
光情報記録媒体に適応できることが記載されている。
記録層中の有機材料に対して、光学特性や熱物性に関す
る必要条件について、多くの研究が行われている。特
に、DVD−R(Digital Versatile
Disc−追記型)のような高密度光情報記録媒体に
おいては、記録層中の材料の熱分解や温度に対する減量
率変化等が大きな影響を及ぼすため、熱物性は重要視さ
れている。例えば、特許第2641048号公報には、
有機色素(記録層)の融点と分解点の差を±10℃の範
囲に限定することにより、ビットエラーレートの低い光
情報記録媒体を提供できることが記載されている。すな
わち、有機色素を有する物体の重量は温度を上げると分
解等を起こし減少するが、その減量率変化の傾きが大き
いほど、マークが形成する範囲が小さくてすみ、記録の
際のずれが小さくなってビットエラーも少なくなる。ま
た、特開平9−274732号公報あるいは特開平10
−6644号公報には、熱重量分析における、温度に対
する減量率変化の傾き(いわゆる分解の傾き)を規定し
ており、分解傾きの大きい材料を用いることで、高密度
光情報記録媒体に適応できることが記載されている。
【0003】さらに、本発明に最も近い構成のものとし
て、例えば特開平10−172181号公報に記載の光
記録媒体がある。これは、信号をディジタル化しEFM
変調して3T〜11T(1Tは約230nS)に変換さ
れた信号に11T信号を一定間隔に付加した回転サーボ
用等よりなる記録信号を用いて、レーザで記録層を照射
し色素を加熱することによりマークを形成しており、安
定したサーボ信号を得ることを目的としている。そのた
め、記録する際に、色素の加熱分解により発生した熱の
広がりを助けるため、拡散性の低い材料ならびに熱伝導
性の良い材料を使用して薄膜層を設けている。従って、
目的および詳細な構成において、本発明とは全く異なっ
ている。
て、例えば特開平10−172181号公報に記載の光
記録媒体がある。これは、信号をディジタル化しEFM
変調して3T〜11T(1Tは約230nS)に変換さ
れた信号に11T信号を一定間隔に付加した回転サーボ
用等よりなる記録信号を用いて、レーザで記録層を照射
し色素を加熱することによりマークを形成しており、安
定したサーボ信号を得ることを目的としている。そのた
め、記録する際に、色素の加熱分解により発生した熱の
広がりを助けるため、拡散性の低い材料ならびに熱伝導
性の良い材料を使用して薄膜層を設けている。従って、
目的および詳細な構成において、本発明とは全く異なっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の技
術では、分解開始温度、分解傾き、減量率、さらには光
学特性が優れている有機材料を記録層として用いること
が提案されている。しかしながら、上述のように数多く
の有機材料を評価した結果、いかに優れた熱分解特性を
有していても、必ずしもジッタ特性や最適記録パワー等
の面で優れた記録・再生特性を有さない場合があるとい
う問題があった。すなわち、分解開始温度や分解の傾き
に優れている記録材料を用いても、その分解開始温度に
反して高い最適記録パワー(ジッタが最適となる記録パ
ワー)となる場合があり、これが例えばDVD−Rで規
定されている記録パワーである12.0(mW)を越え
る場合もあることが分った(DVD−Rの規格に関して
は、例えば“DVDSpecification fo
r Recordable Disk(DVD−R)P
art1 PHYSICAL SPECIFICATI
ONS Version 1.0 July 1997"を
参照)。そこで、本発明の目的は、このような従来の課
題を解決し、変調度を増加することにより、最適記録パ
ワーを低くすることを可能にして、ジッタを低減するこ
とができるような光情報記録媒体を提供することにあ
る。
術では、分解開始温度、分解傾き、減量率、さらには光
学特性が優れている有機材料を記録層として用いること
が提案されている。しかしながら、上述のように数多く
の有機材料を評価した結果、いかに優れた熱分解特性を
有していても、必ずしもジッタ特性や最適記録パワー等
の面で優れた記録・再生特性を有さない場合があるとい
う問題があった。すなわち、分解開始温度や分解の傾き
に優れている記録材料を用いても、その分解開始温度に
反して高い最適記録パワー(ジッタが最適となる記録パ
ワー)となる場合があり、これが例えばDVD−Rで規
定されている記録パワーである12.0(mW)を越え
る場合もあることが分った(DVD−Rの規格に関して
は、例えば“DVDSpecification fo
r Recordable Disk(DVD−R)P
art1 PHYSICAL SPECIFICATI
ONS Version 1.0 July 1997"を
参照)。そこで、本発明の目的は、このような従来の課
題を解決し、変調度を増加することにより、最適記録パ
ワーを低くすることを可能にして、ジッタを低減するこ
とができるような光情報記録媒体を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光情報記録媒体は、レーザ光の照射により
記録を行う際に生じる記録層中の有機材料の分解物や副
組成物、あるいは有機材料の未分解物がプラスチック基
板中に拡散することを防止または拡散量を制御するため
の拡散防止層を設けることを特徴とする。また、この拡
散防止層が金属または合金薄膜からなることも特徴とす
る。また、この拡散防止層が無機材料層からなることも
特徴とする。さらに、この拡散防止層の膜厚が50nm
以下であることも特徴とする。
め、本発明の光情報記録媒体は、レーザ光の照射により
記録を行う際に生じる記録層中の有機材料の分解物や副
組成物、あるいは有機材料の未分解物がプラスチック基
板中に拡散することを防止または拡散量を制御するため
の拡散防止層を設けることを特徴とする。また、この拡
散防止層が金属または合金薄膜からなることも特徴とす
る。また、この拡散防止層が無機材料層からなることも
特徴とする。さらに、この拡散防止層の膜厚が50nm
以下であることも特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の原理および実施例
を、図面により詳細に説明する。通常、レーザは固体差
や環境温度等によりその発振波長が微妙に異なり、また
ディスクやピックアップのチルト、ディスクの製造ばら
つき等の影響により、ある記録装置で12.0mWで記
録できたとしても、他の記録装置では12.0mWでは
パワー不足となる場合が多々発生する。例えば、12.
0mW近傍で最適ジッタが得られる光情報記録媒体の場
合、上記要因により波長がわずかに長波長にシフトして
いるような記録装置では、正常なOPC(Optimu
m Power Control)が行われることな
く、適当でない記録パワーで記録されてしまうため、ジ
ッタが非常に悪化する。その結果、最悪の場合には、再
生不能になる。そのため、記録パワーの最大値よりも十
分に低いレーザパワーで記録できることが好ましい。ま
た、追記型光情報記録媒体は、図2(a)に示すよう
に、基板1、有機材料からなる記録層2、および反射層
3という基板構成からなる。すなわち、プラスチック基
板1上に有機材料からなる記録層2と金等の反射層3を
設けて光情報記録媒体を作成し、記録の場合は、レーザ
光線を記録層2(色素)に照射して色素の加熱による変
質、分解および変形によるマークの形成により行い、再
生の場合は、記録されたマークの有無による再生用レー
ザの反射光量の変化を検出し、復調することにより行
う。記録のためにレーザ光線を照射すると、図2(b)
に示すように、基板1′が溶融・膨張し、基板材料の密
度が密から疎になり、記録層2′の有機材料が分解して
矢印のように基板1′の方向に拡散が行われる。このよ
うに、記録媒体に対する情報の記録は、基板1の変形と
有機材料の分解で形成されるため、有機材料を分解させ
るために必要な記録パワーと基板変形が生じてしまう記
録パワーとの差が大きいと、ジッタが悪化するため、こ
の点でも最適記録パワーが高くなることは好ましくな
い。
を、図面により詳細に説明する。通常、レーザは固体差
や環境温度等によりその発振波長が微妙に異なり、また
ディスクやピックアップのチルト、ディスクの製造ばら
つき等の影響により、ある記録装置で12.0mWで記
録できたとしても、他の記録装置では12.0mWでは
パワー不足となる場合が多々発生する。例えば、12.
0mW近傍で最適ジッタが得られる光情報記録媒体の場
合、上記要因により波長がわずかに長波長にシフトして
いるような記録装置では、正常なOPC(Optimu
m Power Control)が行われることな
く、適当でない記録パワーで記録されてしまうため、ジ
ッタが非常に悪化する。その結果、最悪の場合には、再
生不能になる。そのため、記録パワーの最大値よりも十
分に低いレーザパワーで記録できることが好ましい。ま
た、追記型光情報記録媒体は、図2(a)に示すよう
に、基板1、有機材料からなる記録層2、および反射層
3という基板構成からなる。すなわち、プラスチック基
板1上に有機材料からなる記録層2と金等の反射層3を
設けて光情報記録媒体を作成し、記録の場合は、レーザ
光線を記録層2(色素)に照射して色素の加熱による変
質、分解および変形によるマークの形成により行い、再
生の場合は、記録されたマークの有無による再生用レー
ザの反射光量の変化を検出し、復調することにより行
う。記録のためにレーザ光線を照射すると、図2(b)
に示すように、基板1′が溶融・膨張し、基板材料の密
度が密から疎になり、記録層2′の有機材料が分解して
矢印のように基板1′の方向に拡散が行われる。このよ
うに、記録媒体に対する情報の記録は、基板1の変形と
有機材料の分解で形成されるため、有機材料を分解させ
るために必要な記録パワーと基板変形が生じてしまう記
録パワーとの差が大きいと、ジッタが悪化するため、こ
の点でも最適記録パワーが高くなることは好ましくな
い。
【0007】上記現象を概念的に説明すると、次のよう
になる。各記録形態(記録モード)単独の記録マークに
関する標準偏差をσi、全ての記録形態を考慮した場合
の記録マーク平均値と各記録形態単独の記録マーク平均
値との差をδi、記録形態の数をnとすると、全ての記
録形態を考慮した場合の記録マークの標準偏差は下式
(数1)で表わされる。
になる。各記録形態(記録モード)単独の記録マークに
関する標準偏差をσi、全ての記録形態を考慮した場合
の記録マーク平均値と各記録形態単独の記録マーク平均
値との差をδi、記録形態の数をnとすると、全ての記
録形態を考慮した場合の記録マークの標準偏差は下式
(数1)で表わされる。
【数1】 すなわち、式(数1)から明らかなように、全ての記録
形態を考慮した場合の記録マークの標準偏差(ジッタに
相当する)は、個々の記録形態による記録マークの標準
偏差の加算(上式のσi 2の加算)に加え、各記録形態の
大きさのずれ(上式のδi 2の加算)が加わる。従って、
ジッタを改善するためには、記録形態数を減らすこ
と、つまり層数を少なくすること、個々の記録形態の
標準偏差を小さくすること、および、記録形態間の大
きさ差を減少すること、が必要となる。なお、上記の
記録形態間の大きさ差を減らすことは、各記録形態間の
形成温度範囲を近づけることと同じである。
形態を考慮した場合の記録マークの標準偏差(ジッタに
相当する)は、個々の記録形態による記録マークの標準
偏差の加算(上式のσi 2の加算)に加え、各記録形態の
大きさのずれ(上式のδi 2の加算)が加わる。従って、
ジッタを改善するためには、記録形態数を減らすこ
と、つまり層数を少なくすること、個々の記録形態の
標準偏差を小さくすること、および、記録形態間の大
きさ差を減少すること、が必要となる。なお、上記の
記録形態間の大きさ差を減らすことは、各記録形態間の
形成温度範囲を近づけることと同じである。
【0008】本発明者は、検討の結果、低分解温度にも
かかわらず、最適記録パワーが低くならない原因は、記
録層中の有機材料(分解、副組成物、未分解物を含む)
の基板内への拡散性にあることを見出した。すなわち、
基板1への拡散現象がパワーの低くならない原因であ
る。図5は、通常の光情報記録媒体におけるパワーに対
する変調度の特性図である。通常の光情報記録媒体で
は、図5に示すように、変調度はある記録パワー付近か
ら記録パワーに対して急激に増加し始め、徐々に飽和し
始める。一般的には、変調度が飽和し始める近辺の記録
パワーが最適記録パワーとなる。これに対して、記録層
中の有機材料の分解物、副組成物、あるいは未分解物が
記録によりプラスチック基板内に拡散しやすい有機材
料、または拡散効果が相対的に大きく見えるようなディ
スク構造では、記録部の光学位相差が小さいため、記録
パワーに対して変調度が緩やかにしか増加せず(つま
り、図4の実線に示すように、変調度の増加は記録パワ
ーに対してほぼリニアである)、基板内への拡散が飽和
に達する記録パワー近辺から変調度の増加量が増えると
いう現象を示すため、十分な変調度を得られるパワーが
高くなり、その結果最適記録パワーも高くなる。ここで
言う拡散効果が相対的に大きく見えるようなディスク構
造とは、色素材料自身の拡散性の大小と無関係に、溝幅
や溝深さ、さらには色素膜厚の設定によって、主に色素
分解によるマーク位相増加効果に対し、拡散による位相
減少効果が相対的に大きく見えることを言う。図4は、
光学位相差に対する変調度の特性図であって、位相差が
πより小さい間は変調度m0は増加し、位相差がπのと
き最大となり、位相差がπより大きくなるに従って変調
度は減少する。
かかわらず、最適記録パワーが低くならない原因は、記
録層中の有機材料(分解、副組成物、未分解物を含む)
の基板内への拡散性にあることを見出した。すなわち、
基板1への拡散現象がパワーの低くならない原因であ
る。図5は、通常の光情報記録媒体におけるパワーに対
する変調度の特性図である。通常の光情報記録媒体で
は、図5に示すように、変調度はある記録パワー付近か
ら記録パワーに対して急激に増加し始め、徐々に飽和し
始める。一般的には、変調度が飽和し始める近辺の記録
パワーが最適記録パワーとなる。これに対して、記録層
中の有機材料の分解物、副組成物、あるいは未分解物が
記録によりプラスチック基板内に拡散しやすい有機材
料、または拡散効果が相対的に大きく見えるようなディ
スク構造では、記録部の光学位相差が小さいため、記録
パワーに対して変調度が緩やかにしか増加せず(つま
り、図4の実線に示すように、変調度の増加は記録パワ
ーに対してほぼリニアである)、基板内への拡散が飽和
に達する記録パワー近辺から変調度の増加量が増えると
いう現象を示すため、十分な変調度を得られるパワーが
高くなり、その結果最適記録パワーも高くなる。ここで
言う拡散効果が相対的に大きく見えるようなディスク構
造とは、色素材料自身の拡散性の大小と無関係に、溝幅
や溝深さ、さらには色素膜厚の設定によって、主に色素
分解によるマーク位相増加効果に対し、拡散による位相
減少効果が相対的に大きく見えることを言う。図4は、
光学位相差に対する変調度の特性図であって、位相差が
πより小さい間は変調度m0は増加し、位相差がπのと
き最大となり、位相差がπより大きくなるに従って変調
度は減少する。
【0009】図3は、光学位相差の増加量の違いを説明
する図である。図3に示すように、記録により基板1に
バンプ8が形成され、同時に反射層3と記録層2の界面
にピット9が形成される。この場合、記録層2の記録に
よる屈折率変化を記録層2内で平均化して、その屈折率
を(nd−δnd)とすると、光学位相(δOPD)は下
式(数2)のように表わされる(ここでOPDは、Op
tical Path Difference)。 δOPD=(2π/λ)・δOPD′ =(2π/λ)・2・〔ndd−{(nS−δnS)dB+(nd−δnd)(d−dB−dP)}〕 =(4π/λ)・{(nd −nS )dB +nd dP +δnS dB +δnd (d−dB −dP )} ・・・・・・・・・・・・・・(数2) 上式(数2)で下線の項は、順にを意味してお
り、それらの意味は以下の通りである。 バンプ形成(基板と記録層界面) ピット形成(基板と反射層界面) 基板屈折率低下分(バンプ形成による) 記録層屈折率低下分(分解による)
する図である。図3に示すように、記録により基板1に
バンプ8が形成され、同時に反射層3と記録層2の界面
にピット9が形成される。この場合、記録層2の記録に
よる屈折率変化を記録層2内で平均化して、その屈折率
を(nd−δnd)とすると、光学位相(δOPD)は下
式(数2)のように表わされる(ここでOPDは、Op
tical Path Difference)。 δOPD=(2π/λ)・δOPD′ =(2π/λ)・2・〔ndd−{(nS−δnS)dB+(nd−δnd)(d−dB−dP)}〕 =(4π/λ)・{(nd −nS )dB +nd dP +δnS dB +δnd (d−dB −dP )} ・・・・・・・・・・・・・・(数2) 上式(数2)で下線の項は、順にを意味してお
り、それらの意味は以下の通りである。 バンプ形成(基板と記録層界面) ピット形成(基板と反射層界面) 基板屈折率低下分(バンプ形成による) 記録層屈折率低下分(分解による)
【0010】上式(数2)において、拡散が生じない記
録材料の場合には、の全ての項による位相差が
加算されるが、拡散が生じる記録材料の場合には、拡散
によって体積膨張が起り、屈折率が低下した基板1中
(バンプが形成された部分)に、記録層材料の分解物、
副生成物、あるいは未分解物が拡散するため、基板屈
折率の低下分がキャンセルされ、また記録層の屈折率
も、屈折率の低下を招く記録層材料の分解物や副組成物
が基板1内に拡散してしまうため、その低下分が少なく
なる。つまり、拡散が生じる記録材料の場合には、上式
(数2)のにより光学位相差が生じる(つまり、
の寄与は少ない)。上述のことから、拡散が生じる記
録材料の変調度は、拡散が生じない記録材料よりも小さ
くなることが分る。この拡散という現象の存在は、実際
に記録部の光学位相差を見積もることで証明することが
できる。例えば、次の値を用いて光学位相差を計算する
(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.31(19
92)Pt.1,No.2Bpp484〜493参照)。 基板の屈折率nS=1.57,記録層の屈折率nd=2.
70 バンプの高さdB=60nm,ピットの深さdP=7nm
(SEMによる観察) 分解により色素の屈折率が1.5に変化 分解相当膜厚を70nm(記録部の光学特性の変化を膜
厚値に換算) バンプにより約20%dBが増加(Clausius
Mossoti equationから)
録材料の場合には、の全ての項による位相差が
加算されるが、拡散が生じる記録材料の場合には、拡散
によって体積膨張が起り、屈折率が低下した基板1中
(バンプが形成された部分)に、記録層材料の分解物、
副生成物、あるいは未分解物が拡散するため、基板屈
折率の低下分がキャンセルされ、また記録層の屈折率
も、屈折率の低下を招く記録層材料の分解物や副組成物
が基板1内に拡散してしまうため、その低下分が少なく
なる。つまり、拡散が生じる記録材料の場合には、上式
(数2)のにより光学位相差が生じる(つまり、
の寄与は少ない)。上述のことから、拡散が生じる記
録材料の変調度は、拡散が生じない記録材料よりも小さ
くなることが分る。この拡散という現象の存在は、実際
に記録部の光学位相差を見積もることで証明することが
できる。例えば、次の値を用いて光学位相差を計算する
(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.31(19
92)Pt.1,No.2Bpp484〜493参照)。 基板の屈折率nS=1.57,記録層の屈折率nd=2.
70 バンプの高さdB=60nm,ピットの深さdP=7nm
(SEMによる観察) 分解により色素の屈折率が1.5に変化 分解相当膜厚を70nm(記録部の光学特性の変化を膜
厚値に換算) バンプにより約20%dBが増加(Clausius
Mossoti equationから)
【数3】 ここで、εは誘電率、Nは定数、Vは体積である。従っ
て、バンプ形成で基板の屈折率nSが0.11だけ変化
する(1.57から1.46に変化)。
て、バンプ形成で基板の屈折率nSが0.11だけ変化
する(1.57から1.46に変化)。
【0011】通常、DVD系メディアの場合、基板厚さ
は0.6mmで、基板溝深さは、図2(c)に示すよう
に、165〜180nmである。いま、屈折率低下領域
を300nmとする。その結果、 δOPD′=136+38+66+168=408(nm)≫λ/2 =635/2 となり、上式の下線の項は順に,,,を意味す
る。そして、変調度は下式(数4)となる。 mCA∞1−cos(δOPD)=sin2(δOPD/2) ・・・・・・・(数4) 従って、単純にを加算してしまうと、光学位相
差(δOPD)はπを越えてしまい、変調度もピークを
過ぎてしまうことになる。しかし、一般の光情報記録媒
体では変調度の値が60〜70%程度であり、記録パワ
ーに対して変調度は単調増加していくから、上述の例の
ような加算は成立せず(光学位相差はπを越えていな
い)、その結果、拡散の影響を無視することができない
と言うことになる。すなわち、図4に示すように、一般
には位相(δOPD)はπを越えることはない。結局、
拡散性の高い有機材料は、低記録パワーでは変調度がと
れないので、ジッタが悪くなり、一方、ジッタが良好と
なるように変調度を十分に確保しようとすると、有機材
料自身の分解開始温度が低温度であっても記録パワーは
高くなるのである。
は0.6mmで、基板溝深さは、図2(c)に示すよう
に、165〜180nmである。いま、屈折率低下領域
を300nmとする。その結果、 δOPD′=136+38+66+168=408(nm)≫λ/2 =635/2 となり、上式の下線の項は順に,,,を意味す
る。そして、変調度は下式(数4)となる。 mCA∞1−cos(δOPD)=sin2(δOPD/2) ・・・・・・・(数4) 従って、単純にを加算してしまうと、光学位相
差(δOPD)はπを越えてしまい、変調度もピークを
過ぎてしまうことになる。しかし、一般の光情報記録媒
体では変調度の値が60〜70%程度であり、記録パワ
ーに対して変調度は単調増加していくから、上述の例の
ような加算は成立せず(光学位相差はπを越えていな
い)、その結果、拡散の影響を無視することができない
と言うことになる。すなわち、図4に示すように、一般
には位相(δOPD)はπを越えることはない。結局、
拡散性の高い有機材料は、低記録パワーでは変調度がと
れないので、ジッタが悪くなり、一方、ジッタが良好と
なるように変調度を十分に確保しようとすると、有機材
料自身の分解開始温度が低温度であっても記録パワーは
高くなるのである。
【0012】図1は、本発明の一実施例を示す光情報記
録媒体の断面図である。本発明においては、この現象を
回避するために、図1に示すように、プラスチック基板
1内への拡散性の高い有機材料、あるいは拡散効果が相
対的に大きく見えるようなディスク構造を対象にしてお
り、プラスチック基板1と記録層2の間に、記録層2中
の有機材料の分解物、副生成物、あるいは未分解物がプ
ラスチック基板1中に拡散することを防止、あるいは低
減させるために、いわゆる拡散防止層5を設けることに
より改善できることを見出した。本発明で用いることが
できる好ましい拡散防止層5の材料としては、例えばS
iO2、ZrC、ITO、ZnS、MgF2、SiNx等
の無機材料、あるいはAg、Al、Au、Cu、Cr、
Pt、Ni、Ti等の金属材料、あるいはこれら金属材
料の合金が挙げられる。拡散防止層5として、金属材
料、金属材料の合金を用いた場合には、層方向への熱伝
導性が高められて、感度向上の効果を有する。また、上
記の材料以外にも、用いるプラスチック基板1よりも物
理的に堅い材料、高重合度な材料、融点・軟化温度が高
い材料等も用いることができる。そして、これらの拡散
防止層5の膜厚としては、50nm以下であることが好
ましい。特に、拡散層として、レーザ光に大きな吸収を
有する材料、あるいは基板材料よりも熱伝導性が著しく
悪い材料をを用いる場合には、この拡散防止層5による
変調度増加効果の期待とは逆に変調度がとれ難くなった
り、ピットデビエーション(記録マークの論理値からの
ずれ)が悪化するおそれがあるため、使用するのは好ま
しくない。このように、本発明においては、最適記録パ
ワーの低パワー化、ジッタの低減を目的として、プラス
チック基板1内へ拡散性の高い有機材料を対象にしてお
り、プラスチック基板1内へ拡散することを防止ないし
減少させるための拡散防止層5を設けるものである。
録媒体の断面図である。本発明においては、この現象を
回避するために、図1に示すように、プラスチック基板
1内への拡散性の高い有機材料、あるいは拡散効果が相
対的に大きく見えるようなディスク構造を対象にしてお
り、プラスチック基板1と記録層2の間に、記録層2中
の有機材料の分解物、副生成物、あるいは未分解物がプ
ラスチック基板1中に拡散することを防止、あるいは低
減させるために、いわゆる拡散防止層5を設けることに
より改善できることを見出した。本発明で用いることが
できる好ましい拡散防止層5の材料としては、例えばS
iO2、ZrC、ITO、ZnS、MgF2、SiNx等
の無機材料、あるいはAg、Al、Au、Cu、Cr、
Pt、Ni、Ti等の金属材料、あるいはこれら金属材
料の合金が挙げられる。拡散防止層5として、金属材
料、金属材料の合金を用いた場合には、層方向への熱伝
導性が高められて、感度向上の効果を有する。また、上
記の材料以外にも、用いるプラスチック基板1よりも物
理的に堅い材料、高重合度な材料、融点・軟化温度が高
い材料等も用いることができる。そして、これらの拡散
防止層5の膜厚としては、50nm以下であることが好
ましい。特に、拡散層として、レーザ光に大きな吸収を
有する材料、あるいは基板材料よりも熱伝導性が著しく
悪い材料をを用いる場合には、この拡散防止層5による
変調度増加効果の期待とは逆に変調度がとれ難くなった
り、ピットデビエーション(記録マークの論理値からの
ずれ)が悪化するおそれがあるため、使用するのは好ま
しくない。このように、本発明においては、最適記録パ
ワーの低パワー化、ジッタの低減を目的として、プラス
チック基板1内へ拡散性の高い有機材料を対象にしてお
り、プラスチック基板1内へ拡散することを防止ないし
減少させるための拡散防止層5を設けるものである。
【0013】以下、本発明の実験例を説明する。図6
は、実験において作成した光情報記録媒体の温度に対す
る質量の特性図であり、図7は、同じ実験におけるパワ
ーに対する変調度の特性図であり、図8は同じ実験で、
変調により記録された記録マークのうち、最長マークの
HF信号波形を示す図である(いずれも、拡散防止層が
ないものとの比較を示す)。下式(化1)の化合物は、
分解開始同度296℃、分散の傾き3.95%/℃、減
量率30%であった。
は、実験において作成した光情報記録媒体の温度に対す
る質量の特性図であり、図7は、同じ実験におけるパワ
ーに対する変調度の特性図であり、図8は同じ実験で、
変調により記録された記録マークのうち、最長マークの
HF信号波形を示す図である(いずれも、拡散防止層が
ないものとの比較を示す)。下式(化1)の化合物は、
分解開始同度296℃、分散の傾き3.95%/℃、減
量率30%であった。
【化1】 上記の熱分析の評価は、セイコー電子工業製の熱分析シ
ステムSSC5200を用いた。ただし、分解の傾き、
減量率の定義は、以下の通りである。すなわち、図6に
示すように、質量m0の有機材料を窒素雰囲気下中で、
10℃/minで昇温させる。この昇温に従って、質量
は微量ずつ減少し、ほぼ直線a−bに沿って重量減量を
起こす。更に温度を上げ続けると質量の急激な減量が終
了し、ほぼ直線e−fに沿った重量減少を起こす。今、
直線a−bと直線c−dとの交点における温度をT
1(℃)、初期質量m0に対する残存重量をm1(%)、
直線c−dと直線e−fとの交点における温度をT
2(℃)、初期質量m0に対する残存重量をm2(%)と
する。減量開始温度はT1、減量終了温度はT2となり、
重量減量の傾きは、下式(数5)で表わされる。 (m1−m2)(%)/(T2−T1)(℃)・・・・・(数5) 上式(数5)で示される値で、初期重量に対する重量減
量率は、下式(数6)で表される。 (m1−m2)(%) ・・・・・・・・・・・・・(数6)
ステムSSC5200を用いた。ただし、分解の傾き、
減量率の定義は、以下の通りである。すなわち、図6に
示すように、質量m0の有機材料を窒素雰囲気下中で、
10℃/minで昇温させる。この昇温に従って、質量
は微量ずつ減少し、ほぼ直線a−bに沿って重量減量を
起こす。更に温度を上げ続けると質量の急激な減量が終
了し、ほぼ直線e−fに沿った重量減少を起こす。今、
直線a−bと直線c−dとの交点における温度をT
1(℃)、初期質量m0に対する残存重量をm1(%)、
直線c−dと直線e−fとの交点における温度をT
2(℃)、初期質量m0に対する残存重量をm2(%)と
する。減量開始温度はT1、減量終了温度はT2となり、
重量減量の傾きは、下式(数5)で表わされる。 (m1−m2)(%)/(T2−T1)(℃)・・・・・(数5) 上式(数5)で示される値で、初期重量に対する重量減
量率は、下式(数6)で表される。 (m1−m2)(%) ・・・・・・・・・・・・・(数6)
【0014】次に、図2(a)に示すように、厚さ0.
6mm、トラックピッチ0.74umのポリカーボネー
ト基板1上(4.7GB対応)に(化1)の化合物をス
ピンコートにより成膜して記録層2とし、その上にスパ
ッタにより金反射層3、さらに紫外線硬化型樹脂からな
る保護層4を設けて光情報記録媒体を作成した(拡散防
止層なし)。この光情報記録媒体に対して、パルステッ
ク工業製のDDU−1000(波長635nm、NA
0.60)により記録、再生を行い、記録パワーに対す
る変調度の変化を測定した。この測定結果は、図7の実
線に示す通りである。この測定結果から、この材料は比
較的低記録パワーから記録可能であるにもかかわらず、
記録パワーに対する変調度の増加が小さいことから、記
録材料の分解物、副生成物、あるいは未分解物がプラス
チック基板1内に拡散し易い材料と考えられる。この拡
散性をより明らかにするために、8−16変調で記録さ
れた記録マークのうち、最長のマークである14TのH
F信号波形を観測した。
6mm、トラックピッチ0.74umのポリカーボネー
ト基板1上(4.7GB対応)に(化1)の化合物をス
ピンコートにより成膜して記録層2とし、その上にスパ
ッタにより金反射層3、さらに紫外線硬化型樹脂からな
る保護層4を設けて光情報記録媒体を作成した(拡散防
止層なし)。この光情報記録媒体に対して、パルステッ
ク工業製のDDU−1000(波長635nm、NA
0.60)により記録、再生を行い、記録パワーに対す
る変調度の変化を測定した。この測定結果は、図7の実
線に示す通りである。この測定結果から、この材料は比
較的低記録パワーから記録可能であるにもかかわらず、
記録パワーに対する変調度の増加が小さいことから、記
録材料の分解物、副生成物、あるいは未分解物がプラス
チック基板1内に拡散し易い材料と考えられる。この拡
散性をより明らかにするために、8−16変調で記録さ
れた記録マークのうち、最長のマークである14TのH
F信号波形を観測した。
【0015】図8(a−1)〜(a−6)に、拡散防止
層のない光情報記録媒体の記録マークの観測結果を示
す。(a−1)は7.0mW、(a−2)は8.0m
W、(a−3)は9.0mW、(a−4)は10.0m
W、(a−5)は11.0mW、(a−6)は12.0
mWでそれぞれ記録した時の14Tマーク波形である。
この結果を見ると、低記録パワー時には14Tマーク
(A+Bの部分で示すマーク波形)の後方、つまりBの
部分が前方のAの部分よりも変調度が大きい。これはマ
ーク後方(B)の方が熱が蓄積し易いために、マークの
後方では広い領域にわたって記録領域が形成されること
により生じる現象である。しかし、記録パワーを上げて
いくと、徐々に14Tマークの前方(A)と後方(B)
の変調度差がなくなっていく。また、マークの中間部で
変調度のくぼみ(変調度が低い部分)が生じている。こ
れは、変調度の値がそれほど大きくないこと、およびマ
ーク後方の変調度が記録パワーとともに緩慢ではあるが
大きくなっていることから、マーク後方の光学位相差が
πを越えたために後方の変調度が小さくなったことが原
因ではないと言える。つまり、マークの光学位相差はマ
ーク後方でもπを越えていないため、また熱は必ずマー
ク前方より後方の方が蓄積され、マーク後方の方が大き
な光学位相差を生じるから、低記録パワー時のように
(例えば、7.0mW)、マーク前方に対して後方の方
が変調度が大きくなるはずである。高記録パワーになる
と、熱蓄積効果によりマークの後方が記録層面内方向に
広がり、変調度が大きくなる効果が飽和して、変調度の
増加を鈍らせる拡散効果が相対的に大きくなるため、図
8(a−3)〜(a−6)のようなマーク形状が観察さ
れる。なお、C,D,Eは、14Tより短い長さのマー
クの変調度を示している。
層のない光情報記録媒体の記録マークの観測結果を示
す。(a−1)は7.0mW、(a−2)は8.0m
W、(a−3)は9.0mW、(a−4)は10.0m
W、(a−5)は11.0mW、(a−6)は12.0
mWでそれぞれ記録した時の14Tマーク波形である。
この結果を見ると、低記録パワー時には14Tマーク
(A+Bの部分で示すマーク波形)の後方、つまりBの
部分が前方のAの部分よりも変調度が大きい。これはマ
ーク後方(B)の方が熱が蓄積し易いために、マークの
後方では広い領域にわたって記録領域が形成されること
により生じる現象である。しかし、記録パワーを上げて
いくと、徐々に14Tマークの前方(A)と後方(B)
の変調度差がなくなっていく。また、マークの中間部で
変調度のくぼみ(変調度が低い部分)が生じている。こ
れは、変調度の値がそれほど大きくないこと、およびマ
ーク後方の変調度が記録パワーとともに緩慢ではあるが
大きくなっていることから、マーク後方の光学位相差が
πを越えたために後方の変調度が小さくなったことが原
因ではないと言える。つまり、マークの光学位相差はマ
ーク後方でもπを越えていないため、また熱は必ずマー
ク前方より後方の方が蓄積され、マーク後方の方が大き
な光学位相差を生じるから、低記録パワー時のように
(例えば、7.0mW)、マーク前方に対して後方の方
が変調度が大きくなるはずである。高記録パワーになる
と、熱蓄積効果によりマークの後方が記録層面内方向に
広がり、変調度が大きくなる効果が飽和して、変調度の
増加を鈍らせる拡散効果が相対的に大きくなるため、図
8(a−3)〜(a−6)のようなマーク形状が観察さ
れる。なお、C,D,Eは、14Tより短い長さのマー
クの変調度を示している。
【0016】次に、本発明に従って、図1に示すよう
に、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74umのポ
リカーボネート基板1上(4.7GB対応)に、スパッ
タにより約10nmのZnS-SiO2薄膜層5を形成さ
せ、式(化1)の化合物をスピンコートにより成膜して
記録層2とし、その上にスパッタにより金反射層3、さ
らに紫外線硬化型樹脂からなる保護層4を設け、光情報
記録媒体を作成した。そして、パルステック工業製のD
DU−1000(波長635nm、NA0.60)によ
り記録、再生を行い、記録パワーに対する変調度の変化
を観測した。この観測結果は、図7の破線に示す通りで
ある。図7からも明らかなように、記録パワーに対する
変調度の増加量が大きくなり、拡散性を防止・抑制する
ことで変調度を高められることが確認された。また、図
8(b−1)〜(b−6)のように、拡散性が改善され
ていることを確認するため、各記録パワーで記録された
14TマークのHF信号波形を観察した。(b−1)は
7.0mW、(b−2)は8.0mW、(b−3)は
9.0mW、(b−4)は10.0mW、(b−5)は
11.0mW、(b−6)は12.0mWでそれぞれ記
録した時の14Tマーク波形である。図8(a)の拡散
防止層なしの場合と、図8(b)の拡散防止層ありの場
合の結果を比較すれば明らかなように、拡散防止層5を
設けることにより、14Tマークの前後では、後方の方
が変調度が大きいという状態を高記録パワー時において
も維持されている。従って、マーク後方の蓄熱効果によ
る拡散の増加が抑制できたことを確認することができ
る。また、この拡散防止層により最適記録パワーを約
2.0mW程度低くすることができた。すなわち、拡散
防止層がない場合の最適記録パワーは約12.0mWで
あるのに対し、拡散防止層がある場合の最適記録パワー
は約10mWであった。
に、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.74umのポ
リカーボネート基板1上(4.7GB対応)に、スパッ
タにより約10nmのZnS-SiO2薄膜層5を形成さ
せ、式(化1)の化合物をスピンコートにより成膜して
記録層2とし、その上にスパッタにより金反射層3、さ
らに紫外線硬化型樹脂からなる保護層4を設け、光情報
記録媒体を作成した。そして、パルステック工業製のD
DU−1000(波長635nm、NA0.60)によ
り記録、再生を行い、記録パワーに対する変調度の変化
を観測した。この観測結果は、図7の破線に示す通りで
ある。図7からも明らかなように、記録パワーに対する
変調度の増加量が大きくなり、拡散性を防止・抑制する
ことで変調度を高められることが確認された。また、図
8(b−1)〜(b−6)のように、拡散性が改善され
ていることを確認するため、各記録パワーで記録された
14TマークのHF信号波形を観察した。(b−1)は
7.0mW、(b−2)は8.0mW、(b−3)は
9.0mW、(b−4)は10.0mW、(b−5)は
11.0mW、(b−6)は12.0mWでそれぞれ記
録した時の14Tマーク波形である。図8(a)の拡散
防止層なしの場合と、図8(b)の拡散防止層ありの場
合の結果を比較すれば明らかなように、拡散防止層5を
設けることにより、14Tマークの前後では、後方の方
が変調度が大きいという状態を高記録パワー時において
も維持されている。従って、マーク後方の蓄熱効果によ
る拡散の増加が抑制できたことを確認することができ
る。また、この拡散防止層により最適記録パワーを約
2.0mW程度低くすることができた。すなわち、拡散
防止層がない場合の最適記録パワーは約12.0mWで
あるのに対し、拡散防止層がある場合の最適記録パワー
は約10mWであった。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
拡散防止層を設けることにより、記録層材料の分解物、
副生成物、あるいは未分解物が基板内に拡散する量を防
止ないし制御することができ、変調度を増加させること
が可能となる。その結果、最適記録パワーを低くするこ
とができるので、ジッタを低減できるという効果を有す
る。
拡散防止層を設けることにより、記録層材料の分解物、
副生成物、あるいは未分解物が基板内に拡散する量を防
止ないし制御することができ、変調度を増加させること
が可能となる。その結果、最適記録パワーを低くするこ
とができるので、ジッタを低減できるという効果を有す
る。
【図1】本発明の一実施例を示す光情報記録媒体の断面
図である。
図である。
【図2】従来の光情報記録媒体の記録時における物理現
象を示す断面説明図である。
象を示す断面説明図である。
【図3】光学位相差の増加量の違いを説明する図であ
る。
る。
【図4】光学位相差に対する変調度の特性図である。
【図5】通常の光情報記録媒体におけるパワーに対する
変調度の特性図である。
変調度の特性図である。
【図6】光情報記録媒体の温度に対する質量の特性図で
ある。
ある。
【図7】実験におけるパワーに対する変調度の特性図で
ある。
ある。
【図8】実験において、変調により記録された記録マー
クのうち、最長マークのHF信号波形を示す図である。
クのうち、最長マークのHF信号波形を示す図である。
1…プラスチック基板、2…記録層、3…反射層、4…
保護層、5…拡散防止層、6…グルーブ、7…ランド、
8…バンプ、9…ピット、A…14Tマーク前方部、B
…14Tマーク後方部、C,D,E…他のマーク。
保護層、5…拡散防止層、6…グルーブ、7…ランド、
8…バンプ、9…ピット、A…14Tマーク前方部、B
…14Tマーク後方部、C,D,E…他のマーク。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくともプラスチック基板と有機材料
を主成分とする記録層とからなる光情報記録媒体におい
て、 該プラスチック基板と記録層の間に、レーザ光の照射に
より記録を行う際に生じる該記録層中の有機材料の分解
物,副組成物あるいは有機材料の未分解物が該プラスチ
ック基板中に拡散することを防止あるいは拡散量を制御
するための拡散防止層を設けることを特徴とする光情報
記録媒体。 - 【請求項2】 請求項1に記載の光情報記録媒体におい
て、 前記拡散防止層は、金属または合金薄膜からなることを
特徴とする光情報記録媒体。 - 【請求項3】 請求項1に記載の光情報記録媒体におい
て、 前記拡散防止層は、無機材料層からなることを特徴とす
る光情報記録媒体。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の光
情報記録媒体において、 前記拡散防止層は、その膜厚が50(nm)以下である
ことを特徴とする光情報記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11002465A JP2000207772A (ja) | 1999-01-08 | 1999-01-08 | 光情報記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11002465A JP2000207772A (ja) | 1999-01-08 | 1999-01-08 | 光情報記録媒体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000207772A true JP2000207772A (ja) | 2000-07-28 |
Family
ID=11530068
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11002465A Pending JP2000207772A (ja) | 1999-01-08 | 1999-01-08 | 光情報記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000207772A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7778145B2 (en) | 2004-07-16 | 2010-08-17 | Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. | Optical recording medium and optical recording method of the same |
| US8075972B2 (en) | 2005-04-07 | 2011-12-13 | Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. | Optical recording medium |
| US8114496B2 (en) | 2006-01-13 | 2012-02-14 | Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. | Optical recording medium |
-
1999
- 1999-01-08 JP JP11002465A patent/JP2000207772A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7778145B2 (en) | 2004-07-16 | 2010-08-17 | Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. | Optical recording medium and optical recording method of the same |
| US8075972B2 (en) | 2005-04-07 | 2011-12-13 | Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. | Optical recording medium |
| US8114496B2 (en) | 2006-01-13 | 2012-02-14 | Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. | Optical recording medium |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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