JP2000210013A - イチゴの保存方法 - Google Patents

イチゴの保存方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流通・販売を経てもカビの発生よる劣化を防
止し、かつ食味を低下さないイチゴの保存方法を提供す
ること。 【解決手段】 イチゴを合成樹脂フィルムで包装し、初
期の包装体内の二酸化炭素濃度が30〜50%になるよ
うに二酸化炭素でガス置換して密封包装体にし、0〜1
3℃で保持し、かつ保存中の密封包装体内の二酸化炭素
濃度が8〜16%、酸素濃度が4〜14%であるイチゴ
の保存方法。。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イチゴの鮮度劣化
による食味の低下とカビの発生を防止するイチゴの保存
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イチゴは、食味特に酸味の低下と流通中
のカビの発生とツブレによる品質の低下により商品価値
を失い易い。販売形態としては、トレーにイチゴを盛
り、上からセロハンを掛けるだけの場合が多い。この形
態は、単に防カビのため湿度を高くしないようにしてい
るだけであり、常温で保存していることが多いため、こ
の形態でも下積みのイチゴにカビが発生している場合も
あり完全にカビを防いでいるとは言えない。品質低下の
中で、酸味の低下は、イチゴの老化・熟成に伴い発生
し、食味では甘いだけのボケた味になる。この防止のた
めには老化・熟成を抑制する必要がある。また、イチゴ
が熟すと果皮が軟らかくなるためカビを侵入し易くして
しまう。 これらの防止のためには、老化・熟成を抑制
するとともにカビの侵入を防止する必要がある。カビの
侵入を防止するためには、抗菌、イチゴ表面の被膜など
の処理をする方法があるが、食味が損なわれることもあ
り、満足するものはなかった。また、特開平4-341
139号公報には、窒素ガスまたは二酸化炭素ガス置換
により初期の酸素濃度を0.1〜10%にする方法でカット
野菜全般の鮮度保持方法が記載されており、その中にイ
チゴも含まれている。しかし、この方法は包装時の酸素
濃度を規定しているのみで、本願発明の保存中のガス濃
度の規定については記載されていない。さらに、特開昭
54−163846号公報には、果物類の包装を窒素濃
度90%,酸素濃度7〜3%、二酸化炭素濃度3〜7%
の混合ガスを700mm/g/cm2/hg以上の弱真
空で行う鮮度保持の方法が記載されている。しかし、イ
チゴの場合、この発明を適用しても鮮度保持の効果が少
なく、また3種混合ガスは費用がかかり、操作も容易で
はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カビ
の発生よる劣化を防止し、かつ食味を低下さないイチゴ
の保存方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、イチゴを合成
樹脂フィルムで包装し、初期の包装体内の二酸化炭素濃
度が30〜50%になるように二酸化炭素でガス置換し
て密封包装体にし、0〜13℃で保持し、かつ保存中の
密封包装体内の二酸化炭素濃度が8〜16%、酸素濃度
が4〜14%であることを特徴とするイチゴの保存方法
である。好ましくは、前記合成樹脂フィルムの酸素透過
量及び二酸化炭素透過量が、イチゴ1gあたり5〜15
cc/bag・atm・24hであり、前記合成樹脂フ
ィルムが、平均孔径20〜150μmの孔を有するイチ
ゴの保存方法である。更には、前記合成樹脂フィルム
が、平均孔径30〜100μmの孔を有するイチゴの保
存方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】カビはイチゴの赤い果皮が熟し軟
らかくなったときに果肉に侵入し繁殖するため、高二酸
化炭素状態は軟らかくなる前に果皮を引き締めて侵入を
阻止する効果があると考えられている。しかし20%以
上の二酸化炭素状態が続くと二酸化炭素が果肉に浸透
し、甘さを感じなくなりさらには舌がピリピリするなど
食味を損ない(食味異常)、また異臭も発生する。従っ
て食味の維持とカビ防止の為に包装時と保存中のガス濃
度条件を調整する必要が生じる。すなわち包装時の二酸
化炭素濃度は30〜50%で、0℃〜13℃で保存中は
二酸化炭素濃度を8〜16%、酸素濃度を4〜14%に
調整することが必要である。
【0006】包装時の包装体内のニ酸化炭素濃度が50
%を超えると翌日には異臭が発生し、食味の際舌がピリ
ピリし、二酸化炭素濃度が30%未満ではカビが発生す
る場合が有り果皮の引き締めには十分とは言えなかっ
た。 また包装時の酸素濃度に関してはガス置換時に無
酸素状態にならず、過剰に供給しなければ特に定めな
い。
【0007】保存中の包装体内の二酸化炭素濃度が8〜
16%、かつ酸素濃度が4〜14%を満たさなければ、
異臭の発生、食味の低下、あるいはカビの発生を生じ
る。二酸化炭素濃度が18%を超える状態では甘みの低
下が見られ、さらに高濃度になると舌がピリピリし、異
臭も発生しやすい。8%未満ではカビが発生する場合が
あり十分な効果が得られない。イチゴも呼吸により二酸
化炭素を発生しているためフィルムのガス透過量を調整
する事で二酸化炭素濃度10%程度に維持出来る。保存
中の酸素濃度に関しては、イチゴのカビ防止のために0
%の方が良いが、4%未満では食味の甘みが感じられな
くなる。酸素が存在する限り、カビが発生し易いが、包
装時にと保存中の二酸化炭素調整でカビを防止できる。
また、酸素濃度が14%を超えると袋内に供給される酸
素が多いため逆に二酸化炭素の排出が促進され二酸化炭
素濃度が8%以上を保持出来ずに食味の低下やカビを防
止する効果が出にくい。従って、本願発明の二酸化炭素
濃度と酸素濃度の関係は、食味(甘さ、酸味)維持や異
臭防止やカビ防止のためにお互いの長所を活かし短所を
補ったイチゴの保存に適した条件である。
【0008】本発明における保存温度は0〜13℃であ
る。0℃未満ではイチゴが凍結してしまい生の風味を損
なう。また13℃を超えると劣化が早く、鮮度保持期間
の延長は望めない。また、イチゴは急激な温度変化に弱
いため、販売が12℃程度であれば流通も5℃にせず、
9〜12℃程度で行い、流通が5℃であれば5℃程度で
販売するなど保存にはほぼ一定温度であることがが望ま
しい。また、本発明もイチゴの呼吸による二酸化炭素発
生に合わせたフィルムの透過量設定をしているため、温
度が急激に変化する場合、規定したガス状態を維持でき
ず、鮮度保持が難しくなる場合がある。
【0009】本発明における合成樹脂フィルムの酸素及
び二酸化炭素透過量は、イチゴ1gあたり5〜15cc
/bag・atm・24hであることが好ましい。酸素
透過量が5cc/bag・atm・24h未満では二酸
化炭素濃度が16%を超え食味の低下や異臭の発生を、
15cc/bag・atm・24hを超えた場合は供給
過多で酸素濃度濃度が14%を超え、逆に二酸化炭素の
排出が促進され食味維持やカビ防止に必要な二酸化炭素
濃度8%以上を維持出来なくなる。
【0010】通常フィルムのガス透過量を調節するには
フィルムの選択透過性を用いてフィルムの厚さを調節す
る方法とフィルム表面に微孔を設ける方法がある。実際
に使用するためには鮮度保持をする条件以外に、易包装
性、防曇性、価格などを考慮することが多く、さらには
目的のガス濃度に調整し易くするためには、微孔を設け
た有孔合成樹脂フィルムを用いることが好ましい。。
【0011】本発明に用いる合成樹脂フィルムとして
は、イチゴの包装に用いることのできるものであれはど
のようなものであっても差し支えないが、無延伸ポリプ
ロピレン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレン等が好ま
しく用いられるが、これ等以外のポリアミド、ポリエス
テル、ポリカーボネート等のフィルム、さらにはこれら
の複合フィルムであっても良く、さらには、これらのフ
ィルム表面に接着層を設けたものでも、防曇処理したフ
ィルムであっても何等差し支えはない。また、これらの
フィルムの厚さは20〜60μmのものが好ましい。さ
らに、これらのフィルムは透明であっても、不透明であ
っても良く、また表面に印刷を付したものであっても何
等差し支えはない。ただし、本発明のガス濃度を維持す
る為にはヒートシール性を有したフィルムでシールによ
り完全密封しなければならない。また、フィルムの透過
量はその材質によって一義的に決まっており、厚さに反
比例する。包装されるイチゴの重量に応じてその厚さを
調整することも可能であり、不足するときには20〜1
50μm、好ましくは30〜100μm程度の孔をフィ
ルムに数個〜数百個/m2設け、イチゴ1g当たりの酸
素及び二酸化炭素透過量が5〜15cc/bag・at
m・24hに調整することも可能である。
【0012】有孔フイルムで調整するときには、孔部の
平均径はできるだけ小さいことが望ましく、20〜15
0μm、好ましくは30〜100μm程度である。孔径
はできるだけ小さいことが望ましいが、20μm未満で
は有孔フイルムの生産性が低下する。また、平均孔径が
150μmを超えると、適正な開孔面積比率を得るに必
要な孔数が減少して、鮮度保持の品質精度に不安が生じ
る。また、孔の形状は、円形や四角または三角形など、
どのような形状であってもよく、長径方向の平均径が1
50μm以下であれば何等差し支えはないが、円形が開
孔作業性等の面より望ましい。また、イチゴ包装袋に用
いる有孔フイルムの袋当たりの孔の個数は開孔面積比率
と平均孔径より算出されるが、できる限り複数個とする
ことが望ましい。内容物の付着や外的条件たとえば値段
表の添付等で孔がふさがれてしまう場合があるので、鮮
度を保証するには複数個の孔が好ましく、さらに袋あた
り5個以上の孔をもち、孔1個あたりの影響度を20%
以下にすることが望ましい。また、イチゴの包装袋とし
ては、三方シール袋、四方シール袋またはガゼット袋な
どの形態の袋であっても何等差し支えなく、さらには、
トレー、カップ等にイチゴを充填し、これを包装袋で包
装する形態のものであってもよい。
【0013】ツブレの防止に関しては、本発明は特に定
めないが、容器の底にクッションを敷いたり、イチゴが
ぶつからないように容器をへこましたりしてもよい。
【0014】以下、実施例により本発明を説明する。
【実施例】《実施例1》内寸が200mm×200mm
で孔径60μmの孔を6個設けた、イチゴ1gあたりの
酸素透過量が10cc/bag・atm・24hの厚さ
30μmの延伸ポリプロピレン製の袋に、トレーに重な
らないように品種「とちおとめ」100gを並べて静置
した。包装時の二酸化炭素濃度を45%になるように導
入・調整し、ヒートシール後12℃で7日間保存し食味
とカビの有無を評価した。 《実施例2》実施例1と同じサイズで孔径60μmの孔
を3個設けた、イチゴ1gあたりの酸素透過量が5cc
/bag・atm・24hの厚さ30μmの延伸ポリプ
ロピレン製の袋に、実施例1と同様に品種「とちおと
め」100gを静置した。包装時の二酸化炭素濃度を4
0%になるように導入・調整し、ヒートシール後12℃
で7日間保存し食味とカビの有無を評価した。 《実施例3》実施例1と同じサイズで孔径60μmの孔
を10個設けた、イチゴ1gあたりの酸素透過量が15
cc/bag・atm・24hの厚さ30μmの延伸ポ
リプロピレン製の袋に、実施例1と同様に品種「とちお
とめ」100gを静置した。包装時の二酸化炭素濃度を
50%になるように導入・調整し、ヒートシール後12
℃で7日間保存し食味とカビの有無を評価した。 《実施例4》実施例1と同じサイズで孔径50μmの孔
を4個設けた、イチゴ1gあたりの酸素透過量が6cc
/bag・atm・24hの厚さ30μmの延伸ポリプ
ロピレン製の袋に、実施例1と同様に品種「女峰」10
0gを静置した。包装時の二酸化炭素濃度を45%にな
るように導入・調整し、ヒートシール後12℃で7日間
保存し食味とカビの有無を評価した。 《実施例5》実施例4と同じ袋に、実施例1と同様に品
種「とちおとめ」100gを静置した。包装時の二酸化
炭素濃度を45%になるように導入・調整し、ヒートシ
ール後5℃で7日間保存し食味とカビの有無を評価し
た。実施例1〜5の評価結果を表1に示す。
【0015】《比較例1》実施例1と同じサイズとフィ
ルムで作成した袋に、実施例1と同様に品種「とちおと
め」100gを静置した。包装時の二酸化炭素濃度を7
0%になるように導入・調整し、ヒートシール後12℃
で7日間保存し食味とカビの有無を評価した。 《比較例2》実施例2と同じサイズとフィルムで作成し
た袋に、実施例2と同様に品種「とちおとめ」100g
を静置した。包装時の二酸化炭素濃度を20%になるよ
うに導入・調整し、ヒートシール後12℃で7日間保存
し食味とカビの有無を評価した。 《比較例3》実施例1と同じサイズで孔径60μmの孔
を17個設けた、イチゴ1gあたりの酸素透過量が25
cc/bag・atm・24hの厚さ30μmの延伸ポ
リプロピレンで、実施例1と同様に品種「とちおとめ」
100gを充填した。包装時の二酸化炭素濃度を45%
になるように導入・調整し、ヒートシール後12℃で7
日間保存し食味とカビの発生の有無を評価した。 《比較例4》トレーに品種「とちおとめ」100gを静
置し、上からセロハンを掛けたものを5℃で7日間保存
し食味とカビの有無を評価した。 《比較例5》実施例2と同じサイズとフィルムで作成し
た袋に、実施例2と同様に品種「とちおとめ」100g
を静置した。包装時に二酸化炭素濃度10%、酸素濃度
10%になるように導入・調整し、ヒートシール後12
℃で7日間保存し食味とカビの有無を評価した。 《比較例6》実施例1と同じサイズで孔径60μmの孔
を14個設けた、イチゴ1gあたりの酸素透過量が20
cc/bag・atm・24hフィルムで作成した袋
に、実施例1と同様に品種「女峰」100gを静置し
た。包装時に二酸化炭素濃度40%になるように導入・
調整し、ヒートシール後12℃で7日間保存し食味とカ
ビの有無を評価した。 比較例1〜6の結果を表2に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】本発明の保存方法により、イチゴの食味
が低下することなく、かつカビの発生を防止できるよう
に保存できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イチゴを合成樹脂フィルムで包装し、初
    期の包装体内の二酸化炭素濃度が30〜50%になるよ
    うに二酸化炭素でガス置換して密封包装体にし、0〜1
    3℃で保持し、かつ保存中の密封包装体内の二酸化炭素
    濃度が8〜16%、酸素濃度が4〜14%であることを
    特徴とするイチゴの保存方法。
  2. 【請求項2】 合成樹脂フィルムの酸素透過量及び二酸
    化炭素透過量が、イチゴ1gあたり5〜15cc/ba
    g・atm・24hである請求項1記載のイチゴの保存
    方法。
  3. 【請求項3】 合成樹脂フィルムが、平均孔径20〜1
    50μmの孔を有する請求項1又は2記載のイチゴの保
    存方法。
  4. 【請求項4】 合成樹脂フィルムが、平均孔径30〜1
    00μmの孔を有する請求項1又は2記載のイチゴの保
    存方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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