JP2000210538A - 体液処理器の製造方法および体液処理器 - Google Patents

体液処理器の製造方法および体液処理器

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JP2000210538A
JP2000210538A JP11012462A JP1246299A JP2000210538A JP 2000210538 A JP2000210538 A JP 2000210538A JP 11012462 A JP11012462 A JP 11012462A JP 1246299 A JP1246299 A JP 1246299A JP 2000210538 A JP2000210538 A JP 2000210538A
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fiber membrane
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Kenji Yomo
健司 四方
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中空糸膜束の端面近傍において、隔壁端面の体
液と接触する領域内での中空糸膜の充填率が高い体液処
理器の製造方法を提供すること。 【解決手段】本発明は、基材と、かかる基材の一方の端
面に立設された多数の針状体を有する孔形成具を用いて
体液処理器1を製造することを特徴とする。血液透析器
(体液処理器)1は、中空糸膜束4を外筒3内に挿入す
る工程と、基材の端部に目止め剤が肉厚に塗布された孔
形成具を係合して中空糸膜束4の端部に多孔が形成され
た目止め層を形成する工程と、外筒3内にポッティング
剤を注入して、中空糸膜束4の端部でポッティング剤を
固化させることにより隔壁5を形成する工程と、中空糸
膜束4の端部と隔壁5の不要部分を切断、除去する工程
と、外筒3の端部にポート部材6を液密に取り付ける工
程とを行うことにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、中空糸膜を備えた
体液処理器の製造方法および体液処理器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】血液透析器、血液ろ過器、人工肺、血漿
分離器、血漿成分分離器等の体液処理器には、中空糸膜
を用いたものが知られている。この中空糸膜としては、
セルロースで構成されたものや、合成樹脂で構成された
もの(合成膜)などが知られている。
【0003】このような中空糸膜を用いた体液処理器で
は、中空糸膜束を筒状のハウジング内に収納し、中空糸
膜束の端部を隔壁に埋設、固定し、隔壁端面に中空糸膜
内腔を開口させて、中空糸膜の内腔と外側を区分して用
いられている。
【0004】この場合、中空糸膜の内腔と、中空糸膜の
外側とに、それぞれ異種の液体や気体を流し、それらの
間で物質交換をしたり、中空糸膜の細孔により濾過をす
ることによって、血液や血漿などの体液を処理し、老廃
物、毒物等の不要物の除去、酸素付加等の機能付与等を
行うことができる。特に血液透析や血漿分離において
は、通常、中空糸膜の内腔に体液を流通させる。
【0005】このとき、中空糸膜が体液と接触する隔壁
端面において、隔壁の体液と接触する領域内での中空糸
膜の充填率を高めることが望まれている。中空糸膜の内
腔が開口する隔壁端面において中空糸膜の充填率が低い
場合、中空糸膜が存在しない空間(以下、「デッドスペ
ース」という)が大きくなる。デッドスペースが大きく
なると、患者から体外に取り出される血液や血漿等の体
液の体外循環量が増え、患者の負担が大きくなる。ま
た、体液が血液の場合、デッドスペースに血液が滞留し
易くなる。血液が滞留した場合、血小板が活性化する傾
向があり、血液凝固が起こりやすくなる。
【0006】ところで、このような体液処理器では、中
空糸膜の内腔を流れる液体と、中空糸膜の外側を流れる
液体との混合を防止するため、中空糸膜束の端部は、ハ
ウジングの内部に形成された隔壁に埋設、固定されてい
る。また、この隔壁により、ハウジングの内部が複数の
空間に仕切られている。
【0007】この隔壁の形成は、製造時になされ、かか
る作業は、ポッティングと呼ばれている。
【0008】このポッティングは、例えば、ハウジング
が有する外筒内部の端部側に、ポッティング剤を注入
し、硬化させることによりなされる。これを詳述すると
例えば以下のようになる。
【0009】まず、内部に中空糸膜束を挿入した外筒
を回転させ、端部方向に遠心力を与える。外筒を回転
させつつ、外筒内に、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等の
硬化性の樹脂で構成されたポッティング剤を注入する。
このとき、外筒の端部方向に遠心力が加わっているの
で、ポッティング剤は外筒の端部に移動する。そして、
かかる端部では、ポッティング剤が、中空糸膜束を構成
する各中空糸膜の間に入り込む。次に、この状態を維
持してポッティング剤を硬化させる。これにより、隔壁
が形成される。次に、回転を終了させ、外筒端部の不
要なポッティング剤および中空糸膜束を切除する。
【0010】このポッティング操作において、中空糸膜
が通気性を有する場合、ポッティング剤を注入する前
に、予め中空糸膜束端部に開口した中空糸膜の内腔を目
止めしておく必要性が高い。これは、中空糸膜が通気性
を有している場合に起こる問題が発生するからである。
【0011】中空糸膜が通気性を有さなければ中空糸膜
束の両端部に同時にポッティング剤を注入すると、中空
糸膜の両端面がほぼ同時に閉塞され、通気性を有さない
中空糸膜の内腔内に空気が封入され、ポッティング剤が
遠心力により中空糸膜内腔内に進入するに従い中空糸膜
内腔の内圧が高くなるので、ポッティング剤は内圧と遠
心力とが平衡する位置までしか進入しない。このとき、
中空糸膜の外側では、中空糸膜内腔内のポッティング剤
の進入位置よりも中空糸膜束の長手方向の中心に近い位
置までポッティング剤が注入される。このようにして、
中空糸膜内腔内と中空糸膜の外側とでポッティング剤の
埋設される位置が異なるので、硬化したポッティング剤
により形成された隔壁を中空糸膜と共に双方の埋設位置
の間で切除すれば、隔壁の端面に中空糸膜の内腔が開口
した隔壁端面を形成することができる。
【0012】しかし、中空糸膜が通気性を有する場合、
上記の中空糸膜の内腔内に封入され内圧を高くすべき空
気が発散してしまい、中空糸膜内腔内の内圧が高くなら
ない。このため、結果的に、中空糸膜内腔内と中空糸膜
の外側のポッティング剤の埋設位置がほぼ同位置とな
り、硬化したポッティング剤により形成した隔壁の切除
位置の決定が困難となってしまう。さらには、隔壁をど
の位置で切除しても中空糸膜内腔が端面で開口せず、導
通できなくなるのである。
【0013】中空糸膜が通気性を有する場合、予め中空
糸膜束の端部で開口した中空糸膜の内腔を目止めしてお
くことにより、ポッティング操作において、中空糸膜内
腔内にポッティング剤が進入することがなく、硬化した
ポッティング剤の切除位置を任意に決定することができ
るようになる。
【0014】この目止めは、従来中空糸膜束の端部を少
量の目止め剤に浸漬することにより行われていた。この
目止め剤には、ポッティング剤に用いられるウレタン樹
脂やエポキシ樹脂等の硬化性樹脂が用いられる。
【0015】ところが、目止め剤に浸漬することにより
目止めをすると、中空糸膜束の端面近傍において、隔壁
端面の体液と接触する領域内での中空糸膜の充填率を高
めようとして、外筒内のポッティング部分の中空糸膜の
密度を高くした場合、ポッティングにおいて、ポッティ
ング剤が各中空糸膜間に十分に入っていかなくなる。
【0016】ポッティング剤が各中空糸膜間に十分に入
っていかないと、中空糸膜内腔を開口させる為に隔壁を
切除した場合、隔壁の中心部に隔壁の欠損が生じ、極端
な場合には中空糸膜が隔壁の外部に露出することもあ
る。
【0017】また、各中空糸膜間にポッティング剤が十
分に入っていないと、体液処理器の使用時に、リークの
原因となる。特に、このような体液処理器に湿熱滅菌を
施した場合、隔壁の欠損部分では、硬化したポッティン
グ剤と中空糸膜との熱膨張、収縮率の差異等により、中
空糸膜を破断するおそれがある。
【0018】また、ポッティング剤が、中空糸膜同士の
隙間に十分に入らないと、注入したポッティング剤が、
所定量注入予定位置まで注入されず、外筒の端部から溢
れ、外筒や、かかる外筒に連通するポートなどが汚れる
原因となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、中空
糸膜束の端面近傍において、隔壁端面の体液と接触する
領域内での中空糸膜の充填率を高めることができる体液
処理器の製造方法および体液処理器を提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0021】(1) 中空糸膜束を外筒内に挿入し、次
いで、前記中空糸膜束の端部に中空糸膜の目止めを行
い、その後、隔壁を形成し、前記中空糸膜束の端部を埋
設、固定する体液処理器の製造方法であって、前記隔壁
の形成に先立って、前記中空糸膜束の端部に多数の針状
体を刺し、前記中空糸膜束の端部の目止め層に多孔を形
成することを特徴とする体液処理器の製造方法。
【0022】(2) 前記中空糸膜束の端部から前記針
状体を抜いた状態で前記隔壁の形成を行う上記(1)に
記載の体液処理器の製造方法。
【0023】(3) 前記針状体の表面は、潤滑剤で被
覆されている上記(1)または(2)に記載の体液処理
器の製造方法。
【0024】(4) 前記中空糸膜束の中空糸膜が通気
性を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の
体液処理器の製造方法。
【0025】(5) 前記隔壁の形成は、前記外筒内に
ポッティング剤を注入して、前記中空糸膜束の端部で該
ポッティング剤を固化させることにより行う上記(1)
ないし(4)のいずれかに記載の体液処理器の製造方
法。
【0026】(6) 前記目止めは、ウレタンで構成さ
れた目止め剤を前記中空糸膜束の端部に供給することに
よりなされる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載
の体液処理器の製造方法。
【0027】(7) 前記隔壁を形成後、内部に環状の
シール部材を有するポート部材を、前記シール部材が前
記隔壁に密着するように、前記外筒の端部に装着する上
記(1)ないし(6)のいずれかに記載の体液処理器の
製造方法。
【0028】(8) 上記(1)ないし(7)のいずれ
かに記載の体液処理器の製造方法により製造されたこと
を特徴とする体液処理器。
【0029】(9) 前記中空糸膜束の少なくとも一方
の端面近傍において、前記隔壁の端面の液体と接触する
領域内での中空糸膜の充填率が、55〜85%である上
記(8)に記載の体液処理器。
【0030】(10) 上記(7)に記載の体液処理器
の製造方法で製造された体液処理器であって、前記中空
糸膜束の少なくとも一方の端面近傍において、前記シー
ル部材で囲まれる領域の中空糸膜の充填率が、55〜8
5%であることを特徴とする体液処理器。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す好
適実施例に基づいて詳細に説明する。以下の説明では、
本発明の体液処理器を、血液透析器(ダイアライザ−)
を代表として説明する。
【0032】図1は、本発明の血液透析器(体液処理
器)を示す斜視図、図11は、本発明の血液透析器を示
す縦断面図である。なお、図1では、血液透析器の一端
部を示しているが、他端部も一端部とほぼ同様の構成と
なっている。
【0033】これらの図に示すように、血液透析器1
は、血液透析器1の主要部を構成するほぼ円筒状のハウ
ジング2を有している。かかるハウジング2は、ほぼ円
筒状の外筒3と、ハウジング2内に装填された中空糸膜
束4と、中空糸膜束4のそれぞれの端部を埋設、固定す
る各隔壁5と、外筒3の両端部にそれぞれ液密に取り付
けられているポート部材6、6’とを有している。
【0034】外筒3は、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレー
ト、アクリル系樹脂、硬質ポリ塩化ビニル、スチレン−
ブタジエン共重合体樹脂、ポリスチレン等の各種硬質樹
脂で構成されている。
【0035】外筒3は、内部の視認性を確保するため
に、透明または半透明であることが好ましい。
【0036】この外筒3の長さは、特に限定されない
が、後述する製造方法により製造する場合には、50〜
500mm程度が好ましい。外筒3の長さをこの範囲内と
すると、後述する遠心によるポッティング剤の注入を好
適に行えるようになる。
【0037】また、外筒3の内径は、特に限定されない
が、例えば、10〜100mm程度が好ましい。
【0038】この外筒3の一端部近傍の側部には、透析
液が流出する透析液流出口31が突出形成されている。
また、外筒3の他端部近傍の側部には、透析液流出口3
1と同様の、透析液が流入する透析液流入口32が形成
されている。
【0039】外筒3内には、そのほぼ全長にわたり、多
数の中空糸膜41から構成された中空糸膜束4が、長手
方向に沿って収納されている。これら中空糸膜41の内
腔は、中空構造となっており、血液(被処理液)の流路
となる血液流路が形成されている。なお、各中空糸膜4
1の内腔は、その端部において開口している。
【0040】一方、外筒3内部の空間の各中空糸膜41
の外側には、中空糸膜41の外側を流れる透析液の流路
となる透析液流路が形成されている。透析液流入口32
から流入し、透析液流路を流れた透析液は、透析液流出
口31から流出する。
【0041】中空糸膜41は、例えば、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリア
ミド、ポリイミド、ポリエーテルナイロン、シリコー
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリカーボネート、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェ
ニレンオキシド、ポリエステル系ポリマーアロイ等の各
種合成樹脂、再生セルロース、セルロース誘導体などの
通気性を有するもので構成されていることが好ましい。
【0042】この中空糸膜束4を構成する中空糸膜41
の本数は、特に限定されないが、通常、100〜70,
000本程度とすることができる。
【0043】また、中空糸膜束4の有効膜面積は、特に
限定されないが、通常、0.1〜3m2程度とすることが
できる。
【0044】中空糸膜束4の両端部は、それぞれ、外筒
3の端部に形成された隔壁5によってそれぞれ埋設、固
定されている。これら隔壁5は、ハウジング2の内部を
複数の空間、具体的には、外筒3内部の空間と、ポート
部材6内部の空間と、ポート部材6’内部の空間とに仕
切っている。また、これら隔壁5の端面(隔壁端面)で
は、中空糸膜束4の中空糸膜41の内腔(中空部)が開
口している。
【0045】この隔壁5は、例えば、ポリウレタン、シ
リコーン、エポキシ樹脂のようなポッティング材で構成
されている。その中でも隔壁5は、生体に対する為害性
の低さ、製造時の作業性のよさの観点からポリウレタン
が好ましい。
【0046】外筒3の一端部には、ポート部材6が装着
されている。図2、図3に示すように、ポート部材6の
頂部には、血液が流入する流入ポート61が突出形成さ
れている。
【0047】このポート部材6の内部上面は、流入ポー
ト61に向かって収斂するような漏斗状となっている。
これにより、血液がポート部材6の内面に沿って円滑に
流入することができる。
【0048】また、ポート部材6の内部には、弾性材料
よりなる円環状のOリング(シール部材)7が設けられ
ている。このOリング7は、隔壁5に液密に密着してい
る。Oリング7の内側には、Oリング7と隔壁5とポー
ト部材6の内壁とで画成された血液流入室62が形成さ
れている。このため、流入ポート61から流入した血液
は、かかる血液流入室62を通り、中空糸膜束4の端面
から血液流路内に入る。このとき、隔壁5により、血液
流入室62に流入した血液と外側を流れる透析液の混合
が防止される。
【0049】したがって、中空糸膜41の内腔(血液流
路)に血液を、外側(透析液流路)に透析液を流す(通
過させる)ことにより、それらの間で物質交換が行わ
れ、血液透析を行うことができる。
【0050】この血液透析を行う際、前述したように、
隔壁端面の血液(液体)と接触する領域内(中空糸膜束
4の端面近傍において、隔壁5の血液(液体)と接触す
る領域内)での中空糸膜41の充填率は、高いことが好
ましい。具体的には、隔壁5の端面の血液に接触する部
分で、中空糸膜束4の中空糸膜41の充填率が、55〜
85%程度であることが好ましく、55〜72%程度で
あることがより好ましく、57〜65%程度であること
がさらに好ましい。中空糸膜41の充填率がこの範囲未
満であると、血液の体外循環量がふえ、また、前述した
ように、中空糸膜41が存在しない部分に血液が停留
し、かかる血液が凝固もしくは溶血する可能性もある。
一方、中空糸膜41の充填率がこの範囲を超えると、中
空糸膜41の横断面形状が変形し、糸つぶれ等により透
析の効率が悪くなる場合がある。すなわち、中空糸膜4
1の充填率を上述した範囲内とすると、より高い透析の
効率を有する血液透析器1が得られる。
【0051】隔壁端面の血液と接触する領域とは、具体
的には、Oリング7で囲まれる領域をいう。したがっ
て、隔壁端面の血液と接触する領域内での中空糸膜41
の充填率は、例えば以下の式で求められる。 充填率 = (中空糸膜束4の端面近傍での中空糸膜4
1一本あたりの外径の平均断面積 × 中空糸膜の本数
/ Oリング7で囲まれる領域の面積) ×100 ここで、中空糸膜束4の端面近傍での中空糸膜41一本
あたりの外径の平均断面積は、例えば、(中空糸膜束4
の端面近傍での中空糸膜41の平均外径/2) 2 ×3.
14により求めることができる。また、Oリングで囲ま
れる領域の面積は、例えば、Oリングの内径をDとする
と、(D/2)2 ×3.14により求めることができ
る。
【0052】なお、血液透析器がOリング(シール部
材)を有していない場合には、前述した充填率を求める
式では、隔壁端面の血液と接触する領域の面積が、「O
リングで囲まれる領域の面積」に相当する。例えば、ポ
ート部材6は、その内部にエッジを有し、かかるエッジ
が血液流入室62を仕切っている場合には、かかるエッ
ジの内側の領域の面積が前記「Oリングで囲まれる領域
の面積」に相当する。
【0053】なお、外筒3の他端部には、ポート部材6
とほぼ同様のポート部材6’が取り付けられている。か
かるポート部材6’の内部には血液流入室62と同様の
構成の血液流出室64が形成されており、また、ポート
部材6’の頂部には、中空糸膜41の内腔(血液流
路)、血液流出室64を通過した血液が流出する流出ポ
ート63が突出形成されている。なお、ポート部材6’
はポート部材6とほぼ同様の構成となっているので、そ
の説明を省略する。
【0054】なお、上述したシール部材(Oリング)の
形状は、ハウジングの形状により、円環状以外の形状と
してもよい。
【0055】このような血液透析器1は、例えば以下の
方法で製造することができる。
【0056】以下の方法で血液透析器1を製造する際に
は、例えば、図4に示すような孔形成具11が用いられ
る。以下、血液透析器1を製造するに先立って、まず、
孔形成具11について説明する。
【0057】孔形成具11は、基材111と、かかる基
材111の一方の端面(以下、「立設面112」とい
う)に立設された多数の針状体12とで構成されてい
る。
【0058】この基材111は、ほぼ円柱状をなしてお
り、針状体12を支持している。この基材111は、中
空糸膜束4の外径とほぼ同様の直径、あるいは、中空糸
膜束4の外径より若干大きい直径を有していることが好
ましい。基材111がこのような直径を有していると、
血液透析器1を製造する際に、取り扱いが容易となる。
【0059】この基材111の構成材料としては、例え
ば、鉄、しんちゅう、銅等またはそれらの合金(ステン
レス等)などの各種金属、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリア
リルエーテルケトンなどの各種樹脂などが挙げられる。
この中でも、後述するポッティング剤14と基材111
との接着を防止する観点からは、基材111は、ポリテ
トラフルオロエチレン等の接着性の低い材料で構成され
ていることが好ましい。
【0060】この基材111を構成する材料が、後述す
る目止め剤と接着性を有する場合には、立設面112
は、後述する目止め層14と基材111との剥離を容易
にする離型層が形成されていることが好ましい。これに
より、後述する工程[4A]において目止め剤を硬化さ
せた後、孔形成具11を目止め層15すなわち中空糸膜
束4から容易に引き離すことができるようになる。この
離型層は、例えば、立設面112に離型剤(例えばパラ
フィン等)を塗布すること、または、接着性の低い材料
(例えばポリテトラフルオロエチレン等)で立設面11
2を被覆すること等により形成される。
【0061】針状体12は、血液透析器1を製造する際
に、中空糸膜束4の端部に刺し(その際、針状体12
が、中空糸膜41間に介挿される)、中空糸膜束4の端
部に形成される目止め層(目止めされた部分)15に多
孔を形成するために用いられる。かかる観点からは、針
状体12は、以下の特性を有していることが好ましい。
【0062】針状体12は、細径であることが好まし
い。細径の針状体を用いると、中空糸膜束4の端部近傍
での中空糸膜41の充填率を高めることができる。すな
わち、針状体12を細径とすることにより、針状体12
を中空糸膜束4の端部に刺したとき、各中空糸膜41間
の間隔が広がって、中空糸膜束4の端部近傍での中空糸
膜41の充填率が低下することが、効果的に抑制され
る。
【0063】かかる観点からは、針状体12の直径は、
針状体12や中空糸膜41の材質、中空糸膜41の充填
密度などによっても若干異なるが、0.2〜1mm程度で
あることが好ましく、0.3〜0.8mm程度であること
がより好ましい。直径がこの範囲の下限値未満である
と、針状体12は、強度が不足する場合がある。一方、
直径がこの範囲の上限値を超えると、中空糸膜束4の端
部近傍での中空糸膜41の充填率を高めた場合に、針状
体12を中空糸膜束4の端部に刺すことにより、各中空
糸膜41間の間隙が広がり、中空糸膜束4の端部近傍で
の中空糸膜41の充填率が低下するおそれがある、ある
いは、針状体12を中空糸膜束4の端部に刺すことが困
難となる場合がある。
【0064】また、針状体12の先端は、偏平になって
いることが好ましい。例えば、針状体12の先端が鋭利
であり、先端部の直径が中空糸膜41の内腔の直径より
も小さいと、針状体12の先端が中空糸膜41の内腔に
入ってしまい、目止めした効果が得られなくなる場合が
ある。これに対し、偏平であれば、この可能性が減少
し、針状体12を好適に各中空糸膜41と41の間に挿
入することができるようになる。
【0065】また、針状体12同士の間隔は、特に限定
されないが、1〜10mm程度であることが好ましく、2
〜6mm程度であることがより好ましい。針状体12同士
の間隔がこの範囲の下限値未満であると、前記と同様、
中空糸膜束4の端部近傍での中空糸膜41の充填率を高
めた場合に、針状体12を中空糸膜束4の端部に刺すこ
とにより、各中空糸膜41間の間隙が広がり、中空糸膜
束4の端部近傍での中空糸膜41の充填率が低下するお
それがある。一方、上限値を超えると、形成される孔の
数が少なくなり、隔壁5を形成する際(後述する工程
[8A]参照)にポッティング剤14が各中空糸膜41
の間隙に必要量入っていかなくなるおそれがある。ある
いは、針状体12を中空糸膜束4の端部に刺すことが困
難となる場合がある。
【0066】また、針状体12の長さは、特に限定され
ないが、2〜10mm程度であることが好ましく、4〜8
mm程度であることがより好ましい。針状体12の長さが
この範囲の下限値未満であると、形成される多孔が形成
される目止め層15(後述する工程[4A]参照)を貫
通しなくなる可能性がある。一方、この範囲の上限値を
超えると、針状体12は、抜去する際に抜去が困難とな
る場合がある。
【0067】針状体12は、中空糸膜束4の端部に刺す
際に必要とされる強度を確保する観点からは、例えば、
鉄、コバルト、クロム、チタン等またはそれらの合金
(ステンレス等)などの各種金属、ポリイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトンなど
の各種樹脂で構成されていることが好ましい。
【0068】また、針状体12の表面は、パラフィン、
フルオロカーボン、シリコーン、フッ素系樹脂などの潤
滑剤で被覆されていることが好ましい。これにより、針
状体12を中空糸膜束4の端部へ刺す操作、針状体12
を中空糸膜束4から引き抜く操作を、より円滑に行うこ
とができるようになる。
【0069】このような孔形成具11を用いて血液透析
器1を、例えば以下のようにして製造することができ
る。以下、図4〜図10および図1に基づいて説明す
る。
【0070】[1A]まず、外筒3と中空糸膜束4とを
用意し、かかる中空糸膜束4を、外筒3内に挿入する。
このとき、図4に示すように、中空糸膜束4の端部を外
筒3の端部から突出させる。
【0071】[2A]次に、孔形成具11の立設面11
2に未硬化の目止め剤を肉厚に塗布する。
【0072】この未硬化の目止め剤の粘度は、高いこと
が好ましい。特に、かかる目止め剤の粘度は、後述する
未硬化のポッティング剤の粘度よりも高いことが好まし
い。これにより、目止め剤が、中空糸膜41の内腔に吸
収されることが効果的に防止される。
【0073】かかる観点からは、目止め剤の粘度は、
1,000〜50,000cps (25℃)程度が好まし
く、5,000〜20,000cps (25℃)程度がよ
り好ましい。
【0074】目止め剤としては、例えば、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、シアノアクリレート系樹脂などが挙
げられる。
【0075】[3A]次に、図5に示すように、孔形成
具11の立設面112が中空糸膜束4の端部にほぼ密着
するように、中空糸膜束4の端部に針状体12を刺す。
これにより、針状体12が中空糸膜41間に挿入され
る。また、目止め剤が、中空糸膜束4の端面に接触す
る。
【0076】このとき、中空糸膜束4の端部近傍は、テ
ープ等により束ねられていることが好ましい。これによ
り、中空糸膜束4に針状体12を刺したときに、各中空
糸膜41の間隙が広がって、中空糸膜束4の端部近傍で
の中空糸膜41の充填率が低下することが防止される。
なお、針状体12を刺してからテープ等で中空糸膜束4
の端部近傍を束ねても良い。
【0077】また、このとき、必要に応じ、孔形成具1
1を振動させてもよい。これにより、中空糸膜41間へ
針状体12を挿入することが、より円滑にできるように
なる。
【0078】[4A]次に、上記[3A]の状態をしば
らくの間維持し、目止め剤を硬化させ、図5に示すよう
に、中空糸膜束4の端部に目止め層15を形成する。
【0079】これにより、中空糸膜41が目止めされ
る。また、針状体12が目止め層15を貫通し、中空糸
膜束4に刺さっているので、目止め層15には、多孔1
6が形成される。この多孔16は、後述する工程[8
A]において、ポッティング剤14を好適に中空糸膜4
1間の間隙に供給する観点からは、目止め層15を貫通
していることが好ましい。
【0080】[5A]次に、孔形成具11を中空糸膜束
4から引き抜くことにより、針状体12を中空糸膜束4
の端部から抜く。これにより、図6に示すように、多孔
16が開口する。
【0081】このとき、前記工程[3A]と同様に、孔
形成具11を振動させつつ引き抜いてもよい。
【0082】[6A]次に、図7に示すように、外筒3
の端部にカップ状の冶具13を嵌合させ、液密に取り付
ける。
【0083】[7A]次に、外筒3を遠心機(図示せ
ず)にセットし、外筒3の端部方向に遠心力Fがかかる
ように、外筒3を回転させる。
【0084】このときの回転数の好適な範囲は、例え
ば、500〜1,200rpm 程度とされ、より好適な範
囲は、700〜1,000rpm 程度とされる。このよう
に、本方法では、比較的低い回転数で、外筒3を回転さ
せることもできる。これは、中空糸膜束4の目止め層1
5に多孔16が形成されているため、次に説明する工程
[8A]で、ポッティング剤14が中空糸膜41同士の
隙間に円滑に入っていくことによる。
【0085】[8A]次に、外筒3を回転させたまま、
透析液流出口31より液状のポッティング剤14を外筒
3内に注入する。
【0086】このとき、外筒3の端部方向に遠心力Fが
かかっているので、注入されたポッティング剤14は、
外筒3内を端部方向に移動し、図8に示すように、冶具
13内部を満たす。
【0087】ポッティング剤14は、透析液流出口31
の近傍にポッティング剤14の液面141が来るまで注
入する。
【0088】このとき、ポッティング剤14の粘度は目
止め剤の粘度よりも相対的に低いので、ポッティング剤
14は、中空糸膜41の内腔に入りやすいが、中空糸膜
41は目止め層15により目止めされているので、中空
糸膜41の内腔にポッティング剤が入っていくことは防
止される。
【0089】一方、中空糸膜束4の目止め層15には、
多孔16が形成されているので(前記[4A]参照)、
ポッティング剤14は、中空糸膜41同士の隙間に、円
滑に入り込む。
【0090】従来は、外筒3の端部で、中空糸膜束4の
中空糸膜41の充填率を高めようとして、中空糸膜41
の充填密度を高めると、ポッティング剤14が中空糸膜
41と中空糸膜41との間にうまく入って行かず、隔壁
5の欠損、リークの原因となっていた。
【0091】しかし、本発明の方法を用いると、前記
[4A]の工程で、目止めをした中空糸膜束4の端部、
すなわち目止め層15に多孔が形成されているので、ポ
ッティング剤14が、中空糸膜41と中空糸膜41との
間に円滑に入っていく。
【0092】これにより、中空糸膜束4の充填率を上げ
ても、後述する隔壁5が、従来の方法よりも確実に形成
される。このため、隔壁5に、欠損等が生じることが防
止される。
【0093】また、ポッティング剤14が、中空糸膜4
1同士の隙間に、十分に入り込むことにより、注入した
ポッティング剤14が外筒3の端部から溢れ、外筒3の
内部や透析液流出口31等を汚すことも防止される。
【0094】したがって、本発明の方法を用いることに
より、中空糸膜束4の端面近傍で中空糸膜の充填率を高
めることができ、かつ、血液や透析液等のリークがより
確実に防止される血液透析器1を得ることができる。
【0095】なお、ポッティング剤14としては、例え
ば、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など
が挙げられる。
【0096】また、外筒3内へ注入するときのポッティ
ング剤14の粘度の好適な範囲は、300〜5,000
cps 程度とされ、より好適な範囲は、500〜2,00
0cps 程度とされる。このように、本方法によれば、中
空糸膜束4の目止め層15に多孔16が形成されている
ので、ポッティング剤14として比較的粘度の高いもの
を用いたとしても、中空糸膜41同士の隙間にポッティ
ング剤14を入り込ませることができる。
【0097】[9A]次に、ポッティング剤14を透析
液流出口31の近傍まで注入したら、そのまま外筒3の
回転を維持する。
【0098】これにより、冶具13の内部空間、外筒3
内および中空糸膜束4の各中空糸膜41の形状に対応し
てポッティング剤が硬化し、外筒3の端部に隔壁5が形
成される。また、中空糸膜束4の端部が隔壁5に埋設、
固定される。
【0099】[10A]次に、ポッティング剤14が硬
化してから、遠心を止め、外筒3を遠心機から取り出
す。これにより、図9に示すように、外筒3の端面から
中空糸膜束4および隔壁5が突出した状態の外筒3が得
られる。
【0100】[11A]次に、外筒3の端面から突出し
た中空糸膜束4および隔壁5の不要部分を切断、除去す
る。
【0101】これにより、図10に示すように、中空糸
膜束4の各中空糸膜41内腔の中空が端面に開口し、中
空糸膜束4の端部が隔壁5に埋設、固定され、隔壁5が
外筒3の内部と外部とを仕切っている状態の外筒3が得
られる。
【0102】[12A]次に、ポート部材6を外筒3の
端部に装着することにより、ポート部材6を外筒3に液
密に取り付ける。
【0103】なお、上記工程は、外筒3の他端部(流出
ポート側)でも同様に行われる。これにより、図1に示
すような血液透析器1が得られる。
【0104】なお、上記工程[2A]を行わず、すなわ
ち、針状体12を中空糸膜束4の端部に刺す前に目止め
剤を基材111の立設面112に塗布せず、上記工程
[3A]において、孔形成具11の立設面112が中空
糸膜束4の端面から一定距離離間するように針状体12
を刺し、かかる立設面112と中空糸膜束4の端面との
間に目止め剤を注入することにより、中空糸膜束4の端
面に目止め層15を形成し、中空糸膜41の目止めを行
ってもよい。この場合、低粘度の目止め剤を用いると、
好適に中空糸膜41の目止めを行うことができる。
【0105】また、血液透析器1を、孔形成具11を用
いて、例えば以下のようにして製造することもできる。
以下、血液透析器1の他の製造方法について、上述した
製造方法との相違点を中心に、共通する事項は省略して
説明する。
【0106】まず、前記工程[1A]を行う。 [2B]次に、中空糸膜束4の端部に未硬化の目止め剤
を塗布する。
【0107】[3B]次に、図5に示すように、中空糸
膜束4の端部の目止め剤が塗布された部分に針状体12
を刺す。 [4B]次に、上記[3B]の状態をしばらくの間維持
し、目止め剤を硬化させ、図5に示すように、目止め層
15を形成する。
【0108】[5B]次に、孔形成具11を中空糸膜束
4から引き抜くことにより、針状体12を中空糸膜束4
の端部から抜く。その後、前記と同様の工程を行う。
【0109】なお、目止め剤が硬化してから、針状体1
2を、中空糸膜束4の端部の目止め部分に刺して、多孔
16を形成してもよい。この場合、パラフィン、ポリエ
チレン等を目止め剤とすることが好ましい。
【0110】以上、本発明を添付図面に示す好適実施例
に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるも
のではない。
【0111】例えば、中空糸膜束4の端部は、目止め剤
を用いずに、中空糸膜束4の端部を加熱溶融して固化さ
せることにより、中空糸膜41の目止めを行ってもよ
い。この場合、例えば、孔形成具11を加熱することに
より目止めを行ってもよい。
【0112】また、上述した実施例では、針状体12を
目止めされた部分から抜くことにより針状体12を除去
していたが、例えば、針状体12を溶剤等で溶かすこと
により除去してもよい。
【0113】さらには、上述した血液透析器では、血液
を中空糸膜の内側に流し、透析液を中空糸膜の外側に流
すようにしたが、透析液を中空糸膜の内側に流し、血液
を中空糸膜の外側に流すようにしてもよい。
【0114】また、上述した実施例では、血液透析器を
体液処理器の代表として説明したが、本発明を他の体液
処理器、例えば、血液ろ過器、人工肺、血漿分離器、血
漿成分分離器等に用いてもよいことは言うまでもない。
【0115】
【実施例】(実施例1)以下のようにして、血液透析器
を製造した。
【0116】<1A>まず、ポリカーボネートで構成さ
れた透明な外筒と、ポリスルホンで構成され、両端部が
テープで束ねられた中空糸膜束を用意し、この用意した
中空糸膜束を、外筒内に挿入した。
【0117】なお、中空糸膜束を構成する中空糸膜の本
数は10,000本であり、端面近傍での平均外径は2
90μm であり、有効膜面積は1.5m2であった。ま
た、外筒の長さは250mmであり、端部内径は、45mm
であった。
【0118】<2A>次に、円柱状(直径は外筒の内径
とほぼ同じ)の基材(ステンレス製)を有し、かかる基
材の一方の端面に先端が扁平なステンレス針が多数立設
された孔形成具の、ステンレス針が立設された面(立設
面)に目止め剤を肉厚に塗布した。この孔形成具は2個
用意し、両者についてこの作業を行った。
【0119】かかるステンレス針の直径は0.3mmであ
り、長さは6mmであり、ステンレス針同士の間隔は4mm
であった。これらステンレス針の表面は、パラフィン
(潤滑剤)でコートされていた。
【0120】また、基材の立設面には、あらかじめポリ
テトラフルオロエチレン微粒子(離型剤)を塗布し、離
型層を形成しておいた。また、目止め剤には、粘度1
0,000cps の未硬化のウレタンを用いた。
【0121】<3A>次に、孔形成具の立設面が中空糸
膜束の端部にほぼ密着するように、孔形成具を適宜振動
させつつ、中空糸膜束の端部にステンレス針を刺した。
この作業は、中空糸膜束の両端部でそれぞれ行った。
【0122】<4A>次に、この状態でしばらくの間放
置し、目止め剤を硬化させた。 <5A>次に、孔形成具をそれぞれ中空糸膜束から引き
抜いた。 <6A>次に、外筒の両端部に、それぞれ冶具を液密に
取り付けた。 <7A>次に、外筒を遠心機にセットし、外筒を800
rpm で回転させ、外筒の端部方向に遠心力をかけた。
【0123】<8A>次に、外筒を回転させたまま、外
筒の透析液流入口および透析液流出口から、液面がそれ
ぞれ透析液流入口および透析液流出口の近傍に達するま
で、ポッティング剤を外筒内に注入した。
【0124】ポッティング剤には、主剤と硬化剤よりな
る未硬化のウレタンを用いた。また、このポッティング
剤の粘度は、1,200cps (40℃)であった。
【0125】<9A>次に、しばらくの間、そのまま外
筒の回転(遠心)を続けた。 <10A>次に、ポッティング剤が硬化してから、遠心
機の回転を止め、外筒を遠心機から取り出した。
【0126】<11A>次に、外筒の両端部について、
それぞれ、外筒の端面から突出した中空糸膜束および硬
化したポッティング剤(隔壁)の不要部分を切断、除去
した。
【0127】<12A>次に、内部にシリコーンゴム製
のOリング(内径37mm)が装着されたポート部材を、
外筒の両端部に、それぞれ液密に取り付けた。
【0128】これにより、血液透析器を得た。得られた
血液透析器では、中空糸膜束の端面近傍においてOリン
グで囲まれる領域、すなわち中空糸膜束の端面近傍にお
いて隔壁の血液と接触する領域内での中空糸膜の充填率
は、61%であった。
【0129】(実施例2)以下に記載の事項以外は前記
と同様にして、血液透析器を製造した。 <1B>まず、前記と同様に、中空糸膜束を、外筒内に
挿入した。 <2B>次に、中空糸膜束の両端部に未硬化の目止め剤
を塗布した。 <3B>次に、中空糸膜束の両端部の目止め剤が塗布さ
れた部分に、孔形成具を適宜振動させつつ、中空糸膜束
の両端部にステンレス針をそれぞれ刺した。
【0130】<4B>次に、この状態でしばらくの間放
置し、目止め剤を硬化させた。 <5B>次に、各孔形成具を中空糸膜束から引き抜い
た。 その後、前記と同様の操作を行った。これにより、血液
透析器を得た。
【0131】得られた血液透析器では、中空糸膜束の端
面近傍においてOリングで囲まれる領域、すなわち中空
糸膜束の端面近傍において隔壁の血液と接触する領域内
での中空糸膜の充填率は、61%であった。
【0132】(評価1)実施例1、2で得られた各血液
透析器に対して、湿熱滅菌を行った後、次のようにして
各血液透析器の液体のリークの有無を確認した。
【0133】まず、中空糸膜に50%エタノール水溶液
を含浸した(50%エタノール水溶液を膜の微細孔に充
填した)。次に、この50%エタノール水溶液を水に置
換した。次に、透析液流入口および透析液流出口を開放
し、また、ポート部材の流出ポートを閉じた。次に、ポ
ート部材の流入ポートより空気を送り、中空糸膜内腔の
圧力(内圧)を2.0kg/cm2 に高めた後、流入ポート
側の送気経路を閉じて、圧力の変化を測定することによ
り、リークの有無を確認した。その結果、全ての血液透
析器において、リークは確認されなかった。
【0134】(評価2)実施例1、2の上記<11A>
およびこれと同様の工程において、遠心終了後、各外筒
の内部、透析液流入口および透析液流出口の汚れの有無
を確認したところ、いずれも汚れは確認されなかった。
【0135】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、中
空糸膜束の端面近傍において、隔壁の液体と接触する領
域内で高い中空糸膜の充填率を有する体液処理器を提供
することができる。これにより、体液の体外循環量の少
ない優れた体液処理器を得ることができる。
【0136】また、本発明の体液処理器で例えば血液等
を処理した場合、体液処理器の内部での血液等の滞留を
抑制することができ、血液の凝固や溶血が起こりにくく
なる。すなわち、本発明によれば、血液等の体液にダメ
ージを与えることなく処理することができる体液処理器
を提供することができる。
【0137】また、本発明によれば、体液等のリークが
起こりにくい体液処理器を提供することができる。
【0138】さらに、本発明によれば、体液処理器の製
造時に、外筒内部や、そこに連通する通液口等が汚れる
ことを、防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血液透析器を示す斜視図である。
【図2】図1に示す血液透析器のポート部材を示す平面
図である。
【図3】図1に示す血液透析器のポート部材を示す縦断
面図である。
【図4】本発明の血液透析器の製造方法を説明するため
の斜視図である。
【図5】本発明の血液透析器の製造方法を説明するため
の斜視図である。
【図6】本発明の血液透析器の製造方法を説明するため
の斜視図である。
【図7】本発明の血液透析器の製造方法を説明するため
の斜視図である。
【図8】本発明の血液透析器の製造方法を説明するため
の斜視図である。
【図9】本発明の血液透析器の製造方法を説明するため
の斜視図である。
【図10】本発明の血液透析器の製造方法を説明するた
めの斜視図である。
【図11】本発明の血液透析器を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 血液透析器 2 ハウジング 3 外筒 31 透析液流出口 32 透析液流入口 4 中空糸膜束 41 中空糸膜 5 隔壁 6、6’ ポート部材 61 流入ポート 62 血液流入室 63 流出ポート 64 血液流出室 7 Oリング 11 孔形成具 111 基材 112 立設面 12 針状体 13 冶具 14 ポッティング剤 141 液面 15 目止め層 16 多孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C077 AA03 AA05 BB01 CC01 EE01 EE03 KK02 KK17 KK23 LL05 NN01 PP03 PP14 PP16 PP24 4D006 GA13 HA02 HA18 JA02B JA13C JA23A JA23C JA25B JA25C JB05 JB06 LA03 MA01 MA33 MC12 MC16 MC22 MC23 MC30 MC39 MC46 MC47 MC48 MC49 MC54 MC58 MC61 MC62X MC63 MC65 PB09 PC41 PC47 PC48

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空糸膜束を外筒内に挿入し、 次いで、前記中空糸膜束の端部に中空糸膜の目止めを行
    い、 その後、隔壁を形成し、前記中空糸膜束の端部を埋設、
    固定する体液処理器の製造方法であって、 前記隔壁の形成に先立って、前記中空糸膜束の端部に多
    数の針状体を刺し、前記中空糸膜束の端部の目止め層に
    多孔を形成することを特徴とする体液処理器の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記中空糸膜束の端部から前記針状体を
    抜いた状態で前記隔壁の形成を行う請求項1に記載の体
    液処理器の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記針状体の表面は、潤滑剤で被覆され
    ている請求項1または2に記載の体液処理器の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記中空糸膜束の中空糸膜が通気性を有
    する請求項1ないし3のいずれかに記載の体液処理器の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記隔壁の形成は、前記外筒内にポッテ
    ィング剤を注入して、前記中空糸膜束の端部で該ポッテ
    ィング剤を固化させることにより行う請求項1ないし4
    のいずれかに記載の体液処理器の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記目止めは、ウレタンで構成された目
    止め剤を前記中空糸膜束の端部に供給することによりな
    される請求項1ないし5のいずれかに記載の体液処理器
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の体
    液処理器の製造方法により製造されたことを特徴とする
    体液処理器。
  8. 【請求項8】 前記中空糸膜束の少なくとも一方の端面
    近傍において、前記隔壁の端面の液体と接触する領域内
    での中空糸膜の充填率が、55〜85%である請求項7
    に記載の体液処理器。
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