JP2000211545A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 走行車両の操向駆動装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジング内に、前後進走行方向及び走行速度を決定するための走行駆動HSTと、左右旋回方向及び旋回角度を限定するためのステアリングHSTと、左右一対の車軸に連動連結される差動装置とを収納しており、該走行駆動HST及び該ステアリングHSTはそれぞれ、油圧ポンプ、油圧モータ、及び該油圧ポンプと該油圧モータとを流体的に結合する油路からなり、それぞれの油圧モータの出力軸を該差動装置に連動連結して、該左右一対の車軸を操向駆動する走行車両の操向駆動装置において、両HSTの油路を共通のセンタセクション内に形成し、両HSTの油圧ポンプ及び油圧モータを共通のセンタセクション上に設置したことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項2】 請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記センタセクションを平板状としたことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項3】 請求項2記載の走行車両の操向駆動装置において、前記センタセクションはハウジング内に水平に配置され、該センタセクション上下いずれか一側の面に両HSTを取り付け、HSTと反対側にはハウジング内に伝動系を配置したことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項4】 請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HST及びステアリングHSTのうち少なくとも一方の油圧ポンプのポンプ軸にチャージポンプを設け、その吐出ポートを前記センタセクション内の両HSTの油路にそれぞれ連通したことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項5】 請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧ポンプのポンプ軸及び前記ステアリングHSTの油圧ポンプのポンプ軸に、それぞれチャージポンプを設け、その吐出ポートの各々を前記センタセクション内の両HSTの油路にそれぞれ連通したことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項6】 請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧モータと前記ステアリングHSTの油圧ポンプとを、互いに近接させて、かつ、該油圧モータのモータ軸と該油圧ポンプのポンプ軸が平行となるよう、並置したことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項7】 請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTが平面視で前記車軸と直角になるよう配置され、前記ステアリングHSTは平面視で前記車軸と平行に配置されることを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項8】 請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧ポンプ及び油圧モータが前記ハウジングの一側の側部に配置され、該ステアリングHSTの油圧ポンプ及び油圧モータが該ハウジング前部又は後部に配置されたことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二つのハイドロスタティックトランスミッション(以下「HST」と略す。)を連結して、一方は走行用、他方はステアリング(操向)用として、左右一対の車軸を駆動しかつ操向できるようにした構成とした走行車両において、該走行車両の操向操作性を向上させ、かつ、装置のコンパクト化を図るための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、二つのHSTを左右に連結して、それぞれのHST式変速装置から車軸を両側方に突出して、両車軸の端部に車輪を固定し、前記HST式変速装置の斜板の角度を変更して、左右の車輪を駆動するようにした技術が公知となっている。
例えば、米国特許第4782650の技術である。
該技術において、直進走行する場合には左右のHSTの走行速度を同じとし、旋回する場合は左右の車輪の走行速度が異なるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来の操向駆動装置を具備した走行車両は、左右のHST式変速装置の出力回転をまったく一致させないと、正確に直進することができず、従って出荷時の調整に手間がかかっていた。また、油圧ポンプや油圧モータの容量に差があると、左右いずれに旋回するかで旋回フィーリングが異なることとなって、大変操縦しにくいものとなっていたのである。
また、旋回しながら作業する場合は、上記のような従来の走行車両は旋回半径が大きく、例えば、木立の周りの芝刈り等の場合は、同じ位置を何度も走行して作業する必要があって、作業効率が悪くなっていたのである。従って、旋回半径を小さくできる技術が要望されていたのである。
【0004】
また、同時に、よりコンパクト性が高い操向駆動装置の技術も要望されていたのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、ハウジング内に、前後進走行方向及び走行速度を決定するための走行駆動HSTと、左右旋回方向及び旋回角度を限定するためのステアリングHSTと、左右一対の車軸に連動連結される差動装置とを収納しており、該走行駆動HST及び該ステアリングHSTはそれぞれ、油圧ポンプ、油圧モータ、及び該油圧ポンプと該油圧モータとを流体的に結合する油路からなり、それぞれの油圧モータの出力軸を該差動装置に連動連結して、該左右一対の車軸を操向駆動する走行車両の操向駆動装置において、両HSTの油路を共通のセンタセクション内に形成し、両HSTの油圧ポンプ及び油圧モータを共通のセンタセクション上に設置したものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、該センタセクションを平板状としたものである。
【0007】
請求項3においては、請求項2記載の走行車両の操向駆動装置において、前記センタセクションはハウジング内に水平に配置され、該センタセクション上下いずれか一側の面に両HSTを取り付け、HSTと反対側にはハウジング内に伝動系を配置したものである。
【0008】
請求項4においては、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HST及びステアリングHSTのうち少なくとも一方の油圧ポンプのポンプ軸にチャージポンプを設け、その吐出ポートを前記センタセクション内の両HSTの油路にそれぞれ連通したものである。
【0009】
請求項5においては、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧ポンプのポンプ軸及び前記ステアリングHSTの油圧ポンプのポンプ軸に、それぞれチャージポンプを設け、その吐出ポートの各々を前記センタセクション内の両HSTの油路にそれぞれ連通したものである。
【0010】
請求項6においては、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧モータと前記ステアリングHSTの油圧ポンプとを、互いに近接させて、かつ、該油圧モータのモータ軸と該油圧ポンプのポンプ軸が平行となるよう、並置したものである。
【0011】
請求項7においては、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTが平面視で前記車軸と直角になるよう配置され、前記ステアリングHSTは平面視で前記車軸と平行に配置されるものである。
【0012】
請求項8においては、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧ポンプ及び油圧モータが前記ハウジングの一側の側部に配置され、該ステアリングHSTの油圧ポンプ及び油圧モータが該ハウジング前部又は後部に配置されたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の操向駆動装置を具備するモアトラクタの全体的な構成を示した側面図、図2はモアトラクタの第一変形例を示した図、図3はモアトラクタの第二変形例を示した図である。
【0014】
最初に、本発明をモアトラクタに適用した実施例の全体構成について説明する。
即ち、このモアトラクタ1は、車両シャーシ12の前部上にフロントコラム13が立設され、該フロントコラム13上にステアリング操作手段たるステアリングハンドル14が突設される。該フロントコラム13の側部には変速操作手段としての変速ペダル15と図略のブレーキペダルが配置される。
【0015】
上記変速ペダル15は、中途部を枢支されたシーソー式とし、前後二つの踏面部を有し、前側を踏むと前進し、後側を踏むと後進するようにし、また、その踏み込み量に応じて増速できるようにしている。そして該変速ペダル15には、該ペダル15を中立(停止)位置に付勢するための図略の戻しバネが介装される。
【0016】
該シャーシ12の前下部の左右両側には、従動前輪としてキャスター輪16を一ずつ配設している。本実施例ではこのキャスター輪16は左右に一ずつ配設する構成としているが、前部中央に一のみ配置する構成としてもよいし、三つ以上配設してもよい。
【0017】
該シャーシ12前部上にはエンジン11が配置されて、該エンジン11はボンネットで覆われる。該シャーシ12の後部上方には座席17が配置され、該シャーシ12の中途部下方にはモア9が配置される。
該モア9は機体1の前後略中央に位置させていわゆるミッドマウント式としており、少なくとも一の回転刃を内蔵したケース19を具備し、図略の伝動軸やプーリー・ベルト等を介して、上記エンジン11の動力にて駆動される。また、該モア9は、リンク機構を介して昇降可能としている。
エンジン11は出力軸11aが鉛直下方に突出するバーチカル型としており、図略のプーリー・ベルト等を介して、シャーシ後部に配置される操向駆動装置2に動力を伝達している。該操向駆動装置2は機体1左右に配置される走行駆動輪43・43を左右一対の車軸40・40を介して駆動する。走行駆動輪43・43はシャーシ後部に支持する構成として、いわゆるリア駆動方式としている。
【0018】
但し、以上の走行車両の構成は一例であって、これに限定するものではない。例えば、図2に示す第一変形例のモアトラクタのように構成することもできる。 この第一変形例に係るモアトラクタ1aについて説明する。即ち、このモアトラクタ1aは、車両シャーシ12' の前部上にステップ12sを前方に突出するように設け、該ステップ12sの前部上にはフロントコラム13が立設され、該フロントコラム13上にステアリングハンドル14が突設される。該フロントコラム13の側部には変速ペダル15とブレーキペダルが配置される。
上記ステアリングハンドル14・変速ペダル15の構成は、図1に示すモアトラクタ1のそれと同様である。該シャーシ12' の後下部には、従動後輪としてキャスター輪16を左右一ずつ配設している。
【0019】
該シャーシ12' 後部上にはエンジン11が配置されて、該エンジン11はボンネットで覆われる。該シャーシ12' の中途部下方にはモア9が配置され、該モア9はシャーシ12' 前後略中央(走行駆動輪43・43より後方)に位置させていわゆるミッドマウント式としている。該モア9の構成は、上述の図1に示すモアトラクタ1のそれと同様である。
エンジン11は出力軸11aが鉛直下方に突出するバーチカル型としており、図略のプーリー・ベルト等を介して、シャーシ12' 前部に配置される操向駆動装置2に動力を伝達している。該操向駆動装置2は機体1a左右に配置される走行駆動輪43・43を車軸40・40を介して駆動する。走行駆動輪43・43はシャーシ前部に支持する構成として、いわゆるフロント駆動方式としている。
【0020】
また、以下に示すような第二変形例のモアトラクタとすることもできる。
即ち、図3に示すこのモアトラクタ1bは、モア9の配置のみが前述の第一変形例に係るモアトラクタ1aと異なるものであって、モア9はシャーシ12' の前方(走行駆動輪43・43より前方)に配置する、いわゆるフロントマウント方式としているのである。
【0021】
次に、以上のモアトラクタに具備される操向駆動装置2の構成について、説明する。
図4は本発明の操向駆動装置の全体的な構成を示した平面断面図、図5は図4におけるX−X断面矢視図、図6は図4におけるY−Y断面矢視図である。
また、図7はセンタセクション及び該センタセクション内の油路の構成を示した平面図である。
図8は操向駆動装置のスケルトン図である。
【0022】
即ち、この操向駆動装置2は、図4に示すように一つのハウジング23内に機体を前後進させるための走行駆動HST21と機体を旋回させるためのステアリングHST22と、遊星ギア装置により構成される差動装置5と、左右一対の車軸40L・40R、及び、これらを相互に連結するドライブトレーンが配置される構成としている。
【0023】
該ハウジング23内には、フラット(平板)型のセンタセクション51が水平方向に収納されており、平面視において互いに直角な平板状の左右部51x及び前後部51yを一体的に形成した構成として、該ハウジングの後部壁及び一側側壁に沿うようにして平面視逆「L」字状となるようにしている。
前記走行駆動HST21とステアリングHST22は、それぞれ一対の油圧ポンプと油圧モータ(52・53、71・72)が、上記センタセクション51上に、垂直な回転軸線をもつように配置される構成としている。
尚、走行駆動HST21はハウジング23の一側(本実施例では右側)側壁に沿うように前記センタセクション51の前後部51y上に配置され、ステアリングHST22はハウジング23の後部壁に沿うように、前記センタセクションの左右部51xに配置される。
また、両HST21・22を構成する二対の油圧ポンプと油圧モータ(52・53、71・72)は該センタセクション51上面に付設される構成とする一方、該センタセクション51下方には、両HST21・22の油圧モータ53・72のモータ軸54・77を差動装置5に連動連結するための歯車等からなる伝動系が配置される。
【0024】
走行駆動HST21の油圧ポンプ52のポンプ軸25はハウジング23上方に突出され入力軸を兼ねることとし、該入力軸25の突出部分には入力プーリー27が配置され(図5)、該入力プーリー27には図略のベルトが巻回され、エンジン11の出力軸11aに固定される図略の出力プーリーと連動連結される。また、該入力軸25のハウジング23上方突出部分にはファン42が固設される。
【0025】
前記ハウジング23は、図5に示すように上下のケース半部を水平面で平坦な周囲の接合面23aで互いに接合することにより構成され、該接合面23aにおいて後述の軸105と走行伝動軸93の軸受部が設けられている。車軸40L・40Rの軸受部は接合面より上方に偏位させて回転自在に支持している。
尚、図5に示すように、該接合面23aは、センタセクション51の上面(即ち、HST取付面)から下方に距離hだけオフセットされた構成としているが、図19に示すように、両面を略同じ高さに揃えた構成(即ち、h=0)とすることもできる。また、接合面23aを車軸40L・40Rの軸心と同じ高さとすることも可能である。この場合にセンタセクション51を下側のケースに固定して下から順に組み立てるようにすることができる。
これは、該接合面23aを上方に変位させたり、センタセクション51の厚さを変更したり、センタセクションの取付け高さを変更すること等により可能である。
【0026】
そして、前記車軸40L・40Rの各々は上記の遊星ギアを用いた差動装置5によって差動的に結合され、その両端がハウジング23の左右外側方へ突出されている。該差動装置5は、平面視においてセンタセクションの前後部51yと反対側の側部であって、また、左右部51xの前方側に配置されることとしている。
【0027】
ただし、以上に示した二つのHST21・22及び差動装置5の配置は一例であって、例えば平面視で前後が逆となるよう構成したり、左右逆に構成することもできる。
【0028】
次に機体を前後進駆動させるための走行駆動HST21について詳述する。
この走行駆動HST21は油圧ポンプ52と油圧モータ53よりなり、油圧ポンプ52はセンタセクション51の前後部51y上面にポンプ付設面が形成され、その中央に前記ポンプ軸となる入力軸25が垂直方向に支持されて、図5に示すように該入力軸25にシリンダブロック44を嵌合してポンプ付設面上に回転摺動自在に配置し、該シリンダブロック44内に付勢バネを介して複数のピストン45・45・・・を往復動自在に嵌合し、該ピストン45・45・・・の頭部には可動斜板57が当接されている。可動斜板57を傾動操作することで、油圧ポンプ52からの油の吐出量及び吐出方向を変更できるようにしている。
【0029】
この可動斜板57を傾動操作するために、ハウジング23の側壁には車軸40と平行にコントロール軸59が支持され(図4)、該コントロール軸59のハウジング23内の部分には図略の中立戻しバネが外嵌されて可動斜板57を中立位置となるように付勢し、中立位置の調整もできるようにしている。ハウジング23外のコントロール軸59上にはコントロールアーム60を固設し、リンク機構を介してレバーやペダル等の変速操作手段、本実施例では前記変速ペダル15と連結している。
【0030】
以上のように構成することにより、変速ペダル15を回動することによってコントロールアーム60が回動されて、コントロール軸59の回動によって可動斜板57が傾動操作されて、油圧ポンプ52からの作動油の吐出方向及び吐出量を変更することができる。
【0031】
前記油圧ポンプ52からの圧油はセンタセクション51内の第一油路51a(図7)を介して油圧モータ53に送油される。該油圧モータ53の構成は、センタセクション51のポンプ付設面より平面視で車軸40Rを挟んで後方(図4における下方、図5における左方)の位置にモータ付設面が構成され、該モータ付設面にシリンダブロック63が回転自在に支持されている(図5)。該シリンダブロック63の複数のシリンダ孔内には付勢バネを介して複数のピストン64・64が往復動自在に嵌合され、該ピストン64の頭部は固定斜板65に接当されている。そして、シリンダブロック63の回転軸心上にはモータ軸54が一体的に垂直に配置されて相対回転不能に係止されて、油圧モータ53を構成している。
上記油圧ポンプ52と油圧モータ53の間のセンタセクション51下方を前記車軸40が通過する構成として、コンパクトとなるようにしている。ただし、車軸はセンタセクション51の上面を通過させる構成とすることもできる。
【0032】
前記モータ軸54はセンタセクション51を貫通して下方に突出され(図5)、該モータ軸54の該突出部分にはステアリング駆動ギア160及びベベルギア61が固設される。
このうちステアリング駆動ギア160は、後述するステアリングHST22の油圧ポンプ71の入力軸26に固設された入力ギア161に噛合されて、該油圧ポンプ71を駆動する。
そして、該ベベルギア61は、ハウジング23内に車軸40と平行に軸支された走行伝動軸93に固設されたベベルギア62と噛合して、該走行伝動軸93を駆動する。該走行伝動軸93には駆動ギア69が形設されており(図4)、該駆動ギア69により後述する差動装置5のサンギア95がセンターギア94を介して駆動される。
該走行伝動軸93にはブレーキ装置110が設けられて(図4)、該装置を操作するためのブレーキアーム111、リンク等を介して上述のブレーキペダルに連結される。
【0033】
次に、機体を旋回させるためのステアリングHST22について詳述する。
このステアリングHST22は図4に示すように油圧ポンプ71と油圧モータ72よりなり、油圧ポンプ71はセンタセクション51上面の上記走行駆動HST21より後方位置にポンプ付設面が形成され、その中央に入力軸26が垂直方向に支持される。該入力軸26はセンタセクション51下方に突出され、該突出部分には上記の入力ギア161が固定されて、該入力ギア161には走行駆動HST21の油圧モータ53の駆動力がステアリング駆動ギア160を介して伝達される。
【0034】
該入力軸26にはシリンダブロック46が嵌合されてポンプ付設面上に回転摺動自在に配置し(図5)、該シリンダブロック46内に付勢バネを介して複数のピストン47・47・・・を往復動自在に嵌合し、該ピストン47・47・・・の頭部には可動斜板76が当接されている。可動斜板76を傾動操作することで、油圧ポンプ71からの油の吐出量及び吐出方向を変更できるようにしている。
【0035】
この可動斜板76を傾動操作するために、ハウジング23の天井面にはコントロール軸73が垂直支持され、該コントロール軸73のハウジング23内の部分には図略の中立戻しバネが外嵌されて可動斜板76を中立位置となるよう付勢し、中立位置の調整もできるようにしている。ハウジング23外のコントロール軸73上にはコントロールアーム74を固設し(図4)、リンク機構を介してステアリング操作手段、本実施例では前記ステアリングハンドル14と連結している。
【0036】
以上のように構成することにより、ステアリングハンドル14を回動することによってコントロールアーム74が回動されて、コントロール軸73の回動によって可動斜板76が傾動操作されて、油圧ポンプ71からの作動油の吐出方向及び吐出量を変更することができる。
【0037】
前記油圧ポンプ71からの圧油はセンタセクション51内の第二油路51bを介して油圧モータ72に送油される。該油圧モータ72の構成は図4・図6に示すように、センタセクション51上面の上記ポンプ付設面より平面視左方位置にモータ付設面が構成され、該モータ付設面上にシリンダブロック80が回転摺動自在に支持されている。該シリンダブロック80の複数のシリンダ孔内には付勢バネを介して複数のピストン82・82・・・が往復動自在に嵌合されている。該ピストン82・82・・・の頭部は可動斜板85に接当している。そして、シリンダブロック80の回転軸心上にモータ軸77を一体的に垂直に配置して相対回転不能に係止して、可動斜板型の油圧モータ72を構成している。
【0038】
そして、この油圧モータ72側の可動斜板85を傾動操作するために、ハウジング23の側面にはコントロール軸86が車軸40と直角に水平支持され、ハウジング23外のコントロール軸86上にはコントロールアーム87を固設している(図4)。該コントロールアーム87は可動斜板85を任意の傾斜位置で固定できるようにしている。
【0039】
そして、該コントロールアーム87は図外のリンク機構により、上記の走行駆動HST21の油圧ポンプ52の可動斜板57を傾動するコントロールアーム60に連係される。
上記コントロールアーム87が回動されると、コントロール軸86の回動によって可動斜板85が傾動操作されて、油圧モータ72のモータ軸77の回転速度及び回転方向が変更される。
尚、上記のリンク機構は、変速ペダル15を前進側に踏み込んで、上記走行駆動HST21の油圧ポンプ52の可動斜板57が傾斜されて機体が増速された場合は、それとともにステアリングHST22の油圧モータ72の可動斜板85をも傾斜するようにしている。このことにより、ステアリングハンドル14を同一量だけ回動しても、該可動斜板85が傾斜することにより、高速走行時には該油圧モータ72のモータ軸77の回転数が抑制されるようにしている。
即ち、機体が高速走行中の場合は、ステアリングハンドル14の回動による応答性を弱める(つまり、ハンドル14の利きを鈍くする)ようにしているのであり、一般にオペレータが恐怖心を感じることが多い高速走行時の急旋回が、容易に行われないようにしており、操作時にオペレータが恐怖心を起こしにくいような構成としている。
【0040】
前記モータ軸77はセンタセクション51を貫通して下方に突出され(図6)、該下端にはベベルギア104が固設される。該ベベルギア104の下方には軸105が前記車軸40と平行に配置されて、該軸105上には二つのベベルギア106・106が遊転可能に配置される。両ベベルギア106・106は上記モータ軸77に関して左右対称に配置されて、両者ともに該モータ軸77上のベベルギア104と噛合している。
従って、油圧モータ72からの出力回転はベベルギア104から上記ベベルギア106・106に分岐されて伝達され、左右のベベルギア106・106は互いに逆方向に回転される。
そして二つのベベルギア106・106には、伝動ギア107・107がそれぞれ固設され、該伝動ギア107・107は上記走行伝動軸93に左右一対で遊転可能に配置された減速ギア108・108と噛合される。
【0041】
該減速ギア108・108は大小の二連ギアとしており、大径ギアは上記伝動ギア107・107と噛合され、小径ギアは後述する差動装置5のインターナルギア98・98の外周面に刻設されるギア99・99に噛合されている。
【0042】
次に、左右の車軸40L・40Rを差動的に結合する差動装置5の構成について、主に図4・図6・図8を用いて説明する。
即ち、前記走行駆動HST21の油圧モータ53の出力回転を減速して動力を伝達する駆動ギア69に車軸40L・40Rと同一軸心上に相対回転自在に配置したセンターギア94が噛合され、該センターギア94の回転中心にはサンギア95が相対回転不能にスプライン嵌合される。
【0043】
該サンギア95には、センターギア94を挟んで左右にそれぞれ複数個配置されたプラネタリギア96・96・・・が噛合され、該プラネタリギア96・96・・・は左右のキャリア97・97に支持されて、該キャリア97・97はそれぞれ左右の車軸40L・40Rに相対回転不能に取り付けられる。
プラネタリギア96・96・・・は更に外側において左右のインターナルギア98・98に噛合されており、該インターナルギア98・98の外周面にはそれぞれギア99・99が刻設され、上記減速ギア108・108の小径ギアとそれぞれ噛合されている。
【0044】
このような構成において、走行駆動HST21の油圧モータ53からの駆動力はベベルギア61・62→走行伝動軸93→駆動ギア69→センターギア94と伝達されて、サンギア95を駆動する。一方、ステアリングHST22の油圧モータ72からの駆動力はベベルギア104から二つのベベルギア106・106へと分岐され、一方は正回転、他方は逆回転となって、左右の減速ギア108・108を介して左右のインターナルギア98・98を互いに逆方向に駆動する。
【0045】
従って、左右いずれか一方のプラネタリギア96・96には、サンギア95の回転に該プラネタリギア96・96と同じ側のインターナルギア98の回転が加算されて伝達される一方、他方のプラネタリギア96・96には、サンギア95の回転に該プラネタリギア96・96と同じ側のインターナルギア98の回転が減算されて伝達される。
従って、左右のプラネタリギア96・96・・・をそれぞれ支持する左右のキャリア97・97の回転数に差が生じて、車軸40L・40Rの回転数の差となって機体が旋回されるのである。
【0046】
次に、両HST21・22の内部の油の漏れを補う等のための、チャージ回路の構成について詳述する。
図9はセンタセクションに付設されたチャージポンプの構成を示した底面一部断面図、図10は両HSTの油圧回路図である。
また、図11はステアリングHSTに導かれるチャージ油を、ハウジング外部を通過するように構成した変形例の油圧回路図、図12はチャージ油を一旦ハウジング外に導き、冷却した後両HSTに供給するように構成した変形例の油圧回路図、図13はチャージ油をステアリングHSTに導くための経路を、センタセクション内に形設した油路とした場合のセンタセクションの構成を示した平面図、図14はチャージポンプをエンジンの出力軸から駆動されるよう構成した変形例の油圧回路図である。
【0047】
まず、両HST21・22内のそれぞれの油路51a・51bにチャージ油を供給する、チャージポンプの構成について説明する。即ち図5に示すように、走行駆動HST21の油圧ポンプ52のポンプ軸(入力軸)25はセンタセクション51を貫通して下方に突出され、該突出部分にチャージポンプ300が設けられる。
該チャージポンプ300は、センタセクション51の走行駆動HST21の油圧ポンプ52付設面の反対側の面にチャージポンプ付設面を設け、該付設面にチャージポンプケース301を配置してハウジング23内の油溜まりに浸漬させ、該ケース301内に図9に示す如くインナーロータ302とアウターロータ303を互いに係合させて収納し、該インナーロータ302には上記ポンプ軸25が相対回転不能に挿嵌されている。
チャージポンプケース301には吸入ポート304及び吐出ポート305が設けられる。該吸入ポート304にはストレーナ306が設けられる。
【0048】
以上構成において、ポンプ軸25がエンジン11の駆動力を受けて回転すると、インナーロータ302が駆動され、アウターロータ303も駆動される。両者302・303は互いに偏心回転させることとして、両者間にできる間隙の容積に一定位置で差を生じさせることにより、吸入ポート304では吸い込みが連続的に行われ、吐出ポート305では吐出しが連続的に行われる。
【0049】
上記吐出ポート305は、図7に示す如く、センタセクション内の第一油路51a・51aを連結する通路308に連通される。また、チャージポンプケース301には、チャージ圧を設定するリリーフバルブ307が設けられる(図5・図9)。
また、該第一油路51a・51aの入口部分にはチャージチェックバルブ309・309が設けられ(図9)、チャージポンプ300により吐出された作動油は、該チャージチェックバルブ309・309のうちいずれか一を通過して、低圧側の油路51aに供給される。
【0050】
また、該通路308はセンタセクション51外に配設した経路310を介して、センタセクション51の第二油路51b・51bを連結する通路311に連通される。該第二油路51b・51bの入口部分にはチャージチェックバルブ312・312が設けられており、チャージポンプ300により吐出された作動油は、該経路310を通過して、該チャージチェックバルブ312・312のうちいずれか一を通過して、低圧側の油路51bに供給される。
【0051】
また、図7においては省略されているが、両HSTの油路51a・51bには、それぞれリリーフバルブ313・314が設けられ(図10)、急加速時・急減速時等、回路に急激な負荷等が作用した場合には高圧側の油路からドレーンさせることとして、回路の故障を防ぐこととしている。
【0052】
尚、ステアリングHST22にチャージ油を供給するための上記経路310は、ハウジング23内部に配設した配管としてもよいし、外部に配設した配管としてもよい。尚、外部配管とした場合は、該配管を作動油が通過する際に外気による冷却がされた後ステアリングHST22に油が供給されるので、ステアリングHST22内の油温上昇による効率低下等を抑制することができる。
また、図11に示すように、外部配管中途にオイルクーラー、フィン等の冷却装置315を設ける構成とすることもでき、この場合は更なる冷却効果が期待できる。
【0053】
また、チャージポンプ300の吐出ポート305は走行駆動HST21の通路に直接連通されているが、図12に示すように、チャージポンプの吐出ポートから吐出された油を直接走行駆動HST21側の通路308に導かずに、一旦ハウジング23外部に導いてから、分岐して両通路308・311に流入させる構成とすることも可能である。具体的には、例えば、前記吐出ポート305をチャージポンプケース301下面に設け、該吐出ポートに配管を連結してハウジング23外部に引き出す等とすればよい。
更に、ハウジング23外部の配管に冷却装置315を設ける構成とすることもできる。
この構成により、ステアリングHST22の冷却効果だけでなく、走行駆動HST21の冷却効果をも期待することができ、油温上昇によるHST21・22のトラブルをより効果的に抑制することが可能である。
【0054】
また、図13に示す如く、前記第一油路51aを連結する通路と、前記第二油路51bを連結する通路とを、センタセクション51内部に形設した油路319を介して連通する構成としてもよい。この場合は配管を設ける必要がないので、他の装置(例えば伝動系等)との干渉を考慮する必要がないので、結果として構成が簡素な、コンパクトな操向駆動装置を提供できる。
【0055】
更に図14に示すように、チャージポンプ300をエンジン11の出力軸11aに設ける構成とすることもできる。
この場合はチャージポンプ300が操向駆動装置2に内設される構成でなく、外部に別途設ける構成のため、該装置2のハウジング23内からチャージポンプ300へ作動油を導き、あるいはチャージポンプから両HST21・22内の回路に導くための配管は必ずハウジング23外部を通過することとなるので、作動油の冷却効果が期待できることとなる。また、操向駆動装置2自体は、チャージポンプがない分だけ軽量化・コンパクト化を図ることができる。
また、ハウジング23外側の配管に上記と同様に冷却装置を設けることも可能で、この場合は冷却効果のいっそうの向上を図ることが可能である。
【0056】
尚、以上に示した操向駆動装置2は、ステアリングHST22の油圧ポンプ71のポンプ軸(入力軸)26は、走行駆動HST21の油圧モータ53のモータ軸54に連動連結されて、該油圧モータ53の駆動力が伝達されてステアリングHST22を駆動する、いわゆるディペンデント(従属)型の駆動構成とされるが、以下の構成により、ステアリングHST22の油圧ポンプ71のポンプ軸(入力軸)26が、走行駆動HST21の油圧ポンプ52のポンプ軸(入力軸)25同様に、エンジンからの駆動力を受けて駆動される、いわゆるインディペンデント(独立)型の駆動構成とすることも可能である。
この構成について以下に説明する。
図15は両HSTのポンプ軸が独立にエンジンからの駆動力を受けて駆動される、いわゆるインディペンデント型の駆動構成とした場合の、操向駆動装置の全体構成を示した平面図、図16は図15におけるX−X断面矢視図である。
また、図17はインディペンデント型の駆動構成とした場合の操向駆動装置のスケルトン図である。また、図18はインディペンデント型の駆動構成とした場合において、両HSTのポンプ軸にチャージポンプを取り付けた場合の油圧回路図である。
尚、図15におけるY−Y断面矢視図は、前述のディペンデント型の構成例のそれ(図6)とまったく同様に現れる。
【0057】
即ち、このインディペンデント型の駆動構成は、前述のディペンデント型の駆動構成と、以下の点で異なるものである。
つまり、上記ステアリングHST22の油圧ポンプ71の入力軸26と、走行駆動HST21の油圧モータ53のモータ軸54とを連動連結するステアリング駆動ギア及び入力ギア(図5における符号160・161)が取り外されて、両軸26・54は互いに別個独立に回転可能としている。
そして図16に示す如く、ステアリングHST22の油圧ポンプ71の入力軸26はハウジング23上方に突出され、該突出部分には第二入力プーリー28及びファン42が固定される。
該第二入力プーリー28、走行駆動HST21の油圧ポンプ52の入力軸25に設けられるプーリー27、及びエンジン11の出力軸11aに設けられる出力プーリーには、図略のベルトが巻回されて、両軸25・26が独立してエンジン11からの駆動力を得て駆動されるようにしている。
【0058】
ステアリングHST22の油圧モータ72の可動斜板85を傾動操作するコントロールアーム87と、走行駆動HST21の油圧ポンプ52の可動斜板57を傾動するコントロールアーム60とを連係するリンク機構は、上述のディペンデント型の構成におけるそれとは異なる構成とする必要がある。
即ち、インディペンデント型の駆動構成においては、前進時においてステアリングハンドル14の左右旋回操作方向と機体の旋回方向とが一致するよう、走行駆動HST21とステアリングHST21の油圧モータ53・72の各出力回転方向をあわせた場合においては、後進時にステアリングハンドル14を同様に回動すると、反対方向に旋回してしまうのである。例えば、後進時にステアリングハンドル14を左に回動すると、機体1が右方向に旋回してしまうのである。
これは、通例の自動車の操作感覚とは正反対のものであって、該感覚に慣れたオペレータにとっては、強い違和感を覚えるものとなる。従って、上述のリンク機構は、高速走行時の急旋回を抑制するという目的を達成できるものであると同時に、上記の後進時の逆旋回の問題をも解決できるようにしている。
その他の駆動構成は、上述のディペンデント型の構成とまったく同様である。
【0059】
尚、この構成は、上記ステアリング駆動ギア及び入力ギアが取り外されたことに伴い、ステアリングHST22の油圧ポンプ71の下方にスペースが生まれることとなる。
従って、該スペースに別途チャージポンプを配設して第二チャージポンプ320として(図16)、図18に示すように二つのチャージポンプ300・320によりチャージ油を供給する構成としている。第二チャージポンプ320の構成は前記チャージポンプ300とまったく同様に、インナーロータとアウターロータによる構成としている。
この場合は、図18のように、二つのHST21・22に導かれる経路それぞれチャージ圧設定用のリリーフバルブ307・307' を設け、両HST21・22で異なるチャージ圧を設定することができる構成となり、両HST21・22の容量に差を設ける場合等に有用である。
【0060】
ただし、このチャージ回路は一例であって、他の構成とすることもできる。
例えば、このインディペンデント型においても、前述のディペンデント型と同様、エンジン11の出力軸11aにチャージポンプ300を設ける構成や、作動油を一旦ハウジング23の外に導いて冷却装置を通過させて冷却し、その後にセンタセクション51内の両油路51a・51bに供給する構成とすることも可能である。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏するのである。
即ち、請求項1に示す如く、ハウジング内に、前後進走行方向及び走行速度を決定するための走行駆動HSTと、左右旋回方向及び旋回角度を限定するためのステアリングHSTと、左右一対の車軸に連動連結される差動装置とを収納しており、該走行駆動HST及び該ステアリングHSTはそれぞれ、油圧ポンプ、油圧モータ、及び該油圧ポンプと該油圧モータとを流体的に結合する油路からなり、それぞれの油圧モータの出力軸を該差動装置に連動連結して、該左右一対の車軸を操向駆動する走行車両の操向駆動装置において、両HSTの油路を共通のセンタセクション内に形成し、両HSTの油圧ポンプ及び油圧モータを共通のセンタセクション上に設置したので、部品点数が少なくなり、組み立ての手間が低減される。また、コンパクト性の高い操向駆動装置が提供できるのである。
【0062】
請求項2に示す如く、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、該センタセクションを平板状としたので、HSTを構成する複数の油圧ポンプ・油圧モータを納まり良く整列させて取り付けることが可能である。また、センタセクションの製作も容易にできる。従って、あまりスペースを取らずにハウジングに収容できることとなり、操向駆動装置ひいては走行車両のコンパクト化が可能となる。
【0063】
請求項3に示す如く、請求項2記載の走行車両の操向駆動装置において、該センタセクションはハウジング内に水平に配置され、該センタセクション上下いずれか一側の面に両HSTを取り付け、HSTと反対側にはハウジング内に伝動系を配置したので、HSTと伝動系がすっきりと整理され、簡潔な構成とすることができ、また、メンテナンス性を向上することができたのである。
【0064】
請求項4に示す如く、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HST及びステアリングHSTのうち少なくとも一方の油圧ポンプのポンプ軸にチャージポンプを設けたので、通常は伝動のためのギア等を設ける必要がないポンプ軸にチャージポンプを取り付ける構成となっており、該ギア等との干渉を考慮する必要がないのである。
また、上述のようにギア等を設ける必要がないのが通例であるので、ポンプ軸の周囲はスペースが空きやすいが、該スペースにチャージポンプを取り付けることでデッドスペース化を防止しており、結果としてコンパクトな操向駆動装置が提供できるのである。
また、該チャージポンプの吐出ポートをセンタセクション内の両HSTの油路にそれぞれ連通したので、チャージポンプからの油が両油路に供給されるので、回路内の不足した油が補充され、また、両HSTの低圧側の油路の圧力が保持され、更には回路中の作動油の循環がされることとなるのである。
【0065】
請求項5に示す如く、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧ポンプのポンプ軸及び前記ステアリングHSTの油圧ポンプのポンプ軸に、それぞれチャージポンプを設け、その吐出ポートの各々を前記センタセクション内の両HSTの油路にそれぞれ連通したので、例えば両HSTの容量が異なり、それに応じてチャージ圧を異ならしめる必要がある場合等に、適切にチャージ油を供給できる。
【0066】
請求項6に示す如く、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧モータと前記ステアリングHSTの油圧ポンプとを、互いに近接させて、かつ、該油圧モータのモータ軸と該油圧ポンプのポンプ軸が平行となるよう、並置したので、走行駆動HSTの油圧モータとステアリングHSTの油圧ポンプを連結するのが容易となるのである。
例えば、ステアリングHSTの油圧ポンプのポンプ軸に平歯車を固設し、走行駆動HSTの油圧モータのモータ軸に該歯車に噛合する平歯車を固設することにより、両軸が簡単に連結されるのである。
従って、上述のいわゆるディペンデントタイプの駆動構成が、簡潔な構成で実現できる。
【0067】
請求項7に示す如く、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTが平面視で前記車軸と直角になるよう配置され、前記ステアリングHSTは平面視で前記車軸と平行に配置されるので、両HSTを平面視略長方形状としたハウジングに納まり良く配置することができる。この結果、ハウジングが小型化されて、操向駆動装置の小型化が可能となる。
【0068】
請求項8に示す如く、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧ポンプ及び油圧モータが前記ハウジングの一側の側部に配置され、該ステアリングHSTの油圧ポンプ及び油圧モータが該ハウジング前部又は後部に配置されたので、両HSTが干渉することなく平面視略長方形状としたハウジング内に納まり良く配置され、ハウジング内の走行駆動HSTと反対側の側部には差動装置を配する空間が形成される。
この結果、両HST及び差動装置がハウジング内に互いに干渉することなく納まり良く配置され、操向駆動装置をコンパクトとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の操向駆動装置を具備するモアトラクタの全体的な構成を示した側面図。
【図2】
モアトラクタの第一変形例を示した図。
【図3】
モアトラクタの第二変形例を示した図。
【図4】
本発明の操向駆動装置の全体的な構成を示した平面断面図。
【図5】
図4におけるX−X断面矢視図。
【図6】
図4におけるY−Y断面矢視図。
【図7】
センタセクション及び該センタセクション内の油路の構成を示した平面図。
【図8】
操向駆動装置のスケルトン図。
【図9】
センタセクションに付設されたチャージポンプの構成を示した底面一部断面図。
【図10】
両HSTの油圧回路図。
【図11】
ステアリングHSTに導かれるチャージ油を、ハウジング外部を通過するように構成した変形例の油圧回路図。
【図12】
チャージ油を一旦ハウジング外に導き、冷却した後両HSTに供給するように構成した変形例の油圧回路図。
【図13】
チャージ油をステアリングHSTに導くための経路を、センタセクション内に形設した油路とした場合のセンタセクションの構成を示した平面図。
【図14】
チャージポンプをエンジンの出力軸から駆動されるよう構成した変形例の油圧回路図。
【図15】
両HSTのポンプ軸が独立にエンジンからの駆動力を受けて駆動される、いわゆるインディペンデント型の駆動構成とした場合の、操向駆動装置の全体構成を示した平面図。
【図16】
図15におけるX−X断面矢視図。
【図17】
インディペンデント型の駆動構成とした場合の操向駆動装置のスケルトン図。
【図18】
インディペンデント型の駆動構成とした場合において、両HSTのポンプ軸にチャージポンプを取り付けた場合の油圧回路図。
【図19】
ハウジングの上下分割面をセンタセクションの上面と一致させた実施例の断面図。
【符号の説明】
1 モアトラクタ(走行車両)
2 操向駆動装置
5 差動装置
21 走行駆動HST
22 ステアリングHST
40L・40R 車軸
51 センタセクション
52 (走行駆動HSTの)油圧ポンプ
53 (走行駆動HSTの)油圧モータ
71 (ステアリングHSTの)油圧ポンプ
72 (ステアリングHSTの)油圧モータ
【発明の名称】 走行車両の操向駆動装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジング内に、前後進走行方向及び走行速度を決定するための走行駆動HSTと、左右旋回方向及び旋回角度を限定するためのステアリングHSTと、左右一対の車軸に連動連結される差動装置とを収納しており、該走行駆動HST及び該ステアリングHSTはそれぞれ、油圧ポンプ、油圧モータ、及び該油圧ポンプと該油圧モータとを流体的に結合する油路からなり、それぞれの油圧モータの出力軸を該差動装置に連動連結して、該左右一対の車軸を操向駆動する走行車両の操向駆動装置において、両HSTの油路を共通のセンタセクション内に形成し、両HSTの油圧ポンプ及び油圧モータを共通のセンタセクション上に設置したことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項2】 請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記センタセクションを平板状としたことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項3】 請求項2記載の走行車両の操向駆動装置において、前記センタセクションはハウジング内に水平に配置され、該センタセクション上下いずれか一側の面に両HSTを取り付け、HSTと反対側にはハウジング内に伝動系を配置したことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項4】 請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HST及びステアリングHSTのうち少なくとも一方の油圧ポンプのポンプ軸にチャージポンプを設け、その吐出ポートを前記センタセクション内の両HSTの油路にそれぞれ連通したことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項5】 請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧ポンプのポンプ軸及び前記ステアリングHSTの油圧ポンプのポンプ軸に、それぞれチャージポンプを設け、その吐出ポートの各々を前記センタセクション内の両HSTの油路にそれぞれ連通したことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項6】 請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧モータと前記ステアリングHSTの油圧ポンプとを、互いに近接させて、かつ、該油圧モータのモータ軸と該油圧ポンプのポンプ軸が平行となるよう、並置したことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項7】 請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTが平面視で前記車軸と直角になるよう配置され、前記ステアリングHSTは平面視で前記車軸と平行に配置されることを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【請求項8】 請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧ポンプ及び油圧モータが前記ハウジングの一側の側部に配置され、該ステアリングHSTの油圧ポンプ及び油圧モータが該ハウジング前部又は後部に配置されたことを特徴とする走行車両の操向駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二つのハイドロスタティックトランスミッション(以下「HST」と略す。)を連結して、一方は走行用、他方はステアリング(操向)用として、左右一対の車軸を駆動しかつ操向できるようにした構成とした走行車両において、該走行車両の操向操作性を向上させ、かつ、装置のコンパクト化を図るための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、二つのHSTを左右に連結して、それぞれのHST式変速装置から車軸を両側方に突出して、両車軸の端部に車輪を固定し、前記HST式変速装置の斜板の角度を変更して、左右の車輪を駆動するようにした技術が公知となっている。
例えば、米国特許第4782650の技術である。
該技術において、直進走行する場合には左右のHSTの走行速度を同じとし、旋回する場合は左右の車輪の走行速度が異なるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来の操向駆動装置を具備した走行車両は、左右のHST式変速装置の出力回転をまったく一致させないと、正確に直進することができず、従って出荷時の調整に手間がかかっていた。また、油圧ポンプや油圧モータの容量に差があると、左右いずれに旋回するかで旋回フィーリングが異なることとなって、大変操縦しにくいものとなっていたのである。
また、旋回しながら作業する場合は、上記のような従来の走行車両は旋回半径が大きく、例えば、木立の周りの芝刈り等の場合は、同じ位置を何度も走行して作業する必要があって、作業効率が悪くなっていたのである。従って、旋回半径を小さくできる技術が要望されていたのである。
【0004】
また、同時に、よりコンパクト性が高い操向駆動装置の技術も要望されていたのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、ハウジング内に、前後進走行方向及び走行速度を決定するための走行駆動HSTと、左右旋回方向及び旋回角度を限定するためのステアリングHSTと、左右一対の車軸に連動連結される差動装置とを収納しており、該走行駆動HST及び該ステアリングHSTはそれぞれ、油圧ポンプ、油圧モータ、及び該油圧ポンプと該油圧モータとを流体的に結合する油路からなり、それぞれの油圧モータの出力軸を該差動装置に連動連結して、該左右一対の車軸を操向駆動する走行車両の操向駆動装置において、両HSTの油路を共通のセンタセクション内に形成し、両HSTの油圧ポンプ及び油圧モータを共通のセンタセクション上に設置したものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、該センタセクションを平板状としたものである。
【0007】
請求項3においては、請求項2記載の走行車両の操向駆動装置において、前記センタセクションはハウジング内に水平に配置され、該センタセクション上下いずれか一側の面に両HSTを取り付け、HSTと反対側にはハウジング内に伝動系を配置したものである。
【0008】
請求項4においては、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HST及びステアリングHSTのうち少なくとも一方の油圧ポンプのポンプ軸にチャージポンプを設け、その吐出ポートを前記センタセクション内の両HSTの油路にそれぞれ連通したものである。
【0009】
請求項5においては、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧ポンプのポンプ軸及び前記ステアリングHSTの油圧ポンプのポンプ軸に、それぞれチャージポンプを設け、その吐出ポートの各々を前記センタセクション内の両HSTの油路にそれぞれ連通したものである。
【0010】
請求項6においては、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧モータと前記ステアリングHSTの油圧ポンプとを、互いに近接させて、かつ、該油圧モータのモータ軸と該油圧ポンプのポンプ軸が平行となるよう、並置したものである。
【0011】
請求項7においては、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTが平面視で前記車軸と直角になるよう配置され、前記ステアリングHSTは平面視で前記車軸と平行に配置されるものである。
【0012】
請求項8においては、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧ポンプ及び油圧モータが前記ハウジングの一側の側部に配置され、該ステアリングHSTの油圧ポンプ及び油圧モータが該ハウジング前部又は後部に配置されたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の操向駆動装置を具備するモアトラクタの全体的な構成を示した側面図、図2はモアトラクタの第一変形例を示した図、図3はモアトラクタの第二変形例を示した図である。
【0014】
最初に、本発明をモアトラクタに適用した実施例の全体構成について説明する。
即ち、このモアトラクタ1は、車両シャーシ12の前部上にフロントコラム13が立設され、該フロントコラム13上にステアリング操作手段たるステアリングハンドル14が突設される。該フロントコラム13の側部には変速操作手段としての変速ペダル15と図略のブレーキペダルが配置される。
【0015】
上記変速ペダル15は、中途部を枢支されたシーソー式とし、前後二つの踏面部を有し、前側を踏むと前進し、後側を踏むと後進するようにし、また、その踏み込み量に応じて増速できるようにしている。そして該変速ペダル15には、該ペダル15を中立(停止)位置に付勢するための図略の戻しバネが介装される。
【0016】
該シャーシ12の前下部の左右両側には、従動前輪としてキャスター輪16を一ずつ配設している。本実施例ではこのキャスター輪16は左右に一ずつ配設する構成としているが、前部中央に一のみ配置する構成としてもよいし、三つ以上配設してもよい。
【0017】
該シャーシ12前部上にはエンジン11が配置されて、該エンジン11はボンネットで覆われる。該シャーシ12の後部上方には座席17が配置され、該シャーシ12の中途部下方にはモア9が配置される。
該モア9は機体1の前後略中央に位置させていわゆるミッドマウント式としており、少なくとも一の回転刃を内蔵したケース19を具備し、図略の伝動軸やプーリー・ベルト等を介して、上記エンジン11の動力にて駆動される。また、該モア9は、リンク機構を介して昇降可能としている。
エンジン11は出力軸11aが鉛直下方に突出するバーチカル型としており、図略のプーリー・ベルト等を介して、シャーシ後部に配置される操向駆動装置2に動力を伝達している。該操向駆動装置2は機体1左右に配置される走行駆動輪43・43を左右一対の車軸40・40を介して駆動する。走行駆動輪43・43はシャーシ後部に支持する構成として、いわゆるリア駆動方式としている。
【0018】
但し、以上の走行車両の構成は一例であって、これに限定するものではない。例えば、図2に示す第一変形例のモアトラクタのように構成することもできる。 この第一変形例に係るモアトラクタ1aについて説明する。即ち、このモアトラクタ1aは、車両シャーシ12' の前部上にステップ12sを前方に突出するように設け、該ステップ12sの前部上にはフロントコラム13が立設され、該フロントコラム13上にステアリングハンドル14が突設される。該フロントコラム13の側部には変速ペダル15とブレーキペダルが配置される。
上記ステアリングハンドル14・変速ペダル15の構成は、図1に示すモアトラクタ1のそれと同様である。該シャーシ12' の後下部には、従動後輪としてキャスター輪16を左右一ずつ配設している。
【0019】
該シャーシ12' 後部上にはエンジン11が配置されて、該エンジン11はボンネットで覆われる。該シャーシ12' の中途部下方にはモア9が配置され、該モア9はシャーシ12' 前後略中央(走行駆動輪43・43より後方)に位置させていわゆるミッドマウント式としている。該モア9の構成は、上述の図1に示すモアトラクタ1のそれと同様である。
エンジン11は出力軸11aが鉛直下方に突出するバーチカル型としており、図略のプーリー・ベルト等を介して、シャーシ12' 前部に配置される操向駆動装置2に動力を伝達している。該操向駆動装置2は機体1a左右に配置される走行駆動輪43・43を車軸40・40を介して駆動する。走行駆動輪43・43はシャーシ前部に支持する構成として、いわゆるフロント駆動方式としている。
【0020】
また、以下に示すような第二変形例のモアトラクタとすることもできる。
即ち、図3に示すこのモアトラクタ1bは、モア9の配置のみが前述の第一変形例に係るモアトラクタ1aと異なるものであって、モア9はシャーシ12' の前方(走行駆動輪43・43より前方)に配置する、いわゆるフロントマウント方式としているのである。
【0021】
次に、以上のモアトラクタに具備される操向駆動装置2の構成について、説明する。
図4は本発明の操向駆動装置の全体的な構成を示した平面断面図、図5は図4におけるX−X断面矢視図、図6は図4におけるY−Y断面矢視図である。
また、図7はセンタセクション及び該センタセクション内の油路の構成を示した平面図である。
図8は操向駆動装置のスケルトン図である。
【0022】
即ち、この操向駆動装置2は、図4に示すように一つのハウジング23内に機体を前後進させるための走行駆動HST21と機体を旋回させるためのステアリングHST22と、遊星ギア装置により構成される差動装置5と、左右一対の車軸40L・40R、及び、これらを相互に連結するドライブトレーンが配置される構成としている。
【0023】
該ハウジング23内には、フラット(平板)型のセンタセクション51が水平方向に収納されており、平面視において互いに直角な平板状の左右部51x及び前後部51yを一体的に形成した構成として、該ハウジングの後部壁及び一側側壁に沿うようにして平面視逆「L」字状となるようにしている。
前記走行駆動HST21とステアリングHST22は、それぞれ一対の油圧ポンプと油圧モータ(52・53、71・72)が、上記センタセクション51上に、垂直な回転軸線をもつように配置される構成としている。
尚、走行駆動HST21はハウジング23の一側(本実施例では右側)側壁に沿うように前記センタセクション51の前後部51y上に配置され、ステアリングHST22はハウジング23の後部壁に沿うように、前記センタセクションの左右部51xに配置される。
また、両HST21・22を構成する二対の油圧ポンプと油圧モータ(52・53、71・72)は該センタセクション51上面に付設される構成とする一方、該センタセクション51下方には、両HST21・22の油圧モータ53・72のモータ軸54・77を差動装置5に連動連結するための歯車等からなる伝動系が配置される。
【0024】
走行駆動HST21の油圧ポンプ52のポンプ軸25はハウジング23上方に突出され入力軸を兼ねることとし、該入力軸25の突出部分には入力プーリー27が配置され(図5)、該入力プーリー27には図略のベルトが巻回され、エンジン11の出力軸11aに固定される図略の出力プーリーと連動連結される。また、該入力軸25のハウジング23上方突出部分にはファン42が固設される。
【0025】
前記ハウジング23は、図5に示すように上下のケース半部を水平面で平坦な周囲の接合面23aで互いに接合することにより構成され、該接合面23aにおいて後述の軸105と走行伝動軸93の軸受部が設けられている。車軸40L・40Rの軸受部は接合面より上方に偏位させて回転自在に支持している。
尚、図5に示すように、該接合面23aは、センタセクション51の上面(即ち、HST取付面)から下方に距離hだけオフセットされた構成としているが、図19に示すように、両面を略同じ高さに揃えた構成(即ち、h=0)とすることもできる。また、接合面23aを車軸40L・40Rの軸心と同じ高さとすることも可能である。この場合にセンタセクション51を下側のケースに固定して下から順に組み立てるようにすることができる。
これは、該接合面23aを上方に変位させたり、センタセクション51の厚さを変更したり、センタセクションの取付け高さを変更すること等により可能である。
【0026】
そして、前記車軸40L・40Rの各々は上記の遊星ギアを用いた差動装置5によって差動的に結合され、その両端がハウジング23の左右外側方へ突出されている。該差動装置5は、平面視においてセンタセクションの前後部51yと反対側の側部であって、また、左右部51xの前方側に配置されることとしている。
【0027】
ただし、以上に示した二つのHST21・22及び差動装置5の配置は一例であって、例えば平面視で前後が逆となるよう構成したり、左右逆に構成することもできる。
【0028】
次に機体を前後進駆動させるための走行駆動HST21について詳述する。
この走行駆動HST21は油圧ポンプ52と油圧モータ53よりなり、油圧ポンプ52はセンタセクション51の前後部51y上面にポンプ付設面が形成され、その中央に前記ポンプ軸となる入力軸25が垂直方向に支持されて、図5に示すように該入力軸25にシリンダブロック44を嵌合してポンプ付設面上に回転摺動自在に配置し、該シリンダブロック44内に付勢バネを介して複数のピストン45・45・・・を往復動自在に嵌合し、該ピストン45・45・・・の頭部には可動斜板57が当接されている。可動斜板57を傾動操作することで、油圧ポンプ52からの油の吐出量及び吐出方向を変更できるようにしている。
【0029】
この可動斜板57を傾動操作するために、ハウジング23の側壁には車軸40と平行にコントロール軸59が支持され(図4)、該コントロール軸59のハウジング23内の部分には図略の中立戻しバネが外嵌されて可動斜板57を中立位置となるように付勢し、中立位置の調整もできるようにしている。ハウジング23外のコントロール軸59上にはコントロールアーム60を固設し、リンク機構を介してレバーやペダル等の変速操作手段、本実施例では前記変速ペダル15と連結している。
【0030】
以上のように構成することにより、変速ペダル15を回動することによってコントロールアーム60が回動されて、コントロール軸59の回動によって可動斜板57が傾動操作されて、油圧ポンプ52からの作動油の吐出方向及び吐出量を変更することができる。
【0031】
前記油圧ポンプ52からの圧油はセンタセクション51内の第一油路51a(図7)を介して油圧モータ53に送油される。該油圧モータ53の構成は、センタセクション51のポンプ付設面より平面視で車軸40Rを挟んで後方(図4における下方、図5における左方)の位置にモータ付設面が構成され、該モータ付設面にシリンダブロック63が回転自在に支持されている(図5)。該シリンダブロック63の複数のシリンダ孔内には付勢バネを介して複数のピストン64・64が往復動自在に嵌合され、該ピストン64の頭部は固定斜板65に接当されている。そして、シリンダブロック63の回転軸心上にはモータ軸54が一体的に垂直に配置されて相対回転不能に係止されて、油圧モータ53を構成している。
上記油圧ポンプ52と油圧モータ53の間のセンタセクション51下方を前記車軸40が通過する構成として、コンパクトとなるようにしている。ただし、車軸はセンタセクション51の上面を通過させる構成とすることもできる。
【0032】
前記モータ軸54はセンタセクション51を貫通して下方に突出され(図5)、該モータ軸54の該突出部分にはステアリング駆動ギア160及びベベルギア61が固設される。
このうちステアリング駆動ギア160は、後述するステアリングHST22の油圧ポンプ71の入力軸26に固設された入力ギア161に噛合されて、該油圧ポンプ71を駆動する。
そして、該ベベルギア61は、ハウジング23内に車軸40と平行に軸支された走行伝動軸93に固設されたベベルギア62と噛合して、該走行伝動軸93を駆動する。該走行伝動軸93には駆動ギア69が形設されており(図4)、該駆動ギア69により後述する差動装置5のサンギア95がセンターギア94を介して駆動される。
該走行伝動軸93にはブレーキ装置110が設けられて(図4)、該装置を操作するためのブレーキアーム111、リンク等を介して上述のブレーキペダルに連結される。
【0033】
次に、機体を旋回させるためのステアリングHST22について詳述する。
このステアリングHST22は図4に示すように油圧ポンプ71と油圧モータ72よりなり、油圧ポンプ71はセンタセクション51上面の上記走行駆動HST21より後方位置にポンプ付設面が形成され、その中央に入力軸26が垂直方向に支持される。該入力軸26はセンタセクション51下方に突出され、該突出部分には上記の入力ギア161が固定されて、該入力ギア161には走行駆動HST21の油圧モータ53の駆動力がステアリング駆動ギア160を介して伝達される。
【0034】
該入力軸26にはシリンダブロック46が嵌合されてポンプ付設面上に回転摺動自在に配置し(図5)、該シリンダブロック46内に付勢バネを介して複数のピストン47・47・・・を往復動自在に嵌合し、該ピストン47・47・・・の頭部には可動斜板76が当接されている。可動斜板76を傾動操作することで、油圧ポンプ71からの油の吐出量及び吐出方向を変更できるようにしている。
【0035】
この可動斜板76を傾動操作するために、ハウジング23の天井面にはコントロール軸73が垂直支持され、該コントロール軸73のハウジング23内の部分には図略の中立戻しバネが外嵌されて可動斜板76を中立位置となるよう付勢し、中立位置の調整もできるようにしている。ハウジング23外のコントロール軸73上にはコントロールアーム74を固設し(図4)、リンク機構を介してステアリング操作手段、本実施例では前記ステアリングハンドル14と連結している。
【0036】
以上のように構成することにより、ステアリングハンドル14を回動することによってコントロールアーム74が回動されて、コントロール軸73の回動によって可動斜板76が傾動操作されて、油圧ポンプ71からの作動油の吐出方向及び吐出量を変更することができる。
【0037】
前記油圧ポンプ71からの圧油はセンタセクション51内の第二油路51bを介して油圧モータ72に送油される。該油圧モータ72の構成は図4・図6に示すように、センタセクション51上面の上記ポンプ付設面より平面視左方位置にモータ付設面が構成され、該モータ付設面上にシリンダブロック80が回転摺動自在に支持されている。該シリンダブロック80の複数のシリンダ孔内には付勢バネを介して複数のピストン82・82・・・が往復動自在に嵌合されている。該ピストン82・82・・・の頭部は可動斜板85に接当している。そして、シリンダブロック80の回転軸心上にモータ軸77を一体的に垂直に配置して相対回転不能に係止して、可動斜板型の油圧モータ72を構成している。
【0038】
そして、この油圧モータ72側の可動斜板85を傾動操作するために、ハウジング23の側面にはコントロール軸86が車軸40と直角に水平支持され、ハウジング23外のコントロール軸86上にはコントロールアーム87を固設している(図4)。該コントロールアーム87は可動斜板85を任意の傾斜位置で固定できるようにしている。
【0039】
そして、該コントロールアーム87は図外のリンク機構により、上記の走行駆動HST21の油圧ポンプ52の可動斜板57を傾動するコントロールアーム60に連係される。
上記コントロールアーム87が回動されると、コントロール軸86の回動によって可動斜板85が傾動操作されて、油圧モータ72のモータ軸77の回転速度及び回転方向が変更される。
尚、上記のリンク機構は、変速ペダル15を前進側に踏み込んで、上記走行駆動HST21の油圧ポンプ52の可動斜板57が傾斜されて機体が増速された場合は、それとともにステアリングHST22の油圧モータ72の可動斜板85をも傾斜するようにしている。このことにより、ステアリングハンドル14を同一量だけ回動しても、該可動斜板85が傾斜することにより、高速走行時には該油圧モータ72のモータ軸77の回転数が抑制されるようにしている。
即ち、機体が高速走行中の場合は、ステアリングハンドル14の回動による応答性を弱める(つまり、ハンドル14の利きを鈍くする)ようにしているのであり、一般にオペレータが恐怖心を感じることが多い高速走行時の急旋回が、容易に行われないようにしており、操作時にオペレータが恐怖心を起こしにくいような構成としている。
【0040】
前記モータ軸77はセンタセクション51を貫通して下方に突出され(図6)、該下端にはベベルギア104が固設される。該ベベルギア104の下方には軸105が前記車軸40と平行に配置されて、該軸105上には二つのベベルギア106・106が遊転可能に配置される。両ベベルギア106・106は上記モータ軸77に関して左右対称に配置されて、両者ともに該モータ軸77上のベベルギア104と噛合している。
従って、油圧モータ72からの出力回転はベベルギア104から上記ベベルギア106・106に分岐されて伝達され、左右のベベルギア106・106は互いに逆方向に回転される。
そして二つのベベルギア106・106には、伝動ギア107・107がそれぞれ固設され、該伝動ギア107・107は上記走行伝動軸93に左右一対で遊転可能に配置された減速ギア108・108と噛合される。
【0041】
該減速ギア108・108は大小の二連ギアとしており、大径ギアは上記伝動ギア107・107と噛合され、小径ギアは後述する差動装置5のインターナルギア98・98の外周面に刻設されるギア99・99に噛合されている。
【0042】
次に、左右の車軸40L・40Rを差動的に結合する差動装置5の構成について、主に図4・図6・図8を用いて説明する。
即ち、前記走行駆動HST21の油圧モータ53の出力回転を減速して動力を伝達する駆動ギア69に車軸40L・40Rと同一軸心上に相対回転自在に配置したセンターギア94が噛合され、該センターギア94の回転中心にはサンギア95が相対回転不能にスプライン嵌合される。
【0043】
該サンギア95には、センターギア94を挟んで左右にそれぞれ複数個配置されたプラネタリギア96・96・・・が噛合され、該プラネタリギア96・96・・・は左右のキャリア97・97に支持されて、該キャリア97・97はそれぞれ左右の車軸40L・40Rに相対回転不能に取り付けられる。
プラネタリギア96・96・・・は更に外側において左右のインターナルギア98・98に噛合されており、該インターナルギア98・98の外周面にはそれぞれギア99・99が刻設され、上記減速ギア108・108の小径ギアとそれぞれ噛合されている。
【0044】
このような構成において、走行駆動HST21の油圧モータ53からの駆動力はベベルギア61・62→走行伝動軸93→駆動ギア69→センターギア94と伝達されて、サンギア95を駆動する。一方、ステアリングHST22の油圧モータ72からの駆動力はベベルギア104から二つのベベルギア106・106へと分岐され、一方は正回転、他方は逆回転となって、左右の減速ギア108・108を介して左右のインターナルギア98・98を互いに逆方向に駆動する。
【0045】
従って、左右いずれか一方のプラネタリギア96・96には、サンギア95の回転に該プラネタリギア96・96と同じ側のインターナルギア98の回転が加算されて伝達される一方、他方のプラネタリギア96・96には、サンギア95の回転に該プラネタリギア96・96と同じ側のインターナルギア98の回転が減算されて伝達される。
従って、左右のプラネタリギア96・96・・・をそれぞれ支持する左右のキャリア97・97の回転数に差が生じて、車軸40L・40Rの回転数の差となって機体が旋回されるのである。
【0046】
次に、両HST21・22の内部の油の漏れを補う等のための、チャージ回路の構成について詳述する。
図9はセンタセクションに付設されたチャージポンプの構成を示した底面一部断面図、図10は両HSTの油圧回路図である。
また、図11はステアリングHSTに導かれるチャージ油を、ハウジング外部を通過するように構成した変形例の油圧回路図、図12はチャージ油を一旦ハウジング外に導き、冷却した後両HSTに供給するように構成した変形例の油圧回路図、図13はチャージ油をステアリングHSTに導くための経路を、センタセクション内に形設した油路とした場合のセンタセクションの構成を示した平面図、図14はチャージポンプをエンジンの出力軸から駆動されるよう構成した変形例の油圧回路図である。
【0047】
まず、両HST21・22内のそれぞれの油路51a・51bにチャージ油を供給する、チャージポンプの構成について説明する。即ち図5に示すように、走行駆動HST21の油圧ポンプ52のポンプ軸(入力軸)25はセンタセクション51を貫通して下方に突出され、該突出部分にチャージポンプ300が設けられる。
該チャージポンプ300は、センタセクション51の走行駆動HST21の油圧ポンプ52付設面の反対側の面にチャージポンプ付設面を設け、該付設面にチャージポンプケース301を配置してハウジング23内の油溜まりに浸漬させ、該ケース301内に図9に示す如くインナーロータ302とアウターロータ303を互いに係合させて収納し、該インナーロータ302には上記ポンプ軸25が相対回転不能に挿嵌されている。
チャージポンプケース301には吸入ポート304及び吐出ポート305が設けられる。該吸入ポート304にはストレーナ306が設けられる。
【0048】
以上構成において、ポンプ軸25がエンジン11の駆動力を受けて回転すると、インナーロータ302が駆動され、アウターロータ303も駆動される。両者302・303は互いに偏心回転させることとして、両者間にできる間隙の容積に一定位置で差を生じさせることにより、吸入ポート304では吸い込みが連続的に行われ、吐出ポート305では吐出しが連続的に行われる。
【0049】
上記吐出ポート305は、図7に示す如く、センタセクション内の第一油路51a・51aを連結する通路308に連通される。また、チャージポンプケース301には、チャージ圧を設定するリリーフバルブ307が設けられる(図5・図9)。
また、該第一油路51a・51aの入口部分にはチャージチェックバルブ309・309が設けられ(図9)、チャージポンプ300により吐出された作動油は、該チャージチェックバルブ309・309のうちいずれか一を通過して、低圧側の油路51aに供給される。
【0050】
また、該通路308はセンタセクション51外に配設した経路310を介して、センタセクション51の第二油路51b・51bを連結する通路311に連通される。該第二油路51b・51bの入口部分にはチャージチェックバルブ312・312が設けられており、チャージポンプ300により吐出された作動油は、該経路310を通過して、該チャージチェックバルブ312・312のうちいずれか一を通過して、低圧側の油路51bに供給される。
【0051】
また、図7においては省略されているが、両HSTの油路51a・51bには、それぞれリリーフバルブ313・314が設けられ(図10)、急加速時・急減速時等、回路に急激な負荷等が作用した場合には高圧側の油路からドレーンさせることとして、回路の故障を防ぐこととしている。
【0052】
尚、ステアリングHST22にチャージ油を供給するための上記経路310は、ハウジング23内部に配設した配管としてもよいし、外部に配設した配管としてもよい。尚、外部配管とした場合は、該配管を作動油が通過する際に外気による冷却がされた後ステアリングHST22に油が供給されるので、ステアリングHST22内の油温上昇による効率低下等を抑制することができる。
また、図11に示すように、外部配管中途にオイルクーラー、フィン等の冷却装置315を設ける構成とすることもでき、この場合は更なる冷却効果が期待できる。
【0053】
また、チャージポンプ300の吐出ポート305は走行駆動HST21の通路に直接連通されているが、図12に示すように、チャージポンプの吐出ポートから吐出された油を直接走行駆動HST21側の通路308に導かずに、一旦ハウジング23外部に導いてから、分岐して両通路308・311に流入させる構成とすることも可能である。具体的には、例えば、前記吐出ポート305をチャージポンプケース301下面に設け、該吐出ポートに配管を連結してハウジング23外部に引き出す等とすればよい。
更に、ハウジング23外部の配管に冷却装置315を設ける構成とすることもできる。
この構成により、ステアリングHST22の冷却効果だけでなく、走行駆動HST21の冷却効果をも期待することができ、油温上昇によるHST21・22のトラブルをより効果的に抑制することが可能である。
【0054】
また、図13に示す如く、前記第一油路51aを連結する通路と、前記第二油路51bを連結する通路とを、センタセクション51内部に形設した油路319を介して連通する構成としてもよい。この場合は配管を設ける必要がないので、他の装置(例えば伝動系等)との干渉を考慮する必要がないので、結果として構成が簡素な、コンパクトな操向駆動装置を提供できる。
【0055】
更に図14に示すように、チャージポンプ300をエンジン11の出力軸11aに設ける構成とすることもできる。
この場合はチャージポンプ300が操向駆動装置2に内設される構成でなく、外部に別途設ける構成のため、該装置2のハウジング23内からチャージポンプ300へ作動油を導き、あるいはチャージポンプから両HST21・22内の回路に導くための配管は必ずハウジング23外部を通過することとなるので、作動油の冷却効果が期待できることとなる。また、操向駆動装置2自体は、チャージポンプがない分だけ軽量化・コンパクト化を図ることができる。
また、ハウジング23外側の配管に上記と同様に冷却装置を設けることも可能で、この場合は冷却効果のいっそうの向上を図ることが可能である。
【0056】
尚、以上に示した操向駆動装置2は、ステアリングHST22の油圧ポンプ71のポンプ軸(入力軸)26は、走行駆動HST21の油圧モータ53のモータ軸54に連動連結されて、該油圧モータ53の駆動力が伝達されてステアリングHST22を駆動する、いわゆるディペンデント(従属)型の駆動構成とされるが、以下の構成により、ステアリングHST22の油圧ポンプ71のポンプ軸(入力軸)26が、走行駆動HST21の油圧ポンプ52のポンプ軸(入力軸)25同様に、エンジンからの駆動力を受けて駆動される、いわゆるインディペンデント(独立)型の駆動構成とすることも可能である。
この構成について以下に説明する。
図15は両HSTのポンプ軸が独立にエンジンからの駆動力を受けて駆動される、いわゆるインディペンデント型の駆動構成とした場合の、操向駆動装置の全体構成を示した平面図、図16は図15におけるX−X断面矢視図である。
また、図17はインディペンデント型の駆動構成とした場合の操向駆動装置のスケルトン図である。また、図18はインディペンデント型の駆動構成とした場合において、両HSTのポンプ軸にチャージポンプを取り付けた場合の油圧回路図である。
尚、図15におけるY−Y断面矢視図は、前述のディペンデント型の構成例のそれ(図6)とまったく同様に現れる。
【0057】
即ち、このインディペンデント型の駆動構成は、前述のディペンデント型の駆動構成と、以下の点で異なるものである。
つまり、上記ステアリングHST22の油圧ポンプ71の入力軸26と、走行駆動HST21の油圧モータ53のモータ軸54とを連動連結するステアリング駆動ギア及び入力ギア(図5における符号160・161)が取り外されて、両軸26・54は互いに別個独立に回転可能としている。
そして図16に示す如く、ステアリングHST22の油圧ポンプ71の入力軸26はハウジング23上方に突出され、該突出部分には第二入力プーリー28及びファン42が固定される。
該第二入力プーリー28、走行駆動HST21の油圧ポンプ52の入力軸25に設けられるプーリー27、及びエンジン11の出力軸11aに設けられる出力プーリーには、図略のベルトが巻回されて、両軸25・26が独立してエンジン11からの駆動力を得て駆動されるようにしている。
【0058】
ステアリングHST22の油圧モータ72の可動斜板85を傾動操作するコントロールアーム87と、走行駆動HST21の油圧ポンプ52の可動斜板57を傾動するコントロールアーム60とを連係するリンク機構は、上述のディペンデント型の構成におけるそれとは異なる構成とする必要がある。
即ち、インディペンデント型の駆動構成においては、前進時においてステアリングハンドル14の左右旋回操作方向と機体の旋回方向とが一致するよう、走行駆動HST21とステアリングHST21の油圧モータ53・72の各出力回転方向をあわせた場合においては、後進時にステアリングハンドル14を同様に回動すると、反対方向に旋回してしまうのである。例えば、後進時にステアリングハンドル14を左に回動すると、機体1が右方向に旋回してしまうのである。
これは、通例の自動車の操作感覚とは正反対のものであって、該感覚に慣れたオペレータにとっては、強い違和感を覚えるものとなる。従って、上述のリンク機構は、高速走行時の急旋回を抑制するという目的を達成できるものであると同時に、上記の後進時の逆旋回の問題をも解決できるようにしている。
その他の駆動構成は、上述のディペンデント型の構成とまったく同様である。
【0059】
尚、この構成は、上記ステアリング駆動ギア及び入力ギアが取り外されたことに伴い、ステアリングHST22の油圧ポンプ71の下方にスペースが生まれることとなる。
従って、該スペースに別途チャージポンプを配設して第二チャージポンプ320として(図16)、図18に示すように二つのチャージポンプ300・320によりチャージ油を供給する構成としている。第二チャージポンプ320の構成は前記チャージポンプ300とまったく同様に、インナーロータとアウターロータによる構成としている。
この場合は、図18のように、二つのHST21・22に導かれる経路それぞれチャージ圧設定用のリリーフバルブ307・307' を設け、両HST21・22で異なるチャージ圧を設定することができる構成となり、両HST21・22の容量に差を設ける場合等に有用である。
【0060】
ただし、このチャージ回路は一例であって、他の構成とすることもできる。
例えば、このインディペンデント型においても、前述のディペンデント型と同様、エンジン11の出力軸11aにチャージポンプ300を設ける構成や、作動油を一旦ハウジング23の外に導いて冷却装置を通過させて冷却し、その後にセンタセクション51内の両油路51a・51bに供給する構成とすることも可能である。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏するのである。
即ち、請求項1に示す如く、ハウジング内に、前後進走行方向及び走行速度を決定するための走行駆動HSTと、左右旋回方向及び旋回角度を限定するためのステアリングHSTと、左右一対の車軸に連動連結される差動装置とを収納しており、該走行駆動HST及び該ステアリングHSTはそれぞれ、油圧ポンプ、油圧モータ、及び該油圧ポンプと該油圧モータとを流体的に結合する油路からなり、それぞれの油圧モータの出力軸を該差動装置に連動連結して、該左右一対の車軸を操向駆動する走行車両の操向駆動装置において、両HSTの油路を共通のセンタセクション内に形成し、両HSTの油圧ポンプ及び油圧モータを共通のセンタセクション上に設置したので、部品点数が少なくなり、組み立ての手間が低減される。また、コンパクト性の高い操向駆動装置が提供できるのである。
【0062】
請求項2に示す如く、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、該センタセクションを平板状としたので、HSTを構成する複数の油圧ポンプ・油圧モータを納まり良く整列させて取り付けることが可能である。また、センタセクションの製作も容易にできる。従って、あまりスペースを取らずにハウジングに収容できることとなり、操向駆動装置ひいては走行車両のコンパクト化が可能となる。
【0063】
請求項3に示す如く、請求項2記載の走行車両の操向駆動装置において、該センタセクションはハウジング内に水平に配置され、該センタセクション上下いずれか一側の面に両HSTを取り付け、HSTと反対側にはハウジング内に伝動系を配置したので、HSTと伝動系がすっきりと整理され、簡潔な構成とすることができ、また、メンテナンス性を向上することができたのである。
【0064】
請求項4に示す如く、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HST及びステアリングHSTのうち少なくとも一方の油圧ポンプのポンプ軸にチャージポンプを設けたので、通常は伝動のためのギア等を設ける必要がないポンプ軸にチャージポンプを取り付ける構成となっており、該ギア等との干渉を考慮する必要がないのである。
また、上述のようにギア等を設ける必要がないのが通例であるので、ポンプ軸の周囲はスペースが空きやすいが、該スペースにチャージポンプを取り付けることでデッドスペース化を防止しており、結果としてコンパクトな操向駆動装置が提供できるのである。
また、該チャージポンプの吐出ポートをセンタセクション内の両HSTの油路にそれぞれ連通したので、チャージポンプからの油が両油路に供給されるので、回路内の不足した油が補充され、また、両HSTの低圧側の油路の圧力が保持され、更には回路中の作動油の循環がされることとなるのである。
【0065】
請求項5に示す如く、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧ポンプのポンプ軸及び前記ステアリングHSTの油圧ポンプのポンプ軸に、それぞれチャージポンプを設け、その吐出ポートの各々を前記センタセクション内の両HSTの油路にそれぞれ連通したので、例えば両HSTの容量が異なり、それに応じてチャージ圧を異ならしめる必要がある場合等に、適切にチャージ油を供給できる。
【0066】
請求項6に示す如く、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧モータと前記ステアリングHSTの油圧ポンプとを、互いに近接させて、かつ、該油圧モータのモータ軸と該油圧ポンプのポンプ軸が平行となるよう、並置したので、走行駆動HSTの油圧モータとステアリングHSTの油圧ポンプを連結するのが容易となるのである。
例えば、ステアリングHSTの油圧ポンプのポンプ軸に平歯車を固設し、走行駆動HSTの油圧モータのモータ軸に該歯車に噛合する平歯車を固設することにより、両軸が簡単に連結されるのである。
従って、上述のいわゆるディペンデントタイプの駆動構成が、簡潔な構成で実現できる。
【0067】
請求項7に示す如く、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTが平面視で前記車軸と直角になるよう配置され、前記ステアリングHSTは平面視で前記車軸と平行に配置されるので、両HSTを平面視略長方形状としたハウジングに納まり良く配置することができる。この結果、ハウジングが小型化されて、操向駆動装置の小型化が可能となる。
【0068】
請求項8に示す如く、請求項1記載の走行車両の操向駆動装置において、前記走行駆動HSTの油圧ポンプ及び油圧モータが前記ハウジングの一側の側部に配置され、該ステアリングHSTの油圧ポンプ及び油圧モータが該ハウジング前部又は後部に配置されたので、両HSTが干渉することなく平面視略長方形状としたハウジング内に納まり良く配置され、ハウジング内の走行駆動HSTと反対側の側部には差動装置を配する空間が形成される。
この結果、両HST及び差動装置がハウジング内に互いに干渉することなく納まり良く配置され、操向駆動装置をコンパクトとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の操向駆動装置を具備するモアトラクタの全体的な構成を示した側面図。
【図2】
モアトラクタの第一変形例を示した図。
【図3】
モアトラクタの第二変形例を示した図。
【図4】
本発明の操向駆動装置の全体的な構成を示した平面断面図。
【図5】
図4におけるX−X断面矢視図。
【図6】
図4におけるY−Y断面矢視図。
【図7】
センタセクション及び該センタセクション内の油路の構成を示した平面図。
【図8】
操向駆動装置のスケルトン図。
【図9】
センタセクションに付設されたチャージポンプの構成を示した底面一部断面図。
【図10】
両HSTの油圧回路図。
【図11】
ステアリングHSTに導かれるチャージ油を、ハウジング外部を通過するように構成した変形例の油圧回路図。
【図12】
チャージ油を一旦ハウジング外に導き、冷却した後両HSTに供給するように構成した変形例の油圧回路図。
【図13】
チャージ油をステアリングHSTに導くための経路を、センタセクション内に形設した油路とした場合のセンタセクションの構成を示した平面図。
【図14】
チャージポンプをエンジンの出力軸から駆動されるよう構成した変形例の油圧回路図。
【図15】
両HSTのポンプ軸が独立にエンジンからの駆動力を受けて駆動される、いわゆるインディペンデント型の駆動構成とした場合の、操向駆動装置の全体構成を示した平面図。
【図16】
図15におけるX−X断面矢視図。
【図17】
インディペンデント型の駆動構成とした場合の操向駆動装置のスケルトン図。
【図18】
インディペンデント型の駆動構成とした場合において、両HSTのポンプ軸にチャージポンプを取り付けた場合の油圧回路図。
【図19】
ハウジングの上下分割面をセンタセクションの上面と一致させた実施例の断面図。
【符号の説明】
1 モアトラクタ(走行車両)
2 操向駆動装置
5 差動装置
21 走行駆動HST
22 ステアリングHST
40L・40R 車軸
51 センタセクション
52 (走行駆動HSTの)油圧ポンプ
53 (走行駆動HSTの)油圧モータ
71 (ステアリングHSTの)油圧ポンプ
72 (ステアリングHSTの)油圧モータ
Priority Applications (3)
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|---|---|---|---|
| JP11014917A JP2000211545A (ja) | 1999-01-22 | 1999-01-22 | 走行車両の操向駆動装置 |
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| US09/821,043 US6547685B2 (en) | 1999-01-22 | 2001-03-30 | Transaxle apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11014917A JP2000211545A (ja) | 1999-01-22 | 1999-01-22 | 走行車両の操向駆動装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000211545A JP2000211545A (ja) | 2000-08-02 |
| JP2000211545A5 true JP2000211545A5 (ja) | 2006-03-09 |
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11014917A Pending JP2000211545A (ja) | 1999-01-22 | 1999-01-22 | 走行車両の操向駆動装置 |
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1999
- 1999-01-22 JP JP11014917A patent/JP2000211545A/ja active Pending
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