JP2000212579A - 灯油の製造方法 - Google Patents

灯油の製造方法

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oil
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Hiroshi Hirano
浩 平野
Akira Iseya
昭 伊勢谷
Yoshiaki Watanabe
吉明 渡辺
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重質軽油等の接触分解により得られる灯油留
分からの灯油の製造方法の提供。 【解決手段】 重質軽油等の接触分解により得られる灯
油留分を水素化処理して硫黄分、芳香族分、オレフィン
分等を減少させる灯油の製造方法、特に、好ましい態様
として未洗の直留灯油と混合して水素化処理する灯油の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は灯油の製造方法に関
する、詳しくは残油等の接触分解原料油を原料として高
品質の灯油を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、灯油は家庭用ストーブを中心に小
型の直接暖房用の燃焼機器に多く使用されていた。その
ため、灯油の性状は硫黄分、煙点、引火点、色相などが
JIS規格等により詳細に特定されている。上記のよう
な状況を踏まえ、通常の灯油は芳香族分の多くない原油
を直接蒸留して得られる未洗の直留灯油(水素化処理等
の精製処理をしていない灯油)を水素化処理により硫黄
分等の不純物を除去して製造していた。すなわち、灯油
の製造方法は上記原油から蒸留および水素化処理による
ものが大部分で、一部重質軽油等の水素化分解による方
法で製造されていた。
【0003】灯油に対する技術開発についても新しい灯
油の製造方法の開発はほとんど行われておらず、臭気対
策、燃焼性向上、煙点向上などの性状、性能の向上に向
けられていた。たとえば、特定のnパラフィンとiso
パラフィンの比を持ち、酸化防止剤を添加した臭気の少
ない灯油(特開昭63−150380号)、灯油にリモ
ネンを添加して悪臭を抑制する方法(特開平3−170
599号)、未洗灯油の水素化処理において水素化生成
物の一部を水素化処理部に再循環することにより灯油中
の芳香族分を10%以下として煙点、燃焼性を向上さ
せ、かつ臭気を抑制する方法(特開平2−194092
号)、灯油中の芳香族分、C9 芳香族分、メチルナフタ
レン、ナフテン分等を特定範囲とすることで臭気の少な
い灯油とする方法(特開平2−113092号)、C9
〜C12のナフテン類の添加による灯油の煙点の向上方法
(特開平6−49463号)などが開発されている。
【0004】一方、最近は石油製品の需要構造の変化に
より従来C重油等としていた原油中の重質留分を軽質の
石油製品とすることが課題となっている。現状では、こ
れらは主に分解して水素等のガス、ガソリンおよび軽
油、A重油として用いられている。特に、流動接触分解
(FCC)によるガソリンおよび軽油、A重油の製造は
重要な方法として広くおこなわれている。しかし、FC
Cから得られる接触分解油は芳香族分やオレフィン分が
多く、これから灯油を製造することは困難と考えられて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な観点からなされたもので灯油の新しい製造方法を提供
しようとするものである。さらに詳しくは、重質な石油
留分から高性能な灯油を製造する方法を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究を
重ねた結果、従来FCCガソリンまたは分解軽油として
しか利用されていなかった流動接触分解(FCC)から
生成する灯油留分(蒸留範囲が通常の灯油に匹敵する留
分)を分留し、該灯油留分を水素化処理することにより
高性能の灯油を製造できることを見い出し本発明を完成
したものである。
【0007】すなわち、本発明の要旨は下記のとおりで
ある。 (1) 接触分解原料油を接触分解し、その生成油から
灯油留分を分留し、該灯油留分を水素化処理することか
らなる灯油の製造方法。 (2) 接触分解原料油を接触分解し、その生成油から
灯油留分を分留し、該灯油留分を直留灯油と混合して水
素化処理することからなる灯油の製造方法。
【0008】(3) 接触分解原料油を接触分解した生
成油から分留した灯油留分の蒸留範囲が140℃〜24
0℃である(1)または(2)記載の灯油の製造方法。 (4) 接触分解原料油を接触分解した生成油から分留
した灯油留分の混合比が混合油基準で0.5〜10vo
l%の範囲である(2)または(3)記載の灯油の製造
方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、接触分解原料油を接触
分解し、その生成油中の灯油留分を蒸留により分留し、
さらに水素化処理により硫黄分等の不純物を除去すると
同時にオレフィン分および芳香族分を水素化することに
より通常の灯油用燃焼機器に適した高性能灯油を製造す
るものである。さらに、本発明では高い発熱量を持つ高
カロリー灯油をも製造することができる。
【0010】本発明の製造方法の代表的な態様を順に説
明する。まず、接触分解方法および接触分解生成油から
分留する灯油留分につき説明する。接触分解方法は典型
的には流動接触分解(FCC)と呼ばれる方法が用いら
れるが、流動床形式以外の反応形式でも可能である。通
常、流動接触分解の主目的は重質油からのガソリンや分
解軽油の製造であり、特にガソリンの品質向上のため生
成物中には芳香族分やオレフィン分が多量に含まれてい
る。接触分解原料油としては炭化水素油、特に石油留分
のうち重質油を用いればよいが、ワックスや一部ナフサ
を用いてもよい。接触分解原料油として特に好ましいも
のは重質軽油、減圧軽油、常圧残油、脱歴油、原油およ
びこれらを事前に脱硫処理したものが挙げられる。勿
論、これらの混合物も好適である。常圧残油や原油のよ
うにアスファルテン分を多く含むものを原料とする場合
は接触分解方法を残油流動接触分解(RFCC)などと
呼んで区別している場合もある。
【0011】接触分解に用いる触媒は微小粒状のシリ
カ、シリカアルミナ、ゼオライトなどが挙げられる。そ
して、通常は反応、再生を連続的に繰り返しながら使用
する。通常の脱硫重質軽油等を原料とする流動接触分解
(FCC)ではライザー管下部に供給した原料が触媒と
接触しながらライザー管内を上昇しながら反応が進行す
る。その際の主な反応条件は触媒/原料油比5〜10、
接触時間1〜20秒、反応温度(ライザー管出口温度)
480〜560℃、反応圧力0.1〜0.3MPaで実
施すればよい。また、脱硫残油等を原料とする残油流動
接触分解(RFCC)では触媒/原料油比4〜10、接
触時間1〜10秒、反応温度(ライザー管出口温度)5
00〜560℃、反応圧力0.05〜0.2MPaで実
施すればよい。
【0012】得られる生成油は従来はガス、LPG、F
CCガソリン、分解軽油、分解残油として分留されそれ
ぞれ利用されていた。本発明では、これをガス、LP
G、FCCガソリン、灯油留分、分解軽油、分解残油と
して分留し、灯油留分を別途取り出すことが必要であ
る。この灯油留分の蒸留範囲は140℃〜240℃、好
ましくは145℃〜235℃、さらに好ましくは170
℃〜210℃であることが望ましい。上記範囲より低沸
点留分を含むものから得られる灯油は引火点が低くなり
使用上問題を生ずる場合がある。また、上記範囲より高
沸点留分を含むものから得られる灯油は水素化処理のみ
によっては精製が十分でなく煙点の低いものとなる場合
があり、通常の燃焼機器に使用し難くなる。
【0013】つぎに、上記で得られた灯油留分の水素化
処理について説明する。水素化処理は、通常の灯油水素
化脱硫処理と同様の処理により実施すればよい。すなわ
ち、反応形式としては固定床流通式が最も一般的であ
る。触媒としては石油精製における水素化処理触媒を用
いればよいが、通常は灯油または軽油の脱硫触媒を用い
る。具体的には多孔質アルミナ等の無機多孔質酸化物担
体にコバルト、ニッケル、モリブデン、タングステンな
どの水素化活性を持つ金属種を担持した触媒を用いれば
よい。好ましい態様としては、多孔質アルミナ担体にコ
バルト/モリブデン、ニッケル/モリブデン、コバルト
/ニッケル/モリブデン、ニッケル/タングステンを担
持した触媒を挙げることができる。この触媒の比表面積
は200〜300m2 /gであることが好ましい。固定
床流通式反応の場合、通常の水素化処理の反応条件とし
ては反応温度250〜390℃、水素分圧1〜10MP
a、液空間速度(LHSV)0.1〜10hr-1、水素
/原料油比100〜1000Nm3 /klの範囲で実施
すればよい。
【0014】本発明の水素化処理においては、硫黄分等
の不純物を除去するだけでなく水素化処理の原料となる
灯油留分中のオレフィン分および芳香族分を水素化する
ことにより通常の灯油用燃焼機器に適した高性能灯油を
製造するものである。本発明では、オレフィン分や芳香
族分が多く煙点や安定性の優れない灯油留分を水素化処
理により改質してオレフィン分や芳香族分を低減させ、
優れた性状の灯油とする事が出来る。さらに、本発明で
は、ナフテン分の比較的多い灯油を製造することができ
通常の灯油と煙点等の性状は変わらなくともより高い発
熱量を持つ高カロリー灯油を製造することもできる。
【0015】なお、本発明における水素化処理において
は、通常の直留灯油脱硫処理装置で直留灯油脱硫処理条
件とほぼ同じ条件で実施すればよいが、灯油留分中のオ
レフィン分および芳香族分を水素化することにより大量
の水素を消費し、また発熱がある。それ故、反応層を複
数段にしてその中間で徐熱をしたり水素を追加供給する
方法が有効である。特に、反応層の途中にいわゆるクエ
ンチ水素を導入する方法がこれらを解決する方法として
便利である。
【0016】また、現実的な本発明の灯油製造方法の態
様として、上記灯油留分を未洗の直留灯油と混合して水
素化処理する方法がある。この方法によれば反応時の発
熱量や水素消費量を制御しながら所望の灯油が得られ
る。特に、煙点、安定性等の性状を直留灯油からの水素
化処理灯油と同等にすることが容易になり既存の灯油脱
硫設備等で十分実施できる。この場合の混合油中の灯油
留分は0.1〜20vol%、好ましくは0.5〜10
vol%、さらに好ましくは3〜7vol%とすること
が望ましい。混合比が上記範囲より少ない場合は特に不
都合はないが経済的にメリットが少ない。なお、高カロ
リー灯油を製造したい場合はあまり混合比を少なくしな
いほうがよい。また、上記範囲より多い場合は、上述し
た接触分解生成物からの灯油留分の単独水素化処理と類
似の問題点があり不都合な場合がある。
【0017】以上に説明した本発明の灯油は単独でも、
他の灯油基材と混合しても使用できる。また、軽油やA
重油の基材としても使用できる。特に、寒冷地用の軽油
やA重油の基材としては好適である。
【0018】
【実施例】本発明の灯油の製造方法を具体的な実施例に
より説明する。なお、本発明は以下の実施例のように実
施すれば実現できるが、本発明の灯油の製造方法は本実
施例に限られるものではない。 〔実施例1〕脱硫常圧残油を原料として、通常のガソリ
ン製造用の常圧残油接触分解装置(RFCC)からの生
成物を蒸留して得た灯油留分(HVN)をAとする。
(灯油留分Aの性状を表1に、RFCCの運転条件を表
3に示す。)。この灯油留分Aを中東系原油を直接蒸留
して得た未洗直留灯油(この未洗灯油の性状を表1に示
す。)に混合油中で3vol%の割合となるよう混合し
て(混合比を表2に示す。)灯油水素化処理装置で水素
化処理した。水素化処理条件は表3に示す。得られた水
素化処理灯油の性状、性能を表4に示す。
【0019】〔実施例2〕灯油留分Aの混合比を表2に
示すように5vol%とした以外は実施例1と同様の操
作で水素化処理をおこなった。得られた水素化処理灯油
の性状、性能を表4に示す。 〔実施例3〕灯油留分Aの混合比を表2に示すように1
0vol%とした以外は実施例1と同様の操作で水素化
処理をおこなった。得られた水素化処理灯油の性状、性
能を表4に示す。
【0020】〔実施例4〕実施例1と同じRFCCから
の生成物を蒸留して得た性状の異なるHVN(Bとす
る。Bの性状を表1に示す。)を用いた以外は実施例3
と同様の操作で水素化処理をおこなった。得られた水素
化処理灯油の性状、性能を表4に示す。 〔実施例5〕灯油留分Aの混合比を表2に示すように1
5vol%とした以外は実施例1と同様の操作で水素化
処理をおこなった。得られた水素化処理灯油の性状、性
能を表4に示す。
【0021】〔実施例6〕実施例1と同じRFCCから
の生成物を蒸留して得た性状の異なるHVN(Cとす
る。Cの性状を表1に示す。)を用いた以外は実施例3
と同様の操作で水素化処理をおこなった。得られた水素
化処理灯油の性状、性能を表5に示す。 〔実施例7〕実施例1と同じRFCCからの生成物を蒸
留して得た性状の異なるHVN(Dとする。Dの性状を
表1に示す。)を用いた以外は実施例3と同様の操作で
水素化処理をおこなった。得られた水素化処理灯油の性
状、性能を表5に示す。
【0022】〔比較例1〕灯油留分Aを実施例1と同じ
未洗直留灯油に5vol%の割合となるよう混合して
(表2に示す)水素化処理をしないで、そのまま灯油と
した。この灯油の性状、性能を表5に示す。 〔参考例1〕中東系原油を直接蒸留して得た表1に示す
未洗灯油100vol%のまま灯油水素化処理装置で水
素化処理した。水素化処理条件を表3に示す。得られた
水素化処理灯油の性状、性能を表5に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】*1:4lの金属容器にて43℃で90日
間貯蔵した後の評価 *2:小型石油ストーブで1000時間燃焼した時の燃
焼性評価結果 ○ 問題なし、 △ 燃焼障害発生
【0028】
【表5】
【0029】*1:4lの金属容器にて43℃で90日
間貯蔵した後の評価 *2:小型石油ストーブで1000時間燃焼した時の燃
焼性評価結果 ○ 問題なし、 △ 燃焼障害発生 表4、表5から判るように本発明の方法により低硫黄分
で、煙点が高く安定性の優れた灯油を得ることができ
た。また、参考例に示す従来の水素化処理灯油と他の性
状はほとんど変わらず、高発熱量の灯油が得られる。な
お、実施例5,7は芯式の小型ストーブにはあまり適し
てはいないがFF式などの最近の燃焼器具にたいしては
発熱量が高いだけ有利である。また、実施例6の灯油は
引火点がJIS1号灯油の規格を満足していないが、ス
トリッピング、蒸留により調製すれば規格を満足するこ
とはできるし、引火点を問題としない用途では使用可能
である。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法により従来は煙点等の性状
が極端に悪く、灯油とすることが出来ないとされていた
接触分解装置から得られる灯油留分を利用して高品質の
灯油の製造が可能となる。さらに、これらの灯油は高カ
ロリー灯油として製造することもできる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H029 BA02 BA11 BA13 BA14 BA16 BB03 BB04 BB05 BB10 BB13 BC01 BC05 BD03 BD04 CA00 DA00 DA01 DA03 DA09 DA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接触分解原料油を接触分解し、その生成
    油から灯油留分を分留し、該灯油留分を水素化処理する
    ことからなる灯油の製造方法。
  2. 【請求項2】 接触分解原料油を接触分解し、その生成
    油から灯油留分を分留し、該灯油留分を直留灯油と混合
    して水素化処理することからなる灯油の製造方法。
  3. 【請求項3】 接触分解原料油を接触分解した生成油か
    ら分留した灯油留分の蒸留範囲が140℃〜240℃で
    ある請求項1または2記載の灯油の製造方法。
  4. 【請求項4】 接触分解原料油を接触分解した生成油か
    ら分留した灯油留分の混合比が混合油基準で0.5〜1
    0vol%の範囲である請求項2または3記載の灯油の
    製造方法。
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