JP2000215436A - 磁気記録媒体およびそれを用いた磁気ディスク装置 - Google Patents
磁気記録媒体およびそれを用いた磁気ディスク装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 粒子サイズならびにその分布が著しく小さ
く、配向し、かつ、結晶粒子間隔が0.5〜1.0nmの磁性膜
の結晶粒子を物理的に独立して存在させる。それによ
り、磁性粒子間の磁気的相互作用を低減し、磁性膜の配
向性を制御する。ノイズの低減、熱揺らぎや熱減磁の低
減した磁気記録媒体を実現する。 【解決手段】 ディスク基板上に、酸化コバルト、酸化
鉄あるいは酸化ニッケルの内より選ばれる1種類の酸化
物からなる結晶粒子と、該結晶粒子の結晶粒界に存在す
る酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化
タンタルあるいは酸化亜鉛の内より選ばれる少なくとも
1種類の酸化物とを有する無機化合物膜が形成され、該
無機化合物膜上に磁性粒子を含む磁性膜が形成され、該
磁性膜の磁性粒子間の間隔が0.5nm以上1.0nm以下である
磁気記録媒体とする。
く、配向し、かつ、結晶粒子間隔が0.5〜1.0nmの磁性膜
の結晶粒子を物理的に独立して存在させる。それによ
り、磁性粒子間の磁気的相互作用を低減し、磁性膜の配
向性を制御する。ノイズの低減、熱揺らぎや熱減磁の低
減した磁気記録媒体を実現する。 【解決手段】 ディスク基板上に、酸化コバルト、酸化
鉄あるいは酸化ニッケルの内より選ばれる1種類の酸化
物からなる結晶粒子と、該結晶粒子の結晶粒界に存在す
る酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化
タンタルあるいは酸化亜鉛の内より選ばれる少なくとも
1種類の酸化物とを有する無機化合物膜が形成され、該
無機化合物膜上に磁性粒子を含む磁性膜が形成され、該
磁性膜の磁性粒子間の間隔が0.5nm以上1.0nm以下である
磁気記録媒体とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大量の情報を迅速
かつ正確に格納するための情報記録媒体にかかり、特
に、高性能でかつ高信頼性を有する磁気ディスク用の磁
気記録媒体の構造及びそれを用いた磁気ディスク、磁気
記録装置に関する。
かつ正確に格納するための情報記録媒体にかかり、特
に、高性能でかつ高信頼性を有する磁気ディスク用の磁
気記録媒体の構造及びそれを用いた磁気ディスク、磁気
記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にはめざま
しいものがあり、各種形態の情報を統合したマルチメデ
ィアが急速に普及してきている。これを支える情報記録
装置の1つに磁気ディスク装置がある。現在、磁気ディ
スク装置は、記録密度を向上させつつ小型化が図られて
いる。それと並行して、ディスク装置の低価格化が急速
に進められている。ところで、磁気ディスクの高密度化
を実現するためには、1)ディスクと磁気ヘッドとの距
離をつめること、2)媒体の保磁力を増大させること、
3)信号処理方法を工夫することなどが必須の技術であ
る。
しいものがあり、各種形態の情報を統合したマルチメデ
ィアが急速に普及してきている。これを支える情報記録
装置の1つに磁気ディスク装置がある。現在、磁気ディ
スク装置は、記録密度を向上させつつ小型化が図られて
いる。それと並行して、ディスク装置の低価格化が急速
に進められている。ところで、磁気ディスクの高密度化
を実現するためには、1)ディスクと磁気ヘッドとの距
離をつめること、2)媒体の保磁力を増大させること、
3)信号処理方法を工夫することなどが必須の技術であ
る。
【0003】中でも、磁気記録媒体においては、高密度
記録を実現するために、保磁力の増大が必須である。こ
れに加えて、10 Gb/in2を超える記録密度を実現するた
めには、磁化反転が生じる単位を小さくしなければなら
ない。そのためには、磁性粒子のサイズを微細化するこ
とが必要で、これを実現する方法として、磁性膜の下に
シード層を設けることが提案されている。その一例とし
てUSP-4652499をあげることができる。
記録を実現するために、保磁力の増大が必須である。こ
れに加えて、10 Gb/in2を超える記録密度を実現するた
めには、磁化反転が生じる単位を小さくしなければなら
ない。そのためには、磁性粒子のサイズを微細化するこ
とが必要で、これを実現する方法として、磁性膜の下に
シード層を設けることが提案されている。その一例とし
てUSP-4652499をあげることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では、
情報記録用磁性膜の結晶粒子サイズの分布を制御するに
は限度があり、微小な粒子や粗大化した粒子が共存して
いる場合があった。これらの微小な粒子や粗大化した粒
子は、情報を記録する場合(磁化を反転させる場合)に、
周囲の磁性粒子からの漏洩磁界の影響を受けたり、逆
に、大きな粒子では相互作用を与えるために、10GB/inc
h2を超える超高密度記録を行う場合、安定した記録が行
えない場合があった。さらに、情報の記録再生におい
て、磁性粒子間の磁気的な相互作用が強いとノイズが増
大するなど、記録密度の高密度化において不利になる場
合があった。
情報記録用磁性膜の結晶粒子サイズの分布を制御するに
は限度があり、微小な粒子や粗大化した粒子が共存して
いる場合があった。これらの微小な粒子や粗大化した粒
子は、情報を記録する場合(磁化を反転させる場合)に、
周囲の磁性粒子からの漏洩磁界の影響を受けたり、逆
に、大きな粒子では相互作用を与えるために、10GB/inc
h2を超える超高密度記録を行う場合、安定した記録が行
えない場合があった。さらに、情報の記録再生におい
て、磁性粒子間の磁気的な相互作用が強いとノイズが増
大するなど、記録密度の高密度化において不利になる場
合があった。
【0005】そこで、本発明の第1の目的は、磁性膜の
結晶粒子を物理的に孤立させることにより、磁性粒子相
互の磁気的相互作用を低減でき、磁気的反転領域を小さ
くすることにより、高密度記録が可能な磁気記録媒体を
提供することにある。本発明の第2の目的は、磁性膜に
おける結晶粒子サイズの分散を抑制し、かつ、微細化す
ることにより、ノイズの発生が小さい高性能な磁気記録
媒体を提供することにある。本発明の第3の目的は、結
晶粒子サイズの分散を抑制することにより、低ノイズ、
低熱揺らぎ、ならびに低熱減磁の磁気記録媒体を提供す
ることにある。さらに、本発明の第4の目的は、磁性膜
の配向性を制御することにより、微小磁区の形成を容易
にするとともに、この磁区を安定に存在させることによ
り高密度磁気記録に好適な磁気記録媒体を提供すること
にある。これにより、20 GB/inch2を超える超高密度磁
気記録媒体を提供することができる。
結晶粒子を物理的に孤立させることにより、磁性粒子相
互の磁気的相互作用を低減でき、磁気的反転領域を小さ
くすることにより、高密度記録が可能な磁気記録媒体を
提供することにある。本発明の第2の目的は、磁性膜に
おける結晶粒子サイズの分散を抑制し、かつ、微細化す
ることにより、ノイズの発生が小さい高性能な磁気記録
媒体を提供することにある。本発明の第3の目的は、結
晶粒子サイズの分散を抑制することにより、低ノイズ、
低熱揺らぎ、ならびに低熱減磁の磁気記録媒体を提供す
ることにある。さらに、本発明の第4の目的は、磁性膜
の配向性を制御することにより、微小磁区の形成を容易
にするとともに、この磁区を安定に存在させることによ
り高密度磁気記録に好適な磁気記録媒体を提供すること
にある。これにより、20 GB/inch2を超える超高密度磁
気記録媒体を提供することができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、ディスク
基板上に、酸化コバルト、酸化鉄あるいは酸化ニッケル
の内より選ばれる1種類の酸化物からなる結晶粒子と、
該結晶粒子の結晶粒界に存在する酸化シリコン、酸化ア
ルミニウム、酸化チタン、酸化タンタルあるいは酸化亜
鉛の内より選ばれる少なくとも1種類の酸化物とを有す
る無機化合物膜が形成され、該無機化合物膜上に磁性粒
子を含む磁性膜が形成され、該磁性膜の磁性粒子間の間
隔が0.5nm以上1.0nm以下である磁気記録媒体とすること
により実現する。また、ガラス基板表面に酸化コバル
ト、酸化鉄あるいは酸化ニッケルの内より選ばれる1種
類の酸化物(溶質)を酸化シリコン、酸化アルミニウム、
酸化チタン、酸化タンタルあるいは酸化亜鉛の内より選
ばれる少なくとも1種類の酸化物(溶媒)に溶解した無機
化合物の薄膜を形成した後に、その膜構造を反映した構
造の磁気記録媒体を作製することにより実現できる。す
なわち、無機化合物層の結晶粒子からエピタキシャル成
長させるとともに、結晶粒子どうしの間隔を反映して、
磁性結晶粒子どうしが物理的に独立して存在しているこ
とである。これにより、磁性結晶粒子間の磁気的な相互
作用を低減できるので、磁化反転が粒子が独立して行う
ことが可能になる。
基板上に、酸化コバルト、酸化鉄あるいは酸化ニッケル
の内より選ばれる1種類の酸化物からなる結晶粒子と、
該結晶粒子の結晶粒界に存在する酸化シリコン、酸化ア
ルミニウム、酸化チタン、酸化タンタルあるいは酸化亜
鉛の内より選ばれる少なくとも1種類の酸化物とを有す
る無機化合物膜が形成され、該無機化合物膜上に磁性粒
子を含む磁性膜が形成され、該磁性膜の磁性粒子間の間
隔が0.5nm以上1.0nm以下である磁気記録媒体とすること
により実現する。また、ガラス基板表面に酸化コバル
ト、酸化鉄あるいは酸化ニッケルの内より選ばれる1種
類の酸化物(溶質)を酸化シリコン、酸化アルミニウム、
酸化チタン、酸化タンタルあるいは酸化亜鉛の内より選
ばれる少なくとも1種類の酸化物(溶媒)に溶解した無機
化合物の薄膜を形成した後に、その膜構造を反映した構
造の磁気記録媒体を作製することにより実現できる。す
なわち、無機化合物層の結晶粒子からエピタキシャル成
長させるとともに、結晶粒子どうしの間隔を反映して、
磁性結晶粒子どうしが物理的に独立して存在しているこ
とである。これにより、磁性結晶粒子間の磁気的な相互
作用を低減できるので、磁化反転が粒子が独立して行う
ことが可能になる。
【0007】ここで、この無機化合物の薄膜は、溶質物
質が結晶粒子として析出し、溶媒物質がその結晶粒界に
存在している構造である。ここで、作製した無機化合物
膜は、結晶相の形状が規則的に配列した六角形のハニカ
ム構造であり、しかも、結晶粒子のサイズ分布が標準偏
差で2nm以下であることが最も好ましい。さらに、無機
化合物における結晶粒子どうしの距離が0.5〜1.0nm程度
であることが好ましい。さらに、この無機化合物層の膜
厚は、10nm以上、100nm程度であることが好ましい。こ
れは、成膜時間の観点と膜の内部応力の観点から決定さ
れるものである。先の無機化合物薄膜を形成した後に、
磁気記録媒体を形成するのに、無機化合物薄膜上にエピ
タキシャル的に成長させることが最も好ましい。これ
は、無機化合物薄膜の結晶組織を反映して、形成された
磁性膜の結晶粒子サイズは、無機化合物薄膜の溶質粒子
と同一にできるからである。さらに、無機化合物薄膜の
結晶粒子どうしの間隔が0.5〜1.0nm程度であることを反
映して、磁性膜の結晶粒子どうしの間隔が、通常の基板
上に形成した場合より間隔が広くなっている。これは、
結晶粒子どうしが物理的に孤立した状態である。その結
果、磁気的相互作用を低減できる。
質が結晶粒子として析出し、溶媒物質がその結晶粒界に
存在している構造である。ここで、作製した無機化合物
膜は、結晶相の形状が規則的に配列した六角形のハニカ
ム構造であり、しかも、結晶粒子のサイズ分布が標準偏
差で2nm以下であることが最も好ましい。さらに、無機
化合物における結晶粒子どうしの距離が0.5〜1.0nm程度
であることが好ましい。さらに、この無機化合物層の膜
厚は、10nm以上、100nm程度であることが好ましい。こ
れは、成膜時間の観点と膜の内部応力の観点から決定さ
れるものである。先の無機化合物薄膜を形成した後に、
磁気記録媒体を形成するのに、無機化合物薄膜上にエピ
タキシャル的に成長させることが最も好ましい。これ
は、無機化合物薄膜の結晶組織を反映して、形成された
磁性膜の結晶粒子サイズは、無機化合物薄膜の溶質粒子
と同一にできるからである。さらに、無機化合物薄膜の
結晶粒子どうしの間隔が0.5〜1.0nm程度であることを反
映して、磁性膜の結晶粒子どうしの間隔が、通常の基板
上に形成した場合より間隔が広くなっている。これは、
結晶粒子どうしが物理的に孤立した状態である。その結
果、磁気的相互作用を低減できる。
【0008】このような無機化合物薄膜上に、磁気記録
媒体をエピタキシャル成長させる。この場合、重要なの
は結晶粒子と磁気記録媒体との格子定数の整合性であ
る。しかし、この点については、無機化合物薄膜の材
料、組成、成膜条件を選択することにより、解消でき
る。ここで、無機化合物中の結晶粒子(溶質物質)のX線
による回折角が、この上に形成する磁気記録媒体と同一
であるか、類似していることが好ましい。この無機化合
物層がX線的に結晶質であり、かつ、その結晶構造が磁
気記録媒体の構造と同じかあるいは類似の構造であるこ
とが好ましい。ここで、類似とは、結晶の格子定数の差
が±10%以内程度であることをさす。これは、無機化合
物層と磁気記録媒体との格子定数のミスマッチが磁性膜
の成長に影響しないからである。
媒体をエピタキシャル成長させる。この場合、重要なの
は結晶粒子と磁気記録媒体との格子定数の整合性であ
る。しかし、この点については、無機化合物薄膜の材
料、組成、成膜条件を選択することにより、解消でき
る。ここで、無機化合物中の結晶粒子(溶質物質)のX線
による回折角が、この上に形成する磁気記録媒体と同一
であるか、類似していることが好ましい。この無機化合
物層がX線的に結晶質であり、かつ、その結晶構造が磁
気記録媒体の構造と同じかあるいは類似の構造であるこ
とが好ましい。ここで、類似とは、結晶の格子定数の差
が±10%以内程度であることをさす。これは、無機化合
物層と磁気記録媒体との格子定数のミスマッチが磁性膜
の成長に影響しないからである。
【0009】ここで、用いる磁気記録媒体として、Coを
主体とし、これにCr,Pt,Ta,Nbの内より選ばれる少なく
とも2種類の元素を含む合金の強磁性薄膜が最も好まし
い。ところで、この強磁性薄膜の構造は、結晶粒子がCo
であり、その結晶粒界の近傍あるいは粒界にCr,Ta,Nbの
内より選ばれる少なくとも1種類の元素が偏析させて存
在させる。特に、磁性膜の配向性が、Coの(102)が優先
的に配向していることが高密度記録の観点から最も好適
である。
主体とし、これにCr,Pt,Ta,Nbの内より選ばれる少なく
とも2種類の元素を含む合金の強磁性薄膜が最も好まし
い。ところで、この強磁性薄膜の構造は、結晶粒子がCo
であり、その結晶粒界の近傍あるいは粒界にCr,Ta,Nbの
内より選ばれる少なくとも1種類の元素が偏析させて存
在させる。特に、磁性膜の配向性が、Coの(102)が優先
的に配向していることが高密度記録の観点から最も好適
である。
【0010】このような磁気記録媒体を形成した磁気デ
ィスク円板、磁気ヘッド、あるいは電気回路からなる磁
気ディスク装置を構成する。そして、この装置に情報を
記録、再生あるいは消去を行なう。
ィスク円板、磁気ヘッド、あるいは電気回路からなる磁
気ディスク装置を構成する。そして、この装置に情報を
記録、再生あるいは消去を行なう。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の詳細を実施例を用いて説
明する。
明する。
【0012】(実施例1)作製した磁気ディスクの断面
構造の模式図を図1に示す。まず、磁気ディスク用の基
板(1)として、2.5″直径のガラス基板を用いた。ここで
用いた基板はほんの1例であり、いずれのサイズのディ
スク基板を用いても、また、AlやAl合金などの金属の基
板を用いても、材質やサイズに本発明の効果は左右され
るものではない。この基板(1)上に、無機化合物層(2)と
して、CoOとSiO2を2:1に混合したものをターゲットに用
い、スパッタ法により30 nm膜厚に形成した。放電ガス
には純Arをそれぞれ使用した。スパッタ時の圧力は、3m
Torrである。投入RF電力は1kW/150mmφである。成膜中
は、基板を300℃に加熱した。得られた無機化合物層(2)
の表面をTEMにより観察した結果の概略図を図2に示す。
この図より、9nmの正六角形の結晶粒子の集合体(ハニカ
ム構造)であった。各層をμ-EDXにより分析したとこ
ろ、結晶粒子は溶質のコバルトの酸化物で、結晶粒界に
存在しているのが溶媒の酸化シリコンであることがわか
った。結晶粒子のサイズや格子定数、結晶粒子の間隔を
制御するために、Co酸化物と酸化シリコンとの比を変化
(組成を変化させることに相当)させたり、酸化シリコン
に酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウムあるい
は酸化亜鉛などを加えたりしてもよい。また、 Co酸化
物にNi酸化物や酸化鉄を添加してもよい。この無機化合
物膜(2)の上に、磁性膜(3)として、Co69Cr19Pt12膜を12
nm膜厚に形成した。ターゲットにはCo-Cr-Pt合金を、
放電ガスには純Arをそれぞれ使用した。スパッタ時の圧
力は、3mTorrである。投入DC電力は1kW/150mmφであ
る。最後に、保護膜(4)として、C膜を5 nm の膜厚に形
成した。スパッタの条件は、投入DC電力密度が1kW/15
0mmφ、放電ガス圧力が5mTorrである。ここでは、スパ
ッタガスにArを使用したが、窒素を含むガス、あるい
は窒素と水素を含むガスを用いてもよいことは言うまで
もない。これは、粒子が微細化するために、得られる膜
が緻密化し、保護性能を向上させることができる。この
膜の膜質は、このようなスパッタの方法に加えて、得ら
れる膜の性質が装置に大きく依存しているので、この条
件や手法は絶対的なものではない。
構造の模式図を図1に示す。まず、磁気ディスク用の基
板(1)として、2.5″直径のガラス基板を用いた。ここで
用いた基板はほんの1例であり、いずれのサイズのディ
スク基板を用いても、また、AlやAl合金などの金属の基
板を用いても、材質やサイズに本発明の効果は左右され
るものではない。この基板(1)上に、無機化合物層(2)と
して、CoOとSiO2を2:1に混合したものをターゲットに用
い、スパッタ法により30 nm膜厚に形成した。放電ガス
には純Arをそれぞれ使用した。スパッタ時の圧力は、3m
Torrである。投入RF電力は1kW/150mmφである。成膜中
は、基板を300℃に加熱した。得られた無機化合物層(2)
の表面をTEMにより観察した結果の概略図を図2に示す。
この図より、9nmの正六角形の結晶粒子の集合体(ハニカ
ム構造)であった。各層をμ-EDXにより分析したとこ
ろ、結晶粒子は溶質のコバルトの酸化物で、結晶粒界に
存在しているのが溶媒の酸化シリコンであることがわか
った。結晶粒子のサイズや格子定数、結晶粒子の間隔を
制御するために、Co酸化物と酸化シリコンとの比を変化
(組成を変化させることに相当)させたり、酸化シリコン
に酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウムあるい
は酸化亜鉛などを加えたりしてもよい。また、 Co酸化
物にNi酸化物や酸化鉄を添加してもよい。この無機化合
物膜(2)の上に、磁性膜(3)として、Co69Cr19Pt12膜を12
nm膜厚に形成した。ターゲットにはCo-Cr-Pt合金を、
放電ガスには純Arをそれぞれ使用した。スパッタ時の圧
力は、3mTorrである。投入DC電力は1kW/150mmφであ
る。最後に、保護膜(4)として、C膜を5 nm の膜厚に形
成した。スパッタの条件は、投入DC電力密度が1kW/15
0mmφ、放電ガス圧力が5mTorrである。ここでは、スパ
ッタガスにArを使用したが、窒素を含むガス、あるい
は窒素と水素を含むガスを用いてもよいことは言うまで
もない。これは、粒子が微細化するために、得られる膜
が緻密化し、保護性能を向上させることができる。この
膜の膜質は、このようなスパッタの方法に加えて、得ら
れる膜の性質が装置に大きく依存しているので、この条
件や手法は絶対的なものではない。
【0013】次に、この磁気記録媒体および無機化合物
層(2)のみの膜の構造をX線回折法により調べた結果を
図3にまとめて示す。まず、無機化合物層は、2θ=62.5
°付近に回折ピークが観測された。これは、CoOの(220)
に対応している。この他には、明確なピークは得られな
かった。2θ=44°付近の非常にブロードなピークは、ガ
ラス基板によるものと、結晶粒界の非晶質層によるもの
とが重畳していると考えられる。次に、磁気記録媒体の
プロファイルは、この図に示すように、Coの(102)が強
く配向していることがわかる。これは、無機化合物層が
CoOの(220)が配向した結果を反映して、この上に磁性膜
がエピタキシャル的に配向したことを示している。この
Coの配向は、高密度記録にとって最も好適である。ここ
で、無機化合物層と磁性膜の格子定数は0.402nmでほぼ
同じであった。また、電子顕微鏡による平面の観察か
ら、平均粒子径(円形近似)が10nmであり、粒子径分布を
求めたところ、標準偏差:σで1.5nm以下と粒径分布が著
しく小さかった。この無機化合物膜が存在しない場合
は、Co(102)面は観測されないことから、この膜は磁性
膜の配向性制御に大きく寄与していることがわかる。こ
のように、無機化合物層(2)上に磁性膜を形成すると、
磁性膜の結晶粒子は微細化し、かつ、粒子サイズの分布
が小さくなることがわかる。次に、断面観察から、無機
化合物層と磁性膜は、エピタキシャル成長していること
がわかった。その組織も良好な柱状構造であり、基板表
面から媒体表面まで結晶粒子サイズが変化していなこと
がわかった。さらに、無機化合物層(2)の結晶粒界は、
0.5〜1.0nmであり、これを反映して、この上に作製した
磁気記録媒体の結晶粒子どうしが物理的に孤立して存在
していることがわかった(概念図を図2下に示す)。その
結果、結晶粒子間の磁気的な相互作用の低減に効果が見
られた。
層(2)のみの膜の構造をX線回折法により調べた結果を
図3にまとめて示す。まず、無機化合物層は、2θ=62.5
°付近に回折ピークが観測された。これは、CoOの(220)
に対応している。この他には、明確なピークは得られな
かった。2θ=44°付近の非常にブロードなピークは、ガ
ラス基板によるものと、結晶粒界の非晶質層によるもの
とが重畳していると考えられる。次に、磁気記録媒体の
プロファイルは、この図に示すように、Coの(102)が強
く配向していることがわかる。これは、無機化合物層が
CoOの(220)が配向した結果を反映して、この上に磁性膜
がエピタキシャル的に配向したことを示している。この
Coの配向は、高密度記録にとって最も好適である。ここ
で、無機化合物層と磁性膜の格子定数は0.402nmでほぼ
同じであった。また、電子顕微鏡による平面の観察か
ら、平均粒子径(円形近似)が10nmであり、粒子径分布を
求めたところ、標準偏差:σで1.5nm以下と粒径分布が著
しく小さかった。この無機化合物膜が存在しない場合
は、Co(102)面は観測されないことから、この膜は磁性
膜の配向性制御に大きく寄与していることがわかる。こ
のように、無機化合物層(2)上に磁性膜を形成すると、
磁性膜の結晶粒子は微細化し、かつ、粒子サイズの分布
が小さくなることがわかる。次に、断面観察から、無機
化合物層と磁性膜は、エピタキシャル成長していること
がわかった。その組織も良好な柱状構造であり、基板表
面から媒体表面まで結晶粒子サイズが変化していなこと
がわかった。さらに、無機化合物層(2)の結晶粒界は、
0.5〜1.0nmであり、これを反映して、この上に作製した
磁気記録媒体の結晶粒子どうしが物理的に孤立して存在
していることがわかった(概念図を図2下に示す)。その
結果、結晶粒子間の磁気的な相互作用の低減に効果が見
られた。
【0014】この磁性膜の磁気特性を測定した。得られ
た磁気特性は、保磁力が3.5 kOe、Isvが2.5×10-16 em
u、M-Hループにおけるヒステリシスの角型性の指標であ
るSが0.8、S†が0.86であり、良好な磁気特性を有して
いた。このことは、磁性膜の結晶粒子サイズが小さく、
そのばらつきが小さいことを反映しているためであるこ
とがわかる。また、微小な結晶粒子がほとんど存在しな
いので、耐熱揺らぎに優れた媒体であることがわかる。
た磁気特性は、保磁力が3.5 kOe、Isvが2.5×10-16 em
u、M-Hループにおけるヒステリシスの角型性の指標であ
るSが0.8、S†が0.86であり、良好な磁気特性を有して
いた。このことは、磁性膜の結晶粒子サイズが小さく、
そのばらつきが小さいことを反映しているためであるこ
とがわかる。また、微小な結晶粒子がほとんど存在しな
いので、耐熱揺らぎに優れた媒体であることがわかる。
【0015】次に、このような磁気特性を有する磁性膜
を用いた磁気ディスクの媒体表面に潤滑剤を塗布してデ
ィスクの記録再生特性を評価した。記録には、2.1Tの高
飽和磁束密度を有する軟磁性膜を用いた磁気ヘッドを記
録ヘッドの用いた。また、巨大磁気抵抗効果を有するヘ
ッドにより再生した。ヘッド面と磁性膜との距離は20nm
である。このディスクに20 GB/inch2に相当する信号を
記録してディスクのS/Nを評価したところ、32dBの再生
出力が得られた。ここで、磁気力顕微鏡(MFM)により磁
化反転単位を測定したところ、粒子2から3個分程度であ
った。この無機化合物層(2)を用いないでCr膜により磁
性膜の配向性を制御した磁性膜における磁化反転単位を
測定したところ、粒子10から30個分程度と著しく大きか
った。このように、磁化反転単位が小さくなっているの
は、本願発明の無機化合物膜(2)を用いたことにより、
磁性膜における構造が変化し、磁性結晶粒子がおのおの
独立して存在している。その結果、磁気的相互作用が低
減され、磁化反転大が微小化したことがわかる。これと
合わせて、磁化遷移領域に存在するジグザグパターンも
従来の媒体より著しく小さかった。また、熱揺らぎや熱
による減磁も発生しなかった。これは、磁性膜の結晶粒
子サイズの分布が小さいこと、特に、微細粒子の存在が
減少したことに起因している。また、このディスクの欠
陥レートを測定したところ、信号処理を行わない場合の
値で、1×10-5以下であった。
を用いた磁気ディスクの媒体表面に潤滑剤を塗布してデ
ィスクの記録再生特性を評価した。記録には、2.1Tの高
飽和磁束密度を有する軟磁性膜を用いた磁気ヘッドを記
録ヘッドの用いた。また、巨大磁気抵抗効果を有するヘ
ッドにより再生した。ヘッド面と磁性膜との距離は20nm
である。このディスクに20 GB/inch2に相当する信号を
記録してディスクのS/Nを評価したところ、32dBの再生
出力が得られた。ここで、磁気力顕微鏡(MFM)により磁
化反転単位を測定したところ、粒子2から3個分程度であ
った。この無機化合物層(2)を用いないでCr膜により磁
性膜の配向性を制御した磁性膜における磁化反転単位を
測定したところ、粒子10から30個分程度と著しく大きか
った。このように、磁化反転単位が小さくなっているの
は、本願発明の無機化合物膜(2)を用いたことにより、
磁性膜における構造が変化し、磁性結晶粒子がおのおの
独立して存在している。その結果、磁気的相互作用が低
減され、磁化反転大が微小化したことがわかる。これと
合わせて、磁化遷移領域に存在するジグザグパターンも
従来の媒体より著しく小さかった。また、熱揺らぎや熱
による減磁も発生しなかった。これは、磁性膜の結晶粒
子サイズの分布が小さいこと、特に、微細粒子の存在が
減少したことに起因している。また、このディスクの欠
陥レートを測定したところ、信号処理を行わない場合の
値で、1×10-5以下であった。
【0016】ここでは、ガラス基板上に結晶質の格子定
数を制御するための薄膜を形成した例を述べたが、この
薄膜を形成した材料を用いて基板を作製し、この上に磁
性膜を形成してもよいことは言うまでもない。また、本
例では溶質物質に酸化クロムを用いた例を述べたが、こ
の効果は酸化鉄あるいは酸化ニッケルを用いても同様の
効果が得られた。さらに、溶質の酸化物として酸化シリ
コンを用いたが、これ以外に、酸化アルミニウム、酸化
チタン、酸化タンタルあるいは酸化亜鉛を用いても同様
の効果が得られた。
数を制御するための薄膜を形成した例を述べたが、この
薄膜を形成した材料を用いて基板を作製し、この上に磁
性膜を形成してもよいことは言うまでもない。また、本
例では溶質物質に酸化クロムを用いた例を述べたが、こ
の効果は酸化鉄あるいは酸化ニッケルを用いても同様の
効果が得られた。さらに、溶質の酸化物として酸化シリ
コンを用いたが、これ以外に、酸化アルミニウム、酸化
チタン、酸化タンタルあるいは酸化亜鉛を用いても同様
の効果が得られた。
【0017】(実施例2)作製した磁気ディスクの断面
構造の模式図は図1に示すとおりで、実施の形態1と同
様である。まず、磁気ディスク用の基板として、2.5″
直径のガラス基板を用いた。ここで用いたガラス基板は
ほんの1例であり、いずれのサイズのディスク基板を用
いても、また、AlやAl合金基板を用いても、本発明の効
果を左右するものではない。この基板(1)上に、無機化
合物層(2)として、CoOとZnOを3:1に混合したものをター
ゲットに用いて、スパッタ法により30 nm膜厚に形成し
た。放電ガスには純Arをそれぞれ使用した。スパッタ時
の圧力は、3mTorrである。投入DC電力は1kW/150mmφで
ある。成膜中は、基板を300℃に加熱した。この無機化
合物層(2)の表面をTEMにより観察したところ、9nmの正
六角形のハニカム構造の結晶粒子の集合体であることが
わかった。この結晶粒子の周囲を取り囲むように、溶媒
物質である酸化亜鉛が存在していた。ここで、結晶粒子
のCoOの格子定数は、磁性膜のそれとほぼ同じであっ
た。このハニカム構造を有する膜の構造をμ-EDXにより
解析したところ、この膜は溶質物質のCoOが結晶粒子で
あり、その粒界に溶媒物質のZnOが存在していた。結晶
粒子間の距離は、0.5〜1.0nmであった。次に、この無機
化合物層(2)の構造をX線回折法により調べた。それに
よると、2θ=62.5°付近にシャープな回折ピーク
が観測された。これは、CoOの(220)に対応している。こ
の他には、明確なピークは得られなかった。
構造の模式図は図1に示すとおりで、実施の形態1と同
様である。まず、磁気ディスク用の基板として、2.5″
直径のガラス基板を用いた。ここで用いたガラス基板は
ほんの1例であり、いずれのサイズのディスク基板を用
いても、また、AlやAl合金基板を用いても、本発明の効
果を左右するものではない。この基板(1)上に、無機化
合物層(2)として、CoOとZnOを3:1に混合したものをター
ゲットに用いて、スパッタ法により30 nm膜厚に形成し
た。放電ガスには純Arをそれぞれ使用した。スパッタ時
の圧力は、3mTorrである。投入DC電力は1kW/150mmφで
ある。成膜中は、基板を300℃に加熱した。この無機化
合物層(2)の表面をTEMにより観察したところ、9nmの正
六角形のハニカム構造の結晶粒子の集合体であることが
わかった。この結晶粒子の周囲を取り囲むように、溶媒
物質である酸化亜鉛が存在していた。ここで、結晶粒子
のCoOの格子定数は、磁性膜のそれとほぼ同じであっ
た。このハニカム構造を有する膜の構造をμ-EDXにより
解析したところ、この膜は溶質物質のCoOが結晶粒子で
あり、その粒界に溶媒物質のZnOが存在していた。結晶
粒子間の距離は、0.5〜1.0nmであった。次に、この無機
化合物層(2)の構造をX線回折法により調べた。それに
よると、2θ=62.5°付近にシャープな回折ピーク
が観測された。これは、CoOの(220)に対応している。こ
の他には、明確なピークは得られなかった。
【0018】この膜上に、磁性膜(3)として、Co69Cr19P
t12膜を12 nm膜厚に形成した。ターゲットにはCo-Cr-Pt
合金を、放電ガスには純Arをそれぞれ使用した。スパッ
タ時の圧力は、3mTorrである。投入DC電力は1kW/150mm
φである。最後に、保護膜(4)として、C膜を5 nm の膜
厚に形成した。スパッタの条件は、投入DC電力密度が
1kW/150mmφ、放電ガス圧力が5mTorrである。ここで
は、スパッタガスにArを使用したが、窒素を含むガス
を用いてもよいことは言うまでもない。これは、粒子が
微細化するために、得られる膜が緻密化し、保護性能を
向上させることができるからである。この膜の膜質は、
このようなスパッタの方法に加えて、得られる膜の性質
が装置に大きく依存しているので、この条件や手法は絶
対的なものではない。
t12膜を12 nm膜厚に形成した。ターゲットにはCo-Cr-Pt
合金を、放電ガスには純Arをそれぞれ使用した。スパッ
タ時の圧力は、3mTorrである。投入DC電力は1kW/150mm
φである。最後に、保護膜(4)として、C膜を5 nm の膜
厚に形成した。スパッタの条件は、投入DC電力密度が
1kW/150mmφ、放電ガス圧力が5mTorrである。ここで
は、スパッタガスにArを使用したが、窒素を含むガス
を用いてもよいことは言うまでもない。これは、粒子が
微細化するために、得られる膜が緻密化し、保護性能を
向上させることができるからである。この膜の膜質は、
このようなスパッタの方法に加えて、得られる膜の性質
が装置に大きく依存しているので、この条件や手法は絶
対的なものではない。
【0019】次に、この磁気記録媒体の構造をX線回折
法により調べた。それによると、2θ=62.5°付近にシャ
ープなCoOの(220)のピークに重なってCoの(102)のピー
クが観測された。その2θ=62.5°付近のピーク強度が増
大していることから、 Coの(102)が強く配向してること
がわかる。この配向は、高密度磁気記録媒体の実現にと
って有利である。媒体表面の観察から、平均粒子径が9n
mであり、無機化合物膜の粒子サイズと同じであった。
この粒子の粒子径分布を求めたところ、標準偏差:σで2
nm以下であった。また、微小な数nmサイズの微小粒子は
存在していなかった。微小粒子が存在していないため
に、耐熱揺らぎに優れていることがわかった。このよう
に、粒子は微細化しており、かつ、粒径分布が小さいこ
とがわかる。また、断面観察から、無機化合物層から磁
性膜は、エピタキシャル成長していることがわかった。
その組織も良好な柱状構造であり、基板表面から媒体表
面まで結晶粒子サイズが変化していなことがわかった。
法により調べた。それによると、2θ=62.5°付近にシャ
ープなCoOの(220)のピークに重なってCoの(102)のピー
クが観測された。その2θ=62.5°付近のピーク強度が増
大していることから、 Coの(102)が強く配向してること
がわかる。この配向は、高密度磁気記録媒体の実現にと
って有利である。媒体表面の観察から、平均粒子径が9n
mであり、無機化合物膜の粒子サイズと同じであった。
この粒子の粒子径分布を求めたところ、標準偏差:σで2
nm以下であった。また、微小な数nmサイズの微小粒子は
存在していなかった。微小粒子が存在していないため
に、耐熱揺らぎに優れていることがわかった。このよう
に、粒子は微細化しており、かつ、粒径分布が小さいこ
とがわかる。また、断面観察から、無機化合物層から磁
性膜は、エピタキシャル成長していることがわかった。
その組織も良好な柱状構造であり、基板表面から媒体表
面まで結晶粒子サイズが変化していなことがわかった。
【0020】この磁性膜の磁気特性を測定した。得られ
た磁気特性は、保磁力が4.0 kOe、Isvが2.5×10-16 em
u、M-Hループにおけるヒステリシスの角型性の指標であ
るSが0.81、S†が0.85であり、良好な磁気特性を有して
いた。このことは、粒子サイズが小さく、しかもそのば
らつきが小さいことを反映しているためであることがわ
かる。
た磁気特性は、保磁力が4.0 kOe、Isvが2.5×10-16 em
u、M-Hループにおけるヒステリシスの角型性の指標であ
るSが0.81、S†が0.85であり、良好な磁気特性を有して
いた。このことは、粒子サイズが小さく、しかもそのば
らつきが小さいことを反映しているためであることがわ
かる。
【0021】次に、このような磁気特性を有する磁性膜
を用いた磁気ディスクの媒体表面に潤滑剤を塗布してデ
ィスクの記録再生特性を評価した。記録には、2.1Tの高
飽和磁束密度を有する軟磁性膜を用いた磁気ヘッドを記
録ヘッドの用いた。また、巨大磁気抵抗効果を有するヘ
ッドにより再生した。ヘッド面と磁性膜との距離は20nm
である。このディスクに20 GB/inch2に相当する信号を
記録してディスクのS/Nを評価したところ、32dBの再生
出力が得られた。ここで、磁気力顕微鏡(MFM)により磁
化反転単位を測定したところ、粒子2から3個分程度であ
り、十分小さいことがわかった。これと合わせて、磁化
遷移領域に存在するジグザグパターンも従来の媒体より
著しく小さかった。また、熱揺らぎや熱による減磁も発
生しなかった。これは、磁性膜の結晶粒子サイズの分布
が小さいことに起因している。また、このディスクの欠
陥レートを測定したところ、信号処理を行わない場合の
値で、1×10-5以下であった。
を用いた磁気ディスクの媒体表面に潤滑剤を塗布してデ
ィスクの記録再生特性を評価した。記録には、2.1Tの高
飽和磁束密度を有する軟磁性膜を用いた磁気ヘッドを記
録ヘッドの用いた。また、巨大磁気抵抗効果を有するヘ
ッドにより再生した。ヘッド面と磁性膜との距離は20nm
である。このディスクに20 GB/inch2に相当する信号を
記録してディスクのS/Nを評価したところ、32dBの再生
出力が得られた。ここで、磁気力顕微鏡(MFM)により磁
化反転単位を測定したところ、粒子2から3個分程度であ
り、十分小さいことがわかった。これと合わせて、磁化
遷移領域に存在するジグザグパターンも従来の媒体より
著しく小さかった。また、熱揺らぎや熱による減磁も発
生しなかった。これは、磁性膜の結晶粒子サイズの分布
が小さいことに起因している。また、このディスクの欠
陥レートを測定したところ、信号処理を行わない場合の
値で、1×10-5以下であった。
【0022】ここでは、ガラス基板上に結晶質の薄膜を
形成した例を述べたが、この薄膜を形成した材料を用い
て基板を作製し、この上に磁性膜を形成してもよいこと
は言うまでもない。また、本例では溶質物質に酸化コバ
ルトを用いた例を述べたが、この効果は酸化鉄、酸化ク
ロムあるいは酸化ニッケルを用いても同様の効果が得ら
れた。ここで重要なのは、溶質である結晶相の配向性で
ある。さらに、溶質の酸化物として酸化亜鉛を用いた
が、これ以外に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化
タンタルあるいは酸化シリコンを用いても同様の効果が
得られた。
形成した例を述べたが、この薄膜を形成した材料を用い
て基板を作製し、この上に磁性膜を形成してもよいこと
は言うまでもない。また、本例では溶質物質に酸化コバ
ルトを用いた例を述べたが、この効果は酸化鉄、酸化ク
ロムあるいは酸化ニッケルを用いても同様の効果が得ら
れた。ここで重要なのは、溶質である結晶相の配向性で
ある。さらに、溶質の酸化物として酸化亜鉛を用いた
が、これ以外に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化
タンタルあるいは酸化シリコンを用いても同様の効果が
得られた。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、粒子サイズならびにそ
の分布が著しく小さく、配向し、かつ、結晶粒子間隔が
0.5〜1.0nmの無機化合物層を下地膜に用い、その上に磁
気記録媒体をエピタキシャル成長させることにより、磁
性膜の結晶粒子を物理的に独立して存在させることがで
きる。それにより、磁性粒子間の磁気的相互作用が低減
することができる。これにより、磁化反転単位を微小化
できる。それと同時に、磁性膜の配向性を制御すること
もできる。また、磁性膜の結晶粒子の微細化、粒子サイ
ズの分布を小さくでき、かつ、微小粒子がほとんど存在
しないので、ディスクを形成したときのノイズの低減、
熱揺らぎや熱減磁の低減に効果がある。これらにより、
20GB/inch2を超える超高密度磁気記録を実現できた。
の分布が著しく小さく、配向し、かつ、結晶粒子間隔が
0.5〜1.0nmの無機化合物層を下地膜に用い、その上に磁
気記録媒体をエピタキシャル成長させることにより、磁
性膜の結晶粒子を物理的に独立して存在させることがで
きる。それにより、磁性粒子間の磁気的相互作用が低減
することができる。これにより、磁化反転単位を微小化
できる。それと同時に、磁性膜の配向性を制御すること
もできる。また、磁性膜の結晶粒子の微細化、粒子サイ
ズの分布を小さくでき、かつ、微小粒子がほとんど存在
しないので、ディスクを形成したときのノイズの低減、
熱揺らぎや熱減磁の低減に効果がある。これらにより、
20GB/inch2を超える超高密度磁気記録を実現できた。
【図1】 磁気ディスクの断面構造を示す模式図。
【図2】 無機化合物層の構造を示す模式図。
【図3】 磁気記録媒体のX線回折プロファイル。
1・・・ 基板、2・・・ 無機化合物膜、3・・・ 磁性膜、4・・
・ 保護膜。
・ 保護膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 浩貴 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 内藤 孝 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 高橋 研 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 寺尾 元康 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 保坂 純男 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内 (72)発明者 小山 栄二 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 蔵本 浩樹 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB02 BB07 CA01 CA05 DA03 FA09 5D112 AA02 AA03 AA05 AA24 BB05 BB06 BD02 BD03 FA04 FB04 FB06
Claims (6)
- 【請求項1】ディスク基板上に、酸化コバルト、酸化鉄
あるいは酸化ニッケルの内より選ばれる1種類の酸化物
からなる結晶粒子と、該結晶粒子の結晶粒界に存在する
酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タ
ンタルあるいは酸化亜鉛の内より選ばれる少なくとも1
種類の酸化物とを有する無機化合物膜が形成され、該無
機化合物膜上に磁性粒子を含む磁性膜が形成され、該磁
性膜の磁性粒子間の間隔が0.5nm以上1.0nm以下であるこ
とを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】前記無機化合物膜はハニカム構造を有し、
前記無機化合物膜中の 結晶粒子間の間隔は0.5nm以上1.
0nm以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気記
録媒体。 - 【請求項3】前記磁性膜の磁性粒子サイズの分布が標準
偏差で2nm以下であることを特徴とする請求項1または
2記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】前記磁性膜の磁性粒子は、前記無機化合物
膜の結晶粒子のサイズならびに形状を反映しており、物
理的に孤立していることを特徴とする請求項1乃至3記
載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】前記磁性膜は、Coを主体とし、Cr,Pt,Ta,N
bの内より選ばれる少なくとも2種類の元素を含む合金
から構成されることを特徴とする請求項1乃至4記載の
磁気記録媒体。 - 【請求項6】請求項1乃至5記載の磁気記録媒体と、該
磁気記録媒体へ情報を記録又は再生する磁気ヘッドとを
具備することを特徴とする磁気ディスク装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1800699A JP2000215436A (ja) | 1999-01-27 | 1999-01-27 | 磁気記録媒体およびそれを用いた磁気ディスク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1800699A JP2000215436A (ja) | 1999-01-27 | 1999-01-27 | 磁気記録媒体およびそれを用いた磁気ディスク装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000215436A true JP2000215436A (ja) | 2000-08-04 |
Family
ID=11959607
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1800699A Pending JP2000215436A (ja) | 1999-01-27 | 1999-01-27 | 磁気記録媒体およびそれを用いた磁気ディスク装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000215436A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9245549B2 (en) | 2013-05-13 | 2016-01-26 | HGST Netherlands B.V. | Thermally stable low random telegraph noise sensor |
| CN105590838A (zh) * | 2015-12-25 | 2016-05-18 | 台州学院 | 强磁性TiO2半导体材料、制备方法、自旋电子器件 |
-
1999
- 1999-01-27 JP JP1800699A patent/JP2000215436A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9245549B2 (en) | 2013-05-13 | 2016-01-26 | HGST Netherlands B.V. | Thermally stable low random telegraph noise sensor |
| CN105590838A (zh) * | 2015-12-25 | 2016-05-18 | 台州学院 | 强磁性TiO2半导体材料、制备方法、自旋电子器件 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20041224 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 |