JP2000215911A - 難燃性電解液及び非水電解液二次電池 - Google Patents
難燃性電解液及び非水電解液二次電池Info
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Abstract
させる。 【解決手段】 有機溶媒に電解質塩を溶解させてなる非
水電解液において、該有機溶媒に、化学式1で表される
ビス型リン含有有機化合物の少なくなくとも一種を含有
させる。 【化1】 R1−(R2−)P(=O)−R3−P(=
O)(−R4)−R5 (式中のR1、R2、R4及びR5は、水素がハロゲンで置
換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基又はアル
コキシ基を表し、R3は、水素がハロゲンで置換されて
いてもよい炭素数1〜8のアルキレン基又はアルキレン
ジオキシ基を表す。) このビス型リン含有有機化合物は、揮発しにくく、非水
電解液の難燃性を容易に高めることができる上に、リチ
ウムとの反応性が高温においても低い。それゆえ、非水
電解液電池の安全性及び高温特性を容易に向上させるこ
とができる。
Description
電解液として用いることのできる難燃性電解液と、電気
自動車や携帯用電子機器のバッテリーとして用いること
のできる非水電解液二次電池とに関する。特に、リチウ
ム二次電池に用いることのできる難燃性電解液と、リチ
ウム二次電池とに関する。
電力をより有効に活用する技術が求められている。その
ためには、多量の電気を蓄え、かつ効率的にその蓄えた
電気を取り出すことができる電気貯蔵手段が必要であ
る。こうした電気の貯蔵手段としては、大きな放電容量
と高い放電電圧をもち、かつ繰り返し充放電を行うこと
ができる二次電池が最適である。
チウムイオンが正極から放出されて負極に吸蔵される充
電反応が生じ、放電時には負極から放出されて正極に吸
蔵される放電反応が生じるリチウム二次電池がある。リ
チウム二次電池においては、エネルギー密度及び出力密
度のいずれもが高く、大きな放電容量と高い放電電圧と
が得られる。特に、負極に炭素材料からなる負極活物質
が用いられているリチウムイオン二次電池は、高寿命で
安全性が高いため、実用的に優れているとして、携帯用
電子機器や電気自動車などのバッテリーなどへの利用が
期待されている。
有機溶媒に支持塩を溶解させてなる非水電解液が用いら
れている。従来では、その非水電解液として、エチレン
カーボネートやプロピレンカーボネートなどの環状カー
ボネート化合物と、ジメチルカーボネートやジエチルカ
ーボネートなどの鎖状カーボネート化合物とを混合して
得られる有機溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiP
F6)などの支持塩を溶解させたものが用いられてい
た。
ネートをはじめとする多くの環状カーボネート化合物
は、電解液の誘電率などを高くすることができるため、
電池のエネルギー密度などを大きくすることができる。
一方、ジメチルカーボネートやジエチルカーボネートを
はじめとする多くの鎖状カーボネート化合物は、電解液
の粘度を低くすることができ、リチウムイオンの移動性
を容易に高くすることができる。
ーボネート化合物とを混合して得られる有機溶媒を用い
た非水電解液は、高い誘電率とリチウムイオンの高い移
動性を兼ね備えるため、リチウム二次電池などの非水電
解液電池のエネルギー密度及び出力密度を極めて高いも
のとすることができる。しかし、鎖状カーボネート化合
物を含む有機溶媒を用いた非水電解液には、鎖状カーボ
ネート化合物が揮発しやすく、引火点が低いという問題
がある。それゆえ、この非水電解液では、必要な安全性
は得られるものの、さらに高い安全性を得ることが困難
であった。
開平8−111238号公報などで開示されているよう
に、上記有機溶媒に鎖状アルキルホスフェートや環状ホ
スフェートなどのリン酸エステルを含有させることが提
案されている。リン酸エステルは、非水電解液の難燃性
を向上させることができるため、非水電解液の安全性を
容易に向上させることができる。
ステルを含有させた非水電解液(難燃性電解液)では、
高温時において、リン酸エステルがリチウムと反応して
しまうことがあった。このようなリン酸エステルとリチ
ウムとの反応は、電池容量などの電池の性能を低下させ
てしまうことがある。特に、非水電解液二次電池におい
ては、その充放電サイクル特性を低下させてしまうこと
がある。
あり、非水電解液電池の安全性及び高温特性を容易に向
上させることのできる難燃性電解液を提供することを課
題とする。また、安全性に極めて優れ、かつ高温特性に
優れた非水電解液二次電池を提供することを課題とす
る。
明の難燃性電解液は、有機溶媒に電解質塩を溶解させて
なる非水電解液であって、該有機溶媒は、化学式1で表
されるビス型リン含有有機化合物の少なくなくとも一種
を含有することを特徴とする。化学式1で表されるビス
型リン含有有機化合物は、揮発しにくく、非水電解液の
難燃性を容易に高めることができる。また、そのビス型
リン含有有機化合物のリチウムとの反応性は、室温だけ
でなく高温においても低いものである。それゆえ、本発
明の難燃性電解液は、非水電解液電池の安全性及び高温
特性を容易に向上させることができる。
液電池に用いれば、その電池の安全性及び高温特性を向
上させることができる。特に、非水電解液二次電池に用
いれば、その電池の高温における充放電サイクル特性を
向上させることができる。ところで、上記有機溶媒は、
カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、スルホラン
類及びジオキソラン類から選ばれる少なくとも1種を含
有することが好ましい。
類、スルホラン類及びジオキソラン類は、電解質塩の溶
解性や、電解液の誘電率及び粘度を高めることができ
る。それゆえ、この有機溶媒からなる非水電解液を非水
電解液電池に用いれば、その電池の性能をさらに高める
ことができる。本発明の難燃性電解液では、上記有機溶
媒の全体量を100重量%とすると、上記ビス型リン含
有有機化合物を5〜80重量%含有することが好まし
い。
5重量%未満では、難燃性電解液の難燃性を十分に高め
ることができないことがあり、その含有量が80重量%
を超えると、電池の性能を低下させてしまう恐れがあ
る。それゆえ、上記ビス型リン含有有機化合物の含有量
が5〜80重量%にある有機溶媒では、十分な難燃性が
得られる上、電池の性能を低下させることがない。従っ
て、この有機溶媒からなる難燃性電解液を非水電解液電
池に用いれば、その電池の性能及び安全性を十分に高め
ることができる。
BF4、LiClO4及びLiAsF6から選ばれる無機
塩、CF3SO3Li、N(CF3SO2)2Li及びC
(CF3SO2)3Liから選ばれる有機塩、並びに該有
機塩の誘導体の少なくなくとも1種であることが好まし
い。これらの電解質塩は、電解液の特性を高めることが
できる。それゆえ、これらの電解質塩が溶解された難燃
性電解液を非水電解液電池に用いれば、その電池の性能
をさらに高めることができる。
解液二次電池は、上記本発明の難燃性電解液を備えるこ
とを特徴とする。本発明の非水電解液二次電池は、化学
式1で表されるビス型リン含有有機化合物の少なくなく
とも一種を含有する非水電解液を備えるため、前述した
理由により、安全性及び高温特性に優れる。特に、高温
における充放電サイクル特性に優れる。
帯用電子機器や自動車などの機器のバッテリーに用いれ
ば、それらの機器が高温の環境下で使用されても、それ
らの機器を機能性良くかつ信頼性良く駆動させることが
できるようになる。
式1で表されるビス型リン含有有機化合物において、R
1、R2、R4及びR5で表され、かつ水素がハロゲンで置
換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基の種類
は、特に限定されるものではなく、例えば、メチルやエ
チル、プロピル、ブチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ルなどの直鎖又は分岐のアルキル基を挙げることができ
る。また、水素がハロゲンで置換されたアルキル基とし
ては、トリフルオロメチルや1,1,1−トリフルオロ
エチル、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエチル、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル
を挙げることができる。
有機化合物において、R1、R2、R 4及びR5で表され、
かつ水素がハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜
8のアルコキシ基の種類も、特に限定されるものではな
く、例えばメトキシやエトキシ、プロポキシ、ブトキシ
等の直鎖または分岐のアルコキシ基を挙げることができ
る。また、水素がハロゲンで置換されたアルコキシ基と
しては、トリフルオロメトキシや1,1,1−トリフル
オロエトキシ、1,1,1,2,2−ペンタフルオロメ
トキシ、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソ
プロポキシを挙げることができる。
含有有機化合物において、R3で表され、かつハロゲン
原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキレン
基の種類も、特に限定されるものではなく、例えばエチ
レンやプロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペ
ンタメチレンを挙げることができる。また、ハロゲン原
子で置換されたアルキレン基としては、2,2−ビス
(トリフルオロメチル)プロピレンや1,1,2,2,
3,3−ヘキサフルオロプロピレン、1−フルオロメチ
ルエチレン、1−ジフルオロメチルエチレンを挙げるこ
とができる。
有有機化合物において、R3で表され、かつ水素がハロ
ゲンで置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキレン
ジオキシ基としては、メチレンジオキシやエチレンジオ
キシ、プロピレンジオキシを挙げることができる。以上
に挙げたビス型リン含有有機化合物の中でも、R1、R4
が炭素原子数3以下のアルコキシ基、R2、R3が炭素原
子数3以下のアルキレン基をもつものは、低い粘度をも
ち、電解質塩の溶解性に優れる上、難燃性にも優れてい
るため好適な化合物である。
ましい具体例としては、表1に示すNo.1〜No.8
のビス型リン含有有機化合物をそれぞれ挙げることがで
きる。
物のみからなる有機溶媒を用いることもできるが、粘度
を低下させたり、誘電率や電気伝導度を高めるために他
の有機溶媒を混合してもよい。上記ビス型リン含有有機
化合物は、他の有機溶媒との相溶性に優れるため、容易
に他の有機溶媒と混合することができる。また、上記ビ
ス型リン含有有機化合物の合成方法としては、特に限定
されるものではなく、公知の合成方法を用いることがで
きる。
類、ラクトン類、エーテル類、スルホラン類、ジオキソ
ラン類、ケトン類、ニトリル類、ハロゲン化炭化水素な
どを含有させてもよい。これらの中でも、カーボネート
類、ラクトン類、エーテル類、スルホラン類及びジオキ
ソラン類から選ばれる少なくとも1種を含有させること
が好ましい。
類、スルホラン類及びジオキソラン類のいずれにおいて
も、その化合物で限定されるものではなく、公知の化合
物を用いることができるが、例えば、次の化合物を挙げ
ることができる。カーボネート類としては、ジメチルカ
ーボネートやメチルエチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、エチレングリコールジメチルカーボネート、プロ
ピレングリコールジメチルカーボネート、エチレングリ
コールジエチルカーボネート、ビニレンカーボネートを
挙げることができる。
を挙げることができる。エーテル類としては、テトラヒ
ドロフランや2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−
ジオキサンを挙げることができる。スルホラン類として
は、3−メチルスルホランを挙げることができる。ジオ
キソラン類としては、1,3−ジオキソランを挙げるこ
とができる。
化炭化水素のいずれにおいても、その化合物で限定され
るものではなく、公知の化合物を用いることができる
が、例えば、次の化合物を挙げることができる。ケトン
類としては、4−メチル−2−ペンタノンを挙げること
ができる。ニトリル類としては、アセトニトリルやプロ
ピオニトリル、バレロニトリル、ベンソニトリルを挙げ
ることができる。ハロゲン化炭化水素としては、1,2
−ジクロロエタンを挙げることができる。
ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシドなども含有させてもよい。以上のよう
に、本発明では、上記ビス型リン含有有機化合物の他の
化合物を有機溶媒に混合してもよい。このとき、ビス型
リン含有有機化合物の含有量は、特に限定されるもので
はないが、上記有機溶媒の全体量を100重量%とする
と、上記ビス型リン含有有機化合物を5〜80重量%含
有することが好ましい。
限定されるものではなく、公知の電解質塩を用いること
ができる。例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO
4、LiAsF6、LiI、LiAlCl4、NaCl
O4、NaBF4、NaIなどの無機塩や、CF3SO3L
i、N(CF3SO2)2Li、C(CF3SO2)3Liな
どの有機塩、それらの有機塩の誘導体などを用いること
ができる。
6、LiBF4、LiClO4及びLiAsF6から選ばれ
る無機塩、CF3SO3Li、N(CF3SO2)2Li及
びC(CF3SO2)3Liから選ばれる有機塩、並びに
該有機塩の誘導体の少なくなくとも1種を用いることが
好ましい。電解液中に溶解される電解質塩の濃度につい
ても特に限定されるものではなく、用途に応じて適切に
選択することができるが、0.1〜3.0モル/リット
ルであることが好ましい。電解質塩の濃度が0.1モル
/リットルより小さいと、十分な電流密度が得られない
ことがあり、3.0モル/リットルより大きいと、電解
液の安定性を損なう恐れがある。特に、0.5〜2.0
モル/リットルとすれば、十分な電流密度と、電解液の
安定性とを確実に得ることができるようになる。
電解液電池の種類は特に限定されるものではなく、公知
となっているいずれの非水電解液電池にも用いることが
できるが、特にリチウム電池に用いることが好ましい。
また、一次電池に用いてもよいし、二次電池に用いても
よい。他方、本発明の非水電解液二次電池は、コイン型
電池、円筒型電池及び角型電池等の公知の電池構造をと
ることができる。
には放出し、かつ放電時には吸蔵することができれば、
その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材
料構成のものを用いることができる。特に、正極活物
質、導電材および結着剤を混合して得られた合剤が集電
体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。正極
活物質には、その活物質の種類で特に限定されるもので
はなく、公知の活物質を用いることができる。例えば、
TiS2、TiS3、MoS3、FeS2、Li(1-X)Mn
O2、Li(1-X)Mn2O4、Li(1-X)CoO2、Li
(1-X)NiO2、V2O5を挙げることができる。
n2O4、Li(1-X)CoO2、Li(1- X)NiO2などのリ
チウム及び遷移金属の複合酸化物は、電子及びリチウム
イオンの拡散性能に優れるなど活物質の性能に優れる。
そのため、このようなリチウムおよび遷移金属の複合酸
化物を正極活物質に用いれば、高い充放電効率と良好な
サイクル特性とが得られる。特に、Li(1-X)MnO2、
Li(1-X)Mn2O4を用いれば、マンガンの資源が豊富
であることから低コスト化を図ることができる。
充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出することができ
れば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公
知の材料構成のものを用いることができる。特に、負極
活物質、導電材および結着剤を混合して得られた合剤が
集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
限定されるものではなく、公知の負極活物質を用いるこ
とができる。例えば、リチウムやリチウム合金、スズ化
合物などの無機化合物、炭素質材料、導電性ポリマーを
挙げることができる。中でも、結晶性の高い天然黒鉛や
人造黒鉛などの炭素質材料は、リチウムイオンの吸蔵性
能および拡散性能に優れるなど活物質の性能に優れる。
そのため、このような炭素質材料を負極活物質に用いれ
ば、高い充放電効率と良好なサイクル特性とが得られ
る。
液と同じ形態のものを用いることができる。
る。 (実施例1)先ず、エチレンカーボネート(以下、EC
と略述する)と、表1に示したNo.1のビス型リン含
有有機化合物とを等体積比でそれぞれ混合して有機溶媒
を得た。この有機溶媒の一部を、後述する高温でのリチ
ウムとの反応性試験に供した。次いで、残りの有機溶媒
にLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解して非水
電解液を調製した。 (実施例2)先ず、ECと、表1に示したNo.2のビ
ス型リン含有有機化合物とを等体積比でそれぞれ混合し
て有機溶媒を得た。この有機溶媒の一部を、後述する高
温でのリチウムとの反応性試験に供した。次いで、残り
の有機溶媒にLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶
解して非水電解液を調製した。 (実施例3)先ず、ECと、表1に示したNo.3のビ
ス型リン含有有機化合物とを等体積比でそれぞれ混合し
て有機溶媒を得た。この有機溶媒の一部を、後述する高
温でのリチウムとの反応性試験に供した。次いで、残り
の有機溶媒にLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶
解して非水電解液を調製した。 (実施例4)先ず、ECと、表1に示したNo.4のビ
ス型リン含有有機化合物とを等体積比でそれぞれ混合し
て有機溶媒を得た。この有機溶媒の一部を、後述する高
温でのリチウムとの反応性試験に供した。次いで、残り
の有機溶媒にLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶
解して非水電解液を調製した。 (実施例5)先ず、ECと、表1に示したNo.5のビ
ス型リン含有有機化合物とを等体積比でそれぞれ混合し
て有機溶媒を得た。この有機溶媒の一部を、後述する高
温でのリチウムとの反応性試験に供した。次いで、残り
の有機溶媒にLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶
解して非水電解液を調製した。 (実施例6)先ず、ECと、表1に示したNo.6のビ
ス型リン含有有機化合物とを等体積比でそれぞれ混合し
て有機溶媒を得た。この有機溶媒の一部を、後述する高
温でのリチウムとの反応性試験に供した。次いで、残り
の有機溶媒にLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶
解して非水電解液を調製した。 (実施例7)先ず、ECと、表1に示したNo.7のビ
ス型リン含有有機化合物とを等体積比でそれぞれ混合し
て有機溶媒を得た。この有機溶媒の一部を、後述する高
温でのリチウムとの反応性試験に供した。次いで、残り
の有機溶媒にLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶
解して非水電解液を調製した。 (実施例8)先ず、ECと、表1に示したNo.8のビ
ス型リン含有有機化合物とを等体積比でそれぞれ混合し
て有機溶媒を得た。この有機溶媒の一部を、後述する高
温でのリチウムとの反応性試験に供した。次いで、残り
の有機溶媒にLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶
解して非水電解液を調製した。 (比較例1)先ず、ECとエチルメチルカーボネート
(EMC)とを等体積比でそれぞれ混合して有機溶媒を
得た。この有機溶媒の一部を、後述する高温でのリチウ
ムとの反応性試験に供した。次いで、残りの有機溶媒に
LiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解して非水電
解液を調製した。 (比較例2)先ず、ECとリン酸トリエチルとを等体積
比でそれぞれ混合して有機溶媒を得た。この有機溶媒の
一部を、後述する高温でのリチウムとの反応性試験に供
した。次いで、残りの有機溶媒にLiPF6を1モル/
リットルの濃度で溶解して非水電解液を調製した。 [高温でのリチウムとの反応性試験]上記実施例1〜
8、並びに比較例1及び比較例2で得られた有機溶媒に
金属リチウムを浸漬し、それぞれ60℃の恒温槽内に5
0時間放置した。この間に、有機溶媒の液色の変化を観
察した。その観察結果を表2に示す。
有機溶媒においても、着色が見られず、液色の変化が観
察されなかった。一方、比較例1及び比較例2で得られ
た有機溶媒においては、着色が見られた。これらの結果
から、実施例1〜8で得られた有機溶媒は高温において
もリチウムと反応せず、比較例1及び比較例2で得られ
た有機溶媒は高温においてはリチウムと反応してしまう
ことがわかった。
ずれも化学式1で表されるビス型リン含有有機化合物が
含有されている一方で、比較例1及び比較例2で得られ
た有機溶媒には、ビス型リン含有有機化合物が含有され
ていない。このことから、化学式1で表されるビス型リ
ン含有有機化合物が有機溶媒とリチウムとの反応を抑制
していることが明らかである。
解液は、高温においてもリチウムと反応しないことか
ら、電池の高温特性を向上させることができることがわ
かる。特に、非水電解液二次電池に用いれば、その電池
の高温におけるサイクル特性を向上させることができる
と考えられる。 [電解液の難燃性の評価]実施例1〜8、並びに比較例
1及び比較例2で調製された各難燃性電解液の難燃性を
評価するために、次のような燃焼試験を行った。
さ320mmに裁断した厚さ0.04mmのセパレータ
用マニラ紙をそれぞれ浸漬し、マニラ紙に電解液を含浸
させた。その後、各電解液からマニラ紙をそれぞれ引き
上げて大気中で3分間垂直につり下げ、マニラ紙に余分
に付いた難燃性電解液を滴下させて除いた。次に、支持
針を有してマニラ紙を刺し並べることができるサンプル
台を用意し、先に難燃性電解液を含浸させた各マニラ紙
を25mm間隔でサンプル台の支持針に刺して水平に固
定した。このサンプル台を250mm×250mm×5
00mmの金属製の箱に入れ、その一端にライターで着
火した。
っていく速度(以下、単に燃焼速度と呼ぶことにする)
を測定した。その燃焼速度の測定結果を表2に併せて示
す。表2より、実施例1〜8並びに比較例2で調製され
た難燃性電解液については、燃焼速度が0.1mm/s
未満の極めて低い速度であり、それらの難燃性電解液が
難燃性に優れていることがわかる。
ては、必ずしも難燃性に優れているとは言えない。実施
例1〜8で調製された難燃性電解液は、比較例1で調製
された電解液と異なり、いずれもビス型リン含有有機化
合物を含有している。このことから、ビス型リン含有有
機化合物が電解液の難燃性を高めていることが明らかで
ある。
が優れた難燃性を有するのは、リン酸トリエチルが電解
液の難燃性を高めているからである。 [非水電解液二次電池の作製]実施例1〜8並びに比較
例1及び比較例2で得られた各非水電解液を用いて、図
1に示すコイン型の非水電解質二次電池をそれぞれ作製
した。
ウムイオンの放出および吸蔵の可能な正極1並びに負極
2と、正極1および負極2の間に介在する電解液3とを
備える。正極1、負極2及び電解液3は、ステンレスよ
りそれぞれなる正極ケース4および負極ケース5内にポ
リプロピレンよりなるガスケット6を介して密封されて
いる。正極1と負極2との間にはポリエチレン製のフィ
ルムよりなるセパレータ7が介在している。この電池は
以下のようにして作製したものである。 (正極1の形成)LiMn2O4を90重量部と、グラフ
ァイト6重量部と、ポリフッ化ビニリデンを4重量部と
配合し、さらにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)
を加えてよく混練し、スラリーを得た。このスラリーを
アルミニウムよりなる正極集電体1aに塗布して乾燥さ
せ、さらにプレス成形を行って正極1を得た。 (負極2の形成)90重量部の炭素粉末と10重量部の
ポリフッ化ビニリデンとの混合物にNMPを加えて混練
し、スラリーを得た。このスラリーを銅よりなる負極集
電体2aに塗布して乾燥させ、さらにプレス成形を行っ
て負極2を得た。
極2を、それぞれ正極ケース4および負極ケース5に溶
接し、これらの溶接体の間にセパレータ7を挟んで重ね
合わせた。続いて電解液3を所定の場所に注入した後、
ガスケット6、6で密封して図1に示される非水電解液
二次電池を完成した。なお、1種類の非水電解液につき
2個の非水電解液二次電池を作製し、20℃及び60℃
の環境下で行う充放電サイクル試験にそれぞれ供した。 [非水電解質二次電池の放電容量の測定]実施例1〜8
並びに比較例1及び比較例2の非水電解液をそれぞれ用
いて作製した各非水電解液二次電池について、室温(2
0℃)及び高温(60℃)における充放電サイクル特性
を調べて、それぞれの温度における充放電サイクル特性
を比較した。ここでは、次の充放電条件で充放電を50
サイクル繰り返した。
流密度を1.1mA/cm2の定電流で、かつ4.2V
(CC)の終止電圧で充電した後、0.5mA/cm2
の定電流で終止電圧を3.0V(CC)の終止電圧で放
電を行った。各非水電解液二次電池について、初期の電
池容量と、50サイクルの充放電を行った後の電池容量
とを測定した結果、表2に示される結果を得た。なお、
表2では、50サイクルの充放電を行った後の電池容量
を、初期の電池容量を100%としたときの比率(容量
維持率と呼ぶことにする)で示した。
られた各非水電解液を用いて作製された非水電解質二次
電池では、いずれの電池においても、20℃の環境下で
の50サイクルの容量維持率が90%を越えるか、又は
90%の極近くであるとともに、60℃の環境下での5
0サイクルの容量維持率が80%を越えるか、又は80
%の極近くであり、室温及び高温のいずれにおいても高
い容量維持率が得られた。
いて作製された各非水電解質二次電池においても、20
℃の環境下での50サイクルの容量維持率が90%を越
えるとともに、60℃の環境下での50サイクルの容量
維持率も80%近くの高い値であるように、室温及び高
温のいずれにおいても高い容量維持率が得られた。しか
し、20℃の環境下での50サイクルの容量維持率に対
して、60℃の環境下での50サイクルの容量維持率の
低下の度合いが大きく、必ずしも高温での充放電サイク
ル特性に優れているとは言い切れない。
いて作製された各非水電解質二次電池においては、20
℃の環境下での50サイクルの容量維持率が70%を下
回り、また60℃の環境下での50サイクルの容量維持
率も50%を下回っていることから、室温及び高温のい
ずれにおいても高い容量維持率を得ることができなかっ
た。
の非水電解液をそれぞれ用いて作製した各非水電解液二
次電池では、室温及び高温のいずれの温度の環境下にお
いても優れた充放電サイクル特性が得られた。これは、
使用されている非水電解液により電池の高温特性が向上
した結果であると言える。以上のように、高温でのリチ
ウムとの反応性試験及び高温での充放電サイクル試験の
結果より、実施例1〜8の非水電解液は、非水電解液二
次電池の高温特性を向上させることができ、特に高温で
の充放電サイクル特性を向上させることができることが
わかる。
す電池の縦断面図である。
5:負極ケース 6:ガスケット 7:セパレータ
Claims (5)
- 【請求項1】 有機溶媒に電解質塩を溶解させてなる非
水電解液であって、該有機溶媒は、化学式1で表される
ビス型リン含有有機化合物の少なくなくとも一種を含有
することを特徴とする難燃性電解液。 【化1】 R1−(R2−)P(=O)−R3−P(=
O)(−R4)−R5 (式中のR1、R2、R4及びR5は、それぞれ独立に、水
素がハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜8のア
ルキル基又はアルコキシ基を表す。また、R3は、水素
がハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜8のアル
キレン基又はアルキレンジオキシ基を表す。) - 【請求項2】 上記有機溶媒は、カーボネート類、ラク
トン類、エーテル類、スルホラン類及びジオキソラン類
から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載
の難燃性電解液。 - 【請求項3】 上記有機溶媒の全体量を100重量%と
すると、上記ビス型リン含有有機化合物を5〜80重量
%含有する請求項1及び請求項2のいずれかに記載の難
燃性電解液。 - 【請求項4】 上記電解質塩は、LiPF6、LiB
F4、LiClO4及びLiAsF6から選ばれる無機
塩、CF3SO3Li、N(CF3SO2)2Li及びC
(CF3SO2)3Liから選ばれる有機塩、並びに該有
機塩の誘導体の少なくなくとも1種である請求項1〜3
のいずれかに記載の難燃性電解液。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性
電解液を備えることを特徴とする非水電解液二次電池。
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