JP2000216587A - 電波吸収建材 - Google Patents
電波吸収建材Info
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Abstract
無機質建材の含水率の変化によって生じる電波吸収性能
の変化を防止し、湿気や水分に影響されない安定した電
波吸収性能を得ることを目的とする。 【解決手段】 電波反射層(3)の上に、透湿率が2.0
×10-8g/Pa・s・m以下でかつ両面に防水部が形成された
無機質建材層(1)が設けられ、かつ、この無機質建材層
(1)の上には抵抗膜層(2)が形成されていることにより安
定した電波吸収性能を得るようにした構成である。
Description
し、特に、電波反射層と誘電体層と抵抗膜層とからなる
電波吸収材において、誘電体層として無機質建材を用い
た場合に、無機質建材の含水率の変化によって生じる電
波吸収性能の変化を防止し、湿気や水分に影響されない
安定した電波吸収性能を得るための新規な改良に関す
る。
収建材としては、第1従来例としての特開平7−202
472号公報に開示された構成は、無機質マトリクスに
補強繊維とフェライト粉とを混合させてなる電波吸収体
と電波反射体とを一体成型した電磁波シールド材であ
り、第2従来例としての特開平9−223890号公報
に開示された構成は、抵抗膜とポリ(β−ヒドロキシプ
チレート)又はその共重合体からなる誘電体層とからな
る抵抗膜型電波吸収体であり、第3従来例としての特開
平8−307088号公報に開示された構成は、可視光
線を透過する抵抗膜、可視光線を少なくとも一部透過す
る誘電体及び反射層からなる抵抗膜型電波吸収体であ
り、さらに、第4従来例としての特開平9−26088
6号公報に開示された構成は、炭素繊維を長さ方向に配
列させてなる抵抗膜層と誘電体層(セメント、モルタ
ル)と反射層とからなる建築物用電波吸収体である。
は、以上のように構成されていたため、次のような課題
が存在していた。すなわち、第1従来例の場合、無機マ
トリクス中に補強繊維とフェライト粉とを混合させてな
る電波吸収体は多孔質であることから、湿度の変化や水
分の付着等により含水率が変化し、電波吸収性能に変動
を生じる危険がある。第2従来例の場合、厚みのある誘
電体層を構成する物質が有機物であることから、建材と
して使用した場合に、火災時の耐火性等に問題がある。
第3従来例の場合、誘電体層はプラスチックからなるス
ペーサにより構成されているため、第2従来例と同様、
火災時の耐火性等に問題がある。さらに、第4従来例の
場合、誘電体層に相当するコンクリート又はセメントモ
ルタルに撥水剤を混合することにより、含水率の変化を
低下させる技術が開示されている。コンクリート又はセ
メントに撥水剤を混合すれば、確かに含水率の変化は少
なくなるものの十分とはいえず、実用上問題がある。
つ湿度変化や外界の水分の影響により電波吸収性能に変
動を受けない電波吸収建材を提供することにある。
材は、電波反射層の上に、透湿率が2.0×10-8g/Pa
・s・m以下でかつ両面に防水部が形成された無機質建材層
が設けられ、かつ前記無機質建材層の上には抵抗膜層が
形成されている構成であると共に、前記電波反射層が、
これと接する前記無機質建材層の防水部を兼ねる構成を
含むものであり、また、電波反射層の両面に、透湿率が
2.0×10-8g/Pa・s・m以下でかつ表面に防水部が形成
された無機質建材層が設けられると共に、前記各無機質
建材層の上には抵抗膜層が形成されている構成である。
前記抵抗膜層は有機質バインダー中にカーボン粉、カー
ボン繊維、金属粉、金属繊維のうちの少なくとも1種か
らなる導電性物質を分散させた構成で、その層厚が1〜
1000μmでかつその表面抵抗が10〜5000Ωで
ある構成を含み、もしくは、前記抵抗膜層は有機フィル
ム上に導電性膜を形成した構成で、その導電性膜の層厚
が10〜1000Åでかつ表面抵抗が10〜5000Ω
である構成を含む。更に、前記電波反射層は、金属箔、
金属板、穴あき金属板及び金属メッシュの何れかよりな
る構成を含み、また、前記抵抗膜層がこれと接する前記
無機質建材層の防水部を兼ねる構成を含み、また、記抵
抗膜層が装飾用表面材を兼ねる構成を含むものである。
波吸収建材の好適な実施の形態について説明する。図1
は、本発明になる電波吸収建材の第1の実施形態を示し
たものである。図1において符号1で示されるものは、
繊維補強セメント板、ケイ酸カルシウム板又は石膏板等
の無機質建材により構成される無機質建材層である。こ
の無機質建材層1は、建材としての軽量化のため多孔質
であり、必要に応じてフェライト粉、金属粉、カーボン
粉、カーボン繊維等の導電性物質が内添することができ
る。前記無機質建材層1は、電波の入射方向に対し無機
質建材層1の厚さをλ/4√εとし、その背後に電波反
射層3を形成することにより、表面の入力インピーダン
スは無限大となる。この無機質建材層1の表面に抵抗膜
層2を形成することにより、抵抗膜層2の表面の入力イ
ンピーダンスは空間のインピーダンスと同じになる。こ
れにより、無反射状態となり電波を吸収する。但し、λ
は電波の波長、εは無機質建材層1の誘電率である。こ
の無機質建材層1の含水率が湿度変化や外界の水分の影
響等により変化すると、誘電率が変化し電波吸収性能を
変動させてしまうことから、前記無機質建材層1の含水
率を一定に保つことが重要である。そのため、本発明に
おいて無機質建材層1の透湿率が2.0×10-8g/Pa・s
・m以下(後述の各実施例で示される実験等により判明)
であり、かつその両面に防水層又は防水材からなる防水
部(図示せず)が設けられている。これにより、湿度変
化や外界からの水分の影響による無機建材層1の含水率
の変化を、電波吸収建材としての実用上問題を生じない
範囲にとどめることができる。無機質建材層1の両面に
防水部を設けることは、外界の水分の影響を防止するう
えで必須要件である。また、無機質建材層1の透湿率が
2.0×10-8g/Pa・s・mよりも大きいと、無機質建材層
1の両面に防水部を設けたとしても、木口部からの吸放
水により、木口部及びその近傍の含水率が変化し、電波
吸収性能に変動を生じる危険がある。更に、建材の施工
は施工現場において切断加工を伴うことから、例え電波
吸収建材の製造時に木口に対して防水処理を行ったとし
ても十分ではない。従って、無機質建材層1は透湿率が
2.0×10-8g/Pa・s・m以下であり、かつその両面に防
水層を設けることが安定した電波吸収性能を得るうえで
重要である。なお、無機質建材層1の両面に設けられる
防水部は、防水シート、塗料を層状に施すか、又は、防
水剤を含浸させることにより形成される。
第1面1aには、電気抵抗が面抵抗で10〜5000Ω
である抵抗膜層2が形成される。ここでいう抵抗膜層と
は、ある一定の面抵抗を有する被膜であり、面抵抗が1
0Ωを下回ると、抵抗膜層表面でうず電流が発生し、入
射した電波が反射するという問題があり、5000Ωを
上回ると、抵抗膜層が電波に対して透明な層として働
き、抵抗膜型電波吸収体としての機能をなさないという
問題がある。また面抵抗が10Ω以上の場合は、抵抗膜
層表面でうず電流が発生し入射した電波が反射するとい
う問題は大幅に低下し、実用上の問題はほぼ無くなる
が、100Ω未満であると前記の問題点が完全に解消さ
れるわけではなく、一方5000Ω以下であれば、抵抗
膜層が電波に対して透明な層として働き抵抗膜型電波吸
収体としての機能をなさないという問題はほぼ無くなる
が、2000Ωを上回ると前記の問題点が完全に解消さ
れるわけではない。従って抵抗膜層のより望ましい面抵
抗は100Ω以上2000Ω以下である。
ーボン粉、カーボン繊維、金属粉、金属繊維等の導電性
物質を分散させた構成、あるいは、有機フィルム上に例
えばITO(酸化インジュウム錫)をスパッタリング等
で成膜して導電性膜を形成した構成からなる。前者の場
合、その膜厚は1μm〜1000μm、更に好ましくは
10μm〜200μmである。膜厚が1μmを下回る
と、製造上膜厚の制御が困難になり、面抵抗のバラツキ
が大きくなるという問題があり、1000μmを上回る
と、有機物占有量が増加し、建材として用いた場合の耐
火性能が低下するという問題があることから好ましくな
く、1μm以上の場合は、製造上膜厚の制御が困難にな
り面抵抗のバラツキが大きくなるという問題は大幅に低
下し実用上の問題はほぼ無くなるが、10μm未満であ
ると前記の問題点が完全に解消されるわけではなく、一
方1000μm以下であれば、有機物占有量が増加し建
材として用いた場合の耐火性能が低下するという問題は
ほぼ無くなるが、200μmを上回ると前記の問題点が
完全に解消されるわけではない。次に後者の場合、導電
性膜の厚さは、10Å以上1000Å以下、更に好まし
くは100Å以上500Å以下である。すなわち膜厚が
10Åを下回ると、製造上膜厚の制御が困難になり、面
抵抗のバラツキが大きくなるという問題があり、100
0Åを上回ると、面抵抗の減少により導電膜となり入射
した電波が反射してしまうという問題があることから好
ましくなく、10Å以上の場合は、製造上膜厚の制御が
困難になり面抵抗のバラツキが大きくなるという問題は
大幅に低下し実用上の問題はほぼ無くなるが、100Å
未満であると前記の問題点が完全に解消されるわけでは
なく、一方1000Å以下であれば、面抵抗の減少によ
り導電膜となり入射した電波が反射してしまうというと
いう問題はほぼ無くなるが、500Åを上回ると前記の
問題点が完全に解消されるわけではない。なお、導電性
膜を成膜するための基材となる有機フィルムの厚さは特
に限定されるものではないが、耐火性を考慮すれば10
00μm以下が望ましい。また、前記電波反射層3は、
金属箔、金属板、穴あき金属板、金属メッシュ等が使用
される。
場合、電波反射層3が防水部を兼ねる場合、抵抗膜層2
が壁紙やその他の装飾用表面材を兼ねる場合も前述と同
じ作用及び効果を得ることができる。
の実施形態を示したものである。図2において、電波反
射層3の両面には無機質建材層1がそれぞれ設けられ、
前記のそれぞれの無機質建材層1において電波反射層3
と接する面とは反対側の面には防水部が設けられ、その
上には抵抗膜層2が設けられている。これにより、両面
から入射する電波に対して電波吸収が可能となる。な
お、無機質建材層1、無機質建材層1に設けられる防水
部、抵抗膜層2及び電波反射層3は、いずれも前記第1
の実施形態と同一である。但し、無機質建材層1の電波
反射層3と接する側の面に対しては、防水層を設ける必
要はない。また、前述の抵抗膜層2が防水部を兼ねる場
合、抵抗膜層2が壁紙やその他の装飾用表面材を兼ねる
場合も前述と同じ作用及び効果を得ることができる。
り形成された厚さ8mmで、ASTM E96に準じて
測定した透湿率が2.3×10-9g/Pa・s・mのケイ酸カル
シウム板を用い、この両面に防水剤としてシリコーン系
シラン化合物の浸透型吸水防止剤(商品名:アクアシー
ル、住友精化 製)を100g/m2塗布した後乾燥
し、防水部を形成した。この時ケイ酸カルシウム板の含
水率は、室内放置した時の平衡含水率とほぼ等しい3.
8%であった。次ぎに前記ケイ酸カルシウム板に片面に
電波反射層として厚さ50μmのアルミ箔を接着した。
また、もう一方の面に、ポリイミド樹脂に黒鉛粉を均一
分散させカレンダーロールにてシート化した、厚さ10
0μmで表面抵抗値が500Ωとしたシートを接着して
抵抗膜層を形成し、主として5.2GHz帯の電波を吸
収することを目的とした電波吸収建材を得た。得られた
電波吸収建材について、ホーンアンテナ法を用いて電波
の反射損失を求めることにより電波吸収性能を測定し
た。その結果を図3に示す。次ぎに前記の電波吸収建材
を、温度20℃−湿度90%の条件下において48時間
放置したところ、無機質建材層であるケイ酸カルシウム
板の含水率は木口部周辺において4.3%となった。こ
の状態における木口部周辺の電波吸収性能は図3の通り
であり、電波吸収性能が最大となる周波数帯は、平衡含
水率時と比較して、やや低周波数帯側に移動したもの
の、5.2GHzでの電波吸収性能は22.5dBであ
り、実用上十分な電波吸収性能を有していた。
法により形成された厚さ8mmで、ASTM E96に
準じて測定した透湿率が1.2×10-9g/Pa・s・mのケイ
酸カルシウム板を用いた。このケイ酸カルシウム板はM
n−Zn系フェライト粉を30重量%及びカーボン繊維
を0.2重量%含有しており、含水率は室内放置した時
の平衡含水率とほぼ等しい2.2%であった。電波反射
層として厚さ1mmのアルミニウム板を用い、この電波
反射層の両面に、それぞれ前記ケイ酸カルシウム板を接
着した。次ぎにそれぞれのケイ酸カルシウムの、電波反
射層が接着されている面と反対側の面に、防水層を兼ね
た変成シリコーンポリマー樹脂系接着剤(商品名:ボン
ドMPX−1、コニシボンド 製)を使用して、実施例
1で抵抗膜層を形成するために用いたシートと同一の方
法で製造された厚さ63μmで表面抵抗値が800Ωと
したシートを接着して抵抗膜層を形成し、2.45GH
z帯の電波吸収を目的とした電波吸収建材を得た。得ら
れた電波吸収建材の電波吸収性能を図4に示す。次ぎに
前記の電波吸収建材を、温度20℃−湿度90%の条件
下において48時間放置したところ、無機質建材層であ
るケイ酸カルシウム板の含水率は木口部周辺において
2.5%となった。この状態における木口部周辺の電波
吸収性能は図4の通りであり、電波吸収性能が最大とな
る周波数帯は、平衡含水率時と比較して、やや低周波数
帯側に移動したものの、2.45GHzでの電波吸収性
能は20dBであり、実用上十分な電波吸収性能を有し
ていた。この電波吸収建材は、電波反射層を中心として
面対称であり、吸収しようとする電波がどちら側から入
射しても、同一の電波吸収性能を有していることを確認
した。
側を、実施例1の構成によって形成し、電波反射層を中
心として非対称の電波吸収建材を作製した。この非対称
型の電波吸収建材は、実施例1の構成からなる側から入
射する電波に対しては5.2GHz帯に対する電波吸収
建材として作用し、実施例2の構成からなる側から入射
する電波に対しては、2.45GHz帯に対する電波吸
収建材として作用することを確認した。また湿度変化の
影響についても、実施例1及び2と同様、実用上問題を
有しないことを確認した。
5mmで、ASTM E96に準じて測定した透湿率が
1.3×10-8g/Pa・s・mの石膏ボードを用い、この両面
に実施例1と同一の処理を行うことにより防水部を形成
した。この時石膏ボードの含水率は、室内放置した時の
平衡含水率とほぼ等しい0.5%であった。次ぎに前記
石膏ボードの片面に電波反射層として厚さ50μmのア
ルミ箔を接着した。また、もう一方の面に、ポリイミド
樹脂に黒鉛粉を均一分散させカレンダーロールにてシー
ト化した、厚さ100μmで表面抵抗値が440Ωとし
たシートを接着して抵抗膜層を形成し、主として5.2
GHz帯の電波を吸収することを目的とした電波吸収建
材を得た。得られた電波吸収建材の電波吸収性能を図5
に示す。次ぎに前記の電波吸収建材を、温度20℃−湿
度90%の条件下において48時間放置したところ、無
機質建材層である石膏ボードの含水率は木口部周辺にお
いて0.7%となった。この状態における木口部周辺の
電波吸収性能は図5の通りであり、電波吸収性能が最大
となる周波数帯は、平衡含水率時と比較して、やや低周
波数帯側に移動したものの、5.2GHzでの電波吸収
性能は21dBであり、実用上十分な電波吸収性能を有
していた。
96に準じて測定した透湿率が2.8×10-8g/Pa・s・m
のケイ酸カルシウム板を用い、実施例1と同一条件にて
試験体を作製した。ただし、前記ケイ酸カルシウム板の
含水率は3.8%であった。得られた電波吸収建材の電
波吸収性能を図6に示す。次ぎに前記の電波吸収建材
を、温度20℃−湿度90%の条件下において48時間
放置したところ、無機質建材層であるケイ酸カルシウム
板の含水率は木口部周辺において5.2%となった。こ
の状態における木口部周辺の電波吸収性能は図6の通り
であり、電波吸収性能が最大となる周波数帯は、平衡含
水率時と比較して低周波数帯側に移動すると共に、5.
2GHzでの電波吸収性能は4dBであり、平衡含水率
時と比較して明らかな低下が認められた。前述の実施例
においては5.2GHz帯域での場合について述べた
が、無機質材層1の厚さ及び/もしくは誘電率を変更す
ることにより、所望の周波数帯の電波を吸収することが
できることは述べるまでもないことである。
うに構成されているため、次のような効果を得ることが
できる。すなわち、透湿率が2.0×10-8g/Pa・s・m以
下でかつ両面に防水部が形成された無機質建材層の下面
に電波反射層が、その上面には抵抗膜層が形成されてい
るため、外部湿度や外部から何らかの形で与えられる水
分による無機質建材層の含水率変動(増加)を防止し、
かつ、その誘電率変動(増加)を防ぐことができ、これ
によって外部湿度の変動に無関係な安定した電波吸収特
性が得られる。
示す構成図である。
示す構成図である。
である。
である。
である。
0)
波吸収建材の好適な実施の形態について説明する。図1
は、本発明になる電波吸収建材の第1の実施形態を示し
たものである。図1において符号1で示されるものは、
繊維補強セメント板、ケイ酸カルシウム板又は石膏板等
の無機質建材により構成される無機質建材層である。こ
の無機質建材層1は、建材としての軽量化のため多孔質
であり、必要に応じてフェライト粉、金属粉、カーボン
粉、カーボン繊維等の導電性物質が内添することができ
る。前記無機質建材層1は、電波の入射方向に対し無機
質建材層1の厚さをλ/4√εとし、その背後に電波反
射層3を形成することにより、表面の入力インピーダン
スは無限大となる。この無機質建材層1の表面に抵抗膜
層2を形成することにより、抵抗膜層2の表面の入力イ
ンピーダンスは空間のインピーダンスと同じになる。こ
れにより、無反射状態となり電波を吸収する。但し、λ
は電波の波長、εは無機質建材層1の誘電率である。こ
の無機質建材層1の含水率が湿度変化や外界の水分の影
響等により変化すると、誘電率が変化し電波吸収性能を
変動させてしまうことから、前記無機質建材層1の含水
率を一定に保つことが重要である。そのため、本発明に
おいて無機質建材層1の透湿率が2.0×10−8g/Pa
・s・m以下(後述の各実施例で示される実験等により判
明)であり、かつその両面に防水層又は防水材からなる
防水部(図示せず)が設けられている。これにより、湿
度変化や外界からの水分の影響による無機質建材層1の
含水率の変化を、電波吸収建材としての実用上問題を生
じない範囲にとどめることができる。無機質建材層1の
両面に防水部を設けることは、外界の水分の影響を防水
するうえで必須要件である。また、無機質建材層1の透
湿率が2.0×10−8g/Pa・s・mよりも大きいと、無機
質建材層1の両面に防水部を設けたとしても、小口部か
らの吸放水により、小口部及びその近傍の含水率が変化
し、電波吸収性能に変動を生じる危険がある。更に、建
材の施工は施工現場において切断加工を伴うことから、
例え電波吸収建材の製造時に小口に対して防水処理を行
ったとしても十分ではない。従って、無機質建材層1は
透湿率が2.0×10−8g/Pa・s・m以下であり、かつそ
の両面に防水層を設けることが安定した電波吸収性能を
得るうえで重要である。なお、無機質建材層1の両面に
設けられる防水部は、防水シート、塗料を層状に施す
か、又は、防水剤を含浸させることにより形成される。
り形成された厚さ8mmで、ASTM E96に準じて
測定した透湿率が2.3×10−9g/Pa・s・mのケイ酸カ
ルシウム板を用い、この両面に防水剤としてシリコーン
系シラン化合物の浸透型吸水防止剤(商品名:アクアシ
ール、住友精化 製)を100g/m2塗布した後乾燥
し、防水部を形成した。この時ケイ酸カルシウム板の含
水率は、室内放置した時の平衡含水率とほぼ等しい3.
8%であった。次に前記ケイ酸カルシウム板に片面に電
波反射層として厚さ50μmのアルミ箔を接着した。ま
た、もう一方の面に、ポリイミド樹脂に黒鉛粉を均一分
散させカレンダーロールにてシート化した、厚さ100
μmで表面抵抗値が500Ωとしたシートを接着して抵
抗膜層を形成し、主として5.2GHz帯の電波を吸収
することを目的とした電波吸収建材を得た。得られた電
波吸収建材について、ホーンアンテナ法を用いて電波の
反射損失を求めることにより電波吸収性能を測定した。
その結果を図3に示す。次に前記の電波吸収建材を、温
度20℃−湿度90%の条件下において48時間放置し
たところ、無機質建材層であるケイ酸カルシウム板の含
水率は小口部周辺において4.3%となった。この状態
における小口部周辺の電波吸収性能は図3の通りであ
り、電波吸収性能が最大となる周波数帯は、平衡含水率
時と比較して、やや低周波数帯側に移動したものの、
5.2GHzでの電波吸収性能は22.5dBであり、
実用上十分な電波吸収性能を有していた。
法により形成された厚さ8mmで、ASTM E96に
準じて測定した透湿率が1.2×10−9g/Pa・s・mのケ
イ酸カルシウム板を用いた。このケイ酸カルシウム板は
Mn−Zn系フェライト粉を30重量%及びカーボン繊
維を0.2重量%含有しており、含水率は室内放置した
時の平衡含水率とほぼ等しい2.2%であった。電波反
射層として厚さ1mmのアルミニウム板を用い、この電
波反射層の両面に、それぞれ前記ケイ酸カルシウム板を
接着した。次にそれぞれのケイ酸カルシウムの、電波反
射層が接着されている面と反対側の面に、防水層を兼ね
た変成シリコーンポリマー樹脂系接着剤(商品名:ボン
ドMPX−1、コニシボンド 製)を使用して、実施例
1で抵抗膜層を形成するために用いたシートと同一の方
法で製造された厚さ63μmで表面抵抗値が800Ωと
したシートを接着して抵抗膜層を形成し、2.45GH
z帯の電波吸収を目的とした電波吸収建材を得た。得ら
れた電波吸収建材の電波吸収性能を図4に示す。次に前
記の電波吸収建材を、温度20℃−湿度90%の条件下
において48時間放置したところ、無機質建材層である
ケイ酸カルシウム板の含水率は小口部周辺において2.
5%となった。この状態における小口部周辺の電波吸収
性能は図4の通りであり、電波吸収性能が最大となる周
波数帯は、平衡含水率時と比較して、やや低周波数帯側
に移動したものの、2.45GHzでの電波吸収性能は
20dBであり、実用上十分な電波吸収性能を有してい
た。この電波吸収建材は、電波反射層を中心として面対
称であり、吸収しようとする電波がどちら側から入射し
ても、同一の電波吸収性能を有していることを確認し
た。
5mmで、ASTM E96に準じて測定した透湿率が
1.3×10−8g/Pa・s・mの石膏ボードを用い、この両
面に実施例1と同一の処理を行うことにより防水部を形
成した。この時石膏ボードの含水率は、室内放置した時
の平衡含水率とほぼ等しい0.5%であった。次に前記
石膏ボードの片面に電波反射層として厚さ50μmのア
ルミ箔を接着した。また、もう一方の面に、ポリイミド
樹脂に黒鉛粉を均一分散させカレンダーロールにてシー
ト化した、厚さ100μmで表面抵抗値が440Ωとし
たシートを接着して抵抗膜層を形成し、主として5.2
GHz帯の電波を吸収することを目的とした電波吸収建
材を得た。得られた電波吸収建材の電波吸収性能を図5
に示す。次に前記の電波吸収建材を、温度20℃−湿度
90%の条件下において48時間放置したところ、無機
質建材層である石膏ボードの含水率は小口部周辺におい
て0.7%となった。この状態における小口部周辺の電
波吸収性能は図5の通りであり、電波吸収性能が最大と
なる周波数帯は、平衡含水率時と比較して、やや低周波
数帯側に移動したものの、5.2GHzでの電波吸収性
能は21dBであり、実用上十分な電波吸収性能を有し
ていた。
96に準じて測定した透湿率が2.8×10− 8g/Pa・s
・mのケイ酸カルシウム板を用い、実施例1と同一条件に
て試験体を作製した。ただし、前記ケイ酸カルシウム板
の含水率は3.8%であった。得られた電波吸収建材の
電波吸収性能を図6に示す。次に前記の電波吸収建材
を、温度20℃−湿度90%の条件下において48時間
放置したところ、無機質建材層であるケイ酸カルシウム
板の含水率は小口部周辺において5.2%となった。こ
の状態における小口部周辺の電波吸収性能は図6の通り
であり、電波吸収性能が最大となる周波数帯は、平衡含
水率時と比較して低周波数帯側に移動すると共に、5.
2GHzでの電波吸収性能は4dBであり、平衡含水率
時と比較して明らかな低下が認められた。前述の実施例
においては5.2GHz帯域での場合について述べた
が、無機質材層1の厚さ及び/もしくは誘電率を変更す
ることにより、所望の周波数帯の電波を吸収することが
できることは述べるまでもないことである。
Claims (10)
- 【請求項1】 電波反射層(3)の上に、透湿率が2.0
×10-8g/Pa・s・m以下でかつ両面に防水部が形成された
無機質建材層(1)が設けられ、かつ前記無機質建材層(1)
の上には抵抗膜層(2)が形成されていることを特徴とす
る電波吸収建材。 - 【請求項2】 前記電波反射層(3)が、これと接する前
記無機質建材層(1)の防水部を兼ねることを特徴とする
請求項1記載の電波吸収建材。 - 【請求項3】 電波反射層(3)の両面に、透湿率が2.
0×10-8g/Pa・s・m以下でかつ表面に防水部が形成され
た無機質建材層(1)が設けられると共に、前記各無機質
建材層(1)の上には抵抗膜層(2)が形成されていることを
特徴とする電波吸収建材。 - 【請求項4】 前記抵抗膜層(2)は、有機質バインダー
中にカーボン粉、カーボン繊維、金属粉、金属繊維のう
ちの少なくとも1種からなる導電性物質を分散させた構
成からなることを特徴とする請求項1ないし3の何れか
に記載の電波吸収建材。 - 【請求項5】 前記抵抗膜層(2)は、層厚が1〜100
0μmで、かつ表面抵抗が10〜5000Ωであること
を特徴とする請求項4に記載の電波吸収建材。 - 【請求項6】 前記抵抗膜層(2)は、有機フィルム上に
導電性膜を形成した構成からなることを特徴とする請求
項1ないし3の何れかに記載の電波吸収建材。 - 【請求項7】 前記抵抗膜層(2)の導電性膜は、層厚が
10〜1000Åで、かつ表面抵抗が10〜5000Ω
であることを特徴とする請求項6に記載の電波吸収建
材。 - 【請求項8】 前記電波反射層(3)は、金属箔、金属
板、穴あき金属板及び金属メッシュの何れかよりなるこ
とを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の電波
吸収建材。 - 【請求項9】 前記抵抗膜層(2)が、これと接する前記
無機質建材層(1)の防水部を兼ねることを特徴とする請
求項1ないし8のいずれかに記載の電波吸収建材。 - 【請求項10】 前記抵抗膜層(2)が、装飾用表面材を
兼ねることを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記
載の電波吸収建材。
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1999
- 1999-01-20 JP JP01199699A patent/JP4318333B2/ja not_active Expired - Fee Related
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