JP2000218412A - 工具保持装置 - Google Patents

工具保持装置

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JP2000218412A
JP2000218412A JP11103574A JP10357499A JP2000218412A JP 2000218412 A JP2000218412 A JP 2000218412A JP 11103574 A JP11103574 A JP 11103574A JP 10357499 A JP10357499 A JP 10357499A JP 2000218412 A JP2000218412 A JP 2000218412A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立時における係合部材の脱落及び分解時に
おける係合部材の飛出しを防止し、分解組立が容易で、
しかも、構造が簡単な工具保持装置を提供する。 【解決手段】 ツールホルダ1に設けられた長孔1a内
に軸方向移動可能に設置され、ビット20の溝20aに
係合してこれを抜け不能にする係合部材2、2が、その
後退位置においてツールホルダ1の径方向に変位して、
ツールスリーブ5の操作無しにビット20を装着する。
係合部材2、2の後退位置のツールホルダ1外周に薄板
バネ4を配置し、係合部材2、2が径方向に変位した
後、薄板バネ4の復元力により係合部材2、2がビット
20の溝20aに係合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハンマドリル等の
電動工具における工具保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ツールホルダに設けられた長孔内
に軸方向移動可能に設置され、ビットの溝に係合してこ
れを抜け不能にする係合部材が、その後退位置において
ツールホルダの径方向に変位して、ツールスリーブの操
作無しにビットを装着することができる工具保持装置が
開発され、広く使用されている。
【0003】この種の工具保持装置に関して、特公平3
−43003号公報には、ツールホルダ(即ち、連結ス
リーブ)とツールスリーブ(即ち、滑りスリーブ)との
間にバネを配置して、係合部材(即ち、球)をツールホ
ルダの軸線方向に移動させるように作用する付勢力をこ
の係合部材に付与するように構成された工具保持装置が
開示されている(以下、「先行技術1」という)。
【0004】先行技術1によれば、組立状態において、
長孔内に保持された係合部材は、ツールホルダの内周面
よりも内側に突出している。従って、ツールホルダの先
端からその内側にビットを挿入すると、ビットの後端が
係合部材と接触する。この状態からビットを押し込む
と、係合部材はバネに抗して、ツールホルダの後方に向
かって移動しながら、その径方向に外側に向かって変位
して、ビットの更なる押込みが可能になり、その結果、
係合部材はビットの外側面にバネの付勢力によって当接
する。ビットの押込みを継続して、ビットに形成された
溝が、係合部材に対応する位置まで移動すると、係合部
材はバネの付勢力により、ツールホルダの径方向に内側
に向かって変位して、ビットの溝に係合する。このよう
に、ツールスリーブを操作することなく、ビットをツー
ルホルダに装着することができる。
【0005】また、特開平9−70772号公報には、
ツールホルダ(即ち、バレル)とツールスリーブ(即
ち、操作スリーブ)との間に、ツールホルダの径方向に
おける係合部材(即ち、キー)の移動を規制する規制ス
リーブを、ツールホルダの軸線方向に摺動可能に配置
し、この規制スリーブの摺動を規制するためのストッパ
手段を設けた工具保持装置が開示されている(以下、
「先行技術2」という)。
【0006】先行技術2によれば、ストッパ手段は、ビ
ットがツールホルダの内周側から抜き出されると規制ス
リーブの前進を阻止する一方、ビットがツールホルダの
内周側に差し込まれると規制スリーブの前進を許容す
る。従って、ツールホルダの先端からその内側にビット
を挿入すると、ストッパ手段によって、バネの付勢力に
よって規制スリーブが前進し、これによって係合部材が
ツールホルダの径方向に内側に向かって変位して、ビッ
トの溝に係合する。このように、先行技術2において
も、ツールスリーブを操作することなく、ビットをツー
ルホルダに装着することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1においては、工具保持装置の組立時に係合部材が不
意に脱落したり、また、分解時に係合部材がバネの押圧
により飛び出す虞があり、分解組立が煩雑である。
【0008】先行技術2においても、工具保持装置の組
立時に係合部材が不意に脱落する虞がある。また、先行
技術2においては、ストッパ手段の構造等に起因して、
工具保持装置全体の構造が複雑であり、分解組立が煩雑
であり、しかも、組立時に組込ミスを起こし易い。
【0009】本発明の目的は、組立時における係合部材
の脱落及び分解時における係合部材の飛出しを防止し、
分解組立が容易で、しかも、構造が簡単な工具保持装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の本発明は、ツールホルダ(1)に設けら
れた長孔(1a)内に軸方向移動可能に設置され、ビッ
ト(20)の溝(20a)に係合してこれを抜け不能に
する係合部材(2、2)が、その後退位置において前記
ツールホルダ(1)の径方向に変位して、ツールスリー
ブ(5)の操作無しに前記ビット(20)を装着可能な
工具保持装置において、前記係合部材(2、2)の後退
位置のツールホルダ(1)外周に係合部材(2、2)の
押圧により拡径する弾性部材(4)を配置し、前記係合
部材(2、2)が径方向に変位した後、前記弾性部材
(4)の復元力により前記係合部材(2、2)が前記ビ
ット(20)の溝(20a)に係合することを特徴とす
る。
【0011】請求項2の本発明は、請求項1の工具保持
装置において、前記弾性部材(4)は薄板バネであるこ
とを特徴とする。
【0012】請求項3の本発明は、請求項2の工具保持
装置において、前記薄板バネ(4)は外周部に開口部
(4a)を有し、前記開口部(4a)において周方向の
周り止めを施され、且つ、その軸方向の移動が拘束され
ていることを特徴とする。
【0013】また、請求項4の本発明は、ツールホルダ
(31)に設けられた長孔(31a)内に軸方向移動可
能に設置され、ビット(40)の溝(40a又は40
b)に係合してこれを抜け不能にする係合部材(32)
が、その後退位置において前記ツールホルダ(31)の
径方向に変位して、ツールスリーブ(35)の操作無し
に前記ビット(40)を装着可能な工具保持装置におい
て、前記ツールホルダ(31)の外周に前記長孔(31
a)と交わる溝(31d)を形成し、前記溝(31d)
に前記係合部材(32)の押圧により拡径する弾性部材
(34)を配置することにより、前記係合部材(32)
が径方向に変位した後、前記弾性部材(34)の復元力
により前記係合部材(32)が前記ビット(40)の溝
(40a又は40b)に係合することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、ハンマドリルに適用された
本発明の第1実施形態に係る工具保持装置Aを図1乃至
図7を参照して説明する。工具保持装置Aは、ツールホ
ルダ1と、係合部材2、2と、スリーブカラー3と、弾
性部材としての薄板バネ4と、ツールスリーブ5とから
構成されている。
【0015】ツールホルダ1は、図1に示すように筒状
に形成されており、その先端部内側にビット挿入孔1c
を有している。ツールホルダ1のほぼ中央の位置には、
対向する一対の長孔1a、1aが、ツールホルダ1の長
さ方向に伸びるようにそれぞれ形成されており、これ等
の長孔1a、1aは上記ビット挿入孔1cと連通してい
る。
【0016】各長孔1aにおいて、ツールホルダ1の内
周面側における開口幅は、後に詳述する係合部材として
のローラ2の直径よりも小さく、一方、ツールホルダ1
の外周面側における開口幅は、このローラ2の直径より
も僅かに大きい。従って、ローラ2は、長孔1a内にそ
の上方から挿入可能であるが、このように挿入されたロ
ーラ2は、その一部がツールホルダ1のビット挿入孔1
c内に突出した状態に置かれ、このビット挿入孔1c内
に落下することはない。また、各長孔1aの開口長さ
は、ローラ2の長さよりも大きく、例えば、図1に示す
ように、このローラ2の長さの約2倍に相当する。
【0017】ツールホルダ1のほぼ中央の位置における
内周面には、回転連行体としての突条1b、1b、1b
が軸方向に伸びるように形成されている。この突条1
b、1b、1bは、ビット20の外周面にその軸方向に
伸びるように形成された受け溝20b、20b、20b
にそれぞれ係合可能である。
【0018】長孔1a、1aのほぼ中間の位置から後端
に至る領域において、ツールホルダ1の外周面には、後
述する薄板バネ4を設置するための段部1dがツールホ
ルダ1の周方向にリング状に形成されている(図1参
照)。
【0019】上記ツールホルダ1の後端部は、シリンダ
6の先端部内側に嵌合され、これ等両者は連結ピン1
1、11を介して相互に連結されている。これ等の連結
部分において、シリンダ6の外周面には、リング状の連
結ピン押え12がとりつけられている。連結ピン押え1
2は、連結ピン11、11の上端に当接して、これの抜
けを防止している。この連結ピン押え12のシリンダ6
における軸線方向の移動はC型止め輪13によって規制
されている。
【0020】上述したシリンダ6は、ベアリング15を
介してバレル7の内側に周方向に回転可能に配置され
る。このシリンダ6の後端側内部には、ピストン(図示
せず)及び打撃子9がこれ等の間に空気室を形成するよ
うに往復摺動可能にそれぞれ配置されている。
【0021】一方、モータケース(図示せず)に内蔵さ
れた電動モータ(図示せず)の動力は、動力伝達機構
(図示せず)を介して上記シリンダ6に伝達されて、こ
れを周方向にツールホルダ1と共に回転させる。これと
同時に、電動モータの動力は上記ピストンにも伝達さ
れ、これを軸線方向に往復摺動させる一方、空気室を空
気ばねとして利用することによって、打撃子9を弾発的
に且つ間欠的に運動させる。その結果、ツールホルダ1
は回転しながら、打撃子9の上記運動に連動して軸方向
に弾発的に且つ間欠的に運動する。
【0022】係合部材としてのローラ2、2は、図1に
示すように、ツールホルダ1の長孔1a、1a内にそれ
ぞれ配置されている。各ローラ2は、長孔1a内におい
て軸方向に移動可能であり、且つ、ツールホルダ1の径
方向に変位可能である。
【0023】スリーブカラー3は、ツールホルダ1の外
径よりも僅かに大きい内径及びローラ2の長さよりも僅
かに短い長さを有するカラー本体3aと、その先端に一
体的に形成された外向きのフランジ3bとから構成され
ている。このスリーブカラー3は、図1に示すように、
ツールホルダ1のほぼ中央部分における外側にはめ込ま
れる。
【0024】薄板バネ4は、ツールホルダ1の段部1d
(図1参照)における外周の長さよりも僅かに短い周囲
及び上記段部1dの幅よりも僅かに短い幅を有するよう
に横断面C型に形成されている(図3及び図5参照)。
即ち、薄板バネ4は、周囲の一部が切断されており、そ
こに開口部4aを有している。この薄板バネ4は、図3
に示すように、長孔1a、1a内のローラ2、2の一部
がツールホルダ1の外周面から突出することにより、外
側に弾性変形して拡径する。一方、薄板バネ4は、図5
に示すように、ローラ2、2が長孔1a、1a内に没入
することにより、薄板バネ4の復元力によって、内側に
弾性変形して縮径し、上記段部1dに密着する。このよ
うな縮径状態において、段部1dは薄板バネ4の軸方向
の移動を規制する。勿論、縮径時における薄板バネ4の
外径は、スリーブカラー3の内径よりも小さい。
【0025】更に、ツールホルダ1の段部1dには、回
り止めキー19が設けられている。この回り止めキー1
9は、薄板バネ4の開口部4aに係合することにより、
薄板バネ4のツールホルダ1に対する周方向の回転を規
制する。
【0026】上述したスリーブカラー3のフランジ3b
と、シリンダ6の先端に設けられたバネ座18との間に
は、圧縮コイルバネ16が配置されている。従って、ス
リーブカラー3には、これをツールホルダ1の前方側に
移動させるように作用する付勢力が圧縮コイルバネ16
によって与えられる。
【0027】ツールホルダ1の先端部外周には、ツール
スリーブ5が軸方向に摺動可能に取り付けられている。
このツールスリーブ5は、内側に当接部5aを有してお
り、これは、スリーブカラー3のフランジ3bに当接可
能である。このツールスリーブ5の当接部5aは、ツー
ルスリーブ5を圧縮コイルバネ16に抗してスリーブカ
ラー3と共に後方に移動させたときに、ツールホルダ1
の径方向外側へのローラ2、2の変位を許容するよう
に、ツールホルダ1の外周面から間隔をあけて配置され
ている。
【0028】ツールホルダ1の先端には、ダストキャッ
プ17が取り付けられており、これによって、ツールス
リーブ5の前方への摺動限界位置が規制される。
【0029】更に、バレル7の先端部内側には、ツール
スリーブ5の軸方向の摺動時に、これとバレル7の先端
との間の隙間を閉塞するためのフロントキャップ8がね
じ込まれている。このフロントキャップ8とシリンダ6
との間にはオイルシール10が設けられている。また、
このフロントキャップ8の後端とベアリング15との間
には緩衝ゴム14が配置されている。
【0030】次に、上述した工具保持装置Aの使用方法
を以下に説明する。工具保持装置Aにビット20を装着
する以前の状態においては、スリーブカラー3は圧縮コ
イルバネ16の作用によって、図1に示すように前方側
に移動した状態に置かれている。このとき、ローラ2、
2はスリーブカラー3の内側に配置され、ローラ2、2
の一部がツールホルダ1のビット挿入孔1c内に突出し
た状態に置かれている。
【0031】ビット挿入孔1cにビット20の後端部を
挿入すると、ビット20の後端部はローラ2、2に当接
する。ローラ2、2は上述したようにスリーブカラー3
の内側に配置され、ツールホルダ1の径方向外側へのロ
ーラ2、2の変位が不可能な状態に置かれているため、
ビット20の挿入を継続すると、ローラ2、2は後方に
移動する。ローラ2、2がスリーブカラー3よりも後方
に移動すると、ローラ2、2は、薄板バネ4に抗してツ
ールホルダ1の径方向外側に変位する(図2及び図3参
照)。
【0032】ビット20の挿入を更に継続すると、ロー
ラ2、2が薄板バネ4の復元力によってツールホルダ1
の径方向内側に変位して、ビット20の溝20a、20
aにそれぞれ係合する(図4及び図5参照)。このよう
なビット20の挿入時に、ビット20の受け溝20b、
20b、20bには、ツールホルダ1の突条1b、1
b、1bに係合する。従って、ツールホルダ1の回転力
はビット20に伝達される。このようにツールスリーブ
5を操作することなく、ビット20がツールホルダ1に
確実に装着される。
【0033】このような装着状態において、ビット20
は、その溝20a、20aの範囲内において、軸方向に
移動可能である。従って、ビット20はツールホルダ1
と共に回転しながら、打撃子9の運動に連動して軸方向
に弾発的に且つ間欠的に運動し、これによって、被削材
の加工が可能になる。
【0034】ここで、ビット20を被削材から離すと、
ツールホルダ1の長孔1a、1a内において軸方向の任
意の位置に置かれていたローラ2、2は、ビット20の
溝20a、20aの後方部分によって前方に押され、図
6に示すように、スリーブカラー3内に移動する。この
状態においては、ツールホルダ1の径方向外側へのロー
ラ2、2の変位は不可能である。従って、ビット20の
ツールホルダ1からの抜けが確実に防止される。
【0035】ビット20をツールホルダ1から取り外す
場合には、図7に示すように、ツールスリーブ5を圧縮
コイルバネ16に抗して後方に移動させ、この状態で、
ビット20を前方に引き抜けばよい。即ち、ツールスリ
ーブ5をこのように後方に移動させると、スリーブカラ
ー3も後方に移動し、ツールホルダ1の径方向外側への
ローラ2、2の変位の規制が解除される。従って、この
状態で、ビット20を前方に移動させれば、ローラ2、
2が外側に変位して、これ等とビット20の溝20a、
20aとの係合が解除され、ビット20の取外しが可能
になる。
【0036】次に、本発明の第2実施形態に係る工具保
持装置Bを図8を参照して説明する。工具保持装置B
は、スリーブカラー23が、図8に示すように、横断面
において左右対称に形成されていることを除き、上述し
た第1実施形態に係る工具保持装置Aと同一である。従
って、同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を
省略する。
【0037】工具保持装置Bにおけるスリーブカラー2
3は、ツールホルダ1の外径よりも僅かに大きい内径及
びローラ2の長さよりも僅かに短い長さを有するカラー
本体23aと、その中央部分に一体的に形成された外向
きのフランジ23bとから構成されている。
【0038】工具保持装置Bの使用方法は、工具保持装
置Aの使用方法と同一であるため、その説明を省略す
る。工具保持装置Bによれば、工具保持装置Aにおける
効果と同一の効果をもたらすことができることに加え
て、スリーブカラー23が横断面において左右対称に形
成されているため、組立性が改善される。
【0039】次に、本発明の第3実施形態に係る工具保
持装置Cを図9を参照して説明する。工具保持装置C
は、係合部材22が異なる形状を有していることを除
き、上述した第2実施形態に係る工具保持装置Bと同一
である。従って、同一の構成要素に同一の符号を付し、
その説明を省略する。
【0040】工具保持装置Bにおける係合部材2、2は
ローラとして構成されているのに対して、工具保持装置
Cにおける係合部材22、22はそれぞれボールとして
構成されている。
【0041】工具保持装置Cの使用方法は、工具保持装
置Aの使用方法と同一であるため、その説明を省略す
る。工具保持装置Cによれば、上述した第2実施形態に
係る工具保持装置Bにおける効果と同一の効果をもたら
すことができることに加えて、係合部材22がボールと
して構成されているため、ツールホルダ1の長孔1a、
1aの長さ、スリーブカラー23の長さを短くすること
ができ、装置全体を小型化することが可能である。
【0042】次に、インパクトドライバーに適用された
本発明の第4実施形態に係る工具保持装置Dを図10及
び図11を参照して説明する。図10(a)から明らか
なように、工具保持装置Dは、ツールホルダ31と、係
合部材としてのボール32、32と、弾性部材としての
コイルバネ34と、ツールスリーブ35とから構成され
ており、上述した工具保持装置A、B、Cにおけるスリ
ーブカラー3、23に対応する構成要素を有していな
い。
【0043】ツールホルダ31は、その先端部内側に横
断面六角形状のビット挿入孔31cを有している(図1
0(a)及び図10(b)参照)。ツールホルダ31の
先端寄りの位置には、対向する一対の長孔31a、31
aが、ツールホルダ31の長さ方向に伸びるようにそれ
ぞれ形成されており、これ等の長孔31a、31aは上
記ビット挿入孔31cと連通している。
【0044】各長孔31aにおいて、ツールホルダ31
の内周面側における開口幅は、後に詳述する係合部材と
してのボール32の直径よりも小さく、一方、ツールホ
ルダ31の外周面側における開口幅は、このボール32
の直径よりも僅かに大きい。従って、ボール32は、長
孔31a内にその上方から挿入可能であるが、このよう
に挿入されたボール32は、その一部がツールホルダ3
1のビット挿入孔31c内に突出した状態に置かれ、こ
のビット挿入孔31c内に落下することはない。また、
各長孔31aの開口長さは、ボール32の直径よりも大
きく、例えば、図10(a)に示すように、このボール
32の直径の約1.5倍に相当する。
【0045】更に、図11から最も良く理解されるよう
に、ツールホルダ31の外周には、上記長孔31a、3
1aと交わる溝31dが全周に亘って形成されている。
この溝31dは、後述するコイルバネ34を収容するた
めのもので、コイルバネ34が溝31d内に収容された
状態で、このコイルバネ34がボール32に当接し、こ
れを長孔31a内において前方の位置に保持するように
構成されている。
【0046】係合部材としてのボール32、32は、図
10(a)に示すように、ツールホルダ31の長孔31
a、31a内にそれぞれ配置されている。各ボール32
は、長孔31a内において、その長さ方向に移動可能で
あり、且つ、ツールホルダ31の径方向に変位可能であ
る。
【0047】弾性部材としてのコイルバネ34は、引張
りコイルバネの両端部を相互に連結して、リング状に形
成したもので、ツールホルダ31の溝31d内に収容さ
れている。このコイルバネ34は、上記溝31d内に収
容された状態において、上述したように、このコイルバ
ネ34がボール32に当接し、これを長孔31a内にお
いて前方の位置に弾性的に保持する。
【0048】ツールスリーブ35は、ツールホルダ31
の長孔31a、31aを覆うようにして、ツールホルダ
31の先端部外周に軸方向に摺動可能に取り付けられて
いる。このツールスリーブ35は、その内周面にコイル
バネ34を収容可能なリング状の空間部35aと、その
前方に隣接して配置されたボール押圧部35bとを有し
ている(図11参照)。このツールスリーブ35の後方
側への摺動限界位置は、ツールホルダ31の外周面に嵌
合された後方ストッパリング38によって規制されてお
り、一方、その前方側への摺動限界位置は、ツールホル
ダ31の外周面に嵌合された前方ストッパリング37及
びこれに係合したバネ受け座36によって規制される。
このバネ受け座36と上述したボール押圧部35bとの
間に圧縮コイルバネ46が配置されており、ツールスリ
ーブ35を後方側に付勢している。
【0049】ツールスリーブ35が図11に示すように
後方側への摺動限界位置に置かれた状態においては、ボ
ール32は、コイルバネ34によって長孔31aの前方
壁に弾性的に押し付けられており、しかも、この状態で
は、ツールスリーブ35のボール押圧部35bがボール
32に当接することによって、ボール32の外側への変
位が不可能な状態に保持される。
【0050】尚、上述した工具保持装置D以外のインパ
クトドライバーの構成は、従来のインパクトドライバー
の構成と同一であるため、その説明を省略する。
【0051】次に、上述した工具保持装置Dの使用方法
を図12乃至図16を参照しながら説明する。先ず、工
具保持装置Dにビット40を取り付ける場合は、ビット
40をツールホルダ31のビット挿入孔31cに差し込
めばよい。尚、図12乃至図16に示したビット40
は、その両端に近接する位置にリング状の溝40a、4
0bがそれぞれ形成されている。
【0052】即ち、ツールホルダ31のビット挿入孔3
1cにビット40を挿入すると、図12に示すように、
ビット40の先端がボール32に当接する。この状態
で、ビット40を押し込むと、図13に示すように、コ
イルバネ34は拡径しながら、ボール32は後方側に移
動して、長孔31aの後方壁に当接する。
【0053】ここで、ビット40を更に押し込むと、図
14に示すように、コイルバネ34は更に拡径しなが
ら、ツールスリーブ35の空間部35a内に移動し、こ
れに伴って、ボール32がツールホルダ31の外側向か
って変位し、これによって、ビット40のビット挿入孔
31c内への更なる挿入が可能になる。
【0054】ビット40の挿入を更に継続して、ビット
40の溝40aがボール32の位置に到達すると、ボー
ル32はコイルバネ34の弾性力によって内側に向かっ
て変位して、ボール32はビット40の溝40aに係合
する。このように溝40aに係合したボール32は、コ
イルバネ34の弾性力によって、図15に示すように、
長孔31aの前方壁に当接する。このような状態におい
ては、ボール32は、ツールスリーブ35のボール押圧
部35bに当接しているため、ツールスリーブ35を操
作しない限り、ボール32の外側への変位は拘束され
る。従って、このようにツールスリーブ35を操作する
ことなく、ビット40を極めて容易に取り付けることが
でき、しかも、その取付け状態においては、ビット40
の抜止めが確実に行なわれる。
【0055】一方、工具保持装置Dからビット40を取
り外す場合には、図16に示すように、ツールスリーブ
35を圧縮コイルバネ46に抗して前方側に摺動させ、
この状態で、ビット40を引き抜けばよい。即ち、ツー
ルスリーブ35を前方側に摺動させると、そのボール押
圧部35bとボール32との当接が解除され、コイルバ
ネ34の拡径に伴って、ボール32が外側に変位可能な
状態に置かれる。このような状態で、ビット40を引き
抜けば、コイルバネ34が拡径しながら、ボール32が
外側に変位し、ビット40の溝40aとボール32との
係合が解除されるので、ビット40はビット挿入孔31
cから容易に取り外される。
【0056】上述した第4実施形態において、コイルバ
ネ34は、引張りコイルバネの両端部を相互に連結し
て、リング状に形成したものとして説明したが、弾性的
に縮径して、ボール32を付勢する作用を有していれ
ば、その形態は任意であり、例えば、弾力性を有する金
属製の単線をC形に成形したものや、弾力性を有する合
成樹脂等からリング状に成型されたもの等を使用しても
よい。
【0057】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、係合部材の
後退位置のツールホルダの外周に係合部材の押圧により
拡径する弾性部材を配置し、係合部材が径方向に変位し
た後、弾性部材の復元力により係合部材がビットの溝に
係合するように構成しているため、組立時における係合
部材の脱落及び分解時における係合部材の飛出しを防止
し、分解組立が容易で、しかも、構造が簡単な工具保持
装置が得られる。
【0058】請求項1の工具保持装置において、請求項
2に記載したように、弾性部材を薄板バネで構成すれ
ば、ツールホルダの外周に弾性部材を配置するためのス
ペースが小さくてすみ、工具保持装置のコンパクト化を
実現することができる。
【0059】請求項2の工具保持装置において、請求項
3に記載したように、薄板バネが外周部に開口部を有
し、この開口部において周方向の周り止めを施され、且
つ、その軸方向の移動が拘束されるように構成すれば、
ツールホルダの周方向における薄板バネの回転が回避さ
れ、係合部材によるビットの装着及びビットの取外しを
確実に行うことができる。
【0060】また、請求項4の本発明によれば、ツール
ホルダの外周に、係合部材のための長孔と交わる溝を形
成し、この溝に係合部材の押圧により拡径する弾性部材
を配置することにより、係合部材が径方向に変位した
後、弾性部材の復元力により係合部材がビットの溝に係
合するように構成しているため、組立時における係合部
材の脱落及び分解時における係合部材の飛出しを防止
し、分解組立が容易で、しかも、構造が著しく簡単な工
具保持装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る工具保持装置のビ
ット装着前の状態を示す縦断面図
【図2】図1の工具保持装置において、ビットの挿入に
より係合部材が変位した状態を示す縦断面図
【図3】図1の工具保持装置において、ビットの挿入に
より係合部材が変位した状態を示す横断面図
【図4】図1の工具保持装置において、ビットの挿入
後、その溝に係合部材が係合した状態を示す縦断面図
【図5】図1の工具保持装置において、ビットの挿入
後、その溝に係合部材が係合した状態を示す横断面図
【図6】図1の工具保持装置において、装着されたビッ
トが被削材から離れたときの状態を示す縦断面図
【図7】図1の工具保持装置において、ビットを取り外
すためにツールスリーブを後方に移動させた状態を示す
縦断面図
【図8】本発明の第2実施形態に係る工具保持装置のビ
ット装着前の状態を示す縦断面図
【図9】本発明の第3実施形態に係る工具保持装置のビ
ット装着前の状態を示す縦断面図
【図10】本発明の第4実施形態に係る工具保持装置を
示す図
【図11】図10の工具保持装置の要部拡大縦断面図
【図12】図10の工具保持装置へのビットの装着操作
において、その開始状態を示す縦断面図
【図13】図10の工具保持装置へのビットの装着操作
において、ビットによってボールが後方に移動した状態
を示す縦断面図
【図14】図10の工具保持装置へのビットの装着操作
において、ビットによってボールが外側に変位した状態
を示す縦断面図
【図15】図10の工具保持装置へのビットの装着操作
において、ビットの装着完了状態を示す縦断面図
【図16】図10の工具保持装置からのビットの取外し
操作を示す縦断面図
【符号の説明】
A 本発明の第1実施形態に係る工具保持装置 B 本発明の第2実施形態に係る工具保持装置 C 本発明の第3実施形態に係る工具保持装置 D 本発明の第4実施形態に係る工具保持装置 1、31 ツールホルダ 1a、31a 長孔 2、32 係合部材 3 スリーブカラー 4、34 弾性部材 4a 開口部 5、35 ツールスリーブ 20、40 ビット 20a、40a、40b 溝 31d 溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ツールホルダに設けられた長孔内に軸方
    向移動可能に設置され、ビットの溝に係合してこれを抜
    け不能にする係合部材が、その後退位置において前記ツ
    ールホルダの径方向に変位して、ツールスリーブの操作
    無しに前記ビットを装着可能な工具保持装置において、
    前記係合部材の後退位置のツールホルダの外周に係合部
    材の押圧により拡径する弾性部材を配置し、前記係合部
    材が径方向に変位した後、前記弾性部材の復元力により
    前記係合部材が前記ビットの溝に係合することを特徴と
    する工具保持装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材は薄板バネであることを特
    徴とする請求項1に記載の工具保持装置。
  3. 【請求項3】 前記薄板バネは外周部に開口部を有し、
    前記開口部において周方向の周り止めを施され、且つ、
    その軸方向の移動が拘束されていることを特徴とする請
    求項2に記載の工具保持装置。
  4. 【請求項4】 ツールホルダに設けられた長孔内に軸方
    向移動可能に設置され、ビットの溝に係合してこれを抜
    け不能にする係合部材が、その後退位置において前記ツ
    ールホルダの径方向に変位して、ツールスリーブの操作
    無しに前記ビットを装着可能な工具保持装置において、
    前記ツールホルダの外周に前記長孔と交わる溝を形成
    し、前記溝に前記係合部材の押圧により拡径する弾性部
    材を配置することにより、前記係合部材が径方向に変位
    した後、前記弾性部材の復元力により前記係合部材が前
    記ビットの溝に係合することを特徴とする工具保持装
    置。
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