JP2000219168A - 建設機械の騒音低減装置 - Google Patents

建設機械の騒音低減装置

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JP2000219168A
JP2000219168A JP11023319A JP2331999A JP2000219168A JP 2000219168 A JP2000219168 A JP 2000219168A JP 11023319 A JP11023319 A JP 11023319A JP 2331999 A JP2331999 A JP 2331999A JP 2000219168 A JP2000219168 A JP 2000219168A
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晴弘 坪田
Masao Tsujino
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 騒音を効率的に低減すると共に、コストが安
く、しかも耐久性がある建設機械の騒音低減装置を提供
する。 【解決手段】 騒音発生部(振動部)の一部または全体
に、板を積層して所定の結合間隔で離散的に結合する。
また、板を積層した積層板を複数種類の結合間隔で離散
的に結合してもよい。騒音発生部に応じて、積層数の異
なる積層板を結合してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械の騒音低
減装置に係り、特には、騒音を効率的に低減すると共
に、コストの安い、しかも耐久性がある建設機械の騒音
低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建設機械の騒音低減の方法とし
て、例えば図20(a)に示すように、ゴムや樹脂等の
粘弾性体による制振部材21を振動部(母材)22に貼
り付ける方法が知られている。これは、図20(b)に
示すように、振動部22に貼り付けられた制振部材21
が、振動部22の振動時の動きにつれて図示の矢印のよ
うに強制的に伸縮させられる。そして、その際の制振部
材21の内部での物性で決まる損失により、振動エネル
ギを熱エネルギとして消散することにより、制振効果を
発揮することを特徴としている。
【0003】また、他の騒音低減方法の先行技術とし
て、例えば実開昭55−174082号公報には、その
裏面側に摩擦損失を利用した振動減衰手段を取り付け
た、装軌式車両のシュープレート(履帯)を開示してい
る。これによると、振動減衰手段(例えば、バネ鋼板)
の一端側がシュープレートの裏面にボルト等で固定され
ると共に、他端側はシュープレートに強く押し付けた状
態(固定せず)で取り付けられる。そして、シュープレ
ートが振動した場合、振動減衰手段の他端部とシュープ
レートとの相対的位置のずれによる摩擦によって、シュ
ープレートの振動エネルギが急激に減少し、振動が急速
に減衰させられるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の騒音低減方法では以下のような問題がある。図20
に示された制振方法では、有効な制振効果を生むために
は制振部材21の厚さを厚くする必要があり、制振部材
21の厚さが振動部(母材)22の板厚の2〜3倍以上
あることが求められる。建設機械の場合、対象となる振
動部(母材)の板厚が数mmから十数mm以上あるので、必要
とされる制振部材の板厚は概略10〜50mm程度とな
る。このため、制振部材21が特殊材料なので高価とな
る上に、上記の如く厚さにより更に高価になると共に、
制振部材21を貼り付ける場所には他の部材との干渉を
避けるために所定の大きさの隙間を確保しなければなら
ず、装置が大型化するという問題がある。また、建設機
械等のように屋外の様々な現場で使用される場合、制振
部材21の貼り付け部が環境(日光、風雨等)、振動、
衝撃及び磨耗(岩石や砂等による)に対して耐久性が無
いという問題がある。
【0005】また、上記実開昭55−174082号公
報に開示されたシュープレートの実施例に記載された振
動減衰手段は、波形形成したバネ鋼板の一端側をボルト
等により押し付けてシュープレートに取り付けている。
しかしながら、波形形成した板を一端側でのみ固定し、
かつ押し付けるという構造上、同シュープレートでは、
バネ鋼板とシュープレートとの隙間に泥や砂等が入り易
く、これらが入ると前記隙間が大きくなり、よって摩擦
エネルギによる振動の損失が無くなる、又は少なくなる
ので、騒音低減効果が長期間持続しないという問題があ
る。また、前記構成上、岩石等によりバネ鋼板が変形し
易いので、耐久性が乏しいという問題もある。
【0006】本発明は上記従来の問題点に着目し、騒音
を効率的に低減すると共に、コストが安く、しかも耐久
性がある建設機械の騒音低減装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用効果】上記目的
を達成するために、本発明に係る建設機械の騒音低減装
置の第1発明は、建設機械の騒音発生部の一部または全
体に、板を積層した積層板を所定間隔で離散的に結合し
た構成としている。第1発明によれば、積層板が騒音発
生部(振動部)に離散的に結合されているので、騒音発
生部が振動すると、振動部と積層した板間、及び積層し
た板間に微小な位置ズレや隙間が生じる。この微小な位
置ズレや隙間は常に変化しながら次々に生起されるの
で、板間の摩擦や衝突が繰り返される。したがって、騒
音発生部の振動エネルギは、これらの摩擦や衝突により
熱エネルギに変換され、消散していくので、振動を減少
させることができ、騒音を低減できる。このとき、積層
した板は、従来の粘弾性体による制振部材の内部損失と
は異なる原理で、すなわち上記のように板間の摩擦や衝
突により振動エネルギを熱エネルギに変換するので、積
層板の各板を薄くして本来の振動部(母材)の板厚とほ
ぼ同等か又はそれ以下の積層高さに構成しても十分な騒
音低減効果が得られる。したがって、騒音低減装置を小
型化できる。また、積層する板は制振部材のような特殊
な材料でなく、普通鋼板や、アルミニウム、SUSある
いはFRP(強化プラスチック材)等の所定値以上の摩
擦係数を有するものでよいので、コストを安くでき、し
かも耐久性を向上できる。
【0008】第2発明は、建設機械の騒音発生部の一部
または全体に、板を積層した積層板を複数種類の結合間
隔で離散的に結合した構成としている。第2発明によれ
ば、積層板が騒音発生部(振動部)に離散的に結合され
ているので、騒音発生部が振動すると、振動部と積層し
た板間、及び積層した板間に微小な位置ズレや隙間が生
じる。この微小な位置ズレや隙間は常に変化しながら次
々に生起されるので、板間の摩擦や衝突が繰り返され
る。したがって、騒音発生部の振動エネルギは、これら
の摩擦や衝突により熱エネルギに変換され、消散してい
くので、振動を減少させることができ、騒音を低減でき
る。このとき、積層板の結合間隔を大きくすると低周波
数帯域の騒音がより低減され、結合間隔を小さくすると
高周波数帯域の騒音がより低減されるので、結合間隔を
変えることにより低減する騒音の周波数帯域を設定でき
る。したがって、騒音発生部での発生騒音の周波数帯域
及びその発生レベルに応じて最も有効な制振効果が得ら
れるように積層板の結合間隔を適宜設定して使用するこ
とにより、全周波数帯域にわたって騒音レベルを効果的
に低減できる。
【0009】第3発明は、第1又は第2発明において、
騒音発生部に応じて、積層数の異なる積層板を結合する
ようにしている。第3発明によれば、積層数を多くする
と全周波数帯域にわたって騒音レベル低減量が大きくな
るので、騒音発生部の発生騒音の騒音レベルに応じて異
なった積層枚数の積層板を結合することにより、所望の
騒音レベル低減量が得られる。これにより、騒音発生部
に適合させて効果的に騒音を低減できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る建設機械の騒
音低減装置の実施形態について、図1乃至図15により
詳細に説明する。なお、第1〜7実施形態においては、
騒音低減装置を建設機械の履帯の履板に適用する例を説
明する。
【0011】先ず第1実施形態について、図1乃至図8
により説明する。図1は履帯の斜視図あり、図2は履帯
の構成図である。図1,2に示すように、履帯10は、
後述する積層板8を結合した履板1を左右リンク4,5
にボルト2及びナット3により締結して構成されてい
る。左右リンク4,5は、それぞれ一端側に外側リンク
部4a,5aを、他端側に内側リンク部4b,5bを有
している。そして、これらの左右リンク4,5は、左右
リンク4,5の一端部の内側リンク部4b,5b間に固
定されたブッシュ7と、このブッシュ7に挿入されて隣
の左右リンク4,5の他端部の外側リンク部4a,5a
に固定されたピン6とにより、屈曲自在に連結されて無
端状になっている。図3は履板の平面図であり、図4は
図3のA−A断面図である。図3,4に示すように、履
板1の裏側(つまり、接地面の反対側)には、それぞれ
が薄い普通鋼板8(以後、積層板8と呼ぶ。)が所定の
n1 枚積層されており、これらn1枚の積層板8は結合
間隔がa1 で複数箇所、履板1に栓溶接Wにより結合さ
れている。そして、n1 枚の積層板8及び履板1は、左
右リンク4,5に前記ボルト2及びナット3により共締
めされている。
【0012】次に、作動について、図5(a),(b)
及び図6に基づいて説明する。図5(a)は履板1の非
振動時の積層板8の状態を示し、図5(b)は履板1の
振動時の積層板8の状態を示す。また図6は、積層板8
の有、無の時の騒音レベルを示している。図5(b)に
示すように、履板1が振動すると、図5(a)に示す状
態にあった各積層板8も結合間隔等の拘束条件に応じて
振動し、その板間に微小な位置ズレや隙間が生じる。振
動に伴い、この微小な位置ズレや隙間は常に変化しなが
ら次々に生起されるので、板間で摩擦や衝突が繰り返さ
れる。すると、履板1の振動エネルギは、これらの摩擦
や衝突により熱エネルギに変換されて消散していく。し
たがって、履板1の振動を減少させることができ、ひい
ては履板1から放射される騒音を低減できる。
【0013】本出願人らは、実験により積層板による騒
音低減の効果を確認しており、図6はその実験結果を示
す。同図の線α1 ,β1 は、それぞれ積層板の有、無時
の周波数に対する騒音レベルを示したものである。同図
に示すように、積層板が有る時は無い時に比べて全周波
数帯域において騒音レベルが低下しており、積層板が非
常に騒音低減効果を有することがわかる。
【0014】また、図7に積層板8の結合間隔を変えた
ときの騒音レベル低減量を示す。ここで、縦軸の騒音レ
ベル低減量は「積層板有りのときの騒音レベル−積層板
無しのときの騒音レベル」としており、よってこの低減
量がマイナスの方が低減効果があることを表す。以下、
同様とする。また図7の線α2 ,β2 は、積層板8の結
合間隔をそれぞれ、a1 ,a2 (ただし、a1 >a2 で
ある)として履板1に結合したときの周波数に対する騒
音レベル低減量を示したものである。同図に示すよう
に、結合間隔が大きい(a1 )ときは、低〜中周波数帯
域での騒音低減効果が大きく、結合間隔が小さい(a2
)ときは、中〜高周波数帯域での騒音低減効果が大き
いことがわかる。このように、結合間隔を変化させるこ
とにより、所定の周波数帯域の騒音を低減させることが
できる。
【0015】また、図8に積層板8の積層枚数を変えた
ときの騒音レベルを示す。図8の線α3 ,β3 は、積層
枚数をそれぞれn1 ,n2 (ただし、n1 <n2 であ
る)とした積層板8を履板1に結合したときの周波数に
対する騒音レベル低減量を示している。同図に示すよう
に、積層枚数が多い(n2 )ときは低周波数帯域の一部
を除いてほぼ全周波数帯域にわたって騒音レベルが小さ
くなる。
【0016】このような第1実施形態によれば、履板1
に積層板8を結合することにより、図6に示すように振
動エネルギを積層板8の摩擦や衝突により消散して大幅
に騒音を低減できる。また、従来のように高価な制振部
材を使わずに、安い普通鋼板でよいのでコストが安く、
しかも耐久性がある。また、図7,8に示すように、積
層板8の結合間隔により低減する騒音周波数帯域を調整
したり、また積層枚数により騒音レベルを調整できるの
で、履板1の様々な振動状態に応じて、きめ細かく、効
率的に騒音を低減することができる。
【0017】図9,10に基づいて、第2実施形態を説
明する。図9は本実施形態に係わる履板1の平面図であ
り、図10は図9のB−B断面図である。同図に示すよ
うに、積層部8A,8Aは左右リンク4,5を挟んで履
板1の長手方向(図中左右)に分離して配設されてい
る。各積層部8Aは、図10に示すように、所定枚数の
薄い積層板8aと厚い積層板9とから構成されており、
薄い積層板8aを履板1と厚い積層板9との間に挟みつ
け、前実施形態と同様の結合手段により固着したもので
ある。このような構成によれば、前記第1実施形態と同
様な効果が得られると共に、厚い積層板9により締付け
力が増すので、積層板8a間の摩擦力が大きくなり、よ
って、摩擦による消散エネルギを増大させ、大きな騒音
低減効果を得ることができる。また、外側に、すなわち
最も上部に厚い積層板9を使用することにより、岩石等
による変形や損傷を受け難く、また摩耗しても長期間大
きな締付け力を維持できるので、積層部8Aの耐久性を
向上させることができる。
【0018】図11により、第3実施形態を説明する。
図11は、本実施形態に係わる履板の断面図である。同
図に示すように、積層部8Bは所定枚数の薄い積層板8
aと上下の厚い積層板9a,9aとを備えており、薄い
積層板8aを厚い積層板9a,9aの間に挟みつけて前
記実施形態と同様の結合手段により履板1に結合してい
る。このような積層部8Bは、前記第1又は第2実施形
態に示した使用形態と同様に使用される。本実施形態の
構成によれば、前記第1,第2実施形態と同様な効果が
得られると共に、厚い積層板9a,9a間に挟むことに
より締付け力が更に大きくなり、積層板8a間の摩擦力
が更に大きくなる。したがって、この摩擦による振動消
散エネルギを増大させるので、騒音低減効果を更に大き
くできる。
【0019】つぎに、図12により第4実施形態を説明
する。図12は、本実施形態に係る履板の断面図であ
る。同図に示すように、積層部8Cは、所定枚数の薄い
積層板8aと予め所定の曲げ変形が加えられた厚い積層
板9bとを備えており、この厚い積層板9bと履板1の
間に薄い積層板8aを挟みつけている。そして、厚い積
層板9bの有する前記曲げ変形による押し付け力により
薄い積層板8aを強制的に履板1に押しつけた状態で、
前述の結合手段により結合している。この積層部8C
は、第1又は第2実施形態における使用形態と同様に使
用される。本実施形態によれば、上記第1,第2実施形
態と同様な効果が得られると共に、押し付け力を有する
厚い積層板9bにより予圧が与えられるので、薄い積層
板8a間の摩擦力が大きくなる。したがって、摩擦によ
る振動消散エネルギを増大させ、さらに大きな騒音低減
効果を得ることができる。
【0020】図13に示す第5実施形態を説明する。図
13は、本実施形態に係る積層部8A,8D1,8D2が結
合された履板1の平面図である。同図に示すように、履
板1には複数箇所に分離して所定形状の積層部8Aや積
層部8D1,8D2が配設されている。積層部8Aは履板1
の左右リンク4,5より左右いずれか一側に結合され、
他側には2個所に積層部8D1,8D2が結合されている。
これらの積層部8A,8D1,8D2には、前述までの実施
形態で示した各種の積層板が使用される。このような第
5実施形態によれば、前述までの各実施形態の作用及び
効果の他に、積層板の各種の大きさや形状のものを所定
箇所に分離して結合することにより、履板1(母材)の
それぞれ特定箇所の形状や振動特性に応じて、きめ細か
く対応することができる。すなわち、制振対象の部位形
状や振動特性に応じて、所定の大きさ及び形状で、所定
の積層形態による積層板をそれぞれの必要な箇所に結合
できる。また、制振対象部の発生騒音の周波数帯域に応
じて各積層部の結合間隔を変えることにより、各部の振
動を効果的に低減できる。これにより、制振対象をきめ
細かく、かつ効率的に制振でき、大きな騒音低減効果を
得ることができる。
【0021】図14により、第6実施形態を説明する。
図14は、本実施形態に係る積層部8E,8Aが結合さ
れた履板1の平面図である。同図に示すように、履板1
には、それぞれ履板1への結合間隔が異なる複数種類の
積層部が配設されている。本実施形態では、大き目の結
合間隔a1 を有する積層部8Aと、小さ目の結合間隔a
2 を有する積層部8Eとを設けている。なお、同一の積
層部において、履板長手方向、短手方向で結合間隔を変
えること、あるいは結合間隔を段階的に変化させるこ
と、更には結合間隔を不等ピッチとすること等、異なる
結合間隔を有するようにしてもよい。このような第6実
施形態によれば、履板1の特定部位の振動特性、すなわ
ち騒音周波数特性に応じて、結合間隔を設定することが
可能となり、これにより、騒音低減周波数帯域を調整し
て積層部を設けられる。したがって、履板1の部位毎
に、効率的に騒音を低減できる。なお、結合間隔の異な
る積層部を複数組み合わせて配設することにより、それ
らの騒音低減の周波数特性を兼ね備えることができ、履
板1の形状、振動特性に応じて、きめ細かく対応するこ
とができる。
【0022】図15に基づいて、第7実施形態を説明す
る。図15は、本実施形態に係る積層部8Fが結合され
た履板1Aの断面図である。同図に示すように、履板1
Aの接地面の反対側に窪みを設け、この窪みの中に積層
板8bを埋め込み、前述までの実施形態と同様の結合手
段により結合している。また、積層板としては、前述ま
での実施形態と同様の積層板が使用される。このような
第7実施形態によれば、履板1Aの重量軽減が可能であ
り、また積層板8bが窪みの中に埋め込まれているの
で、岩石等により損傷を受けることが少なくなり、耐久
性が向上する。この他の効果は、上記第1実施形態と同
様であり、説明は省略する。
【0023】ところで、建設機械の内、例えばブルドー
ザ20においては、図16に示すように、履帯10の履
板1の他に、振動に起因して騒音を発生している様々な
部材(11〜20)がある。これらには、例えば、トラ
ックフレーム11、エンジンルームカバー12A,12
B、メインフレーム13、オペレータキャブ14、アン
ダガード15、フェンダカバー16、フロントアイドラ
17、ファイナルドライブキャリア18、ブレード19
及びブレード支持フレーム20等がある。これらの各部
材11〜20についても本発明に係る積層板を適用する
ことが可能であるが、以下の第8、9、10実施形態で
はトラックフレーム11、エンジンルームカバー12
A,12B及びフロントアイドラ17に適用する例につ
いて、図17,18,19により説明する。
【0024】図17に、トラックフレーム11に積層板
を適用した第8実施形態を示す。同図に示すように、ト
ラックフレーム11の側面には平面状の積層板11a,
11bを、上面には曲面状の積層板11cを結合する。
また図示しないが、トラックフレーム11の内面にも積
層板を結合することができる。尚、積層板11a,11
b、11cは、前述までの実施形態において説明した各
種の積層板を組み合わせて使用することができる。
【0025】トラックフレーム11は、岩石や土砂との
衝突により、大きな起振力が直接に、あるいは履帯10
を経て伝達される所であると同時に、岩石等に直接接触
する所でもある。したがって、上記の積層板11a,1
1b、11cによれば、必要な箇所の大きさ及び形状に
応じて、また振動特性に適合するような積層板を適用で
きるので、容易に大きな騒音低減効果を得ることができ
ると共に、耐久性を確保できる。
【0026】図18に、エンジンルームカバー12A,
12Bにおいて積層板を適用した第9実施形態を示す。
同図に示すように、エンジンルームカバー12A,12
Bの内面に不定形の積層板12a,12bを結合する。
尚、積層板12a,12bは、前述までの実施形態にお
いて説明した各種の積層板を組み合わせて使用すること
ができる。エンジンルームカバー12A,12Bは、図
示しないエンジンのマウントによる起振力が、メインフ
レーム13を経て伝達される所であり、複雑な形状をし
ている。したがって、上記のような積層板12a,12
bによれば、様々な形状の部材に対しても簡単に適用で
きるので、確実に騒音を低減することができる。なお、
本実施形態の場合、大きな荷重がかかる適用個所ではな
いので、積層板の各板の素材は鋼板に限定されず、例え
ばアルミニウム、SUSあるいはFRP(強化プラスチ
ック材)等の表面摩擦係数がを所定値以上有るものが使
用可能である。
【0027】図19に基づいて、フロントアイドラ17
を積層板により構成した第10実施形態について説明す
る。同図に示すように、本実施形態ではフロントアイド
ラ17の全体が積層板17aにより構成されており、積
層板17aは複数の所定厚さの鋼板からなっている。積
層板17aは、幅方向中央部に位置し、かつ径が大きな
複数の部材31と、部材31の外側に配設され、かつ径
が小さな複数の部材32とが複数のボルトにより所定の
結合間隔で締着されている。このような構成によると、
フロントアイドラ17の全体が積層板17aにより構成
されているので、フロントアイドラ17で発生した振動
は積層板17aの板間の摩擦により低減され、発生する
騒音を効率的に低下できる。これにより、従来の制振材
を貼り付けたものよりも、全体の厚さを薄くできて小型
化が可能となる。
【0028】上記の他に、図16に示した部材では、詳
細な説明は省くが、メインフレーム13の内外面、オペ
レータキャブ14の上面や側面、アンダガード15の内
外面、フェンダカバー16の内外面、フロントアイドラ
17の側面、ファイナルドライブキャリア18の円筒
面、ブレード19の裏面、ブレード支持フレーム20の
上面や内外側面等に積層板を適用することができる。
尚、油圧式掘削機においても、図示しないが、上記ブル
ドーザと同部材は勿論のこと、バケット、アーム、ブー
ム等に適用することができる。尚また、ホイールローダ
においても、同様に、バケット、リフトアーム等に適用
することができる。さらに、ダンプトラックにおいても
同様に、ベッセル等に適用することができる。さらにま
た、建設機械の種類に拘わらず、エンジン、マフラ等に
対しても同様に適用することができる。
【0029】以上説明したように、本発明の建設機械の
騒音低減装置によれば、騒音発生部(振動部)の全体
(つまり、振動部の表面全体あるいは振動発生部自体)
又は一部に積層板を所定の結合間隔で結合することによ
り、この振動エネルギが振動部と積層した板間、及び積
層した板間の摩擦や衝突により熱エネルギに変換され、
消散していくので、振動を減少させることができ、騒音
を低減することができる。また、各積層板間は所定間隔
毎に、すなわち離散的に結合されると共に、騒音発生部
にも離散的に結合されており、その結合間隔はそれぞれ
の騒音発生部の騒音周波数帯域に応じて最も有効な制振
効果が得られるように設定することができる。すなわ
ち、結合間隔を大きくすると低〜中周波数帯域の騒音の
低減効果が大きくなり、結合間隔を小さくすると中〜高
周波数帯域の騒音の低減効果を大きくできる。これによ
り、騒音発生部に応じて騒音をきめ細かく、効率的に低
減することができる。さらに、積層数を多くすると全周
波数帯域にわたって騒音低減量が大きくなるので、騒音
発生部の騒音レベルに応じて積層数を適宜設定すること
により、効率的に騒音を低減できる。
【0030】また、積層板は、従来のような高価な制振
材でなく、普通鋼板でも良いので、コストが安いと共
に、耐久性を確保できる。さらに、各積層板の形状を騒
音発生部の制振対象部材の形状に適合させて任意の形状
に切り板し、一体で、あるいは複数の積層板に分離して
結合されるので、取付場所のスペースに応じた結合がで
きる。よって、汎用性を確保できると共に、確実に騒音
を低減できる。さらにまた、積層板の摩擦係数を大きく
することにより摩擦での消失エネルギを大きくできるの
で、鋼板の表面粗さや、積層板の材質等を選択して、適
用する場所や目的等に適合させることができる。
【0031】さらに、積層板の内、少なくとも最上部の
板の板厚を他より厚くしてもよい。これにより、厚い板
と振動部との間に薄い積層板を挟み込む際に、厚い板に
より押し付け力が増加するので、挟まれた振動部と積層
板との間、及び積層板間の摩擦力が大きくなり、よって
摩擦により消散する振動エネルギは増加するので、さら
に騒音を低減できる。
【0032】また、積層板の最上部の板は下方へ押し付
ける付勢力を有していてもよい。これにより、積層板の
最上部の板は押し付け力を有しているので、積層板の摩
擦力が増加し、したがって摩擦により消散する振動エネ
ルギは増加し、さらに大きな騒音低減効果が得られる。
【0033】また、積層板の騒音発生部への結合手段
は、ボルト、リベット等による締結、あるいは栓溶接、
スポット溶接等による溶着などの剛に結合される手段と
している。これにより、騒音発生部(振動部)の部材の
材質、使用環境条件又は振動状態等に応じて最適な結合
手段を選択できるので、騒音を効率的に低減できると共
に、積層板の取り付け施工が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建設機械の騒音低減装置を適用し
た履帯の斜視図である。
【図2】同、履帯の構成図ある。
【図3】同、履板の平面図ある。
【図4】同、図3のA−A断面図である。
【図5】同、積層板の挙動の説明図であり、(a)は非
振動時の状態、(b)は振動時の状態を示す。
【図6】同、積層板の有無時の騒音レベルを示す図であ
る。
【図7】同、積層板の結合間隔を変えた時の騒音レベル
低減量を示す図である。
【図8】同、積層板の積層枚数を変えた時の騒音レベル
低減量を示す図である。
【図9】同、第2実施形態の履板の平面図である。
【図10】同、図9のB−B断面図である。
【図11】同、第3実施形態の履板の断面図である。
【図12】同、第4実施形態の履板の断面図である。
【図13】同、第5実施形態の履板の平面図である。
【図14】同、第6実施形態の履板の平面図である。
【図15】同、第7実施形態の履板の断面図である。
【図16】本発明が適用されるブルドーザの側面図であ
る。
【図17】トラックフレームに適用した第8実施形態を
示す。
【図18】エンジンルームカバーに適用した第9実施形
態を示す。
【図19】フロントアイドラに適用した第10実施形態
を示す。
【図20】従来の制振部材の挙動の説明図であり、
(a)は非振動時の状態を示し、(b)は振動時の状態
を示す。
【符号の説明】
1…履板、2…ボルト、3…ナット、4,5…リンク、
6…ピン、7…ブッシュ、8,8a,8b…積層板、8
A〜8F…積層部、9,9a,9b…厚い積層板、10
…履帯、11…トラックフレーム、11a,11b,1
1c…積層板、12A,12B…エンジンルームカバ
ー、12a,12b…積層板、13…メインフレーム、
14…オペレータキャブ、15…アンダガード、16…
フェンダカバー、17…フロントアイドラ、18…ファ
イナルドライブキャリア、19…ブレード、20…ブレ
ード支持フレーム、21…制振部材、22…振動部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J048 AB01 AC03 BA08 BB02 CB23 EA36 3J066 AA30 BA01 BC03 BC07 BE05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建設機械の騒音発生部の一部または全体
    に、板を積層した積層板を所定間隔で離散的に結合した
    ことを特徴とする建設機械の騒音低減装置。
  2. 【請求項2】 建設機械の騒音発生部の一部または全体
    に、板を積層した積層板を複数種類の結合間隔で離散的
    に結合したことを特徴とする建設機械の騒音低減装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の建設機械の騒音低
    減装置において、 騒音発生部に応じて、積層数の異なる積層板を結合した
    ことを特徴とする建設機械の騒音低減装置。
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