JP2000219933A - 液圧成形性に優れた高強度鋼管 - Google Patents
液圧成形性に優れた高強度鋼管Info
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Abstract
%、Si:0.5〜3.0%、Mn:0.5〜2.5%
を含み、残部がFeおよび不可避的不純物から構成さ
れ、管状試験片による引張強度と伸びの積が15000
[MPa・%]以上であり、加えて体積百分率にて2.5
%以上の残留オーステナイト相を有し、かつ残留オース
テナイト相中のC濃度が全体平均値の5倍以上であるこ
とを特徴とする高強度鋼管。また更に加えてCr、N
i、Mo、Cu、Ti、Nbのうちの1種または2種以
上を質量百分率の合計で3%以下含有することを特徴と
する高強度鋼管。
Description
場合に優れた成形性を示す高強度鋼管に関するものであ
る。
後、内部に液体を満たし、その液体の圧力を必要な値に
制御することによって、あるいはそれに加えて、管の端
面を押し込んでいくことによって所望の形状に膨出成形
する加工方法が、液圧バルジ加工、または、ハイドロフ
ォーム加工として知られている。
接継手や自転車のフレームの接続部材などの製造に専ら
用いられていたが、最近、板材を曲げ加工などした複数
部品を組み合わせて閉断面を有する形状に作られている
部品などを、該加工方法によって管材から作製した部品
に置換しようとする試みを中心に、自動車部品への適用
が検討されるようになってきた。
部材では、被接続管と同材質管を用いることが一般的で
あったため、ほとんど検討されて来なかった素管の材質
が問題とされるようになってきた。
要素は軽量かつ高剛性であり、これを適えるには、部品
用素材、すなわち加工用素管は、高強度鋼から成る薄肉
管であることが望ましい。しかし、一般に、鋼の高強度
化は延性の劣化を伴うため、高強度鋼を用いることは、
管の液圧による膨出成形性の劣化に繋がることが多い。
そこで同強度の鋼管の中で少しでも液圧による膨出成形
性に優れた鋼管を得るためには延性に優れた鋼を用いて
鋼管を作製することが有利となる。
て、残留オーステナイト相(以下、γ R)の変態誘起塑
性(以下、TRIP)を利用するいわゆるTRIP鋼が
知られており、鋼板や鋼管の製造方法が提案されてい
る。
はTRIP薄鋼板を得るための製造方法が開示されてい
る。特開平6−88129号公報には曲げ特性を向上さ
せた高強度TRIP鋼鋼管の製造方法が記載されてい
る。一方、TRIP鋼鋼管ではないが類似の例として特
開平10−88278号公報には、組織をフェライト相
とベイナイト相の二層複合にすることによって液圧バル
ジ成形性に優れた電縫鋼管を得る方法が、特開平6−1
58163号公報には、フェライト相とマルテンサイト
相の複合組織化による耐摩耗性に優れた鋼管の製造方法
が述べられている。
形にはTRIP鋼鋼管が適しているとの考えに基づいて
化学成分や「強度と伸びの積」(以下、強度延性バラン
ス)、および「γRの体積百分率」(以下、Vg)の異な
る複数のTRIP鋼鋼管を用いて液圧成形試験を行っ
た。その結果、強度延性バランスが高いことの重要性に
加えて、Vgがほとんど同じであっても液圧成形性が大
きく異なる場合のあることを見出した。このことは、
「Vgが多ければTRIP現象の発現が増え、それによ
ってより大きな延性が得られ高成形性をもたらす」とす
る従来薄鋼板の成形分野で用いられていたTRIP鋼の
評価指標のみでは管の液圧成形性は計れないことを意味
しているものと思われる。すなわち、管の液圧成形の場
合にはVgの大小のみならずγRの特性自体もが成形性に
関与していると考えられるのだが、このような視点に立
って液圧成形用の高強度鋼管について検討した例は見当
たらない。
の特性についての検討は為されておらず、かつ鋼管とし
ての使用に関する記載もない。特開平6−88129号
公報の発明は、残留応力を低減させて曲げ特性の向上を
図るために所定量以上のVgを確保することを提案した
ものであるが、γRの特性についての検討は全く行われ
ていない。また特開平10−88278号公報や特開平
6−158163号公報にはγRに関する記述は為され
ていない。管状試験片での強度延性バランスに言及した
例も見当たらない。
優れた成形性を示す高強度鋼管を提供することを目的と
する。
強度延性バランスと、どのような特性を有するγRが液
圧成形性にとって有効であるのかを詳細に検討し、必要
な強度延性バランス量を明らかにするとともに、更に加
えてVgとγR特性が適切に組み合わされている場合に優
れた液圧成形性を示すことを見出すに至った。
て、C:0.05〜0.3%、Si:0.5〜3.0
%、Mn:0.5〜2.5%を含み、残部がFeおよび
不可避的不純物から構成され、管状試験片による引張強
度と伸びの積が15000[MPa・%]以上であり、加
えて体積百分率にて2.5%以上の残留オーステナイト
相を有し、かつ残留オーステナイト相中のC濃度が全体
平均値の5倍以上であることを特徴とする液圧成形性に
優れた高強度鋼管。
i、Mo、Cu、Ti、Nbのうちの1種または2種以
上を質量百分率の合計で3%以下含有することを特徴と
する液圧成形性に優れた高強度鋼管。を要旨とするもの
である。
いて説明する。まず質量百分率(以下、%)でC:0.
15%、Si:1.95%、Mn:1.70%を含み、
残部がFeおよび不可避的不純物から成る鋼を常法に基
づいて1.6mmの冷延鋼板とした。これを830℃に
60秒間保持後700℃まで10℃/秒で除冷、更に4
00℃まで65℃/秒で急冷し、引き続き同温度に10
秒間〜1000秒間保持し、以後空冷した。次に所定の
寸法に切断し、歪の導入が円周方向で出来るだけ均一と
なるようにしてVgとγRの異なった短尺鋼管を多数作製
した。鋼管の仕上がり寸法は60.5φ×300mmで
あり、シーム部はレーザーにて溶接した。同じ条件で熱
処理した鋼管を複数本ずつ用意し、管状試験片(JIS
11号試験片)での引張強度と伸びの測定、Vgの定
量、γRの特性の調査、および成形性の評価に供した。
面図を模式的に示す装置を用いて行った。金型形状は上
金型1及び下金型4から成るT型継手とし、溶接線が膨
出方向と180°をなすように鋼管(成形前の鋼管の断
面2を示す)をセットして軸押し込み用シリンダー5を
押し込み、成形を開始した。軸押し込み量は両側とも1
0mmとし、内圧は軸押し込み量に比例して増加させ、
成形後の鋼管の断面3が形成されるように成形した。最
終負荷内圧を等間隔で段階的に高めていき管がバースト
するまで行った。
成形された管の膨出部の最大周長L maxを求め、それを
成形前の周長L0で除した値(Lmax/L0)を以って各
々の管の成形性を評価した。
0MPa・%であり、Lmax/L0との間に相関は認めら
れなかった。一方、(Lmax/L0)は概ねVgに比例し
て増加するが、Vgがほぼ同じ管であってもLmax/L0
が大きく異なることがあり、その差は最大で約2倍に達
した。
かを詳細に調査した。その結果γR中に濃化されている
C濃度(以下、Cg)の大小がLmax/L0の大小に極め
て強い相関を持つことを見出した。そして更に鋭意研究
を行った結果、管状態での強度延性バランスが1500
0MPa・%以上であり、加えてCgが鋼全体の平均C
濃度(以下C0)の5倍以上である場合で、かつVgが体
積百分率(以下、vol%)で2.5以上である場合に
該TRIP鋼鋼管は優れた液圧成形性を有するとの結論
を得、本発明を完成させた。
室温で安定に存在させるために必須の元素である。γR
を2.5vol%以上とするためには0.05%以上が
必要であるのでこれを下限とする。一方、同0.3%超
では溶接性を劣化させるのでこれを上限とする。
の強化にも寄与する。しかし3.0%を越えて添加する
と圧延が困難となるのでこれを上限とする。一方、本元
素はオーステナイト相(以下、γ)へのCの濃化を促進
する効果を有する。その効果は0.5%以上で顕著とな
るので0.5%を下限とする。
である。しかし0.5%未満では十分な効果が得られ
ず、一方、2.5%を越えて添加しても材質の向上は見
られず、むしろ溶接欠陥の原因となり得るのでこれを上
限とする。
およびMoは、γの安定化に寄与するのでVgの確保に
は有効な元素であるため、それぞれ0.06%、0.0
8%、および0.13%以上添加することが好ましい。
CuはγへのCの濃化を助ける働きをする以外に強度調
整用としても利用出来るので、0.07%以上添加する
ことが好ましい。Ti、Nbは炭化物の形成を通しての
強度調整用に有効であるので、いずれも0.01%以上
添加することが好ましい。しかしこれらの元素の添加は
製造コストを高めるのみならず、過剰な添加は延性の低
下に繋がるので合計での上限を3%とする。
未満では優れた液圧成形性は得られないので残留γ中の
C濃度の下限を全体平均の5倍とする。また、管状試験
片による強度延性バランスが15000未満、またはV
gが2.5%未満の場合にはCg/C0が5以上であって
も優れた液圧成形性は得られないのでそれぞれの値を下
限値とする。
容易となるのでその上限は特に定めない。
はなく他方の影響を受ける。どちらか一方を過度に高め
ることは他方を引き下げることに繋がり望ましくない。
しかし、その上限値は鋼の化学成分や熱処理条件によっ
て異なり、製造者が自らの製鋼能力や熱処理能力に応じ
て設定すれば良いものでのあるから特に限定しない。
般的な製造方法に準じてなされればよく、特に限定され
るものではない。熱間圧延は、連続鋳造後直接、また
は、冷却再加熱後のいずれで為されてもよい。仕上圧延
の終了温度(以下、FT)は、鋼板表層部が剪断変形を
受けるのを避けるために出来ればAr3点以上とするこ
とが望ましい。熱間圧延材から鋼管を製造する場合には
圧延終了から巻き取りまでの間の温度履歴を適宜制御し
VgとCgを所定量となるようにする。
は、酸洗後に冷間圧延する。冷間圧延率は設備の能力と
作業性を考慮して設定すればよく特に限定しない。望ま
しくは50〜90%とする。
まずAc1点以上に加熱・保持し、次いでMs点以下の
適切な温度まで冷却後保持する。この過程における温
度、保持時間、および加熱・冷却の速度は多くの組み合
わせが考えられるが、その中から製造設備の能力に鑑み
最も効率の良いものを選択すればよい。
接して鋼管を製造する。この際、後の成形性を出来るだ
け損なわないように局所的な変形を与えないように造管
することが望ましい。シーム溶接はどのような方法で行
ってもよい。
に対して熱処理を行い、組織をTRIP鋼としても良
い。また鋼管をシームレス圧延にて製造した後、熱処理
する方法も可能である。
ずしも明確ではない。一般に、Cgが高いとγRのMs点
が低下しγRの熱力学的安定度が増すことが知られてい
る。このことはCgの高いγRにおけるTRIPは高歪域
において発現され易いことを意味している。管の液圧成
形では母管に対して広い範囲の歪が負荷されることから
高歪域でTRIPを示す高CgのγRを有する鋼管が優れ
た成形性を示すものと推測される。
%、Si:1.98%、Mn:1.82%、P:0.0
1%、S:0.002%、Al:0.030%を含有す
る鋼片を加熱して2.6mmに熱間圧延した。その際、
FTと巻き取り温度(以下、CT)、およびその間の冷
却速度を複数の組み合わせにて行った。それらの鋼板を
酸洗した後、60.5mmφの鋼管を作製した。シーム
方法はTIG溶接とした。JIS11号引張試験片で引
張強度、伸びを測定してこれらの鋼管の強度延性バラン
スを求めるとともに成形性を既に述べたものと同じ方法
で評価した。またVgとCgの測定も行った。鋼管の非溶
接部からその一部を切り出し、機械切削と化学研磨を施
した試料に対して、X線(MoのKα線)を用いてフェ
ライト相(以下、α)の(200)面と(211)面、
γRの(220)面と(311)面の回折強度(積分
値)を測定し、次の4式から得られる値の平均を以って
Vg(vol%)とした。
(311) γは、それぞれ、αの(200)面、αの(21
1)面、γRの(220)面、およびγRの(311)面
の回折強度を示す。
格子定数aγを精密に測定し、それを次式に代入して決
定した。
ある。
/C0および成形性指標であるLmax/L0を示す。
の範囲外である。特にNo.10は造管後500℃に再
加熱してγRを分解させVgをほとんど無くしたものであ
る。このように本発明の範囲内の鋼管であればLmax/
L0が1.5以上の高い成形性を有することが明らかと
なった。
鋼片を常法に基づいて加工し1.6mmの冷延鋼板とし
た。それらを加工して60.5φの鋼管を作製した。シ
ーム溶接にはレーザーを用いた。得られた鋼管を光輝焼
鈍炉を用いて熱処理し、強度延性バランス、Vg、およ
びCgの異なるTRIP鋼管を作り分けた。その後長さ
300mmに切断し、熱処理時に生成したスケールの影
響を除くため鋼管外面に金属用塗料を均一に塗布して成
形試験に供した。
模式的に示す装置を用いて行った。金型形状は上金型1
及び下金型4から成る単純(全周方法)拡管型とし、軸
押し込み用シリンダー5の軸押し込み量は両側とも15
mmとした。それ以外の成形条件、およびVg、Cgの測
定は実施例1と同様である。
標軸として図3に示す。黒丸(●)は強度延性バランス
が15000MPa・%以上であることを、白丸(○)
はそれが15000MPa・%未満であることを表す。
また各記号に鋼名とともに付した数値はLmax/L0であ
る。このように本発明の範囲内の鋼管はLmax/L0が
2.0以上の高い成形性を有することが明らかとなっ
た。
RIP鋼高強度鋼管を得ることが出来る。
要部分を示す模式図である。
主要部分を示す模式図である。
座標軸として示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 質量百分率にて、C:0.05〜0.3
%、Si:0.5〜3.0%、Mn:0.5〜2.5%
を含み、残部がFeおよび不可避的不純物から構成さ
れ、管状試験片による引張強度と伸びの積が15000
[MPa・%]以上であり、加えて体積百分率にて2.5
%以上の残留オーステナイト相を有し、かつ残留オース
テナイト相中のC濃度が全体平均値の5倍以上であるこ
とを特徴とする液圧成形性に優れた高強度鋼管。 - 【請求項2】 Cr、Ni、Mo、Cu、Ti、Nbの
うちの1種または2種以上を質量百分率の合計で3%以
下含有することを特徴とする請求項1記載の液圧成形性
に優れた高強度鋼管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02392299A JP3563988B2 (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 液圧成形性に優れた高強度鋼管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP02392299A JP3563988B2 (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 液圧成形性に優れた高強度鋼管 |
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|---|---|
| JP2000219933A true JP2000219933A (ja) | 2000-08-08 |
| JP3563988B2 JP3563988B2 (ja) | 2004-09-08 |
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ID=12124018
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP02392299A Expired - Fee Related JP3563988B2 (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 液圧成形性に優れた高強度鋼管 |
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|---|---|
| JP (1) | JP3563988B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002294403A (ja) * | 2001-03-29 | 2002-10-09 | Kawasaki Steel Corp | 高強度・高加工性鋼管およびその製造方法 |
| CN1312006C (zh) * | 2002-12-25 | 2007-04-25 | 新日本制铁株式会社 | 高耐冲击性电焊钢管 |
| JP2013060652A (ja) * | 2011-08-25 | 2013-04-04 | Jfe Steel Corp | 車両補強用中空部材 |
| KR101384390B1 (ko) | 2009-07-15 | 2014-04-14 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 합금 주괴의 제조 방법 |
-
1999
- 1999-02-01 JP JP02392299A patent/JP3563988B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2002294403A (ja) * | 2001-03-29 | 2002-10-09 | Kawasaki Steel Corp | 高強度・高加工性鋼管およびその製造方法 |
| CN1312006C (zh) * | 2002-12-25 | 2007-04-25 | 新日本制铁株式会社 | 高耐冲击性电焊钢管 |
| KR101384390B1 (ko) | 2009-07-15 | 2014-04-14 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 합금 주괴의 제조 방법 |
| JP2013060652A (ja) * | 2011-08-25 | 2013-04-04 | Jfe Steel Corp | 車両補強用中空部材 |
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