JP2000219980A - 金属類の局部腐食抑制方法 - Google Patents

金属類の局部腐食抑制方法

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JP2000219980A
JP2000219980A JP11024481A JP2448199A JP2000219980A JP 2000219980 A JP2000219980 A JP 2000219980A JP 11024481 A JP11024481 A JP 11024481A JP 2448199 A JP2448199 A JP 2448199A JP 2000219980 A JP2000219980 A JP 2000219980A
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Yasuyoshi Tomoe
保義 巴
Makoto Shimizu
誠 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属類の局部腐食を抑制する方法に関し、特
に、石油・天然ガス探鉱開発に使用される掘管外面の局
部腐食を抑制する方法を提供することを目的とする。 【解決手段】金属類の局部腐食を抑制するに当たり、有
機抑制剤と炭化水素油とを添加することを特徴とする金
属類の局部腐食抑制方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属類の局部腐食を
抑制するに当たり、腐食のカソ−ド反応を抑制すること
によって金属類の局部腐食を抑制する方法に関し、特
に、石油・天然ガス探鉱開発に使用される掘管外面の局
部腐食を抑制する方法に関する。
【0002】
【従来技術】通常、金属腐食における局部腐食は耐食材
料に生じる腐食であって、本来耐食性が期待されている
材料と環境の組合せのなかで、実際にも表面の大部分は
耐食性を示しているにかからわず、ある特定の場所に腐
食の進行が集中する現象であって、その原因としては、
使用中の環境の変化、構造物や機器の設計上の不備、製
造条件の不備によって生じた材質の欠陥、防食手段の局
部的な消失等が挙げられる。殊に、近年の石油・天然ガ
ス探鉱開発の対象坑井の高深度化にともない、高温度用
ポリマ−泥水が使用されるようになり、この泥水を使用
しての掘削において、掘管外面の局部腐食が重要な問題
となっている。
【0003】腐食反応は、水素イオンや酸素が金属から
電子を奪うカソ−ド反応と、金属が溶解するアノ−ド反
応から成り立っている。カソ−ド反応の総量とアノ−ド
反応の総量とは等しいのであるから、腐食反応を抑制す
る手段としては金属が溶出するアノ−ド反応を直接抑制
するか、或いはカソ−ド反応を抑制すれば良い。しか
し、アノ−ド反応に基づくアノ−ド溶解の局部腐食孔は
内部の溶液組成や複雑な形態からアノ−ド溶解反応を抑
制することは困難であると認識されている。
【0004】先に述べたように、石油・天然ガスの掘削
には高温度用ポリマ−泥水が使用され、掘管外面の局部
腐食の原因は、この泥水中の溶存酸素と、泥水の高温劣
化(掘削泥水が遭遇する地層温度は200℃を超える高
温となっている。)により発生した炭酸ガスの影響と考
えられている。従って、従来の腐食対策としては次のよ
うな方法が考えられている。 脱酸素剤の添加による酸素の除去 カルシウム添加による炭酸ガスの固化分離 アミン系腐食抑制剤の添加 有機リン酸系抑制剤の添加 これらの方法において、との方法はポリマ−泥水が
ゲル化しやすい場合には適応不可能であり、はアニオ
ン系ポリマ−泥水の場合には適切ではなかった。そし
て、については、200℃というような高温下におい
ては分解し有効ではなかった。なお、欧米では、掘削泥
水が遭遇する地層温度が200℃を超えるという過酷な
環境下での掘削では主として油系泥水が採用されている
が、この方法は公害問題、価格、及び輸送と貯蔵の点か
らポリマ−泥水が使用されはじめている。以上のよう
に、従来の腐食対策はいずれも有効な方法とは言えな
い。本発明者らのグル−プは、先に有機抑制剤の疎水基
に液状の炭化水素の疎水基が付着することによって腐食
が大きく抑制されることを報告した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は局
部腐食、特に石油・天然ガスの坑井に使用される掘管外
面の局部腐食の抑制について、上記の知見を局部腐食の
カソ−ド反応に適用できるか否かについて種々検討した
ところ、有機抑制剤と炭化水素の疎水性相互作用が、局
部腐食のカソ−ド反応を徹底的に抑制し、その結果局部
腐食を抑制することを見出し、本発明を完成したもの
で、本発明の目的はカソ−ド反応を抑制して金属類の局
部腐食抑制方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属類の局部
腐食を抑制するに当たり、有機抑制剤と炭化水素油とを
添加することを特徴とする金属類の局部腐食抑制方法で
ある。即ち、本発明においては有機抑制剤の疎水基と炭
化水素油の疎水性との相互作用により局部腐食の部位に
作用してカソ−ド反応を徹底的に抑制し、その結果、局
部腐食を抑制するものと解される。なお、従来よりビッ
ト(掘削の刃先)の潤滑などの目的で掘削泥水に油を注
入することがあるが、この場合は掘削泥水を流動するも
ので防食効果はえられず、また、水に不溶な有機系イン
ヒビタ−の溶剤として油をインヒビタ−と共に注入する
ことがあるが、本願発明では抑制剤として、例えばラウ
リン酸の塩類のような水溶性の抑制剤を水に溶解して注
入することによっても掘管表面にラウリン酸イオンの防
食皮膜を形成することが可能であり、この防食皮膜に油
が疎水性親和力により結合することにより高い防食効果
が発揮されるのである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明について詳細に述べる。本
発明により局部腐食を抑制される金属類としては、鉄、
低合金鋼、ステンレス鋼、銅、銅合金等の何れの金属で
も良いが、特に石油・天然ガス探鉱開発に使用される掘
管に対して有効である。石油・天然ガス探鉱開発に使用
される掘管はポリマ−泥水と共に地層温度が200℃と
言う過酷な条件下で使用されるため掘管の外面には局部
腐食が生じやすく、この局部腐食を抑制するのに有効で
ある。
【0008】本発明で使用する有機抑制剤としては、金
属表面との適合性の良好な有機抑制剤が好ましい。ここ
で、金属表面との適合性の良好な有機抑制剤とはその金
属に対し、強い吸着力を示す有機抑制剤であることを意
味するものである。局部腐食が発生する環境では、腐食
部は活性溶解しているのに対し、金属表面は酸化物など
で覆われ強弱の差はあるが、不働態化しているものと考
えられる。従って、局部腐食を防止する抑制剤としては
不働態金属との適合性の良い有機抑制剤が有効なものと
考えらる。具体的には鉄(鋼)に対してはアミン類の抑
制剤が、酸化物によって不働態化された鉄(鋼)に対し
ては脂肪酸類の抑制剤が好ましい。アミン類の抑制剤と
しては、長鎖アミン類や長鎖イミダゾリン類であり、脂
肪酸類の抑制剤としては長鎖脂肪酸(R−COOH
R:アルキル基を表す。)やその塩類及び誘導体類であ
り、Rの炭素数11〜17の長鎖脂肪酸が好ましい。ま
た、不働態化が弱い場合には、長鎖含窒素化合物とその
誘導体が効果的である。銅及び銅合金に対してはベンゾ
トリアゾ−ル類抑制剤が好ましい。
【0009】本発明で使用する炭化水素油としては有機
抑制剤と疎水性相互作用を有する炭化水素油である。普
通、有機抑制剤は、吸着基(極性基)と疎水基(親油
基)とから構成されており、油/水(オイル・イン・ウ
オ−タ)系の液体中の金属表面に対しては、有機抑制剤
は吸着基(極性基)で金属表面に吸着し、疎水基を液中
に向けて配向している。この疎水基に油が付着する。こ
の付着は水に排除されたもの同士の弱い相互作用による
もので、この相互作用を疎水性相互作用と呼ばれてい
る。本発明においては有機抑制剤の疎水基と相互作用を
有する炭化水素油を使用するのである。ただ、炭化水素
が気体として存在すると、有機抑制剤の疎水基に疎水性
相互作用により付着することは不可能であるので、高沸
点の炭化水素を使用することが望まれる。本発明で使用
する炭化水素油としては、パラフィン系炭化水素、ナフ
テン系炭化水素、芳香族炭化水素系及びこれらの混合油
のいずれでもよい。しかし、実際の系への適用に際して
はその系の温度を考慮し、液体で存在するものを選択す
る必要がある。
【0010】次ぎに、本発明の有機抑制剤と炭化水素油
を使用した場合のアノ−ド反応及びカソ−ド反応の抑制
された状態を実験例をもって示す。比較のため、有機抑
制剤のみの場合及び無添加の場合をも併記する。なお、
分極曲線の測定方法については後述する。 実験1 試験片としてSTPG38を使用し、温度70℃、圧力
CO2:2.0MPa(70℃)の条件下、有機抑制剤
としてアミン系有機抑制剤500ppm、炭化水素油と
してイソオクタン20ml(ミリリットル)を添加した
媒体中における分極曲線を測定した。その測定結果を図
1に示した。図1の分極曲線における縦軸はポテンシャ
ル、横軸は流れた電流である。貴な(電位:ポテンシャ
ルの高い)右上がりの曲線は、基本的には腐食による金
属の溶出反応速度(アノ−ド反応)に対応し、他方、卑
な(電位の低い)右下がりの曲線は、溶液内の物質が金
属から電子を奪う(カソ−ド反応)強さに対応してい
る。それらの強度、即ち、横軸は電流密度の対数であ
る。図1において、有機抑制剤無添加(曲線c)ではア
ノ−ド反応、カソ−ド反応とも電流密度が高く、アノ−
ド反応もカソ−ド反応も活発に進行している。これに対
し、アミン系抑制剤を添加した場合(曲線b)アノ−ド
反応もカソ−ド反応も低電流密度側に移行し、両反応と
も抑制されるが、その抑制の程度はアノ−ド側で顕著で
ある。更に、これに炭化水素油としてイソオクタンを添
加すると、アノ−ド反応もカソ−ド反応も飛躍的に抑制
され、その程度は電流密度で2桁であった。
【0011】実験2 実験1のアミン系有機抑制剤に代えてラウリン酸を、炭
化水素油に代えてキシレンを使用し、試験例1と同様な
試験を行い、その結果を図2に示した。図2より脂肪酸
抑制剤の場合(曲線b)も実験1のアミン系抑制剤と同
様にキシレン(炭化水素油)の添加(曲線c)によりア
ノ−ド、カソ−ド両反応は大きく抑制された。殊にキシ
レンの添加によるカソ−ド反応は飛躍的に抑制された。
なお、曲線cは無添加の場合である。
【0012】これらの実験により炭化水素(油)添加に
よるカソ−ド反応の飛躍的抑制は、有機抑制剤の疎水基
に炭化水素(油)が疎水性相互作用により付着したため
にもたらされたものと考えられる。本発明ではこのよう
な有機抑制剤の疎水基と炭化水素(油)とが疎水性相互
作用によりカソ−ド反応を徹底的に抑制することによっ
て局部腐食を抑制するのである。
【0013】
【実施例】次に実施例をもって本発明を具体的に説明す
る。実施例において、本発明の有機抑制剤の評価試験と
しては、次の3種類の実験室試験と実坑井における評価
試験を行った。 実泥水の1/2濃度の泥水を用いたオートクレーブ試
験 食塩水中の電気化学的測定(分極測定) 実泥水を用いた熱養生セル試験 オートクレーブ試験 掘管はその内側に低温泥水が流通し、その外側に高温泥
水が流れ、管壁は伝熱面と考えられる。そこで、内容量
1.8L、超合金ハステロイC−276内張りのオート
クレーブ内に伝熱面を作り腐食防食実験を行った。その
試験装置を図3に示す。すなわち、ステンレス鋼配管内
部に水道水(冷却水)を通じ、その配管の外面に接触す
るように炭素鋼の円筒形試験片を取り付けた。炭素鋼試
験片をステンレス鋼配管と接触させることにより、腐食
の促進試験とした。実際に使用されている高温度用ポリ
マー泥水をイオン交換水で1/2に希釈した溶液1.3
Lをオートクレーブ内に注入し、試験片が溶液中に浸る
ようにした。腐食性物質としては、溶存酸素と炭酸ガス
が考えられるため脱酸素は行わなかった。また、炭酸ガ
スとして重炭酸ナトリウムを重炭酸イオンとして20,
000ppm添加した。掘管が実坑井で最も激しい腐食
を受けた深度の泥水の推定温度である95℃に20時間
保持し、試験前後の試験片の重量減から腐食速度を求め
た。脂肪酸類および脂肪酸類+油添加有無の条件下で実
験を行った。なお、一部の脂肪酸については180℃で
3日間高温劣化させた試料についても実験を行った。ま
た、120℃においても同様な実験を行った。なお、試
験中溶液を350rpmの速度で攪拌した。
【0014】分極測定 図4に示したように電解セルに0.1%食塩水を700
mL入れ、その中に炭素鋼試験電極と白金の対極を浸漬
する。Ag/AgCl電極を飽和KCl溶液に浸漬する
ことにより一定の電位を示す参照電極と、試験電極の電
位差をポテンシオスタットにより走査することにより、
その際に試験電極と対極の間に流れる電流をポテンシオ
スタットにて測定する。なお、参照電極と電解セルの間
を塩橋で結び、電流の流れの障害とならないようにし
た。電解セル内の食塩水に重炭酸ナトリウムを重炭酸イ
オンで10,000ppmになるように添加した。また
測定中溶液をスターラーで攪拌した。脱酸素は行わなか
った。分極曲線の測定はまず、腐食電位から卑な方向へ
20mV/minの走査速度でカソード曲線を、続いて
腐食電位から貴な方向へ同じ速度でアノード曲線を求め
た。測定はラウリン酸無添加、ラウリン酸0.1%添
加、さらにキシレン10mL添加の3条件下、室温で行
った。
【0015】熱養生セル試験 内容量500mLの円筒形のステンレス鋼製熱養生セル
に実泥水400mLを注入し、重炭酸イオン濃度が1
0,000ppmになるように重炭酸ナトリウムを添加
した。ステンレス鋼の治具に直接炭素鋼試験片を取り付
けた蓋をし、試験片が泥水に浸るようにした。セルを恒
温槽に横置きにし、円周方向に35rpmの速度で回転
させた。恒温槽の温度を95℃に昇温し、その温度に6
8時間維持した。試験前後の重量減から腐食速度を求め
た。ラウリン酸0.1%+キシレン0.5%を添加した
実験を行い防食効果を調べた。
【0016】実験結果 オートクレーブ試験 ラウリン酸とステアリン酸の防食効果を図5に示す。防
食率は次式により求めた。 図5からラウリン酸、ステアリン酸とも60%以上の良
好な防食効果を示すことが分かった。特に、120℃で
ステアリン酸は95%と高い防食効果を示した。ラウリ
ン酸の防食効果に及ぼす油(キシレン)の影響とラウリ
ン酸の高温劣化の影響を表1に示す。なお、酸とその塩
とが同程度の腐食抑制効果を有することを図6に示す。
【0017】
【0018】表1よりラウリン酸のみの防食率は63%
であったものの、油の添加により88%と高い防食率が
達成された。試験したラウリン酸濃度は0.1%の1点
のみであったが、より高濃度にすればより高い防食効果
が得られる可能性がある。また、ラウリン酸の高温劣化
により防食率が低下するものの、油の共存により54%
の防食効果が得られた。有機系インヒビターの場合、高
温劣化により逆に腐食を促進する化合物があるが、高温
劣化しても防食効果を示したのは評価できる結果であっ
た。
【0019】分極測定 この結果については図2に示した通りである。主として
溶存酸素の還元反応と考えられるカソード反応(−30
0mVより卑な部分)に対して、ラウリン酸添加による
電流密度の低下は小さなものであった。すなわち、ラウ
リン酸のみでは炭素鋼から電子を奪う酸素の還元反応は
あまり抑制されない。しかし、油の添加により大幅な
(腐食電位に近い部分では2桁ほど低い)カソード電流
密度の低下が見られた。ラウリン酸と油の共存により酸
素の還元反応が大きく抑制された。一方、炭素鋼の溶出
反応であるアノード反応(−300mVより貴な部分)
は、ラウリン酸の添加、さらに油の添加により段階的に
抑制された。
【0020】熱養生セル試験 実験後に熱養生セルから取出し、イオン交換水で洗浄後
の鋼試験の外観を観察したところ、ラウリン酸と油の双
方無添加ではステンレス鋼治具との隙間部を中心に腐食
が発生していた。それに対し、ラウリン酸と油とを添加
した場合には腐食の発生はほとんど認められなかった。
ちなみに、防食率は75%であった。隙間部はアノード
反応(炭素鋼の溶出)が発生しやすいものの、ラウリン
酸(+油)は接近しにくい。本実験における防食効果
は、ラウリン酸+油によりカソード反応が高い割合で抑
制されたために達成されたものと考えられる。泥水を使
用した掘削には、泥水に対して次ぎのような機能の発揮
が求められている。 清掃と運搬(分散剤、増粘剤) 冷却と潤滑(潤滑剤)及び比重の調整(加重剤) 泥壁形成(増粘剤) このため泥水に各種水溶性ポリマーが添加されている。
水溶性ポリマーは有機系インヒビターの金属表面への吸
着の障害になるものと考えられる。したがって、ポリマ
−掘削泥水において、防食率は75%にとどまったが評
価できる値である。
【0021】実坑井における評価結果 実験室における防食試験でラウリン酸+油が良好な防食
効果を示したので、実坑井において、ラウリン酸+重油
の防食効果を調べた。実坑井では泥水は約70℃で地上
から掘管内に入り、約80℃で地上に戻ってくる。その
間の最高温度は140〜150℃に達する。掘削する地
層の温度は200℃を優に超える。ラウリン酸+重油添
加前(5,000m掘進時)には、掘管外面の約200
m〜4,600mにかけての広範囲で腐食の発生が認め
られた。しかし、ラウリン酸0.8%と重油3%の添加
により(6,000m掘進時)、腐食の発生深度は約
1,000〜1,800mの狭い範囲になるとともに、
腐食の程度も大幅に軽減された。特に1,000mまで
の浅部はラウリン酸と重油による強固な防食皮膜が生成
し、高い撥水性が認められた。本発明は実坑井において
も優秀な防食効果を示した。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は有機抑制剤
と炭化水素油、特に長鎖脂肪酸と炭化水素油との組み合
わせで金属類の局部腐食を抑制することができ、これに
よって、石油・天然ガスの坑井に使用される掘管外面の
局部腐食を容易に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験1の分極試験結果の測定図
【図2】実験2の分極試験結果の測定図
【図3】オ−トクレ−ブ試験装置の模式図
【図4】分極測定装置の模式図
【図5】オ−トクレ−ブを用いた腐食防食試験結果の図
【図6】ラウリン酸とその塩との1/2泥水中の腐食抑
制効果の図
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月8日(1999.12.
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【発明の実施の形態】本発明について詳細に述べる。本
発明により局部腐食を抑制される金属類としては、鉄、
低合金鋼、ステンレス鋼等の何れの金属でも良いが、特
に石油・天然ガス探鉱開発に使用される掘管に対して有
効である。石油・天然ガス探鉱開発に使用される掘管は
ポリマ−泥水と共に地層温度が200℃と言う過酷な条
件下で使用されるため掘管の外面には局部腐食が生じや
すく、この局部腐食を抑制するのに有効である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明で使用する有機抑制剤としては、金
属表面との適合性の良好な有機抑制剤が好ましい。ここ
で、金属表面との適合性の良好な有機抑制剤とはその金
属に対し、強い吸収力を示す有機抑制剤であることを意
味するものである。局部腐食が発生する環境では、腐食
部は活性溶解しているのに対し、それ以外の金属表面は
酸化物などで覆われ強弱の差はあるが、不動態化してい
るものと考えられる。従って、局部腐食を防止する抑制
剤としては不働態金属との適合性の良い有機抑制剤が有
効なものと考えられる。具体的には鉄(鋼)に対しては
アミン類の抑制剤が、酸化物によって不働態化された鉄
(鋼)に対しては脂肪酸類の抑制剤が好ましい。アミン
類の抑制剤としては、長鎖アミン類や長鎖イミダゾリン
類であり、脂肪酸類の抑制剤としては長鎖脂肪酸(R−
COOH R:アルキル基を表す。)やその塩類及び誘
導体であり、Rの炭素数11〜18の長鎖脂肪酸が好ま
しい。また、不働態化が弱い場合には、長鎖含窒素化合
物とその誘導体が効果的である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属類の局部腐食を抑制するに当たり、
    有機抑制剤と炭化水素油とを添加することを特徴とする
    金属類の局部腐食抑制方法。
  2. 【請求項2】 前記金属類が掘削用の掘管である請求項
    1記載の金属類の局部腐食抑制方法。
  3. 【請求項3】 前記有機抑制剤が長鎖脂肪酸類及び/又
    はその誘導体であり、前記炭化水素油がパラフィン系、
    ナフテン系、芳香族系及びこれらの混合油からなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種である請求項1〜2の何れか
    の項記載の金属類の局部腐食抑制方法。
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