JP2000220652A - トルク伝達装置 - Google Patents

トルク伝達装置

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JP2000220652A
JP2000220652A JP11025126A JP2512699A JP2000220652A JP 2000220652 A JP2000220652 A JP 2000220652A JP 11025126 A JP11025126 A JP 11025126A JP 2512699 A JP2512699 A JP 2512699A JP 2000220652 A JP2000220652 A JP 2000220652A
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crankshaft
lubricating oil
rotating shaft
torque
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浩海 角
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸に結合されるギヤの心出しがなされる
とともに、トルク伝達面の摩耗の少ないトルク伝達装置
を提供する。 【解決手段】 トルク伝達装置は、回転軸1と、回転軸
1に結合されて回転軸1との間でトルクの伝達を行うギ
ヤ10とを備えており、回転軸1の外周に形成されたス
プライン部1gおよび心出し用円周外面部1fに、ギヤ
10の内周に形成されたスプライン部10cおよび心出
し用円周内面部10aが、それぞれ嵌合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本出願発明は、内燃機関のク
ランク軸をその概念に含む回転軸と該回転軸に結合され
て該回転軸との間でトルクの伝達を行うギヤを備えたト
ルク伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、回転軸と、該回転軸に結合されて
該回転軸との間でトルクの伝達を行うギヤを備えたトル
ク伝達装置として、例えば特公平2−32445号公報
に記載されたものがある。
【0003】この公報に記載されたトルク伝達装置は、
回転軸としての内燃機関のクランク軸と、該クランク軸
に結合されることで、該クランク軸のトルクが伝達され
て、そのトルクをさらにトルクの伝達対象であるカム軸
およびクラッチにそれぞれ伝達するためのギヤとして
の、カム軸駆動用タイミングギヤおよびプライマリドラ
イブギヤとを備えている。
【0004】そして、このトルク伝達装置においては、
クランク軸に対するカム軸駆動用タイミングギヤおよび
プライマリドライブギヤの結合は、クランク軸の外周お
よび両ギヤの内周に形成されたキー溝に、キーを挿入す
ることにより行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
キーを用いた結合では、キー溝以外のクランク軸外周お
よび各ギヤ内周により、各ギヤのクランク軸に対する心
出しがなされるため、各ギヤの軸心のクランク軸の軸心
に対するずれから生じる各ギヤの振れは防止される。し
かしながら、クランク軸から各ギヤへのトルク伝達部材
は1個のキーを介して行われるため、キーのトルク伝達
面の摩耗が生じ易く、そのような摩耗が生じると、所望
の大きさのトルクを伝達することが困難となった。
【0006】本出願発明は、このような事情に鑑みてな
されたものであって、請求項1ないし請求項5記載の発
明は、回転軸に結合されるギヤの心出しがなされるとと
もに、トルク伝達面の摩耗の少ないトルク伝達装置を提
供することを共通の課題とする。また、請求項2記載の
発明は、さらに嵌合作業の容易化を図ること、請求項3
記載の発明は、さらにより正確な心出しを可能とするこ
と、請求項4記載の発明は、さらに内燃機関において吸
排気弁のより正確な設定を可能とすること、請求項5記
載の発明は、さらに内燃機関において大きな駆動トルク
を伝達可能とすることを、それぞれ課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および効果】本出願の請求
項1記載の発明は、回転軸と、該回転軸に結合されて該
回転軸との間でトルクの伝達を行うギヤとを備えたトル
ク伝達装置において、前記回転軸の外周にそれぞれ形成
されたスプライン部および心出し用円周外面部に、前記
ギヤの内周にそれぞれ形成されたスプライン部および心
出し用円周内面部が、それぞれ嵌合されているトルク伝
達装置である。
【0008】このような請求項1記載の発明によれば、
回転軸の心出し用円周外面部とギヤの心出し用円周内面
部との嵌合により、回転軸に対するギヤの正確な心出し
が行われるため、回転軸に対するギヤの振れが防止さ
れ、その振れに基づいて発生する騒音が抑制される。ま
た、回転軸のスプライン部とギヤのスプライン部との嵌
合により、回転軸のトルクが複数のスプライン突条を介
してギヤに伝達されるため、トルク伝達面の摩耗が低減
できる。その結果、大きなトルクの伝達も可能であり、
また長期に渡って所望の大きさのトルクを伝達できる。
【0009】請求項2記載の発明のように、請求項1記
載のトルク伝達装置において、前記心出し用円周外面部
と前記心出し用円周内面部との嵌合は、すきま嵌めであ
ることにより、請求項1記載の発明と同じ効果が奏され
るほか、心出し用円周外面部と心出し用円周内面部とが
すきま嵌めであることにより、その嵌合作業が容易にな
る。
【0010】請求項3記載の発明のように、請求項2記
載のトルク伝達装置において、前記心出し用円周外面部
の外径は、回転軸に形成されたスプライン部の外径より
大きいことにより、請求項1または請求項2記載の発明
と同じ効果が奏されるほか、心出し用円周外面部の外径
がスプライン部の外径より大きいため、スプライン部で
の嵌合の影響を受けることなく、心出し用円周外面部と
心出し用円周内面部との嵌合ができ、より正確な心出し
が可能となる。
【0011】請求項4記載の発明のように、請求項1な
いし請求項3のいずれか1項記載のトルク伝達装置にお
いて、前記回転軸は内燃機関のクランク軸であり、前記
ギヤは該内燃機関のカム軸駆動用タイミングギヤである
ことにより、請求項1ないし請求項3のいずれか1項記
載の発明と同じ効果が、内燃機関のクランク軸およびカ
ム軸駆動用タイミングギヤにおいて奏されるほか、クラ
ンク軸に対してカム軸駆動用タイミングギヤが正確に心
出しされているため、カム軸の回転により駆動される吸
排気弁の開閉時期がより正確に設定できる。
【0012】請求項5記載の発明のように、請求項1な
いし請求項3のいずれか1項記載のトルク伝達装置にお
いて、前記回転軸は内燃機関のクランク軸であり、前記
ギヤは該内燃機関のプライマリドライブギヤであること
により、請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の
発明と同じ効果が、内燃機関のクランク軸およびプライ
マリドライブギヤにおいて奏されるほか、クランク軸と
プライマリドライブギヤとの間のトルク伝達がスプライ
ン部を介して行われるため、大排気量の内燃機関または
高回転内燃機関においても、クランク軸からクラッチに
大きな駆動トルクを伝達することができる。
【0013】
【発明の実施形態】以下、本出願発明の実施形態を図1
および図2を参照して説明する。図1に図示された本出
願発明の第1実施形態のクランク軸の潤滑油通路構造
は、自動2輪車等の車両に搭載される頭上カム軸式V型
2気筒内燃機関のクランク軸1に適用されたものであ
る。クランク軸1は主軸受となる左右2個のメタル2
(右側メタル2のみが図示されている)を介して、上半
分および下半分に分割されるクランクケース3に支持さ
れている。また、クランクケース3のメタル2の支持部
には、メタル2に潤滑油を供給するための通路4が形成
されている。
【0014】このクランク軸1は、クランクピン1a、
クランクジャーナル1b、クランクアーム1cおよびバ
ランスウエイト1dが一体成形されたものである。そし
て、このクランクピン1aには、各気筒のピストンに取
り付けられたピストンピンにその小端部が枢着された各
コネクティングロッド5の大端部5aが隣接して連結さ
れている。さらに具体的には、各コネクティングロッド
5の大端部5aは、その内周に固定されたメタル6を介
して、クランクピン1aのコネクティングロッド5との
連結面であるクランクピン1a外周に摺動自在に嵌合さ
れており、このメタル6と連結面との間には潤滑油が供
給されて、両者の間に生じる摺動抵抗が小さくなるよう
にされている。
【0015】一方、コネクティングロッド5を介して伝
達されるピストンの往復運動が回転運動に変換されて生
じたクランク軸1のトルクは、多板摩擦クラッチ7、常
時噛み合い式歯車変速機8および駆動チェーンを介して
後輪に伝達される。このうち、クランク軸1と多板摩擦
クラッチ7との間のトルク伝達は、クランク軸1の軸端
部1eにスプライン結合されたプライマリドライブギヤ
9と、このプライマリドライブギヤ9と噛み合うととも
に、多板摩擦クラッチ7のクラッチハウジングにダンパ
を介して連結されたプライマリドリブンギヤ11とから
なる一次減速機構により行われる。
【0016】なお、プライマリドライブギヤ9は、プラ
イマリドリブンギヤ11との間のバックラッシュをなく
すために、プライマリドライブギヤ9に対してスプリン
グからなる弾性部材を介して連結されたプライマリサブ
ギヤ9aを備えている。プライマリサブギヤ9aは、プ
ライマリドライブギヤ9の後述するスラストワッシャ3
1側のボス部9bの外周に嵌合されている。また、プラ
イマリサブギヤ9aの端面およびボス部9bの端面は、
該スラストワッシャ31と当接可能となっている。
【0017】クランク軸1の軸端部1eは、右側クラン
クジャーナル1bからクランクケース右側カバー12に
向かって延びたクランク軸1の部分で構成されている。
そして、その軸端部1eの外周は、そのクランクジャー
ナル1b寄りに位置していて、滑らかな円周面を有する
円周外面部1fと、スプライン部1gとを有する。スプ
ライン部1gは、円周外面部1fから軸端部1eの端面
1hに向かって延びている、円周外面部1fの外径より
小さい外径を有する小径部に形成されており、クランク
軸軸心線L1と平行に形成された複数のスプライン溝お
よび複数のスプライン突条から構成されている。このよ
うに、円周外面部1fの外径はスプライン部1gのスプ
ライン突条の外径より大きくされている。
【0018】このような軸端部1eの外周に、右側クラ
ンクジャーナル1b側から順に、それぞれその内周に軸
端部1eのスプライン溝およびスプライン突条とそれぞ
れ対応して嵌合する複数のスプライン突条および複数の
スプライン溝から構成されているスプライン部10c,
9cがそれぞれ形成されたカム軸駆動用タイミングギヤ
10およびプライマリドライブギヤ9が取り付けられ
る。したがって、両ギヤ9,10は、クランク軸1の回
転方向に不動となるよう結合されて、クランク軸1と一
体的に回転するようになっている。そして、これら両ギ
ヤ9,10のクランク軸軸心線L1方向の移動は、軸端
部1eに取り付けられる後述するクランクセンターボル
ト30により阻止されている。ここで、各ギヤ9,10
は、クランク軸1のトルクが伝達され、さらにそのトル
クをカム軸またはクラッチ7に伝達するトルク伝達部材
を構成している。
【0019】さらに、タイミングギヤ10の内周の右側
クランクジャーナル1b寄りには、軸端部1eに形成さ
れた円周外面部1fと嵌合する滑らかな円周面を有する
円周内面部10aが形成されていて、円周外面部1fと
円周内面部10aとのすきま嵌めによる嵌合により、ク
ランク軸1に対するタイミングギヤ10の正確な心出し
が行われる。さらに、円周外面部1fおよび円周内面部
10aに、それぞれ研磨加工が施されることにより、よ
り正確な心出しが可能となる。そして、この心出しによ
り、クランク軸1に対するタイミングギヤ10の振れが
防止され、その振れに基づいて発生する騒音が抑制され
る。一方、タイミングギヤ10の回転は、一連のギヤを
介して、シリンダヘッドに設けられたカム軸に伝達さ
れ、そのカム軸の回転に基づいて吸気弁および排気弁が
駆動されるようになっている。
【0020】次に、潤滑油通路について説明する。軸端
部1eの端面1hからクランクアーム1cに向けて、小
径部と大径部とを有し、クランク軸軸心線L1と同一と
なる中心線を有するする有底の段付き孔21が、軸端部
1eの端面1hからのドリル加工により形成されてい
る。この段付き孔21の小径部は、段付き孔21のクラ
ンクアーム1c寄り(底寄り)に位置しており、段付き
孔21の大径部は軸端部1eの端面1h寄り(開口端寄
り)に位置している。大径部の周壁の開口端寄りには、
雌ねじが切られており、この雌ねじに後述するクランク
センターボルト30が螺合する。このように形成された
段付き孔21は、クランクピン1aの前記連結面に潤滑
油を供給するための第1潤滑油通路21を構成してい
る。
【0021】クランクピン1aには、右側クランクアー
ム1cの右側面からクランクピン1aに向けて、クラン
クピン軸心線L2と平行な中心線を有する有底の孔23
が、クランクアーム1cの右側面からのドリル加工によ
り形成されている。この中心線は、クランクピン軸心線
L2およびクランク軸軸心線L1を含む平面上にあり、
クランクピン軸心線L2に関して、クランク軸軸心線L
1がある側とは反対側に位置している。また、この孔2
3の径は、段付き孔21の小径部の径より大きく設定さ
れていて、流入してきた潤滑油を貯留する機能を有して
いるので、後述する第4潤滑油通路24を介してのクラ
ンクピン1aの前記連結面への潤滑油の安定した供給が
可能である。そして、その孔23の、後述する第2潤滑
油通路22との交差部分よりも開口端寄りは、シールプ
ラグであるカップ状部材25により閉塞されている。こ
のように形成された孔23は、クランクピン1aの前記
連結面に潤滑油を供給するための第3潤滑油通路23を
構成している。
【0022】第3潤滑油通路23の、カップ状部材25
よりも開口端寄りに位置する通路部分は、第3潤滑油通
路23の他の通路部分よりも径が大きくされていて、そ
の周壁にクリップ26がその弾性力を利用して装着され
る環状溝が形成されている。このクリップ26は、カッ
プ状部材25が第3潤滑油通路23から抜け出すのを防
止している。
【0023】さらに、クランクアーム1cのクランクピ
ン1a寄りの外周からバランスウエイト1dに向けて、
第3潤滑油通路23を貫通し、第1潤滑油通路21の最
奥部(段付き孔21の小径部の底部)に至る孔22が、
クランクアーム1cのクランクピン1a寄りの外周から
のドリル加工により形成されている。この孔22は、第
1および第3潤滑油通路21,23の各中心線と直交す
る中心線を有し、段付き孔21の小径部の径と略同じ径
を有している。そして、その孔22の、第3潤滑油通路
23との交差部分よりも開口端寄りは、シールプラグで
ある球部材27により閉塞されている。このように形成
された孔22は、クランクピン1aの前記連結面に潤滑
油を供給するための第2潤滑油通路22を構成してい
る。
【0024】さらに、クランクピン1aの前記連結面か
らは、それぞれのコネクティングロッド5の大端部5a
に対応する部分において、第3潤滑油通路23に開口す
る孔24が、前記連結面からのドリル加工により、2個
ずつ形成されている。そして、これら孔24は、前記連
結面に潤滑油を供給するための第4潤滑油通路24を構
成している。この第4潤滑油通路24から流出する潤滑
油により、コネクティングロッド5の大端部5aのメタ
ル6と前記連結面との間の潤滑が行われる。
【0025】以上の第1ないし第4潤滑油通路21,2
2,23,24は、クランク軸1に形成された潤滑油通
路を構成するものである。そして、第1潤滑油通路21
のクランクセンターボルト30の軸部30aの端面に隣
接する部分が、該潤滑油通路の入口端に相当し、第4潤
滑油通路24の連結面側の開口端が、該潤滑油通路の出
口端に相当する。
【0026】一方、クランクセンターボルト30は、そ
の軸部30aに形成された雄ねじが段付き孔21の大径
部の雌ねじに螺合することで、クランク軸1の軸端部1
eに取り付けられている。このクランクセンターボルト
30の頭部は、軸部30aに隣接するフランジ30bが
付設された六角柱部30cと、その六角柱部30cから
軸心線方向に延びて円柱状に形成された円柱部30dと
からなっている。そして、この円柱部30dの外周に
は、後述するようにオイルシール34のリップ部が摺接
するため、その摺接部分を滑らかにするための研磨加工
が施されている。
【0027】さらに、クランクセンターボルト30に
は、その頭部の円柱部30dの端面から軸部30aの端
面に渡って、クランクセンターボルト30の軸心線と同
一、したがってクランク軸軸心線L1とも同一となる中
心線を有する貫通孔30eが形成されている。このよう
に形成された貫通孔30eは、クランク軸1に形成され
た前記潤滑油通路の入口端に接続される潤滑油導入通路
30eを構成している。
【0028】クランクセンターボルト30は、スラスト
ワッシャ31が挿入された状態で、六角柱部30cに当
てた工具により、前記雌ねじに螺合される。クランクセ
ンターボルト30が締め付けられることで、タイミング
ギヤ10のクランクジャーナル1b側の端面がクランク
ジャーナル1bの端面に当接し、タイミングギヤ10の
プライマリドライブギヤ9側の端面およびプライマリド
ライブギヤ9のタイミングギヤ10側の端面が相互に当
接し、プライマリドライブギヤ9のスラストワッシャ3
1側の端面および前記ボス部9bのスラストワッシャ3
1側の端面がスラストワッシャ31に当接することによ
り、前述したように、軸端部1eに取り付けられたタイ
ミングギヤ10およびプライマリドライブギヤ9のクラ
ンク軸軸心線L1方向の移動が阻止される。
【0029】また、クランクセンターボルト30のこの
締め付けにより、クランクセンターボルト30におい
て、雄ねじとフランジ30bとの間の軸部30aに引っ
張り力が作用するため、僅かではあるが、この部分に弾
性域内の伸びが生じる。したがって、螺合している段付
き孔21の大径部の雌ねじおよびクランクセンターボル
ト30の雄ねじには、この伸びに基づく弾性力が作用す
るため、ボルト30の緩みに対するタフネスが向上し、
ボルト30が緩みにくくなる。そのため、タイミングギ
ヤ10およびプライマリドライブギヤ9のクランク軸軸
心線L1方向の移動阻止状態がより確実に維持される。
【0030】さらに、クランクセンターボルト30によ
り両ギヤ9,10が固定された状態において、クランク
軸1の軸端部1eの端面1hとスラストワッシャ31と
の間には微小な間隙32が形成されていている。そし
て、該間隙32を通じてプライマリサブギヤ9aの内周
とプライマリドライブギヤ9のボス部9bの外周の嵌合
部分に潤滑油が供給されるように、クランクセンターボ
ルト30の軸部30aのスラストワッシャ31が挿入さ
れている部分の近傍に、潤滑油導入通路30eに開口す
るとともに前記間隙32に開口する第1油孔30fが、
潤滑油導入通路30eの中心線に直交する状態で形成さ
れ、さらに前記ボス部9bの嵌合部分を径方向に貫通す
る第2油孔9dが形成されている。したがって、潤滑油
導入通路30eを流れる潤滑油の一部が、第1油孔30
fから、上記間隙32を経て、さらに第2油孔9dを通
って、プライマリサブギヤ9aとプライマリドライブギ
ヤ9のボス部9bとの嵌合部分に供給される。このよう
に、簡単な通路構成により、該嵌合部分の潤滑が可能と
なる。
【0031】このように、クランクセンターボルト30
は、トルク伝達部材であるタイミングギヤ10およびプ
ライマリドライブギヤ9を固定するための固定部材とし
て機能するほかに、潤滑油を前記潤滑油通路に導くため
の潤滑油導入部材としても機能する。
【0032】ところで、クランクケースの右側カバー1
2の内面には、凹部からなる潤滑油室33が形成されて
いる。この潤滑油室33は、右側カバー12をクランク
ケース3を取り付けたときに、クランク軸軸心線L1
上、したがってクランクセンターボルト30に形成され
た潤滑油導入通路30eの中心線上に位置していて、ク
ランク軸1に向いて開口しており、しかもクランクセン
ターボルト30の頭部の円柱部30dが、潤滑油室33
に入り込む位置に設けられている。そのため、クランク
軸1の軸端部1eの端面1hと潤滑油室33との間隔が
機種等により異なる場合にも、円柱部30dの長さが異
なるクランクセンターボルト30を複数種用意すること
により、クランク軸1を変更することなく、簡単に対応
できる。
【0033】また、潤滑油室33の開口端部にはオイル
シール34が固定されていて、そのリップ部が、潤滑油
室33に入り込んだ円柱部30dの外周の研磨部分に摺
接していて、潤滑油室33の開口端部と円柱部30dと
の間を液密状態に保ち、円柱部30dの外周から潤滑油
室33内の潤滑油が漏れないようにしている。
【0034】次に、この実施形態における潤滑油の流れ
について説明する。オイルポンプにより圧力が高められ
た潤滑油は、フィルタおよび右側カバー12に形成され
た通路を通ってクランクケース右側カバー12に形成さ
れた潤滑油室33に供給されて、貯留される。そして、
潤滑油室33内の潤滑油は、クランクセンターボルト3
0に形成された潤滑油導入通路30eを通って、クラン
ク軸1に形成された第1潤滑油通路21に入り、さらに
第2、第3および第4潤滑油通路24を通って、クラン
クピン1aの連結面に放出され、摺動部分であるコネク
ティングロッド5の大端部5aのメタル6とクランクピ
ン1aの連結面との間に供給される。また、潤滑油導入
通路30eに導入された潤滑油の一部は、前述のよう
に、第1油孔30f、前記間隙32および第2油孔9d
を通って、プライマリサブギヤ9aとプライマリドライ
ブギヤ9のボス部9bとの嵌合部分に供給される。
【0035】前記の第1実施形態は、以上のように構成
されているので、以下の効果を奏する。クランク軸1の
円周外面部1fと用円周内面部10aとの嵌合により、
クランク軸1に対するタイミングギヤ10の正確な心出
しが行われるため、クランク軸1に対するタイミングギ
ヤ10の振れが防止され、その振れに基づいて発生する
騒音が抑制される。また、円周外面部1fと用円周内面
部10aとがすきま嵌めであることにより、その嵌合作
業が容易である。
【0036】円周外面部1fの外径がクランク軸1のス
プライン部1gの外径より大きいため、スプライン部1
gでの嵌合の影響を受けることなく、円周外面部1fと
円周内面部10aとの嵌合ができ、より正確な心出しが
できる。
【0037】クランク軸1に対してタイミングギヤ10
が正確に心出しされているため、カム軸の回転により駆
動される吸排気弁の開閉時期がより正確に設定できる。
【0038】クランク軸1のスプライン部1gとタイミ
ングギヤ10のスプライン部10cとの嵌合により、ク
ランク軸1のトルクが複数のスプライン突条を介してタ
イミングギヤ10に伝達されるため、トルク伝達面の摩
耗が低減できる。その結果、大きなトルクの伝達も可能
であり、また長期に渡って所望の大きさのトルクを伝達
できる。
【0039】次に、図2を参照して、本出願発明の第2
実施形態を説明する。図2に図示されたトルク伝達装置
では、右側クランクジャーナル41aからクランクケー
ス右側カバー3に向かって延びたクランク軸41の部分
で構成されるクランク軸41の軸端部41bの外周に、
右側クランクジャーナル41a側から順に、カム軸駆動
用ドライブスプロケット44および補機駆動用ドライブ
スプロケット45が形成され、さらにプライマリドライ
ブギヤ46および補機駆動用ギヤ47が嵌合されてい
る。
【0040】プライマリドライブギヤ46および補機駆
動用ギヤ47が嵌合されている軸端部41bの部分であ
る嵌合部41cは、両ドライブスプロケット44,45
が形成されている軸端部41bの部分の外径より小さい
外径を有しているため、該軸端部41bには段差部41
dが形成されている。嵌合部41cは、段差部41d側
から順に、滑らかな円周面を有する円周外面部41e
と、スプライン部41fとを有する。スプライン部41
fは、円周外面部41eから軸端部41bの端面41g
に向かって延びている、円周外面部41eの外径より小
さい外径を有する小径部に形成されており、クランク軸
軸心線Lと平行に形成された複数のスプライン溝および
複数のスプライン突条から構成されている。このよう
に、円周外面部41eの外径はスプライン部41fのス
プライン突条の外径より大きくされている。
【0041】このような嵌合部41cの外周に、段差部
41d側から順に、それぞれ内周に嵌合部41cのスプ
ライン溝およびスプライン突条とそれぞれ対応して嵌合
する複数のスプライン突条および複数のスプライン溝か
ら構成されているスプライン部46a,47aがそれぞ
れ形成されたプライマリドライブギヤ46および補機駆
動用ギヤ47が取り付けられる。したがって、両ギヤ4
6,47は、クランク軸41の回転方向に不動となるよ
う結合されて、クランク軸41と一体的に回転するよう
になっている。なお、このプライマリドライブギヤ46
は、前記第1実施形態のそれと同様に、プライマリドラ
イブギヤ46の補機駆動用ギヤ47側のボス部46bの
外周に嵌合されるプライマリサブギヤ46cを備えてい
る。そして、プライマリドライブギヤ46および補機駆
動用ギヤ47は、軸端部41bに螺合されるクランクセ
ンターボルト50により、クランク軸軸心線L方向の移
動が阻止されている。
【0042】すなわち、クランクセンターボルト50
は、スラストワッシャ51が挿入された状態で、フラン
ジ50aが付設された六角柱部50bに当てた工具によ
り、軸端部41b内部に形成された雌ねじに螺合され
る。クランクセンターボルト50が締め付けられること
で、プライマリドライブギヤ46の段差部41d側の端
面が段差部41dに当接し、プライマリドライブギヤ4
6の補機駆動用ギヤ47側の端面および前記ボス部46
bの補機駆動用ギヤ47側の端面と補機駆動用ギヤ47
のプライマリドライブギヤ46側の端面とが相互に当接
し、補機駆動用ギヤ47のスラストワッシャ51側の端
面がスラストワッシャ51に当接することにより、前述
したように、プライマリドライブギヤ46および補機駆
動用ギヤ47のクランク軸軸心線L方向の移動が阻止さ
れる。
【0043】さらに、プライマリドライブギヤ46の内
周の段差部41d寄りには、嵌合部41cに形成された
円周外面部41eと嵌合する滑らかな円周面を有する円
周内面部46dが形成されていて、円周外面部41eと
円周内面部46dとのすきま嵌めによる嵌合により、ク
ランク軸41に対するプライマリドライブギヤ46の正
確な心出しが行われる。さらに、円周外面部41eおよ
び円周内面部46dに、それぞれ研磨加工が施されるこ
とにより、より正確な心出しが可能となる。そして、こ
の心出しにより、クランク軸41に対するプライマリド
ライブギヤ46の振れが防止され、その振れに基づいて
発生する騒音が抑制される。
【0044】なお、プライマリドライブギヤ46は、前
記第1実施形態と同様に、多板摩擦クラッチのクラッチ
ハウジングのプライマリドリブンギヤと噛み合ってい
て、クランク軸41のトルクは、多板摩擦クラッチ、常
時噛み合い式歯車変速機および駆動チェーンを介して後
輪に伝達される。
【0045】一方、クランク軸41には、クランクピン
41hに形成された潤滑油通路55に連通する2本の潤
滑油通路56が、クランクジャーナル41aの周面から
ドリル加工により形成されていて、クランクケース42
のメタル48の支持部に形成された潤滑油通路57から
メタル48を介して供給された潤滑油が、クランクピン
41hの潤滑油通路55に供給され、さらに、前記第1
実施形態と同様に、クランクピン41hのコネクティン
グロッド49の連結面に開口する孔を介して供給される
ようになっている。
【0046】したがって、このように構成された第2実
施形態によれば、円周外面部41eと円周内面部46d
との嵌合により、クランク軸41に対するプライマリド
ライブギヤ46の心出しに関して、前記第1実施形態と
同じ効果が奏される。また、クランク軸41のスプライ
ン部41fとプライマリドライブギヤ46のスプライン
部46aとの嵌合により、クランク軸41のトルクが複
数のスプライン突条を介してプライマリドライブギヤ4
6に伝達されるため、トルク伝達面の摩耗が低減でき
る。その結果、大きなトルクの伝達も可能であり、また
長期に渡って所望の大きさのトルクを伝達できる。ま
た、大きなトルクの伝達も可能であるため、大排気量の
内燃機関または高回転内燃機関においても、クランク軸
41からクラッチ7に大きな駆動トルクを伝達すること
ができる。
【0047】前記第1および第2実施形態では、駆動軸
であるクランク軸とギヤとが結合され、クランク軸から
ギヤにトルクを伝達したが、被駆動軸である回転軸とギ
ヤとが結合され、ギヤから回転軸にトルクが伝達される
ものであってもよい。
【0048】前記第1および第2実施形態では、内燃機
関のクランク軸と該クランク軸に結合されたギヤとを備
えたものであったが、本出願発明のトルク伝達装置は、
内燃機関の他の回転軸と該回転軸と結合されたギヤとを
備えたものでもよく、さらに内燃機関以外の回転軸と該
回転軸に結合されたギヤとを備えたものであってもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願発明の第1実施形態であるトルク伝達装
置を説明する内燃機関のクランク軸およびクランクケー
スの断面図である。
【図2】本出願発明の第2実施形態であるトルク伝達装
置を説明する内燃機関のクランク軸およびクランクケー
スの断面図である。
【符号の説明】
1…クランク軸、1a…クランクピン、1b…クランク
ジャーナル、1c…クランクアーム、1d…バランスウ
エイト、1e…軸端部、1f…円周外面部、1g…スプ
ライン部、1h…端面、2…メタル、3…クランクケー
ス、4…通路、5…コネクティングロッド、5a…大端
部、6…メタル、7…多板摩擦クラッチ、8…歯車変速
機、9…プライマリドライブギヤ、9a…プライマリサ
ブギヤ、9b…ボス部、9c…スプライン部、9d…第
2油孔、9e…円周内面部、10…タイミングギヤ、1
0a…円周内面部、10c…スプライン部、11…プラ
イマリドリブンギヤ、12…クランクケース右側カバ
ー、21…段付き孔(第1潤滑油通路)、22…孔(第
2潤滑油通路)、23…孔(第3潤滑油通路)、24…
孔(第4潤滑油通路)、25…カップ状部材、26…ク
リップ、27…球部材、30…クランクセンターボル
ト、30a…軸部、30b…フランジ、30c…六角柱
部、30d…円柱部、30e…貫通孔(潤滑油導入通
路)、30f…第1油孔、31…スラストワッシャ、3
2…間隙、33…潤滑油室、34…オイルシール、41
…クランク軸、41a…クランクジャーナル、41b…
軸端部、41c…嵌合部、41d…段差部、41e…円
周外面部、41f…スプライン部、41g…端面、41
h…クランクピン、42…クランクケース、43…クラ
ンクケース右側カバー、44,45…ドライブスプロケ
ット、46…プライマリドライブギヤ、46a…スプラ
イン部、46b…ボス部、46c…プライマリサブギ
ヤ、46d…円周内面部、47…補機駆動用ギヤ、47
a…スプライン部、48…メタル、49…コネクティン
グロッド、50…クランクセンターボルト、50a…フ
ランジ、50b…六角柱部、51…スラストワッシャ、
55,56,57…潤滑油通路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、該回転軸に結合されて該回転
    軸との間でトルクの伝達を行うギヤとを備えたトルク伝
    達装置において、前記回転軸の外周にそれぞれ形成され
    たスプライン部および心出し用円周外面部に、前記ギヤ
    の内周にそれぞれ形成されたスプライン部および心出し
    用円周内面部が、それぞれ嵌合されていることを特徴と
    するトルク伝達装置。
  2. 【請求項2】 前記心出し用円周外面部と前記心出し用
    円周内面部との嵌合は、すきま嵌めであることを特徴と
    する請求項1記載のトルク伝達装置。
  3. 【請求項3】 前記心出し用円周外面部の外径は、回転
    軸に形成されたスプライン部の外径より大きいことを特
    徴とする請求項1または請求項2記載のトルク伝達装
    置。
  4. 【請求項4】 前記回転軸は内燃機関のクランク軸であ
    り、前記ギヤは該内燃機関のカム軸駆動用タイミングギ
    ヤであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のい
    ずれか1項記載のトルク伝達装置。
  5. 【請求項5】 前記回転軸は内燃機関のクランク軸であ
    り、前記ギヤは該内燃機関のプライマリドライブギヤで
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
    か1項記載のトルク伝達装置。
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