JP2000222441A - 加工コスト見積もり装置 - Google Patents

加工コスト見積もり装置

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JP2000222441A
JP2000222441A JP11022605A JP2260599A JP2000222441A JP 2000222441 A JP2000222441 A JP 2000222441A JP 11022605 A JP11022605 A JP 11022605A JP 2260599 A JP2260599 A JP 2260599A JP 2000222441 A JP2000222441 A JP 2000222441A
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勝 西村
Susumu Kato
享 加藤
Kazuyoshi Fujita
一良 藤田
Masaharu Ochiai
聖春 落合
Takayuki Hiramatsu
孝之 平松
Hirotaka Mizuno
浩孝 水野
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Toyota Motor Corp
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Toyota System Research Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械加工製品の加工コストを自動見積もりす
るシステムを提供する。 【解決手段】 CADシステム10にて製品のCADデ
ータ12の各加工対象面に対し粗さ属性を設定する。加
工費見積もり処理部14は、CADデータ12から粗さ
属性の設定された面を抽出し、それら各面を隣接関係に
基づいてグループ化する。この結果できた各面グループ
ごとに、形状タイプ判定ルールDB(データベース)2
1を参照してその形状タイプを判定する。この形状タイ
プと当該面グループの仕上げ粗さなどとの組合せ(この
組合せを加工タイプと呼ぶ)から、面加工部位DB23
を参照して、当該面グループの単位加工時間を求める。
これにその面グループの面積を乗じればその面グループ
の加工時間を求めることができる。この加工時間を、加
工単価DB29から検索したその各加工タイプに関連す
る加工単価に乗じれば加工費が求められる。そして、各
面グループの加工費の総和から総加工費を計算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械加工製品のC
ADデータを利用して、その製品を製造する際の機械加
工の加工コストを見積もるための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】設計時間の短縮や労力軽減のため、CA
D(Computer Aided Design)の利用が進んでいる。更
に、製造工程までの自動化を見据え、CADシステムで
作成したデータを製造工程の工作機械等の制御に利用し
ようとするCAD/CAM(Computer Aided Manufactu
ring)システムも現れている。製造・加工のためには一
般に3次元の形状データが必要だが、近年の3次元CA
D技術の進歩によりソリッドモデラなどの3次元データ
を取り扱い可能なCADシステムが現れ、CAD/CA
Mの実現に寄与している。
【0003】CAD/CAMは、例えば金型設計・製造
の分野で実用化が進んでいる。特に、近年では、モデル
形状を各部の寸法パラメータの変更に連動して変更する
ことができるパラメトリックソリッドCADが利用さ
れ、設計の効率化のみならず製造工程とのデータの共用
化が可能となっている。
【0004】さて、製造コスト低減の要請に応えるた
め、機械加工製品設計においても、加工コスト(加工に
要する時間や加工のための費用など)を意識した設計が
求められている。しかしながら、現実問題として、1度
の設計で加工コストの要求水準を満足させることは熟練
した設計者でも困難なことである。したがって、実際に
は、いったんCAD等で設計を行った後、その設計図面
を元に技術者が加工コストの見積もりや工程表の作成を
行い、必要に応じて設計にフィードバックをかけること
になる。加工コストの見積もりや工程表の作成には、機
械加工に対する広範かつ正確な知識が必要とされるた
め、熟練した技術者が必要とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような人手による
作業では、いくら熟練者とはいっても、見積もり結果が
得られるまでに数日という時間を要する。このため、見
積もりに応じて設計の修正を繰り返して適切な設計を得
るには、膨大な時間がかかることになりかねない。設計
現場に日程的な余裕が与えられない場合は、見積もり結
果を設計に反映させることは困難となる。また、人手に
よる見積もりを続けるには、妥当な見積もりができる熟
練者を継続的に養成し、維持していく必要がある。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、CAD/CAMシステムの製品
モデルの情報から、その機械加工に必要な加工コストを
自動的に見積もるための装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る装置は、機械加工製品のCADモデル
における各加工対象面に対し、粗さ属性を設定する粗さ
設定手段と、それら各加工対象面に設定された粗さ属性
とに基づき、前記製品の加工対象面群に関する加工コス
トを算出するコスト見積もり手段とを有する。
【0008】切削や研磨などにより製品を形成する機械
加工では、仕上げ粗さ(精度)が加工コストに大きな影
響を与える。本実施形態では、CADモデルの各加工対
象面に粗さ属性を設定することにより、その粗さ属性か
ら加工コストを自動計算することができる。なお、ここ
でいう加工コストは、加工に要する時間、加工に要する
費用の両方の概念を含むものとする。
【0009】本発明の好適な態様では、コスト見積もり
手段は、前記CADモデルにおける隣接する加工対象面
同士をグループ化することにより、前記CADモデルに
含まれる加工対象面群を1以上の面グループに分けるグ
ループ化手段と、グループ化手段で求められた各面グル
ープごとに、当該面グループが成す形状に基づき当該面
グループを所定の形状タイプのいずれに属するかを判定
するタイプ判定手段と、形状タイプと粗さ属性との組合
せに応じた加工コスト算出ルールを記憶したコストデー
タベースと、前記各面グループごとに、前記タイプ判定
手段で求めた当該面グループの形状タイプと、その面グ
ループを構成する各面の粗さ属性との組合せに対応する
加工コスト算出ルールを前記コストデータベースから求
め、このルールに基づき当該面グループの加工コストを
算出する個別コスト算出手段とを含む。
【0010】この態様では、加工部位の形状によって加
工の内容(用いる工具や手順)が異なり、これが加工コ
ストに影響を与えることを考慮して、粗さ属性だけでな
く、形状も考慮して加工コストを求めるようにした。こ
の態様では、形状タイプと粗さとの組合せごとに加工コ
スト算出ルールを定め、これをデータベース化しておく
(コストデータベース)。加工部位は、隣接する加工対
象面のグループとして規定される。例えば、この面グル
ープに属する面の数や、それらの配置関係などにより、
形状タイプを判定することができる。そしてこの形状タ
イプと粗さ属性から、上記データベースからコスト算出
ルールを特定することができ、このルールを用いてその
面グループの加工コストを求めることができる。なお、
加工コスト算出ルールとしては、例えば単位面積当た
り、あるいは単位加工時間当たりのレートを用いること
ができる。例えば、単位面積当たりのレートを用いる場
合は、そのレートに当該面グループの面積を乗じれば、
加工コストが求められる。
【0011】なお、工作機械では、ワークのセットの仕
方などで主加工方向が定まり、この主加工方向について
加工速度が最大となる。これに対し、加工部位を形成す
る際の加工方向が主加工方向と異なる場合には、加工速
度が遅くなる。特に加工方向が主加工方向に対して斜め
になる場合は、加工速度はかなり遅くなる。このような
ことを考慮して、主加工方向に対する面グループの向き
に応じて加工コスト算出ルールを細分化することも好適
である。
【0012】また、同じ加工方法で加工でき、製品に比
較的頻繁に現れる規格的な形状の部位は、その部位の種
類が決まれば加工コストが定まる。そこで、それら規格
的な部位を種類ごとに分類し、各種類ごとに加工コスト
の算出ルールをデータベース化し、設計段階でCADモ
デルの特殊加工部位にその種類を属性として設定してお
けば、そのデータベースから特殊加工部位の加工コスト
を求めることができる。加工対象面の粗さ属性をベース
とする上述の方式は、どのような形状の部位にも適用可
能であるという利点があるが、計算処理はこの特殊加工
部位方式の方が簡便である。したがって、両者の方式を
組み合わせることにより、効率のよい見積もり処理を実
現することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
以下では、プレス加工用金型の設計における加工コスト
見積もりシステムを例にとって説明する。しかしなが
ら、以下の説明から明らかなように、本実施形態の手法
は、プレス加工用金型のみならず、切削、研磨など機械
加工によって製造する製品一般に適用可能である。
【0014】[システム構成]図1は、本発明に係る加
工コスト見積もりシステムの概略構成を示す機能ブロッ
ク図である。図1において、CADシステム10は、モ
デル形状をパラメトリックに変更可能なソリッドモデラ
である。このCADシステム10を用いて作成された金
型のCADデータ12は、金型の形状を表すソリッドモ
デルのデータと、そのソリッドモデルの各構成要素に設
定された属性データを含んでいる。
【0015】<加工属性>周知のように、ソリッドモデ
ルでは、1つの製品(オブジェクト)を構成する構成要
素を、頂点、辺(エッジ)、面、シェル(空間を囲む領
域。複数の面で規定される)といった幾何学概念の階層
ごとに整理し、管理している。各構成要素には一意的な
識別情報(以下「ID」と呼ぶ)が付与され、このID
により各構成要素を指定、参照可能となっている。
【0016】CADシステム10は、このようなオブジ
ェクトの構成要素に対して、各種の属性データを設定す
るための機構を有する。構成要素には様々な種類の属性
データが設定可能であるが、本実施形態の目的である機
械加工のコスト見積もりに関係するのは、粗さ属性と特
殊加工部位タイプ属性である。
【0017】粗さ属性は、面を加工するときの目標とな
る面の粗さであり、仕上げ精度とも呼ばれる。したがっ
て、粗さ属性は面に対して設定される。ただし、粗さ属
性は、ソリッドモデルの必ずしもすべての面に設定され
るわけではなく、加工対象の面にのみ設定される。金型
の場合、鋳物から切削、研磨等の機械加工により各面を
形成していくが、そのような機械加工を行う面について
のみ粗さ属性を設定する。
【0018】特殊加工部位タイプ属性は、ソリッドモデ
ルの各構成要素のうち、予め定められた特殊加工部位タ
イプに該当する構成要素に付与される属性である。
【0019】金型には、ガイドポスト穴やプレス取付座
など、形状・サイズが決まっている規格的な部位が設け
られる。このような規格的な部位は、加工の内容が定ま
っており、加工に要する時間等も分かっている。本実施
形態では、このような規格的な部位を特殊加工部位と呼
び、ガイドポスト穴やプレス取付座等のようにタイプ分
けしている。CADシステム10における設計におい
て、そのような規格的な部位を設ける場合には、その部
位の属性データとして、ガイドポスト穴等の特殊加工部
位タイプを設定する。
【0020】図2は、CADデータ12に含まれる粗さ
属性のデータ内容の一例を示す図である。このデータに
は、加工対象面ごとに、CADデータにおけるID(面
ID)と粗さ属性の設定値(▽、▽▽など)が設定され
ている。図3は、CADデータ12に含まれる特殊加工
部位属性のデータ内容の一例を示す図である。このデー
タには、各部位ごとに、CADデータにおけるID(部
位ID)と特殊加工部位タイプ(ガイドポスト穴など)
が設定されている。なお、ここでは、粗さ属性と特殊加
工部位属性を別々の図に示したが、これは必ずしもCA
Dデータ12において粗さ属性と特殊加工部位属性とが
別々に保持されていることを意味するものではなく、こ
れらはCADデータにおける各構成要素の属性データ領
域にまとめて保持されていてもよい。
【0021】<加工費見積もり処理部>加工費見積もり
処理部14は、このような粗さ属性、特殊加工部位属性
が設定されたCADデータを元に、加工データベース
(以下「データベース」を「DB」と略す)20を参照
して、金型の加工コスト(加工時間及び加工費)の見積
もりを行う。加工DB20には、形状タイプ判定ルール
DB21、面加工部位DB23、特殊加工部位DB2
5、作業コードDB27、及び加工単価DB29の5種
のDBが含まれる。この加工費見積もり処理部14の見
積もり処理では、粗さ属性の設定されている面(すなわ
ち加工対象面)群と、特殊加工部位属性が設定されてい
る部位群とについて、それぞれ加工コストを算出し、そ
の合計を金型の全体的な加工コストとする。
【0022】(1)加工対象面群の加工コスト 加工対象面面群の加工コストは、基本的には、各面の粗
さ属性と面積から求められる。これは、機械加工におい
ては粗さ(仕上げ精度)の値に応じて単位面積当たりの
加工に要する単価(時間や費用)が異なることを考慮し
たものである。より厳密には、加工部位の形状やサイズ
(面積あるいは切削する体積)、あるいは工作機械の主
たる加工方向(主加工方向と呼ぶ)に対する加工部位の
向き、あるいは設計対象である金型の種類(上型、下
型、パッドなど)によって、用いる刃具や加工手順(工
作機械の動かし方など)、工作機械が異なり、それがコ
ストの差につながるので、それらの条件も考慮する。
【0023】加工部位は、隣接する加工対象面の集まり
として規定される。そのような隣接加工対象面の集まり
を面グループと呼ぶ。加工部位の形状とは、この面グル
ープの形状である。本実施形態では、この面グループの
形状を、予め定めた複数の形状タイプに分類する。これ
は、金型製作において現れる形状を、その形状を形成す
るのに必要となる加工方法なども加味して分類したもの
である。
【0024】例えば形状タイプには、図4に示す「壁な
し面」や図5に示す「彫り込み」を初めとして様々なタ
イプが存在する。形状タイプの判定は、その面グループ
を構成する面の数やそれら各面のトポロジカルな配置関
係、各面の形状やサイズなどから定められる。例えば、
ある面グループの面の数が1(すなわち隣接面なし)で
あり、その面の形状が平面であれば、その面の形状タイ
プは「壁なし面」となる。また、図5に例示した「彫り
込み(3面)」という形状タイプは、2つの面が交わる
角の部分を四角く彫り込んだときにできる形状であり、
ある面グループで1つの面に対して隣接する垂直面が3
つあった場合には、この面グループは「彫り込み(3
面)」という形状タイプに分類される。このような形状
タイプの判定のためのルールが形状タイプ判定ルールD
B21に登録されており、加工費見積もり処理部14で
はこのDB21を参照して各面グループの形状タイプを
判定する。
【0025】さて、本実施形態では、加工部位の形状タ
イプ、主加工方向に対する向き、仕上げ粗さ及びサイズ
(面積)に基づき、加工部位を複数の加工タイプに分類
し、各加工タイプごとに単位面積当たりの加工時間(単
位加工時間と呼ぶ)を定め、これをデータベース化して
おく。このDBが面加工部位DB23である。ある加工
部位(面グループ)の加工時間を求めるには、その加工
部位の形状、向き、仕上げ粗さ、サイズから単位加工時
間を求め、その単位加工時間にその加工部位の面積を乗
じればよい。
【0026】図6に、面加工部位DB23のデータ内容
の一例をテーブル形式で示す。このテーブルでは、各加
工タイプにはそれぞれ識別のための番号が割り当てられ
ており、各加工タイプは、形状タイプ、主加工方向に対
する「向き」、仕上げ粗さ、サイズ(面積)の4つのフ
ァクタの組合せによって分類されている。これら4つの
ファクタを定めると加工の種類(すなわち加工に用いる
刃具や加工手順など)が定まってくるため、それに応じ
て単位面積当たりの加工時間(単位加工時間)を定める
ことができる。
【0027】すなわち、形状タイプは、加工部位の形状
であり、加工の難易に大きな影響を与える。この点で
は、主加工方向に対する「向き」も同様である。ここで
いう「向き」は、その加工部位を加工する際の加工の方
向の、主加工方向に対する向きである。例えば、壁なし
の面(図2参照)の場合、面に垂直な方向が加工の方向
であり、この方向が主加工方向と同じならばその面は
「正面」、その方向が主加工方向に垂直ならば「側面」
になる。また、加工部位がドリル穴や通し穴などの穴の
場合は、穴の中心軸の方向が加工方向であり、これの主
加工方向に対する向きが、ここでいう「向き」である。
加工部位の加工方向が主加工方向に一致する場合がもっ
とも加工が容易であり、加工に要する時間が短い。そし
て、加工方向が主加工方向に垂直な場合が、一般にその
次に加工が容易である。そして、加工方向が主加工方向
に対して斜めを向いている場合が、工作機械の制御がも
っとも複雑になり、加工に要する時間ももっとも長くな
る。
【0028】仕上げ粗さは、用いる刃具やその送り速
度、加工手順などに影響を与えるので、加工時間にも影
響を与える。当然ながら、仕上げ粗さが粗いほど、単位
加工時間は短くなる。また、加工部位の面積が広い場合
と狭い場合とで、用いる刃具や加工条件などが変わるこ
とは周知であり、加工部位のサイズも、単位加工時間に
影響を与える。
【0029】図6では、単位加工時間としては、単位面
積(例えば100cm2)当たりに要する加工時間を
「時間」単位で表している。図6のテーブルによれば、
例えばある加工部位(面グループ)について、形状タイ
プが「壁なし」、向きが「正面」、仕上げ粗さが「▽
▽」、サイズが「100未満」と分かった場合は、その
部位の加工の際の単位加工時間は0.08時間であるこ
とが分かる。これにその加工部位の面積(例えば、その
加工部位を構成する面群の総面積)を乗じることによ
り、その部位を加工するのに要する加工時間が求められ
る。そして、すべての面グループについて求めた加工時
間を総和すれば、その製品の加工対象面群全体について
の加工時間が求められる。
【0030】なお、以上では、加工タイプの分類を4つ
のファクタにより行ったが、それら4つのファクタのす
べての組合せを考える必要はなく、金型なら金型の設計
に現れる組合せのみを考えればよい。例えば、斜めに穴
を彫り込むことがない製品ならば、形状「穴」について
「斜め」という向きは考慮しなくてよい。したがって、
そのような組合せに応じた加工タイプは面加工部位DB
23に登録しなくてもよい。
【0031】また、以上に示した4つのファクタによる
加工タイプの分類はあくまで一例であり、様々な変形が
可能である。例えば、それら4つのファクタに加え、ワ
ークの材質によって更に分類することも可能である。材
質に応じて刃具その他の加工条件が変わってくるので、
単位加工時間も変わってくるからである。材質の異なる
複数の製品を設計する場合には、材質も考慮することが
必要となる。
【0032】以上、加工時間について説明したが、加工
費の場合は、更にもう一つファクタが加わる。それは、
設計対象である金型部品の種類(上型、下型、パッドな
ど。この分類を型部品タイプとよぶ)である。すなわ
ち、型部品タイプが異なれば用いる工作機械やワークの
セットの仕方などの諸条件が異なり、これが加工費の差
につながる。例えば、上型や下型などの比較的大きな型
部品の場合は、大型のNC工作機械でほぼ自動で加工さ
れるのに対し、小さな型部品の場合は小型の工作機械で
マニュアル操作で加工されることが多い。ここで、前者
と後者とで同じ加工タイプの部位を加工する場合を考え
る。この場合、加工時間は、切削、研磨等、物理的な処
理に要する時間なので、加工タイプ(加工の内容)が同
じならば工作機械が違ってもそのレート(単位加工時
間)はほとんど変わらない。これに対し、加工費の場合
は、用いる工作機械の種類、特に自動であるかマニュア
ル操作が必要か、によってそのレート(加工単価)が変
わってくる。すなわち、後者は前者よりも人件費が多く
かかり、これが加工単価に差を生む。そこで、本実施形
態では、加工タイプと型部品タイプにより作業の種類を
分類し、作業の種類ごとに加工単価を定めている。この
作業種類の分類のための情報を登録したのが作業コード
DB27であり、作業の種類ごとの加工単価を登録した
のが加工単価DB29である。
【0033】図7は、作業コードDB27のデータ内容
をテーブル形式で表した図である。作業コードは、作業
の種類ごとに一意的に割り当てたコードであり、これは
本システムの後流であるCAMシステムでも利用できる
ように定めることが好ましい。図から分かるように、加
工タイプと型部品タイプとの組合せごとに、作業コード
が定められている。型部品タイプは、型部品の種類ごと
に割り当てられたコードであり、例えば、型部品タイプ
「52」及び「62」は、それぞれ上型及び下型を示
す。加工タイプが「001」(壁なし、正面・・・)で
加工対象が上型「52」又は下型「62」の場合、作業
コードは共に「J22」となる。これは、上型と下型と
では、加工タイプ「001」については同じ工作機械、
工作条件で工作できるので、作業の内容が同じとなるか
らである。これに対し、同じ加工タイプ「001」でも
型部品タイプがパッド「32」となると、加工に用いる
工作機械又は工作条件が変わってくるので作業の種類が
変わり、異なる作業コード「DT」に分類されることに
なる。
【0034】図8は、加工単価DB29のデータ内容を
示した図である。図示のように、加工単価DB29に
は、各作業コードごとに、加工単価(すなわち単位時間
当たりの加工費)が登録されている。
【0035】したがって、ある加工部位(面グループ)
の加工費を求めるには、その部位の加工タイプと型部品
タイプから作業コードDB27を参照して作業コードを
求め、次にその作業コードに対応する加工単価を加工単
価DB29から求め、この加工単価を、前述の方法で求
めた当該加工部位の加工時間に乗算すればよい。
【0036】なお、以上のように、加工費を求めるの
に、単位時間当たりの加工単価を用いたのは、加工費は
人件費等、時間をファクタとする費目を含むためであ
る。これに対し、加工時間は、純粋に工作機械による物
理的な処理にかかる時間なので、加工内容(すなわち加
工タイプ)と加工の量(すなわち加工面積)から定める
ことができる。
【0037】また、以上では、加工タイプごとに単位加
工時間を定めたが、これは加工タイプが共通していれ
ば、用いる工作機械の種類等の条件が異なっていても単
位面積当たりの加工時間がほぼ同じになるからであっ
た。これに対し、もし同じ加工タイプでも工作機械の種
類によって単位加工時間が大きく変わるような場合があ
れば、その場合には、単位加工時間は加工タイプごとで
はなく、作業コードごとに定めることになる。このよう
な場合も、本発明の範囲に含まれる。
【0038】(2)特殊加工部位群の加工コスト 次に、特殊加工部位群の加工コストの求め方を説明す
る。
【0039】上記の加工対象面群の加工コストは、加工
時間については、部位の形状や向き、仕上げ粗さ、サイ
ズなどで決まる加工タイプと加工面積により定め、加工
費については、加工タイプと型部品タイプにより定まる
作業コードと加工時間から定めた。このように、加工対
象面群の加工コストを求めるには、加工対象面をグルー
プ化して各面グループごとに形状を判定し、更にこの形
状や仕上げ粗さなどの条件から加工タイプを判定するな
どの多くの手順が必要であった。
【0040】これに対し、特殊加工部位は、形状、サイ
ズその他の加工条件等が定まっているので、処理をもっ
と単純化できる。例えば、「ガイドポスト穴」というタ
イプの特殊加工部位であれば、その形状、サイズ、仕上
げ粗さ、向きが決まっているので、その部位1個当たり
の加工時間も分かる。このような特殊加工部位のタイプ
ごとに、その加工時間(単位面積当たりではなく、当該
部位1個当たりである)をデータベース化しておけば、
特殊加工部位のタイプさえ分かれば、それから加工時間
を求めることができる。このデータベースが、図1の特
殊加工部位DB25である。
【0041】図9に、特殊加工部位DB25のデータ内
容の一例を示す。図示のように、特殊加工部位DB25
には、各特殊加工部位タイプごとに1個当たりの加工時
間が登録されている。なお、このDBはもっと詳細にす
ることもできる。例えば、ガイドポスト穴に複数のサイ
ズがある場合には、各サイズごとに別々のタイプと捉
え、それぞれ加工時間を登録しておけばよい。
【0042】したがって、CADデータ12に特殊加工
部位が含まれていれば、その部位の特殊加工部位タイプ
から、特殊加工部位DB25を参照することにより、加
工時間を求めることができる。同じタイプの特殊加工部
位が複数あれば、そのタイプの加工時間を個数分だけ累
積すれば、それら同タイプの特殊加工部位群の総加工時
間となる。
【0043】以上の説明から分かるように、特殊加工部
位タイプは、前述の面加工部位DB23(図6参照)の
加工タイプと加工部位の面積とを組み合わせたものと等
価であると言える。特殊加工部位について、前述の加工
対象面群のコスト計算と同様の方法を適用することもも
ちろん可能であるが、本実施形態では、できるだけ見積
もり処理時間を低減するため、規格化された部位につい
てはより簡単に計算ができるようにしたのである。
【0044】特殊加工部位群の加工費については、前述
の加工対象面群の場合と同様、型部品タイプを考慮する
必要がある。すなわち、特殊加工部位群の場合も、加工
対象面群の場合と同様、加工のタイプ(すなわち特殊加
工部位タイプ)と型部品タイプとにより、作業コード分
類を行い、作業コードごとに加工単価を定める。このよ
うにする理由は、前述の加工対象面群のコスト計算の場
合と同様なので、説明を省略する。
【0045】したがって、本実施形態のシステムでは、
特殊加工部位群についても、図7と同様のテーブルが作
業コードDB27に登録されており(この場合特殊加工
部位タイプが図7の「加工タイプ」に対応する)、それ
ら各作業コードに対応する加工単価が加工単価DB29
に登録されている。なお、ここでは、分かり易くするた
め、特殊加工部位タイプを「ガイドポスト穴」などの名
称で示したが、このタイプは、当然ながら、加工タイプ
と同様識別番号で表してもよい。
【0046】作業コードDB27と加工単価DB29か
ら求めた加工単価を、前述の方法で求めた加工時間に乗
じることにより、加工費を求めることができる。すべて
の特殊加工部位について、そのようにして求めた加工費
を総和することにより、前特殊加工部位についての加工
費が求められる。
【0047】[処理手順]次に、フローチャートを用い
て、本実施形態における加工コストの見積もり処理の手
順を説明する。
【0048】<全体>まず、図10を参照して、全体的
な処理手順を説明する。
【0049】まず、パラメトリックに形状変更が可能な
CADシステム10により、設計者が金型の形状設計を
行う(S10)。次に、このCADシステム10上で、
設計者が、形状設計によりできたソリッドモデルに対
し、粗さ属性及び特殊加工部位属性の設定を行う(S1
2、S14)。粗さ属性は、モデルの面のうち、加工対
象の面に対して設定し、その属性値は仕上げ粗さのレベ
ルである。特殊加工部位属性は、所定のいずれかの特殊
加工部位タイプに該当する部位に対して設定し、その属
性値は特殊加工部位タイプである。このように設定され
た属性データは、CADデータ12に保持される。ここ
までがCADシステム10における処理である。
【0050】形状設計、及び粗さ属性、特殊加工部位属
性の設定が完了すると、加工費見積もり処理部14にお
ける見積もり処理が開始される。この見積もり処理にお
いては、まずオペレータが、型部品タイプや主加工方向
などの見積もりの前提条件を入力する(S16)。すな
わち、これから見積もりを行う金型が、上型、下型、パ
ッド等のいずれの型部品タイプに該当するのか、及び加
工作業の際の主加工方向はそのソリッドモデルに対して
どの方向なのか、等の条件を入力するわけである。型部
品タイプや主加工方向は、CADデータ(形状及び各種
属性データ)だけから自動判定することができないの
で、人手による入力を行う。なお、もちろん、これら見
積もり条件は、CADシステム10にて予め設定してお
いてもよい。
【0051】見積もり条件の入力が完了すると、見積も
り処理が開始される。本実施形態では、粗さ属性の設定
された面群(すなわち加工対象面群)についての見積も
りと、特殊加工部位属性が設定された部位群についての
見積もりとを、概念上、分けて行う。ここでは、前者を
面加工見積もり処理(S20)と呼び、後者を特殊加工
見積もり処理(S30)と呼ぶ。これらS20及びS3
0の処理の詳細については、後に改めて説明する。いず
れにしても、S20によれば粗さ属性の設定された面群
についての総加工費を求めることができ、S30によれ
ば特殊加工部位属性が設定された部位群についての総加
工費を求めることができる。これらS20及びS30の
処理は、全く独立に行うことができるので、それら処理
の実行順序は図示のものに限られない。
【0052】面加工見積もり処理(S20)と特殊加工
見積もり処理(S30)の両方が完了すると、それら両
者の見積もり結果を統合して、金型全体の加工費を求め
る(S40)。これにより、金型を製作するのに機械加
工処理に要する総費用が分かる。これが金型の加工費と
して出力される。
【0053】なお、本実施形態のシステムでは、この総
加工費に加え、金型製作のための工程表を作るための原
データを出力する。この工程表用原データは、単純に
は、加工部位ごとの作業コードと加工時間との組合せを
羅列したものでよい。特殊加工部位については、同じタ
イプのものが複数あっても定型的な処理が繰り返される
だけなので、加工部位ごとと言うよりはタイプごとに作
業コードと加工時間を集計すればよい。作業コードや加
工時間の情報は、見積もり処理の過程で求めることがで
きるので、これを工程表用原データとして用いるのであ
る。後流の工程設計では、この原データを見ながら、設
計者が適切な作業の順序を定め、工程表を作成すること
になる。
【0054】このような一連の手順により、金型を加工
する際の加工費及び工程表用原データ30(図1参照)
が求められる。
【0055】以上、本実施形態の見積もり処理の全体の
流れを説明した。このような処理により、金型の総加工
費が求められると、これを目標額と比較することによ
り、与えられたCADモデルが加工費の要件を満足する
設計であるか否かが判定できる。
【0056】では、次に、面加工見積もり処理(S2
0)及び特殊加工見積もり処理(S30)の詳細を順に
説明する。
【0057】<面加工見積もり>面加工見積もり処理
(S20)の詳細な手順は、図11に示される。この手
順では、まずCADデータ12から加工対象面の抽出を
行う(S202)。加工対象面は、粗さ属性の設定され
た面である。加工費見積もり処理部14は、CADデー
タ12(ソリッドモデル)の各面の属性データを調べ、
粗さ属性の設定された面を加工対象面として抽出する。
【0058】次に、加工費見積もり処理部14は、抽出
した加工対象面群を、面同士の隣接関係に着目してグル
ープ化する(S204)。この処理では、抽出した各加
工対象面ごとに、CADデータ12を参照して、その加
工対象面に隣接する加工対象面を抽出していく。これに
より、各加工対象面ごとに、その面(基準面と呼ぶ)
と、その面に隣接する加工対象面(隣接面と呼ぶ。無い
場合もあれば、1個又は複数ある場合もある)群からな
る面グループが求められる。
【0059】このS204の段階では、各加工対象面ご
とに隣接面群をグループ化するので、同じ面が複数の面
グループに含まれる場合がある。この段階の面グループ
を、抽出面グループと呼ぶ。図12は、抽出面グループ
群のデータ内容の一例を示す図である。この例では、各
面グループごとに基準面のID(CADデータにおける
その面のID)が示され、それに隣接する隣接面のID
が列挙されている。S202で抽出された各加工対象面
ごとに隣接面の面グループを求めるので、各加工対象面
はいずれかの面グループの基準面となっている。例え
ば、図5に示した「彫り込み3面」の加工部位を構成す
る加工対象面の面グループを例にとって考えてみる。図
5の各面に括弧書きで示した数字は、その面のIDを示
す。この部位で、ID45の面を注目したときの面グル
ープがグループ1である。この場合、ID45の面が基
準面であり、ID62、75、76の各面が隣接面とな
る。これに対し、ID62の面に注目した場合、グルー
プkが形成される。この場合、ID62の基準面に対
し、隣接面はID45及び75の面のみとなる(ID7
6の面はID62の面から見て隣接面ではない)。
【0060】このように、各加工対象面に着目して隣接
面のグループを形成していくと、1つの面が複数の面グ
ループに属する場合が出てくる(図12のグループ1と
グループkを参照)。そこで、本実施形態では、同一の
面が所属する面グループの間引きを行い、1つの面が1
つの面グループのみに属するようにする(S206)。
これは、本実施形態では、1つの面グループを、同じ加
工内容を施す1つの加工部位とみなすからである。S2
06の間引き処理は、各種の条件に基づき行う。
【0061】その条件の一つとしては、面グループを構
成する面の数の多いものを残すという条件がある。この
条件は、前述の図12のグループ1とグループk(対応
部位の形状は図5参照のこと)との比較から理解するこ
とができる。すなわち、グループ1とグループkとは、
ID76の面が含まれるか否かが異なるだけで、その他
の構成面は全く同じである。この場合、上記条件により
グループkが間引かれることになる。図5の形状を加工
しようとすれば、ID76の面だけ他の3面と別に加工
するわけにはいかない(仮にそのようにしたとすれば、
非常に効率が悪い)ことから、上記条件の妥当性は理解
されよう。
【0062】また、別の間引き条件として、主加工方向
に対する基準面の向きに関する条件を用いることもでき
る。この条件は、基準面の法線方向が主加工方向に一致
する面グループを最高の優先順位、主加工方向に垂直な
ものを優先順位第2位、主加工方向に対して斜め(平行
でも垂直でもない)場合を優先順位第3位として、もっ
とも優先順位の高い面グループのみを残すという条件で
ある。この条件は、構成面が全く同じ面グループが複数
あった場合に、そのいずれを残すかを決める条件として
用いることができる。例えば、図5の形状の場合、ID
45の面を基準面とした面グループ(図12のグループ
1)と、ID75を基準面とした面グループとは、面の
数もそのグループを構成する面も全く同じである。この
ような場合、グループ1は、基準面(ID45)の法線
方向が主加工方向に一致する(すなわち最高優先順位を
持つ)ので、これが選択され、ID75の面を基準面と
したグループは間引かれることになる。
【0063】このように、主加工方向に対する基準面の
向きを間引き条件に考慮するのは、もっとも加工コスト
の低い(加工時間、費用が少ない)ものを残すためであ
る。すなわち、図5に示した形状は、主加工方向に沿っ
て加工を進めても、ID75の面に垂直な方向に沿って
加工を進めても、加工することはできるが、主加工方向
に沿って加工する方が加工速度が速い(さらに言えばワ
ークのセットのし直し等の作業も発生しにくい)ので、
その方向に合致した面グループを選択するわけである。
【0064】このような間引き条件に従った間引き処理
が完了すると、残った各面グループ(間引き後面グルー
プと呼ぶ)ごとに、形状タイプの判定を行う(S20
8)。この判定は、形状タイプ判定ルールDB21の諸
ルールに従い、前述した手順で行われる。この処理によ
り、各面グループ(すなわち加工部位)ごとに、その形
状タイプが決まる。また、このとき、同時にその面グル
ープを構成する各面の粗さ属性値から、その面グループ
の仕上げ粗さが求められる。また、各面グループの基準
面の法線方向と主加工方向との関係から、その面グルー
プの「向き」も決定できる。
【0065】形状タイプが判定されると、次に、各間引
き後面グループごとに、加工面積を求める(S21
0)。この加工面積は、例えば、その面グループを構成
する面群の総面積などである。加工面積は、CADデー
タ12の各面の情報から、求めることができる。なお、
形状タイプの判定(S208)と加工面積の算出(S2
10)は、いずれを先に行ってもよい。
【0066】各間引き後面グループの形状タイプ及び加
工面積が求められると、それら各グループの加工時間を
求める(S212)。加工時間は、前述のように、形状
タイプ、向き、仕上げ粗さ、加工面積(これらはこれま
でのステップで求められている)などのファクタから面
加工部位DB23にて単位加工時間を求め、その単位加
工時間に加工面積を乗じることにより求めることができ
る。なお、このステップでは、各面グループの加工時間
を求める過程で、それら各面グループの加工タイプが特
定できる。
【0067】各間引き後面グループの加工時間及び加工
タイプが求められると、次にそれら各面グループに作業
コードを割り当てる(S214)。このステップでは、
前述したように、各面グループの加工タイプと、設計対
象の型部品のタイプ(上型、下型など)とから、作業コ
ードDB27を参照して、各面グループに割り当てる作
業コードを決定する。
【0068】作業コードの割り当てが終わると、各間引
き後面グループの作業コードとS212で求めたそれら
各面グループの加工時間から、加工費を算出する(S2
16)。このステップでは、各間引き後面グループごと
に、加工単価DB29からそのグループの作業コードに
対応する加工単価を求め、この加工単価をその面グルー
プの加工時間に乗算する。これにより、個々の面グルー
プの加工費が求められる。これら個々の面グループの加
工費を総和することにより、設計対象の金型全体につい
ての加工費(ただし特殊加工部位に関する費用は除く)
が求められる。
【0069】このような処理手順により、粗さ属性が設
定された面群の加工に要する総加工費が求められる。ま
た、この処理手順の副産物として、各面グループごとに
作業コードと加工時間とが分かるので、これらの情報を
例えばリスト化して出力すれば、これを工程表作成の基
礎となる原データとして用いることができる。
【0070】<特殊加工見積もり>次に、特殊加工見積
もり(S30)の詳細な手順を図13を参照して説明す
る。
【0071】この手順は、CADデータ12から特殊加
工部位属性の設定された部位を抽出する(S302)こ
とから始まる。特殊加工部位属性には、「ガイドポスト
穴」などの特殊加工部位タイプが設定されており、この
ステップでは、各特殊加工部位ごとにそのタイプが求め
られる。
【0072】次に、各特殊加工部位のタイプの情報に基
づき、特殊加工部位DB25を参照して、加工時間を算
出する(S304)。特殊加工部位DB25は、各特殊
加工部位タイプごとの1個当たりの加工時間の情報を保
持しているので、これを参照すれば各特殊加工部位ごと
の加工時間が分かる。なお、特殊加工部位は定型的な形
状であり、タイプが同じであれば加工内容が全く同じで
あるので、もし設計対象の金型に同じタイプの特殊加工
部位が複数あれば、それらは続けて一気に加工した方が
効率的である。そこで、このステップでの加工時間は、
各特殊加工部位タイプごとに集計する。すなわち各タイ
プごとに、1個当たりの加工時間とその個数を乗算する
ことにより、各タイプごとの加工時間を求める。
【0073】加工時間が求められると、次に特殊加工部
位タイプと設計対象の型部品のタイプとから、作業コー
ドDB27を参照して、各特殊加工部位タイプに割り当
てる作業コードを決定する(S306)。この処理は、
前述の面加工見積もりのS214と同様の処理内容でよ
い。
【0074】そして、このようにして作業コードの割り
当てが終わると、各特殊加工部位タイプの作業コードと
S304で求めたそれら各タイプの加工時間から、加工
費を算出する(S308)。このステップでは、各特殊
加工部位タイプの作業コードから、加工単価DB29を
参照して、そのコードに対応する加工単価を求め、この
加工単価を当該タイプの加工時間に乗算することによ
り、個々のタイプについての加工費を求める。そして、
このようにして求めた加工費をすべての特殊加工部位タ
イプについて総和することにより、特殊加工部位群の総
加工費を求めることができる。なお、この手順でも、総
加工費算出の副産物として、工程表用原データを求める
ことができる。
【0075】以上説明した面加工見積もり処理(S2
0)及び特殊加工見積もり処理(S30)の結果を統合
することにより、設計対象の金型の総加工費を求めるこ
とができる。
【0076】[金型設計支援統合システム]以上では、
加工コスト見積もりのためのシステムを説明した。次
に、この見積もりシステムを組み込んだ金型設計支援統
合システムについて説明する。
【0077】図14は、金型設計支援統合システムの全
体像を表す機能ブロック図である。このシステムにおい
て、加工費見積もり処理部14及び加工DB20が、既
に説明した加工コスト見積もりシステムを構成してい
る。この統合システムは、その加工コスト見積もりシス
テムの他に、購入費の見積もりシステムを有し、金型の
製作に必要な総費用(型費と呼ぶ)を求めることができ
る。
【0078】すなわち、金型では、主要部分は鋳物等に
機械加工を施すことにより製作されるが、その他に取り
付け具など、細々とした規格的な部品が必要となる。こ
れらの部品は、既製品を購入することによりまかなうこ
とができる。金型が予算内で製作できるか否かは、加工
費だけでなく、購入費も含めた型費で判断する必要があ
る。この統合システムは、このような型費のチェックを
行うための装置である。
【0079】この統合システムにおいて、型費見積もり
部13は、加工費の見積もり機構と、購入費の見積もり
機構とから構成される。前者は、CADシステム10、
CADデータ12、加工費見積もり処理部14及び加工
DB20により構成され、その手順は既に説明したとお
りなので、ここでは説明を省略する。
【0080】一方、購入費の見積もりは、購入費見積も
り処理部15が購入品DB40を参照して行う。購入品
DB40には、既製部品それぞれの単価が登録されてい
る。購入費見積もり処理部15は、CADデータ12か
ら各既製部品の呼び名を検出し、その呼び名に基づい
て、購入品DB40から各既製部品の単価を求め、すべ
ての部品についてその単価を総和することにより、総購
入費を求める。なお、部品によっては、供給元に追加加
工を要請する場合があるので、そのような追加加工の費
用は、例えばオペレータが推算して購入費見積もり処理
部15に入力し、これが総購入費に反映される。
【0081】このようにして求められた総加工費、総購
入費が型費チェック処理部16で合計され、型費が求め
られる。そして、型費チェック処理部16は、求められ
た型費と、予め登録されていた型費目標とを比較する。
そして、型費チェック処理部16は、型費が型費目標の
許容範囲で収まっている場合は、CADデータ12が示
す設計が目標を満足するものと判断し、部品明細表や工
程表用原データ、型費などの結果データ50を出力す
る。逆に、求めた型費が型費目標の許容範囲を超える場
合は、CADシステム10に対し、CADデータ12を
修正すべき旨のメッセージを送る。
【0082】このような統合システムにより、金型設計
が目標予算を満足するものかどうかを素早く判定するこ
とができ、予算内で収まるよう、設計にフィードバック
をかけることができる。
【0083】ここで、CADシステム10は、パラメト
リックに形状変更が可能なソリッドモデラなので、目標
予算を超過した場合は、一部の寸法を変えることにより
容易に設計を変更することができる。
【0084】[その他]以上、本発明に係る加工コスト
見積もりシステム及びこのシステムを組み込んだ金型設
計支援統合システムの実施形態について説明した。
【0085】以上説明したように、本実施形態では、C
ADのモデルの加工対象面に粗さ属性を設定し、その粗
さ属性の情報に基づき加工コスト(加工時間や加工費)
を求める。特に、本実施形態では、各加工部位の形状タ
イプと粗さ属性に着目し、各部位に必要な加工内容(加
工タイプ)をデータベース化したことにより、CADデ
ータから自動的に各加工部位の加工タイプを判定するこ
とが可能となった。判定した加工タイプに応じて加工時
間や加工費のレートが定まるので、そのレートから加工
時間、加工費を求めることができる。なお、本実施形態
では、加工費のレート(加工単価)は、加工内容だけで
なく型部品タイプも考慮して定めた。これにより、製作
対象の特徴により、用いる工作機械が異なってくる場合
などにも対応した、きめ細かい加工費計算が可能にな
る。
【0086】また、本実施形態では、定型的な加工内容
で形成することができる部位(特殊加工部位)について
は、上述の粗さと面積による見積もりの代わりに、もっ
と単純化した1箇所当たりのレートによる見積もりを可
能にしたので、加工費の見積もりが高速化できる。
【0087】このように、本実施形態によれば、加工費
や型費を自動見積もりすることができ、この見積もり結
果を設計にフィードバックすることができるので、加工
費や型費の低減を実現することが可能になる。
【0088】また、本実施形態において設定した加工対
象面の粗さ属性や特殊加工部位属性は、当該システムの
後流のCAMシステムでのNC計算に利用することがで
きる。
【0089】なお、以上に説明した実施形態では、加工
コストのレート、すなわち単位加工時間や加工単価をデ
ータベース化したが、これはあくまで一例である。加工
コストの見積もりのためには、加工コストの算出規則が
分かっていればよいので、その算出式などをデータベー
ス化することも好適である。例えば、ある加工を繰り返
し行うのに、一律的な初期コストと繰り返しに応じた従
量的なコストがかかる場合などは、加工コストは単純な
単価ベースでは求められないが、このような場合にはレ
ートの代わりにその算出ルールをデータベースに登録し
ておけばよい。
【0090】また、以上の例では、1つの加工タイプ
(加工内容)は1つの作業コードに対応づけていた。し
かしながら、1つの加工タイプの部位を形成しようとし
た場合、複数の作業が必要となる場合がある。例えば、
非常に精密な仕上げが必要な部位の場合、粗加工に加
え、何段階かの仕上げ研磨が必要になる場合がある。こ
のような場合には、1つの加工タイプが、必要な複数の
作業を表す複数の作業コードにマッピングされる場合が
出てくる。そのような加工タイプについては、面加工部
位DB23等のデータベースに、例えば各作業ごとの単
位加工時間の算出規則を登録しておけばよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る加工コスト見積もりシステムの
概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】 CADデータに含まれる粗さ属性のデータ内
容の一例を示す図である。
【図3】 CADデータに含まれる特殊加工部位属性の
データ内容の一例を示す図である。
【図4】 形状タイプの一例を示す図である。
【図5】 形状タイプの別の例を示す図である。
【図6】 面加工部位DBのデータ内容の一例をテーブ
ル形式で表した図である。
【図7】 作業コードDBのデータ内容の一例をテーブ
ル形式で表した図である。
【図8】 加工単価DBのデータ内容の一例を示した図
である。
【図9】 特殊加工部位DBのデータ内容の一例を示す
図である。
【図10】 実施形態の見積もりシステムの全体的な処
理手順を示すフローチャートである。
【図11】 面加工見積もり処理の詳細手順を示すフロ
ーチャートである。
【図12】 抽出面グループのデータ内容の一例を示す
図である。
【図13】 特殊加工見積もり処理の詳細手順を示すフ
ローチャートである。
【図14】 実施形態の加工コスト見積もりシステムを
組み込んだ金型設計支援統合システムの一例を示す機能
ブロック図である。
【符号の説明】
10 CADシステム、12 CADデータ、13 型
費見積もり部、14加工費見積もり処理部、15 購入
費見積もり処理部、16 型費チェック処理部、20
加工DB、21 形状タイプ判定ルールDB、23 面
加工部位DB、25 特殊加工部位DB、27 作業コ
ードDB、29 加工単価DB、30加工費及び工程表
用原データ、40 購入品DB。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 享 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 藤田 一良 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 落合 聖春 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 平松 孝之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 水野 浩孝 愛知県名古屋市東区東桜1丁目3番10号 株式会社トヨタシステムリサーチ内 Fターム(参考) 5B046 DA02 KA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械加工製品のCADモデルにおける各
    加工対象面に対し、粗さ属性を設定する粗さ設定手段
    と、 それら各加工対象面に設定された粗さ属性とに基づき、
    前記製品の加工対象面群に関する加工コストを算出する
    コスト見積もり手段と、 を含む加工コスト見積もり装置。
  2. 【請求項2】 前記コスト見積もり手段は、 前記CADモデルにおける隣接する加工対象面同士をグ
    ループ化することにより、前記CADモデルに含まれる
    加工対象面群を1以上の面グループに分けるグループ化
    手段と、 グループ化手段で求められた各面グループごとに、当該
    面グループが成す形状に基づき当該面グループを所定の
    形状タイプのいずれに属するかを判定するタイプ判定手
    段と、 形状タイプと粗さ属性との組合せに応じた加工コスト算
    出ルールを記憶したコストデータベースと、 前記各面グループごとに、前記タイプ判定手段で求めた
    当該面グループの形状タイプと、その面グループを構成
    する各面の粗さ属性との組合せに対応する加工コスト算
    出ルールを前記コストデータベースから求め、このルー
    ルに基づき当該面グループの加工コストを算出する個別
    コスト算出手段と、 を含むことを特徴とする請求項1記載の加工コスト見積
    もり装置。
  3. 【請求項3】 前記コストデータベースの加工コスト算
    出ルールは、面グループの形状タイプ、粗さ属性に加
    え、予め設定された主加工方向に対する当該面グループ
    の向きに応じて更に分類され、前記個別コスト算出手段
    は、各面グループの向きを考慮して前記コストデータベ
    ースから加工コスト算出ルールを検索することを特徴と
    する請求項2記載の加工コスト見積もり装置。
  4. 【請求項4】 各面グループの加工コストを総和するこ
    とにより総加工コストを算出する面加工コスト算出手段
    を更に備えることを特徴とする請求項2又は請求項3記
    載の加工コスト見積もり装置。
  5. 【請求項5】 前記CADモデルにおいて所定の特殊加
    工部位に該当する部位にその特殊加工部位の種類を表す
    特殊加工属性を設定する手段と、 CADモデルから各特殊加工部位を抽出する手段と、 特殊加工部位の種類ごとの加工コスト算出ルールを登録
    した特殊加工コストデータベースと、 CADモデルから抽出した各特殊加工部位の加工コスト
    算出規則を前記特殊加工コストデータベースから求め、
    それらを総和することにより特殊加工部位に関する総加
    工コストを算出する手段と、 この特殊加工部位に関する総加工コストと、前記面加工
    コスト算出手段で求められた加工コストとを総和するこ
    とにより、前記CADモデル全体の総加工コストを求め
    る手段と、 を含む請求項4記載の加工コスト見積もり装置。
  6. 【請求項6】 加工タイプと粗さ属性の組合せごとに加
    工単価を登録した加工単価データベースと、 製品を表すCADデータから、粗さ属性の設定された面
    を抽出する手段と、 それら抽出面同士を隣接関係に基づいてグループ化して
    面グループを形成し、各面グループごとに、当該面グル
    ープの成す形状に基づき当該面グループの加工タイプを
    判定する手段と、 各面グループごとに、当該面グループの加工タイプと粗
    さ属性との組合せに対応する加工単価を前記加工単価デ
    ータベースから求め、この加工単価と当該面グループを
    構成する面の面積とから当該面グループの加工コストを
    算出し、求められた各面グループの加工コストを総和す
    ることにより、前記加工対象面群全体の加工コストを算
    出する手段と、 を有する加工コスト見積もり装置。
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JP2004133928A (ja) * 2002-09-20 2004-04-30 Ricoh Co Ltd ハーネス加工の見積りシステム及び見積り方法及びプログラム
JP2017215925A (ja) * 2016-05-25 2017-12-07 株式会社Nvt 見積支援装置、算出方法、およびプログラム

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