JP2000224713A - ハイブリッド車両及びその制御方法 - Google Patents
ハイブリッド車両及びその制御方法Info
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Abstract
動力源ブレーキを精度よく実現する。 【解決手段】 車両の動力系統を、エンジン10,モー
タ20,トルクコンバータ30,変速機100および車
軸17を直列に結合した構成とする。変速機は制御ユニ
ット70の制御により変速比を変更可能な機構である。
運転者は、車内のシフトレバー等を操作して、動力源ブ
レーキによる減速度を指示することができる。制御ユニ
ットは、マップを参照して指示された減速度に応じた変
速段を選択する。アクセルがオフになると車両に搭載さ
れた加速度センサの検出信号に基づいて要求減速度での
制動を実現するようにモータのトルクをフィードバック
制御する。
Description
とを動力源とするハイブリッド車両およびその制御方法
に関し、詳しくは任意の目標加速度で走行可能なハイブ
リッド車両および該走行を実現する制御方法に関する。
て、エンジンと電動機とを動力源とするハイブリッド車
両が提案されている。例えば特開平9−37407に記
載のハイブリッド車両は、変速機を介してエンジンの出
力軸を駆動軸に結合した通常の車両の動力系統に対し
て、エンジンと変速機の間に直列に電動機を追加した構
成からなる車両である。かかる構成によれば、エンジン
および電動機の双方を動力源として走行することが可能
である。一般に車両の発進時にはエンジンの燃費が悪
い。ハイブリッド車両は、かかる運転を回避するため、
電動機の動力を利用して発進する。車両が所定の速度に
達して以降に、エンジンを始動し、その動力を利用して
走行する。従って、ハイブリッド車両は、発進時の燃費
を向上することができる。また、ハイブリッド車両は、
駆動軸の回転を電動機により電力として回生して制動時
することができる(以下、かかる制動を回生制動と呼
ぶ)。ハイブリッド車両は、回生制動により、運動エネ
ルギを無駄なく利用できる。これらの特徴によりハイブ
リッド車両は、燃費に優れるという利点を有している。
望の加速度が得られるように、アクセルペダルの踏み込
み量を調整する。ハイブリッド車両では、アクセルペダ
ルの踏み込み量に応じて、エンジンおよび電動機から出
力する目標トルクを設定し、該トルクが出力されるよう
にそれぞれの運転を制御しながら走行している。車両の
操作性を向上するためには、加速時にアクセルペダルの
踏み込み量を頻繁に調整しなくても所望の加速度で加速
が行われることが望ましい。
運転者の意図した減速度での制動を容易に実現できるこ
とが望ましい。一般に車両の制動方法には、ブレーキペ
ダルの操作に応じてパッド等を押しつけて車軸に摩擦を
与える形式の制動方法(以下、単にホイールブレーキと
呼ぶ)と、いわゆるエンジンブレーキのように動力源か
ら駆動軸に負荷を与える制動方法(以下、動力源ブレー
キと呼ぶ)とがある。ハイブリッド車両では、動力源ブ
レーキとして、エンジンのポンピングロスに基づくエン
ジンブレーキと、電動機での回生負荷による回生制動と
がある。動力源による制動は、アクセルペダルからブレ
ーキペダルへの踏み換えを行うことなく制動を行うこと
ができる点で有用である。従って、運転者の意図する減
速度での制動を動力源ブレーキによって実現することが
できれば、車両の操作性が大きく向上する。
リッド車両では、運転者の意図した加速度および減速度
を適切に実現することができなかった。動力源から出力
されるトルクおよび制動力と、実際に車両に生じる加速
度および減速度との関係は、車両の状態に応じて変化す
る。例えば、乗員が増え、車両の重量が増した場合に
は、動力源から出力したトルクが一定であっても加速度
は低下する。かかる原因から、従来のハイブリッド車両
は、現実の加速度および減速度が運転者の感覚とずれて
いる場合があった。
度および減速度を十分に幅広い範囲で調整することがで
きないという課題もあった。かかる課題は制動時におい
て特に顕著であった。エンジンブレーキによる制動力は
回転数に応じてほぼ決まった量となるため、従来のハイ
ブリッド車両では、電動機の回生負荷が変更可能な範囲
で減速度を設定することができるに過ぎなかった。この
ため、運転者の意図する減速度を十分に得ることができ
ない場合があった。特に車両が高速で走行中に減速度が
不足する傾向にあった。
れたものであり、設定された加速度および減速度での走
行を精度良く行い得るハイブリッド車両およびかかる走
行を実現するための制御方法を提供することを目的とす
る。また、加速度および減速度を幅広い範囲で調整可能
なハイブリッド車両および制御方法を提供することを目
的とする。
負の加速度と同義である。従って、本明細書では、以
下、加速度という用語を、減速度も含めた意味で使用す
る。減速度を含まない意味で加速度という用語を使用す
る場合には、「正の加速度」と明記する。また、負の加
速度のみを意味する場合には、「減速度」という用語を
用いる。
述の課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は
次の構成を採った。本発明のハイブリッド車両は、エン
ジンと電動機とを含む動力源に結合された車軸を有し、
該動力源のトルクによって走行および制動可能なハイブ
リッド車両であって、該車両の目標加速度を入力する入
力手段と、前記エンジンを前記目標加速度に基づいて定
まる運転状態で運転するエンジン制御手段と、該車両の
加速度を検出する検出手段と、該加速度と前記目標加速
度との偏差に基づいて前記電動機の運転を制御し、該偏
差を所定の範囲内に収束させる電動機制御手段とを備え
ることを要旨とする。
れた車両の目標加速度と、実際の加速度との偏差に基づ
いて電動機をいわゆるフィードバック制御することによ
り、所望の加速度を精度良く実現することができる。従
って、ハイブリッド車両の操作性を大きく向上すること
ができる。
は、目標加速度での加速を行うためには、エンジンの運
転を制御する必要があった。しかしながら、エンジンの
出力トルク等の制御は比較的精度が低く、応答性も低い
ため、十分な精度を実現することが困難である。これに
対し、電動機は、高い応答性で精度良く運転状態を制御
可能であるという特長がある。本発明は、かかる特長に
着眼してなされたものであり、エンジンを目標加速度に
応じて定まる所定の運転状態で運転した結果生じる加速
度の偏差を電動機の制御によって解消することにより、
高い精度での制御を実現可能としたものである。
観点から、電動機を制御することにより目標加速度を実
現可能な範囲で車両を走行するために必要な状態で運転
するための制御を意味する。かかる制御は種々の方法に
より実現可能であり、例えば、予め記憶された目標加速
度とエンジンの回転数およびトルクとの関係に基づいて
運転を制御するものとしてもよい。当然、目標加速度の
みならず現在の車両の走行状態をも加味したものとして
もよい。また、目標加速度と現実の加速度との偏差が所
定の範囲内に入るようにエンジンの運転状態をフィード
バック制御するものとしてもよい。
エンジンが所定の運転状態で運転された結果生じる加速
度を検出するものを意味する。もちろん、エンジンの制
御に先立って加速度を検出し、エンジンの運転状態の変
化を考慮して電動機の制御を行うものとしてもよい。か
かる場合、エンジンの運転状態の変化を考慮する方法と
しては、例えば、該変化に基づいて実際の加速度と目標
加速度との偏差を補正する方法や、電動機の運転状態を
設定する際に用いられる種々のゲインを補正する方法な
ど、種々の方法を採ることができる。
の回転数との変速比を複数変更可能な変速機が、前記動
力源と前記車軸との間に介在されるハイブリッド車両に
適用することもできる。
差に基づいて変速機の変速比をも制御するものとすれ
ば、車軸に出力されるトルクの変速比を幅広い範囲で変
更することが可能となる。従って、かかるハイブリッド
車両によれば、幅広い範囲で入力された加速度及び減速
度を実現することができる。
変速機の変速比の制御方法は、種々の態様が考えられ
る。例えば、該変速機を制御して、前記加速度と前記目
標加速度との偏差に基づいて該変速比を切り替える変速
機制御手段を備え、前記電動機制御手段は、前記偏差お
よび前記変速比に基づいて前記電動機の運転を制御する
手段であるものとすることができる。
御する態様である。即ち、加速度と目標加速度との偏差
に基づいて、車軸に出力されるトルクが不足していると
判断される場合には、変速比が大きくなるように変速機
を制御する。逆に、出力されるトルクが過剰であると判
断される場合には、変速比が小さくなるように変速機を
制御する。また、電動機は、変速機の変速比をも考慮し
て制御される。変速機を備えない車両では、不足または
過剰のトルクが電動機の運転を変化させることにより解
消されるのに対し、上記ハイブリッド車両では、変速比
の変更と電動機の運転状態の制御とによって解消され
る。この結果、上記ハイブリッド車両によれば、電動機
の運転状態が大きく変動することを抑制することがで
き、安定した制御を実現することができる。
段階的に変速比を切り替えられる変速機を適用すること
も可能であるが、連続的に変速比を切り替えられる機構
を適用することがより望ましい。こうすれば、変速機の
制御により、前記不足または過剰のトルクをより適切に
解消することが可能となる。
い。つまり、前記目標加速度と前記変速比との予め定め
られた関係を記憶する記憶手段と、前記変速機を制御し
て、前記関係に応じて前記目標加速度に基づいて定まる
変速比への切り替えを行う変速機制御手段とを備え、前
記電動機制御手段は、前記加速度と前記目標加速度との
偏差および前記変速比に基づいて前記電動機の運転を制
御する手段であるものとしてもよい。即ち、変速機を開
ループ制御する態様である。
応じて変速機の変速比を所定の値に設定した上で、電動
機の運転をフィードバック制御する。一般に変速機の変
速比の制御は応答性が比較的低い。目標加速度に基づい
て変速比を所定の値に開ループ制御する場合に要求され
る応答性も比較的低い。従って、開ループ制御いより変
速機を制御すれば、ハイブリッド車両を安定して制御す
ることができる。また、かかる制御は、変速機の制御が
簡単なものになる利点もある。
度を動力源からのトルクで実現可能な範囲の変速比が記
憶される。目標加速度に応じてエンジンの運転状態が予
め推定可能な場合には、エンジンの運転状態をも考慮し
て、前記関係を設定することができる。なお、この関係
は、目標加速度の他、車速などを考慮して変速比を与え
るものとしても良いことはいうまでもない。
加速度は、車両の走行状態に応じて目標加速度を演算す
るものとしてもよいが、前記入力手段は、該ハイブリッ
ド車両の運転者により指示された目標加速度の入力を行
う手段であるものとしてもよい。
走行を実現することができる。運転者はアクセルやブレ
ーキ等を頻繁に操作しなくても所望の状態で走行するこ
とが可能となる。従って、車両の操作性を大きく向上す
ることができる。なお、目標加速度を車両の走行状態に
応じて演算するものとしては、例えば、車速や前方の車
両との車間距離を一定に保って走行する制御を行う場合
に、車速または車間距離の目標値と実際の値との偏差に
基づいて目標加速度を演算する場合が挙げられる。
は、前記目標加速度に基づく制御の実行の指示を入力す
る実行指示入力手段と、該指示が入力された場合にの
み、前記入力手段、エンジン制御手段、検出手段、電動
機制御手段の全ての動作を許可する許可手段とを備える
ものとすることが望ましい。
が入力された時のみ、目標加速度を実現する制御がなさ
れる。かかる指示を運転者が入力する場合、運転者は所
定の目標加速度での走行が実現されることを明確に意識
することができるから、違和感のない運転を行うことが
可能となる。特に、目標加速度を運転者が入力する場合
には、自己が入力した加速度での走行が実現されること
を明確に意識するため、不用意に目標加速度の設定を変
更するなどの過誤を回避することができる。
も適用可能であるが、前記目標加速度は、前記動力源の
トルクによる制動時の加速度であり、前記エンジン制御
手段は、車軸に制動トルクをかけ得る状態で前記エンジ
ンを運転する手段であるものとすることが望ましい。
精度良く調整する必要を感じるのは、制動時が多い。制
動は、前方の車両との車間距離を開けたい場合や、停止
したい場合などの必要に応じて行われることが多い。か
かる場合に、運転者が意図した減速度よりも低い減速度
で制動が行われれば、運転者はブレーキペダルを踏み込
みホイールブレーキを使用する必要が生じる。また、運
転者が意図した減速度よりも高い減速度で制動が行われ
れば、制動後に大きな加速が必要となる。いずれにして
も車両の滑らかな走行が妨げられ、動力源ブレーキの有
用性が損なわれる。本発明によれば、所定の減速度での
制動を精度良く行うことができるため、かかる弊害を回
避することができる。この結果、動力源ブレーキの有用
性を向上し、車両の操作性を向上することができる。本
発明は、このように制動時に特に有効に適用することが
できる。
車両の制御方法として構成することもできる。即ち、少
なくともエンジンと電動機とを含む動力源に結合された
車軸を有し、該動力源のトルクによって走行および制動
可能なハイブリッド車両の制御方法であって、(a)
該車両の目標加速度を入力する工程と、(b) 前記エ
ンジンを前記目標加速度に基づいて定まる運転状態で運
転する工程と、(c) 該車両の加速度を検出する工程
と、(d) 該加速度と前記目標加速度との偏差に基づ
いて前記電動機の運転を制御する工程とを備える制御方
法である。
イブリッド車両について説明したと同様の作用により、
入力された目標加速度を精度良く実現することができ
る。この結果、ハイブリッド車両の操作性を大きく向上
することができる。なお、制御方法においても、先にハ
イブリッド車両の発明で説明した種々の付加的な要素を
備えることが可能である。
例に基づいて説明する。 (1)装置の構成:図1は、実施例としてのハイブリッ
ド車両の概略構成図である。本実施例のハイブリッド車
両の動力源は、エンジン10とモータ20である。図示
する通り、本実施例のハイブリッド車両の動力系統は、
上流側からエンジン10、モータ20、トルクコンバー
タ30、および変速機100を直列に結合した構成を有
している。具体的には、モータ20は、エンジン10の
クランクシャフト12に結合されている。モータ20の
回転軸13は、トルクコンバータ30に結合されてい
る。トルクコンバータの出力軸14は変速機100に結
合されている。変速機100の出力軸15はディファレ
ンシャルギヤ16を介して車軸17に結合されている。
ある。但し、エンジン10は、ガソリンと空気の混合気
をシリンダに吸い込むための吸気バルブ、および燃焼後
の排気をシリンダから排出するための排気バルブの開閉
タイミングを、ピストンの上下運動に対して相対的に調
整可能な機構を有している(以下、この機構をVVT機
構と呼ぶ)。VVT機構の構成については、周知である
ため、ここでは詳細な説明を省略する。エンジン10
は、ピストンの上下運動に対して各バルブが遅れて閉じ
るように開閉タイミングを調整することにより、いわゆ
るポンピングロスを低減することができる。この結果、
いわゆるエンジンブレーキによる制動力を低減させるこ
とができる。また、エンジン10をモータリングする際
にモータ20から出力すべきトルクを低減させることも
できる。ガソリンを燃焼して動力を出力する際には、V
VT機構は、エンジン10の回転数に応じて最も燃焼効
率の良いタイミングで各バルブが開閉するように制御さ
れる。
外周面に複数個の永久磁石を有するロータ22と、回転
磁界を形成するための三相コイルが巻回されたステータ
24とを備える。モータ20はロータ22に備えられた
永久磁石による磁界とステータ24の三相コイルによっ
て形成される磁界との相互作用により回転駆動する。ま
た、ロータ22が外力によって回転させられる場合に
は、これらの磁界の相互作用により三相コイルの両端に
起電力を生じさせる。なお、モータ20には、ロータ2
2とステータ24との間の磁束密度が円周方向に正弦分
布する正弦波着磁モータを適用することも可能である
が、本実施例では、比較的大きなトルクを出力可能な非
正弦波着磁モータを適用した。
テリ50に電気的に接続されている。駆動回路40はト
ランジスタインバータであり、モータ20の三相それぞ
れに対して、ソース側とシンク側の2つを一組としてト
ランジスタが複数備えられている。図示する通り、駆動
回路40は、制御ユニット70と電気的に接続されてい
る。制御ユニット70が駆動回路40の各トランジスタ
のオン・オフの時間をPWM制御するとバッテリ50を
電源とする疑似三相交流がステータ24の三相コイルに
流れ、回転磁界が形成される。モータ20は、かかる回
転磁界によって先に説明した通り電動機または発電機と
して機能する。
周知の動力伝達機構である。トルクコンバータ30の入
力軸、即ちモータ20の出力軸13と、トルクコンバー
タ30の出力軸14とは機械的に結合されてはおらず、
互いに滑りをもった状態で回転可能である。両者の末端
には、それぞれ複数のブレードを有するタービンが備え
られており、モータ20の出力軸13のタービンとトル
クコンバータ30の出力軸14のタービンとが互いに対
向する状態でトルクコンバータ内部に組み付けられてい
る。トルクコンバータ30は密閉構造をなしており、中
にはトランスミッション・オイルが封入されている。こ
のオイルが前述のタービンにそれぞれ作用することで、
一方の回転軸から他方の回転軸に動力を伝達することが
できる。しかも、両者はすべりをもった状態で回転可能
であるから、一方の回転軸から入力された動力を、回転
数およびトルクの異なる回転状態に変換して他方の回転
軸に伝達することができる。
ッチ、ワンウェイクラッチ、ブレーキ等を備え、変速比
を切り替えることによってトルクコンバータ30の出力
軸14のトルクおよび回転数を変換して出力軸15に伝
達可能な機構である。図2は、変速機100の内部構造
を示す説明図である。本実施例の変速機100は、大き
くは副変速部110(図中の破線より左側の部分)と主
変速部120(図中の破線より右側の部分)とから構成
されており、図示する構造により前進5段、後進1段の
変速段を実現することができる。
から順に説明する。図示する通り、回転軸14から入力
された動力は、オーバードライブ部として構成された副
変速部110によって所定の変速比で変速されて回転軸
119に伝達される。副変速部110は、シングルピニ
オン型の第1のプラネタリギヤ112を中心に、クラッ
チC0と、ワンウェイクラッチF0と、ブレーキB0に
より構成される。第1のプラネタリギヤ112は、遊星
歯車とも呼ばれるギヤであり、中心で回転するサンギヤ
114、サンギヤの周りで自転しながら公転するプラネ
タリピニオンギヤ115、更にプラネタリピニオンギヤ
の外周で回転するリングギヤ118の3種類のギヤから
構成されている。プラネタリピニオンギヤ115は、プ
ラネタリキャリア116と呼ばれる回転部に軸支されて
いる。
ヤのうち2つのギヤの回転状態が決定されると残余の一
つのギヤの回転状態が決定される性質を有している。プ
ラネタリギヤの各ギヤの回転状態は、機構学上周知の計
算式(1)によって与えられる。 Ns=(1+ρ)/ρ×Nc−Nr/ρ; Nc=ρ/(1+ρ)×Ns+Nr/(1+ρ); Nr=(1+ρ)Nc−ρNs; Ts=Tc×ρ/(1+ρ)=ρTr; Tr=Tc/(1+ρ); ρ=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数 ・・・(1);
サンギヤのトルク;Ncはプラネタリキャリアの回転
数;Tcはプラネタリキャリアのトルク;Nrはリング
ギヤの回転数;Trはリングギヤのトルク;である。
軸に相当する回転軸14がプラネタリキャリア116に
結合されている。またこのプラネタリキャリア116と
サンギヤ114との間にワンウェイクラッチF0とクラ
ッチC0とが並列に配置されている。ワンウェイクラッ
チF0はサンギヤ114がプラネタリキャリア116に
対して相対的に正回転、即ち変速機への入力軸14と同
方向に回転する場合に係合する方向に設けられている。
サンギヤ114には、その回転を制止可能な多板ブレー
キB0が設けられている。副変速部110の出力に相当
するリングギヤ118は回転軸119に結合されてい
る。回転軸119は、主変速部120の入力軸に相当す
る。
ラッチC0又はワンウェイクラッチF0が係合した状態
ではプラネタリキャリア116とサンギヤ114とが一
体的に回転する。先に示した式(1)に照らせば、サン
ギヤ114とプラネタリキャリア116の回転数が等し
い場合には、リングギヤ118の回転数もこれらと等し
くなるからである。このとき、回転軸119は入力軸1
4と同じ回転数となる。またブレーキB0を係合させて
サンギヤ114の回転を止めた場合、先に示した式
(1)においてサンギヤ114の回転数Nsに値0を代
入すれば明らかな通り、リングギヤ118の回転数Nr
はプラネタリキャリア116の回転数Ncよりも高くな
る。即ち、回転軸14の回転は増速されて回転軸119
に伝達される。このように副変速部110は、回転軸1
4から入力された動力を、そのままの状態で回転軸11
9に伝える役割と、増速して伝える役割とを選択的に果
たすことができる。
主変速部120は三組のプラネタリギヤ130,14
0,150を備えている。また、クラッチC1,C2、
ワンウェイクラッチF1,F2およびブレーキB1〜B
4を備えている。各プラネタリギヤは、副変速部110
に備えられた第1のプラネタリギヤ112と同様、サン
ギヤ、プラネタリキャリアおよびプラネタリピニオンギ
ヤ、並びにリングギヤから構成されている。三組のプラ
ネタリギヤ130,140,150は次の通り結合され
ている。
32と第3のプラネタリギヤ140のサンギヤ142と
は互いに一体的に結合されており、これらはクラッチC
2を介して入力軸119に結合可能となっている。これ
らのサンギヤ132,142が結合された回転軸には、
その回転を制止するためのブレーキB1が設けられてい
る。また、該回転軸が逆転する際に係合する方向にワン
ウェイクラッチF1が設けられている。さらにこのワン
ウェイクラッチF1の回転を制止するためのブレーキB
2が設けられている。
キャリア134には、その回転を制止可能なブレーキB
3が設けられている。第2のプラネタリギヤ130のリ
ングギヤ136は、第3のプラネタリギヤ140のプラ
ネタリキャリア144および第4のプラネタリギヤ15
0のプラネタリキャリア154と一体的に結合されてい
る。更に、これら三者は変速機100の出力軸15に結
合されている。
146は、第4のプラネタリギヤ150のサンギヤ15
2に結合されるとともに、回転軸122に結合されてい
る。回転軸122はクラッチC1を介して主変速部12
0の入力軸119に結合可能となっている。第4のプラ
ネタリギヤ150のリングギヤ156には、その回転を
制止するためのブレーキB4と、リングギヤ156が逆
転する際に係合する方向にワンウェイクラッチF2とが
設けられている。
C0〜C2およびブレーキB0〜B4は、それぞれ油圧
によって係合および解放する。図示を省略したが、各ク
ラッチおよびブレーキには、かかる作動を可能とする油
圧配管および油圧を制御するためのソレノイドバルブ等
が設けられている。本実施例のハイブリッド車両では、
制御ユニット70がこれらのソレノイドバルブ等に制御
信号を出力することによって、各クラッチおよびブレー
キの作動を制御する。
〜C2およびブレーキB0〜B4の係合および解放の組
み合わせによって、前進5段・後進1段の変速段を設定す
ることができる。また、いわゆるパーキングおよびニュ
ートラルの状態も実現することができる。図3は、各ク
ラッチ、ブレーキ、およびワンウェイクラッチの係合状
態と変速段との関係を示す説明図である。この図におい
て、○印はクラッチ等が係合した状態であることを意味
し、◎は動力源ブレーキ時に係合することを意味し、△
印は係合するものの動力伝達に閑係しないことを意味し
ている。動力源ブレーキとは、エンジン10およびモー
タ20による制動をいう。なお、ワンウェイクラッチF
0〜F2の係合状態は、制御ユニット70の制御信号に
基づくものではなく、各ギヤの回転方向に基づくもので
ある。
ニュートラル(N)の場合には、クラッチC0およびワ
ンウェイクラッチF0が係合する。クラッチC2および
クラッチC1の双方が解放状態であるから、主変速部1
20の入力軸119から下流には動力の伝達がなされな
い。
0,C1およびワンウェイクラッチF0,F2が係合す
る。また、エンジンブレーキをかける場合には、さらに
ブレーキB4が係合する。この状態では、変速機100
の入力軸14は第4のプラネタリギヤ150のサンギヤ
152に直結された状態に等しくなり、動力は第4のプ
ラネタリギヤ150の変速比に応じた変速比で出力軸1
5に伝達される。リングギヤ156は、ワンウェイクラ
ッチF2の作用により逆転しないように拘束され、事実
上回転数は値0となる。かかる条件下で、先に示した式
(1)に照らせば、入力軸14の回転数Nin、トルク
Tinと、出力軸15の回転数Nout、トルクTou
tとの関係は、次式(2)で与えられる。
1、ブレーキB3、ワンウェイクラッチF0が係合す
る。また、エンジンブレーキをかける場合には、さらに
クラッチC0が係合する。この状態では、変速機100
の入力軸14は第4のプラネタリギヤ150のサンギヤ
152および第3のプラネタリギヤ140のリングギヤ
146に直結された状態に等しい。一方、第2のプラネ
タリギヤ130のプラネタリキャリア134は固定され
た状態となる。第2のプラネタリギヤ130および第3
のプラネタリギヤ140について見れば、両者のサンギ
ヤ132、142の回転数は等しい。また、リングギヤ
136とプラネタリキャリア144の回転数は等しい。
これらの条件下で、先に説明した式(1)に照らせば、
プラネタリギヤ130、140の回転状態は一義的に決
定される。入力軸14の回転数Nin、トルクTin
と、出力軸15の回転数Nout、トルクToutとの
関係は、次式(3)で与えられる。出力軸15の回転数
Noutは第1速(1st)の回転数よりも高くなり、
トルクToutは第1速(1st)のトルクよりも低く
なる。
0,C1、ブレーキB2、ワンウェイクラッチF0,F
1が係合する。また、エンジンブレーキをかける場合に
は、さらにブレーキB1が係合する。この状態では、変
速機100の入力軸14は第4のプラネタリギヤ150
のサンギヤ152および第3のプラネタリギヤ140の
リングギヤ146に直結された状態に等しい。一方、第
2および第3のプラネタリギヤ130、140のサンギ
ヤ132、142はブレーキB2およびワンウェイクラ
ッチF1の作用により逆転が禁止された状態となり、事
実上回転数は値0となる。かかる条件下で、第2速(2
nd)の場合と同様、先に説明した式(1)に照らせ
ば、プラネタリギヤ130、140の回転状態は一義的
に決定され、出力軸15の回転数も一義的に決定され
る。入力軸14の回転数Nin、トルクTinと、出力
軸15の回転数Nout、トルクToutとの関係は、
次式(4)で与えられる。出力軸15の回転数Nout
は第2速(2nd)の回転数よりも高くなり、トルクT
outは第2速(2nd)のトルクよりも低くなる。
0〜C2およびワンウェイクラッチF0が係合する。ブ
レーキB2も同時に係合するが、動力の伝達には無関係
である。この状態では、クラッチC1,C2が同時に係
合するため、入力軸14は第2のプラネタリギヤ130
のサンギヤ132、第3のプラネタリギヤ140のサン
ギヤ142およびリングギヤ146、第4のプラネタリ
ギヤ150のサンギヤ152に直結された状態となる。
この結果、第3のプラネタリギヤ140は入力軸14と
同じ回転数で一体的に回転する。従って、出力軸15も
入力軸14と同じ回転数で一体的に回転する。従って第
4速(4th)では、出力軸15は第3速(3rd)よ
りも高い回転数で回転する。つまり、入力軸14の回転
数Nin、トルクTinと、出力軸15の回転数Nou
t、トルクToutとの関係は、次式(5)で与えられ
る。出力軸15の回転数Noutは第3速(3rd)の
回転数よりも高くなり、トルクToutは第3速(3r
d)のトルクよりも低くなる。
1、C2、ブレーキB0が係合する。ブレーキB2も係
合するが、動力の伝達には無関係である。この状態で
は、クラッチC0が解放されるため、副変速部110で
回転数が増速される。つまり、変速機100の入力軸1
4の回転数は、増速されて主変速部120の入力軸11
9に伝達される。一方、クラッチC1,C2が同時に係
合するため、第4速(4th)の場合と同様、入力軸1
19と出力軸15とは同じ回転数で回転する。先に説明
した式(1)に照らせば、副変速部110の入力軸14
と出力軸119の回転数、トルクの関係を求めることが
でき、出力軸15の回転数、トルクを求めることができ
る。入力軸14の回転数Nin、トルクTinと、出力
軸15の回転数Nout、トルクToutとの関係は、
次式(6)で与えられる。出力軸15の回転数Nout
は第4速(4th)の回転数よりも高くなり、トルクT
outは第4速(4th)のトルクよりも低くなる。
2、ブレーキB0、B4が係合する。このとき、入力軸
14の回転数は副変速部110で増速された上で、第2
のプラネタリギヤ130のサンギヤ132、第3のプラ
ネタリギヤ140のサンギヤ142に直結された状態と
なる。既に説明した通り、リングギヤ136、プラネタ
リキャリア144、154の回転数は等しくなる。リン
グギヤ146とサンギヤ152の回転数も等しくなる。
また、第4のプラネタリギヤ150のリングギヤ156
の回転数はブレーキB4の作用により値0となる。これ
らの条件下で先に説明した式(1)に照らせば、プラネ
タリギヤ130、140、150の回転状態は一義的に
決定される。このとき出力軸15は負の方向に回転し、
後進が可能となる。
00は、前進5段、後進1段の変速を実現することがで
きる。入力軸14から入力された動力は、回転数および
トルクの異なる動力として出力軸15から出力される。
出力される動力は、第1速(1st)から第5速(5t
h)の順に回転数が上昇し、トルクが低減する。これは
入力軸14に負のトルク、即ち制動力が付加されている
場合も同様である。上で示した式(2)〜(6)中の変
数k1〜k5は、それぞれ各変速段の変速比を表してい
る。入力軸14にエンジン10およびモータ20によ
り、一定の制動力が付加された場合、第1速(1st)
から第5速(5th)の順に出力軸15に付加される制
動力は低減する。なお、変速機100としては、本実施
例で適用した構成の他、周知の種々の構成を適用可能で
ある。変速段が前進5速よりも少ないものおよび多いも
ののいずれも適用可能である。
0が車速等に応じて設定する。運転者は、車内に備えら
れたシフトレバーを手動で操作し、シフトポジションを
選択することによって、使用される変速段の範囲を変更
することが可能である。図4は本実施例のハイブリッド
車両におけるシフトポジションの操作部160を示す説
明図である。この操作部160は車内の運転席横のフロ
アに車両の前後方向に沿って備えられている。
162が備えられている。運転者はシフトレバー162
を図中の溝に沿って前後方向にスライドすることにより
種々のシフトポジションを選択することができる。シフ
トポジションは、前方からパーキング(P)、リバース
(R)、ニュートラル(N)、ドライブポジション
(D)、Mポジション(M)、4ポジション(4)、3
ポジション(3)、2ポジション(2)およびローポジ
ション(L)の順に配列されている。
ートラル(N)は、それぞれ図3で示した係合状態に対
応する。ドライブポジション(D)は、図3に示した第
1速(1st)から第5速(5th)までを使用して走
行するモードの選択を意味する。以下、4ポジション
(4)は第4速(4th)まで、3ポジション(3)は
第3速(3rd)まで、2ポジション(2)は第2速
(2nd)までおよびローポジション(L)は第1速
(1st)のみを使用して走行するモードの選択を意味
する。Mポジションは、運転者が変速段を手動で切り替
えるシフトポジションである。手動での変速段の切り替
えは、後述する通り、シフトレバー162ではなく、ス
テアリングに設けられたスイッチにより行われる。
通り、動力源ブレーキによる減速度を運転者が任意に設
定可能となっている。シフトポジションを選択するため
の操作部160には、減速度を設定するための機構も設
けられている。
車両におけるシフトレバー162は、前後にスライドし
てシフトポジションを選択することができる他、ドライ
ブ(D)ポジションで左横にスライドすることも可能で
ある。このようにして選択されたポジションをBポジシ
ョンと呼ぶものとする。操作部160には、シフトレバ
ー162の他、スライドノブ161が設けられている。
運転者は、スライドノブ161を前後方向にスライドす
ることにより、車両の減速度を連続的に変更することが
できる。本実施例では、スライドノブ161を前方にス
ライドすれば減速度が大きくなり、後方にスライドすれ
ば減速度が小さくなる。スライドノブ161による操作
は、Bポジションが選択されているときに有効になる。
ジションを検出するためのセンサ、シフトレバー162
がBポジションにある場合にオンとなるBポジションス
イッチ、スライドノブ161の操作量を検出するための
センサが設けられている。これらのセンサ、スイッチの
信号は後述する通り、制御ユニット70に伝達され、車
両の種々の制御に用いられる。
いて説明する。図5は、ステアリングに設けられた操作
部を示す説明図である。図5(a)はステアリング16
4を運転者に対向する側、つまり前面から見た状態を示
している。図示する通り、ステアリング164のスポー
ク部にDOWNスイッチ166L,166Rが設けられ
ている。DOWNスイッチ166L,166Rは、変速
比が大きくなる側に変速段を切り替えるために使用され
る。運転者がDOWNスイッチ166L,166Rを押
す度に変速段は、第1速(1st)に向かって一段ずつ
切り替えられる。本実施例では、ステアリングを回転し
た場合でも混乱なく適切な操作を行うことができるよう
に、前面に設けられた2つのスイッチは同じ機能を奏す
るものに統一してある。
ら見た状態を示している。図示する通り、DOWNスイ
ッチ166L,166Rのほぼ裏側に当たる場所に、U
Pスイッチ168L,168Rが設けられている。UP
スイッチは、変速比が小さくなる側に変速段を切り替え
るために使用される。運転者がUPスイッチ168L,
168Rを押す度に変速段は、第5速(5th)に向か
って一段ずつ切り替えられる。DOWNスイッチ166
L,166Rと同様の理由により、両スイッチは同じ機
能を奏するものに統一してある。
R,168L,168Rは、シフトレバー162がMポ
ジション(図4参照)にある場合にのみ有効となる。こ
のように構成することにより、運転者がステアリング1
64を操作する際に意図せずこれらのスイッチを操作し
て、変速段が切り替えられるのを回避することができ
る。
スイッチ163が設けられている。スノーモードスイッ
チ163は、路面が雪道などの摩擦係数が低く、スリッ
プしやすい状況にある場合に運転者により操作される。
スノーモードスイッチ163がオンになっている場合に
は、後述する通り、目標減速度の上限値が所定値以下に
抑制されるようになっている。摩擦係数が低い路面を走
行中に、大きな減速度で減速が行われるとスリップが生
じる可能性がある。スノーモードスイッチ163がオン
になっている場合には、減速度が所定値以下に抑制され
るため、スリップを回避することができる。もちろん、
スノーモードスイッチ163がオンとなっている場合に
は、スリップが生じない程度の範囲で、減速度を変更す
ることは可能である。なお、シフトポジションの選択お
よび目標減速度の設定を行うための操作部は、本実施例
で示した構成(図4)以外にも種々の構成を適用するこ
とが可能である。
器板に表示される。図6は、本実施例におけるハイブリ
ッド車両の計器板を示す説明図である。この計器板は、
通常の車両と同様、運転者の正面に設置されている。計
器板には、運転者から見て左側に燃料計202、速度計
204が設けられており、右側にエンジン水温計20
8、エンジン回転計206が設けられている。中央部に
はシフトポジションを表示するシフトポジションインジ
ケータ220が設けられており、その左右に方向指示器
インジケータ210L、210Rが設けられている。こ
れらは、通常の車両と同等の表示部である。本実施例の
ハイブリッド車両では、これらの表示部に加えて、Mポ
ジションインジケータ222がシフトポジションインジ
ケータ220の上方に設けられている。また、設定され
た減速度の表示を行う減速度インジケータ224がMポ
ジションインジケータ222の右側に設けられている。
トレバーがMポジションにある際に点灯する。減速度イ
ンジケータ224は、図示する通り、車両のシンボルと
後ろ向きの矢印(図6の右向きの矢印)とから構成され
ている。Bポジションにある場合に車両のシンボルが点
灯し、運転者がスライドノブ161を操作して減速度を
設定すると、後ろ向きの矢印(図6の右向きの矢印)の
長さが増減して、設定結果を感覚的に表すようになって
いる。本実施例のハイブリッド車両は、後述する通り、
種々の条件に基づいて設定された減速度を抑制すること
がある。減速度インジケータ224は、かかる抑制が行
われた場合には、点滅表示など通常とは異なる態様での
表示を行うことで、減速度の抑制を運転者に報知する役
割も果たす。
ン10、モータ20、トルクコンバータ30、変速機1
00等の運転を制御ユニット70が制御している(図1
参照)。制御ユニット70は、内部にCPU、RAM,
ROM等を備えるワンチップ・マイクロコンピュータで
あり、ROMに記録されたプログラムに従い、CPUが
後述する種々の制御処理を行う。制御ユニット70に
は、かかる制御を実現するために種々の入出力信号が接
続されている。図1には、その代表例として、操作部1
60および加速度センサ170を図示した。図7は、制
御ユニット70に対する入出力信号の結線を示す説明図
である。図中の左側に制御ユニット70に入力される信
号を示し、右側に制御ユニット70から出力される信号
を示す。
々のスイッチおよびセンサからの信号である。かかる信
号には、例えば、エンジン10のみを動力源とする運転
を指示するハイブリッドキャンセルスイッチ、車両の加
速度を検出する加速度センサ、エンジン10の回転数、
エンジン10の水温、イグニッションスイッチ、バッテ
リ50の残容量SOC、エンジン10のクランク位置、
デフォッガのオン・オフ、エアコンの運転状態、車速、
トルクコンバータ30の油温、シフトポジション(図4
参照)、サイドブレーキのオン・オフ、フットブレーキ
の踏み込み量、エンジン10の排気を浄化する触媒の温
度、アクセル開度、オートクルーズスイッチのオン・オ
フ、Mポジションスイッチのオン・オフ(図4参照)、
変速段の切り替えを行うDOWNスイッチおよびUPス
イッチ、過給器のタービン回転数、雪道など低摩擦係数
の路面の走行モードを指示するスノーモードスイッチ、
燃料計からのフューエルリッド信号、減速度の設定を指
示するスライドノブの信号などがある。
エンジン10,モータ20,トルクコバータ30,変速
機100等を制御するための信号である。かかる信号に
は、例えば、エンジン10の点火時期を制御する点火信
号、燃料噴射を制御する燃料噴射信号、エンジン10の
始動を行うためのスタータ信号、駆動回路40をスイッ
チングしてモータ20の運転を制御するMG制御信号、
変速機100の変速段を切り替える変速機制御信号、変
速機100の油圧を制御するためのATソレノイド信号
およびATライン圧コントロールソレノイド信号、アン
チロックブレーキシステム(ABS)のアクチュエータ
を制御する信号、駆動力源を表示する駆動力源インジケ
ータ信号、エアコンの制御信号、種々の警報音を鳴らず
ための制御信号、エンジン10の電子スロットル弁の制
御信号、スノーモードの選択を表示するスノーモードイ
ンジケータ信号、エンジン10の吸気バルブ、排気バル
ブの開閉タイミングを制御するVVT信号、車両の運転
状態を表示するシステムインジケータ信号、および設定
された減速度を表示する設定減速度インジケータ信号な
どがある。
ブリッド車両の一般的動作について説明する。先に図1
で説明した通り、本実施例のハイブリッド車両は動力源
としてエンジン10とモータ20とを備える。制御ユニ
ット70は、車両の走行状態、即ち車速およびトルクに
応じて両者を使い分けて走行する。両者の使い分けは予
めマップとして設定され、制御ユニット70内のROM
に記憶されている。
を示す説明図である。図中の曲線LIMは、車両が走行
可能な領域の限界を示している。図中の領域MGはモー
タ20を動力源として走行する領域であり、領域EGは
エンジン10を動力源として走行する領域である。以
下、前者をEV走行と呼び、後者を通常走行と呼ぶもの
とする。図1の構成によれば、エンジン10とモータ2
0の双方を動力源として走行することも可能ではある
が、本実施例では、かかる走行領域は設けていない。
両は、まずEV走行で発進する。先に説明した通り(図
1参照)、本実施例のハイブリッド車両は、エンジン1
0とモータ20とが一体的に回転するように構成されて
いる。従って、EV走行時にもエンジン10は回転して
いる。但し、燃料噴射および点火を行わず、モータリン
グされている状態である。先に説明した通り、エンジン
10にはVVT機構が備えられている。制御ユニット7
0は、EV走行時にはモータ20に与える負荷を減ら
し、モータ20から出力される動力が車両の走行に有効
に使われるようにするため、VVT機構を制御して、吸
気バルブおよび排気バルブの開閉タイミングを遅らせ
る。
プにおける領域MGと領域EGの境界近傍の走行状態に
達した時点で、制御ユニット70は、エンジン10を始
動する。エンジン10はモータ20により既に所定の回
転数で回転しているから、制御ユニット70は、所定の
タイミングでエンジン10に燃料を噴射し、点火する。
また、VVT機構を制御して、吸気バルブおよび排気バ
ルブの開閉タイミングをエンジン10の運転に適したタ
イミングに変更する。
域EG内ではエンジン10のみを動力源として走行す
る。かかる領域での走行が開始されると、制御ユニット
70は駆動回路40のトランジスタを全てシャットダウ
ンする。この結果、モータ20は単に空回りした状態と
なる。
行状態に応じて動力源を切り替える制御を行うととも
に、Mポジション以外のシフトポジションでは、変速機
100の変速段を切り替える処理も行う。変速段の切り
替えは動力源の切り替えと同様、車両の走行状態に予め
設定されたマップに基づいてなされる。図9は、変速機
100の変速段と車両の走行状態との関係を示すマップ
である。このマップに示す通り、制御ユニット70は、
車速が増すにつれて変速比が小さくなるように変速段の
切り替えを実行する。
限を受ける。ドライブポジション(D)では、図9に示
す通り、第5速(5th)までの変速段を用いて走行す
る。4ポジションでは、第4速(4th)までの変速段
を用いて走行する。この場合には、図9における5th
の領域であっても第4速(4th)が使用される。変速
段の切り替えはこのマップによる切り替えの他、運転者
がアクセルペダルを急激に踏み込むことにより一段変速
比が高い側に変速段を移す、いわゆるキックダウンと呼
ばれる切り替えも行われる。これらの切り替え制御は、
エンジンのみを動力源とし、自動変速装置を備えた周知
の車両と同様である。本実施例では、EV走行をしてい
る場合(領域MG)にも同様の切り替えを実行する。な
お、変速段と車両の走行状態との関係は、図9に示した
他、変速機100の変速比に応じて種々の設定が可能で
ある。
態に応じてEV走行と通常走行とを使い分ける場合のマ
ップを示した。本実施例の制御ユニット70は、全ての
走行状態を通常走行で行う場合のマップも備えている。
かかるマップは、図8および図9において、EV走行の
領域(領域MG)を除いたものとなっている。EV走行
を行うためには、バッテリ50にある程度の電力が蓄え
られていることが必要である。従って、制御ユニット7
0は、バッテリ50の蓄電状態に応じてマップを切り替
えて、車両の制御を実行する。即ち、バッテリ50の残
容量SOCが所定値以上である場合には、図8および図
9に基づき、EV走行と通常走行とを使い分けて運転を
行う。バッテリ50の残容量SOCが所定値よりも小さ
い場合には、発進および微速走行時にもエンジン10の
みを動力源とする通常走行で運転する。上記2つのマッ
プの使い分けについては、所定の間隔で繰り返し判定さ
れる。従って、残容量SOCが所定値以上でありEV走
行で発進を開始した場合でも、発進後に電力が消費され
た結果、残容量SOCが所定値よりも小さくなれば、車
両の走行状態が領域MG内にあっても通常走行に切り替
えられる。
について説明する。本実施例のハイブリッド車両は、ブ
レーキペダルを踏み込むことによって付加されるホイー
ルブレーキと、エンジン10およびモータ20からの負
荷トルクによる動力源ブレーキの2種類のブレーキによ
る制動が可能である。動力源ブレーキによる制動は、ア
クセルペダルの踏み込みを緩めた場合に行われる。動力
源ブレーキによる目標減速度は、車速の低下につれて小
さくなるように設定されており、動力源ブレーキは車速
の低下につれて小さくなるよう制御される。ブレーキペ
ダルを踏み込めば、車両には動力源ブレーキとホイール
ブレーキの総和からなる制動力が付加される。
したスライドノブ161の操作によって、動力源ブレー
キによる減速度を運転者が設定することができる。即
ち、スライドノブ161を減速度が増す側に移動する
と、動力源ブレーキは連続的に強くなる。低減する側に
移動すると、動力源ブレーキは連続的に弱くなる。
レーキの減速度を変速機100の変速段の切り替えおよ
びモータ20による制動力の双方を組み合わせて制御す
ることにより変更する。図10は、本実施例のハイブリ
ッド車両について、車速および減速度と、変速段との組
み合わせのマップを示す説明図である。なお、図10で
は、減速度を絶対値で示している。スライドノブ161
の操作によって、車両の減速度は図10中の直線BL〜
BUの範囲で段階的に変化する。
0のトルクを制御することにより、一定の範囲で変化さ
せることができる。また、変速機100の変速段を切り
替えれば、動力源のトルクと車軸17に出力されるトル
クとの比を変更することができるから、変速段に応じて
車両の減速度を変更することができる。この結果、変速
段が第2速(2nd)にあるときは、モータ20のトル
クを制御することにより、図10中の短破線で示した範
囲の減速度を達成することができる。第3速(3rd)
にあるときは、図10中の実線で示した範囲の減速度を
達成することができる。第4速(4th)にあるとき
は、図10中の一点鎖線で示した範囲の減速度を達成す
ることができる。第5速(5th)にあるときは、図1
0中の長破線で示した範囲の減速度を達成することがで
きる。
じて設定された減速度を実現する変速段を選択して制動
を行う。例えば、減速度が図10中の直線BLに設定さ
れている場合、車速が値VCよりも高い領域では、第5
速(5th)により制動を行い、車速が値VCよりも低
い領域では、第4速(4th)に変速段を切り替えて制
動を行う。かかる領域では、第5速(5th)では所望
の減速度を実現できなくなるからである。本実施例で
は、各変速段で実現される減速度の範囲が重複して設定
されている。車速が値VCよりも高い領域では、第4速
(4th)と第5速(5th)の双方で直線BLに相当
する減速度を実現可能である。従って、かかる領域で
は、制御ユニット70は、種々の条件に基づいて第4速
(4th)または第5速(5th)のいずれか、より制
動に適した変速段を選択して制動を行う。
に詳細に説明する。図11は、ある車速Vsにおける減
速度と変速段との関係を示した説明図である。図10中
の直線Vsに沿った減速度と変速段との関係に相当す
る。図11に示す通り、減速度が比較的小さい区間D1
では、第5速(5th)のみで減速度が実現される。そ
れよりも減速度が大きい区間D2では、第5速(5t
h)および第4速(4th)で減速度が実現される。同
様に減速度が順次大きくなるにつれて、区間D3では第
4速(4th)のみ、区間D4では第3速(3rd)ま
たは第4速(4th)、区間D5では第3速(3rd)
のみ、区間D6では第2速(2nd)または第3速(3
rd)、区間D7では第2速(2nd)のみでそれぞれ
の減速度が実現される。なお、ここでは第2速(2n
d)までを用いたマップを示したが、第1速(1st)
を用いた制動を行うものとしても構わない。
ついて説明する。図12は、第2速(2nd)における
減速度を示す説明図である。図中の破線TLは第2速
(2nd)で実現される減速度の下限を示し、破線TU
は上限と示している。直線TEはエンジン10によるエ
ンジンブレーキのみで実現される減速度を示している。
本実施例のハイブリッド車両では、VVT機構を制御す
ることにより、エンジンブレーキによる減速度を変更す
ることも可能ではある。但し、かかる制御は、応答性お
よび精度が低い。従って、本実施例では、制動時にはV
VT機構を制御していない。この結果、図12に示す通
り、エンジンブレーキによる減速度は車速に応じて一義
的に決まった値となる。
御することによって、減速度を変化させている。図12
中のハッチングを示した領域Bgでは、モータ20をい
わゆる回生運転し、モータ20でも制動力を付加するこ
とによってエンジンブレーキによる減速度よりも大きい
減速度を実現している。その他の領域Bp、即ち直線T
Eと破線TLとの間の領域では、モータ20を力行運転
し、モータ20からは駆動力を出力することによってエ
ンジンブレーキよりも低い減速度を実現している。
の制動トルクと、モータ20を力行運転する場合の制動
トルクとの関係を模式的に示した説明図である。図中の
左側には、モータ20を力行運転する場合の制動トルク
(領域Bpにおける状態)を示した。エンジンブレーキ
による制動トルクは図中の帯BEで示される。領域Bp
では、エンジンブレーキによる制動トルクとは逆方向
に、モータ20が帯BMで示された駆動力を出力する。
車軸17には、両者の総和からなる制動トルクが出力さ
れるから、図中にハッチングで示した通り、エンジンブ
レーキによる制動トルクBEよりも低い制動トルクが出
力される。
る場合の制動トルク(領域Bgにおける状態)を示し
た。エンジンブレーキによる制動トルクは領域Bpにお
ける場合と同じ同じ大きさの帯BEで示される。領域B
pでは、エンジンブレーキによる制動トルクと同方向
に、モータ20が帯BMで示された制動トルクを出力す
る。車軸17には、両者の総和からなる制動トルクが出
力されるから、図中にハッチングで示した通り、エンジ
ンブレーキによる制動トルクBEよりも大きい制動トル
クが出力される。
は、モータ20の運転状態を回生運転と力行運転とで切
り替えることによって、エンジンブレーキによる減速度
よりも大きい減速度および低い減速度を実現している。
そして、例えば、変速比の大きい側の変速段において力
行運転により実現される減速度の領域と、変速比の小さ
い側の変速段において回生運転により実現される減速度
の領域とが重複するように図10のマップを設定してい
る。例えば、第2速(2nd)での力行運転による制動
の領域と第3速(3rd)での回生運転による制動の領
域とを重複させている。
50の残容量SOCに適した態様で制動を行うことがで
きる。例えば、バッテリ50が更に充電可能な状態にあ
る場合には、モータ20の回生運転により所望の減速度
が得られるように変速比が小さい側の変速段を選択す
る。バッテリ50が満充電に近い状態にある場合には、
モータ20の力行運転により所望の減速度が得られるよ
うに変速比が大きい側の変速段を選択する。本実施例で
は、上述した通り、2つの変速段による減速度の範囲を
重複して設定することにより、このように、バッテリ5
0の残容量SOCに関わらず所望の減速度の実現を可能
としている。
ず、各変速段により実現される減速度が重複しないよう
に設定してもよい。また、図10のマップのように全て
の変速段がそれぞれ他の変速段と重複する領域を有する
設定とするのではなく、一部の変速段のみが重複する領
域を有する設定としてもよい。
者の設定に応じた減速度での制動を実現する。但し、か
かる制御は先に説明したBポジションにおいて行われる
(以下、かかる制動をBポジション制動と呼ぶ)。シフ
トレバーがBポジションにない場合には、予め設定され
た減速度での制動が行われる。ドライブポジション
(D)にある場合には、図10に示したマップ上で、第
5速(5th)までの変速段を使用して実現可能な範囲
で予め設定された減速度で制動が行われる。4ポジショ
ン(4)〜Lポジション(L)にある場合も、それぞれ
のシフトポジションで使用可能な変速段で実現できる範
囲で設定された減速度で制動が行われる。Mポジション
では、運転者が選択した変速段のみを用いて実現可能な
減速度で制動が行われる。Bポジション以外の場合は、
モータ20の制動力も一定の負荷を与える回生運転とな
る。
ッド車両は、制御ユニット70が、エンジン10、モー
タ20等を制御することによって、上述した走行を可能
としている。以下では、本実施例のハイブリッド車両に
特徴的な制動時の運転に絞って、減速制御の内容を説明
する。
チャートである。この処理は、制御ユニット70のCP
Uが所定の周期で実行する処理である。この処理が開始
されると、CPUは、まず減速度設定処理を行う(ステ
ップS100)。この処理は、スライドノブ161の操
作に基づいて、実現すべき減速度の設定を行う処理であ
る。減速度設定処理の内容を図15に基づいて説明す
る。
ーチャートである。この処理が開始されると、CPUは
スイッチの信号を入力する(ステップS102)。ここ
で入力する信号は、図7に示した種々の信号のうち、ス
ライドノブ、シフトポジション、スノーモードスイッチ
の信号である。もちろん、その他の信号を併せて入力す
るものとしても構わない。
はBポジションが選択されているか否かの判定を行う
(ステップS104)。本実施例のハイブリッド車両
は、先に説明した通り、Bポジションが選択されている
場合にのみ減速度の設定を変更することができる。従っ
て、Bポジションが選択されていないと判定された場合
には、CPUは減速度インジケータ224の表示をオフ
にし(ステップS106)、減速度設定処理ルーチンを
終了する。なお、Bポジションが選択されていない場合
でも、減速度の設定だけは可能としておいても構わな
い。かかる場合には、ステップS104の判断を省略す
ればよい。
た場合には、CPUはスライドノブ161のスイッチが
故障しているか否かを判定する(ステップS110)。
故障は、種々の方法により判断可能である。例えば、ス
イッチの接触不良時には、いわゆるチャタリングが生
じ、スライドノブ161の操作量の検出結果が非常に頻
繁に変動して検出される。所定以上の変動が検出された
場合には、スイッチが故障しているものと判定すること
ができる。スイッチの故障は、その他種々の方法により
判定可能である。
転者の意図しない減速度が設定されることを回避すべ
く、CPUは目標減速度の設定を解除する(ステップS
115)。目標減速度の設定を変更しない処理を行うも
のとしても構わない。本実施例では、運転者が自己の意
図に沿わない値に設定された減速度を修正している途中
にスイッチが故障した場合も想定し、目標減速度の設定
を解除し、Dポジションが選択された場合に相当する値
に減速度が設定されるものとした。こうして、目標減速
度の設定を解除した後、CPUはスイッチの故障を運転
者に報知するための故障表示を行う(ステップS12
0)。故障表示は種々の方法を採ることができる。本実
施例では、警報音と鳴らすと共に、減速度インジケータ
224(図6参照)を点滅させるものとした。これらの
報知は、図7に示した警報音の信号、システムインジケ
ータの信号にそれぞれ該当する信号を出力することで実
現される。スイッチが故障した場合には、CPUは以上
の処理を実行して減速度設定処理ルーチンを終了する。
障していないと判定された場合、CPUはスライドノブ
161の操作量に応じて減速度を設定する(ステップS
125)。先に説明した通り、図10のマップにおい
て、直線BU〜BLの範囲で減速度が連続的に変更され
る。
と、CPUは設定された減速度がリジェクト範囲にある
か否かを判定する(ステップS130)。本実施例で
は、スノーモードスイッチ163(図6参照)のオン・
オフに応じて減速度の上限値を変更している。スノーモ
ードスイッチ163は、雪道のように低摩擦係数の路面
を走行しているときに運転者が操作するスイッチであ
る。低摩擦係数の路面を走行中に急激な制動を行えば、
車両がスリップする可能性がある。運転者がスノーモー
ドスイッチ163をオンにすると、減速度の上限値は車
両のスリップを回避できる程度に抑制される。
場合には、リジェクト範囲にあるものと判定される。減
速度がリジェクト範囲にあると判定された場合、CPU
は設定された設定された減速度を許容される上限値に抑
制する(ステップS135)。また、目標減速度の設定
が抑制されたことを運転者に報知するための処理を行う
(ステップS140)。本実施例では、減速度インジケ
ータ224を1秒程度の間、点滅させるものとしてい
る。また、これに併せて警報音を発するものとしてい
る。これらの報知は、図7に示した警報音、設定減速度
インジケータの制御信号にそれぞれ適切な信号を出力す
ることで実現される。ステップS130において、設定
された減速度がリジェクト範囲にないと判定された場合
には、これらの処理をスキップする。以上の処理によ
り、減速度が設定されると、CPUは結果を減速度イン
ジケータ224に表示して(ステップS145)、減速
度設定処理ルーチンを終了する。
速制御処理ルーチン(図14)に戻り、動力源ブレーキ
による制動を行うか否かの基準として、アクセルペダル
がオフとなっているか否かを判定する(ステップS20
0)。かかる判定は、アクセル開度の入力信号(図7参
照)に基づいて行われる。アクセルペダルがオフとなっ
ていない場合には、動力源ブレーキによる制動を行うべ
き状態ではないため、CPUは何ら処理を行うことなく
減速制御処理ルーチンを終了する。
は、CPUは、エンジンの運転状態をアイドルにし(ス
テップS250)、変速段切り替え処理を実行する(ス
テップS300)。図16は、変速段切り替え処理ルー
チンのフローチャートである。この処理において、CP
Uはまずスイッチ信号、車速、バッテリ50の残容量S
OCを入力する(ステップS302)。ここで、入力さ
れるスイッチ信号は、Mポジションスイッチ、UPスイ
ッチ、DOWNスイッチの入力である。
オン・オフに基づいて、Mポジションが選択されている
か否かを判定する(ステップS304)。Mポジション
が選択されている場合には、Mポジションインジケータ
222(図6参照)を点灯する(ステップS310)。
そして、以下に示す通り、運転者が手動で選択した変速
段への切り替え処理を実行する。
ているか否かを判定する(ステップS312)。UPス
イッチがオンになっている場合には、変速段を1段増段
する(ステップS314)。変速段の増段とは、変速段
を第5速(5th)に近づく側に1段階切り替えること
を意味する。但し、本実施例では、第5速(5th)が
最高段であるから、この処理は、第5速(5th)まで
の範囲で行われる。既に第5速(5th)が選択されて
いる状態で、UPスイッチがオンになっても何の処理も
行われない。
に、CPUはDOWNスイッチがオンになっているか否
かを判定する(ステップS316)。DOWNスイッチ
がオンになっている場合には、変速段を1段低減する
(ステップS318)。変速段の低減とは、変速段を第
1速(1st)に近づく側に1段階切り替えることを意
味する。但し、本実施例では、第1速(1st)が最低
段であるから、この処理は、第1速(1st)までの範
囲で行われる。既に第1速(1st)が選択されている
状態で、DOWNスイッチがオンになっても何の処理も
行われない。
UPスイッチもDOWNスイッチも操作されていない場
合には、変速段の切り替えは行われない。Mポジション
が選択されている場合には、以上の処理によって変速段
の切り替えを行い、変速段切り替え処理ルーチンを終了
する。
選択されていないと判定された場合、即ちBポジショ
ン、Dポジション、L〜4ポジションが選択されている
場合には、CPUは、Mポジションインジケータをオフ
にする(ステップS320)。そして、以下に示す通
り、運転者の指示ではなくCPUが種々のパラメータに
基づいて変速段を選択する。
を参照し、設定された減速度を実現可能な変速段が2つ
存在するか否かを判定する(ステップS322)。図1
0のマップに示した通り、本実施例では、各変速段で実
現可能な減速度の範囲が重複している。従って、設定さ
れた減速度を実現可能な変速段が1つのみの場合と2つ
存在する場合とがある。実現可能な変速段が一つのみで
あると判定された場合には、CPUは、マップに基づい
て設定される変速段への切り替え処理を実行する(ステ
ップS324)。
あると判定された場合には、バッテリ50の残容量SO
Cを参照し、SOCが所定の値HL以上であるか否かを
判定する(ステップS326)。先に図13で説明した
通り、設定された減速度に対して2つの変速段が対応し
ている場合、一方の変速段ではモータ20の回生運転に
より設定された減速度が実現され、他方の変速段ではモ
ータ20の力行運転により設定された減速度が実現され
る。従って、設定された減速度に対して2つの変速段が
対応する場合には、バッテリ50の残容量SOCに応じ
て、適した変速段を選択することができる。
には、バッテリ50の過充電を回避するため、電力を消
費することが望ましい。従って、CPUはモータ20を
力行運転して設定された減速度を実現する側の変速段、
即ち2つの変速段のうち変速比が大きい側の変速段を選
択する(ステップS328)。残容量SOCが所定値H
Lよりも小さい場合には、バッテリ50を充電すること
が望ましい。従って、CPUはモータ20を回生運転し
て設定された減速度を実現する側の変速段、即ち2つの
変速段のうち変速比が小さい側の変速段を選択する(ス
テップS330)。もちろん、2つの変速段の選択が残
容量SOCに応じて頻繁に切り替わるのを防止するた
め、ステップS326の判定には所定のヒステリシスを
設けることが好ましい。
設定されると、CPUは変速段切り替え処理ルーチンを
終了し、減速制御処理ルーチンに戻る。なお、上記処理
において、変速段の切り替えは、変速機制御信号(図8
参照)に所定の信号を出力し、図3で示した通り設定さ
れた変速段に応じて変速機100のクラッチ、ブレーキ
のオン・オフを制御することで実現される。
CPUはモータ20が出力すべきトルクの目標値を演算
する(ステップS400)。図17は、モータトルク設
定処理ルーチンのフローチャートである。この処理が開
始されると、CPUは、モータ20のトルクを算出する
ために必要な諸量として、シフトポジション(sp)、
目標減速度(dc*)、減速度(dc)を入力する(ス
テップS402)。減速度(dc)は、車両に搭載され
た加速度センサ170(図1参照)により検出された値
である。ここでは、加速度センサ170により検出され
た値の絶対値を減速度として使用する。目標減速度(d
c*)は、減速度設定処理ルーチン(図15)で設定さ
れた値である。減速度設定処理ルーチンでは、図10の
マップで示した通り、車速と減速度との対応関係が設定
される。モータトルク設定処理ルーチンでは、現在の車
速に対応した減速度が入力される。現在の車速に対応し
た減速度は、目標減速度設定処理ルーチンで設定された
関係に基づいて定められる。
ち、Mポジション、Dポジション、L〜4ポジションが
選択されている場合、CPUは予め設定された所定のト
ルクTm0をモータ20の目標トルクTmとして設定す
る(ステップS420)。所定のトルクTm0は、シフ
トポジションおよび選択されている変速段に応じて以下
の方法により予め設定されている。
(6)で示した変速比k1〜k5を用いれば、設定され
た減速度、即ち車軸17に出力されるトルクに基づい
て、エンジン10とモータ20の動力源から出力すべき
総トルクを算出することができる。エンジン10から出
力される制動力、いわゆるエンジンブレーキは、クラン
クシャフト12の回転数に応じてほぼ一義的に決まる。
従って、動力源から出力する総トルクからエンジンブレ
ーキによるトルクを減ずることによりモータ20で出力
すべきトルクを求めることができる。本実施例では、こ
のように算出されたトルクをシフトポジションおよび変
速段との関係で与えるテーブルを用意し、該テーブルを
参照することでステップS420の処理を実行してい
る。
た場合には、CPUはいわゆるPID制御によりモータ
20のトルクTmを設定する(ステップS410)。即
ち、目標減速度dc*と減速度dcとの偏差Δdcを用
いた次式を演算することでトルクTmが設定される。 Tm=k1・Δdc+k2・Σ(Δdc)+k3・d
(Δdc)/dt; Δdc=dc*−dc; 但し、d(Δdc)/dtは、Δdcの時間微分を意味
する。
例項(右辺第1項)、積分項(右辺第2項)、微分項
(右辺第3項)にゲインk1,k2,k3をそれぞれ乗
じて求められる。ゲインは、偏差Δdcが所望の応答性
および安定性で値0に収束するように適切な値を予め設
定することができる。但し、選択されている変速段が変
わればモータ20のトルクが減速度に与える影響が変わ
るため、本実施例では各変速段ごとにゲインが設定され
ている。PID制御は周知の技術であるため、これ以上
の詳細な説明は省略する。なお、Bポジションが選択さ
れている場合、PID制御のみならず、モータ20のト
ルクをフィードバック制御する種々の技術を適用するこ
とができる。
クが設定されると、CPUは、減速制御処理ルーチン
(図14)に戻り、制動制御処理(ステップS500)
として、モータ20の運転の制御を実行する。モータ2
0は、いわゆるPWM制御により運転される。CPUは
ステータ24のコイルに印可すべき電圧値を設定する。
かかる電圧値は予め設定されたテーブルに基づいて、モ
ータ20の回転数および目標トルクに応じて与えられ
る。モータ20が回生運転する場合には電圧値は負の値
として設定され、力行運転する場合には電圧値は正の値
として設定される。CPUは、かかる電圧がコイルに印
可されるように駆動回路40の各トランジスタのオン・
オフを制御する。PWM制御は周知の技術であるため、
これ以上の詳細な説明は省略する。
り返し実行することにより、本実施例のハイブリッド車
両は、動力源ブレーキによる制動を行うことができる。
もちろん、かかる制動に併せてホイールブレーキによる
制動を行うことも可能であることはいうまでもない。
速度の設定を変更した場合の変速段の切り替えの一例を
示す。図18は、減速度の設定と変速段の切り替えとの
関係を示す説明図である。
ライドノブ161を操作して減速度を低減した場合を考
える。図示する通り、スライドノブ161を前方から後
方にスライドした場合を考える。かかる操作に応じて、
車両の目標減速度は図18に示す通り連続的に緩くな
る。
ンブレーキによってのみ実現されていたものとする。区
間a1で目標減速度が緩められると、変速段は1段上段
側の第3速(3rd)に切り替えられ、モータ20を回
生運転することにより制動が行われる。第2速(2n
d)のままで減速度を低減するためには、モータ20を
力行運転する必要が生じ、エネルギ効率の観点から不利
なため、第3速(3rd)への切り替えを行うのであ
る。区間a1では、モータ20の回生量を低減すること
によりスライドノブ161の操作に応じた減速度が実現
される。
値0に達した後の区間a2では、エネルギ効率を有利に
するため、変速段が更に1段上段側の第4速(4th)
に切り替えられ、モータ20を回生運転することにより
制動が行われる。区間a2では、モータ20の回生量を
低減することによりスライドノブ161の操作に応じた
減速度が実現される。
生量が値0に達した後の区間a3では、エネルギ効率を
有利にするため、変速段が更に1段上段側の第5速(5
th)に切り替えられ、モータ20を回生運転すること
により制動が行われる。例えば、区間a3において、バ
ッテリ50の充電状態が所定の基準値HLを超えた場合
には、モータ20を力行する側で制動が行われる。この
結果、図中の一点鎖線で示した通り、変速段は第4速
(4th)のままモータ20の力行トルクを徐々に大き
くすることでスライドノブ161の走査に応じた減速が
実現される。ここでは、区間a2とa3との境界でバッ
テリ50の残容量SOCが基準値HLを超えた場合を示
したが、力行への移行はいかなるタイミングでも起こり
うる。例えば、区間a3において、第5速(5th)で
モータの回生運転による制動が開始された後、時刻tc
において残容量SOCが基準値HLを越えれば、図中の
矢印で示す通り、その時点で一点鎖線で示した変速段お
よびモータトルクへの切り替えが行われる。
両によれば、モータ20をいわゆるフィードバック制御
することにより、所望の減速度を精度良く実現すること
ができる。従って、運転者は違和感なく動力源ブレーキ
を使用することができる。この結果、本実施例のハイブ
リッド車両は、動力源ブレーキの有用性を向上すること
ができるとともに、ハイブリッド車両の操作性を大きく
向上することができる。
速機の変速段とモータ20のトルクとを統合的に制御す
ることにより、減速度を幅広い範囲で変更することがで
きる。従って、運転者の要求に沿った減速度を幅広い範
囲で実現可能となり、動力源ブレーキの有用性を大きく
向上することができる。
応じて変速機の変速比を所定の値に設定した上で、電動
機の運転をフィードバック制御する。一般に変速機の変
速比の制御は応答性が比較的低い。目標加速度に基づい
て変速比を所定の値に開ループ制御する場合に要求され
る応答性も比較的低い。従って、開ループ制御いより変
速機を制御すれば、ハイブリッド車両を安定して制御す
ることができる。また、かかる制御は、変速機の制御が
簡単なものになる利点もある。
運転者が設定した減速度での制動をBポジションにおい
てのみ行うものとしている。こうすることにより、運転
者は自己が設定した減速度での制動が実現されることを
明確に意識することができるから、違和感のない運転を
行うことが可能となる。また、不用意に目標減速度の設
定を変更するなどの誤操作を回避することができる。
のマップに従って行った。これに対し、変速段の切り替
え処理をもフィードバック制御するものとすることもで
きる。かかる制御について説明する。
ーチンのフローチャートである。この処理が開始される
と、CPUは、減速度設定処理を行う(ステップS10
0)。この処理は、実施例で説明した処理(図15)と
同じである。次に、CPUは、アクセルがオフとなって
いるか否かを判定し(ステップS200)、アクセルが
オフとなっている場合にのみ動力源ブレーキを実行する
ための処理を行う。
とは相違し、変速段切り替え処理に先立って、CPU
は、モータトルク設定処理を実行する(ステップS40
0)。モータトルク設定処理の内容自体は、実施例(図
17)と同様である。
変速段切り替え処理を実行する。図20は、変形例にお
ける変速段切り替え処理のフローチャートである。この
処理が開始されると、CPUはスイッチ信号、車速を入
力する(ステップS432)。また、Mポジションが選
択されているか否かを判定し(ステップS434)、M
ポジションが選択されている場合には、運転者の指示に
応じた変速段への切り替え処理を行う(ステップS44
0〜S448)。これらの処理は、実施例(図14)の
ステップS310〜S318の処理と同一である。
は、Mポジションが選択されていない場合の処理内容が
実施例とは相違する。Mポジションが選択されていない
場合、CPUは、実施例(図14)と同様、Mポジショ
ンインジケータの表示をオフにする(ステップS45
0)。次に、CPUはモータ20のトルクTmが所定の
最大値Tmaxを超えているか否かを判定する(ステッ
プS452)。トルクTmが所定の最大値Tmaxを超
えている場合とは、エンジンブレーキによる制動力が大
きすぎるため、所望の減速度を実現するために必要とな
るモータ20の力行トルクが非常に大きくなっているこ
とを意味する。従って、かかる場合は、エンジンブレー
キの影響を低減するため、CPUは変速段を1段増段す
る(ステップS454)。つまり、変速比が低い側に変
速段を切り替えてエンジンブレーキによる制動力を低減
するのである。
maxを超えていないと判断された場合、CPUはトル
クTmが最小値Tminよりも小さいか否かを判定する
(ステップS456)。トルクTmが所定の最小値Tm
inよりも小さい場合とは、エンジンブレーキによる制
動力が小さすぎるため、所望の減速度を実現するために
必要となるモータ20の回生トルクが非常に大きくなっ
ていることを意味する。従って、かかる場合は、エンジ
ンブレーキの影響を増大するため、CPUは変速段を1
段低減する(ステップS458)。つまり、変速比が大
きい側に変速段を切り替えてエンジンブレーキによる制
動力を増大するのである。
以上、最大値Tmax以下に入っている場合には、CP
Uは変速段の切り替えを行わずに変速段設定処理ルーチ
ンを終了し、減速制御処理ルーチン(図19)に戻る。
減速制御処理ルーチンでは、モータTmのトルクが定格
内であるか否か、即ち最小値Tmin以上、最大値Tm
axの範囲に入っているか否かを判定する(ステップS
460)。変速段切り替え処理ルーチンにおいて、変速
段の切り替えが実行された場合(ステップS454,S
458)は、ステップS460の条件を満足しないこと
になる。かかる場合には、切り替えが行われた後の変速
段に基づいてトルクTmを再度設定し(ステップS40
0)、変速段切り替え処理を再度実行する(ステップS
430)。
切り替え処理とを繰り返し実行して、モータ20のトル
クTmが定格内に入ると、CPUはそのトルクTmが出
力されるようにモータ20の運転制御を実行する(ステ
ップS500)。
ンにおいては、先に説明した通り、モータ20のトルク
Tmは定格内の値で予め設定されるため、ステップS4
60の条件を必ず満足する。従って、Bポジション以外
のシフトポジションでは、変形例の制御処理は、実質的
に実施例(図14)と同じ処理となる。
するためのマップを用意する必要がないという利点があ
る。また、モータやエンジンの特性に経年変化が生じた
場合でも、モータを適切な状態で運転できる利点もあ
る。なお、上記変形例では最大値Tmaxおよび最小値
Tminとして、モータ20の定格を用いた例を示し
た。これらは、いかなる値にも設定可能であり、例え
ば、最大値Tmaxを値0に設定すれば、常にモータ2
0が回生運転されるように変速段を選択する制御をする
こともできる。従って、例えばバッテリの残容量に応じ
て最大値Tmax、最小値Tminを変更した上で、変
形例の制御処理を実行すれば、バッテリの残容量を所望
の状態に維持するのに適した変速段、トルクTmを設定
することも可能である。
制動を行う場合を例にとって説明した。これに対し、本
発明は運転者が設定した正の加速度で加速を行う態様で
適用することも可能である。本実施例で示したスライド
ノブ161で運転者が加速度を設定可能とすればよい。
また、減速制御処理ルーチン(図14)のステップS2
50において、エンジンをアイドル運転する処理に代え
て、設定された加速度に応じて予め設定された運転状態
でエンジンを運転するものとすればよい。そのたの処理
は、本実施例の減速度を正の加速度に置換することによ
りほぼ実現可能である。
を運転者が設定するのではなく、制御ユニット70が演
算により設定する態様で適用することも可能である。か
かる場合の一例として、前方の車両と一定の車間距離を
維持して走行する処理が挙げられる。図21は、定車間
走行制御処理ルーチンのフローチャートである。この処
理は、減速制御処理ルーチンと同様、所定の周期でCP
Uにより繰り返し実行される処理である。また、運転者
が前方の車両と一定の車間距離を維持して走行する運転
モードを選択している場合に有効に機能する処理であ
る。なお、この処理を行う車両は、本実施例の車両に対
し、前方との車間距離を検出するセンサが追加されたハ
ードウェア構成を有しているものとする。かかるセンサ
としては、レーザ、電波、超音波などを適用したセンサ
が挙げられる。
のセンサからの出力信号に基づき前方の車両との車間距
離を検出する(ステップS600)。次に、該車間距離
と目標車間距離とに基づいて目標加速度を算出する(ス
テップS605)。目標加速度の算出には、例えばPI
D制御を適用することができる。本実施例のモータトル
ク設定処理ルーチン(図17)で説明したのと同様に、
目標車間距離と実際の車間距離との偏差の比例項、積分
項、微分項にそれぞれ所定のゲインを乗じて目標加速度
を演算するのである。実際の車間距離が目標車間距離よ
りも大きい場合には目標加速度は正の値となるし、逆の
場合には目標加速度は負の値となる。
て、CPUはエンジンの運転ポイントを設定する(ステ
ップS610)。運転ポイントは種々の方法により設定
可能である。例えば、エンジンから出力すべき動力の増
減を指定する動力変化量を目標加速度に応じて与えるテ
ーブルを用意し、該テーブルに基づいてエンジンの運転
状態を変更するものとしてもよい。また、車速および目
標加速度に応じてエンジンの回転数、トルクを直接与え
るテーブルを用意するものとしてもよい。
と、CPUは変速段切り替え処理を実行する(ステップ
S615)。この処理の内容は、実施例で説明した処理
(図16)においてMポジション以外のシフトポジショ
ンにおける処理(ステップS320〜S330)とほぼ
同じで良い。図16では、減速度と変速段との関係を与
えるマップ(図10)を用いた。ステップS615の処
理では、正負双方の加速度に対応可能に拡張したマップ
を用いて処理を行う。
モータトルク設定処理を行う(ステップS620)。こ
の処理も実施例で説明した処理(図17)におけるフィ
ードバック制御による処理(ステップS410)とほぼ
同じである。車間を維持するのに適した応答性および安
定性に基づいてゲインk1,k2,k3を設定すればよ
い。CPUは、以上の処理により設置された運転ポイン
トでエンジンおよびモータの運転を実行する(ステップ
S625)。
両によれば、前方の車両との車間距離を一定に維持した
運転を比較的容易に実現することができる。従って、安
定したな走行を実現することができる。また、かかる車
両のみが走行している状況を実現できれば、車両の通行
状態を制御することが可能となり、交通渋滞の緩和を図
ることができる。従って、円滑な交通の実現という社会
的利益に資することもできる。なお、変形例の制御処理
(図21)において、車間を車速に置換すれば、一定の
車速で走行する制御を比較的容易に実現することもでき
る。
とを直結し、変速機100を介して車軸17と結合する
構成からなるパラレルハイブリッド車両を示した。本発
明は、他にも種々の構成からなるパラレルハイブリッド
車両、即ちエンジンからの出力を車軸に直接伝達可能な
ハイブリッド車両に適用可能である。
リッド車両の構成を示す説明図である。変形例のハイブ
リッド車両では、動力系統として上流側からエンジンE
Gと、モータMG,AMとが備えられている。三者は、
プラネタリギヤPGを介して機械的に結合されている。
つまり、プラネタリキャリアPCにエンジンEGが結合
され、モータMGがサンギヤSGに結合され、モータA
MがリングギヤRGに結合されている。リングギヤRG
は車軸DSに結合されている。モータMG,AMはそれ
ぞれ駆動回路IV1,IV2を介してバッテリBTに接
続されている。本実施例のハイブリッド車両の運転状態
は実施例と同様、制御ユニットECUにより制御されて
いる。
EGから出力された動力が、プラネタリギヤPGで2つ
に分配される。分配された動力の一方は、モータMGに
より電力として回生される。他方は、機械的な動力とし
てリングギヤRGおよび車軸DSに伝達される。モータ
MGの回転数を制御することにより、リングギヤの回転
数を車軸DSに要求された回転数に一致させることがで
きる。また、電力を供給してモータAMを力行すれば、
車軸DSに出力されるトルクを要求トルクに一致させる
ことができる。かかる電力の一部には、モータMGで回
生された電力が用いられる。
およびモータMGを回生運転することにより動力源ブレ
ーキによる制動を行うことも可能である。モータAMお
よびモータMGの回生量を制御すれば、車両の減速度を
制御することができる。本発明を変形例のハイブリッド
車両に適用し、モータAMおよびモータMGの回生量の
少なくとも一方をフィードバック制御すれば、運転者が
要求した所望の減速度での制動を実現することができ
る。もちろん、モータAMおよびモータMGのトルクを
制御すれば、車両の加速度を制御することもできるか
ら、正の加速度を制御する態様で本発明を適用すること
も可能である。
イブリッド車両に適用可能である。実施例のように必ず
しも変速機を備えている必要はない。また、実施例で
は、変速比を段階的に切り替える変速機を搭載した車両
の例を示した。これに対し、変速比を連続的に変更可能
な変速機を搭載した車両に適用することも可能である。
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、更に種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本実施例で説明した種々の制御処理は、ハードウェアに
より実現するものとしても構わない。
である。
チの係合状態と変速段との関係を示す説明図である。
ジションの操作部160を示す説明図である。
を示す説明図である。
示す説明図である。
示す説明図である。
である。
係を示す説明図である。
および減速度と、変速段との組み合わせのマップを示す
説明図である。
示した説明図である。
図である。
と、モータ20を力行運転する場合の制動トルクとの関
係を模式的に示した説明図である。
る。
ある。
トである。
ートである。
の関係を示す説明図である。
ーチャートである。
のフローチャートである。
トである。
す説明図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 エンジンと電動機とを含む動力源に結合
された車軸を有し、該動力源のトルクによって走行およ
び制動可能なハイブリッド車両であって、 該車両の目標加速度を入力する入力手段と、 前記エンジンを前記目標加速度に基づいて定まる運転状
態で運転するエンジン制御手段と、 該車両の加速度を検出する検出手段と、 該加速度と前記目標加速度との偏差に基づいて前記電動
機の運転を制御し、該偏差を所定の範囲内に収束させる
電動機制御手段とを備えるハイブリッド車両。 - 【請求項2】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
て、 前記動力源の回転数と前記車軸の回転数との変速比を複
数変更可能な変速機が、前記動力源と前記車軸との間に
介在されるとともに、 該変速機を制御して、前記加速度と前記目標加速度との
偏差に基づいて該変速比を切り替える変速機制御手段を
備え、 前記電動機制御手段は、前記偏差および前記変速比に基
づいて前記電動機の運転を制御する手段であるハイブリ
ッド車両。 - 【請求項3】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
て、 前記動力源の回転数と前記車軸の回転数との変速比を複
数変更可能な変速機が、前記動力源と前記車軸との間に
介在されるとともに、 前記目標加速度と前記変速比との予め定められた関係を
記憶する記憶手段と、 前記変速機を制御して、前記関係に応じて前記目標加速
度に基づいて定まる変速比への切り替えを行う変速機制
御手段とを備え、 前記電動機制御手段は、前記加速度と前記目標加速度と
の偏差および前記変速比に基づいて前記電動機の運転を
制御する手段であるハイブリッド車両。 - 【請求項4】 前記入力手段は、該ハイブリッド車両の
運転者により指示された目標加速度の入力を行う手段で
ある請求項1記載のハイブリッド車両。 - 【請求項5】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
て、 前記目標加速度に基づく制御の実行の指示を入力する実
行指示入力手段と、 該指示が入力された場合にのみ、前記入力手段、エンジ
ン制御手段、検出手段、電動機制御手段の全ての動作を
許可する許可手段とを備えるハイブリッド車両。 - 【請求項6】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
て、 前記目標加速度は、前記動力源のトルクによる制動時の
加速度であり、 前記エンジン制御手段は、車軸に制動トルクをかけ得る
状態で前記エンジンを運転する手段であるハイブリッド
車両。 - 【請求項7】 少なくともエンジンと電動機とを含む動
力源に結合された車軸を有し、該動力源のトルクによっ
て走行および制動可能なハイブリッド車両の制御方法で
あって、(a) 該車両の目標加速度を入力する工程
と、(b) 前記エンジンを前記目標加速度に基づいて
定まる運転状態で運転する工程と、(c) 該車両の加
速度を検出する工程と、(d) 該加速度と前記目標加
速度との偏差に基づいて前記電動機の運転を制御する工
程とを備える制御方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11025822A JP2000224713A (ja) | 1999-02-03 | 1999-02-03 | ハイブリッド車両及びその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP11025822A JP2000224713A (ja) | 1999-02-03 | 1999-02-03 | ハイブリッド車両及びその制御方法 |
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| JP2000224713A true JP2000224713A (ja) | 2000-08-11 |
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