JP2000224989A - 制癌剤感受性試験方法 - Google Patents

制癌剤感受性試験方法

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JP2000224989A
JP2000224989A JP10330309A JP33030998A JP2000224989A JP 2000224989 A JP2000224989 A JP 2000224989A JP 10330309 A JP10330309 A JP 10330309A JP 33030998 A JP33030998 A JP 33030998A JP 2000224989 A JP2000224989 A JP 2000224989A
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Japan
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mthsp75
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cancer cells
anticancer
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JP10330309A
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Katsue Yamamoto
佳津恵 山本
Yasuyuki Otake
康之 大竹
Kazunori Ochiai
和徳 落合
Seiji Isonishi
成治 礒西
Aiko Okamoto
愛光 岡本
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Asahi Breweries Ltd
Original Assignee
Asahi Breweries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ヒト癌細胞の制癌剤感受性試験方
法に関し、mtHSP75の遺伝子および蛋白質の発現レベル
を指標とした、制癌剤に対する癌細胞の感受性試験法を
提供する。 【解決手段】 ミトコンドリアに局在するヒートショッ
ク蛋白質75(mtHSP75)の遺伝子の発現量を検出するこ
とを特徴とする癌細胞の制癌剤感受性試験方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト癌細胞の制癌
剤感受性試験方法に関するものである。さらに詳しく
は、mtHSP75の遺伝子および蛋白質の発現レベルを指標
とした、制癌剤に対する癌細胞の感受性試験に関する。
【0002】
【従来の技術】白金錯体化合物であるシスプラチンは、
強力な制癌剤として、卵巣癌、前立腺癌、非小胞肺癌な
どの治療に広く用いられており、一定の成果を上げてい
る。しかし、細胞が薬剤に対して抵抗性を示すことがあ
り、これが臨床上大きな問題になっている。従って、化
学療法開始前に、細胞が薬剤に対して感受性か否かの識
別が可能となれば、治療方針を立てる上で非常に有益で
ある。そこで、効果的な制癌剤感受性試験を行うために
は、マーカーとなる遺伝子の選択が重要となる。
【0003】薬剤耐性に関与する遺伝子として、多剤耐
性獲得薬剤排出ポンプとして働く ATP結合カセット(AB
C)スーパーファミリーが幾つか報告されている。その
中には、P-糖蛋白質(P-Glycoprotein, MDR1)、MRP1
(Multi drug Resistant Protein )( Molecular Gene
tics of Drug Resistance, Modern Genetics, Vol.3 (1
997): pp247-298 )などが含まれる。これらの輸送体
は、アンスラサイクリン類、ビンカアルカロイド類、ポ
ドフィロトキシン類の薬剤を細胞外へ排出するが、シス
プラチンなどの白金錯体化合物に対しては交差性を示さ
ないことが報告されている。
【0004】また、シスプラチン耐性株で高発現してい
る遺伝子としてcMOAT(MRP2)が単離された(Cancer Re
s., 56: 4124-4129 (1996))。cMOATは、ABCスーパーフ
ァミリーに属し、MRP1と約40%の相同性を示すため、グ
ルタチオンと抱合したシスプラチンを細胞外へ排出し、
シスプラチン耐性に関与していると考えられている(日
本臨床, 55: 1083-1090 (1997))。しかし、cMOATの発
現は肝臓などの組織に限定されていて、また、cMOATが
発現していなくてもシスプラチン耐性になることも示さ
れており(Br. J. Cancer, 77:1089-1096 (1998)、Exp.
Cell Res.,240: 312-320(1998))、感受性試験を行う
上でのマーカーとしては適さない。
【0005】また最近、ABCスーパーファミリーの遺伝
子検索が行われ、MRP3,4,5,6という4つの薬剤排出ポン
プとして働く遺伝子群がクローニングされ、薬剤耐性と
の関連が調べられたが、いずれもシスプラチン耐性との
相関は認められなかった(Cancer Res., 57:3537-3547
(1997)、Semin. Cancer Biol., 8:205-213(1997))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから、制癌
剤感受性診断マーカーとして有効で、かつ、一般的に応
用可能な遺伝子が求められており、さらにはそのマーカ
ーを用いた精度の高い制癌剤感受性試験方法を開発が急
がれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者等は、
上記の課題を解決すべく、mRNA Differential Display
法(Science 257:967-971(1992))を用いて、シスプラ
チン耐性株とその親株である感受性株のmRNAの発現量を
比較することにより、シスプラチン耐性株で発現が亢進
している遺伝子をスクリーニングした。mRNA Different
ial Display法は複数のランダムプライマーとポリ(T)プ
ライマーを組み合わせてポリメラーゼ・チェイン・リア
クション(PCR)を行うことにより、多数のcDNA断片
を増幅し、これらPCR産物を電気泳動することにより、
複数の細胞間で発現量の異なる遺伝子を可視的に比較
し、スクリーニングする方法である。
【0008】その結果、ミトコンドリアに局在するヒー
トショック蛋白質75(mtHSP75)が、シスプラチン非添
加下において、シスプラチン耐性細胞特異的に発現が亢
進していることを見出した。mtHSP75はいずれの細胞に
おいても発現しているため、薬剤耐性マーカーとして有
効であり、本遺伝子を用いた薬剤感受性試験方法を確立
することにより本発明を完成するに至った。
【0009】従って本発明の目的はミトコンドリアに局
在するヒートショック蛋白質75(mtHSP75)の遺伝子の
発現量を検出することを特徴とする癌細胞の制癌剤感受
性試験方法を提供することである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、ミトコンドリアに局在
するヒートショック蛋白質75(mtHSP75)の遺伝子の発
現量または蛋白質量が制癌剤に耐性を示す癌細胞では上
昇し、制癌剤に感受性を示す癌細胞では低レベルである
ことを利用して、mtHSP75の遺伝子の発現量または蛋白
質量を検出することを特徴とする癌細胞の制癌剤感受性
試験方法である。
【0011】被検細胞よりRNAあるいは蛋白質を抽出
し、ノーザンブロッティングあるいはウエスタンブロッ
ティングによりmtHSP75を検出、その発現量を比較する
ことにより制癌剤に対して被検細胞が感受性か否かを識
別することが可能である。検出方法は、mtHSP75のmRNA
あるいは蛋白質の検出、および制癌剤感受性・耐性細胞
間での発現量の比較が可能であれば、これらの方法に限
定されるものではない。
【0012】例えば、mRNAの検出法として、 Reverse T
ranscription-Polymerase Chain Reaction (RT-PCR)法
を用いて本発明を実施することができる。RT-PCR法とは
細胞よりmRNAを抽出し、逆転写酵素(RT)を用いてcDNAを
合成し、次いでPCRにより目的とする遺伝子産物を増幅
させる方法である。mRNAではPCRを行うことができない
のでRTを用いてcDNAを合成する。そしてPCRを行い目的
とする遺伝子を増幅すると、発現量の少ない細胞ではmR
NAの量が少ないのでPCRしても少なく、発現量の多い細
胞はmRNAの量が多いため増幅するとさらに多くの遺伝子
が得られ、これらを電気泳動し発現量を検出、比較する
ことができる。
【0013】また蛋白質の検出法として、蛍光標示式細
胞分取器(fluorescence-activatedcell sorter、 FAC
S)を用いて本発明を実施することができる。本装置は
細胞を抗体で蛍光標識し、その蛍光強度によって細胞を
分取する装置であり、本装置を用いた実験方法はフロー
サイトメトリーという。細胞をメタノール処理して、細
胞膜を弱くしておき、抗mtHSP75を作用させ、次いで、
抗mtHSP75と反応するFITC標識した抗体を作用させる。
この細胞をFACSにかけ蛍光強度の強さを測定することに
よりmtHSP75が高発現しているか否か判定することがで
きる。
【0014】
【実施例】以下に、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明は、これら実施例等によりなんら限定さ
れるものではない。 実施例1:mRNA Differential Display法による、シス
プラチン耐性株で高発現している遺伝子のスクリーニン
グ (1)細胞株 シスプラチン感受性細胞株として卵巣癌細胞株A2780、2
008を用いた。また、耐性株として、感受性株より樹立
したA2780/CP70、2008/C13*5.25、2008/D'240を用い
た。これらの細胞を10%牛胎児血清(ニチレイ社)、
100U/ml ペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン
(共にシグマ社)を含むRPMI1640培地(GibcoBRL社製)
で5%CO2の加湿大気中で、37℃で培養した。
【0015】(2) mRNA Differential Display法によ
る解析 以下に記すmRNA Differential Display法はRNA image
(登録商標、ジーンハンター社)を用いて行った。上述
の細胞株の内、4種類の卵巣癌細胞株(A2780、A2780/C
P70、2008、2008/C13*5.25)からQuickprep mRNA Purif
ication kit(ファルマシア社)を用い、本キットの説
明書に従い、それぞれのmRNAを調製した。得られたmRNA
より逆転写反応によりcDNAを合成した。すなわち、0.2
μg mRNA、2μM ローダミン標識ポリ(T)プライマー
(5’-AAGCTTTTTTTTTTTM-3’)2.0μl、250μM dNTPを
1.6μl、キット中の5×RT buffer を4.0μl含む、全
量19μlの反応液を65℃で5分加熱して変性させた後、3
7℃で10分インキュベートし、mRNAとプライマーのアニ
ーリングを行った。その後、逆転写酵素(MMLV reverse
transcriptase 100U)を1μl添加し、37℃で50分間イ
ンキュベートしcDNAを合成した。次いで、75℃で5分加
熱して酵素を失活させた。
【0016】次に、合成したcDNAを鋳型として、ポリメ
ラーゼ・チェーン・リアクション(PCR)を行った。20
μlのPCR反応液中には、、RNA image(登録商標、ジー
ンハンター社)に含まれる10×PCR buffer 2μl、2μM
ローダミン標識ポリTプライマー 2μl 、arbitrary p
rimer 2μl、25μM dNTPを1.6μl、逆転写反応によ
り合成したcDNAを含む反応液 2.0μl、およびrTaqPoly
merase(東洋紡績社)を含む。PCRの反応条件は以下の
通りである。94℃で30秒加熱した後、40℃ 2分間保持、
次いで72℃ 30秒間保持の3段階温度変化を40回繰り返し
行い、最後に72℃で5分間保持した。上記のPCR反応をキ
ット中の80種類のarbitrary primer各々について行っ
た。
【0017】次に、CDDP耐性能の有無により発現量の異
なる遺伝子をスクリーニングするため、4種類の細胞株
のmRNA各々から得られたPCR産物について、6% 変性アク
リルアミドゲルを用いて電気泳動を行った。電気泳動は
1600Vで約3.5時間行った。検出は、ポリTプライマーの
末端に付加したローダミンを蛍光イメージアナライザー
(FMBIO:宝酒造社)で検出する方法を用いた。
【0018】結果を図1に示す。80種類のプライマーの1
つ(H-AP51 :5’-AAGCTTCGAAATG-3’)を用いたPCR産物
より、シスプラチン耐性株に共通して発現が亢進してい
る遺伝子断片を得た。
【0019】実施例2:cDNAクローニング 実施例1で得られた遺伝子断片をアクリルアミドゲル中
より抽出バッファー(0.5M酢酸アンモニウム、1mM EDTA
pH8.0)を用いて抽出し、プラスミドベクターpCR2.1
(インビトロジェン社)にクローニングした。塩基配列
の決定はサンガーらの方法(F. Sunger et al; Proc. N
atl. Acad. Sci. USA, 74, 5463-5467(1977))に従い、D
NAシークエンサー373XL(パーキン・エルマー社)を用
いて行った。その結果、得られた316bpの遺伝子断片の
塩基配列を図2に示す。
【0020】次に、得られた塩基配列を基に、5’RACE
法により全長cDNAをクローニングした。方法は、5’RAC
E System Version2.0(Gibco BRL社)に添付のAddition
al Protocolに従った。
【0021】すなわち、ヒト卵巣癌細胞株A2780/CP70よ
りQuickprep mRNA Purification kit(ファルマシア社
製)を用いて調製したmRNAを鋳型として、合成オリゴヌ
クレオチド 51-R-1(5’-ATCACTAGCTAATGGTCACT-3’)
をプライマーとして、cDNAを合成した。得られたcDNAを
GLASSMAX DNA Isolation Spin Cartridge (Gibco BRL
社)を用いて精製し、ターミナル デオキシヌクレオチ
ジル トランスフェラーゼ (TdT)を用いて5’末端にポリ
(C)を付加した後、PCRにより増幅した。全量50μl
のPCR反応液中には10×KlenTaq PCR reaction buffer
5μl、10mM dNTP1μl、10μM合成オリゴヌクレオチド
51-R-2(5’-CCCATTTCTGCTCAGGAAGT-3’)1μl、10μ
M Abridged Anchor Primer(Gibco BRL社)1μl、 TdT
反応液5μl、Advantage KlenTaq Polymerase Mix(50
×) (クローンテック社)1μlを含む。PCRの反応条件
は以下の通りである。94℃で30秒加熱した後、60℃ 30
秒間保持、次いで68℃ 6分間保持の3段階温度変化を30
回繰り返し行った。得られたPCR産物をプラスミドベク
ター pCR2.1(インビトロジェン社)にクローニング
し、前述の方法で塩基配列を決定した。
【0022】得られた塩基配列について、既存のデータ
ーベース(GenBank)とホモロジー検索を、解析ソフトB
LAST(Nucleic Acids Res. 25:3389-3402(1997))を用
いて行った。その結果、本遺伝子はミトコンドリアに局
在するヒートショック蛋白質75(mtHSP75)(Bhattac
haryya T., et. al., J. Biol. Chem. 270(4) 1705-171
0 (1995))であることが明らかとなった。
【0023】実施例3:ノーザンブロッティング 前述の5種類のヒト卵巣癌細胞株(A2780、A2780/CP7
0、2008、2008/C13*5.252008/D'240)をシスプラチン非
添加下で培養し、Quickprep mRNA Purificationkit(フ
ァルマシア社製)を用いてmRNAを調製した。このmRNAを
用いてノーザンブロットを行った。各mRNAを、1%アガロ
ース・ホルマリン変性ゲルで120Vで泳動した。1レーン
あたりのmRNA量は5μgである。ゲル中のmRNAを毛細管
作用を利用してニトロセルロースフィルター(アマシャ
ム社製、商品名 ハイボンド-N+)に転写し、80℃ 60
分ベーキングしてRNAを膜に固定した。プローブとし
て、DIG DNA ラベリングキット(ベーリンガー・マンハ
イム社)を用いて、mtHSP75遺伝子をDIG標識したものを
用いた。また、インターナルマーカーとしてグリセルア
ルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ(G3PDH)を用い
た。ノーザンブロッティングはベーリンガー・マンハイ
ム社の、DIGシステムを用いてハイブリダイゼーション
を行うためのユーザーガイドに基づいて行った。検出は
化学発光により行い、基質としてCDP-Star(ベーリンガ
ー・マンハイム社)を用いた。化学発光により得られた
シグナルはX線フィルム(アマシャム社商品名 Hyper f
ilm)に露光し、現像液(富士フィルム社商品名 レン
ドール、レンフィックス)を用いて現像した。
【0024】結果を図3に示す。シスプラチン耐性株に
おけるmtHSP75の発現量は、その親株と比較して亢進し
ており、それぞれ親株に対して約2.7〜4.7倍であった。
【0025】実施例4:ウエスタンブロッティング 前述の5種類のヒト卵巣癌細胞株(A2780、A2780/CP7
0、2008、2008/C13*5.252008/D'240)をシスプラチン非
添加下で培養し、 Trypsin/EDTA(Gibco BRL社)で細胞
を剥離し、PBSで3回洗浄後、2000rpm、5分間遠心分離
することにより回収した。得られた5種類の細胞を、1
×107個あたり100μlの2×SDS Sample buffer(1.52g
Tris, 20ml グリセリン, 2g SDS, 2mlの2-メルカプトエ
タノール,1mgのブロモフェノールブルーを水40mlに溶解
させ、1N塩酸でpH6.8とし、水で100mlとした)に懸濁
し、沸騰水浴中で10分間加熱した。この細胞粗抽出液を
4-20%濃度のアクリルアミドゲル(厚さ1mm, TEF Corpor
ation製)のサンプルウェルにそれぞれ10μlづつチャ
ージし、SDS-PAGE用緩衝液中で 、18mAの定電流下で泳
動した。泳動後、ゲル上の分離した蛋白質をPVDF膜(ミ
リポア社商品名 イモビロン)に電気的に転写した。転
写したPVDF膜は1%ブロッキング試薬(ベーリンガー・マ
ンハイム社)でブロッキングした後、BMケミルミネッセ
ンス ウエスタンブロティング試薬(ベーリンガー・マ
ンハイム社)を用いて、本キットの説明書に従い、ウエ
スタンブロットを行った。1次抗体として、1,000倍希
釈したヤギ抗GRP75抗体(サンタ・クルーズ社)を、2
次抗体として、30,000倍希釈したパーオキシダーゼ標識
ウサギ抗ヤギIgG抗体(シグマ社)を用いた。検出は化
学発光により行い、基質としてルミノールを用いた。化
学発光により得られたシグナルはX線フィルム(アマシ
ャム社商品名 Hyper film)に露光し、現像液(富士フ
ィルム社商品名 レンドール、レン フィックス)を用
いて現像した。
【0026】結果を図4に示す。シスプラチン耐性細胞
株中のmtHSP75の蛋白質量は、その親株と比較して約10
〜20%亢進していた。
【0027】
【発明の効果】本発明の薬剤耐性マーカーを用いた制癌
剤感受性試験を行うことにより、あらかじめ、癌細胞が
制癌剤耐性能を有するか否か判断することが可能とな
り、より効果的な治療ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 mRNA Differential Display法により、シスプ
ラチン耐性株で発現が亢進している遺伝子断片をスクリ
ーニングした図。
【図2】実施例1で得られた遺伝子断片およびそれを基
に作成した合成オリゴヌクレオチドを示す図。
【図3】この発明のcDNAをプローブにしたノーザンブロ
ッティングの図。
【図4】この発明の蛋白質に対する抗体を用いたウエス
タンブロッティングの図。
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月12日(2000.4.1
2)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】実施例2:cDNAクローニング 実施例1で得られた遺伝子断片をアクリルアミドゲル中
より抽出バッファー(0.5M酢酸アンモニウム、1mM EDTA
pH8.0)を用いて抽出し、プラスミドベクターpCR2.1
(インビトロジェン社)にクローニングした。塩基配列
の決定はサンガーらの方法(F. Sunger et al; Proc. N
atl. Acad. Sci. USA, 74, 5463-5467(1977))に従い、D
NAシークエンサー373XL(パーキン・エルマー社)を用
いて行った。その結果、得られた316bpの遺伝子断片の
塩基配列を図2(配列番号1)に示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】すなわち、ヒト卵巣癌細胞株A2780/CP70よ
りQuickprep mRNA Purification kit(ファルマシア社
製)を用いて調製したmRNAを鋳型として、合成オリゴヌ
クレオチド 51-R-2(5’-ATCACTAGCTAATGGTCACT-3’
図2(配列番号1)の261−242のDNAの相補鎖)をプライ
マーとして、cDNAを合成した。得られたcDNAをGLASSMAX
DNA Isolation Spin Cartridge (Gibco BRL社)を用い
て精製し、ターミナルデオキシヌクレオチジル トラン
スフェラーゼ (TdT)を用いて5’末端にポリ(C)を付
加した後、PCRにより増幅した。全量50μlのPCR反応液
中には10×KlenTaq PCR reaction buffer 5μl、10mM
dNTP 1μl、10μM合成オリゴヌクレオチド 51-R-1
(5’-CCCATTTCTGCTCAGGAAGT-3’、図2(配列番号1)
の175−156のDNAの相補鎖)1μl、10μM Abridged Anc
hor Primer(Gibco BRL社)1μl、TdT反応液5μl、Adv
antage KlenTaq Polymerase Mix(50×) (クローンテッ
ク社)1μlを含む。PCRの反応条件は以下の通りであ
る。94℃で30秒加熱した後、60℃ 30秒間保持、次いで6
8℃ 6分間保持の3段階温度変化を30回繰り返し行った。
得られたPCR産物をプラスミドベクター pCR2.1(インビ
トロジェン社)にクローニングし、前述の方法で塩基配
列を決定した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】実施例4:ウエスタンブロッティング 前述の5種類のヒト卵巣癌細胞株(A2780、A2780/CP7
0、2008、2008/C13*5.252008/D'240)をシスプラチン非
添加下で培養し、 Trypsin/EDTA(Gibco BRL社)で細胞
を剥離し、PBSで3回洗浄後、2000rpm、5分間遠心分離
することにより回収した。得られた5種類の細胞を、1
×107個あたり100μlの2×SDS Sample buffer(1.52g
Tris, 20ml グリセリン, 2g SDS, 2mlの2-メルカプトエ
タノール,1mgのブロモフェノールブルーを水40mlに溶解
させ、1N塩酸でpH6.8とし、水で100mlとした)に懸濁
し、沸騰水浴中で10分間加熱した。この細胞粗抽出液を
4-20%濃度のアクリルアミドゲル(厚さ1mm, TEF Corpor
ation製)のサンプルウェルにそれぞれ10μlづつチャ
ージし、SDS-PAGE用緩衝液中で 、18mAの定電流下で泳
動した。泳動後、ゲル上の分離した蛋白質をPVDF膜(ミ
リポア社商品名 イモビロン)に電気的に転写した。転
写したPVDF膜は1%ブロッキング試薬(ベーリンガー・マ
ンハイム社)でブロッキングした後、BMケミルミネッセ
ンス ウエスタンブロティング試薬(ベーリンガー・マ
ンハイム社)を用いて、本キットの説明書に従い、ウエ
スタンブロットを行った。1次抗体として、1,000倍希
釈したヤギ抗GRP75抗体(サンタ・クルーズ社)を、2
次抗体として、30,000倍希釈したパーオキシダーゼ標識
ウサギ抗ヤギIgG抗体(シグマ社)を用いた。検出は化
学発光により行い、基質としてルミノールを用いた。化
学発光により得られたシグナルはX線フィルム(アマシ
ャム社商品名 Hyper film)に露光し、現像液(富士フ
ィルム社商品名 レンドール、レン フィックス)を用
いて現像した。結果を図4に示す。シスプラチン耐性細
胞株中のmtHSP75の蛋白質量は、その親株と比較して約1
0〜20%亢進していた。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【発明の効果】本発明の薬剤耐性マーカーを用いた制癌
剤感受性試験を行うことにより、あらかじめ、癌細胞が
制癌剤耐性能を有するか否か判断することが可能とな
り、より効果的な治療ができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Asahi Breweries, Ltd <120> Method of testing for sensibility to anticancer drug <130>98T3-21 <160>1 <210>1 <211>314 <212>DNA <213>Human <400>1 ttcgaaatgg catacaaaaa gatggcatct gagcgagaag gctctggaag ttctggcact 60 ggggaacaaa aggaagatca aaaggaggaa aaacagtaat aatagcagaa attttgaagc 120 cagaaggaca acatatgaag cttaggagtg aagagacttc ctgagcagaa atgggcgaac 180 ttcagtcttt ttactgtgtt tttgcagtat tctatatata atttccttaa tttgtaaatt 240 tagtgaccat tagctagtga tcatttatgg acagtgattc taacagtata aagttcacaa 300 tattcaaaaa aaaaaa 316
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落合 和徳 東京都世田谷区新町1−25−6 (72)発明者 礒西 成治 東京都杉並区成田西3−5−7 (72)発明者 岡本 愛光 東京都杉並区井草4−5−2 Fターム(参考) 4B024 AA11 CA04 CA12 CA20 HA13 HA14 4B063 QA05 QA06 QA19 QQ02 QQ08 QQ53 QQ61 QQ79 QQ91 QQ98 QR56 QR77 QS16 QS25 QS33 QS34 QS35 QX02 QX07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミトコンドリアに局在するヒートショック
    蛋白質75(mtHSP75)の遺伝子の発現量を検出すること
    を特徴とする癌細胞の制癌剤感受性試験方法。
  2. 【請求項2】ミトコンドリアに局在するヒートショック
    蛋白質75(mtHSP75)の遺伝子の発現量が制癌剤に耐性
    を示す癌細胞では上昇し、制癌剤に感受性を示す癌細胞
    では低レベルである請求項1の制癌剤感受性試験方法。
  3. 【請求項3】ミトコンドリアに局在するヒートショック
    蛋白質75(mtHSP75)の遺伝子あるいはその一部と相補
    性のあるRNAを指標として検出することを特徴とする制
    癌剤感受性試験方法。
  4. 【請求項4】ミトコンドリアに局在するヒートショック
    蛋白質75(mtHSP75)あるいはその一部を有する蛋白質
    を指標として検出することを特徴とする制癌剤感受性試
    験方法。
  5. 【請求項5】制癌剤が白金錯体化合物である請求項1、
    3、または4に記載の制癌剤感受性試験方法。
  6. 【請求項6】制癌剤がシスプラチンである請求項1、
    3、または4に記載の制癌剤感受性試験記載の方法。
  7. 【請求項7】検出方法がmtHSP75の遺伝子の転写産物に
    対するノーザンブロッティングである請求項1、3〜6
    のいずれか1項に記載の制癌剤感受性試験方法。
  8. 【請求項8】検出方法がmtHSP75の遺伝子の翻訳産物に
    対するウエスタンブロッティングである、請求項1、3
    〜6のいずれか1項に記載の制癌剤感受性試験方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007126076A1 (ja) * 2006-04-28 2007-11-08 Kusakabe Bio-Medical Research Laboratory, Inc. 卵巣腫瘍のシスプラチン耐性マーカー
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