JP2000224993A - RelA結合性阻害因子、その製造方法およびその用途 - Google Patents
RelA結合性阻害因子、その製造方法およびその用途Info
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Abstract
阻害因子(RAI)及びその製造法、そのRelA結合
性阻害因子をコードするcDNA、そのcDNA配列に
選択的にハイブリダイズするフラグメント、そのcDN
Aを組み込まれた複製又は発現プラスミド、そのプラス
ミドで形質転換された宿主細胞、そのポリペプチドの抗
体、そのペプチドまたは抗体を含有する薬学的組成物、
そのRAIの抗体を用いた疾患の診断方法。 【効果】 本発明のRAIはNFκBのサブユニットで
あるp65と結合し、NFκBが関与すると考えられる
成人呼吸困難症候群(ARDS)、喘息、アログラフト
拒絶、炎症性疾患(炎症性関節炎、脈管炎等)、虚血性
疾患、慢性関節リューマチを含む自己免疫疾患、ガンの
転移浸潤、脈管再狭窄及びその他のNFκBが関与して
いる疾患等の治療及び/または予防に有用と考えられ
る。
Description
の活性化を阻害するタンパク質に関する。さらに詳しく
言えば、転写因子NFκBのサブユニットであるp65
に結合し、NFκBの転写活性を阻害するタンパクであ
る、p65結合タンパク(以後、RelA結合性阻害因
子またはRAIと略記する。)、その製造方法、その因
子をコードするcDNA、そのcDNAが組み込まれた
ベクター、そのベクターで形質転換された宿主細胞、そ
の阻害因子の抗体、およびその阻害因子または抗体を含
有する薬学的組成物に関する。
換え産生(特にインビボでの産生)、これらのタンパク
質をコードする核酸、発現および複製ベクター、ならび
に特に成人呼吸困難症候群(adult respiratory distre
ss syndrome:ARDS)、喘息、アログラフト拒絶、
炎症性疾患(炎症性関節炎、脈管炎等)、虚血性疾患、
慢性関節リューマチを含む自己免疫疾患、ガンの転移浸
潤および脈管再狭窄およびその他のNFκBに起因する
疾患の治療および/または予防に関する。
発現が亢進されている。それらにはインターロイキン、
転写因子、付着分子、および凝固系の成分などをコード
する遺伝子がある。そして、これらの遺伝子の多くの転
写には、転写因子であるNFκBが関与しているとされ
ている。
現されることが知られている。NFκB様のタンパク質
による遺伝子の転写誘導は、そのタンパクの活性化によ
りおこる。活性化により、予め形成された転写因子の細
胞質から核への移行が可能となる。この移行は、IκB
と呼ばれる抑制タンパク質のリン酸化と分解により、制
御されていることが知られている。
内の10塩基配列モチーフに結合した形で成熟B細胞か
ら初めて単離された。そのため、当初はNFκBは成熟
B細胞のこの発生期に特異的であると考えられていた
が、NFκB様タンパク質が多くの細胞で同定されてき
たため、遺伝子転写の誘導に一般的に関与していること
が示された。このことは、いくつかの誘導遺伝子におけ
る活性型NFκB結合部位の機能的同定により確かめら
れている。
50)および65kDaサブユニット(p65)からな
るヘテロダイマーである。核内因子であるNFカッパー
B(NFκB)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を
含むウイルスの遺伝子発現や、特に免疫や炎症応答にお
ける種々の細胞内の遺伝子の発現を調節するDNA配列
に特異的に結合するタンパク複合体である。哺乳類の細
胞におけるNFκBファミリーの因子には、プロトオン
コ遺伝子であるc−Rel、p50/p105(NFκ
B1)、p65(RelA)、p52/p100(NF
κB2)およびRelB等が含まれる。これら全てのタ
ンパクは、DNA結合、二量化およびNFκBの核内移
行を担う、Rel相同ドメイン(RHD)として知られ
る、保存された相同性のある300アミノ酸領域を共有
する。
異なった特異性を持った様々な組み合わせのヘテロまた
はホモ二量化体を形成することができる。Relファミ
リーに属する転写因子の調節に共通する特徴は、IKB
sとして知られる阻害分子の一種と不活性複合体として
細胞質中へ遊離されることである。フォルボルエステ
ル、インターロイキン1、腫瘍壊死因子α(TNF−
α)、ウイルス感染および多くの分裂促進因子(マイト
ジェン)およびサイトカイン等の様々な誘発物質による
細胞を処理することにより、細胞質にある複合体の解離
と遊離NFκBの核内への移行が引き起こされる。細胞
質複合体の解離は、IKBタンパクのリン酸化と引き続
く蛋白分解によって、引き金が引かれることが知られて
いる。この蛋白の分解は残されたNFκBヘテロ二量体
の核局在配列を露出させることになり、それがNFκB
の核移行とそれに引き続くNFκBのターゲット遺伝子
中にあるDNA調節エレメントへの結合へと導かれる。
p65サブユニットは、しばしば、NFκB複合体に検
出され、非常に強い転写活性化能力を有している。p6
5は、他のNFκBファミリー因子と二量化し、その強
力な転写活性化領域を介して遺伝子発現を活性化する。
κBの転写活性を阻害する新規なタンパク(NFκBの
阻害因子)、その製造方法、その因子をコードするcD
NA、そのcDNAが組み込まれたベクター、そのベク
ターで形質転換された宿主細胞、その阻害因子の抗体、
およびその阻害因子あるいは抗体を含有する薬学的組成
物を提供することにある。
FκB阻害因子であるIκB以外に、新規な阻害因子が
存在するのではないかと考え、NFκB、特にp65サ
ブユニットに着目して鋭意努力した。その結果、新規な
NFκB阻害因子を見出し、そのアミノ酸配列、そのア
ミノ酸配列をコードするcDNA配列ならびに因子の機
能および組織分布等の性質を確認し、本発明を完成し
た。
タンパクと考えられ、NFκBのDNA結合活性を妨げ
ることにより、NFκB依存性の転写活性化を阻害す
る。RelA結合性阻害因子は4つの連続アンキリンお
よびSH3領域を含む、53BP2のC末端と非常に高
いホモロジーを有する遺伝子である。RelA結合性阻
害因子は、核内に局在し、TNF−αによって誘導され
るp65と一致した局在を示した。さらに、RelA結
合性阻害因子は、NFκBの活性化を阻害したが、一時
的に形質転換した細胞において、p53依存性の転写活
性化には作用しなかった。それゆえ、RelA結合性阻
害因子は、NFκB依存性転写調節のもう一つの機序に
関わる、新規なp65結合タンパクであると言える。本
発明者は、これらの相互作用を、インビトロにおいては
細菌で発現した融合タンパク、インビボにおいては共免
疫沈降/ウエスタンブロッティングアッセイにより確認
した。
わらず、RelA結合性阻害因子は酵母2ハイブリッド
アッセイで、P53との相互作用が見られなかった。こ
のタンパクをコードするcDNAは、53BP2のタン
パク−タンパク相互作用に重要な、4つのアンキリンリ
ピートおよびSH3ドメインを含む、C末端の200ア
ミノ酸と高い構造ホモロジーを有している。ヒトにおい
て、RelA結合性阻害因子のmRNAは、心臓、胎盤
および前立腺に特異的に発現しており、肝臓、骨格筋お
よび末梢血白血球では、顕著に発現が少なかった。
技術は急速に発展し、大量のcDNAのシークエンスを
迅速に行なうことができるようになった。そこでこれら
の技術を利用して、様々な細胞や組織からcDNAライ
ブラリーを作製し、ランダムにcDNAをクローニング
して塩基配列を決定し、相当するポリペプチドを発現さ
せた後、その生理機能を解析していくという方法が発展
しつつある。そのような技術の一環として、酵母2−ハ
イブリッド法が知られている。
釣り上げられ、また、蛍光マーカーなどのレポーター遺
伝子を組み込むことにより、目的とするタンパクのみを
簡便に採取することができるようになった。本発明者
は、この酵母2−ハイブリッド法を用いてNFκBタン
パクのサブユニットであるp65をプローブとして用い
て、新規なp65に結合し、その活性を阻害する新規な
因子を見つけるべく、実験を重ね、本発明因子を見出し
た。
新規であることは、ホモロジー検索により確認した。後
に詳述する本発明の配列の製造方法で得られたいくつか
のクローンのうち、本発明のRelA結合性阻害因子の
配列のみが新規であった。本発明のRelA結合性阻害
因子のアミノ酸配列は、配列番号1に記載の通りであ
る。このアミノ酸配列は、4つのアンキリンリピートと
SH3領域を有しているので、Relファミリーの一種
であると考えられる。
アミノ酸配列からなるRelA結合性阻害因子、(2)
前記(1)に記載したRelA結合性阻害因子をコード
するcDNA、(3)配列番号2で示される塩基配列を
有するcDNA、(4)配列番号3で示される塩基配列
を有するcDNA、に関する。
号1で示されるアミノ酸配列からなるRelA結合性阻
害因子、そのホモローグ、その配列のフラグメントおよ
びそのホモローグに関する。本発明はさらにそれらのR
elA結合性阻害因子をコードするcDNAに関する。
より具体的には、配列番号2または3で示される塩基配
列を有するcDNA、および配列番号2または3で示さ
れる塩基配列に選択的にハイブリダイズするフラグメン
トを有するcDNAに関する。
されるアミノ酸配列を有する本発明のRelA結合性阻
害因子とは、一般に、生産時のポリペプチドの90%以
上、例えば、95、98または99%が配列番号1で示
されるアミノ酸配列を有するRelA結合性阻害因子で
あることを意味する。
る本発明のRelA結合性阻害因子のホモローグとは、
一般に少なくとも20個、好ましくは少なくとも30
個、例えば40、60または100個の連続したアミノ
酸領域で、少なくとも70%、好ましくは少なくとも8
0または90%、より好ましくは95%以上相同性であ
るものであり、そのようなホモローグは、以後本発明の
RelA結合性阻害因子として記載される。
列からなる本発明のRelA結合性阻害因子のフラグメ
ント、またはそれらのホモローグのフラグメントとは、
少なくとも10アミノ酸、好ましくは少なくとも15ア
ミノ酸、例えば20、25、30、40、50または6
0アミノ酸部分を意味する。
有するcDNAに選択的にハイブリダイズするcDNA
とは、一般に、少なくとも20個、好ましくは少なくと
も30個、例えば40、60または100個の連続した
塩基配列領域で、少なくとも70%、好ましくは少なく
とも80または90%、より好ましくは95%以上相同
性であるものであり、そのようなcDNAは、以後本発
明のcDNAとして記載される。ハイブリダイズするc
DNAには、相補配列も含まれる。ハイブリダイズの条
件は、ストリンジェントであることが望ましい。
有するcDNAのフラグメントとは、少なくとも10塩
基、好ましくは少なくとも15塩基、例えば20、2
5、30または40塩基部分を意味し、そのようなフラ
グメントも本発明のcDNAに含まれる。
組み込まれた複製または発現ベクターが含まれる。ベク
ターとしては、例えば、ori領域と、必要により上記
cDNAの発現のためのプロモーター、プロモーターの
制御因子などからなるプラスミド、ウィルスまたはファ
ージベクターが挙げられる。ベクターはひとつまたはそ
れ以上の選択的マーカー遺伝子、例えばルシフェラーゼ
発現遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子を含んでいてもよ
い。ベクターは、イン・ビトロ(in vitro)において、
例えばcDNAに対応するRNAの製造、宿主細胞の形
質転換に用いることができる。
で示される塩基配列、またはそれらのオープンリーディ
ングフレームを有するcDNAを含む本発明のcDNA
を複製または発現させるためのベクターで形質転換され
た宿主細胞も含まれる。細胞としては、例えば細菌、酵
母、昆虫細胞または哺乳動物細胞が挙げられる。
合性阻害因子を発現させるための条件下で、本発明の宿
主細胞を培養することからなる本発明のRelA結合性
阻害因子の製造方法も含まれる。培養は、本発明のRe
lA結合性阻害因子が発現し、宿主細胞より製造される
条件下で行なわれることが好ましい。
ーのアンチセンス領域に挿入する等の方法によりアンチ
センスを製造することもできる。このようなアンチセン
スは、細胞中の本発明のポリペプチドのレベルを制御す
るために用いることもできる。
阻害因子のモノクローナルまたはポリクローナル抗体を
も含む。さらに本発明におけるRelA結合性阻害因子
のモノクローナルまたはポリクローナル抗体の製造方法
をも含む。モノクローナル抗体は、本発明のRelA結
合性阻害因子、またはその断片を抗原として用い、通常
のハイブリドーマの技術により製造することができる。
ポリクローナル抗体は、宿主動物(例えば、ラットやウ
サギ等)に本発明のRelA結合性阻害因子を接種し、
免疫血清を回収する、通常の方法により製造することが
できる。
因子、その抗体と薬学的に許容される賦形剤および/ま
たは担体を含有する薬学的組成物も含まれる。本発明に
は、本発明のRelA結合性阻害因子の抗体を用いた前
記したようなNFκBが関連した疾患等の診断方法も含
まれる。抗体を用いた診断は、種々知られているが、例
えば抗原抗体反応を用いて、酵素量をEIA法等で測定
することにより行なわれる。
としては、配列番号1で示されたアミノ酸配列を有する
もの以外に、その一部が欠損したもの(例えば、配列番
号1中、生物活性の発現に必須な部分だけからなるポリ
ペプチド等)、その一部が他のアミノ酸と置換したもの
(例えば、物性の類似したアミノ酸に置換したもの)、
およびその一部に他のアミノ酸が付加または挿入された
ものも含まれる。よく知られているように、ひとつのア
ミノ酸をコードするコドンは1〜6種類(例えば、Me
tは1種類、Leuは6種類)知られている。従って、
ポリペプチドのアミノ酸配列を変えることなくcDNA
の塩基配列を変えることができる。
は、(1)の配列番号1で示されるRelA結合性阻害
因子をコードするすべての塩基配列群が含まれる。塩基
配列を変えることによって、RelA結合性阻害因子の
生産性が向上することがある。(3)で特定される配列
番号2で示されるcDNAは、(2)のcDNAの一態
様であり、天然型配列を表わす。(4)に示される配列
番号3のcDNAは、(3)で特定されるcDNAに天
然の非翻訳部分を加えた配列を示す。(5)配列番号4
は、(4)に示される配列番号3のcDNAおよび
(1)に示されるアミノ酸配列の対応を示す。
DNAおよび配列番号1で示されるアミノ酸配列を有す
る本発明のRelA結合性阻害因子の作製は、以下の方
法に従って行なわれる。
には、酵母2−ハイブリッド法が用いられる。p65の
中央部分(二量化ドメイン、核移行シグナルおよび多プ
ロリン含有の特徴を有する。)を、酵母GAL4のDN
A結合ドメインと同一フレーム中に有するように、プラ
スミド(pAS2−1等)にクローニングする。 2)得られたプラスミドをプローブとして、GAL4転
写活性化ドメインベクターpACT2中に構築された、
ヒトcDNAライブラリー(胎盤、脳等)をスクリーニ
ングする。
用いて、酵母形質転換体を得る。そのうち、選択培地上
で成長したクローンを、フィルターリフト・ガラクトシ
ダーゼアッセイで青色発色を基準に選別する。3) 別
の酵母(Y187株等)を用いた再スクリーニングを行
ない、p65プローブに特異的に相互作用するプラスミ
ドクローンを確認する。これらのクローンは、両鎖のD
NAシーケンシングにより、同定することができる。
除くことにより、本発明RelA結合性阻害因子をコー
ドしているクローンを得る。 5)得られたDNAの断片を用いて、ヒトライブラリー
(胎盤、脳など)を用いて、プラークハイブリダイゼー
ションにより、単離し、目的とする約6kbpの全長c
DNAを単離する。 6)単離したcDNAを元に、公知の方法により発現細
胞(CHO細胞、COS細胞等)を用いて本発明のタン
パクであるRelA結合性阻害因子を得る。
ートおよびSH3ドメインは別として、RelA結合性
阻害因子配列は、現行データベース中のどのタンパクと
も相同性がなかった。このようにして得られたcDNA
は、そのものが全長またはほぼ全長であることを確認す
る必要がある。ノザンブロットでのmRNAサイズとの
比較により、本発明のポリペプチドはほぼ全長であるこ
とを確認した。
一旦確定されると、その後は、化学合成によって、ある
いは本発明の塩基配列の断片を化学合成し、これをプロ
ーブとしてハイブリダイズさせることにより、本発明の
cDNAを得ることができる。さらに、本発明のcDN
Aを組み込んだベクターcDNAを適当な宿主に導入
し、これを増殖させることによって、目的とするcDN
Aを必要量得ることができる。
ては、(1) 生体または培養細胞から精製単離する方
法、(2) ペプチド合成する方法、または(3) 遺
伝子組み換え技術を用いて生産する方法、などが挙げら
れるが、工業的には(3)に記載した方法が好ましい。
を生産するための発現系(宿主−ベクター系)として
は、例えば、細菌、酵母、昆虫細胞および哺乳動物細胞
の発現系が挙げられる。
熟タンパク部分またはプロフォームタンパク部分をコー
ドするcDNAの5’末端に開始コドン(ATG)を付
加し、得られたcDNAを、適当なプロモーター(例え
ば、trpプロモーター、lacプロモーター、λPL
プロモーター、T7プロモーター等)の下流に接続し、
大腸菌内で機能するベクター(例えば、pBR322、
pUC18、pUC19等)に挿入して発現ベクターを
作製する。
腸菌(例えば、E. Coli DH5α、E. Coli JM10
9、E. Coli HB101株等)を適当な培地で培養し
て、その菌体より目的とするポリペプチドを得ることが
できる。また、バクテリアのシグナルペプチド(例え
ば、pelBのシグナルペプチド)を利用すれば、ペリ
プラズム中に目的とするポリペプチドを分泌することも
できる。さらに、他のポリペプチドとのフュージョン・
プロテイン(fusion protein)を生産することもでき
る。
は、例えば、配列番号3で示される塩基配列をコードす
るcDNAを適当なベクター(例えば、レトロウイルス
ベクター、パピローマウイルスベクター、ワクシニアウ
イルスベクター、SV40系ベクター等)中の適当なプ
ロモーター(例えば、SV40プロモーター、SRαプ
ロモーター、LTRプロモーター、メタロチオネインプ
ロモーター等)の下流に挿入して発現ベクターを作製す
る。次に、得られた発現ベクターで適当な哺乳動物細胞
(例えば、ヒト未分化好酸球白血病EOL細胞、COS
−7細胞、CHO細胞、マウスL細胞等)を形質転換
し、形質転換体を適当な培地で培養することによって、
その培養液中に目的とするポリペプチドが分泌される。
以上のようにして得られたポリペプチドは、一般的な生
化学的方法によって単離精製することができる。
ペプチド)は、転写活性化因子であるNFκBのサブユ
ニットであるp65に核内で結合し、NFκBを阻害す
るため、核内での遺伝子の転写を阻害し、特に成人呼吸
困難症候群(adult respiratory distress syndrome:
ARDS)、喘息、アログラフト拒絶、炎症性疾患(炎
症性関節炎、脈管炎等)、虚血性疾患、自己免疫疾患
(特にAIDS)、ガンの転移浸潤、脈管再狭窄および
NFκBに起因するその他の疾患の治療および/または
予防に有用である。また、本発明のRelA結合性因子
は、心臓の発生、心臓での炎症抑制に関与しており、心
筋細胞の再生のために用いることができる。また、本発
明の抗体を用いることにより、上記の疾患の診断に用い
ることもできる。
因子、その抗体またはアンチセンスと薬学的に許容され
る賦形剤および/または担体を含有する薬学的組成物も
含まれる。
A結合性阻害因子をコードするcDNA、抗体またはア
ンチセンスを投与する際には、経口投与のための固体組
成物、液体組成物およびその他の組成物、非経口投与の
ための注射剤、外用剤、坐剤等として用いられる。経口
投与のための固体組成物には、錠剤、丸剤、カプセル
剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセルには、ソフト
カプセルおよびハードカプセルが含まれる。
投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人
あたり、一回につき、100μgから100mgの範囲
で、一日一回から数回経口投与されるか、または成人一
人当り、一回につき、10μgから100mgの範囲
で、一日一回から数回非経口投与される。もちろん前記
したように、投与量は種々の条件により変動するので、
上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範
囲を超えて必要な場合もある。
は、上記疾患の診断のために用いることができる。本発
明のRelA結合性阻害因子のポリクローナル抗体また
はモノクローナル抗体を用いて、生体における本発明R
elA結合性阻害因子の定量が行なえ、これによって本
発明のRelA結合性阻害因子と疾患との関係の研究あ
るいは疾患の診断等に利用することができる。
抗体は本発明のポリペプチドあるいはその断片を抗原と
して用いて常法により作製することができる。さらに、
本発明のRelA結合性阻害因子(ポリペプチド)を用
いることにより、本ポリペプチドと結合する蛋白(NF
κB)の精製あるいは遺伝子クローニングをすることが
できる。また本発明RelA結合性阻害因子のアゴニス
ト、アンタゴニストの検索に用いることもできる。
される本発明RelA結合性阻害因子を生産する際の重
要かつ必須の鋳型となるだけでなく、遺伝病の診断や治
療(遺伝子欠損症の治療またはアンチセンスDNA(R
NA)によって、RelA結合性阻害因子の発現を停止
させることによる治療等)に利用できる。また、本発明
のcDNAをプローブとしてジェノミック(genomic)
DNAを分離できる。同様にして、本発明cDNAと相
同性の高いヒトの関連ポリペプチドの遺伝子、またヒト
以外の生物における本発明RelA結合性阻害因子と相
同性の高いポリペプチドの遺伝子を分離することも可能
である。
より具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を制限
するものではない。
た。酵母2−ハイブリッドシステムにより、ヒトp65
断片(アミノ酸176−405)を、pAS2−1(ク
ローンテック社、パロアルト)にクローニングした。B
amHI制限サイトを含む5’および3’オリゴヌクレ
オチド、すなわち、Forward:5’−GGCGGATC
CCTCCGCCTGCCGCCTGTC−3’(配列
番号5)、およびReverse:5’−GCTGGATCC
GGGGCAGGGGCTGGAGCC−3’(配列番
号6)を用いたPCRを行ない、得られたプラスミドを
pAS2−1−p65(176−405)と命名した。
ライブラリースクリーニングで得られた最も長いRel
A結合性阻害因子インサート(Rel A Associated Inhib
itor;以下、RAIと略記する。)であるpACT2−
p35をEcoRIおよびXhoIで切断した。このE
coRI−XhoI断片を精製し、EcoRI−Xho
Iで消化したpGEX−5X−2(ファルマシア社)に
クローニングした。
ように行なった。RAIの全長をSalIおよびBam
HI制限サイトを含むオリゴヌクレオチド、すなわちFo
rward:5’−CAATGGTCGACATGGATC
TGACTCTTGCTG−3’(配列番号7)、およ
びReverse:5’−GATCAGGATCCTCAGG
CCAAGCTCCTTTGT−3’(配列番号8)を
用いてそれぞれ増幅し、SalI−BamHI断片とし
てpEGFP−C1プラスミドにクローニングし、GF
Pと同一フレームでRAIとの融合タンパクを合成する
ことのできるpEGFP−RAIプラスミドを得た。p
EGFP−RAIを、BssHIIおよびBamHIで
切断し、クレノー酵素によって平坦化することにより、
これをpEGFP−C1にクローニングすることによ
り、pEGFP−RAI(1−146)を作製した。
IおよびBamHIを含むオリゴヌクレオチドF13
2、すなわちForward:5’−GCTTCGAATTC
TGTGCTGCGGAAGGCG−3’(配列番号
9)、およびReverse:5’−GATCAGGATCC
TCAGGCCAAGCTCCTTTGT−3’(配列
番号10)を用いたPCRにより増幅し、pEGFP−
C1にクローニングすることにより、pEGFP−RA
I(132−351)を作製した。pEGFP−RAI
から、全長RAI断片を、pFLAG−CMV−2ベク
ターのSalIおよびBamHI制限サイトにインサー
トすることによりpFLAG−CMV−RAIを作製し
た。全てのPCRは、エクスパンド・ハイフィディリテ
ィー・システム(ベーリンガーマンハイム社)を用い
た。
イターミネーター・サイクルシーケンシング・レディー
リアクションキット(パーキンエルマー社)を用いた、
ジデオキシヌクレオチドシーケンシングにより確認し
た。
ロモーターに含む、PG13−Lucプラスミド、およ
びヒト野生型p53を発現するpCMV−p53wtプ
ラスミドは、B.ボゲルスタイン博士より提供いただい
た。4kBw−Lucおよび4kBm−Lucの構築は
既報によった。
ム・プロトコール(クローンテック社)に従って、酵母
2ハイブリッドスクリーン−pAS2−1−p65(1
76−405)をプローブとして、ヒト胎盤および脳c
DNAライブラリーをスクリーニングした。ポジティブ
酵母クローンを、ヒスチジンによる栄養要求性およびβ
−ガラクトシダーゼの発現により選んだ。プラスミド由
来のライブラリーをポジティブクローンから分離し、得
られたプラスミドでE.Coli HB101株を形質
転換した。
al1レポーター遺伝子を組み込んだイーストY187
株に、プラスミドを導入することにより行なった。β−
ガラクトシダーゼの発現を検出することにより、それぞ
れの結合を確認した。
作用するcDNAクローンを含んだプラスミドを、制限
酵素地図、特定のプライマーを用いたPCRおよび両鎖
のDNAシーケンシングにより同定した。米国立バイオ
テクノロジー情報センター(NCBI)のオンラインサ
ービスを用いて、シーケンスネットワークBLASTサ
ーチを行なった。
1細胞を、熱変性ウシ胎児血清(10%)、グルタメー
ト(1mM)、ペニシリン(100単位/ml)および
ストレプトマイシン(100mg/ml)を添加したダ
ルベッコ変法イーグル培地中、37℃で培養した。ジャ
ーカットヒトT細胞株を、熱変性ウシ胎児血清(10
%)および抗生物質を加えたRPMI1640中に保存
した。この細胞を、スーパーフェクト形質転換試薬(キ
アゲン社)をメーカーの指示通り用いて、形質転換し
た。
と発現 グルタチオン S−トランスフェラーゼ(GST)融合
タンパクをコードするpGEX−5X−2プラスミドで
大腸菌BL21(DE3)pLysS株を形質転換し、
イソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド
(IPTG、0.1mM)で28℃で一夜処理した。リ
コンビナントGST−融合タンパクを、緩衝液A(トリ
ス塩酸緩衝液(pH7.4;50mM)、DTT(1m
M)、EDTA(1mM)、EGTA(0.1mM)、食
塩(100mM)、ベンズアミジン(1mM)、フェニ
ルメチルスルフォニルフルオライド(PMSF)(0.1
mM)、トシルフェニルアラニルクロロメチルケトン
(0.1mM)、0.25%(v/v)ノニデトP−40(N
P−40))中、グルタチオン−セファロースビーズ
(ファルマシアバイオテック社)を用いて、細菌抽出物
とインキュベートすることにより精製した。ビーズを氷
冷した緩衝液Aで5回洗浄後、緩衝液A(1ml)に懸
濁した。5〜20%ドデシルスルフェートナトリウム−
ポリアクリルアミドを用いたSDS−PAGEを用い
て、クーマッシー青で染色することにより、結合GST
融合タンパクの精製と定性を行なった。
(プロメガ社)を、メーカーの指示通り用いて、35S−
メチオニンでラベルしたp65を作製した。インビトロ
でのタンパク−タンパク相互作用を調べるために、5m
gの精製GST−RAI融合タンパク、またはネガティ
ブコントロールとしてGSTと、インビトロで合成し35
S−メチオニンでラベルしたp65とを反応させ、グル
タチオンセファロースビーズを加えて、25℃で1時
間、緩衝液A(250ml)中で、インキュベートし
た。ビーズを、0.1%NP−40を含有する氷冷緩衝液
A(1ml)を用いて、懸濁および遠心分離を5回繰り
返すことにより洗浄した。目的のタンパクを、等量のS
DS用緩衝液でビーズから溶出し、3分間煮沸し、5〜
20%SDS−PAGEに溶解し、オートラジオグラフ
ィーで現像した。
いRAIの断片を、ハイブリダイゼーションプローブと
して用いて、ヒト胎盤5’−ストレッチプラスcDNA
ライブラリー(クローンテック社)をスクリーニングし
た。プローブを、プライムイット・ランダムプライマー
・ラベリングキット(ストラタジェン社)を用いて、32
Pでラベルした。ハイブリダイゼーションは、メーカー
の指示通り行なった。フィルターを、終端ストリンジェ
ンシー0.1×SSC−0.5%SDSを用いて65℃で洗浄
し、増強スクリーンを用い、X線フィルム(X−オマッ
トAR;イーストマンコダック社)に一夜曝した。フィ
ルムを現像し、フィルター上のハイブリダイゼーション
により、RAIのcDNAクローンを同定・単離した。
ファージを、アガロースプラグからSM緩衝液で溶出
し、4℃で保存した(1次プラークプール)。2次およ
び3次プラーク精製を、1次プールと同様に行ない、単
一プラークが単離されるまで、この操作を繰り返した。
5’末端のオープンフレームで消化したCMVプロモー
ター発現ベクターにクローニングした。前記したスーパ
ーフェクト形質転換試薬を用いて、293T細胞が形質
転換された。SDS含有緩衝液中の全細胞抽出物からタ
ンパクを単離した。ウェスターンブロッティングはアン
チーFLAG抗体(サンタクルツ社)を用いた、1000倍
希釈で、通常の方法により行なった。第二次抗体とし
て、1/2500に希釈した西洋ワサビパーオキシダーゼを
接合した抗ウサギIgG抗体を用い、タンパクのバンド
は、ケミルミネッセンス(アマーシャム社)を用いて現
像した。
(増やした)。PBS洗浄後、細胞を氷冷した可溶化緩
衝液(350ml,トリス塩酸緩衝液(pH7.4;50
mM),食塩(150mM),EDTA(2mM)、P
MSF(1mM),DTT(1mM),NP−40(0.
2%),フッ化ナトリウム(10mM),アポロチニン
(10μg/ml),ロイペプチン(10μg/m
l),およびペプスタチンA(1μg/ml))で30
分間可溶化した。可溶化物を遠心分離した上清を、抗F
LAG M2マウスモノクローナル抗体(コダック
社)、コントロールマウスモノクローナル抗体(ダコー
社)またはウサギポリクローナルIκB−α抗体(サン
タクルツ社)と4℃で一夜、続いてタンパクAセファロ
ース(ファルマシア社)と4時間インキュベートした。
ビーズを、可溶化緩衝液(1ml)で6回洗浄した。目
的タンパクを等量のSDS緩衝液で溶出し、10%−S
DS−PAGEで分析した。抗NFκBp65(C−2
0)抗体(サンタクルツ社)を用いた、ウェスターンブ
ロッティングは、前記と同様に行なった。
ダイゼーション ヒューマン複数組織ブロッツ(クローンテック社)を用
いたノザンブロッティングハイブリダイゼーションはメ
ーカーの指示通り行なった。RAIの全長cDNAをプ
ローブとして用いた。同一量のRNAがブロットされて
いることを確かめるために、ブロットは、さらにβ−ア
クチン断片によりプローブされた。
パーフェクト形質転換試薬(キアゲン社)を用いて、種
々のGFP融合タンパクを発現するプラスミドで形質転
換した。24時間後、細胞を4%パラフォルムアルデヒ
ドと15分間反応させることにより固定し、DNA結合
染料ヘキスト−33342を用いて、室温で15分間染色
し、次いでリン酸緩衝液(PBS)で洗浄した。GFP
融合タンパクの細胞内局在を、蛍光顕微鏡解析により観
察した。
転換し、4穴チャンバースライドで培養した。形質転換
後24時間で、細胞をTNF−α(10ng/ml)で
処理または処理せずに前記した方法で免疫染色した。簡
単に言えば、細胞を4%(w/v)パラフォルムアルデ
ヒド/PBSを用いて室温下、10分間処理して固定
し、次いで0.5%トリトンX−100/PBSで室温
下、20分間処理した。これらを、ウサギp65ポリク
ローナル抗体(サンタクルツ社)と37℃で1時間イン
キュベートした。PBS洗浄後、TRITCを結合した
ヤギ抗ウサギIgG抗体(カペルオルガノンテクニカ
社)と37℃で30分間インキュベートした。細胞核の
形態を観察するために、ヘキスト−33342で室温下15
分間染色した。スライドを蛍光顕微鏡下に観察した。
養し、スーパーフェクト形質転換試薬(キアゲン社)を
用いて形質転換した。それぞれの形質転換には、50n
gのkB依存性プラスミドもしくはミュータントレポー
タープラスミド(4kBw−Lucまたは5kBm−L
uc)、または250ngのp53依存性ルシフェラー
ゼレポータープラスミド(PG13−Luc)、および
30ngの内部標準プラスミドpRL−TKを用いた。
形質転換DNAの総量を1.5μgにするために、空ベク
ターpEBVHisBまたはpFLAG−CMV−2を
用いて調節した。形質転換後24時間して細胞を採取
し、ルシフェラーゼ活性を測定した(Sato, T. et al,
AIDS Res. Hum. retrovir. 14, 293-298(1998))。ジャ
ーカット細胞を指示されたプラスミドで形質転換した。
形質転換から24時間後、細胞を5ng/mlのTNF
−αで24時間刺激し、ルシフェラーゼ活性の測定のた
めに採取した。
方法により調製した(Okamoto, T., et al, Virology 1
77, 606-614(1990))。核を抽出緩衝液(35ml;H
EPES(50mM),pH7.4,塩化カリウム(50
mM),食塩(350mM),EDTA(0.1mM),
DTT(1mM),PMSF(0.1mM),グリセリン
(10%))を用いて可溶化した。
イオ−ラッド社)を用いて測定した。ゲル電気泳動シフ
トアッセイ(EMSA)は(Yang, J.-P., et al, FEBS
Lett. 361, 89-96(1995):Liu, Z.-Q., et al, FEBS Le
tt. 385, 109-113(1996))に従い、ヒト免疫不全ウイル
スのLTRから得られたkB配列を用いて行なった。ま
た、対照としてOct−コンセンサスオリゴヌクレオチ
ド:5’−TGTCGAATGCAAATCACTAG
AA−3’(配列番号11)を用いた。オリゴヌクレオ
チドは、DNAポリメラーゼクレノー断片(タケダバイ
オメディカルズ社)および[α−32P]dATP(3000
Ci/mmol、ICNファーマシューティカルズ社)
を用いてラベル化した。DNA結合反応は、室温で15
分間、10μlで、5μgの核抽出物を用いて行なっ
た。結合複合体の解析は、5%ポリアクリルアミドゲル
中、0.5×トリス−ホウ酸−EDTA緩衝液を用いた電
気泳動およびオートラジオグラフィーにより行なった。
DNA競合実験には、プローブの50倍等量の過剰量の
非ラベル競合オリゴヌクレオチドを反応混合物に加え
た。
のcDNAクローンの単離 p65に相互作用するタンパクの同定には、酵母2−ハ
イブリッド法を用いた。二量化ドメイン、核移行シグナ
ルおよび多プロリン含有の特徴を有するp65のアミノ
酸DNA断片(176−405)を、酵母GAL4のD
NA結合ドメインをフレーム中に有するpAS2−1に
クローニングした。得られたプラスミド、pAS2−1
−p65(176−405)をプローブとして、GAL
4転写活性化ドメインベクターpACT2中に構築され
たヒトcDNAライブラリー(胎盤および脳)をスクリ
ーニングした。酵母Y190株をスクリーニングに用い
て、約1.56×106の酵母Y190形質転換体が得られ
た。そのうち、78クローンが選択培地上で成長し、フ
ィルターリフトガラクトシダーゼアッセイで青色を呈し
た。酵母Y187株を用いた再スクリーニングでは、p
65に特異的に結合するタンパクをコードする63個の
プラスミドクローンが見出された。これらのクローン
は、両鎖のDNAシーケンシングにより同定された。
ていることに加えて、一次ヌクレオチドシーケンシング
では、IκB−β/Trip9(4クローン)、p50
/p105(3クローン)、p65/RelA(2クロ
ーン)、c−Rel(1クローン)および53BP2
(2クローン)であり、4つのクローンは、GenBa
nkデータベースには登録されていないタンパクをコー
ドしている未知の遺伝子が分離されたことが明らかにな
った(これらは全て、ヒト胎盤cDNAライブラリー由
来である。)。
A結合性阻害因子(RAI)と命名した。4つのクロー
ンは同じ3’末端を有してはいるが、異なるインサート
サイズを有していることが2−ハイブリッドスクリーニ
ングにより同定された。p65とRAI間の相互作用を
確認するために、リコンビナントRAIとp65タンパ
ク間のインビトロアッセイを行なった。pACT2−R
AIから取り出したcDNAインサートをGST発現プ
ラスミドのフレームの中に組み込み、GST−RAI融
合タンパクを作成した。GST融合タンパクをE.co
liで発現させ、グルタチオンセファロースビーズを用
いて精製した(図1、レーン1および2)。
小麦胚抽出によるインビトロ転写・翻訳プロトコールを
用いて合成した(図1、レーン3)。グルタチオンセフ
ァロースビーズに結合させた精製GST融合タンパクを
インビトロ合成したp65タンパクとインキュベートし
た。ビーズを洗浄し、目的物質をSDS−PAGEで解
析し、次いでオートラジオグラフィーに供した。図1で
は、p65がRAIと強力に相互作用していることが示
されている(レーン5)。p65がコントロールである
GSTタンパクとは相互作用していないことから、p6
5とRAIの結合は特異的であると考えられる(レーン
4)。
4つの独立クローンは同じ遺伝子由来の部分cDNAで
あった。全長クローンを得るために、2−ハイブリッド
スクリーニングで単離されたRAIのcDNA断片を用
いて、ヒト胎盤cDNAライブラリーをプラークハイブ
リダイゼーションした。約106プラークをスクリーニ
ングし、約1kbから6kbの長さの9つのcDNAク
ローンが単離された。一番長い2つのcDNAの両鎖を
シーケンシングし、これらがRAIの完全なオープンリ
ーディングフレーム(ORF)を有することを見出し
た。このクローンは5’末端が異なるが、それぞれpA
CT2−RAI中の全ての配列を含んでいた。両者は
5’末端の非翻訳領域に、Aluリピートエレメントを
含んでいた。有望なRAIの翻訳開始コドンはインフレ
ームストップコドンの27bp上流に位置していた。脊
椎動物では、翻訳は90%以上、一番初めのメチオニン
から始まるため、ファーストATG(CTGGCGAT
G)の5’核酸配列がコンセンサス翻訳開始配列と似て
いないが、本発明者はこのATGを翻訳開始サイトと推
定した。DNA配列解析により、40kDaの質量を持
つと思われる351アミノ酸残基からなる推定タンパク
をコードすると予測される、オープンリーディングフレ
ームが発見された。興味深いことに、BLASTサーチ
で、このタンパクのC末端は酵母2−ハイブリッドスク
リーニングにより、p53結合タンパクとして以前報告
した、53BP2のC末端と非常にホモロジーが高いこ
とが明らかとなった(Iwabuchi, K. et al, Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 91,6098-6102(1994))。
端に連続した4つのアンキリンリピート(145Arg
−174Asn、176Pro−207Ala、209
Val−241Ala、243Phe−275Glu)
およびSH3ドメイン(287Tyr−338Phe)
を含み、C末端の223アミノ酸残基において、53B
P2とアミノ酸が52%同一であることが予想された。
BLASTサーチの結果、アンキリンリピートおよびS
H3ドメインは別として、RAI配列は現行データベー
ス中のどのタンパクとも関連性がなかった。
布 RAIの発現分布を確かめるために、ヒト複数組織ブロ
ットのノザンブロッティング解析を行なった。図2で示
されるように、ほとんどの場合、RAIのmRNAは、
約6.0kbと約3.4kbのバンドとして検出された。図2
からも明らかなように、RAIのmRNAの発現は、ヒ
ト心臓、胎盤および前立腺で顕著であり、肝臓、骨格
筋、精巣および末梢血白血球では目立って少なかった。
活性化阻害作用 RAIはIκBファミリータンパクと同じように、その
アンキリンリピートおよびSH3ドメインを介して、p
65と結合することが示されたので、本発明者はRAI
がkB依存性の転写活性化において他の効果があるか否
か確かめた。kB配列の4つのタンデムコピーを含むル
シフェラーゼレポータープラスミドと、FLAG−RA
Iおよび/またはp65発現ベクターを一緒に用いて、
293T細胞を形質転換した。形質転換の24時間後、
ルシフェラーゼ活性を測定した。図3に示されるよう
に、コトランスフェクトされたp65発現プラスミド
は、レポーター遺伝子を強力に転写活性化した(図3,
レーン9)。RAI発現プラスミドのコトランスフェク
ションは、p65によって誘導されるNFκB活性を用
量依存的に阻害した。より少ない範囲であるにも関わら
ず、kB依存性ルシフェラーゼ発現のベースレベルにお
けるRAIの阻害効果が観察された(図3,レーン1
1,13および15)。
AI融合タンパクのSDS−PAGEで分析後CBB染
色した様子を示し(レーン1および2)、前記タンパク
を標識したp65でプロッティングした後、オートラジ
オグラフに供した様子を示す(レーン3〜5)。レーン
3は標識量をレーン5の1/10にしたものである。
現量の違いを示すノザンブロッティング解析図である。
下部はβ−アクチンの発現量を示す。
依存的に阻害する様子を示す。レーン9はRAIを発現
させない場合のp65の転写活性化作用をルシフェラー
ゼ活性で示す。この作用はRAIの発現で用量依存的に
阻害されている(レーン11、レーン13、15)。
Claims (13)
- 【請求項1】 実質的に純粋な形である配列番号1で示
されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、または前記
ポリペプチドのホモローグ、そのフラグメントまたはそ
のフラグメントのホモローグからなるポリペプチド。 - 【請求項2】 配列番号1で示されるアミノ酸配列から
なる請求項1記載のポリペプチド。 - 【請求項3】 請求項1記載のポリペプチドからなるR
elA結合性阻害因子。 - 【請求項4】 請求項3に記載されたポリペプチドをコ
ードするcDNA。 - 【請求項5】 配列番号2で示される塩基配列を有する
請求項4記載のcDNA、またはその配列に選択的にハ
イブリダイズするフラグメント。 - 【請求項6】 配列番号3で示される塩基配列を有する
請求項4記載のcDNA、またはその配列に選択的にハ
イブリダイズするフラグメント。 - 【請求項7】 請求項4から6のいずれかに記載のcD
NAが組み込まれた複製または発現ベクター。 - 【請求項8】 請求項7記載の複製または発現ベクター
で形質転換された宿主細胞。 - 【請求項9】 請求項1乃至3のいずれかに記載のポリ
ペプチドを発現させるための条件下で請求項8記載の宿
主細胞を培養することを特徴とする該ポリペプチドの製
造方法。 - 【請求項10】 請求項1乃至3のいずれかに記載のポ
リペプチドのモノクローナルまたはポリクローナル抗
体。 - 【請求項11】 請求項1乃至3のいずれかに記載のポ
リペプチドまたは請求項9記載の抗体またはアンチセン
ス、および薬学的に許容される賦形剤および/または担
体を含有することを特徴とする薬学的組成物。 - 【請求項12】 請求項1乃至3のいずれかに記載のポ
リペプチドからなるRelA結合性阻害因子活性を測定
することを特徴とする成人呼吸困難症候群、喘息、アロ
グラフト拒絶、炎症性疾患、虚血性疾患、慢性関節リュ
ーマチを含む自己免疫疾患、ガンの転移浸潤、脈管再狭
窄およびその他のNFκBに起因する疾患の診断方法。 - 【請求項13】 請求項10記載の抗体を用いることを
特徴とする成人呼吸困難症候群、喘息、アログラフト拒
絶、炎症性疾患(炎症性関節炎、脈管炎等)虚血性疾
患、慢性関節リューマチを含む自己免疫疾患、ガンの転
移浸潤、脈管再狭窄およびその他のNFκBに起因する
疾患の診断方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11342773A JP2000224993A (ja) | 1998-12-03 | 1999-12-02 | RelA結合性阻害因子、その製造方法およびその用途 |
Applications Claiming Priority (3)
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|---|---|---|---|
| JP10-344038 | 1998-12-03 | ||
| JP34403898 | 1998-12-03 | ||
| JP11342773A JP2000224993A (ja) | 1998-12-03 | 1999-12-02 | RelA結合性阻害因子、その製造方法およびその用途 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11342773A Withdrawn JP2000224993A (ja) | 1998-12-03 | 1999-12-02 | RelA結合性阻害因子、その製造方法およびその用途 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000224993A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2003011276A1 (en) * | 2001-07-26 | 2003-02-13 | M's Science Corporation | Nf?b inhibitor |
| US7932226B2 (en) | 2004-06-29 | 2011-04-26 | St. Marianna University School Of Medicine | NFκB transcriptional activity inhibitory agent and anti-inflammatory agent and a steroid action enhancing agent |
-
1999
- 1999-12-02 JP JP11342773A patent/JP2000224993A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2003011276A1 (en) * | 2001-07-26 | 2003-02-13 | M's Science Corporation | Nf?b inhibitor |
| US7932226B2 (en) | 2004-06-29 | 2011-04-26 | St. Marianna University School Of Medicine | NFκB transcriptional activity inhibitory agent and anti-inflammatory agent and a steroid action enhancing agent |
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