JP2000227396A - スラグ塩基度の決定方法及び装置 - Google Patents
スラグ塩基度の決定方法及び装置Info
- Publication number
- JP2000227396A JP2000227396A JP11028146A JP2814699A JP2000227396A JP 2000227396 A JP2000227396 A JP 2000227396A JP 11028146 A JP11028146 A JP 11028146A JP 2814699 A JP2814699 A JP 2814699A JP 2000227396 A JP2000227396 A JP 2000227396A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slag
- basicity
- emission spectrum
- peak position
- infrared emission
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
- Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
- Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、精錬途上でスラグの塩基度を迅速に
決定できるスラグ塩基度の決定方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】高温状態にあるスラグから放射される赤外
光を直接採光、分光して得た赤外発光スペクトルを用
い、スラグの組成を決定するに際して、予め、多種の組
成が既知のスラグについて、珪素と酸素の結合に係る赤
外発光スペクトルのピーク位置と塩基度(CaO/Si
O2)との関係を定め、決定対象のスラグで珪素と酸素
の結合に係る赤外発光スペクトルを測定し、該スペクト
ルのピーク位置を前記関係に照らし,該スラグの塩基度
を決定する。
決定できるスラグ塩基度の決定方法及び装置を提供す
る。 【解決手段】高温状態にあるスラグから放射される赤外
光を直接採光、分光して得た赤外発光スペクトルを用
い、スラグの組成を決定するに際して、予め、多種の組
成が既知のスラグについて、珪素と酸素の結合に係る赤
外発光スペクトルのピーク位置と塩基度(CaO/Si
O2)との関係を定め、決定対象のスラグで珪素と酸素
の結合に係る赤外発光スペクトルを測定し、該スペクト
ルのピーク位置を前記関係に照らし,該スラグの塩基度
を決定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラグ塩基度の決
定方法及び装置に係わり、特に、銑鉄や鋼の製造におい
て、銑鉄や鋼の組成を調整するのに重要な役割りを果た
すスラグの塩基度をオン・ラインで決定し、その後の操
業方針を定める際に有用な技術である。
定方法及び装置に係わり、特に、銑鉄や鋼の製造におい
て、銑鉄や鋼の組成を調整するのに重要な役割りを果た
すスラグの塩基度をオン・ラインで決定し、その後の操
業方針を定める際に有用な技術である。
【0002】
【従来の技術】銑鉄あるいは鋼の精錬で生じるスラグの
塩基性は、該銑鉄や鋼の脱硫、脱燐等の反応を調整した
り、解析する上で重要な因子である。しかし、該スラグ
の塩基性そのものは、スラグに含まれる酸素イオンの活
量で決まるが、この活量は可測量でないため、一般に
は、CaO/SiO2のような比を該スラグの塩基度と
定義して利用している。
塩基性は、該銑鉄や鋼の脱硫、脱燐等の反応を調整した
り、解析する上で重要な因子である。しかし、該スラグ
の塩基性そのものは、スラグに含まれる酸素イオンの活
量で決まるが、この活量は可測量でないため、一般に
は、CaO/SiO2のような比を該スラグの塩基度と
定義して利用している。
【0003】ところで、この塩基度は、スラグの反応性
と大きくかかわるため、操業中にその値が求まれば、そ
の後のスラグ組成や処理時間等のコントロールに大きく
寄与できる。しかし、現在、この値を操業中に求めるの
は、非常に難しい。その理由は、以下の通りである。
と大きくかかわるため、操業中にその値が求まれば、そ
の後のスラグ組成や処理時間等のコントロールに大きく
寄与できる。しかし、現在、この値を操業中に求めるの
は、非常に難しい。その理由は、以下の通りである。
【0004】従来、スラグの組成、例えば、CaO,S
iO2,Al2O3,MgO等は、溶融スラグを採取して
冷却、固化、粉砕を行った後、融剤を加えて溶融し、ガ
ラス化した試料、あるいは粉末を加圧成形してブリケッ
ト状の試料を作製し、該試料を蛍光X線分析することで
同定、また定量していた(ガラスビード法及びブリケッ
ト法と称されている)。しかし、ガラスビード法では、
スラグの冷却、粉砕、秤量、融解と煩雑な試料調整を必
要とするため、分析に最低40分の時間を要し、またブ
リケット法でも、少なくとも25〜30分を要してい
た。従って、これらの分析方法を実際効率に優れた自動
化システムとして組みあげたとしても、分析時間を20
分以下にするのは困難であった(小倉ら、NKK技報、
No.128、p49(1989)参照)。つまり、ガ
ラスビード法やブリケット法を利用した蛍光X線分析法
では、スラグ組成を迅速に分析して操業へフィードバッ
クすることはできなかったのである。
iO2,Al2O3,MgO等は、溶融スラグを採取して
冷却、固化、粉砕を行った後、融剤を加えて溶融し、ガ
ラス化した試料、あるいは粉末を加圧成形してブリケッ
ト状の試料を作製し、該試料を蛍光X線分析することで
同定、また定量していた(ガラスビード法及びブリケッ
ト法と称されている)。しかし、ガラスビード法では、
スラグの冷却、粉砕、秤量、融解と煩雑な試料調整を必
要とするため、分析に最低40分の時間を要し、またブ
リケット法でも、少なくとも25〜30分を要してい
た。従って、これらの分析方法を実際効率に優れた自動
化システムとして組みあげたとしても、分析時間を20
分以下にするのは困難であった(小倉ら、NKK技報、
No.128、p49(1989)参照)。つまり、ガ
ラスビード法やブリケット法を利用した蛍光X線分析法
では、スラグ組成を迅速に分析して操業へフィードバッ
クすることはできなかったのである。
【0005】そこで、採取後に冷却しただけのスラグ片
を直接蛍光X線分析する方法が特開昭54−15369
4号公報に開示され、またサンプリングに関しては、種
々の改善が進み、特開平9−166589号公報、特開
平10−170411号公報記載の技術が開発されてい
る。
を直接蛍光X線分析する方法が特開昭54−15369
4号公報に開示され、またサンプリングに関しては、種
々の改善が進み、特開平9−166589号公報、特開
平10−170411号公報記載の技術が開発されてい
る。
【0006】しかしながら、かかる方法もサンプラの設
置、サンプリング作業、冷却、剥離、蛍光X線分析等に
少なくとも10分程度を要するので、製錬工程などで要
求される1〜数分程度の迅速性を満足することは難し
い。
置、サンプリング作業、冷却、剥離、蛍光X線分析等に
少なくとも10分程度を要するので、製錬工程などで要
求される1〜数分程度の迅速性を満足することは難し
い。
【0007】また、特開昭58−169055号公報
は、ベータ−・アルミナ及びZrO2固体電解質を利用
したセンサで、スラグの塩基度を求める技術を開示して
いる。しかし、この技術は、該センサの耐久性に問題が
あるため、実用化されていない。したがって、スラグの
真の塩基度を迅速に測定することは困難な状況にあり、
それらの値を精錬途上で操業へフィード・バックできな
いのが現状である。
は、ベータ−・アルミナ及びZrO2固体電解質を利用
したセンサで、スラグの塩基度を求める技術を開示して
いる。しかし、この技術は、該センサの耐久性に問題が
あるため、実用化されていない。したがって、スラグの
真の塩基度を迅速に測定することは困難な状況にあり、
それらの値を精錬途上で操業へフィード・バックできな
いのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一方、銑鉄あるいは鋼
の精錬において、スラグの塩基度を迅速に知ることがで
きれば、目標とする鋼種の精錬に最適なスラグ組成への
調整が容易になり、フラックス用原料のコスト削減、操
業時間の短縮等に多大な貢献ができる。
の精錬において、スラグの塩基度を迅速に知ることがで
きれば、目標とする鋼種の精錬に最適なスラグ組成への
調整が容易になり、フラックス用原料のコスト削減、操
業時間の短縮等に多大な貢献ができる。
【0009】本発明は、かかる事情に鑑み、精錬途上で
スラグの塩基度を迅速に決定できるスラグ塩基度の決定
方法及び装置を提供することを目的としている。
スラグの塩基度を迅速に決定できるスラグ塩基度の決定
方法及び装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的を
達成するため、製錬容器に存在する高温スラグが発する
赤外光を直接採光して分光することに鋭意努力すると共
に、得られた赤外発光スペクトル(赤外光の波数に対す
る強度の連続した変化)を詳細に解析することで、本発
明を完成させた。
達成するため、製錬容器に存在する高温スラグが発する
赤外光を直接採光して分光することに鋭意努力すると共
に、得られた赤外発光スペクトル(赤外光の波数に対す
る強度の連続した変化)を詳細に解析することで、本発
明を完成させた。
【0011】すなわち、本発明は、高温状態にあるスラ
グから放射される赤外光を直接採光、分光して得た赤外
発光スペクトルを用い、スラグの組成を決定するに際し
て、予め、多種の組成が既知のスラグについて、珪素と
酸素の結合に係る赤外発光スペクトルのピーク位置と塩
基度(CaO/SiO2)との関係を定め、決定対象の
スラグで珪素と酸素の結合に係る赤外発光スペクトルを
測定し、該スペクトルのピーク位置を前記関係に照ら
し,該スラグの塩基度を決定することを特徴とするスラ
グ塩基度の決定方法である。
グから放射される赤外光を直接採光、分光して得た赤外
発光スペクトルを用い、スラグの組成を決定するに際し
て、予め、多種の組成が既知のスラグについて、珪素と
酸素の結合に係る赤外発光スペクトルのピーク位置と塩
基度(CaO/SiO2)との関係を定め、決定対象の
スラグで珪素と酸素の結合に係る赤外発光スペクトルを
測定し、該スペクトルのピーク位置を前記関係に照ら
し,該スラグの塩基度を決定することを特徴とするスラ
グ塩基度の決定方法である。
【0012】また、その際、前記スラグから放射される
赤外光の直接採光を、光ファイバを介さずに行なう場合
には、前記珪素と酸素の結合に係る赤外発光スペクトル
のピーク位置を、波数が800〜1100cm-1に出現
するピークで定め、光ファイバを介して行なう場合に
は、前記珪素と酸素の結合に係る赤外発光スペクトルの
ピーク位置を、波数が1600〜1800cm-1に出現
するピークで定めることが好ましい。
赤外光の直接採光を、光ファイバを介さずに行なう場合
には、前記珪素と酸素の結合に係る赤外発光スペクトル
のピーク位置を、波数が800〜1100cm-1に出現
するピークで定め、光ファイバを介して行なう場合に
は、前記珪素と酸素の結合に係る赤外発光スペクトルの
ピーク位置を、波数が1600〜1800cm-1に出現
するピークで定めることが好ましい。
【0013】本発明によれば、精錬容器に存在する高温
スラグの塩基度が迅速且つ容易に判定できるようにな
る。その結果、精錬途上で、所謂スラグ・メタル間の反
応時間や、スラグ組成を調整することが可能になり、C
aOなどフラックス用原料のコスト削減、操業時間の短
縮等に多大な貢献をする。
スラグの塩基度が迅速且つ容易に判定できるようにな
る。その結果、精錬途上で、所謂スラグ・メタル間の反
応時間や、スラグ組成を調整することが可能になり、C
aOなどフラックス用原料のコスト削減、操業時間の短
縮等に多大な貢献をする。
【0014】この場合、前記ピーク位置の測定に際し,
前記分光装置により得られるスペクトルを微分してピー
ク位置を決定することが好ましい。スペクトルのバック
グランドの影響が除去でき、より高精度で必要なピーク
位置を検出可能となるからである。
前記分光装置により得られるスペクトルを微分してピー
ク位置を決定することが好ましい。スペクトルのバック
グランドの影響が除去でき、より高精度で必要なピーク
位置を検出可能となるからである。
【0015】さらに、本発明は、精錬容器の上方空間に
位置し、該精錬容器内で高温状態にあるスラグが放出す
る赤外光を採光する赤外線用光ファイバと、該光ファイ
バで搬送された赤外光を分光して赤外発光スペクトルを
測定する分光装置と、得られた赤外発光スペクトルを入
力して該スペクトルのピーク位置を決定したり、該ピー
ク位置を予め記憶してあるピーク位置とスラグの塩基度
との関係に照らす演算器とを備えたことを特徴とするス
ラグ塩基度の決定装置である。
位置し、該精錬容器内で高温状態にあるスラグが放出す
る赤外光を採光する赤外線用光ファイバと、該光ファイ
バで搬送された赤外光を分光して赤外発光スペクトルを
測定する分光装置と、得られた赤外発光スペクトルを入
力して該スペクトルのピーク位置を決定したり、該ピー
ク位置を予め記憶してあるピーク位置とスラグの塩基度
との関係に照らす演算器とを備えたことを特徴とするス
ラグ塩基度の決定装置である。
【0016】本発明に係るスラグ塩基度の決定装置によ
れば、精錬容器に存在する高温スラグの塩基度を迅速に
測定することが可能となり、さらに、赤外線用光ファイ
バにより分光器まで赤外光を送るようにしたので、分光
器を被測定物であるスラグの近傍に設置する必要がな
く、熔融金属の精錬を実施している高温で、振動の激し
い環境下でも、安定して測定が可能となる。ここで、高
温スラグの赤外光は、大きなバックグランドを伴うの
で、赤外発光スペクトル強度のピーク位置(波数)を正
確に同定するために、前記分光装置がフーリエ変換型
(FT−IR)であることが好ましい。
れば、精錬容器に存在する高温スラグの塩基度を迅速に
測定することが可能となり、さらに、赤外線用光ファイ
バにより分光器まで赤外光を送るようにしたので、分光
器を被測定物であるスラグの近傍に設置する必要がな
く、熔融金属の精錬を実施している高温で、振動の激し
い環境下でも、安定して測定が可能となる。ここで、高
温スラグの赤外光は、大きなバックグランドを伴うの
で、赤外発光スペクトル強度のピーク位置(波数)を正
確に同定するために、前記分光装置がフーリエ変換型
(FT−IR)であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、発明をなすに至った経緯も
含め、本発明の実施の形態を説明する。
含め、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】高温の物体から放射される赤外光は、その
放射体に特有のスペクトルを示すので、従来より、この
スペクトルを測定し、該物体に含有する元素を分析する
方法(赤外発光法)が知られている。これは、光の赤外
領域で観察される分子振動を検出するものであり、分子
の形態によってスペクトルが特有のピークを示すので、
高温状態にある分子の形態分析に利用されるようになっ
たのである。但し、そのような高温で得たスペクトル
は、大きなバックグラウンドを伴ない、高精度の機器が
ないと、測定が困難である。
放射体に特有のスペクトルを示すので、従来より、この
スペクトルを測定し、該物体に含有する元素を分析する
方法(赤外発光法)が知られている。これは、光の赤外
領域で観察される分子振動を検出するものであり、分子
の形態によってスペクトルが特有のピークを示すので、
高温状態にある分子の形態分析に利用されるようになっ
たのである。但し、そのような高温で得たスペクトル
は、大きなバックグラウンドを伴ない、高精度の機器が
ないと、測定が困難である。
【0019】そこで、本発明では、フーリエ変換型の赤
外分光装置(FT−IR)を用いることが好ましい。フ
ーリエ変換型の赤外分光装置は、ノイズを低く抑えるこ
とができ、スペクトルの小さいピークを検出することが
可能なので、スラグからの赤外光のように大きなバック
グランドを伴う場合のピークの検出に特に適しているか
らである。しかし、このようなFT−IRは、精密機器
であり、使用環境に制約がある。特に、溶融金属の精錬
を実施している高温で振動等の激しい炉の近傍に設置す
ることはできない。発明者らは、この機器設置問題を解
決しなければ、精錬途上にあるスラグ組成の迅速分析は
不可能と考え、この問題の解決に多大な努力をした。そ
の結果、図1に示すように、精錬炉7に保持した溶鋼2
上の分析対象スラグの表面からの赤外光を、赤外用光フ
ァイバ3で採光して、分光装置4に導入する技術を新規
に開発することができた。
外分光装置(FT−IR)を用いることが好ましい。フ
ーリエ変換型の赤外分光装置は、ノイズを低く抑えるこ
とができ、スペクトルの小さいピークを検出することが
可能なので、スラグからの赤外光のように大きなバック
グランドを伴う場合のピークの検出に特に適しているか
らである。しかし、このようなFT−IRは、精密機器
であり、使用環境に制約がある。特に、溶融金属の精錬
を実施している高温で振動等の激しい炉の近傍に設置す
ることはできない。発明者らは、この機器設置問題を解
決しなければ、精錬途上にあるスラグ組成の迅速分析は
不可能と考え、この問題の解決に多大な努力をした。そ
の結果、図1に示すように、精錬炉7に保持した溶鋼2
上の分析対象スラグの表面からの赤外光を、赤外用光フ
ァイバ3で採光して、分光装置4に導入する技術を新規
に開発することができた。
【0020】一方、スラグの塩基度については、その本
質であるスラグ中酸素イオンの活量を直接測定すること
が困難であるため、通常組成から各種パラメータを設定
して使用している。一般的には、CaO/SiO2で代
表させている場合が多い。
質であるスラグ中酸素イオンの活量を直接測定すること
が困難であるため、通常組成から各種パラメータを設定
して使用している。一般的には、CaO/SiO2で代
表させている場合が多い。
【0021】しかし、発明者らは、スラグの赤外発光ス
ペクトルを詳細に検討した結果、CaO/SiO2が変
化した場合、Si−Oに起因する赤外発光スペクトルの
ピーク位置(赤外光の波数で代表させる)が変化し、こ
れを利用して塩基度が定められることを見出した。これ
は、スラグ中に存在する酸素イオンの活量が変化するこ
とにより、珪素と酸素と結合した珪酸イオンの状態が変
化し、これらがSi−Oの結合に影響を与えているため
と考えられる。図2に、1000℃におけるSiO
2(CaO/SiO2=0)及びCaO/SiO2=2の
スラグで得た赤外発光スペクトルの例を示す。これよ
り、スラグのSi−Oに起因する800〜1200cm
-1近傍のピークは、CaO/SiO2の大きい方が低波
数側にシフトすることが明らかになる。また、1800
cm-1近傍のピークも同様のシフトを示す。このような
スラグの塩基度と赤外発光スペクトルのピーク位置との
関係を調査した結果、図3に示す良好な相関が得られ
た。従って、このようなスラグ塩基度と赤外発光スペク
トルのピークとの関係を予め求めておけば、スラグから
の赤外発光スペクトルを測定することで、該スラグの塩
基度が定められることになる。
ペクトルを詳細に検討した結果、CaO/SiO2が変
化した場合、Si−Oに起因する赤外発光スペクトルの
ピーク位置(赤外光の波数で代表させる)が変化し、こ
れを利用して塩基度が定められることを見出した。これ
は、スラグ中に存在する酸素イオンの活量が変化するこ
とにより、珪素と酸素と結合した珪酸イオンの状態が変
化し、これらがSi−Oの結合に影響を与えているため
と考えられる。図2に、1000℃におけるSiO
2(CaO/SiO2=0)及びCaO/SiO2=2の
スラグで得た赤外発光スペクトルの例を示す。これよ
り、スラグのSi−Oに起因する800〜1200cm
-1近傍のピークは、CaO/SiO2の大きい方が低波
数側にシフトすることが明らかになる。また、1800
cm-1近傍のピークも同様のシフトを示す。このような
スラグの塩基度と赤外発光スペクトルのピーク位置との
関係を調査した結果、図3に示す良好な相関が得られ
た。従って、このようなスラグ塩基度と赤外発光スペク
トルのピークとの関係を予め求めておけば、スラグから
の赤外発光スペクトルを測定することで、該スラグの塩
基度が定められることになる。
【0022】本発明では、製錬炉7の上方に、高温のス
ラグ1の表面からの赤外光を採光するための光ファイバ
3を上記のように配置し、得られた赤外光を炉本体から
離れた位置に設置されたフーリエ変換型の赤外分光装置
4に導入して、赤外発光スペクトルの強度を測定するよ
うにした。得られた赤外発光スペクトル5は、演算器6
に送られ、そこでピーク位置(波数)を求めたり、予め
定めてある図3に示したような関係に照らして、該ピー
ク位置からスラグの塩基度が決定される。
ラグ1の表面からの赤外光を採光するための光ファイバ
3を上記のように配置し、得られた赤外光を炉本体から
離れた位置に設置されたフーリエ変換型の赤外分光装置
4に導入して、赤外発光スペクトルの強度を測定するよ
うにした。得られた赤外発光スペクトル5は、演算器6
に送られ、そこでピーク位置(波数)を求めたり、予め
定めてある図3に示したような関係に照らして、該ピー
ク位置からスラグの塩基度が決定される。
【0023】なお、赤外発光スペクトル5は、大きなバ
ック・グラウンドを伴ない、試料の厚さ等によりバック
グランドに緩やかなうねりを生じる場合もある。しか
し、本発明で測定するのは、ピークの強度そのものでは
なく、ピーク位置であることから、スペクトルを微分し
てバックグランドの影響を除去し、必要なピーク位置を
定めることが可能である。
ック・グラウンドを伴ない、試料の厚さ等によりバック
グランドに緩やかなうねりを生じる場合もある。しか
し、本発明で測定するのは、ピークの強度そのものでは
なく、ピーク位置であることから、スペクトルを微分し
てバックグランドの影響を除去し、必要なピーク位置を
定めることが可能である。
【0024】また、スラグの赤外発光スペクトルには、
珪素と酸素の結合に係るピーク位置が波数の領域によっ
て複数出現する。そこで、どの波数領域にあるピークを
塩基度の決定に利用するかが問題になる。本発明では、
スラグから放射される赤外光の直接採光を、光ファイバ
を介さずに行なう場合には、前記珪素と酸素の結合に係
る赤外発光スペクトルのピーク位置を、波数が800〜
1100cm-1に出現するピークで定め、光ファイバを
介して行なう場合(精錬炉7と分光装置4間の距離が短
い)には、前記珪素と酸素の結合に係る赤外発光スペク
トルのピーク位置を、波数が1600〜1800cm-1
に出現するピークで定めるようにした。このようにした
理由は、光ファイバの赤外光の透過能力が波数の小さい
側で低下するからである。
珪素と酸素の結合に係るピーク位置が波数の領域によっ
て複数出現する。そこで、どの波数領域にあるピークを
塩基度の決定に利用するかが問題になる。本発明では、
スラグから放射される赤外光の直接採光を、光ファイバ
を介さずに行なう場合には、前記珪素と酸素の結合に係
る赤外発光スペクトルのピーク位置を、波数が800〜
1100cm-1に出現するピークで定め、光ファイバを
介して行なう場合(精錬炉7と分光装置4間の距離が短
い)には、前記珪素と酸素の結合に係る赤外発光スペク
トルのピーク位置を、波数が1600〜1800cm-1
に出現するピークで定めるようにした。このようにした
理由は、光ファイバの赤外光の透過能力が波数の小さい
側で低下するからである。
【0025】
【実施例】図1に示すような測定系を組み立て、本発明
に係るスラグ塩基度の決定方法を実施した。
に係るスラグ塩基度の決定方法を実施した。
【0026】赤外発光スペクトルの測定は、塩基度(C
aO/SiO2)が異なるスラグ1を予め3種類準備
し、それらを精錬炉7中の溶鋼2上に載置して高温に加
熱した状態で行なった。得られた赤外発光スペクトルの
800〜1200cm-1,あるいは1650〜1850
cm-1のSi−Oのピーク位置を測定して、そのシフト
量からスラグのCaO/SiO2を算出した。
aO/SiO2)が異なるスラグ1を予め3種類準備
し、それらを精錬炉7中の溶鋼2上に載置して高温に加
熱した状態で行なった。得られた赤外発光スペクトルの
800〜1200cm-1,あるいは1650〜1850
cm-1のSi−Oのピーク位置を測定して、そのシフト
量からスラグのCaO/SiO2を算出した。
【0027】800〜1200cm-1のピークを用いて
求めたCaO/SiO2値及びスラグの組成を別途化学
分析して求めたCaO/SiO2値を表1に示す。表1
より、本発明に係る決定方法で得た値は、化学分析によ
る値と良く対応し、本発明が、CaO/SiO2の決定
方法として有効であることが明らかである。従って、本
発明に係るスラグの決定方法によれば、従来のように、
スラグのサンプリングを行なってから組成を分析する必
要がなくなる。また、スラグ塩基度を経時的に決定でき
るので、鉄鋼精錬の操業に対して有効な情報を迅速に、
また連続的に提供できるようになる。
求めたCaO/SiO2値及びスラグの組成を別途化学
分析して求めたCaO/SiO2値を表1に示す。表1
より、本発明に係る決定方法で得た値は、化学分析によ
る値と良く対応し、本発明が、CaO/SiO2の決定
方法として有効であることが明らかである。従って、本
発明に係るスラグの決定方法によれば、従来のように、
スラグのサンプリングを行なってから組成を分析する必
要がなくなる。また、スラグ塩基度を経時的に決定でき
るので、鉄鋼精錬の操業に対して有効な情報を迅速に、
また連続的に提供できるようになる。
【0028】
【表1】
【0029】なお、上記実施例は、溶鋼の精錬を対象に
した場合を想定したものであるが、本発明は、鉄鋼精錬
以外のスラグの生成を伴なう溶融金属の精錬あるいは製
錬にも有効に活用可能であることは、言うまでもない。
した場合を想定したものであるが、本発明は、鉄鋼精錬
以外のスラグの生成を伴なう溶融金属の精錬あるいは製
錬にも有効に活用可能であることは、言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、精錬
容器に存在する高温スラグの塩基度を迅速且つ容易に決
定できるようになる。その結果、精錬途上で、所謂スラ
グ・メタル間の反応時間や、スラグ組成を調整すること
が可能になり、CaO源のコスト削減、操業時間の短縮
等に多大な貢献をする。
容器に存在する高温スラグの塩基度を迅速且つ容易に決
定できるようになる。その結果、精錬途上で、所謂スラ
グ・メタル間の反応時間や、スラグ組成を調整すること
が可能になり、CaO源のコスト削減、操業時間の短縮
等に多大な貢献をする。
【図1】本発明に係るスラグ塩基度の決定に使用する装
置を示す図である。
置を示す図である。
【図2】スラグ組成の赤外発光スペクトルのピーク位置
に及ぼす影響を説明する図である。
に及ぼす影響を説明する図である。
【図3】スラグの塩基度とSi−Oに係わる赤外発光ス
ペクトルのピーク位置との関係を示す図である。
ペクトルのピーク位置との関係を示す図である。
1 スラグ 2 溶鋼 3 光ファイバ 4 高分解能を有する分光装置(FT−IR) 5 赤外発光スペクトル 6 演算器 7 精錬炉(製錬炉)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA01 BA07 BA09 CA05 EA06 GA08 GB28 HA05 JA01 KA01 KA05 LA01 MA01 NA02 NA11 2G055 AA22 BA01 BA20 CA03 CA25 CA29 EA08 FA02 2G059 AA01 BB15 CC20 EE06 EE12 FF06 HH01 JJ17 KK10 MM01 NN01 4K002 AE02 AF10 4K013 BA03 BA05 BA08 FA06
Claims (6)
- 【請求項1】 高温状態にあるスラグから放射される赤
外光を直接採光、分光して得た赤外発光スペクトルを用
い、スラグの組成を決定するに際して、 予め、多種の組成が既知のスラグについて、珪素と酸素
の結合に係る赤外発光スペクトルのピーク位置と塩基度
(CaO/SiO2)との関係を定め、決定対象のスラ
グで珪素と酸素の結合に係る赤外発光スペクトルを測定
し、該スペクトルのピーク位置を前記関係に照らし,該
スラグの塩基度を決定することを特徴とするスラグ塩基
度の決定方法。 - 【請求項2】 前記スラグから放射される赤外光の直接
採光を、光ファイバを介さずに行なうと共に、前記珪素
と酸素の結合に係る赤外発光スペクトルのピーク位置
を、波数が800〜1100cm-1に出現するピークで
定めることを特徴とする請求項1記載のスラグ塩基度の
決定方法。 - 【請求項3】 前記スラグから放射される赤外光の直接
採光を、光ファイバを介して行なうと共に、前記珪素と
酸素の結合に係る赤外発光スペクトルのピーク位置を、
波数が1600〜1800cm-1に出現するピークで定
めることを特徴とする請求項1記載のスラグ塩基度の決
定方法。 - 【請求項4】 前記ピーク位置を、赤外発光スペクトル
を微分して定めることを特徴とする請求項1〜3のいず
れかに記載のスラグ塩基度の決定方法。 - 【請求項5】 精錬容器の上方空間に位置し、該精錬容
器内で高温状態にあるスラグが放出する赤外光を採光す
る赤外線用光ファイバと、該光ファイバで搬送された赤
外光を分光して赤外発光スペクトルを測定する分光装置
と、得られた赤外発光スペクトルを入力して該スペクト
ルのピーク位置を決定したり、該ピーク位置を予め記憶
してあるピーク位置とスラグの塩基度との関係に照らす
演算器とを備えたことを特徴とするスラグ塩基度の決定
装置。 - 【請求項6】 前記分光装置がフーリエ変換型であるこ
とを特徴とする請求項5記載のスラグ塩基度の決定装
置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11028146A JP2000227396A (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | スラグ塩基度の決定方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11028146A JP2000227396A (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | スラグ塩基度の決定方法及び装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000227396A true JP2000227396A (ja) | 2000-08-15 |
Family
ID=12240634
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11028146A Withdrawn JP2000227396A (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | スラグ塩基度の決定方法及び装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000227396A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018517903A (ja) * | 2015-05-11 | 2018-07-05 | アルセロールミタル | スラグ部分の化学組成を決定する方法 |
-
1999
- 1999-02-05 JP JP11028146A patent/JP2000227396A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018517903A (ja) * | 2015-05-11 | 2018-07-05 | アルセロールミタル | スラグ部分の化学組成を決定する方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Sturm et al. | Laser-induced breakdown spectroscopy for 24/7 automatic liquid slag analysis at a steel works | |
| Kaushik et al. | State of the art in control of inclusions, their characterization, and future requirements | |
| CN102426122A (zh) | 中碳铬铁和高碳铬铁的熔融制样方法 | |
| JP3861480B2 (ja) | スラグの分析方法及び装置 | |
| USH1925H (en) | Apparatus and method for monitoring steel decarburization by remote flame emission spatial imaging spectroscopy | |
| CN104076056A (zh) | 一种喷煤添加剂中氧化铈含量的测定方法 | |
| CN112501367A (zh) | 一种定量推定高炉出铁时铁水硅硫含量的方法和系统 | |
| EP4336172A1 (en) | Slag component analysis method, slag basicity analysis method, and molten iron refining method | |
| FI107839B (fi) | Laitteisto hiilituotteiden analysoimiseksi | |
| JP2022167371A (ja) | ダスト発生速度評価装置及びダスト発生速度評価方法 | |
| Kim et al. | Sensitive detection of multiple fluoresence probes based on surface-enhanced raman scattering (sers) for mers-cov | |
| WO2022244408A1 (ja) | スラグの成分分析法、スラグの塩基度分析法および溶融鉄の精錬方法 | |
| CN117491341A (zh) | 一种用直读光谱仪检测镍铁中镍含量的方法 | |
| KR101003229B1 (ko) | 용강의 슬래그 분석방법 | |
| CN115639233B (zh) | 一种高炉铁水中镧、铈含量分析方法 | |
| JP3439974B2 (ja) | 分析試料中の酸化物の種類別酸素又は酸化物の分析方法及び分析装置 | |
| JPH06148170A (ja) | 鉄鋼の微量酸素分析方法 | |
| JPS6042644A (ja) | 精錬容器内溶湯の成分連続分析法 | |
| JPH10183290A (ja) | 球状黒鉛鋳鉄の材質管理方法 | |
| CN117890356A (zh) | 在线快速测定高炉铁水熔体成分的方法 | |
| Wang | G-Plus Report to Judel Products: Spectral Analysis and Imaging of Colored Glasses | |
| JPH01191708A (ja) | 高炉内コークスの熱履歴を推定する方法 | |
| WO2024177985A2 (en) | In-situ high-temperature raman spectroscopy via remote fiber-optic raman probe | |
| JPH07118723A (ja) | 転炉精錬法 | |
| Paul | Classification of mineral wool by spectroscopic methods |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060509 |