JP2000228541A - 光電変換機能素子 - Google Patents

光電変換機能素子

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JP2000228541A
JP2000228541A JP2915099A JP2915099A JP2000228541A JP 2000228541 A JP2000228541 A JP 2000228541A JP 2915099 A JP2915099 A JP 2915099A JP 2915099 A JP2915099 A JP 2915099A JP 2000228541 A JP2000228541 A JP 2000228541A
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Kenji Sato
賢次 佐藤
Mikio Hanabusa
幹夫 花房
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Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周期表第12(2B)族元素及び第16(6
B)族元素からなる化合物半導体結晶基板を用い、熱拡
散によりpn接合を形成して作製される光電変換機能素
子を提供する。 【解決手段】 周期表第12(2B)族元素及び第16
(6B)族元素からなる化合物半導体結晶基板を用いる
光電変換機能素子において、転位および欠陥密度が低い
基板(p型ZnTe単結晶基板1)を用いるとともに、
当該基板の導電型とは異なる導電型を示す拡散源(Al
2)の熱拡散により、上記基板の表面付近にpn接合
(pn接合界面4,発光領域a1,a2)を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LED(発光ダイ
オード)やLD(半導体レーザ)等の光電変換機能素子
に適用して有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】周期表第12(2B)族元素及び第16
(6B)族元素からなる化合物半導体(以下、II−VI族
化合物半導体という。)は、CdTe(テルル化カドミ
ウム)を除き、一般にp型,n型の導電型の自由な制御
が困難であるため、これらの材料を用いて実用化された
光電変換機能素子は極めて限定されている。
【0003】例えば、ZnSe(セレン化亜鉛)は、閃
亜鉛鉱型構造,直接遷移型でエネルギギャップ2.67
eVのII−VI族化合物半導体であるが、n型の導電型の
みが得られ、アクセプタ不純物を添加しても容易にはp
型にはならず、たとえp型となってもpn接合の動作に
必要な十分な正孔濃度,正孔移動度を得ることはできな
かった。このような状況はZnSやCdS等でも同様で
ある。
【0004】そして、その原因は、ZnSe等では、ア
クセプタ不純物を添加するとSeやSの空孔子点が生成
され、アクセプタを補償するドナーとして働くためであ
ると考えられる。
【0005】また、逆に、ZnTeでは低抵抗のp型の
導電型しか容易に得ることができない。これは、ZnT
eにおいては、ドナー不純物を添加するとZnの空孔子
点が生成され、ドナーを補償するアクセプタとして働く
ためであると考えられる。
【0006】但し、昨今のII−VI族化合物半導体に関す
る研究の進展に伴い、II族(12(2B)族)の元素を
I族(11(1B)族)の元素で置換すればp型に、II
I族(13(3B)族)の元素で置換すればn型にな
り、また、VI族(16(6B)族)の元素をV族(15
(5B)族)で置換すればp型に、VII族(17(7
B)族)の元素で置換すればn型を得ることができるよ
うになりつつある。
【0007】そして、例えばZnSe系の材料を用い
て、光電変換機能素子としての発光ダイオード(LE
D)を作製する場合においては、GaAs基板上に分子
線エピタキシャル成長法により何層ものZnSe系の混
晶薄膜を形成し、pn接合型のダイオードを作製してい
る。
【0008】この時、ZnSe系材料は、熱平衡状態で
はp型半導体の制御が困難であるため、熱平衡状態では
ないエピタキシャル成長法を用い、さらに、ラジカル粒
子ビーム源とよばれる特殊な装置を用いて形成されてい
た(例えば、特開平4−273482号参照)。
【0009】このZnSe系の材料を用いた光電変換機
能素子としては、例えば480nmの青色LEDが試作
されている。また、CdZnSe-ZnSeの量子井戸
構造で青色LD(レーザダイオード)の作成が報告さ
れ、青色系デバイスとして注目されている。
【0010】一方で、このZnSe材料系以外では、II
−VI族化合物半導体を用いた光電変換機能素子は未だ実
用化されるに至っていない。
【0011】このように、従来、II−VI族化合物半導体
を用いた光電変換機能素子の作製においては、導電型の
制御が困難であるという物性から、材料系が限定されて
しまうという問題があった。
【0012】また、導電型の制御を可能にするためには
エピタキシャル成長に加えて、さらに、高度な特殊技術
を必要とするため生産性が低く、製造コストも嵩むとい
う難点を抱えていた。
【0013】そこで発明者等は、II−VI族化合物半導体
単結晶基板を用い、基板とは異なる導電型を示す拡散源
を基板表面に配置し拡散によりpn接合を形成する光電
変換機能素子の形成方法を提案した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法で作製した光電変換機能素子の特性は、用いる基板
の品質に強く依存し、効率のよい発光ダイオードを安定
して作製することができないという問題があった。
【0015】即ち、II−VI族化合物半導体基板中には、
転位や析出物等の欠陥が存在し、これらの欠陥が非発光
中心となり、光電変換機能素子として発光しないという
問題があった。
【0016】本発明は、上述のような問題を解決すべく
なされたものであり、周期表第12(2B)族元素及び
第16(6B)族元素からなる転位および欠陥密度が低
い化合物半導体結晶基板を用い、熱拡散によりpn接合
を形成して作製される光電変換機能素子を提供すること
を主な目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る光電変換機能素子は、周期表第12
(2B)族元素及び第16(6B)族元素からなる化合
物半導体結晶基板を用いる光電変換機能素子において、
転位および欠陥密度が低い基板を用いるとともに、当該
基板の導電型とは異なる導電型を示す拡散源の熱拡散に
より、上記基板の表面付近にpn接合を形成したもので
ある。
【0018】これによれば、再結合によるリーク電流を
低減することができ、発光効率の高い光電変換機能素子
(例えば緑色発光の発光ダイオード)を安定して得るこ
とができる。
【0019】以下に、本発明者等が、本発明に到るまで
の考察内容及び研究経過について概説する。
【0020】まず、いくつかの製造方法で作製された周
期表第12(2B)族元素及び第16(6B)族元素か
らなる化合物半導体(II−VI族化合物半導体)であるZ
nTe基板上に、拡散源を蒸着して熱拡散によりpn接
合を形成し、その後、発光特性と基板品質の相関関係を
調べた。
【0021】その結果、転位密度、または、高温の水酸
化ナトリウム水溶液でエッチングすることで得られるピ
ットの密度が20,000個/cm2以下、好ましくは、
10,000個/cm2以下、特に好ましくは5,000
個/cm2以下、更には2,000個/cm2以下の基板から
得られた発光ダイオードからは、緑色の発光を確認する
ことができた。
【0022】一方で、上記以上の転位密度、または、高
温の水酸化ナトリウム水溶液でエッチングすることで得
られるピットの密度が2,000個/cm2を超える基板
から得られた発光ダイオードでは、発光を確認できなか
った。
【0023】以上の研究結果から、発光ダイオードの発
光現象は、これらの欠陥密度に大きく依存することが判
明した。
【0024】また、II−VI族化合物半導体中には育成方
法、育成条件によって結晶内部に多くの析出物が存在す
ることが知られている。
【0025】例えば、可視発光ダイオード用の基板に用
いられるII−VI族化合物半導体は、禁制帯幅が広く透明
であり、光学顕微鏡によって基板内部の析出物を観察す
ることができる。
【0026】そこで、析出物の密度の異なるp型ZnT
e基板を用意し、n型層を形成する例えばAl、また
は、Inを基板表面に蒸着し、熱拡散によりpn接合を
形成した。
【0027】このようにして形成された発光ダイオード
の特性を比較した結果、100倍〜200倍の倍率の光
学顕微鏡の焦点視野内で観察できるpn接合の界面にお
ける粒径が0.3〜10μmの大きさの析出物の数が1
00,000個/cm2以下であるとき、好ましくは、5
0,000個/cm2以下の時に、再結合によるリーク電
流が少ない効率の良い発光ダイオードを得ることができ
た。
【0028】一方、100,000個/cm2を超える
と、効率は低下した。特に、5μmより大きな析出物の
ある基板では、一桁小さい値の50,000個〜10,
000個/cm2でもリーク電流は増加し効率が低下し
た。
【0029】上記リーク電流は、pn接合界面の析出物
が電流の通路を形成しているために発生すると考えられ
る。
【0030】したがって、接合界面における析出物の抑
制がリーク電流を低減し、効率を向上させるのに重要な
役割を果たすものと推測される。
【0031】よって、pn界面における析出物を如何に
抑制するかが重要である。界面に存在する析出物は、走
査型電子顕微鏡での観察結果から、光学顕微鏡で観察さ
れる欠陥よりも一般的に少ない。
【0032】これは、析出物の大きさに依存し、析出物
の大きさが1μm程度の時は界面に存在する析出物の密
度は、光学顕微鏡で観察される析出物の密度と同程度で
あり、析出物の大きさが小さいときは、一桁ほど少なく
なる。
【0033】そして、研究の結果、接合界面に存在する
析出物の数が50,000個/cm2以下であるとき、再
結合によるリーク電流が少ない効率の良い発光ダイオー
ドを得ることができるとの結論に達し、これに基づいて
本発明を完成したものである。そして、上記発明におい
て、上記拡散源の導電型は、上記基板の導電型がp型の
場合にはn型であり、上記基板の導電型がn型の場合に
はp型であるようにできる。
【0034】これにより、必然的に基板の導電型と拡散
源の導電型を異ならせることができる。
【0035】また、上記研究結果に基づき、上記基板の
転位密度が20,000個/cm2以下、より望ましくは
10,000個/cm2以下、特に好ましくは5,000
個/cm2以下、更には2,000個/cm2以下であるよう
にするとよい。
【0036】これにより、再結合によるリーク電流が少
ない効率の良い発光ダイオードを得ることができる。
【0037】なお、上記基板の転位密度について、当該
基板を90℃〜130℃の水酸化ナトリウム水溶液でエ
ッチングして得られるピットの密度が20,000個/
cm2以下であるようにしてもよい。
【0038】また、上記基板の転位密度について、10
0倍〜200倍の倍率の光学顕微鏡の焦点視野内で観察
できる上記pn接合の界面における粒径が0.3〜10
μmの析出物の密度が100,000個/cm2以下であ
るようにしてもよい。
【0039】さらに、前記基板は、ZnTe、ZnS
e、ZnOの何れかで形成されるようにするとよい。
【0040】このような構成の本発明に係る光電変換機
能素子は、再結合によるリーク電流を低減することがで
きるので、効率の高い緑色発光を行うことができる。
【0041】なお、上記pn接合の界面を挟む両側の発
光領域から発生される光の波長がそれぞれ異なるように
することができる。
【0042】より具体的には、上記基板がp型のZnT
e、上記拡散源がAl,Ga,In又はこれらを含む合
金である場合に形成されるpn接合の界面を挟んで、上
記拡散源側の発光領域からの光は波長550nm〜70
0nmの緑色光〜赤色光であり、上記基板側の発光領域
からの光は波長580nm〜700nmの黄色光〜赤色
光であるようにすることができる。
【0043】詳細には表1に示す通りである。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)転位密度、ま
たは、100℃の10mol%NaOH溶液に4分間浸透
することで得られるエッチピット密度が2,000個/
cm2,8,000個/cm2,60,000個/cm2のp型
ZnTe基板表面にAl薄膜を真空蒸着し、その後、熱
処理することでpn接合を形成する方法について図1を
参照して説明する。
【0046】図1は本発明に係る光電変換機能素子とし
ての発光ダイオードの作製過程の概略を示す参考図であ
る。なお、図2は本発明に係る発光ダイオードの概略構
成と発光状況を示す概略図である。
【0047】基板1としては、キャリア濃度3×1017
/cm3のPをドープしたp型ZnTe単結晶基板を用い
た。ポリッシングされた基板1は、アセトンで脱脂した
後に、超純水で洗浄した。その後、基板1は2%のBr
−メタノール溶液で5分間エッチングされ、超純水によ
る洗浄を行った後に、真空蒸着装置に設置した。
【0048】蒸着装置は、2×10−6Torr以下の真空
度まで真空排気し、拡散源2であるAlを基板表面に
4,000Åの厚さで蒸着させた。
【0049】基板1は、真空装置から取り出され、石英
製の反応管を備え、真空排気可能な拡散炉の均熱帯域に
配置した。
【0050】拡散炉内部は真空に排気した後、窒素ガス
で置換した。この操作を数回繰りかえした後、窒素ガス
を流した状態で550℃,30分の熱処理を行った。
【0051】この熱処理により、拡散源としてのAlが
基板表面から内部へ拡散されてAl拡散層3が形成さ
れ、pn接合が形成される。なお、図中、符号4はpn
接合界面を示している。
【0052】冷却後、当該基板1を取り出し、表面の一
部に保護膜を形成し、表面に残ったAlの一部分を残し
てエッチングする。なお、残ったAlは表面電極とな
る。その後、その表面をレジストで保護した後、裏面に
電極として金メッキを施して、光電変換機能素子として
の発光ダイオードを作製した。
【0053】欠陥密度の異なる基板上に作製したそれぞ
れの発光ダイオードに所定の電流を流し、発光特性を比
較した。
【0054】欠陥密度が、2,000個/cm2,8,0
00個/cm2の基板に作製した発光ダイオードでは、p
n接合界面4を挟んで、Al拡散層3側の発光領域a1
において緑色から橙色にかけての波長範囲(550nm
〜630nm)で発光L1が観察された。
【0055】また、pn接合界面4を挟んで、基板1側
の発光領域a2において黄色から橙色にかけての波長範
囲(580nm〜630nm)で発光L2が観察され
た。
【0056】一方、欠陥密度60,000個/cm2の基
板上に作製された発光ダイオードからは何れの発光領域
においても発光を確認できなかった。 (第2の実施形態)析出物の密度が数個/cm2、4,0
00個/cm2,50,000個/cm2,200,000個
/cm2のp型ZnTe基板表面にAl薄膜を真空蒸着
し、その後、熱処理することでpn接合を形成する方法
について以下に説明する。
【0057】なお、参照図面は前出の図1および図2で
ある。
【0058】基板1としてキャリア濃度3×1017/cm
3のPをドープしたp型ZnTe単結晶基板を用いた。
ポリッシングされた基板1は、アセトンで脱脂した後
に、超純水で洗浄した。
【0059】その後、基板1は2%のBr−メタノール
溶液で5分間エッチングし、超純水による洗浄を行った
後、真空蒸着装置に設置した。
【0060】蒸着装置は、2×10−6Torr以下の真空
度まで真空排気し、拡散源2であるAlを基板表面に
4,000Åの厚さで蒸着した。
【0061】その後、当該基板1は、真空装置から取り
出され、石英の反応管を備え、真空排気可能な拡散炉の
均熱帯域に配置した。
【0062】拡散炉内部は真空に排気した後、窒素ガス
で置換した。この操作を数回繰りかえした後、窒素ガス
を流した状態で550℃,30分の熱処理を行った。こ
の熱処理により、拡散源としてのAlが基板表面から2
μmの深さで内部へ拡散されてAl拡散層3が形成さ
れ、pn接合が形成される。なお、図中、符号4は基板
表面から2μmの深さの位置に形成されるpn接合界面
を示している。
【0063】そして、冷却後、この基板を取り出し、表
面の一部に保護膜を形成し、表面に残ったAlの一部分
を残してエッチングする。なお、残ったAlは表面電極
となる。その後、その表面をレジストで保護し、裏面に
電極として金をメッキして、発光ダイオードを作製し
た。
【0064】このようにして析出物の密度の異なる基坂
上に作製したそれぞれの発光ダイオードに電流を流し、
発光特性を比較した。
【0065】その結果、すべての発光ダイオードで緑色
から黄色にかけての発光が確認された。
【0066】pn接合界面4を挟んで、Al拡散層3側
の発光領域a1について、それぞれの発光ダイオードの
電流電圧特性を比較した結果、析出物の密度が、数個/
cm2,4,000個/cm2,50,000個/cm2の基板
に作製した発光ダイオードは、電流が1Vから1.2V
の範囲で急激に立ち上がり、それ以下の電圧ではほとん
ど電流が流れなかった。
【0067】そして、発光は2Vから2.4Vの範囲で
始まり、発光効率も約1%と高かった。
【0068】なお、pn接合界面4を挟んで、Al拡散
層3側の発光領域a1から発生される発光L1は、緑色
から橙色にかけての波長範囲(550nm〜630n
m)であった。
【0069】また、pn接合界面4を挟んで、基板1側
の発光領域a2において黄色から橙色にかけての波長範
囲(580nm〜630nm)で発光L2が観察され
た。
【0070】一方、析出物の密度が200,000/cm
2の基板に作製された発光ダイオードは電圧が0.6V付
近から電流が立ち上がりはじめた。4V電圧を印加した
ときに発光を開始したが、その発光効率は0.01%と
極めて低かった。 (第3の実施形態)析出物の密度が数個/cm2、4,0
00/cm2,10,000個/cm2,100,000個/
cm2のp型ZnTe基板表面にIn薄膜を真空蒸着し、
その後、熱処理することでpn接合を形成する方法につ
いて以下に説明する。
【0071】なお、参照図面は前出の図2の(b)であ
る。
【0072】基板1としてキャリア濃度3×1017/cm
3のPをドープしたp型ZnTe単結晶基板を用いた。
ポリッシングされた基板1は、アセトンで脱脂した後
に、超純水で洗浄した。
【0073】その後、基板1は2%のBr−メタノール
溶液で5分間エッチングし、超純水による洗浄を行った
後、真空蒸着装置に設置した。
【0074】蒸着装置は、2×10−6Torr以下の真空
度まで真空排気し、拡散源2であるInを基板表面に
4,000Åの厚さで蒸着した。
【0075】その後、当該基板1は、真空装置から取り
出され、石英の反応管を備え、真空排気可能な拡散炉の
均熱帯域に配置した。
【0076】拡散炉内部は真空に排気した後、窒素ガス
で置換した。この操作を数回繰りかえした後、窒素ガス
を流した状態で550℃,30分の熱処理を行った。こ
の熱処理により、拡散源としてのInが基板表面から2
μmの深さで内部へ拡散されてIn拡散層5が形成さ
れ、pn接合が形成される。なお、図中、符号6は基板
表面から2μmの深さの位置に形成されるpn接合界面
を示している。
【0077】そして、冷却後、この基板を取り出し、表
面の一部に保護膜を形成し、表面に残ったInの一部分
を残してエッチングする。なお、残ったInは表面電極
となる。その後、その表面をレジストで保護し、裏面に
電極として金をメッキして、発光ダイオードを作製し
た。
【0078】このようにして析出物の密度の異なる基坂
上に作製したそれぞれの発光ダイオードに電流を流し、
発光特性を比較した。
【0079】その結果、すべての発光ダイオードで緑色
から赤色にかけての発光が確認された。
【0080】pn接合界面6を挟んで、In拡散層5側
の発光領域a3について、それぞれの発光ダイオードの
電流電圧特性を比較した結果、析出物の密度が、数個/
cm2,8,000個/cm2,50,000個/cm2の基板
に作製した発光ダイオードは、電流が2.1Vから2.
5Vの範囲で急激に立ち上がり、それ以下の電圧ではほ
とんど電流が流れなかった。
【0081】そして、発光は2.5Vから3.0Vの範
囲で始まり、発光効率も約1%と高かった。
【0082】なお、pn接合界面6を挟んで、In拡散
層5側の発光領域a3から発生される発光L3は、緑色
から赤色にかけての波長範囲(550nm〜700n
m)であった。
【0083】また、pn接合界面6を挟んで、基板1側
の発光領域a4において赤色から橙色にかけての波長範
囲(610nm〜700nm)で発光L4が観察され
た。
【0084】一方、析出物の密度が100,000個/
cm2の基板に作製された発光ダイオードは電圧が0.5
V付近から電流が立ち上がりはじめた。5V電圧を印加
したときに発光を開始したが、その発光効率は0.01
%と極めて低かった。 (第4の実施形態)析出物の密度が数個/cm2、4,0
00/cm2,10,000個/cm2,100,000個/
cm2のp型ZnTe基板表面にAlとInの組成を変え
た薄膜を真空蒸着し、その後、熱処理することでpn接
合を形成する方法について以下に説明する。
【0085】なお、参照図面は前出の図2の(b)と同
様である。
【0086】基板1としてキャリア濃度3×1017/cm
3のPをドープしたp型ZnTe単結晶基板を用いた。
ポリッシングされた基板1は、アセトンで脱脂した後
に、超純水で洗浄した。
【0087】その後、基板1は2%のBr−メタノール
溶液で5分間エッチングし、超純水による洗浄を行った
後、真空蒸着装置に設置した。
【0088】蒸着装置は、2×10−6Torr以下の真空
度まで真空排気し、拡散源2であるAl−Inの合金組
成を変えて基板表面に4,000Åの厚さで蒸着した。
【0089】その後、当該基板1は、真空装置から取り
出され、石英の反応管を備え、真空排気可能な拡散炉の
均熱帯域に配置した。
【0090】拡散炉内部は真空に排気した後、窒素ガス
で置換した。この操作を数回繰りかえした後、窒素ガス
を流した状態で550℃,30分の熱処理を行った。こ
の熱処理により、拡散源としてのAl−Inが基板表面
から2μmの深さで内部へ拡散されてAl−In拡散層
5が形成され、pn接合が形成される。なお、図中、符
号6は基板表面から2μmの深さの位置に形成されるp
n接合界面を示している。
【0091】そして、冷却後、この基板を取り出し、表
面の一部に保護膜を形成し、表面に残ったAl−Inの
一部分を残してエッチングする。なお、残ったAl−I
nは表面電極となる。その後、その表面をレジストで保
護し、裏面に電極として金をメッキして、発光ダイオー
ドを作製した。
【0092】このようにしてAl−Inの組成の異なる
基坂上に作製したそれぞれの発光ダイオードに電流を流
し、発光特性を比較した。
【0093】その結果、拡散源であるAl−Inの組成
を変えた発光ダイオードの発光波長は、表面の緑色〜赤
色にかけての550〜700nmの範囲であり、基板面
からの発光波長は、黄色〜赤色にかけての580〜70
0nmの範囲であった。また、基板面からの発光波長
は、黄色と赤色の強度比がAl−Inの組成によって変
化することが観察された。
【0094】即ち、Al組成が高いと黄色の発光強度が
強くなり、In組成が高いと赤色の強度比が大きくなっ
た。それに伴い、色彩輝度計で測定した波長は、黄色〜
赤色まで変化することが分かった。
【0095】以上のように上記第1〜第4の実施形態に
係る光電変換機能素子としての発光ダイオードは、pn
接合界面に存在する析出物の数が低いため再結合による
リーク電流が少なく、効率の良い発光を行うことができ
る。
【0096】なお、p型ZnTe基板としては上記実施
形態のようにPをドープする場合に限られるものではな
く、As,Sb等の15(5B)族元素や11(1B)
族のCu,Ag,Au等の元素を添加する場合であって
もよい。
【0097】また、p型ZnTe基板に代えてn型Zn
Te基板を用いてもよい。この場合には、13(3B)
族のAl,Ga,In等の元素や、17(7B)族のC
l,Br,I等の元素を添加することができる。
【0098】また、基板材料としてはZnTeに限らず
ZnSeやZnOを用いることができる。
【0099】なお、基板1の転位密度については、基板
1を90℃〜130℃の水酸化ナトリウム水溶液でエッ
チングして得られるピットの密度を、転位密度と略同様
に扱うことができ、当該ピットの密度は20,000個
/cm2以下であることが望ましい。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、周期表第12(2B)
族元素及び第16(6B)族元素からなる化合物半導体
結晶基板を用いる光電変換機能素子において、転位およ
び欠陥密度が低い基板を用いるとともに、当該基板の導
電型とは異なる導電型を示す拡散源の熱拡散により、上
記基板の表面付近にpn接合を形成したので、再結合に
よるリーク電流を低減することができ、発光効率の高い
光電変換機能素子(例えば緑色発光の発光ダイオード)
を安定して得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光電変換機能素子としての発光ダ
イオードの作製過程の概略を示す参考図である。
【図2】本発明に係る発光ダイオードの概略構成と発光
状況を示す概略図である。
【符号の説明】
1 基板(p型ZnTe単結晶基板) 2 拡散源(Al) 3 Al拡散層 4 pn接合界面 5 In拡散層 6 pn接合界面 a1〜a4 発光領域 L1〜L4 光線

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周期表第12(2B)族元素及び第16
    (6B)族元素からなる化合物半導体結晶基板を用いる
    光電変換機能素子において、 転位および欠陥密度が低い基板を用いるとともに、 当該基板の導電型とは異なる導電型を示す拡散源の熱拡
    散により、上記基板の表面付近にpn接合を形成したこ
    とを特徴とする光電変換機能素子。
  2. 【請求項2】上記拡散源の導電型は、上記基板の導電型
    がp型の場合にはn型であり、上記基板の導電型がn型
    の場合にはp型であることを特徴とする請求項1記載の
    光電変換機能素子。
  3. 【請求項3】上記基板の転位密度が20,000個/cm
    2以下であることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の光電変換機能素子。
  4. 【請求項4】上記pn接合の界面における析出物が5
    0,000個/cm2以下であることを特徴とする請求項
    1から請求項3の何れかに記載の光電変換機能素子。
  5. 【請求項5】上記基板の転位密度について、当該基板を
    90℃〜130℃の水酸化ナトリウム水溶液でエッチン
    グして得られるピットの密度が20,000個/cm2
    下であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れ
    かに記載の光電変換機能素子。
  6. 【請求項6】上記基板の転位密度について、光学顕微鏡
    の100〜200倍の倍率の焦点視野内で観察し得る上
    記pn接合の界面における粒径0.3〜10μmの析出
    物の密度が100,000個/cm2以下であることを特
    徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の光電変
    換機能素子。
  7. 【請求項7】前記基板が、ZnTe、ZnSe、ZnO
    の何れかで形成されていることを特徴とする請求項1か
    ら請求項6の何れかに記載の光電変換機能素子。
  8. 【請求項8】上記pn接合の界面を挟む両側の発光領域
    から発生される光の波長がそれぞれ異なることを特徴と
    する請求項1から請求項7の何れかに記載の光電変換機
    能素子。
  9. 【請求項9】上記基板がp型のZnTe、上記拡散源が
    Al,Ga,In又はこれらを含む合金である場合に形
    成されるpn接合の界面を挟んで、上記拡散源側の発光
    領域から発生される光は波長550nm〜700nmの
    緑色光〜赤色光であり、上記基板側の発光領域から発生
    される光は波長580nm〜700nmの黄色光〜赤色
    光であることを特徴とする請求項8記載の光電変換機能
    素子。
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