JP2000228993A - 微細藻からのエタノール製造方法及び装置 - Google Patents
微細藻からのエタノール製造方法及び装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 澱粉含有微細藻を暗条件かつ嫌気性雰囲気下
に保持して行う澱粉からのエタノール製造方法におい
て、エタノールへの変換率を高める方法、エタノールへ
の変換速度を向上させる方法及びそれらの装置を提供す
ること。 【解決手段】 細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を培養す
る工程、培養した藻体を含む培養液を濃縮して藻体濃縮
スラリーを得る工程、前記藻体濃縮スラリーに窒素源を
添加し、pH6〜9の範囲に保ちながら暗条件かつ嫌気
性雰囲気に保持してエタノールを生成させる工程を含む
ことを特徴とする微細藻からのエタノール製造方法、及
びそのための装置。
に保持して行う澱粉からのエタノール製造方法におい
て、エタノールへの変換率を高める方法、エタノールへ
の変換速度を向上させる方法及びそれらの装置を提供す
ること。 【解決手段】 細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を培養す
る工程、培養した藻体を含む培養液を濃縮して藻体濃縮
スラリーを得る工程、前記藻体濃縮スラリーに窒素源を
添加し、pH6〜9の範囲に保ちながら暗条件かつ嫌気
性雰囲気に保持してエタノールを生成させる工程を含む
ことを特徴とする微細藻からのエタノール製造方法、及
びそのための装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞内に澱粉を蓄
積する微細藻を利用して燃料や化学原科等として有用な
エタノールを製造する方法及びそのための装置に関す
る。
積する微細藻を利用して燃料や化学原科等として有用な
エタノールを製造する方法及びそのための装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、エタノールは石炭、石油等の化石
資源を原料とし、エチレンを経由して化学合成する方
法、あるいはサトウキビの糖やトウモロコシの澱粉等の
バイオマスを原科として、発酵生産する方法により製造
されている.原料が澱粉の場合は、酸による加水分解や
カビ等の酵素作用により澱粉を単糖まで糖化し、更に酵
母等のアルコール発酵微生物を作用させエタノールに変
換するものである。バイオマス原科の中でクロレラ、ド
ナリエラ、クラミドモナス、ナンノクロリスなどで代表
される微細藻は光合成生物の中でも極めて生産性が高い
ことが知られているが、これらの中には澱粉を多量に
(乾燥重量の約20〜50%)含有するものが知られて
おり、これらの微細藻澱粉を原料として前記の方法によ
りエタノールを製造する方法がある(特公昭54−11
397号公報、特公昭55一11316号公報など)。
これらの方法では、原科となる微細藻細胞内の澱粉を一
旦抽出し、分離回収する必要があるが、微細藻の細胞壁
は強固なものが多く、細胞壁の機械的な破砕に多くの動
力を消費したり、セルラーゼ等の高価な細胞壁分解酵素
を必要とした。また、澱粉の抽出・精製では多量のメタ
ノール等の有機溶剤による脱色や遠心分離の動力が必要
であることが間題であった。更に、抽出した澱粉は生の
状態にあるため、糖化酵素により糖化する前に、加熱処
理し澱粉を糊化する必要があり、この工程で多量の加熱
エネルギーが必要であることも間題であった.通常この
加熱エネルキーはエタノール製造工程全体でのエネルキ
ーの2〜3割にもなるとされている。
資源を原料とし、エチレンを経由して化学合成する方
法、あるいはサトウキビの糖やトウモロコシの澱粉等の
バイオマスを原科として、発酵生産する方法により製造
されている.原料が澱粉の場合は、酸による加水分解や
カビ等の酵素作用により澱粉を単糖まで糖化し、更に酵
母等のアルコール発酵微生物を作用させエタノールに変
換するものである。バイオマス原科の中でクロレラ、ド
ナリエラ、クラミドモナス、ナンノクロリスなどで代表
される微細藻は光合成生物の中でも極めて生産性が高い
ことが知られているが、これらの中には澱粉を多量に
(乾燥重量の約20〜50%)含有するものが知られて
おり、これらの微細藻澱粉を原料として前記の方法によ
りエタノールを製造する方法がある(特公昭54−11
397号公報、特公昭55一11316号公報など)。
これらの方法では、原科となる微細藻細胞内の澱粉を一
旦抽出し、分離回収する必要があるが、微細藻の細胞壁
は強固なものが多く、細胞壁の機械的な破砕に多くの動
力を消費したり、セルラーゼ等の高価な細胞壁分解酵素
を必要とした。また、澱粉の抽出・精製では多量のメタ
ノール等の有機溶剤による脱色や遠心分離の動力が必要
であることが間題であった。更に、抽出した澱粉は生の
状態にあるため、糖化酵素により糖化する前に、加熱処
理し澱粉を糊化する必要があり、この工程で多量の加熱
エネルギーが必要であることも間題であった.通常この
加熱エネルキーはエタノール製造工程全体でのエネルキ
ーの2〜3割にもなるとされている。
【0003】また、本発明者らは微細藻細胞から澱粉の
抽出分離、および生澱粉の加熱に要する多量のエネルギ
ーコストを削滅する手段について検討し、澱粉含有微細
藻の中に光独立栄養的に培養することにより速やかに増
殖すると共に、澱粉を多量に含有し、尚且つ、細胞を暗
黒で嫌気雰囲気に保持することによって、細胞内澱粉を
エタノールに変換し、細胞外に生産するという特徴を有
する微細藻があることに着目し、このような澱粉含有微
細藻を培養し、この微細藻を濃縮したスラリーのpHを
中性付近に保ちながら暗条件かつ嫌気性雰囲気に保持し
てエタノールを生成させることによりエタノールを製造
できることを見出し、先に出願した(特開平7一879
83号公報、特開平7−87984号公報、特開平7−
87985号公報等)。これらの微細藻特有の細胞内澱
粉一エタノール化反応を利用する方法では、微細藻細胞
内の澱粉を抽出分離する必要はなく、また生澱粉糊化の
ための加熱、糖化も不要で、エタノール発酵も徹細藻自
身が行うため、アルコール発酵微生物の培養も必要な
く、従来のエタノール製造方法に比べて工程が大幅に簡
賂化され、製造のためのエネルギーの低減が可能となっ
た。
抽出分離、および生澱粉の加熱に要する多量のエネルギ
ーコストを削滅する手段について検討し、澱粉含有微細
藻の中に光独立栄養的に培養することにより速やかに増
殖すると共に、澱粉を多量に含有し、尚且つ、細胞を暗
黒で嫌気雰囲気に保持することによって、細胞内澱粉を
エタノールに変換し、細胞外に生産するという特徴を有
する微細藻があることに着目し、このような澱粉含有微
細藻を培養し、この微細藻を濃縮したスラリーのpHを
中性付近に保ちながら暗条件かつ嫌気性雰囲気に保持し
てエタノールを生成させることによりエタノールを製造
できることを見出し、先に出願した(特開平7一879
83号公報、特開平7−87984号公報、特開平7−
87985号公報等)。これらの微細藻特有の細胞内澱
粉一エタノール化反応を利用する方法では、微細藻細胞
内の澱粉を抽出分離する必要はなく、また生澱粉糊化の
ための加熱、糖化も不要で、エタノール発酵も徹細藻自
身が行うため、アルコール発酵微生物の培養も必要な
く、従来のエタノール製造方法に比べて工程が大幅に簡
賂化され、製造のためのエネルギーの低減が可能となっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平7一879
83号公報等による方法においても、なお次のような課
題がある。すなわち、これらの方法の場合、エタノール
生産微細藻のうちエタノール生産能に優れた微細藻であ
っても、微細藻澱粉のうちエタノールへ変換される澱粉
の割合(エタノール変換率)は4〜5割程度に留まって
いるのが現状であった。また、エタノール製造に約3日
間の時間を要しており、特に大規模生産のためにはエタ
ノール生産工程を短縮化することが必要となっていた。
本発明の目的は、このような間題点を解決するため、澱
粉含有微細藻を暗条件かつ嫌気性雰囲気下に保持して行
う澱粉からのエタノール製造方法において、エタノール
への変換率を高める方法、エタノールへの変換速度を向
上させる方法、及びそのための装置を提供することにあ
る。
83号公報等による方法においても、なお次のような課
題がある。すなわち、これらの方法の場合、エタノール
生産微細藻のうちエタノール生産能に優れた微細藻であ
っても、微細藻澱粉のうちエタノールへ変換される澱粉
の割合(エタノール変換率)は4〜5割程度に留まって
いるのが現状であった。また、エタノール製造に約3日
間の時間を要しており、特に大規模生産のためにはエタ
ノール生産工程を短縮化することが必要となっていた。
本発明の目的は、このような間題点を解決するため、澱
粉含有微細藻を暗条件かつ嫌気性雰囲気下に保持して行
う澱粉からのエタノール製造方法において、エタノール
への変換率を高める方法、エタノールへの変換速度を向
上させる方法、及びそのための装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、藻体濃縮
スラリーをpH6〜9の範囲に保ちながら暗条件かつ嫌
気性雰囲気に保持してエタノールを生成させる際の、澱
粉のエタノールへの変換率を向上させる条件、及び澱粉
のエタノールへの変換速度を早める条件について鋭意検
討した結果、前記藻体濃縮スラリーへの窒素源の添加が
有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の(1)〜(5)の態様を含むも
のである。 (1)細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を利用するエタノ
ールの製造方法であって、次のa)〜c)の工程を含む
ことを特徴とする微細藻からのエタノール製造方法。 a)細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を培養する工程。 b)培養した藻体を含む培養液を濃縮して藻体濃縮スラ
リーを得る工程。 c)前記藻体濃縮スラリーに窒素源を添加し、pH6〜
9の範囲に保ちながら暗条件かつ嫌気性雰囲気に保持し
てエタノールを生成させる工程。 (2)前記a)〜c)の工程に加えて、d)生成したエ
タノールを分離する工程を有することを特徴とする前記
(1)の微細藻からのエタノール製造方法。 (3)前記窒素源として一酸化窒素(NO)ガスを使用
することを特徴とする前記(1)又は(2)の微細藻か
らのエタノール製造方法。 (4)前記窒素源としてNH4 + 又は尿素を使用するこ
とを特徴とする前記(1)又は(2)の微細藻からのエ
タノール製造方法。 (5)細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を利用するエタノ
ールの製造装置であって、次のa)〜e)の手段を有す
ることを特徴とする微細藻からのエタノール製造装置。 a)細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を培養する培養手
段。 b)前記培養手段により培養した藻体を含む培養液を濃
縮する濃縮手段。 c)前記濃縮手段により得られた藻体濃縮スラリーをp
H6〜9の範囲に保ちながら暗条件かつ嫌気性雰囲気に
保持してエタノールを生成させる保持手段。 d)前記保持手段に窒素源を供給する窒素源供給手段。 e)前記保持手段において生成したエタノールを分離す
る分離手段。
スラリーをpH6〜9の範囲に保ちながら暗条件かつ嫌
気性雰囲気に保持してエタノールを生成させる際の、澱
粉のエタノールへの変換率を向上させる条件、及び澱粉
のエタノールへの変換速度を早める条件について鋭意検
討した結果、前記藻体濃縮スラリーへの窒素源の添加が
有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の(1)〜(5)の態様を含むも
のである。 (1)細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を利用するエタノ
ールの製造方法であって、次のa)〜c)の工程を含む
ことを特徴とする微細藻からのエタノール製造方法。 a)細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を培養する工程。 b)培養した藻体を含む培養液を濃縮して藻体濃縮スラ
リーを得る工程。 c)前記藻体濃縮スラリーに窒素源を添加し、pH6〜
9の範囲に保ちながら暗条件かつ嫌気性雰囲気に保持し
てエタノールを生成させる工程。 (2)前記a)〜c)の工程に加えて、d)生成したエ
タノールを分離する工程を有することを特徴とする前記
(1)の微細藻からのエタノール製造方法。 (3)前記窒素源として一酸化窒素(NO)ガスを使用
することを特徴とする前記(1)又は(2)の微細藻か
らのエタノール製造方法。 (4)前記窒素源としてNH4 + 又は尿素を使用するこ
とを特徴とする前記(1)又は(2)の微細藻からのエ
タノール製造方法。 (5)細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を利用するエタノ
ールの製造装置であって、次のa)〜e)の手段を有す
ることを特徴とする微細藻からのエタノール製造装置。 a)細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を培養する培養手
段。 b)前記培養手段により培養した藻体を含む培養液を濃
縮する濃縮手段。 c)前記濃縮手段により得られた藻体濃縮スラリーをp
H6〜9の範囲に保ちながら暗条件かつ嫌気性雰囲気に
保持してエタノールを生成させる保持手段。 d)前記保持手段に窒素源を供給する窒素源供給手段。 e)前記保持手段において生成したエタノールを分離す
る分離手段。
【0006】本発明の方法において、エタノール製造用
原料として使用できる微細藻は、細胞内に澱粉、グリコ
ーゲンなどブドウ糖によって構成される多糖類を多量に
(望ましくは乾燥重量の50%以上)含有し、更に暗黒
かつ嫌気性雰囲気のもとで該澱粉、グリコーゲンなどを
速やかに代謝し、エタノールを多く生産する特性を有す
るものである。これらの条件を満たすものの例として
は、緑藻綱、プラシノ藻綱、クリプト藻綱、藍藻綱に分
類される微細藻類が挙げられ、更に属レベルの名称を示
すと、緑藻綱のクラミドモナス( Chlamydomonas)、ク
ロレラ及び藍藻綱のスピルリーナ、オシラトリア、ミク
ロシスティスなどを挙げることができる。
原料として使用できる微細藻は、細胞内に澱粉、グリコ
ーゲンなどブドウ糖によって構成される多糖類を多量に
(望ましくは乾燥重量の50%以上)含有し、更に暗黒
かつ嫌気性雰囲気のもとで該澱粉、グリコーゲンなどを
速やかに代謝し、エタノールを多く生産する特性を有す
るものである。これらの条件を満たすものの例として
は、緑藻綱、プラシノ藻綱、クリプト藻綱、藍藻綱に分
類される微細藻類が挙げられ、更に属レベルの名称を示
すと、緑藻綱のクラミドモナス( Chlamydomonas)、ク
ロレラ及び藍藻綱のスピルリーナ、オシラトリア、ミク
ロシスティスなどを挙げることができる。
【0007】これらの中でも特に好ましい微細藻として
は、例えば Chlamydomonas sp.ATRC-1株を挙げることが
できる。 Chlamydomonas sp.ATRC-1株は本発明者らが紅
海海水から分離した緑藻てあり、光独立栄養的に培養す
ることによって、速やかに増殖する。 Chlamydomonas s
p.ATRC-1株は、細胞内に多量の澱粉を蓄積し、また、暗
黒且つ嫌気雰囲気下に保持することによって、細胞内の
殻粉をエタノールに変換し、細胞外に分泌する。Chlamy
domonas sp.ATRC-1株の特徴を以下に示す。(1) 分離
源:紅海海水、(2) 形状:楕円形、(3) 大きさ:運動細
胞:6〜11μm、(4) 鞭毛:細胞長の1.5倍のもの
2本、(5) 運動性:有り、(6) 光合成色素:クロロフイ
ルa,クロロフイルb,カロチノイド(薄層クロマトグ
ラフイーにより検出)、(7) 増殖性:後記の表1に示す
海水性培地を用い、15,000ルクスの蛍光灯を照射
し、0.5容量%の二酸化炭素を300ミリリットル/
minで流通させ、25℃の温度に保持した場合、約
0.5g乾燥重量/リットル・日の速度で増殖、(8) 澱
粉含有率:乾燥藻体中40重量%、(9) エタノール生産
能:常温(20〜35℃)かつ暗嫌気条件下で細胞内澱
粉1g当たり0.2〜0.3gのエタノールを生産。
は、例えば Chlamydomonas sp.ATRC-1株を挙げることが
できる。 Chlamydomonas sp.ATRC-1株は本発明者らが紅
海海水から分離した緑藻てあり、光独立栄養的に培養す
ることによって、速やかに増殖する。 Chlamydomonas s
p.ATRC-1株は、細胞内に多量の澱粉を蓄積し、また、暗
黒且つ嫌気雰囲気下に保持することによって、細胞内の
殻粉をエタノールに変換し、細胞外に分泌する。Chlamy
domonas sp.ATRC-1株の特徴を以下に示す。(1) 分離
源:紅海海水、(2) 形状:楕円形、(3) 大きさ:運動細
胞:6〜11μm、(4) 鞭毛:細胞長の1.5倍のもの
2本、(5) 運動性:有り、(6) 光合成色素:クロロフイ
ルa,クロロフイルb,カロチノイド(薄層クロマトグ
ラフイーにより検出)、(7) 増殖性:後記の表1に示す
海水性培地を用い、15,000ルクスの蛍光灯を照射
し、0.5容量%の二酸化炭素を300ミリリットル/
minで流通させ、25℃の温度に保持した場合、約
0.5g乾燥重量/リットル・日の速度で増殖、(8) 澱
粉含有率:乾燥藻体中40重量%、(9) エタノール生産
能:常温(20〜35℃)かつ暗嫌気条件下で細胞内澱
粉1g当たり0.2〜0.3gのエタノールを生産。
【0008】これらの微細藻を含むスラリーを暗条件か
つ嫌気性雰囲気下に保持してエタノールを生産させる場
合、エタノール以外に若干ながら有機酸の生成を伴うた
め、反応の進行によって徐々に液中のpHが低下するこ
ともある。pHがある値以下に下がる場合にはエタノー
ル生産反応が鈍化するため、本発明の方法においては微
細藻のスラリーを暗条件かつ嫌気性雰囲気下に保持する
間、スラリーのpHが6.0〜9.0、好ましくは6.
5〜8.0の範囲に保つように調整する。pHが6.0
未満になるとエタノールの生成速度が遅くなり、またp
H調整用のアルカリを供給しすぎることによりpHが
9.0を超えるとやはりエタノールの生成速度が遅くな
るので好ましくない。なお、本発明において暗条件とは
光合成が行われない程度に光を遮断した状態をいう。
つ嫌気性雰囲気下に保持してエタノールを生産させる場
合、エタノール以外に若干ながら有機酸の生成を伴うた
め、反応の進行によって徐々に液中のpHが低下するこ
ともある。pHがある値以下に下がる場合にはエタノー
ル生産反応が鈍化するため、本発明の方法においては微
細藻のスラリーを暗条件かつ嫌気性雰囲気下に保持する
間、スラリーのpHが6.0〜9.0、好ましくは6.
5〜8.0の範囲に保つように調整する。pHが6.0
未満になるとエタノールの生成速度が遅くなり、またp
H調整用のアルカリを供給しすぎることによりpHが
9.0を超えるとやはりエタノールの生成速度が遅くな
るので好ましくない。なお、本発明において暗条件とは
光合成が行われない程度に光を遮断した状態をいう。
【0009】本発明の方法においては微細藻を含むスラ
リーを暗条件かつ嫌気性雰囲気下に保持してエタノール
を生産させるに際し、窒素源添加することによって澱粉
からエタノールへの変換率あるいは変換速度を向上させ
ることを特徴とする。窒素源としては種々の窒素化合物
が使用できるが、例えば窒素源として一酸化窒素(N
O)ガスを使用すれば澱粉からエタノールへの変換率向
上効果が大きく、NH4 + や尿素などを添加すると変換
速度の向上に効果的である。
リーを暗条件かつ嫌気性雰囲気下に保持してエタノール
を生産させるに際し、窒素源添加することによって澱粉
からエタノールへの変換率あるいは変換速度を向上させ
ることを特徴とする。窒素源としては種々の窒素化合物
が使用できるが、例えば窒素源として一酸化窒素(N
O)ガスを使用すれば澱粉からエタノールへの変換率向
上効果が大きく、NH4 + や尿素などを添加すると変換
速度の向上に効果的である。
【0010】本発明で使用する一酸化窒素、NH4 + や
尿素などの窒素源がエタノール変換に及ぼす作用につい
ては、基礎研究の段階であるが、例えば一酸化窒素を添
加した場合、微細藻細胞中でエタノール変換を担う酵素
であるピルビン脱炭酸酵素やアルコール脱水素酵素等が
活性化され、その結果、澱粉分解反応で生じたピルビン
酸からエタノールヘの代謝が活発となり、これによって
微細藻澱粉からエタノールへの変換率が向上するものと
考えられる。また、澱粉を蓄積した微細藻の培養液中の
N源は通常ほぼ枯渇した条件となるため、N源がネック
となって暗嫌気条件での澱粉分解酵素群(ピルビン酸キ
ナーゼ等)の合成が抑制され、その結果、澱粉分解の下
流側の反応であるエタノール生成反応が遅延することが
考えられる。そこで、澱粉分解酵素群(ピルビン酸キナ
ーゼ等)の合成を活発化させるため、N源としてNH4
+ や尿素等の添加により澱粉分解酵素群の原科となるア
ミノ酸を合成する酵素(グルタミン合成酵素)の活性を
増加させることで、最終的に澱粉分解酵素活性が増大
し、このような機構によってエタノール生産反応が促進
され、エタノール生成時間が短縮されるものと考えられ
る。
尿素などの窒素源がエタノール変換に及ぼす作用につい
ては、基礎研究の段階であるが、例えば一酸化窒素を添
加した場合、微細藻細胞中でエタノール変換を担う酵素
であるピルビン脱炭酸酵素やアルコール脱水素酵素等が
活性化され、その結果、澱粉分解反応で生じたピルビン
酸からエタノールヘの代謝が活発となり、これによって
微細藻澱粉からエタノールへの変換率が向上するものと
考えられる。また、澱粉を蓄積した微細藻の培養液中の
N源は通常ほぼ枯渇した条件となるため、N源がネック
となって暗嫌気条件での澱粉分解酵素群(ピルビン酸キ
ナーゼ等)の合成が抑制され、その結果、澱粉分解の下
流側の反応であるエタノール生成反応が遅延することが
考えられる。そこで、澱粉分解酵素群(ピルビン酸キナ
ーゼ等)の合成を活発化させるため、N源としてNH4
+ や尿素等の添加により澱粉分解酵素群の原科となるア
ミノ酸を合成する酵素(グルタミン合成酵素)の活性を
増加させることで、最終的に澱粉分解酵素活性が増大
し、このような機構によってエタノール生産反応が促進
され、エタノール生成時間が短縮されるものと考えられ
る。
【0011】本発明によるエタノール製造プロセス例を
図1に示すプロセスフロー図に基づいて説明する。 (一酸化窒素を添加する例)図1において、微細藻培養
手段1はエタノール生産微細藻を光独立的に培養する手
段てある。これには、水深10〜30cm程度の上面が
開放された流水路型の培養槽等を用いることができ、海
水をベースに窒素、リンなどの無機栄養を与えながら太
陽光を受光して培養する。ここで、海水はろ過等によ
り、海水に含まれる微細藻の捕食生物等の異物を除去し
た後、培養槽に供給される。次に、培養液中の微細藻の
濃度が培溶液1リットル当たり、0.1〜3.0g(乾
燥固形分)程度になった時点で培養を止め、微細藻濃縮
手段2により濃縮する。微細藻濃縮手段2においては、
沈殿性の高い微細藻の場合には一旦自然沈殿により固形
分1〜5w/v%(1リットル当たり10〜50g)前
後に濃縮した後、遠心分離、ベルトフィルタなどにより
更に固形分15〜30w/v%に濃縮する。本プロセス
においては、流動性を有する範囲で可能なかぎり高固形
分に濃縮するとスラリーとしての取り扱いや後段での緩
速攪拌が可能で、かつエタノール濃度が高くでき、後段
でのエタノール濃縮が有利になる.
図1に示すプロセスフロー図に基づいて説明する。 (一酸化窒素を添加する例)図1において、微細藻培養
手段1はエタノール生産微細藻を光独立的に培養する手
段てある。これには、水深10〜30cm程度の上面が
開放された流水路型の培養槽等を用いることができ、海
水をベースに窒素、リンなどの無機栄養を与えながら太
陽光を受光して培養する。ここで、海水はろ過等によ
り、海水に含まれる微細藻の捕食生物等の異物を除去し
た後、培養槽に供給される。次に、培養液中の微細藻の
濃度が培溶液1リットル当たり、0.1〜3.0g(乾
燥固形分)程度になった時点で培養を止め、微細藻濃縮
手段2により濃縮する。微細藻濃縮手段2においては、
沈殿性の高い微細藻の場合には一旦自然沈殿により固形
分1〜5w/v%(1リットル当たり10〜50g)前
後に濃縮した後、遠心分離、ベルトフィルタなどにより
更に固形分15〜30w/v%に濃縮する。本プロセス
においては、流動性を有する範囲で可能なかぎり高固形
分に濃縮するとスラリーとしての取り扱いや後段での緩
速攪拌が可能で、かつエタノール濃度が高くでき、後段
でのエタノール濃縮が有利になる.
【0012】このようにして得られた微細藻のスラリー
を暗条件かつ嫌気性雰囲気に保持できる保持手段3に導
いてエタノールの生産を行わせる。保持手段3はスラリ
ーポンプあるいは攪拌機などの緩速撹件手段を備えたp
Hモニター付き半密閉型容器からなる。ここで、暗条件
とは、前記したように光合成が行われない程度に光を遮
断した状態をいう。このような遮光により、該反応槽
(保持手段3)内は微細藻の呼吸によって酸素が消費さ
れ、嫌気性雰囲気となり、緩くかき混ぜながら暗条件か
つ嫌気性雰囲気に保持すると微細藻自身が行う細胞内澱
粉の発酵作用によりエ夕ノールが生成される。この例で
は、この保持手段3に窒素源供給手段4(この場合は一
酸化窒素供給手段)から一酸化窒素ガスを流入し、反応
槽内の気相部を一酸化窒素に置き換えるようにする。気
相のNOガスは攪拌によりスラリー全体にいきわたら
せ、平衡化した状態で気相のNO濃度を300〜150
0ppm、望ましくは500〜1000ppmとなるよ
うにする。但し、微細藻の種類により最適なNO濃度が
あるため、この値は限定されるものではない。なお、こ
の間、pHモニターによりスラリーのpHを監視してお
き、NaOH等のアルカリ溶液とHCl等の酸溶液の供
給手段を備えたpH調整手段5より、アルカリ溶液又は
酸溶液を添加してスラリーのpHを6.0〜9.0、好
ましくは6.5〜8.0の範囲に保つようにする。pH
調整手段5は、保持手段3のpHモニターに連動して作
用し、連続的に槽内のpHを調整できるようにすること
もできる。保持手段3内での微細藻の滞留時間は、微細
藻の種類、保持条件などにより異なるが20〜70時間
の範囲が一般的である。
を暗条件かつ嫌気性雰囲気に保持できる保持手段3に導
いてエタノールの生産を行わせる。保持手段3はスラリ
ーポンプあるいは攪拌機などの緩速撹件手段を備えたp
Hモニター付き半密閉型容器からなる。ここで、暗条件
とは、前記したように光合成が行われない程度に光を遮
断した状態をいう。このような遮光により、該反応槽
(保持手段3)内は微細藻の呼吸によって酸素が消費さ
れ、嫌気性雰囲気となり、緩くかき混ぜながら暗条件か
つ嫌気性雰囲気に保持すると微細藻自身が行う細胞内澱
粉の発酵作用によりエ夕ノールが生成される。この例で
は、この保持手段3に窒素源供給手段4(この場合は一
酸化窒素供給手段)から一酸化窒素ガスを流入し、反応
槽内の気相部を一酸化窒素に置き換えるようにする。気
相のNOガスは攪拌によりスラリー全体にいきわたら
せ、平衡化した状態で気相のNO濃度を300〜150
0ppm、望ましくは500〜1000ppmとなるよ
うにする。但し、微細藻の種類により最適なNO濃度が
あるため、この値は限定されるものではない。なお、こ
の間、pHモニターによりスラリーのpHを監視してお
き、NaOH等のアルカリ溶液とHCl等の酸溶液の供
給手段を備えたpH調整手段5より、アルカリ溶液又は
酸溶液を添加してスラリーのpHを6.0〜9.0、好
ましくは6.5〜8.0の範囲に保つようにする。pH
調整手段5は、保持手段3のpHモニターに連動して作
用し、連続的に槽内のpHを調整できるようにすること
もできる。保持手段3内での微細藻の滞留時間は、微細
藻の種類、保持条件などにより異なるが20〜70時間
の範囲が一般的である。
【0013】スラリー中のエタノール濃度が5〜50g
/リットル程度になった時点で、該スラリーをエタノー
ル分離手段6に導き、エタノールの分離濃縮を行う。エ
タノール分離手段6は、蒸留の他、エタノール又は水分
離膜による濃縮方法あるいはプロパン等の溶媒を用いた
超臨界抽出法などを用いることにより、最高は無水エタ
ノールまでの所望の濃度に濃縮することがてきる。エタ
ノールを分離した後の残渣は、乾燥後、焼却等により処
分したり、発酵させ堆肥等として利用することもでき
る。
/リットル程度になった時点で、該スラリーをエタノー
ル分離手段6に導き、エタノールの分離濃縮を行う。エ
タノール分離手段6は、蒸留の他、エタノール又は水分
離膜による濃縮方法あるいはプロパン等の溶媒を用いた
超臨界抽出法などを用いることにより、最高は無水エタ
ノールまでの所望の濃度に濃縮することがてきる。エタ
ノールを分離した後の残渣は、乾燥後、焼却等により処
分したり、発酵させ堆肥等として利用することもでき
る。
【0014】(NH4 + 又は尿素を添加する例)この例
では、エタノールが生成される保持手段3の窒素源供給
手段4として一酸化窒素供給手段の代わりにNH4 + 又
は尿素供給手段を備えた窒素源供給手段4を使用してN
H4 + 又は尿素を供給するほかは前記の一酸化窒素を添
加する例と同様である。NH4 + 又は尿素の供給手段
は、海水にアンモニアや尿素を溶解した溶液を保持する
タンクとその溶液を暗条件かつ嫌気雰囲気の保持工程へ
供給するポンブから構成されるもので、微細藻を暗嫌気
状態に保持する工程に含まれる微細藻スラリーの体積か
ら供給する窒素化合物の量を適宜設定することができ
る。
では、エタノールが生成される保持手段3の窒素源供給
手段4として一酸化窒素供給手段の代わりにNH4 + 又
は尿素供給手段を備えた窒素源供給手段4を使用してN
H4 + 又は尿素を供給するほかは前記の一酸化窒素を添
加する例と同様である。NH4 + 又は尿素の供給手段
は、海水にアンモニアや尿素を溶解した溶液を保持する
タンクとその溶液を暗条件かつ嫌気雰囲気の保持工程へ
供給するポンブから構成されるもので、微細藻を暗嫌気
状態に保持する工程に含まれる微細藻スラリーの体積か
ら供給する窒素化合物の量を適宜設定することができ
る。
【0015】
【実施例】以下実施例により本発明の内容を更に具体的
に説明する。 (実施例1)Chlamydomonas sp.ATRC-1株を表1に示す
組成の栄養をフィルターろ過して無菌化した海水1リッ
トルに混合したものを培地として用い、培養した。この
培地50リットルと、 Chlamydomonas sp.ATRC-1株の培
養種(乾燥固形分として20g)を偏平透明容器に入
れ、白色蛍光灯で約15,000Luxの連続照射を行
い、空気(0.5%CO2 添加)を通気しながら、25
℃で7日間培養し、50リツトル中に100g(乾燥固
形分として)の藻体を含む培養液を得た。なお、この培
養終了後の微細藻は乾燥重量当り40%の澱粉含量を示
した。次に、この培養液50リットルを遠心沈殿法によ
り濃縮し、500ミリリットルの液中に Chlamydomonas
sp.ATRC-1株の藻体100g(乾燥重量)を含む藻体ス
ラリー液とし、これを容積2リットルの半密開容器に移
し、1000ppm一酸化窒素ガス(窒素ガスベース)
を500ミリリットル/minの流速で4分間スラリー
液に注入して容器内の酸素を除去した後、一酸化窒素ガ
スの注入を止め、30℃で振とう(65往復/分)しな
がら暗黒条件下に3日間保持してエタノールの生成を行
わせた。この間、0.5NNaOH及び0.5NHC1
を添加して、スラリー液のpHを6.5〜8.0の範囲
に保持した。
に説明する。 (実施例1)Chlamydomonas sp.ATRC-1株を表1に示す
組成の栄養をフィルターろ過して無菌化した海水1リッ
トルに混合したものを培地として用い、培養した。この
培地50リットルと、 Chlamydomonas sp.ATRC-1株の培
養種(乾燥固形分として20g)を偏平透明容器に入
れ、白色蛍光灯で約15,000Luxの連続照射を行
い、空気(0.5%CO2 添加)を通気しながら、25
℃で7日間培養し、50リツトル中に100g(乾燥固
形分として)の藻体を含む培養液を得た。なお、この培
養終了後の微細藻は乾燥重量当り40%の澱粉含量を示
した。次に、この培養液50リットルを遠心沈殿法によ
り濃縮し、500ミリリットルの液中に Chlamydomonas
sp.ATRC-1株の藻体100g(乾燥重量)を含む藻体ス
ラリー液とし、これを容積2リットルの半密開容器に移
し、1000ppm一酸化窒素ガス(窒素ガスベース)
を500ミリリットル/minの流速で4分間スラリー
液に注入して容器内の酸素を除去した後、一酸化窒素ガ
スの注入を止め、30℃で振とう(65往復/分)しな
がら暗黒条件下に3日間保持してエタノールの生成を行
わせた。この間、0.5NNaOH及び0.5NHC1
を添加して、スラリー液のpHを6.5〜8.0の範囲
に保持した。
【0016】所定時間毎にガスクロマトグラフイーによ
って生産されたエタノールの分析を行い、エタノール濃
度の経時変化を調べた結果、約3日後に最大18g/リ
ットルのエタノールが得られた。同様の実験を一酸化窒
素を用いない条件(窒素ガス置換)て実施し、一酸化窒
素置換の有無によるエタノール生成の比較結果を図2に
示した。これより一酸化窒素を用いると無置換(窒素ガ
ス置換)に比べ、エタノール生産量が約3割向上するこ
とが確認できた。また、置換するガス中の一酸化窒素ガ
スの濃度を変えて同様の実験を行い、置換するガス中の
一酸化窒素ガスの濃度の影響を調べた。その結果は図3
に示すとおりであり、置換ガス中の一酸化窒素ガス濃度
が300ppm未満では効果が少なく、2000ppm
を超えると逆にエタノール生産量は低下した。これよ
り、このような培養条件においては、置換ガス中の一酸
化窒素ガス濃度は300〜1500ppm、望ましくは
500〜1000ppmの範囲が適当であることがわか
る。
って生産されたエタノールの分析を行い、エタノール濃
度の経時変化を調べた結果、約3日後に最大18g/リ
ットルのエタノールが得られた。同様の実験を一酸化窒
素を用いない条件(窒素ガス置換)て実施し、一酸化窒
素置換の有無によるエタノール生成の比較結果を図2に
示した。これより一酸化窒素を用いると無置換(窒素ガ
ス置換)に比べ、エタノール生産量が約3割向上するこ
とが確認できた。また、置換するガス中の一酸化窒素ガ
スの濃度を変えて同様の実験を行い、置換するガス中の
一酸化窒素ガスの濃度の影響を調べた。その結果は図3
に示すとおりであり、置換ガス中の一酸化窒素ガス濃度
が300ppm未満では効果が少なく、2000ppm
を超えると逆にエタノール生産量は低下した。これよ
り、このような培養条件においては、置換ガス中の一酸
化窒素ガス濃度は300〜1500ppm、望ましくは
500〜1000ppmの範囲が適当であることがわか
る。
【0017】
【表1】
【0018】(実施例2)Chlamydomonas sp.ATRC-1株
を、表1に示す組成の栄養をフィルターろ過して無菌化
した海水1リットルに混合したものを明条件下での培地
として用い、培養した。この培養液5リットルと、 Chl
amydomonas sp.ATRC-1株の培養種(乾燥藻体として2
g)を偏平透明容器に入れ、白色蛍光灯で約15,00
0Luxの連続照射を行い、空気(0.5v/v%CO
2 添加)を通気しながら、25℃で6日間培養し、5リ
ットル中に13g(乾燥藻体として)の藻体を含む培養
液を得た。なお、この培養終了後の微細藻は乾燥重量当
り40%の澱粉含量を示した。次に、この培養液を5等
分した後、0〜12mMのNH4 + (NH4 Clの形で
使用)を溶解した海水にて、各々を3回遠心・洗浄を繰
り返し、最終的に25ミリリットルの液中に Chlamydom
onas sp.ATRC-1株の藻体2.6gを含む藻体スラリー液
とし、これらを100ミリリットルの各々の三角フラス
コに移した。次に、この容器内へ窒素ガスを短時間スラ
リー液に注入して、酸素を除去した後、密閉し、暗黒条
件下、30℃で緩速振とう(100stroke/mi
n)し、エタノールの生成を行わせた。その結果、2〜
3日後に微細藻スラリー中に最大10,000mg/リ
ツトルのエタノールが生産された。
を、表1に示す組成の栄養をフィルターろ過して無菌化
した海水1リットルに混合したものを明条件下での培地
として用い、培養した。この培養液5リットルと、 Chl
amydomonas sp.ATRC-1株の培養種(乾燥藻体として2
g)を偏平透明容器に入れ、白色蛍光灯で約15,00
0Luxの連続照射を行い、空気(0.5v/v%CO
2 添加)を通気しながら、25℃で6日間培養し、5リ
ットル中に13g(乾燥藻体として)の藻体を含む培養
液を得た。なお、この培養終了後の微細藻は乾燥重量当
り40%の澱粉含量を示した。次に、この培養液を5等
分した後、0〜12mMのNH4 + (NH4 Clの形で
使用)を溶解した海水にて、各々を3回遠心・洗浄を繰
り返し、最終的に25ミリリットルの液中に Chlamydom
onas sp.ATRC-1株の藻体2.6gを含む藻体スラリー液
とし、これらを100ミリリットルの各々の三角フラス
コに移した。次に、この容器内へ窒素ガスを短時間スラ
リー液に注入して、酸素を除去した後、密閉し、暗黒条
件下、30℃で緩速振とう(100stroke/mi
n)し、エタノールの生成を行わせた。その結果、2〜
3日後に微細藻スラリー中に最大10,000mg/リ
ツトルのエタノールが生産された。
【0019】図4に41時間後の生産されたエタノール
の濃度を示した。12mMのNH4Clを添加すると4
1時間後には、エタノール生産濃度が最大値に達したた
め、41時間後のエタノール生産濃度結果を比較した。
これによると41時間後のNH4 Cl添加した場合のエ
タノール生産は、無添加の場合に比べ3〜4割増加して
おり、徹細藻の生成エタノール濃度の最大に達する時間
を短縮することができることが判明した。また、NH4
Cl無添加でのエタノール生成最大濃度は62時間であ
り、エタノール生成に要する時間が3〜4割短縮される
ことから、最終的にエタノール製造期間を3日から2日
に短縮可能となった。
の濃度を示した。12mMのNH4Clを添加すると4
1時間後には、エタノール生産濃度が最大値に達したた
め、41時間後のエタノール生産濃度結果を比較した。
これによると41時間後のNH4 Cl添加した場合のエ
タノール生産は、無添加の場合に比べ3〜4割増加して
おり、徹細藻の生成エタノール濃度の最大に達する時間
を短縮することができることが判明した。また、NH4
Cl無添加でのエタノール生成最大濃度は62時間であ
り、エタノール生成に要する時間が3〜4割短縮される
ことから、最終的にエタノール製造期間を3日から2日
に短縮可能となった。
【0020】(実施例3)NH4 Clの代わりに尿素を
使用したほかは実施例2と同様にして培養試験を行っ
た。結果は図5に示すとおりであり、尿素を使用しない
場合でも添加量が3mM以上であれば41時間後には無
添加の場合に比較してエタノール濃度が向上し、NH4
Clを添加した場合と同様に約3割のエタノール製造期
間の短縮が可能となった。
使用したほかは実施例2と同様にして培養試験を行っ
た。結果は図5に示すとおりであり、尿素を使用しない
場合でも添加量が3mM以上であれば41時間後には無
添加の場合に比較してエタノール濃度が向上し、NH4
Clを添加した場合と同様に約3割のエタノール製造期
間の短縮が可能となった。
【0021】
【発明の効果】微細藻を培養後、培養液を濃縮して得ら
れる藻体スラリーのpHを中性付近に保ちながら暗黒か
つ嫌気性雰囲気に保持し、そこに窒素源として一酸化窒
素を流入・置換することで微細藻澱粉のエタノールへの
変換率の大幅な向上が可能となる。また、窒素源として
NH4 + 又は尿素を使用することで微細藻澱粉のエタノ
ールへの変換速度の大幅な向上が可能となり、エタノー
ル製造工程に要する時間を短縮するこができる。本発明
によれば、エタノールへの変換効率あるいは変換速度が
向上するので、エタノール生産微細藻の培養生産や暗条
件かつ嫌気雰囲気保持施設の小型化が可能となり、より
安価にエタノールを生産することができるとともに、本
エタノール生産プロセスの大規模利用での建設コスト削
減に寄与することができる。なお、本発明に適用可能な
一酸化窒素ガスとしては、発電所等からの排ガス中に含
まれる一酸化窒素が利用できることから、一酸化窒素の
有効利用法としての効果も奏するものである。
れる藻体スラリーのpHを中性付近に保ちながら暗黒か
つ嫌気性雰囲気に保持し、そこに窒素源として一酸化窒
素を流入・置換することで微細藻澱粉のエタノールへの
変換率の大幅な向上が可能となる。また、窒素源として
NH4 + 又は尿素を使用することで微細藻澱粉のエタノ
ールへの変換速度の大幅な向上が可能となり、エタノー
ル製造工程に要する時間を短縮するこができる。本発明
によれば、エタノールへの変換効率あるいは変換速度が
向上するので、エタノール生産微細藻の培養生産や暗条
件かつ嫌気雰囲気保持施設の小型化が可能となり、より
安価にエタノールを生産することができるとともに、本
エタノール生産プロセスの大規模利用での建設コスト削
減に寄与することができる。なお、本発明に適用可能な
一酸化窒素ガスとしては、発電所等からの排ガス中に含
まれる一酸化窒素が利用できることから、一酸化窒素の
有効利用法としての効果も奏するものである。
【図1】本発明の窒素源を用いた微細藻からのエタノー
ル製造プロセスの概要を示すフロー図。
ル製造プロセスの概要を示すフロー図。
【図2】実施例1における一酸化窒素添加の有無のエタ
ノール生成濃度に対する影響を示すグラフ。
ノール生成濃度に対する影響を示すグラフ。
【図3】実施例1における一酸化窒素濃度のエタノール
生成濃度に対する影響を示すグラフ。
生成濃度に対する影響を示すグラフ。
【図4】実施例2における添加したNH4 + の濃度と4
1時間後のエタノール濃度との関係を示すグラフ。
1時間後のエタノール濃度との関係を示すグラフ。
【図5】実施例3における添加した尿素の濃度と41時
間後のエタノール濃度との関係を示すグラフ。
間後のエタノール濃度との関係を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12N 1/12 C12R 1:89) Fターム(参考) 4B029 AA02 BB04 CC01 DA01 DF03 DF10 4B064 AC03 CA05 CC03 CC04 CC12 CD12 DA10 DA16 4B065 AA83X BB02 BB12 BC02 BC06 BC07 BC48 BD15 CA06
Claims (5)
- 【請求項1】 細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を利用す
るエタノールの製造方法であって、次のa)〜c)の工
程を含むことを特徴とする微細藻からのエタノール製造
方法。 a)細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を培養する工程。 b)培養した藻体を含む培養液を濃縮して藻体濃縮スラ
リーを得る工程。 c)前記藻体濃縮スラリーに窒素源を添加し、pH6〜
9の範囲に保ちながら暗条件かつ嫌気性雰囲気に保持し
てエタノールを生成させる工程。 - 【請求項2】 前記a)〜c)の工程に加えて、d)生
成したエタノールを分離する工程を有することを特徴と
する請求項1に記載の微細藻からのエタノール製造方
法。 - 【請求項3】 前記窒素源として一酸化窒素(NO)ガ
スを使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の
微細藻からのエタノール製造方法。 - 【請求項4】 前記窒素源としてNH4 + 又は尿素を使
用することを特徴とする請求項1又は2に記載の微細藻
からのエタノール製造方法。 - 【請求項5】 細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を利用す
るエタノールの製造装置であって、次のa)〜e)の手
段を有することを特徴とする微細藻からのエタノール製
造装置。 a)細胞内に澱粉を蓄積する微細藻を培養する培養手
段。 b)前記培養手段により培養した藻体を含む培養液を濃
縮する濃縮手段。 c)前記濃縮手段により得られた藻体濃縮スラリーをp
H6〜9の範囲に保ちながら暗条件かつ嫌気性雰囲気に
保持してエタノールを生成させる保持手段。 d)前記保持手段に窒素源を供給する窒素源供給手段。 e)前記保持手段において生成したエタノールを分離す
る分離手段。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11031210A JP2000228993A (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | 微細藻からのエタノール製造方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11031210A JP2000228993A (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | 微細藻からのエタノール製造方法及び装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000228993A true JP2000228993A (ja) | 2000-08-22 |
Family
ID=12325080
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11031210A Withdrawn JP2000228993A (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | 微細藻からのエタノール製造方法及び装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000228993A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010517736A (ja) * | 2007-01-16 | 2010-05-27 | ムージャン、ベルナルド ア.ホタ. ストロイアッツォ | 二酸化炭素のエネルギーへの変換の促進方法 |
| JP2015002743A (ja) * | 2007-09-12 | 2015-01-08 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | 生物油ならびにその生産および使用 |
-
1999
- 1999-02-09 JP JP11031210A patent/JP2000228993A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010517736A (ja) * | 2007-01-16 | 2010-05-27 | ムージャン、ベルナルド ア.ホタ. ストロイアッツォ | 二酸化炭素のエネルギーへの変換の促進方法 |
| JP2015002743A (ja) * | 2007-09-12 | 2015-01-08 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | 生物油ならびにその生産および使用 |
| US9453172B2 (en) | 2007-09-12 | 2016-09-27 | Dsm Ip Assets B.V. | Biological oils and production and uses thereof |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060509 |