JP2000229236A - 超臨界水酸化装置のスケール除去方法 - Google Patents

超臨界水酸化装置のスケール除去方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超臨界水酸化装置のスケール除去を経済的に
行うことができる、スケール除去方法を提供する。 【解決手段】 本方法では、先ず、超臨界水酸化装置1
0の運転を停止し、予熱器14、反応器12、熱交換器
16及び冷却器18から流体を出して空にする。次い
で、従来のスケール除去方法と同様にして、スケール除
去薬液を被処理液管20から導入し、予熱器、反応器、
熱交換器及び冷却器内を流して処理液管20から流出さ
せ、適当な容器に廃液として集液する。次いで、超臨界
水酸化装置10の運転を再開し、廃液を被処理液に混入
して超臨界水酸化処理中の超臨界水酸化装置10に送液
して廃液の超臨界水酸化処理を行う。本例では、超臨界
水酸化装置10により廃液を超臨界水酸化処理し、従来
のように、スケール除去薬液の廃液を、別途、処理する
必要がないので、従来に比べて、低い除去コストでスケ
ールを除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超臨界水酸化装置
のスケール除去方法に関し、更に詳細には、超臨界水酸
化装置のスケールをスケール除去薬液により除去した際
に生じる廃液を別途処理する必要がないようにした、超
臨界水酸化装置のスケール除去方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】工場廃液や公共下水の処理により生じる
各種活性汚泥は、従来、最終処理として焼却処理が施さ
れ、その焼却灰が最終処分物になっていた。しかし、焼
却処理では、排ガスの一部としてNOx 、SO xの有害
ガス或いは煤塵が発生するので、排ガスを大気に放出す
る際には、それらを除去することが必要であった。ま
た、場合によっては、ダイオキシンのような極めて毒性
の高いガスが発生するおそれがあった。そこで、汚泥の
焼却処理に代えて、汚泥に超臨界水酸化処理を施して、
酸化、分解する方法、更には工場廃液に、直接、超臨界
水酸化処理を施して酸化、分解する方法が、実用化され
つつある。
【0003】超臨界水酸化装置とは、超臨界水の高い反
応性を利用して有機物を分解する装置であって、例え
ば、難分解性の有害な有機物を分解して無害な二酸化炭
素と水に転化する装置である。超臨界水とは、超臨界状
態にある水、即ち、水の臨界点を越えた状態にある水を
言い、詳しくは、374.1℃以上の温度で、かつ2
2.04MPa以上の圧力下にある状態の水を言う。超
臨界水は、有機物を溶解する溶解能が高く、有機化合物
に多い非極性物質をも完全に溶解することができる一
方、逆に、金属、塩等の無機物に対する溶解能は著しく
低い。また、超臨界水は、酸素や窒素などの気体と任意
の割合で混合して単一相を構成することができる。
【0004】ここで、図3を参照して、下水汚泥を超臨
界水酸化処理する超臨界水酸化装置の構成を説明する。
図3は超臨界水酸化装置の代表的な構成を示すフローシ
ートである。超臨界水酸化装置10は、図3に示すよう
に、超臨界水酸化反応を行う反応器として、チューブラ
ー状の耐圧密閉型反応器12と、反応器12の上流に設
けられ、熱媒により反応流体を予熱する予熱器14と、
予熱器14で反応流体と熱交換して冷却された熱媒で反
応生成流体を冷却するために、反応器12の下流に設け
れた熱交換器16と、冷媒で反応流体を冷却する冷却器
18を備えている。
【0005】予熱器14、熱交換器16及び冷却器18
は、反応器12と同じ径のパイプを内管とし、外管とし
て内管にジャケットを設けたジャケット式熱交換器とし
て構成されている。熱媒は、熱交換器16で反応生成流
体により加熱され、次いで予熱器14に入り、反応流体
を予熱する。なお、必要に応じて熱媒を加熱するため
に、熱交換器16と予熱器14との間の熱媒経路に加熱
炉(図示せず)を設けても良い。
【0006】超臨界水酸化装置10に被処理液を供給す
る被処理液供給管20には、酸化剤、例えば空気を供給
する空気供給管22が接続されている。また、図示しな
いが、冷却器18の下流の処理液管24には、反応器1
2内の圧力を制御する圧力制御弁、及び反応器12から
流出した反応生成流体をガスと液体とに気液分離する気
液分離器を備えている。
【0007】反応器12は、反応流体に対する超臨界水
酸化反応の反応時間を確保するために、チューブラー状
の長尺の長い反応器であって、その全域に超臨界水を滞
留させて、超臨界水領域を構成し、220気圧以上の反
応圧力下で400℃〜600℃の範囲の反応温度で超臨
界水酸化反応を進行させる。予熱器14で反応温度にま
で予熱された反応流体(被処理液、空気等の混合流体)
は、予熱器14に近い反応器入口から反応器12に入
り、超臨界水酸化され、反応生成物として反応器出口か
ら流出する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超臨界水酸
化装置10に被処理液を供給する被処理液供給管20、
予熱器14、反応器12等の反応流体が流れる流路に
は、反応流体中のスケール成分、例えばFe、Ca等が
スケールとして付着することが多い。スケールが予熱器
14に付着、生成すると、予熱器14の伝熱効率が低下
し、十分な加熱昇温を行うことができなくなる。また、
反応器12の器壁に付着すると、閉塞等の事故を招くこ
とにもなる。そこで、通常、超臨界水酸化装置10の運
転を定期的に停止し、装置内の流体を抜き出した後、図
4に示すように、被処理液に代えて、超臨界水酸化装置
10にスケール除去薬液を通液して装置内のスケール除
去を行っている。超臨界水酸化装置から流れ出たスケー
ル除去薬液の廃液は、一旦、集液された後、廃液処理業
者に引き渡され、別途、処理されている。このために、
スケール除去処理の費用が嵩むという問題があった。
【0009】以上の例では、チューブラー状の長尺の長
い反応器を有する超臨界水酸化装置を例にして予熱器等
のスケール除去の問題点を説明したが、スケール除去の
問題点は、チューブラー状反応器を有する超臨界水酸化
装置に限らず、普遍的であって、例えば円筒形の反応器
を有し、被処理液が反応器の上部から流入して底部から
流出する形式の超臨界水酸化装置であっても、同じ問題
を有する。以上のことから、本発明の目的は、超臨界水
酸化装置のスケール除去を経済的に行うことができる、
スケール除去方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、超臨界水酸
化装置からスケールを経済的に除去する方法を開発する
過程で、反応流体中のスケール成分は、全量がスケール
として超臨界水酸化装置内に析出するのではなく、その
一部のみがスケールとして析出し、大部分は処理液と共
に外部に流出することを見い出した。
【0011】更に、スケール除去薬液を使用してスケー
ル除去した際に発生する廃液を超臨界水酸化処理するこ
とを着想し、種々、実験して以下のことを見い出した。
無機系の酸をスケール除去薬液として用い、その廃液を
超臨界水酸化装置に被処理液として供給すると、無機系
スケール除去薬液又は廃液の成分は、超臨界水酸化によ
り酸化、分解されることなく、そのまま元の形態で、超
臨界水酸化後の処理液に排出される。従って、廃液自体
を被処理液として、又は廃液と被処理液とを混合して超
臨界水酸化装置に供給しても、処理液は単にスケール除
去薬液又は廃液を希釈した液となるだけであって、従来
と同様に、処理液の最終的な処理が必要となる。
【0012】なお、無機系の酸のなかで、例外は、硝酸
及び亜硝酸である。硝酸及び亜硝酸は、超臨界水酸化反
応の際、酸化剤として利用される薬液であって、超臨界
水酸化により分解されて窒素ガスを生成する。従って、
硝酸及び亜硝酸は、他の無機酸のように、超臨界水酸化
後の処理液にそのままの形態で排出されることはないの
で、硝酸及び亜硝酸をスケール除去薬液として使い、そ
の廃液を超臨界水酸化処理することができる。硝酸及び
亜硝酸をスケール除去薬液として使い、その廃液を超臨
界水酸化処理する場合には、硝酸及び亜硝酸中の酸素
が、超臨界水酸化反応によって完全に消費されるよう
に、被処理液に廃液を混合して超臨界水酸化装置に供給
することが好ましい。
【0013】一方、有機酸をスケール除去薬液として使
用し、その廃液を超臨界水酸化装置に供給すると、有機
酸が超臨界水酸化により酸化、分解されるので、廃液
は、完全、確実に分解処理される。換言すれば、有機酸
系のスケール除去薬液を使用した場合には、廃液を被処
理液に混入して超臨界水酸化装置に供給し、超臨界水酸
化処理することにより、廃液を完全、確実に分解処理す
ることができる。しかも、廃液の量が多い場合には、廃
液自体を被処理液として、直接、超臨界水酸化装置に供
給し、超臨界水酸化処理することができる。スケール除
去用の好適な有機酸としては、鉄(Fe)やカルシウム
(Ca)に対してキレート作用を有する有機酸、例えば
ギ酸、シュウ酸、クエン酸などが挙げられる。また、ギ
酸、シュウ酸、クエン酸などの有機酸の2種以上の混合
液、あるいは上記有機酸と硝酸または亜硝酸の混合液等
を用いることもできる。
【0014】上記目的を達成するために、上述の知見に
基づいて、本発明に係る超臨界水酸化装置のスケール除
去方法は、被処理液の超臨界水酸化反応により被処理液
を酸化、分解する超臨界水酸化装置に付着したスケール
をスケール除去薬液により除去するに当たり、硝酸、亜
硝酸、及びスケール生成物に対してキレート作用を有す
る有機酸の少なくともいずれかからなるスケール除去薬
液を超臨界水酸化装置内に導入して洗浄し、次いで超臨
界水酸化装置から流出したスケール除去薬液の廃液を集
液する工程と、被処理液に廃液を混入して、超臨界水酸
化処理中の超臨界水酸化装置に供給し、廃液の超臨界水
酸化処理を行う工程、又は廃液自体を被処理液として超
臨界水酸化処理中の超臨界水酸化装置に直接送液して廃
液の超臨界水酸化処理を行う工程とを有することを特徴
としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照し、実施
形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に
説明する。実施形態例1 本実施形態例は、本発明に係る超臨界水酸化装置のスケ
ール除去方法の実施形態の一例であって、図1は本実施
形態例の超臨界水酸化装置のスケール除去方法の施工を
説明するフローシートである。本実施形態例は、図3に
示した超臨界水酸化装置10のスケール除去をスケール
除去薬液により行う方法である。本実施形態例では、ス
ケール除去薬液として、濃度が10質量%のクエン酸水
溶液を使用している。先ず、超臨界水酸化装置10の運
転を停止し、予熱器14、反応器12、熱交換器16及
び冷却器18から流体を出して空にする。次いで、従来
のスケール除去方法と同様にして、被処理液に代えて、
図4に示すように、スケール除去薬液を被処理液管20
から導入し、予熱器14、反応器12、熱交換器16及
び冷却器18内を流して処理液管20から流出させ、適
当な容器に廃液として集液する。
【0016】次いで、超臨界水酸化装置10の運転を再
開し、図1に示すように、廃液を被処理液に混入して超
臨界水酸化処理中の超臨界水酸化装置10に送液して廃
液の超臨界水酸化処理を行う。廃液中の有機物は、超臨
界水酸化され、無機物は処理液と共に流出する。
【0017】本実施形態例では、超臨界水酸化装置10
により廃液を超臨界水酸化処理し、従来のように、別
途、スケール除去薬液の廃液を処理する必要がないの
で、従来に比べて遙に低いコストで、スケールを除去す
ることができる。
【0018】実施形態例2 本実施形態例は、本発明に係る超臨界水酸化装置のスケ
ール除去方法の実施形態の別の例であって、図2は本実
施形態例の超臨界水酸化装置のスケール除去方法の施工
を説明するフローシートである。本実施形態例のスケー
ル除去方法は、廃液の量が多い場合に最適な例であっ
て、廃液の処理方法を除いて、実施形態例1のスケール
除去方法と同じである。本実施形態例では、図2に示す
ように、廃液自体を被処理液として超臨界水酸化処理中
の超臨界水酸化装置10に直接送液して廃液の超臨界水
酸化処理を行う。本実施形態例でも、実施形態例1と同
様に、超臨界水酸化装置10により廃液を超臨界水酸化
処理し、従来のように、別途、スケール除去薬液の廃液
を処理する必要がないので、従来のように、スケール除
去コストが嵩まない。
【0019】上述の実施形態例1及び2では、予熱器1
4、反応器12、熱交換器16、及び冷却器18の全て
にスケール除去薬液を通しているが、これはスケール除
去が必要な箇所のみにスケール除去薬液を通せば良いの
であって、例えば、スケールが付着し易い予熱器14の
みにスケール除去薬液を通し、直ちに廃液を集液するよ
うにしても良い。或いは、一部の機器をバイパスするこ
ともできる。
【0020】
【発明の効果】本発明の構成によれば、スケール除去薬
液として硝酸、亜硝酸、及びスケール生成物に対してキ
レート作用を有する有機酸の少なくともいずれかを使用
して超臨界水酸化装置を洗浄し、廃液を集液する。次い
で、廃液を被処理液に混入して超臨界水酸化処理中の超
臨界水酸化装置に送液して廃液の超臨界水酸化処理を行
うことにより、又は廃液自体を被処理液として超臨界水
酸化処理中の超臨界水酸化装置に直接送液して廃液の超
臨界水酸化処理を行うことにより、従来のように、別
途、スケール除去薬液の廃液を処理する必要がない。よ
って、従来のように比べて、低コストで超臨界水酸化装
置からスケールを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の超臨界水酸化装置のスケール除
去方法の施工を説明するフローシートである。
【図2】実施形態例2の超臨界水酸化装置のスケール除
去方法の施工を説明するフローシートである。
【図3】超臨界水酸化装置の代表的な構成を示すフロー
シートである。
【図4】超臨界水酸化装置のスケール除去方法を説明す
るフローシートである。
【符号の説明】
10 超臨界水酸化装置 12 反応器 14 予熱器 16 熱交換器 18 冷却器 20 被処理液供給管 22 空気供給管 24 処理液管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理液の超臨界水酸化反応により被処
    理液を酸化、分解する超臨界水酸化装置に付着したスケ
    ールをスケール除去薬液により除去するに当たり、 硝酸、亜硝酸、及びスケール生成物に対してキレート作
    用を有する有機酸の少なくともいずれかからなるスケー
    ル除去薬液を超臨界水酸化装置内に導入して洗浄し、次
    いで超臨界水酸化装置から流出したスケール除去薬液の
    廃液を集液する工程と、 被処理液に廃液を混入して、超臨界水酸化処理中の超臨
    界水酸化装置に供給し、廃液の超臨界水酸化処理を行う
    工程、又は廃液自体を被処理液として超臨界水酸化処理
    中の超臨界水酸化装置に直接送液して廃液の超臨界水酸
    化処理を行う工程とを有することを特徴とする超臨界水
    酸化装置のスケール除去方法。
  2. 【請求項2】 有機酸が、ギ酸、シュウ酸及びクエン酸
    のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の超
    臨界水酸化装置のスケール除去方法。
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