JP2000230537A - ねじり疲労特性に優れた高強度駆動軸とその製造方法 - Google Patents
ねじり疲労特性に優れた高強度駆動軸とその製造方法Info
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- JP2000230537A JP2000230537A JP11031458A JP3145899A JP2000230537A JP 2000230537 A JP2000230537 A JP 2000230537A JP 11031458 A JP11031458 A JP 11031458A JP 3145899 A JP3145899 A JP 3145899A JP 2000230537 A JP2000230537 A JP 2000230537A
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Abstract
肉(2.0mm以下) の鋼管から疲労寿命の長い駆動軸を製造
する。 【解決手段】 鋼管とバランスウェイトとの接合部のコ
ーナの位置がプロジェクション溶接による熱影響部の端
から0.5 mm以上離れた位置にくるようにする。
Description
を調整するバランスウェイトが取付けられた動力伝達用
駆動軸とその製造方法に関する。さらに詳述すれば、本
発明は、乗用車・トラックのようなエンジン推進車両の
エンジン推進力を各車輪に伝える駆動軸、例えばプロペ
ラシャフト、ドライブシャフトといった駆動軸とその製
造方法に関する。
からの動力伝達用に長尺の駆動軸が使用されている。こ
の駆動軸は高速回転するため、回転バランスが悪ければ
振動が発生し、騒音や故障の原因となる。このため駆動
軸では、回転時の不釣り合いを調整する必要がある。そ
の方法には種々あるが、駆動軸の一部にバランスウェイ
トをプロジェクション溶接で接合する方法が一般に多用
されている。
トの湾曲面の内側に1個あるいは数個のプロジェクショ
ン (突起) を設け、この突起を中空軸に押し付けながら
通電し、そのときの抵抗発熱を利用して溶接を行うもの
である。
の低燃費化が求められ、駆動軸については軽量化が求め
られている。そのため駆動軸の素材である鋼板にも高強
度・薄肉化が進められている。現在、目標とされている
のは50kgf/mm2 以上の引張強度、厚さ3.0mm 以下の薄板
から駆動軸を製造することである。また、従来の仕様の
ものであっても、駆動軸という最重要部品の信頼性の改
善のために、更なる疲労寿命の改善が求められている。
軸に、従来の電気抵抗を利用したプロジェクション溶接
でバランスウェイトを取り付けると、バランスウェイト
の接合部には、駆動中のねじり荷重の繰り返しによる疲
労亀裂が発生する可能性がある。この現象は、従来の仕
様の駆動軸においても見られたが、材料が高強度化さ
れ、また薄肉化されると特に顕著になってくる。
は従来にあってもいくつか提案されている。例えば、特
開平7−317844号公報では、バランスウェイトの接合部
におけるプロジェクションの径Dに対する接合部の径d
の比(d/D) が0.6 〜1.0 となるような溶接を行って接合
部の応力集中を緩和し、さらに材料を低炭素鋼化するこ
とにより溶接による熱影響部の硬化度を小さくすること
で疲労に対する切り欠き感受性を小さくし、疲労強度を
向上させる方法が提案されている。
スウェイトのプロジェクション (突起) の直径を1.5 〜
4.0 mmとすることにより接合部の幾何学形状を改善して
疲労寿命を向上させる方法が提案されている。
7−317844号公報の開示する方法は、バランスウェイト
の接合部に対する応力集中を緩和することでバランスウ
ェイトの溶接部の疲労寿命向上に効果はあるものの、更
なる疲労寿命の改善が求められ、特に引張強さが50kgf/
mm2 以上で、厚さ2.0mm 以下というような薄肉高強度鋼
管の場合には決定的な方法とは言えない。
方法では、応力集中が生じることには変わりなく、溶接
時の急熱急冷による金属組織の変化による影響が解決さ
れていないので、大きな疲労寿命の改善は望めない。
て信頼性をさらに高めた駆動軸、特に引張強さが50kgf/
mm2 以上の高強度材料の薄肉の鋼管で製作された駆動軸
であっても疲労寿命の長い駆動軸、およびこのような駆
動軸を製造する方法を提供することにある。
スウェイトを接合した引張強さが50kgf/mm2 以上の高強
度材料で製造した駆動軸をねじり疲労試験にかけた場合
に、バランスウェイト接合部が優先的に破損する。そこ
で、駆動軸のねじり疲労寿命の向上のためには、バラン
スウェイト接合部の疲労寿命のさらなる向上が必要とな
る。
に記載の方法において必ずしも疲労寿命が十分でない原
因を検討した結果、次のような知見を得た。すなわち、
上記公報では、バランスウェイトをプロジェクション溶
接で鋼管に接合する場合、接合部のコーナの位置がプロ
ジェクション溶接による熱影響部の端部にほぼ一致して
いる。そのため、応力集中が生じる部分と熱影響による
硬度急変部が一致しているので破損し易い状態となるの
である。
するには、バランスウェイトの接合部のコーナの位置と
プロジェクション溶接による熱影響部の端部との重なり
を防止すること、例えば接合部のコーナを熱影響部の端
部から内側に0.5 mm以上の位置にくるようにすればよい
ことが判明した。
じる部分と、硬度が急変することによる疲労に対する切
り欠き感受性の大きい部分とが相対的に離れた位置にく
ることになり、したがって、バランスウェイトの接合部
全体としての疲労寿命は向上することになる。
通りである。 (1) 駆動軸を構成する中空軸の一部にバランスウェイト
がプロジェクション溶接によって接合されている動力伝
達用駆動軸であって、前記中空軸は、引張強さが50kgf/
mm2 以上の鋼板から構成される鋼管であり、この鋼管と
バランスウェイトとの接合部のコーナの位置がプロジェ
クション溶接による熱影響部の端部から0.5 mm以上離れ
た位置にあることを特徴とするねじり疲労特性に優れた
高強度駆動軸。
量%である上記(1) 記載の高強度駆動軸。 (3) 前記接合部の最大ビッカース硬さと前記鋼管のビッ
カース硬さとの差 (δHv) が150 以下である上記(1) ま
たは(2) 記載の高強度駆動軸。 (4) 前記バランスウェイトが、引張強さが50kgf/mm2 以
上の鉄鋼材料から成る上記(1) ないし(3) のいずれかに
記載の高強度駆動軸。
ンスウェイトをプロジェクション溶接によって接合する
ことから成り、バランスウェイトの溶接する面に設けた
プロジェクションを、その1個当たりの圧力を100 〜50
0kgfとして前記中空軸に押圧し、プロジェクション1個
当たりの電流を7〜30kA として100 〜300ms の時間で
前記プロジェクション溶接を行うことを特徴とする、上
記(1) ないし(4) のいずれかに記載の高強度駆動軸の製
造方法。 (6) 前記プロジェクション溶接が、直流電流による電気
抵抗溶接である上記(5)に記載の高強度駆動軸の製造方
法。
ウェイトの駆動軸への接合の様子を説明する模式図であ
る。
面には予めプロジェクション11が設けられたバランスウ
ェイト12がプロジェクション溶接によって接合されてお
り、バランスウェイト12と駆動軸10との接合部14のコー
ナ16は、プロジェクション溶接によって駆動軸側に形成
された熱影響部20の端部22より0.5 mm以上内側にきてお
り、両者が重なることはない。
イトの駆動軸への接合はすでに公知であって、本発明に
あっても、上述の形態での接合が実現される限り、その
ような公知の手段、条件によって行えばよく、それによ
って本発明が制限されることはない。例えば、バランス
ウェイト12に設けられるプロジェクション11は1もしく
は複数であてもよく、その形状も、その断面が図示例の
ように半円球硬形であっても、あるいは円錐台形、円柱
形であってもよい。
受けて硬化する領域、つまり熱影響部は母材部分より高
硬度となり、硬度変化は中心部から周囲に向かって硬度
の低減がみられ、そのとき母材と等しい硬度となる境界
面を熱影響部の端部という。
の板厚部における硬度変化を示すグラフである。図中、
3種類の鋼管 (○印、□印、△印) について、熱影響の
受けていない母材側から溶接部に向けて順次硬度測定し
た結果を示し、硬度の急変がみられる領域を熱影響部の
端部と称する。
定を行う理由を説明する。まず、鋼管とバランスウェイ
トとの接合部のコーナの位置がプロジェクション溶接に
よる熱影響部の端部から0.5 mm以上離れた位置にあると
した理由は、熱影響部からの距離が0.5 mm未満では応力
集中部と硬度の変化の大きい部分が干渉し合うので疲労
寿命向上の効果がなくなるからである。好ましくはその
距離は、1.0mm 以上である。
えば、溶接入熱量を大きくした長時間の溶接を行うこと
で実現できる。ただし、必要以上に溶接入熱を上げると
鋼管には溶融・凝固に伴い体積収縮が生じることによる
引張残留応力が広範囲にわたり生じるため、疲労強度が
低下する原因となるため、注意が必要である。
重量%の低炭素高強度鋼管とすることによりさらに疲労
寿命の向上を図ることができるが、それは、低炭素鋼化
することにより、接合部のプロジェクション溶接による
熱影響部の硬化度δHv (鋼管の母材部と熱影響部との硬
度の差) が通常はHv200 を越えるところを200 以下とす
ることができるからである。この効果は硬化度(δHv)
をHv150 以下とすることでさらに顕著になる。
さが50kgf/mm2 以上、さらには、70kgf/mm2 以上の高強
度鉄鋼材料とすることにより、プロジェクション溶接に
よりバランスウェイト側に生じた引張残留応力値が増加
し、その分だけ鋼管側の残留応力値が低下するので、疲
労寿命は向上する。
ては、バランスウェイトの溶接面に設けたプロジェクシ
ョンを、その1個当たりの加圧力を100 〜500kgfとして
中空軸に押圧し、上記プロジェクション1個当たりの電
流を7〜30kAとして100 〜300ms の時間で溶接を行う。
好適加圧力は 150〜350kgf、好適電流は8〜15kAであ
る。
部のコーナの位置がプロジェクション溶接による熱影響
部の端部から0.5 mm以上の位置にあるように接合するこ
とができる。
さ、つまり直径は問題にならず、いずれの大きさのプロ
ジェクションであっても、上述のように溶接条件を変更
することで、接合部のコーナを溶接熱影響部の端部から
0.5mm 以上離れたものとすることができる。上記溶接電
源には、交流、直流のいずれを使用してもよいが、接合
部形状安定のため直流電流を用いるのが望ましい。
とバランスウェイトとの接合部において、接合部のコー
ナと熱影響部の端部との距離が0.5 mm以上であり、そし
て鋼管として高強度鋼管を用いることであり、その好適
態様によれば、低炭素鋼高強度鋼鋼管を用いることであ
り、さらに好ましくは熱影響部の最大ビッカース硬度と
母材である鋼管のビッカース硬度との差、すなわち硬化
度がHv150 以下であること、あるいはバランスウェイト
の材質を50kgf/mm2 以上の引張強さを有する鉄鋼材料と
することである。
駆動軸10の表面にはバランスウェイト12がプロジェクシ
ョン溶接によって両者の接合部を介して接合され、その
周囲には熱影響部が形成されている。
応力集中するコーナの位置と溶接時の熱影響による駆動
軸の硬度急変部、つまり熱影響部の端部の位置が一致す
るので、繰り返し荷重を受けた場合に薄肉の材料では疲
労亀裂が発生し易くなる。一方、本発明によれば接合部
のコーナの位置が熱影響部の内側にあり、硬度急変部の
位置から離れているため、応力集中が生じてもコーナか
らは割れにくい。さらに材料を低炭素鋼としたことによ
り母材部と熱影響部に見られる硬化部との硬度差が小さ
いので硬度急変部においても割れにくくなる。
来例の駆動軸と比較して、ほぼ100%増加することにな
り、駆動軸としての信頼性はさらに改善され、また駆動
軸を構成する鋼管の板厚をほぼ 1.6〜1.8 mmとしても従
来と同等の疲労寿命が得られるなど、実用上の利益は大
きい。
たのち熱間圧延して板厚1.6 mmの熱延鋼板を製造し、こ
れを使って外径60.5mmの電縫鋼管を作成した。得られた
電縫鋼管を長さ450 mmに切断し、両端にヨークを摩擦圧
接にて取り付けた。さらに、鋼板を加工して作成したバ
ランスウェイトをプロジェクション溶接にて取り付けて
試験片とした。
kN・m の繰り返しねじり荷重を負荷する疲労試験を行
い、ねじり疲労寿命を調査した。結果を表2にまとめて
示す。
のバランスウェイトの接合部のコーナと熱影響部の端部
との距離が0.5 mm以上あるものは、疲労寿命が長く、バ
ランスウェイト溶接部から破損することもなかった。ま
た、炭素量が0.12%以下の鋼管A、Bは、同じく炭素量
が0.12%を越える鋼管C、Dの場合よりも疲労寿命は長
くなる。鋼管の熱影響部の硬度化δHvもHv150 以下とな
る場合の方が長寿命となることが分かる。
た場合についても実施例1を繰り返し同様に疲労試験を
行った。結果は表3にまとめて示す。表3からも分かる
ように、バランスウェイトの引張強度を50kgf/mm2 以上
とすることによってさらに疲労寿命は向上する。
ェイトを溶接し、得られた試験片について実施例1と同
様に疲労試験を行った。結果は表4にまとめて示すが、
これからも分かるように、バランスウェイトを規定外の
溶接条件で取り付けると疲労寿命も短くなる。
ば、引張強度50kgf/mm2 以上の高強度材料からの高強度
駆動軸の疲労強度の改善効果が特に顕著であって、特に
近年の低燃費自動車用としての実用上の利益は大きく、
本発明の斯界における貢献は大である。
接合の様子を説明する模式図である。
る。
軸の疲労亀裂の発生の様子を説明する模式図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 駆動軸を構成する中空軸の一部にバラン
スウェイトがプロジェクション溶接によって接合されて
いる動力伝達用駆動軸であって、前記中空軸は、引張強
さが50kgf/mm2 以上の鋼板から構成される鋼管であり、
この鋼管とバランスウェイトとの接合部のコーナの位置
がプロジェクション溶接による熱影響部の端部から0.5
mm以上離れた位置にあることを特徴とするねじり疲労特
性に優れた高強度駆動軸。 - 【請求項2】 前記鋼板の炭素含有量が0.05〜0.12重量
%である請求項1記載の高強度駆動軸。 - 【請求項3】 前記接合部の最大ビッカース硬さと前記
鋼管のビッカース硬さとの差 (δHv) が150 以下である
請求項1または2記載の高強度駆動軸。 - 【請求項4】 前記バランスウェイトが、引張強さが50
kgf/mm2 以上の鉄鋼材料から成る請求項1ないし3のい
ずれかに記載の高強度駆動軸。 - 【請求項5】 駆動軸を構成する中空軸の一部にバラン
スウェイトをプロジェクション溶接によって接合するこ
とから成り、バランスウェイトの溶接する面に設けたプ
ロジェクションを、その1個当たりの圧力を100 〜500k
gfとして前記中空軸に押圧し、プロジェクション1個当
たりの電流を7〜30kA として100 〜300ms の時間で前
記プロジェクション溶接を行うことを特徴とする、請求
項1ないし4のいずれかに記載の高強度駆動軸の製造方
法。 - 【請求項6】 前記プロジェクション溶接が、直流電流
による電気抵抗溶接である請求項5に記載の高強度駆動
軸の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03145899A JP3697922B2 (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | ねじり疲労特性に優れた高強度駆動軸とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03145899A JP3697922B2 (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | ねじり疲労特性に優れた高強度駆動軸とその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000230537A true JP2000230537A (ja) | 2000-08-22 |
| JP3697922B2 JP3697922B2 (ja) | 2005-09-21 |
Family
ID=12331828
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03145899A Expired - Lifetime JP3697922B2 (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | ねじり疲労特性に優れた高強度駆動軸とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3697922B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103032446A (zh) * | 2012-12-04 | 2013-04-10 | 江苏航天动力机电有限公司 | 一种焊筋轴电机的防断裂结构 |
| WO2019098292A1 (ja) * | 2017-11-15 | 2019-05-23 | 日本発條株式会社 | 接合体および自動車用シートフレーム |
| CN113891773A (zh) * | 2019-05-28 | 2022-01-04 | 杰富意钢铁株式会社 | 电阻点焊部和电阻点焊方法、以及电阻点焊接头和电阻点焊接头的制造方法 |
-
1999
- 1999-02-09 JP JP03145899A patent/JP3697922B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US11498466B2 (en) | 2017-11-15 | 2022-11-15 | Nhk Spring Co., Ltd. | Joined body and automobile seat frame |
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| CN113891773B (zh) * | 2019-05-28 | 2022-11-08 | 杰富意钢铁株式会社 | 电阻点焊部和电阻点焊方法、以及电阻点焊接头和电阻点焊接头的制造方法 |
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| JP3697922B2 (ja) | 2005-09-21 |
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