JP2000232966A - 傾斜磁場コイル装置 - Google Patents

傾斜磁場コイル装置

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JP2000232966A
JP2000232966A JP11035942A JP3594299A JP2000232966A JP 2000232966 A JP2000232966 A JP 2000232966A JP 11035942 A JP11035942 A JP 11035942A JP 3594299 A JP3594299 A JP 3594299A JP 2000232966 A JP2000232966 A JP 2000232966A
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JP
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coil
magnetic field
gradient
gradient magnetic
vibration
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JP11035942A
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Hiromi Kawamoto
宏美 河本
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、外部への振動伝播の少ない傾
斜磁場コイル装置を提供することである。 【解決手段】Z軸と平行に形成された静磁場中に載置さ
れた被検体に対してX軸に沿って磁場強度が変化する傾
斜磁場を印加するXコイルセット23と、被検体に対し
てY軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を印加する
Yコイルセット25とを有し、両コイルセット23、2
5は、振動が最小となるZ軸上の位置が一致するように
コイルパターンが形成されており、この一致するZ軸上
の位置において支持具で支持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴診断装置
に用いられる傾斜磁場コイル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気共鳴イメージング(MR
I)装置や磁気共鳴スペクトル分析装置等の磁気共鳴診
断装置において、傾斜磁場は、励起範囲を限定したり、
磁気共鳴信号に空間的な位置情報を位相や周波数のエン
コードとして与える等の役割を担っており、重要な要素
の1つである。
【0003】傾斜磁場コイル装置は、静磁場と同じ方向
(Z軸方向)に沿って磁場強度が空間的位置に依存して
線形に変化する傾斜磁場を発生するためのZ軸傾斜磁場
コイルセット(以下、Zコイルセットと略す)と、Z方
向に垂直なX方向に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場
を発生するためのX軸傾斜磁場コイルセット(以下、X
コイルセットと略す)と、Z方向及びX方向に垂直なY
方向に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生するた
めのY軸傾斜磁場コイルセット(以下、Yコイルセット
と略す)とが筐体を構成する非磁性の硬質樹脂に含浸さ
れ、円筒形に成型されて構成されている。
【0004】このような傾斜磁場コイル装置に傾斜磁場
を発生させるために電流を印加すると、電流と磁場の作
用により発生するローレンツ力によって円筒が歪む。さ
らに、傾斜磁場の極性を切換えるために電流の極性を断
続的に変化させると、円筒の硬質樹脂は激しく振動し、
騒音が発生してしまう。これら振動や騒音は被検体に不
快感を与えるには止まらず、画質を劣化させてしまう重
要な問題である。この問題は、エコープラナーイメージ
ング(EPI)法等の高速撮影法のように、高速で傾斜
磁場をオン/オフする場合に特に顕著になる。
【0005】そこで、騒音を低減するために、傾斜磁場
コイルを真空容器に閉じ込めることが従来から考えられ
ている。しかし、この方法によれば、確かに傾斜磁場コ
イル自体から発生する騒音は十分低減され得るが、傾斜
磁場コイルの振動そのものは低減できない。さらに、傾
斜磁場コイルを容器内に支持する支持具を介して傾斜磁
場コイルからの振動が容器、さらにはその外側の構成要
素、例えば静磁場コイルに伝わり、静磁場コイルも振動
してしまい、さらなる画質の劣化を引き起こしてしま
う。また、静磁場コイルの振動により、騒音がやはり発
生してしまう。そのため、傾斜磁場コイルを単に容器内
に収納するだけでは、被検体が体感する振動や騒音を十
分低減できるには至っていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の傾斜
磁場コイル装置では、電流が流れる際に発生するローレ
ンツ力によってコイル筐体が歪む、さらには、電流のオ
ン/オフにより激しく振動し、その振動により騒音が発
生するとともに、この振動が外部の構成要素に伝播し、
外部構成要素が振動し、被検体に不快感を与えるととも
に、画質を劣化させる欠点がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、傾斜磁場コイル
の振動や騒音が外部へ伝播することを極力抑えることが
できる傾斜磁場コイル装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。
【0009】(1)本発明の傾斜磁場コイル装置は、コ
イルに流れる電流と静磁場に基づくローレンツ力による
振動が最小になる部位に支持部材が取付けられているも
のである。このため、この支持部材にコイルの振動が伝
わり、この支持部材を介して振動が外部に伝播すること
がない。
【0010】(2)本発明の傾斜磁場コイル装置は、X
コイル、Yコイル、Zコイルのいずれかのコイルに流れ
る電流と静磁場に基づくローレンツ力による振動が最小
になる部位に支持部材が取付けられているものである。
このため、この支持部材にコイルの振動が伝わり、この
支持部材を介して振動が外部に伝播することがない。
【0011】(3)本発明の傾斜磁場コイル装置は、X
コイル、Yコイルのコイルパターンが両コイルに流れる
電流と静磁場に基づくローレンツ力による振動が最小に
なるラインが一致するように形成されているものであ
る。
【0012】(4)本発明の傾斜磁場コイル装置は、上
記(3)に記載した傾斜磁場コイル装置であって、かつ
上記一致する振動最小ラインに支持部材が取付けられて
いるものである。このため、この支持部材にコイルの振
動が伝わり、この支持部材を介して振動が外部に伝播す
ることがない。
【0013】(5)本発明の傾斜磁場コイル装置は、上
記(4)に記載した傾斜磁場コイル装置であり、かつ上
記支持部材は振動吸収性を有する支持部材であるもので
ある。
【0014】(6)本発明の傾斜磁場コイル装置は、上
記(1)乃至(5)のいずれかに記載した傾斜磁場コイ
ル装置であって、かつ傾斜磁場を発生する主コイルと、
該主コイルの外側に設けられ、主コイルから発生した傾
斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐための磁場を発生す
るアクティブシールドコイルとからなる能動遮蔽形傾斜
磁場コイル装置であるものである。
【0015】(7)本発明の傾斜磁場コイル装置は、上
記(2)乃至(5)のいずれかに記載した傾斜磁場コイ
ル装置であって、かつXコイル、Yコイルは鞍型コイル
対であるものである。
【0016】(8)本発明の傾斜磁場コイル装置は、上
記(2)乃至(5)のいずれかに記載した傾斜磁場コイ
ル装置であって、かつXコイル、Yコイルは平板型コイ
ル対であるものである。
【0017】(9)本発明の傾斜磁場コイル装置は、上
記(2)乃至(5)のいずれかに記載した傾斜磁場コイ
ル装置であって、かつXコイル、Yコイルは渦巻き状の
分布巻型コイル対であるものである。
【0018】(10)本発明の傾斜磁場コイル装置は、
上記(2)乃至(5)のいずれかに記載した傾斜磁場コ
イル装置であって、かつXコイル、Yコイルは非対称型
コイル対であるものである。
【0019】(11)本発明のコイル装置は、静磁場磁
石と、静磁場磁石より被検体側に設けられる傾斜磁場コ
イルと、静磁場磁石と傾斜磁場コイルとを収納する容器
とを具備するものである。このため、騒音源が容器内に
閉じ込められ、傾斜磁場コイルの騒音が容器外部へ伝播
することが防止される。
【0020】(12)本発明のコイル装置は、上記(1
1)に記載したコイル装置であって、かつ上記容器は真
空容器であり、上記静磁場磁石と傾斜磁場コイルは振動
吸収性支持部材を介して上記真空収納に取付けられてい
るものである。このため、傾斜磁場コイルの振動が容器
に伝播することが防止される。
【0021】(13)本発明のコイル装置は、上記(1
1)、または(12)に記載したコイル装置であって、
かつ傾斜磁場コイルは傾斜磁場を発生する主コイルと、
該主コイルの外側に設けられ、主コイルから発生した傾
斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐための磁場を発生す
るアクティブシールドコイルとからなる能動遮蔽形傾斜
磁場コイルであるものである。
【0022】(14)本発明のコイル装置は、上記(1
1)、または(12)に記載したコイル装置であって、
かつ傾斜磁場コイルは鞍型コイル対を有するものであ
る。
【0023】(15)本発明のコイル装置は、上記(1
1)、または(12)に記載したコイル装置であって、
かつ傾斜磁場コイルは平板型コイル対を有するものであ
る。
【0024】(16)本発明のコイル装置は、上記(1
1)、または(12)に記載したコイル装置であって、
かつ傾斜磁場コイルは渦巻き状の分布巻型コイル対を有
するものである。
【0025】(17)本発明のコイル装置は、上記(1
1)、または(12)に記載したコイル装置であって、
かつ傾斜磁場コイルは非対称型コイル対を有するもので
ある。
【0026】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、図面を参
照して本発明による傾斜磁場コイル装置の第1の実施形
態を説明する。
【0027】図1は本発明の第1実施形態に係る傾斜磁
場コイル装置を有するMRI装置の構成を示す図であ
る。中心に被検体を収容できるように円筒状の撮影空間
が形成されたガントリ20の内部には、外側から順に静
磁場磁石1、傾斜磁場コイル2、及びRFコイル3が設
けられる。静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2、RFコイ
ル3は、図示しない支持部材によりガントリ20に取付
けられている。静磁場磁石1は、被検体の体軸方向であ
るZ軸に沿った静磁場Boを撮影空間に発生し、例え
ば、超電導コイルまたは常伝導コイルを用いて構成され
る。傾斜磁場コイル2は、X軸に沿って磁場強度が線形
に変化するX軸傾斜磁場、Y軸に沿って磁場強度が線形
に変化するY軸傾斜磁場、Z軸に沿って磁場強度が線形
に変化するZ軸傾斜磁場をそれぞれ独立して発生するこ
とが可能なように、Zコイルセット、Xコイルセット、
Yコイルセットから構成されている。RFコイル3は、
被検体内の診断対象となる核種の磁化スピンに作用する
高周波磁場(RFパルス)を発生し、かつ磁気共鳴によ
り発生したエコー信号を検出するために使用される。寝
台13上の被検体Pはガントリ20内のイメージング可
能領域(イメージング用磁場が形成される球状の領域で
あり、この領域内でのみ診断が可能となる)に挿入され
る。
【0028】静磁場磁石1は、静磁場制御装置4により
駆動される。送受信コイル3は、磁気共鳴の励起時には
送信器5により駆動され、かつエコー信号の検出時には
受信器6に結合される。傾斜磁場コイル2のXコイルセ
ット、Yコイルセット、ZコイルセットはそれぞれX軸
傾斜磁場電源7、Y軸傾斜磁場電源8、Z軸傾斜磁場電
源9により駆動される。
【0029】X軸傾斜磁場電源7、Y軸傾斜磁場電源
8、Z軸傾斜磁場電源9、送信器5はシーケンサ10に
より所定のシーケンスに従って駆動され、X軸傾斜磁場
Gx、Y軸傾斜磁場Gy、Z軸傾斜磁場Gz、RFパル
スを、後述する所定のパルスシーケンスに従って発生す
る。この場合、X軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,
Z軸傾斜磁場Gzは、主として、例えば、周波数エンコ
ード用傾斜磁場、または読出し用傾斜磁場Gr、位相エ
ンコード用傾斜磁場Ge、スライス用傾斜磁場Gsとし
てそれぞれ使用される。コンピュータシステム11はシ
ーケンサ10を駆動制御するとともに、受信器6で受信
されるエコー信号としてのエコー信号を取り込んで所定
の信号処理を施すことにより、被検体の断層像を生成
し、表示部12で表示する。
【0030】図2(a)を参照して傾斜磁場コイル装置
を説明する。本実施形態に係る傾斜磁場コイル装置は、
Z軸傾斜磁場を発生するための2つのZコイル21a、
21bからなるZコイルセット21と、X軸傾斜磁場を
発生するための4つのXコイル23a、23b、23
c、23dからなるXコイルセット23(図2(b)参
照)と、Y軸傾斜磁場を発生するための4つのYコイル
25a、25b、25c、25dからなるYコイルセッ
ト25(図2(c)参照)とが組み合わされてなる。各
コイルセット21、23、25は、非磁性の硬質樹脂製
の円筒状筐体27に含浸され、各々のコイルパターンを
保っている。なお、円筒状筐体27の円周方向(φ方
向)はX軸を0°とし、Y軸(被検体の上部)が90°
となる角度で表現するものとする。なお、当然ながら、
各コイルセット21、23、25は径が異なる。
【0031】Zコイルセット21は、X−Y平面に関し
て対称に配置された2つのループコイル21a、21b
からなる。2つのループコイル21a、21bには、図
示矢印のように互いに逆向きの電流を流す。
【0032】図2(b)に示すように、Xコイルセット
23は、2つのペアのコイルを有する。第1のペアのコ
イル23a、23bはY−Z平面に関して対称に配置さ
れ、第2のペアのコイル23c、23dもY−Z平面に
関して対称に配置される。第1、第2のペアのコイルは
Zコイルセットと同様にX−Y平面に関して対称に配置
される。コイル23a〜23dには、隣接する2つの導
体では同じ向きになるように電流が流れる。
【0033】図2(c)に示すように、Yコイルセット
25も、2つのペアのコイルを有する。第1のペアのコ
イル25a、25bはX−Z平面に関して対称に配置さ
れ、第2のペアのコイル25c、25dもX−Z平面に
関して対称に配置される。第1、第2のペアのコイルは
Zコイルセットと同様にX−Y平面に関して対称に配置
される。コイル25a〜25dにも、隣接する2つの導
体では同じ向きになるように電流が流れる。すなわち、
Yコイルセット25はXコイルセット23をφ方向に9
0°回転したものである。
【0034】なお、X、Y各軸に対応するコイルセット
23、25のコイル形状としてはサドル型コイル(鞍型
コイル)を示したが、これに限らず、平板型コイル、渦
巻き状の分布巻型コイル等、任意のものが採用可能であ
る。さらに、コイルセット23、25はそれぞれ、1ペ
アの非対称型コイルから構成されてもよい。非対称型コ
イルとは、2本の有効線が1本の返り線を共有する非対
称型の電流分布を有するコイルである。
【0035】本実施形態の作用を説明する。本実施形態
は、ガントリ内に傾斜磁場コイルを支持する際に、傾斜
磁場コイルの振動が最小になる部分に支持部材を取り付
けることにより、支持部材を介して外部への振動の伝播
を最小限とするものである。なお、図2(a)に示すよ
うに、傾斜磁場コイルは3つのコイルセットからなり、
それぞれの振動が最小となる部分は必ずしも一致してい
ないので、これらを一致させることも本実施形態のねら
いである。
【0036】先ず、Xコイルセット23についての振動
の最小点を説明する。図3(a)はXコイルセット23
だけを取り出して示す。一点鎖線で示すX−Z平面(φ
=0°)上でのXコイルセット23に加わるローレンツ
力を図3(b)に示す。図3(b)はY軸方向(φ=9
0°)から傾斜磁場コイルを見た図である。ローレンツ
力Fは静磁場Boに垂直な方向の電流Iに働き、F=I
×Bo(×はベクトル積)である。したがって、Xコイ
ルセット23はその機械的振動の最小点はφ方向の電流
がゼロとなる付近のラインZ1(x)、Z2(x)上に
分布する。図4はφ=90°での電流分布を示し、横軸
はZ位置、縦軸はφ方向の電流密度(A/m)である。
【0037】ローレンツ力は、周知の通り、静磁場Bo
の向き(Z軸)に対して垂直な電流成分により生じる。
電流Iは図3(a)に矢印で示すように流れるので、図
3(b)に示すようなローレンツ力Fが働く。このロー
レンツ力Fにより、円筒状筐体27は撓むように歪む。
傾斜磁場の極性を反転するために電流の向きが逆転する
と、ローレンツ力も逆向きに働き、円筒状筐体27は逆
方向に撓む。図3(b)の破線は、円筒状筐体27に加
わる力の空間的な変化を表している。円筒状筐体27に
加わる力が0となるZ方向の位置Z1(x)、Z2
(x)では、Xコイルセット23に生じる振動が最小に
なる。このZ方向の位置Z1(x)、Z2(x)では電
流密度が0となる。
【0038】実際には、円筒形筐体のZ軸方向の長さが
この機械的振動の最小点の形成に関与するため、この機
械的振動の最小点のラインは単純にφ方向の電流がゼロ
となる線上とはならない。しかし、傾斜磁場コイルに電
流が印加されている期間は強制的に上記ローレンツ力を
受けて振動するため、機械的振動の最小点のラインはφ
方向の電流がゼロとなる線上に分布すると考えてよい。
これは、実際の振動測定でも確認されている。また、円
筒の固有振動モードが円筒の形状によって異なるため、
傾斜磁場電流パルスの周期やその形状によっても振動の
モードが異なる場合もあることが、実際の振動測定で観
測されているが、強制振動においては、やはりφ方向の
電流がゼロとなる付近で振動の最小ラインを形成する。
【0039】図5は、Xコイルセット23のコイルパタ
ーンを円周方向(φ方向)に展開して示す。このよう
に、傾斜磁場コイルをXコイルセット23の振動最小ラ
インZ1(x)、Z2(x)上で支持すれば、支持部材
を介して外部へ伝播する振動が最小となる。
【0040】次に、Yコイルセット25についての振動
の最小ラインを説明する。図6(a)はYコイルセット
25だけを取り出して示す。一点鎖線で示すY−Z平面
(φ=90°)上でのYコイルセット25に加わるロー
レンツ力を図6(b)に示す。図6(b)はX軸方向
(φ=0°)から傾斜磁場コイルを見た図である。Yコ
イルセット25はその機械的振動の最小点はφ方向の電
流がゼロとなる付近のラインZ1(y)、Z2(y)上
に分布する。図7はφ=0°での電流分布を示し、横軸
はZ位置、縦軸はφ方向の電流密度(A/m)である。
【0041】電流Iは、図6(a)に矢印で示すように
流れるので、図6(b)に示すようなローレンツ力Fが
働く。このローレンツ力Fにより、円筒状筐体27は撓
むように歪む。傾斜磁場の極性を反転するために電流の
向きが逆転すると、ローレンツ力も逆向きに働き、円筒
状筐体27は逆方向に撓む。図6(b)の破線は、円筒
状筐体27に加わる力の空間的な変化を表している。円
筒状筐体27に加わる力が0となるZ方向の位置Z1
(y)、Z2(y)では、Yコイルセット25に生じる
振動が最小になる。このZ方向の位置Z1(y)、Z2
(y)では電流密度が0となる。
【0042】図8は、Yコイルセット25のコイルパタ
ーンを円周方向(φ方向)に展開して示す。このよう
に、傾斜磁場コイルをYコイルセット25の振動最小ラ
インZ1(y)、Z2(y)上で支持すれば、支持部材
を介して外部へ伝播する振動が最小となる。
【0043】しかし、Xコイルセット23とYコイルセ
ット25の振動最小ラインは一致するとは限らない。本
実施形態では、Xコイルセット23、またはYコイルセ
ット25のコイルパターンを形成する際に、Yコイルセ
ット25の振動の最小ラインZ1(y)、Z2(y)が
Xコイルセット23の振動の最小ラインZ1(x)、Z
2(x)と一致するようにコイルパターンを形成する。
具体的には、Xコイルセット23とYコイルセット25
とのコイルパターンが同じで、φ方向の電流がゼロとな
るZ位置が同じ、または1つのセグメントに関して合成
トルクの重心が同じZ位置になるような電流密度分布を
有するコイルパターンを形成すればよい。一般の傾斜磁
場コイルに関しては、Xコイルセット23とYコイルセ
ット25について、同じパターンを使用しても傾斜磁場
性能(直線性、傾斜磁場強度等)にあまり影響を与える
ことはない。
【0044】このようにXコイルセット23とYコイル
セット25の振動最小ラインを一致させた傾斜磁場コイ
ル装置を、図9に示すように、振動最小ラインZ1
(x)(=Z1(y))、Z2(x)(=Z2(y))
において、支持具28、29を用いて真空容器や静磁場
磁石の内壁やガントリハウジング等の外部に対して支持
する。これにより、傾斜磁場コイル装置により発生する
振動の外部への伝播が最小化され、被検体が体感する不
快な振動や、騒音を低減することができる。
【0045】次に、Zコイルセット21についての振動
の最小ラインを説明する。図10(a)に、Zコイルセ
ット21だけを取り出して示している。図10(b)
に、Zコイルセット21に流れる電流のうちローレンツ
力を生じさせるZ軸に垂直な電流成分に関する空間的な
密度分布(電流密度分布)を示す。図10(c)にZコ
イルセット21に発生するローレンツ力を示す。
【0046】電流は、図10(a)に矢印で示すよう
に、Zコイルセット21の両コイル21a、21bに互
いに逆方向に順方向に流れる。そのため、図10(c)
に示すように、コイル21aとコイル21bには、円筒
状筐体27の径方向に互いに逆向き(Z軸に集中する向
き、及びその逆向き)にローレンツ力が働く。Zコイル
セット21の電流密度分布は、図10(b)に示すよう
に、円筒状筐体27の中心Z2(z)と、円筒状筐体2
7の両端Z1(z)、Z2(z)で0となるので、ここ
で振動が最小になる。しかし、Zコイルセット21はZ
方向の3つの位置で振動が最小になるので、Z方向の2
つの位置で振動が最小になるXコイルセット23とYコ
イルセット25の振動の最小位置(図9に示すように一
致している)とZコイルセット21の振動の最小位置と
を一致させることは困難である。
【0047】しかし、円筒状筐体27は径方向の力に対
しては比較的剛性が強く、耐振動性が高い。例えば、円
筒状筐体27をガラス繊維やカーボン繊維等で補強すれ
ば、この耐振動性をさらに高めることができる。そのた
め、Xコイルセット23とYコイルセット25の振動の
最小点で傾斜磁場コイル装置を支持しても、Zコイルセ
ット21の振動が外部に伝播して、被検体に不快感を与
えたり、画質の劣化を招くことが少ない。また、Zコイ
ルセット21は傾斜磁場に対する1巻線当たりの電流感
度がXコイルセット23やYコイルセット25に比べて
非常に高く、Xコイルセット23やYコイルセット25
より必要なアンペア数が少なくて済む。そのため、Zコ
イルセット21は、Xコイルセット23やYコイルセッ
ト25に比べて、振動発生に寄与する割合が著しく低
い。
【0048】以上説明したように、第1実施形態によれ
ば、傾斜磁場コイルを構成する各コイルセットの振動が
最小になる部位で傾斜磁場コイルを支持することによ
り、コイルの振動が支持部材を介して外部に伝播するこ
とを防ぐことができ、騒音により被検体が不快感を感じ
ることや、振動により画質が劣化することが防止でき
る。さらに、XコイルセットとYコイルセットの振動が
最小になる部位が一致するように両コイルセットのコイ
ルパターンを形成することにより、コイルの振動が支持
部材を介して外部に伝播することをさらに防ぐことがで
きる。
【0049】なお、傾斜磁場コイルの支持部材に振動吸
収用のダンパーを設ければ、振動の伝播をより一層防止
できる。
【0050】(第2実施形態)第1実施形態は傾斜磁場
コイルの振動がコイルの支持部材を介して外部へ伝播す
るのを極力防止するものであるが、振動による騒音に関
しては言及していない。通常考えられる防音対策として
は、磁石の端面にラバー、スポンジ等の吸音材を貼るこ
とがあるが、これでは音のレベルは数dBしか低下しな
い。
【0051】そこで、第2実施形態は、斜磁場コイルを
覆う真空容器で静磁場コイルまで覆ってしまい、たとえ
傾斜磁場コイルの振動が静磁場磁石に伝播し静磁場磁石
自体が振動したとしても、この振動による騒音を低減す
ることができるものである。
【0052】図11に第2実施形態の断面図を示す。中
空円筒状の容器30内に静磁場磁石32が収納され、ス
プリング、スポンジ、ジャバラ、ダンパー等の振動吸収
性の高い支持部材34を介して容器30の側壁、外壁に
取り付けられている。静磁場磁石32の内側に傾斜磁場
コイル36が取り付け部材38を介して接続されてい
る。傾斜磁場コイル36自身もスプリング、スポンジ、
ジャバラ、ダンパー等の振動吸収性の高い支持部材40
を介して容器30の内壁に取付けられている。支持部材
40の取り付け位置は第1実施形態で説明したように、
Xコイルセット、Yコイルセットの振動が最小になる位
置Z1(x)(=Z1(y))、Z2(x)(=Z2
(y))である。このように、静磁場磁石32、傾斜磁
場コイル36は振動吸収性支持部材34、40により容
器30に取付けられているので、傾斜磁場コイル32の
振動が容器30に伝播しにくく、騒音が生じるおそれが
少ない。さらに、振動最小点に支持部材40を取付ける
ことにより、傾斜磁場コイルの振動が支持部材に伝播す
ることも防止される。
【0053】容器30にはロータリポンプ42も接続さ
れ、容器30内部の空気を排気し、容器30の内部をほ
ぼ真空(1ヘクトパスカル以下)に保つ。このため、コ
イルの振動により発生する騒音が容器30外部に伝播す
ることがほぼ完全に防止される。なお、ロータリポンプ
42は常時動作させる必要はなく、容器30内の気圧を
監視し、所定の気圧以上になった時のみ作動させるよう
にしてもよい。また、余計な振動を与えないために、磁
気共鳴信号を収集するパルスシーケンスを実行中は作動
させずに、パルスシーケンスとパルスシーケンスの間に
作動するようにすることが好ましい。
【0054】第2実施形態によれば、傾斜磁場コイルを
静磁場磁石に設置できるので、真空容器30を軽量化で
きる。また、真空容器内に容易に仕切りを設けることが
できるため、真空がリークした場合、容易に原因を解明
でき、対処することができる。このように、第2実施形
態によれば、騒音の発生源を全て真空容器内に閉じ込め
るので、騒音をかなり低減することができる。さらに、
コイルの振動が容器に伝わらないようになっているの
で、振動もかなり低減できる。
【0055】(変形例)本発明は上述した実施形態に限
定されず、種々変形して実施可能である。例えば、上述
の説明では、傾斜磁場コイルとしては通常の非シールド
型コイルを説明したが、本願発明者により既に提案され
ている(特許62−143012号、USP4,73
7,716号明細書、USP4,733,189号明細
書参照)能動遮蔽型傾斜磁場コイル(Actively Shield
Gradient Coil:ASGC)でもよい。能動遮蔽型傾斜
磁場コイルは傾斜磁場を発生する主コイルと、主コイル
の外側に設けられ、主コイルにより発生された傾斜磁場
が傾斜磁場コイルの外側へ漏洩することを防ぐための逆
向きの磁場を発生するアクティブシールドコイルとから
なる。この場合、XコイルセットとYコイルセットに同
じパターン(主コイルとアクティブシールドコイルとも
に)を使用すると、シールド性能が劣化するので好まし
くないが、主コイル、シールドコイルに供給される電流
波形を適当に整形(補正)することにより、洩れ磁場に
よる渦電流磁場を補正し、十分なシールド効果を実現す
ることができる。
【0056】例えば、通常用いられる分布巻きコイルに
関しては、電流密度関数を最小二乗法等の最適化ルーチ
ン等を使用して所望のコイル性能を維持しつつ、自由に
電流密度分布を変化させることができることが知られて
いる(特許62−143012号、USP4,737,
716号明細書参照)。そのため、Xコイルセットの合
成トルク重心とYコイルセットの合成トルク重心とを一
致するように制約条件を設定することにより、目的のコ
イルパターンを設計できる。なお、このことはシールド
型傾斜磁場コイルでも通常のコイルでも同様である。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、下
記のような作用効果を奏する傾斜磁場コイル装置を提供
することができる。
【0058】(a)コイルに流れる電流と静磁場に基づ
くローレンツ力による振動が最小になる部位で支持され
るので、コイルの振動が外部へ伝播することがない。
【0059】(b)Xコイル、Yコイル、Zコイルのい
ずれかのコイルに流れる電流と静磁場に基づくローレン
ツ力による振動が最小になる部位で支持されるので、コ
イルの振動が外部へ伝播することがない。
【0060】(c)Xコイル、Yコイルのコイルパター
ンが両コイルに流れる電流と静磁場に基づくローレンツ
力による振動が最小になるラインが一致するように形成
されているものである。このため、コイルの振動が外部
に伝播することがない。
【0061】(d)静磁場磁石と傾斜磁場コイルとが真
空容器内に収納されているので、騒音源が容器内に閉じ
込められ、傾斜磁場コイルの騒音が容器外部へ伝播する
ことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による傾斜磁場コイル装置の第1実施形
態を含む磁気共鳴イメージング装置の概略構成を示すブ
ロック図。
【図2】本発明の第1実施形態による傾斜磁場コイル装
置の概略的な構成を示す斜視図。
【図3】図2のXコイルセットから発生するローレンツ
力を示す図。
【図4】図2のXコイルセットの電流密度分布を示す
図。
【図5】図2のXコイルセットのコイルパターンを円周
方向に展開した状態で示す図。
【図6】図2のYコイルセットから発生するローレンツ
力を示す図。
【図7】図2のYコイルセットの電流密度分布を示す
図。
【図8】図2のYコイルセットのコイルパターンを円周
方向に展開した状態で示す図。
【図9】傾斜磁場コイル装置を支持する指示部材の位置
を示す図。
【図10】図2のZコイルセットから発生するローレン
ツ力を示す図。
【図11】本発明の第2実施形態による傾斜磁場コイル
装置の断面図。
【符号の説明】
7、8、9…傾斜磁場電源 10…シーケンサ 21…Zコイルセット 23…Xコイルセット 25…Yコイルセット 30…容器 34、40…支持部材 42…ロータリポンプ

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気共鳴診断のための傾斜磁場を発生す
    る傾斜磁場コイル装置において、コイルに流れる電流と
    静磁場に基づくローレンツ力による振動が最小になる部
    位に支持部材が取付けられていることを特徴とする傾斜
    磁場コイル装置。
  2. 【請求項2】 磁気共鳴診断のために被検体の体軸に沿
    ったZ軸、Z軸に垂直なX軸、Y軸の3軸方向の傾斜磁
    場を発生するZコイル、Xコイル、Yコイルが組み合わ
    されてなる傾斜磁場コイル装置において、Xコイル、Y
    コイル、Zコイルのいずれかのコイルに流れる電流と静
    磁場に基づくローレンツ力による振動が最小になる部位
    に支持部材が取付けられていることを特徴とする傾斜磁
    場コイル装置。
  3. 【請求項3】 磁気共鳴診断のために被検体の体軸に沿
    ったZ軸、Z軸に垂直なX軸、Y軸の3方向の傾斜磁場
    を発生するZコイル、Yコイル、Xコイルが組み合わさ
    れてなる傾斜磁場コイル装置において、Xコイル、Yコ
    イルのコイルパターンが両コイルに流れる電流と静磁場
    に基づくローレンツ力による振動が最小になるラインが
    一致するように形成されていることを特徴とする傾斜磁
    場コイル装置。
  4. 【請求項4】 前記一致する振動最小ラインに支持部材
    が取付けられていることを特徴とする請求項3記載の傾
    斜磁場コイル装置。
  5. 【請求項5】 前記支持部材は振動吸収性を有する支持
    部材であることを特徴とする請求項4記載の傾斜磁場コ
    イル装置。
  6. 【請求項6】 前記傾斜磁場コイル装置は傾斜磁場を発
    生する主コイルと、該主コイルの外側に設けられ、主コ
    イルから発生した傾斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐ
    ための磁場を発生するアクティブシールドコイルとから
    なる能動遮蔽形傾斜磁場コイル装置であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の傾斜
    磁場コイル装置。
  7. 【請求項7】 前記Xコイル、Yコイルは鞍型コイル対
    であることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれ
    か一項に記載の傾斜磁場コイル装置。
  8. 【請求項8】 前記Xコイル、Yコイルは平板型コイル
    対であることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいず
    れか一項に記載の傾斜磁場コイル装置。
  9. 【請求項9】 前記Xコイル、Yコイルは渦巻き状の分
    布巻型コイル対であることを特徴とする請求項2乃至請
    求項5のいずれか一項に記載の傾斜磁場コイル装置。
  10. 【請求項10】 前記Xコイル、Yコイルは非対称型コ
    イル対であることを特徴とする請求項2乃至請求項5の
    いずれか一項に記載の傾斜磁場コイル装置。
  11. 【請求項11】 磁気共鳴診断装置のコイル装置におい
    て、 静磁場磁石と、 前記静磁場磁石より被検体側に設けられる傾斜磁場コイ
    ルと、 前記静磁場磁石と傾斜磁場コイルとを収納する容器とを
    具備することを特徴とするコイル装置。
  12. 【請求項12】 前記容器は真空容器であり、前記静磁
    場磁石と傾斜磁場コイルは振動吸収性支持部材を介して
    前記真空収納に取付けられていることを特徴とする請求
    項11記載のコイル装置。
  13. 【請求項13】 前記傾斜磁場コイルは傾斜磁場を発生
    する主コイルと、該主コイルの外側に設けられ、主コイ
    ルから発生した傾斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐた
    めの磁場を発生するアクティブシールドコイルとからな
    る能動遮蔽形傾斜磁場コイルであることを特徴とする請
    求項11あるいは請求項12に記載のコイル装置。
  14. 【請求項14】 前記傾斜磁場コイルは鞍型コイル対を
    有することを特徴とする請求項11あるいは請求項12
    に記載のコイル装置。
  15. 【請求項15】 前記傾斜磁場コイルは平板型コイル対
    を有することを特徴とする請求項11あるいは請求項1
    2に記載のコイル装置。
  16. 【請求項16】 前記傾斜磁場コイルは渦巻き状の分布
    巻型コイル対を有することを特徴とする請求項11ある
    いは請求項12に記載のコイル装置。
  17. 【請求項17】 前記傾斜磁場コイルは非対称型コイル
    対を有することを特徴とする請求項11あるいは請求項
    12に記載のコイル装置。
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