JP2000234281A - 布地の染色方法及びその染色布地 - Google Patents

布地の染色方法及びその染色布地

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JP2000234281A
JP2000234281A JP11035608A JP3560899A JP2000234281A JP 2000234281 A JP2000234281 A JP 2000234281A JP 11035608 A JP11035608 A JP 11035608A JP 3560899 A JP3560899 A JP 3560899A JP 2000234281 A JP2000234281 A JP 2000234281A
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Masanori Sonobe
正典 薗部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々な布地を、鮮明さや堅牢性、耐候性の高
い多様な色模様に、自在に染色できる墨流し染めを、単
純な装備を用いて簡便な操作で行なえ、しかも模様の転
写を瞬時に確実に行なえる染色方法を確立し、その染色
方法によって加工された染色布地を提供すること。 【解決手段】 界面不活性成分及び増粘性成分を含有す
る糊剤と、界面活性成分を含有する助剤と、を混入させ
た薬剤希薄水溶液へ、多色の染色剤を順次投入し、水面
を撹拌して所望の墨流し模様を造形後、その水面に布地
を浸漬して模様を転写する。薬剤希薄水溶液へ染色剤を
投入する際、最初に白色または淡色の染色剤を、水面に
略均一に分散させてから、多色の染色剤を順次投入して
もよい。糊剤に、天然ゴム抽出液と海藻類抽出液とを等
しい割合で含有させてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、水面に染色剤を浮
かべ布地に転写する墨流し染め法を利用して、布地を多
様な色模様に染色する方法、並びに、その方法により染
色された染色布地に関する。
【0002】
【従来の技術】墨流し模様は、偶発的に生じた対流に依
存して造形されるので、無二であると共に、見る者に自
然な印象を与える。この二つの点は、人工的にデザイン
された模様にはない特徴であるので、芸術性と商品価値
が認められている。墨流し模様を布地に転写すること
は、江戸時代から行なわれている。ただし、その模様
は、墨汁や草木の抽出液で染色される単色の模様であっ
た。多色の墨流し模様を布地に表現できれば、一層高い
芸術性と商品価値が得られるので、様々な染色方法が試
されてきた。しかし、従来の技術は、染色の鮮明さや堅
牢性、耐候性の点で問題があり、多様な色模様に自在に
染色できる墨流し染め法は確立されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みて創出されたものであり、その目的は、様々な布
地を、鮮明さや堅牢性、耐候性の高い多様な色模様に、
自在に染色できる墨流し染めを、単純な装備を用いて簡
便な操作で行なえ、しかも、模様の転写を瞬時に確実に
行なえる染色方法を確立し、その染色方法によって加工
された染色布地を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の墨流し染め法による布地の染色方法は、次
の構成を備える。すなわち、界面不活性成分及び増粘性
成分を含有する糊剤と、界面活性成分を含有する助剤
と、を混入させた薬剤希薄水溶液を、水槽に用意する。
これに、多色の染色剤を順次投入し、水面を撹拌して所
望の模様を造形する。そして、その水面に布地を浸漬し
て模様を転写する。
【0005】ここで、薬剤希薄水溶液へ染色剤を投入す
る際、最初に白色または淡色の染色剤を、水面に略均一
に分散させてから、多色の染色剤を順次投入する工程を
用いて、多色の染色剤の拡散調整と鮮明な染色に寄与さ
せてもよい。
【0006】また、糊剤に、天然ゴム抽出液と海藻類抽
出液とを等しい割合で含有させて、染色の効率及び精度
の向上に寄与させてもよい。
【0007】本発明の染色布地は、上記の染色方法、並
びに、詳しく説明される後述の方法により染色される布
地であって、特に、界面不活性成分及び増粘性成分を含
有する糊剤と、界面活性成分を含有する助剤と、を混入
させた薬剤希薄水溶液へ、多色の染色剤を順次投入し、
水面を撹拌して所望の模様を造形後、その水面に布地を
浸漬して模様を転写することによって染色されることを
特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面の
例を用いて説明する。図1は、本発明の染色方法の概要
を示す斜視説明図である。布地(10)は、図1(イ)
に示すような長尺状であり、その両端部には、支持板
(11)(11)を介して紐(12)(12)が連結さ
れている。また、布地(10)の側縁には、竹ひごと針
で構成される弓状の張設具(13)が多数取り付けられ
ている。布地(10)は、この張設具(13)の復元力
によって、ピンと平らに張られる。
【0009】平らに張られた布地(10)は、図1
(ロ)に示す水槽(20A)中に浸漬されて、その水面
に浮かぶ模様を転写する。水槽(20A)では、染色を
補助する薬剤の希薄水溶液(30)の表層に、染色剤
(40)が浮く2層構造になっている。
【0010】模様を転写した布地(10)は、次に、図
1(ハ)に示す水槽(20B)中に浸漬されて、水洗さ
れる。この水洗は、必須の工程でないが、余分に付着し
た染色剤(40)や薬剤希薄水溶液(30)の除去に寄
与する。なお、水槽(20B)には、通常の水道水(5
0)が充填されている。
【0011】このように染色された布地(10)は、図
1(ニ)に示す支柱(23)(23)の間に、紐(1
2)(12)を介して張架されて乾燥される。
【0012】以上の染色工程において、本発明は、下記
の構成を採り、布地(10)を多様な色から成る墨流し
模様に自在に染色できるようにした。図2は、水槽(2
0A)に多色の染色剤(40)を順次投入し、水面を撹
拌して所望の墨流し模様を造形する工程を示す平面説明
図である。
【0013】水槽(20A)には、まず、染色を補助す
る薬剤の希薄水溶液(30)が充填される。水深は、2
0〜40cm程度が好適である。その薬剤としては、次
の糊剤と助剤が含まれる。
【0014】糊剤には、界面不活性成分と増粘性成分と
が、等しい割合で含有される。界面不活性成分として
は、天然ゴム抽出液、特に、トウガラシゴム、アラビア
ゴムが最適である。これらの天然ゴムは、水面に膜を形
成したり表面張力を高める界面不活性作用をする。
【0015】増粘性成分としては、海藻類抽出液、特
に、布海苔、アルギン酸ナトリウム、アマテックスが最
適である。これらの海藻類は、水に溶解しやすいほか
に、水に粘り気を与えて状態を保持する増粘作用をす
る。
【0016】なお、天然ゴムのうち、木蝋や松脂は、布
地に汚濁をもたらしたり、色滲みの原因になるので、好
適とは言い難い。また、米粉、馬鈴薯、甘藷などの澱粉
類や、ベントナイト、タルク、陶土などの鉱物類も糊剤
として挙げられるが、これらはいずれも水に溶解しにく
く、澱粉類は腐敗しやすくもあるので、好適とは言い難
い。
【0017】助剤には、界面活性成分が含有される。こ
れは、水の強い表面張力を下げて、染色剤が水面上によ
く拡散するようにし、白地を出したり、模様寄せを鮮明
にすることに寄与する。なお、油系の助剤は、水と分離
して染色には不都合であり、また、布地に臭いを付けた
り、変色をもたらしたり、繊維を傷めることがあるの
で、好適とは言い難い。
【0018】ここで、薬剤希薄水溶液(30)には、糊
剤の界面不活性成分と助剤の界面活性成分とが含有され
ている。これは、一見矛盾する作用を備える糊剤と助剤
との混合であるが、染色の効率と精度を向上させる本発
明の特質である。また、後述の染色剤(40)との組み
合わせによっては、染色剤(40)が拡散し過ぎること
と、複数の染色剤(40)同士が混合することを抑止す
る効果がある。更に、染色剤(40)は、絹等の天然素
材に限らず様々な布地(10)に、常温で1秒弱の瞬時
に転写され、その染色模様は、脱色や色滲みなどの不備
なく鮮明に保たれ、堅牢性、耐候性の高い染色布地が得
られる。
【0019】染色剤(40)は、まず最初に、白色また
は淡色のものが投入される。淡色としては、褐色や灰白
色、黄色系統のものが好適である。白色または淡色の染
色剤(41)は、図2(イ)に示すように、エアスプレ
イ等の投入具(21)によって、水槽(20A)に充填
された薬剤希薄水溶液(30)の表層に、薄く略均一に
分散される。
【0020】そして、図2(ロ)に示すように、この白
色または淡色の染色剤(41)の上に、エアスプレイ等
の投入具(21)によって、黄、赤、青、黒など様々な
色の染色剤(42)が順次投入される。このように、白
色または淡色の染色剤(41)を薬剤希薄水溶液(3
0)の表層に、薄く略均一に分散させた後に、多色の染
色剤(42)を投入すると、多色の染色剤(42)の拡
散調整と鮮明な染色に寄与する。なお、多色の染色剤
(42)は、大きく拡散されれば薄い色になり、あまり
拡散されなければ濃い色になる。
【0021】染色剤(40)には、カーボンブラック有
機顔料、ポリビニルアルコール、着色剤、糊剤、活性
剤、安定剤、保湿剤、防腐剤が含有される。これによる
と、染色剤(40)が沈殿したり、染色剤(42)同士
が混合したり、布地(10)への転写後に色滲みするこ
とが防止される。
【0022】水槽(20A)の表面に浮かぶ染色剤(4
0)は、金具や刷毛等の撹拌具(22)を用いて人手で
撹拌されて、図2(ハ)に示すような所望の墨流し模様
に造形される。この多色の墨流し模様は、偶発的に生じ
た対流に依存して造形されるので、無二であると共に、
見る者に自然な印象を与えるので、芸術性と商品価値が
認められる。
【0023】以上の手段によって、所用の染色布地は得
られるが、アクリル系樹脂を薬剤希薄水溶液(30)ま
たは染色剤(40)へ添加してもよい。アクリル系樹脂
は、染色剤(40)を布地(10)に固定する作用をす
る。そのため、染色の脱色防止や、堅牢性、耐候性の向
上に寄与する。
【0024】
【発明の効果】本発明は、上述の構成を備えることによ
って、下記の効果を奏する。請求項1に記載の染色方法
によると、界面不活性成分及び増粘性成分を含有する糊
剤と、界面活性成分を含有する助剤とを混入させた薬剤
希薄水溶液に、多色の染色剤を順次投入し、水面を撹拌
して所望の模様を造形して、その水面に布地を浸漬して
模様を転写する。そのため、様々な布地を、鮮明さや堅
牢性、耐候性の高い多様な色模様に、自在に染色できる
墨流し染めを、単純な装備を用いて簡便な操作で行な
え、しかも模様の転写を瞬時に確実に行なうことができ
る。
【0025】請求項2に記載の染色方法によると、最初
に白色または淡色の染色剤を、薬剤希薄水溶液の水面に
略均一に分散させてから、多色の染色剤を順次投入する
ので、多色の染色剤の拡散が調整され鮮明な染色が得ら
れる。
【0026】請求項3に記載の染色方法によると、糊剤
に、天然ゴム抽出液と海藻類抽出液とが等しい割合で含
有されるので、染色の効率と精度が向上する。
【0027】請求項4に記載の染色布地は、上記の染色
方法によって得られたので、鮮明さや堅牢性、耐候性が
芳しく、無二であり見る者に自然な印象を与える多様な
多色墨流し模様を備え、芸術性と商品価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】染色方法の概要を示す斜視説明図
【図2】水面に所望の模様を造形する工程を示す平面説
明図
【符号の説明】 10 布地 11 支持板 12 紐 13 張設具 20A,B 水槽 21 染色剤投入具 22 撹拌具 23 支柱 30 薬剤希薄水溶液 40 染色剤 41 白色または淡色の染色剤 42 多色の染色剤 50 水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06P 1/46 D06P 1/46

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】墨流し染め法により、布地を染色する方法
    であって、 界面不活性成分及び増粘性成分を含有する糊剤と、界面
    活性成分を含有する助剤と、を混入させた薬剤希薄水溶
    液へ、 多色の染色剤を順次投入し、 水面を撹拌して所望の模様を造形後、 その水面に布地を浸漬して模様を転写することを特徴と
    する布地の染色方法。
  2. 【請求項2】薬剤希薄水溶液へ染色剤を投入する際、 最初に白色または淡色の染色剤を、水面に略均一に分散
    させてから、 多色の染色剤を順次投入する請求項1に記載の布地の染
    色方法。
  3. 【請求項3】糊剤に、天然ゴム抽出液と海藻類抽出液と
    が等しい割合で含有される請求項1または2に記載の布
    地の染色方法。
  4. 【請求項4】墨流し染め法により染色された布地であっ
    て、 界面不活性成分及び増粘性成分を含有する糊剤と、界面
    活性成分を含有する助剤と、を混入させた薬剤希薄水溶
    液へ、 多色の染色剤を順次投入し、 水面を撹拌して所望の模様を造形後、 その水面に布地を浸漬して模様を転写することによって
    染色されたことを特徴とする染色布地。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100689191B1 (ko) 2005-04-26 2007-03-08 부산대학교 산학협력단 조류를 이용한 견직물의 염색방법
KR100950993B1 (ko) * 2008-09-05 2010-04-02 비에취어쿠스텔 주식회사 스피커용 콘지의 제조방법 및 그 스피커용 콘지
CN116949845A (zh) * 2023-06-14 2023-10-27 彭晴 一种香云纱涌云染色工艺
CN117304747A (zh) * 2023-07-21 2023-12-29 宁波康大美术画材集团股份有限公司 水拓画颜料及其制作方法

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KR100950993B1 (ko) * 2008-09-05 2010-04-02 비에취어쿠스텔 주식회사 스피커용 콘지의 제조방법 및 그 스피커용 콘지
CN116949845A (zh) * 2023-06-14 2023-10-27 彭晴 一种香云纱涌云染色工艺
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Effective date: 20020625