JP2000237942A - 研削加工方法及びその装置 - Google Patents

研削加工方法及びその装置

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JP2000237942A JP11040899A JP4089999A JP2000237942A JP 2000237942 A JP2000237942 A JP 2000237942A JP 11040899 A JP11040899 A JP 11040899A JP 4089999 A JP4089999 A JP 4089999A JP 2000237942 A JP2000237942 A JP 2000237942A
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Hirofumi Suzuki
浩文 鈴木
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の不連続な曲面で構成される軸対称な非
球面形状の部品の不連続部分でも、シャープなエッジを
精密に加工することができる研削加工方法及びその装置
を提供する。 【解決手段】 先端2Aが尖った軸対称の円盤状の研削
砥石2と、軸対称の工作物4の回転軸に対して前記研削
砥石の砥石回転軸が直交し、さらに前記工作物4上で接
する前記研削砥石2の回転方向が工作物4の回転方向と
平行となるように配置された状態で、前記研削砥石2を
工作物4の半径方向及び回転軸方向に駆動させ、複数の
不連続な曲面で構成される軸対称な非球面形状の部品を
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研削加工方法及び
その装置に係り、特に、ホログラフィー光学素子等のマ
イクロフレネルレンズの研削加工方法及びその装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
以下に示すようなものがあった。 (1)山崎雄司、中村和人、橋本洋:フレネルレンズの
内蔵LEDの開発,精密工学会誌,59,4(199
3)123. (2)春原正明,梅谷誠,清水義之,白藤芳則:ホログ
ラム非球面レンズを成形−DVD・CD併用可能にした
金型技術−,日経メカニカル,458,(1995)4
0. (3)山形豊,樋口俊郎,上田勝宣,高島譲,大野元
治:精密切削によるブレーズ化された自由曲面回折格子
の製作,1996年度精密工学会春季大会学術講演会講
演論文集,(1996)533. (4)森田晋也,山形豊,樋口俊郎:ホログラム光学素
子の切削条件に関する研究,1997年度精密工学会秋
季大会学術講演会講演論文集,(1997)21. (5)H.Suzuki,S.Kodera,T.Na
kasuji,T,Ohta and K.Syoj
i:Precision Grinding ofAs
pherical CVD−SiC Molding
Die,Int.J.JSPE,32,(1998)2
5. (6)鈴木浩文,小寺直,前川茂樹,森田訓子,桜井英
一,田中克敏,武田弘,厨川常元,庄司克雄:マイクロ
非球面の超精密研削に関する研究−斜軸研削法によるマ
イクロ非球面の鏡面研削の可能性検証−,精密工学会
誌,64,4(1998)541. 近年、ホログラフィー光学素子などのマイクロフレネル
レンズのニーズが増大している。このようなフレネルレ
ンズは、その利用目的上多数の不連続な曲面で構成され
ている微細な型を用いた成形法により量産加工しなけれ
ばならない。
【0003】図19は従来のガラス製フレネルレンズの
成形工程の一例を示す図である。
【0004】まず、図19(a)に示すように、下型5
1と上型52間にガラス材料53をセットし、図19
(b)に示すように、ガラス材料53を加熱するととも
に、上型52でプレスする。次に、図19(c)に示す
ように、上型52をアンロードする。
【0005】一方、これまでは型の加工は微小な単結晶
ダイヤモンドバイトによる切削加工が中心であり、型材
としては、無酸素銅、黄銅、無電解Niなどの軟質金属
に限られていた。その結果、レンズ材質は成形温度が低
いプラスチックレンズが中心となっていた。しかし、D
VD(Digital Video Disc)やCD
(Compact Disc)用などのデバイスでは、
その性能の向上のため、ガラスレンズ化による光学特性
および耐熱強度の向上が不可欠であり、このような微細
な形状を有するセラミック型の超精密・微細加工技術の
開発が必要である。
【0006】図20はかかる従来のセラミック型の研削
加工装置を示す斜視図、図21はその研削加工装置によ
る研削加工方法の説明図である。
【0007】これらの図において、101は砥石軸、1
02は研削砥石、103は主軸、104は工作物(フレ
ネル形状の工作物)である。
【0008】この図に示すように、軸対称の円盤状の研
削砥石102を用い、軸対称の工作物104上で接する
研削砥石102の回転方向が工作物104の回転方向と
直角に配置されている。
【0009】これらの図から明らかなように、これまで
の軸対称非球面工作物の研削加工はX,Z軸の同時2軸
制御加工機により行われていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の研削加
工装置では、不連続な曲面で構成される軸対称な非球面
形状の光学部品(フレネルレンズ)を研削加工すると、
図20及び図21に示すように、加工点における工作物
104の回転方向と研削砥石102の回転方向が直交し
ており、研削砥石102の円弧形状が段差部に転写さ
れ、鋭利な段差で構成されるフレネル形状の精密加工は
困難であるといった問題があった。
【0011】本発明は、上記問題点を除去し、複数の不
連続な曲面で構成される軸対称な非球面形状の部品の不
連続部分でも、シャープなエッジを精密に加工すること
ができる研削加工方法及びその装置を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕研削加工方法において、先端が尖った軸対称の円
盤状の研削砥石と、軸対称の工作物の回転軸に対して前
記研削砥石の砥石回転軸が直交し、さらに前記工作物上
で接する前記研削砥石の回転方向が工作物の回転方向と
平行となるように配置された状態で、前記研削砥石を工
作物の半径方向及び回転軸方向に駆動させ、複数の不連
続な曲面で構成される軸対称な非球面形状の部品を製造
するようにしたものである。
【0013】〔2〕上記〔1〕記載の研削加工方法にお
いて、前記非球面形状の部品は硬質のフレネル形状の光
学部品である。
【0014】〔3〕上記〔2〕記載の研削加工方法にお
いて、前記非球面形状の部品はガラス製マイクロフレネ
ルレンズである。
【0015】〔4〕上記〔1〕記載の研削加工方法にお
いて、前記研削砥石の送り速度を制御可能にする。
【0016】〔5〕空気静圧軸受による縦型の研削砥石
スピンドルと横型の主軸を備え、分解能nmオーダーの
リニアスケールフィードバックシステムによる4軸
(X,Y,Z,C)制御の研削加工装置であって、先端
がナイフエッジ状に尖った軸対称の円盤状の研削砥石
と、この研削砥石の砥石回転軸Yと直交する回転軸Zを
有する軸対称の工作物とを備え、前記Y−Z軸の同時2
軸制御手段と、研削砥石送り速度制御手段とを具備する
ようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0018】図1は本発明の実施例を示す研削加工装置
の要部斜視図、図2はその研削加工装置による研削加工
方法の説明図である。
【0019】これらの図に示すように、砥石軸1を有
し、先端2Aが鋭利なナイフエッジ形状の研削砥石2を
用い、研削点における工作物4の回転方向と研削砥石2
の回転方向が平行関係にあるような砥石軌跡で研削す
る。なお、3は工作物4が装着される主軸である。
【0020】ここで、この実施例では、研削砥石2の回
転軸であるY軸(縦軸)と、工作物4の回転軸であるZ
軸(横軸)の同時2軸制御による研削方法を用いた。
【0021】以下、詳細に説明する。
【0022】(1)研削砥石の位置決め 刃先が円弧形状になった研削砥石による軸対称非球面の
切削加工では、次式に示すように、研削砥石の位置決め
の基点となる円弧中心の座標を計算し、NC制御しなが
ら加工を行う。
【0023】
【数1】
【0024】ここで、(YW ,ZW )は工作物の座標、
(Y0 ,Z0 )は研削砥石の刃先円の中心座標であり、
Rは研削砥石の刃先円の曲率半径、θは加工点における
接線方向角である。
【0025】本発明の研削方法では、図1及び図2に示
すように、先端2Aが鋭利な研削砥石2でフレネル形状
を創成するため、上記式(1)において、R=0として
計算した。
【0026】(2)送り速度制御 図3に示すように、軸対称の工作物4を回転させながら
研削砥石2をY方向に送る場合、工作物4の半径方向位
置をr(mm)、研削砥石2および工作物4の回転数を
各々ω1 ,ω2 (rpm)とすると、研削砥石2の1回
転当たりの工作物4の円周方向の送り量FC (mm/m
in)は次式で表される。
【0027】 FC =2πr・ω2 /ω1 …(2) 研削砥石送り速度をFY (mm/min)とすると、工
作物4の1回転当たりに研削砥石2が工作物4の半径方
向に移動する距離Fr (mm/rev)は次式のように
表せる。
【0028】 Fr =FY /ω2 …(3) 次に、工作物4と接触可能領域における作用砥粒数を
N,1砥粒による平均研削痕の長さをlW とすると、工
作物4上の円周方向における砥粒引掻き痕のピッチPは
次式で表される。
【0029】 P=FC ・Fr /N・lW …(4) 上記式(2),式(3),式(4)より次式が得られ
る。
【0030】 P=2π・FY ・r/N・lW ・ω1 …(5) ここで、砥粒切刃数Nは、研削砥石表面の作用砥粒密度
δ(/mm2 )、工作物と研削砥石の接触面積をA(m
m2 )とすると、次式で表される。
【0031】 N=δ・A …(6) ここで、δは研削砥石の硬度、集中度等により決定さ
れ、δとAが加工中は一定とすると、Nも一定となる。
【0032】また、研削砥石の表面に突出した砥粒の刃
先の平均頂角をθとし、砥粒の形状が転写されると仮定
するならば、図4より工作物の表面粗さ(Ry )は次式
のように表現できる。
【0033】 Ry =(P/2)cot(θ/2) …(7) 上記式(5)及び式(7)より次式が得られる。
【0034】 Ry =(π・FY ・r/N・lW ・ω1 )cot(θ/2) …(8) すなわち、この式から、従来のように砥石送り速度FY
が固定されている場合、工作物4の表面粗さは工作物の
半径方向位置に比例して悪化することがわかる。そこ
で、本発明の方法では、研削砥石2の送り速度FY を次
式のように変化させた。
【0035】 FY (r)=k・P・N・lW ・ω1 /2πr …(9) ここで、kは比例定数である。
【0036】さらに、図3に示すように、研削砥石2が
1回転する間に加工面上において加工点が移動する円周
方向の長さL(r)は次式のように表される。
【0037】 L(r)=2πr・ω2 /ω1 …(10) ここで、研削砥石2が1回転する間の工作物との干渉面
積をA(r)とすると、その間の工作物4の除去量V
(r)は次式のようになる。
【0038】 V(r)=L(r)・A(r) …(11) 上記式(10)及び式(11)より次式が得られる。
【0039】 V(r)=2πr・(ω2 /ω1 )・A(r) …(12) 工作物4の形状が平面の場合、切込みをδとすると、次
式の関係が成り立つ。
【0040】 A(r)=FY (r)・δ …(13) 上記式(12)及び式(13)より次式が得られる。
【0041】 V(r)=2πr・(ω2 /ω1 )・FY (r)・δ …(14) 上記式(9)及び式(14)より次式が得られる。
【0042】 V(r)=k・ω2 ・δ・P・N・lW =const …(15) すなわち、この場合V(r)が一定となるため、研削抵
抗が工作物と研削砥石の干渉体積(除去速度)に比例す
るものと仮定すると、形状精度も向上することを意味す
る。
【0043】なお、半径方向位置rが小さい場合、FY
(r)の値は大きくなるが、本発明では、送り量F
Y (r)/ω1 が大きくなりすぎないように上限を設け
た、ここでは、上限値を0.4mm/min(1.3μ
m/rev)に設定した。
【0044】(3)研削装置および研削システム 図5は本発明の実施例を示す研削加工装置の斜視図であ
る。なお、上記した図1〜図4に示したと同様の部分に
は同じ番号を付してそれらの説明は省略する。
【0045】この図において、11は主軸を回転させる
モータ、12は真空チャック、13はジグ、14はX−
Z軸案内テーブル、15はY軸案内テーブル、16は砥
石軸1を回転させるモータ、17はクーラントノズルで
ある。
【0046】研削装置としては、図5に示すような、同
時4軸(X,Y,Z,C)制御加工機〔東芝機械(株)
製ULG100A(H3)〕を用いた。Z軸案内テーブ
ル上に主軸3が横向きに取り付けられ、自由曲面の加工
が可能である。
【0047】ここで、X,Y,Z軸テーブルは、V−V
溝面にニードルを配置した転がり案内であり、位置決め
は温度変化による変動を抑えるためにリニア(ガラス)
スケールフィードバック制御により行い、その位置決め
分解能は1nmである。X−Z軸案内テーブル14上に
は、Y軸案内テーブル15が取り付けられ、そのY軸案
内テーブル15に高速回転の研削スピンドルを設置し
た。主軸3は最大回転数3000rpmの空気静圧軸受
であり、研削スピンドルは最大回転数4×104rpm
の空気静圧軸受である。
【0048】軸対称の工作物4はジグ13を介して真空
チャック12により主軸3に取り付けた。この際、電気
マイクロメータにより計測しながら、±0.5μm以下
の同軸度が得られるように調整した。さらに、主軸3お
よび砥石軸1に設けられたネジ穴にバランス重りを取り
付けて、主軸3および研削砥石2のアンバランスがそれ
ぞれ0.1μmおよび0.01μm以下になるように調
整した。同装置を用いて、Y軸(縦軸)とZ軸の同時2
軸制御を行いながら試作を行った。なお、X軸とC軸は
研削砥石2の原点調整時のみに用いた。
【0049】(4)ダイヤモンドホイール(砥石)およ
びそのツルーイング法 本発明の実施例では、図6に示すような、研削砥石2と
して円盤状のダイヤモンドホイール(砥石)を用いた。
先端2Aがθ(例えば、45°)とナイフエッジ状に尖
らせ、このホイール先端2Aにより、微小な段差で構成
されるフレネル形状を創成する。なお、図6において、
φL1 は70mm、L2 は3mm、L3は3mm、φL
4 は10mmである。研削加工のみで仕上げるために、
また、工作物の形状誤差に影響を与える砥石磨耗を極力
抑制するために、砥粒径#1200と比較的粗粒のレジ
ノイドダイヤモンドホイール2Bを用いた。2Cはホイ
ールのスチール台座である。
【0050】図7はダイヤモンドホイールのツルーイン
グの説明図であり、図7(a)は砥石側面のツルーイン
グ概念図、図7(b)は端砥石面のツルーイング概念図
をそれぞれを示している。
【0051】ダイヤモンドホイール2のツルーイング
は、これらの図に示すように、機上でツルア5を主軸3
に取り付けて、ダイヤモンドホイール2の下面と上面
(45°テーパ部)をトラバースさせて行った。
【0052】ここで、ツルーイング条件を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】ツルア5には、ストレート形状の#200
のレジノイドボンドダイヤモンドホイールを用いて湿式
で行った。ツルア5はジグを介して真空チャックにより
主軸3に取り付け、外周を電気マイクロメータにより測
定しながら、1μm以下の同軸度が得られるように調整
した。ホイール2のエッジ部(先端部)2Aは鋭利に成
形され、このエッジ部2Aで研削を行った。
【0055】(5)研削条件 型材料としてはガラス成形を行うことを想定し、微粒子
超硬合金WCを用いた。ここでは、始めに平面形状の工
作物の研削加工を行い、上記した(2)〔送り速度制
御〕の効果を検討した。最後に、図8のフレネル形状の
型を試作し、検証を行った。
【0056】本実施例では、図8に示すように、次式で
表される軸対称のフレネル形状の型を試作した。
【0057】 Z(Y)=mod{g(Y),b} …(16) ここで、Yは工作物の半径方向の位置、Zは工作物の回
転軸方向の位置、g(Y)は非球面関数(多項式)、b
はフレネルレンズの溝の段差である。
【0058】また、g(Y)は一般の軸対称の非球面多
項式関数と同様に次式で表される。
【0059】
【数2】
【0060】ここで、CV ,K,Ci (i=n)は非球
面定数である。
【0061】また、ここでは、g(Y)を約50mmの
近似曲率半径の非球面(有効径:約φ4mm)とし、段
差b≒0.005mm(5μm)に設定した。ガラスプ
レスを行うことを前提にし、型材に微粒子超硬合金を用
いた。
【0062】研削条件を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】仕上げ加工用の研削砥石としては#120
0のレジノイドボンドダイヤモンドホイールを用いた。
切り込みは2μmとし、送り速度を0.025〜0.4
mm/minと変化させた。
【0065】(6)平面研削 砥石送り速度制御による表面粗さと形状精度の改善の効
果について検証する。以下では、工作物に平面形状の超
硬合金を用いた場合の結果を示す。
【0066】(a)表面粗さ 表2に示した条件で平面研削したときの表面粗さの変化
を図9に示す。非接触表面粗さ計(ZYGO社製Max
inNT)を用いて工作物の半径方向位置において測定
したものである。評価面積は約180μm×160μm
であった。横軸は工作物の半径方向の位置で、縦軸はP
−V値で最大高さRy に相当する。○印は砥石送り速度
を式(9)により、0.025〜0.4mm/minと
変化させたもの、●印は砥石送り速度を0.2μm/m
inに固定したものである。砥石送り速度を制御するこ
とにより、表面粗さが改善され、均一化しているのがわ
かる。
【0067】(b)形状精度 先端に2μmのダイヤモンドスタイラスをもつ形状測定
機〔松下電器(株)製UA3P〕により、同工作物を測
定して得られた形状誤差曲線を図10に示す。上の曲線
aが研削砥石の送り速度を一定としたもので、下の曲線
bが式(9)により変化させたものである。送り速度が
一定の場合、式(14)より工作物の除去量V(r)は
外周部で大きく内周部で小さくなり、その結果、研削抵
抗も変動し形状誤差が大きくなっている。一方、送り速
度を式(15)に従って制御する場合、V(r)は外周
部と内周部で一定となるため、その結果、研削抵抗が一
定化し、形状誤差も小さくなっているものと考えられ
る。
【0068】(7)フレネル形状の研削実験 本発明の研削方法により、図8のフレネルレンズの成形
型の超精密研削を行い、研削加工の可能性検証を行っ
た。表1の条件でダイヤモンドホイールのツルーイング
を行った後、表2の条件で図11に示すように研削加工
を行った。
【0069】(a)形状精度 上記実験において、1次加工を行った後に測定した断面
形状を図12に示す。形状誤差曲線は、表2の条件で3
回切り込みを与えて研削した後に工作物を主軸から取り
外し、先端の曲率半径2μm、頂角60°のダイヤモン
ドスタイラスを備えた接触式形状測定装置〔松下電器
(株)製UA3P〕により測定したものである。いずれ
の段差部においても設計形状通りに約5μmの段差があ
る。
【0070】この結果を基に段差部近傍を除去して計算
した目標形状との差、すなわち形状誤差曲線を図13に
示す。形状精度は約2.41μmP−Vであった。これ
は研削砥石の原点位置の誤差によるものである。
【0071】この測定結果を基にダイヤモンドホイール
の原点位置をY方向に補正して研削加工を行い、同様の
測定方法により得られた結果を図14に示す。約0.1
1μmP−Vの形状精度が得られている。
【0072】また、非接触形状測定装置(三鷹光器
(株)製NH−3)により測定した3次元形状を図15
に示す。比較的に鋭利なエッジが得られていることが分
かる。
【0073】最後に、研削後のフレネル形状の段差部の
みを上述の接触式形状測定装置により測定し、拡大して
表示した断面曲線を図16に示す。鋭利に見える段差部
の横に約25μmの幅の形状誤差領域が存在している。
これはダイヤモンドホイール先端が円弧形状になってい
るためであると考えられる。この形状誤差領域をさらに
減少させるためには、ダイヤモンドホイールのツルーイ
ング法を改善して先端の形状をさらに鋭利にする必要が
ある。
【0074】(b)表面粗さ この研削後の工作物の中心付近において測定した表面粗
さを図17に示す。非接触表面粗さ計(ZYGO社製M
axinNT)を用いて工作物の中心付近において測定
したものである。評価面積は、約180μm×160μ
mであった。約10nmRy の表面粗さが得られ、高い
鏡面性が得られている。
【0075】最後に、研削面のノマルスキー顕微鏡写真
(図示なし)で見たところ、表面に非常に微細な砥粒引
っかき痕が見られるが、延性モードの加工面が得られて
いることがわかる。加工点における研削砥石の回転方向
が従来の非球面研削方式では工作物の回転方向に対して
直交しているが、本発明の研削方法では工作物の回転方
向に対して研削砥石は平行な位置関係にある。そのため
に表面粗さは従来法に比べ悪化しやすい傾向にあると考
えられる。しかし、研削砥石の送り速度を工作物の半径
位置に対応して変化させることにより、良好な表面粗さ
が得られることが明らかとなった。
【0076】以上の結果から、セラミックスなどの硬質
ぜい性材料製のフレネル形状の加工において、本発明の
研削法が有効であることが明らかとなった。
【0077】(8)結果 上記したように、多数の不連続な曲面で構成されている
微細なフレネル形状の研削加工を実現し、ガラス製マイ
クロフレネルレンズを量産(プレス成形)するのを可能
にするため、本発明では以下の特徴をもつ研削システム
を開発した。
【0078】(a)空気静圧軸受け方式の縦型の砥石ス
ピンドルと横型の主軸を備え、分解能1nmのリニアス
ケールフィードバックシステムによる同時4軸(X、
Y、Z、C)制御が可能である。
【0079】(b)先端がナイフエッジ状で鋭利な円盤
状の研削砥石をY軸(縦軸)とZ軸(横軸)の同時2軸
制御しながら駆動することにより、不連続な非球面形状
の創成が可能である。
【0080】(c)軸対称の非球面工作物において半径
方向の位置に対応した研削砥石の送り速度制御が可能で
ある。
【0081】以上の研削システムにより微粒子超硬合金
製フレネル形状の研削を行い、研削加工の可能性につい
て検討を行った。その結果、以下のことが明らかとなっ
た。
【0082】(1)送り速度を制御した場合、工作物の
表面粗さは良好になり、全面において均一化し、形状精
度も同様に良好になる。
【0083】(2)超硬合金製フレネル形状の型を試作
した結果、約0.1μmの形状精度と約10nmRy の
表面粗さが得られ、本発明の研削方法は、フレネル形状
の研削に有効である。
【0084】また、図1において、鋭利なナイフエッジ
形状の研削砥石を図18のように駆動するようにしても
よい。すなわち、Y、Z軸のみならず、X軸も複合させ
てもよく、要はフレネル段差部の加工において砥石回転
軸と工作物回転軸が平行となるようにすればよい。
【0085】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、以下のような効果を奏
することができる。
【0087】(A)複数の不連続な曲面で構成される軸
対称な非球面形状の部品の不連続部分でも、シャープな
エッジを精密に加工することができる。
【0088】(B)送り速度を制御した場合、工作物の
表面粗さは良好になり、全面において均一化し、形状精
度も同様に良好になる。
【0089】超硬合金製フレネル形状の型を試作した結
果、約0.1μmの形状精度と約10nmRy の表面粗
さが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す研削加工装置を示す要部
斜視図である。
【図2】本発明の実施例を示す研削加工装置を用いた研
削加工方法の説明図である。
【図3】本発明の実施例を示す研削加工装置の研削砥石
の送り速度制御方法の説明図である。
【図4】本発明の実施例を示す研削加工装置の研削砥石
の送り速度と表面粗さプロファイルの関係を示す図であ
る。
【図5】本発明の実施例を示す研削加工装置の斜視図で
ある。
【図6】本発明の実施例を示す研削加工装置の研削砥石
の構成図である。
【図7】本発明の実施例を示すダイヤモンドホイールの
ツルーイングの説明図である。
【図8】本発明の実施例を示すフレネル形状の型の断面
図である。
【図9】本発明の実施例を示す種々の径方向位置におけ
る平面状表面の表面粗さを示す図である。
【図10】本発明の実施例を示す種々の径方向位置にお
ける平面状表面の表面粗さを示す図である。
【図11】本発明の実施例を示す非球面研削装置の斜視
図である。
【図12】本発明の実施例を示す1次加工を行った後の
フレネル表面の計測断面を示す図である。
【図13】本発明の実施例を示す1次研削後の偏差プロ
ファイルを示す図である。
【図14】本発明の実施例を示す2次研削後の偏差プロ
ファイルを示す図である。
【図15】本発明の実施例を示すフレネル表面の3次元
トポクラフィである。
【図16】本発明の実施例を示すスタイラス装置(接触
式形状測定装置)を用いて計測されたフレネルの深さプ
ロファイルである。
【図17】本発明の実施例による研削加工後の表面粗さ
プロファイルである。
【図18】本発明における他の実施例を示す研削加工装
置を示す要部斜視図である。
【図19】従来のガラス製フレネルレンズの成形工程の
一例を示す図である。
【図20】従来の研削加工装置を示す斜視図である。
【図21】従来の研削加工装置による研削加工方法の説
明図である。
【符号の説明】
1 砥石軸 2 鋭利なナイフエッジ形状の研削砥石 2A 先端 2B ダイヤモンドホイール 2C ホイールのスチール製台座 3 主軸 4 工作物 5 ツルア 11 主軸を回転させるモータ 12 真空チャック 13 ジグ 14 X−Z軸案内テーブル 15 Y軸案内テーブル 16 砥石軸を回転させるモータ 17 クーラントノズル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端が尖った軸対称の円盤状の研削砥石
    と、軸対称の工作物の回転軸に対して前記研削砥石の砥
    石回転軸が直交し、さらに前記工作物上で接する前記研
    削砥石の回転方向が工作物の回転方向と平行となるよう
    に配置された状態で、前記研削砥石を工作物の半径方向
    及び回転軸方向に駆動させ、複数の不連続な曲面で構成
    される軸対称な非球面形状の部品を製造することを特徴
    とする研削加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の研削加工方法において、
    前記非球面形状の部品は硬質のフレネル形状の光学部品
    である研削加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の研削加工方法において、
    前記非球面形状の部品はガラス製マイクロフレネルレン
    ズである研削加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の研削加工方法において、
    前記研削砥石の送り速度を制御可能にする研削加工方
    法。
  5. 【請求項5】 空気静圧軸受による縦型の研削砥石スピ
    ンドルと横型の主軸を備え、分解能nmオーダーのリニ
    アスケールフィードバックシステムによる4軸(X,
    Y,Z,C)制御の研削加工装置であって、(a)先端
    がナイフエッジ状に尖った軸対称の円盤状の研削砥石
    と、(b)該研削砥石の砥石回転軸Yと直交する回転軸
    Zを有する軸対称の工作物とを備え、(c)前記Y−Z
    軸の同時2軸制御手段と、(d)研削砥石送り速度制御
    手段とを具備することを特徴とする研削加工装置。
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