JP2000238092A - 射出成形機の制御方法 - Google Patents

射出成形機の制御方法

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JP2000238092A JP11043129A JP4312999A JP2000238092A JP 2000238092 A JP2000238092 A JP 2000238092A JP 11043129 A JP11043129 A JP 11043129A JP 4312999 A JP4312999 A JP 4312999A JP 2000238092 A JP2000238092 A JP 2000238092A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂密度のばらつきを抑えると同時に、可塑
化・計量行程の完了時点でのスクリュ位置のばらつきを
抑えること。 【解決手段】 可塑化・計量行程の第1段階である可塑
化・樹脂送り込み行程を、スクリュ回転数をフィードバ
ック制御することによりスクリュを回転駆動制御しつ
つ、スクリュに対して圧力フィードバック制御を行うこ
とで実行し、可塑化・計量行程の第2段階である樹脂量
計量行程を、スクリュの回転を停止させた状態で、スク
リュに対して時間軸に沿った圧力フィードバック制御を
行うことで実行すると共に、この樹脂量計量行程におけ
る最終のスクリュ後退限位置を規定する後退限規定値を
設定して、樹脂量計量行程の期間においてもスクリュの
現在位置を監視し、樹脂量計量行程期間中に、スクリュ
が上記後退限規定値で規定される位置を超えることがな
いように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インラインスクリ
ュ式の射出成形機の制御方法に係り、特に、樹脂密度の
安定化を図るのに好適な射出成形機における可塑化・計
量行程の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インラインスクリュ式の射出成形機にお
いては、公知のように、スクリュの回転と後退によっ
て、可塑化した溶融樹脂をスクリュの先端側に溜め込ん
で、可塑化・計量を行うようになっている。
【0003】上記の可塑化・計量行程は、従来は一般的
に、可塑化・計量の開始位置から可塑化・計量の完了位
置までのスクリュストロークを設定すると共に、射出駆
動源が油圧シリンダの場合には、スクリュ回転数と背圧
とを設定して、この設定条件にしたがって、スクリュの
回転数と背圧とを制御し、射出駆動源がサーボモータ
(電動サーボモータ)の場合には、スクリュ回転数とス
クリュ先端樹脂圧とを設定して、この設定条件にしたが
って、スクリュの回転数とスクリュが樹脂により受ける
圧力とを制御し、いずれの場合も、可塑化・計量の完了
位置に到達すると、スクリュの回転動作と後退動作を停
止させて、可塑化・計量行程を終了させるようになって
いた。
【0004】上述のように従来の可塑化・計量行程は、
可塑化・計量の完了位置に至るとスクリュの回転動作と
後退動作を停止させるので、可塑化・計量の完了位置は
常に一定のものとなる。しかしながら、従来の可塑化・
計量動作では、可塑化・計量行程の最初から終わりまで
の間、常にスクリュを回転させた状態で、圧力フィード
バック制御を行っているので、圧力フィードバック制御
のためにロードセル(力センサ(圧力値に変換する);
以下、圧力センサと表記)で検出される圧力測定値に
は、スクリュ回転による推進力(圧力)が加味されたも
のとなる。そして、このスクリュ回転による推進力(圧
力)は、スクリュと樹脂間や加熱シリンダの内面と樹脂
間の摩擦力の変動などによって、変動し易いものである
ため、ロードセルの検出圧力を設定された圧力と一致さ
せるように圧力フィードバック制御しても、スクリュ回
転による推進力(圧力)が変動すると、樹脂の実際圧力
がばらつきを示し、このため、計量して貯えられた溶融
樹脂の樹脂密度がばらつくという問題があった。
【0005】そこで、本願出願人は、計量して貯えられ
た溶融樹脂の上記ばらつきを可及的に低減するための、
インラインスクリュ式の射出成形機における可塑化・計
量行程の制御方法を、特願平9−300764号によっ
て提案した。すなわち、この先願においては、従前は単
に計量行程と呼ばれている可塑化・計量行程を、樹脂を
溶融し、可塑化してスクリュ先端側に送り込む可塑化・
樹脂送り込み行程と、スクリュを最終的に計量完了位置
(後退限位置)まで後退させる樹脂量計量行程とに、2
分して、可塑化・樹脂送り込み行程では、スクリュ回転
数をフィードバック制御することでスクリュを回転駆動
制御しつつ、スクリュに対して圧力フィードバック制御
を行い、可塑化・樹脂送り込み行程に引き続く樹脂量計
量行程では、スクリュの回転を停止させた状態で、スク
リュに対して時間軸に沿った圧力フィードバック制御を
実行するようにしている。そして、このように、可塑化
・計量行程の第2段階である樹脂量計量行程において
は、スクリュ回転による推進力(圧力)の影響を受けな
い状態で、所定時間の圧力フィードバック制御を行って
いるので、樹脂圧力のコントロールがきわめて良好な状
態で行い得ることになり、これによって、計量して貯え
られた溶融樹脂の樹脂密度のばらつきが可及的に低減さ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特願平9−300
764号で提案された技術では、可塑化・計量行程の第
2段階である樹脂量計量行程において、スクリュ回転を
停止させた状態で、一定時間の圧力制御(時間軸に沿っ
た圧力制御)を行うことで、計量して貯えられた溶融樹
脂の樹脂密度のばらつきを可及的に低減するようにして
おり、樹脂挙動等が安定している場合には、樹脂量計量
行程(可塑化・計量行程)の完了時点でのスクリュ位置
(スクリュ後退限位置)のばらつきも比較的に小さくな
る。しかしながら、前記先願の樹脂量計量行程は、時間
軸に沿った圧力フィードバック制御であるために、スク
リュ後退限位置を一定にコントロールすることはでき
ず、予期せぬ樹脂挙動の変動等によって、可塑化・計量
行程の完了時点でのスクリュ位置(スクリュ後退限位
置)のばらつきが大きくなる虞があった。
【0007】つまり、前記特願平9−300764号で
提案された技術においては、可塑化・計量行程の完了時
点でのスクリュ位置(スクリュ後退限位置)のばらつき
範囲を小さくする、ないしは、ばらつきを抑えることに
関しては配慮が払われておらず、成形条件によっては、
樹脂密度のばらつきを抑えると同時に、可塑化・計量行
程の完了時点でのスクリュ位置(スクリュ後退限位置)
のばらつきを抑えて、以って計量容積を安定化させるこ
とが、求められるケースもある。
【0008】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、インラインスクリュ式の射出
成形機において、樹脂密度のばらつきを抑えると同時
に、可塑化・計量行程の完了時点でのスクリュ位置のば
らつきも抑えることが可能な、計量行程の制御方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、加熱シリンダ内にスクリュを回転並びに
前後進可能であるように配設し、スクリュを回転駆動す
るスクリュ回転駆動源と、スクリュを前後進駆動する射
出駆動源とを具備した、インラインスクリュ式の射出成
形機の制御方法において、可塑化・計量行程の第1段階
である可塑化・樹脂送り込み行程を、スクリュ回転数を
フィードバック制御することによりスクリュを回転駆動
制御しつつ、スクリュに対して圧力フィードバック制御
を行うことで実行し、上記可塑化・樹脂送り込み行程に
引き続く、可塑化・計量行程の第2段階である樹脂量計
量行程を、スクリュの回転を停止させた状態で、スクリ
ュに対して時間軸に沿った圧力フィードバック制御を行
うことで実行すると共に、この樹脂量計量行程における
最終のスクリュ後退限位置を規定する後退限規定値を設
定して、樹脂量計量行程の期間においてもスクリュの現
在位置を監視し、樹脂量計量行程期間中に、スクリュが
上記後退限規定値で規定される位置を超えることがない
ように制御する、ようにされる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。図1は、本発明の1実施形態に係
るインラインスクリュ式の射出成形機の要部構成を示す
図であり、メカニズムはスクリュの回転駆動系と前後進
駆動系のみを示し、制御系は可塑化・計量系のみを示し
てある。
【0011】図1において、1は加熱シリンダ、2は加
熱シリンダ1内に回転並びに前後進可能であるように配
設されたスクリュ、3はスクリュ2を回転駆動するスク
リュ回転駆動源(可塑化・樹脂送り込み駆動源)として
のスクリュ回転用のサーボモータ、3aはサーボモータ
3の出力プーリ、4は出力プーリ3aの回転をスクリュ
2の後端に結合されたプーリ5に伝達するタイミングベ
ルト、6は射出駆動源としての射出用のサーボモータ、
6aはサーボモータ6の出力プーリ、7は出力プーリ6
aの回転を回転→直線運動変換メカニズム8のプーリ8
aに伝達するタイミングベルト、8は回転運動を直線運
動に変換してスクリュ2に伝達するためのボールネジ機
構よりなる回転→直線運動変換メカニズム、9はスクリ
ュ回転用のサーボモータ3の回転を検出するエンコー
ダ、10はスクリュ2にかかる圧力を検出するロードセ
ル、11は射出用のサーボモータ6の回転を検出するエ
ンコーダである。なお、本実施形態においては、可塑化
・計量用のサーボモータ3、タイミングベルト4、プー
リ5は、スクリュ2と一体となって前後進するようにな
っている。
【0012】12はマイクロコンピュータ等の機能で具
現化される可塑化・計量条件設定格納部で、スクリュ回
転数設定格納部13と、樹脂圧力条件設定格納部14と
を具備する。15も同じくマイクロコンピュータの機能
で具現化される可塑化・計量制御部で、スクリュ回転数
フィードバック制御部16と、圧力フィードバック制御
部17とを具備する。また、18はスクリュ回転用のサ
ーボモータ3を駆動制御するサーボアンプ、19は射出
用のサーボモータ5を駆動制御するサーボアンプであ
る。
【0013】可塑化・計量条件設定格納部12のスクリ
ュ回転数設定格納部13には、可塑化・計量行程の第1
段階である可塑化・樹脂送り込み行程の、スクリュ回転
数の制御条件が書き替え可能に格納されており、本実施
形態では、可塑化・計量の開始位置(可塑化・樹脂送り
込み行程の開始位置)から可塑化・樹脂送り込み行程の
完了位置までの、所定かつ一定数の設定スクリュ回転数
(rpm)が記憶されるようになっている。
【0014】また、可塑化・計量条件設定格納部12の
樹脂圧力条件設定格納部14には、可塑化・樹脂送り込
み行程、および、可塑化・計量行程の第2段階である樹
脂量計量行程の、樹脂圧力の制御条件が格納されてい
る。本実施形態では、樹脂圧力条件設定格納部14に
は、可塑化・計量の開始位置(可塑化・樹脂送り込み行
程の開始位置)から可塑化・樹脂送り込み行程の完了位
置までの、所定かつ一定数の設定樹脂圧力と、可塑化・
樹脂送り込み行程の完了時点から樹脂量計量行程の完了
時点までの、時間軸に沿った2段設定された設定樹脂圧
力と、樹脂量計量行程の後半行程におけるスクリュの後
退制限ストローク幅(すなわち、樹脂量計量行程の後半
行程の開始位置(これは各ショット毎に計測して認知さ
れる)からのスクリュ後退限位置を規定する後退限規定
値)とが、記憶されるようになっている。
【0015】可塑化・計量制御部15のスクリュ回転数
フィードバック制御部16は、エンコーダ11の出力A
3から得られる実測スクリュ位置を監視すると共に、ス
クリュ回転数設定格納部13に格納された設定データ
と、エンコーダ9の出力A1から得られる実測スクリュ
回転数データとを対比し、可塑化・計量の開始位置(可
塑化・樹脂送り込み行程の開始位置)から可塑化・樹脂
送り込み行程の完了位置に至る間での区間を、設定され
たスクリュ回転数となるように制御信号を生成して、こ
れをサーボアンプ18に出力し、スクリュ回転用のサー
ボモータ3を駆動制御する。サーボモータ3の回転は、
出力プーリ3a、タイミングベルト4、プーリ5を介し
てスクリュ2に伝達され、これにより、スクリュ2が設
定された回転数となるように、フィードバック制御によ
り回転駆動される。
【0016】可塑化・計量制御部15の圧力フィードバ
ック制御部17は、可塑化・樹脂送り込み行程において
は、エンコーダ11の出力A3から得られる実測スクリ
ュ位置を監視すると共に、樹脂圧力条件設定格納部14
に格納された設定データと、ロードセル10の出力A2
から得られる実測圧力データとを対比し、可塑化・計量
の開始位置(可塑化・樹脂送り込み行程の開始位置)か
ら可塑化・樹脂送り込み行程の完了位置に至る間での区
間を、設定された樹脂圧力となるように制御信号を生成
して、これをサーボアンプ19に出力し、射出用のサー
ボモータ6を駆動制御する。サーボモータ6の回転は、
出力プーリ6a、タイミングベルト7を介して回転→直
線運動変換メカニズム8のプーリ8aに伝達され、これ
によって、ロードセル10により検出されたスクリュ2
にかかる圧力が、設定された樹脂圧力となるように、ス
クリュ2がフィードバック制御によって前後進駆動制御
(停止制御を含む)される。
【0017】また、圧力フィードバック制御部17は、
樹脂量計量行程の前半行程においては、樹脂圧力条件設
定格納部14に格納された設定データと、ロードセル1
0の出力A2から得られる実測圧力データとを対比し、
可塑化・樹脂送り込み行程の完了時点から、予め設定さ
れた樹脂量計量行程の前半行程の完了時点までの期間
を、設定された樹脂圧力となるように制御信号を生成し
て、これをサーボアンプ19に出力し、これによって、
ロードセル10により検出されたスクリュ2にかかる圧
力が、設定された樹脂圧力となるようにフィードバック
制御が実行される。
【0018】また、圧力フィードバック制御部17は、
樹脂量計量行程の後半行程においては、樹脂圧力条件設
定格納部14に格納された設定データと、ロードセル1
0の出力A2から得られる実測圧力データとを対比し、
樹脂量計量行程の前半行程の完了時点から、予め設定さ
れた樹脂量計量行程の後半行程の完了時点までの期間
を、設定された樹脂圧力となるように制御信号を生成し
て、これをサーボアンプ19に出力し、これによって、
ロードセル10により検出されたスクリュ2にかかる圧
力が、設定された樹脂圧力となるようにフィードバック
制御が実行される。さらに、この樹脂量計量行程の後半
行程においては、圧力フィードバック制御部17は、エ
ンコーダ11の出力A3から得られる実測スクリュ位置
を監視すると共に、樹脂量計量行程の前半行程の完了時
点(樹脂量計量行程の後半行程の開始時点)においてエ
ンコーダ11で計測された実測スクリュ位置情報を認知
して、この樹脂量計量行程の後半行程の開始時点の実測
スクリュ位置を基準とする、樹脂圧力条件設定格納部1
4に格納された前記した樹脂量計量行程の後半行程にお
けるスクリュの後退制限ストローク幅で規定されるスク
リュ後退限規制位置を、スクリュ2が超えることがない
ように制御する。
【0019】図2は、可塑化・計量制御部15の圧力フ
ィードバック制御部17の1例を示す図で、同図におい
て、図1と均等なものには同一符号を付してある。
【0020】図2において、21は偏差検出部、22は
圧力フィードバック制御のためのPID演算を行うPI
D演算部、23はPID演算部22の出力を変換処理す
る出力変換部、24は速度制御パターン作成部、25は
偏差カウンタ、26は速度制御のための制御出力値を生
成して出力する速度制御指令値出力部、27は、出力変
換部23の出力と速度制御指令値出力部26の出力とを
切り替えて出力するスイッチ部、28は、スイッチ部2
7の出力をアナログ変換して、圧力指令値を見かけ速度
指令値として(サーボモータ6に与えられる制御値は、
圧力フィードバック制御であっても、サーボモータ6か
ら見れば速度制御値となる)、サーボアンプ19に出力
するD/A変換部である。
【0021】可塑化・樹脂送り込み行程においては、偏
差検出部21には、可塑化・樹脂送り込み行程の開始指
令の到来から可塑化・樹脂送り込み行程の終了指令の到
来までの間、可塑化・樹脂送り込み行程の圧力設定値p
1と、ロードセル10の出力A2を演算処理して得られ
る圧力測定値pxとが、それぞれ適宜サンプリング周期
で供給される。また、樹脂量計量行程の前半行程におい
ては、偏差検出部21には、樹脂量計量行程の前半行程
の開始指令の到来から樹脂量計量行程の前半行程の終了
指令の到来までの間、樹脂量計量行程の前半行程の圧力
設定値p2と、ロードセル10の出力A2を演算処理し
て得られる圧力測定値pxとが、それぞれ適宜サンプリ
ング周期で供給される。また、樹脂量計量行程の後半行
程においては、偏差検出部21には、樹脂量計量行程の
後半行程の開始指令の到来から樹脂量計量行程の後半行
程の終了指令の到来までの間、樹脂量計量行程の後半行
程の圧力設定値p3と、ロードセル10の出力A2を演
算処理して得られる圧力測定値pxとが、それぞれ適宜
サンプリング周期で供給される。
【0022】偏差検出部21では、圧力設定値p1(ま
たはp2またはp3)と圧力測定値pxとから、両者の
差分を算出し、これを偏差(圧力の偏差)eとしてPI
D演算部22へ出力する。PID演算部22では、入力
された偏差eを用いて、PID(比例・積分・微分)動
作に基づくフィードバック制御を行うための演算処理、
すなわち次式による演算処理を実行し、圧力測定値px
を圧力設定値p1(またはp2またはp3)に一致させ
るための操作量uを算出する。なお、次式において、P
i,Ii,DiはPID定数である。
【0023】
【数1】
【0024】出力変換部23では、PID演算部22か
らの出力たる操作量uを、操作量値u→制御出力値y2
の出力変換式、すなわちy2=g(u)によって、制御
出力値y2として演算変換処理して求め、これをスイッ
チ部27へ出力する。
【0025】スイッチ部27は、可塑化・樹脂送り込み
行程、および樹脂量計量行程の前半行程においては、出
力変換部23からの制御出力値y2を無条件で選択し
て、D/A変換部28へ出力するように制御される。
【0026】速度制御パターン作成部24では、樹脂量
計量行程の後半行程における、樹脂量計量行程の後半行
程の開始時点の実測スクリュ位置を始点とし、樹脂圧力
条件設定格納部14に格納された前記した樹脂量計量行
程の後半行程におけるスクリュの後退制限ストローク幅
で規定されるスクリュ後退限規制位置を終点とする、ス
クリュストローク軸(位置軸)に沿って、各位置s1毎
に設定された樹脂量計量行程の後半行程の速度設定値v
1に基づいて、樹脂量計量行程の後半行程における速度
制御パターンを生成し、これを偏差カウンタ25へ出力
する。また、偏差カウンタ25へは、エンコーダ11の
出力A3に基づく、樹脂量計量行程の後半行程における
現在のスクリュ位置情報が入力される。
【0027】偏差カウンタ25は、速度制御パターン作
成部24からの位置軸に沿った速度制御パターン情報
と、スクリュの現在位置情報とに基づき、樹脂量計量行
程の後半行程におけるスクリュの現在位置に応じた速度
の偏差を、速度制御指令値出力部26へ出力する。速度
制御指令値出力部26では、出力変換部23とほぼ同様
の出力変換の演算処理等を行って、演算処理結果を制御
出力値y1として、スイッチ部27へ出力する。
【0028】樹脂量計量行程の後半行程においては、ス
イッチ部27は、出力変換部23からの制御出力値y2
と、速度制御指令値出力部26からの制御出力値y1と
を常時監視して、両者y1,y2の大小関係を判定して
おり、y1>y2である際には、出力変換部23からの
制御出力値y2をD/A変換部28へ出力し、y1≦y
2となると、速度制御指令値出力部26からの制御出力
値y1をD/A変換部28へ出力する。
【0029】図3は、上記した制御出力値y1とy2と
の関係を示す、樹脂量計量行程の後半行程の様子を示す
説明図で、同図の横軸はスクリュストローク(スクリュ
位置)を示し、同図の縦軸は速度を示している。
【0030】図3に示すように、予め定められた所定時
間にわたる、樹脂量計量行程の前半行程の圧力フィード
バック制御(時間軸に沿った圧力フィードバック制御)
が終了すると、予め定められた所定時間にわたる、樹脂
量計量行程の後半行程の圧力フィードバック制御(時間
軸に沿った圧力フィードバック制御)が開始される。こ
の樹脂量計量行程の後半行程の時間軸に沿った圧力フィ
ードバック制御では、圧力測定値pxが、樹脂量計量行
程の後半行程の圧力設定値p3と一致するように圧力優
先のフィードバック制御が行われ、出力変換部23から
は、圧力測定値pxが圧力設定値p3に一致するように
制御する制御出力値y2が出力される。この制御出力値
y2は、サーボモータ6に対しては見かけ速度指令値と
して与えられるものであるが、圧力優先制御のための制
御出力であるため、図3に示すように、速度制御出力と
しては、あるばらつき範囲Sをもつものとなる。
【0031】一方、速度制御指令値出力部26の出力す
る制御出力値y1は、樹脂量計量行程の後半行程のスク
リュ後退限位置を規定するためのものであって、図3に
示すように、スクリュ位置に沿った樹脂量計量行程の後
半行程の終期位置区間を除いて、制御出力値y2よりも
十分に大きな値をとるように設定されており、樹脂量計
量行程の後半行程の終期位置区間においては、制御出力
値y2のばらつき範囲Sによるy2の変動の如何によっ
ては、樹脂量計量行程の後半行程の完了前に(すなわ
ち、予め定められた所定の樹脂量計量行程の後半行程の
時間が経過する前に)、y1≦y2となる場合もあるよ
うに、制御出力値y1はその減速パターン特性が定めら
れている。
【0032】したがって、保圧フィードバック制御部1
7のスイッチ部28は、予め定められた所定の樹脂量計
量行程の後半行程の時間が経過する前に、y1≦y2と
なると、D/A変換部28への出力を、制御出力値y2
から制御出力値y1へと切り替えて、これによって、樹
脂量計量行程の後半行程のスクリュ後退限位置が、制御
出力値y1の減速パターン特性で規定される所定位置
(図3中に示すように、樹脂量計量行程の後半行程の開
始位置からの後退制限ストローク幅で規定されるスクリ
ュ後退限規制位置)となるように、制御出力の切り替え
制御を行う。
【0033】また、予め定められた所定の樹脂量計量行
程の後半行程の時間内において、y1≦y2とならなか
った場合には、すなわち、樹脂量計量行程の後半行程の
時間内で最後までy1>y2である場合には、スイッチ
部27は、D/A変換部28への出力として制御出力値
y2を最後まで選択し続けることになる。このようにス
イッチ部27が最後まで制御出力値y2を出力し続ける
場合には、樹脂量計量行程の後半行程の完了時点でのス
クリュ位置(スクリュ後退限位置)は、上記したスクリ
ュ後退限規制位置の手前か、もしくはスクリュ後退限規
制位置と一致することになる。
【0034】ここで、本実施形態のような制御を行わな
い、樹脂量計量行程の後半行程の時間軸に沿った圧力フ
ィードバック制御を行った際、すなわち、樹脂量計量行
程の後半行程中においてスクリュ後退限位置の規制を行
わない、時間軸に沿った圧力フィードバック制御を行っ
た際において、良好な可塑化・計量がなされているとき
の樹脂量計量行程の後半行程の完了時点でのスクリュ位
置(スクリュ後退限位置)のばらつきの平均値を、前記
のスクリュ後退限規制位置に設定したと仮定すると、本
実施形態では、樹脂量計量行程の後半行程の完了時点で
のスクリュ位置のばらつき範囲は、従来の1/2に低減
されることなり、以って、計量容積のばらつきが従来よ
りも小さくなる。また、例えば、良好な可塑化・計量が
なされているときの樹脂量計量行程の後半行程の完了時
点でのスクリュ位置のばらつき範囲内における、スクリ
ュ後退量の少ない方の値を、前記のスクリュ後退限規制
位置に設定すれば、樹脂量計量行程の後半行程の完了時
点でのスクリュ位置は概ねスクリュ後退限規制位置に収
斂するようになり、以って、計量容積が安定する。
【0035】図4は、本実施形態の射出成形機の表示装
置上に表示された可塑化・計量条件の設定画面の1例を
示す図である。同図において、31は可塑化・樹脂送り
込み行程の条件設定欄、32は、樹脂量計量行程の前半
行程の条件設定欄33と、樹脂量計量行程の後半行程の
条件設定欄34とからなる、樹脂量計量行程の条件設定
欄である。
【0036】可塑化・樹脂送り込み行程の条件設定欄3
1には、可塑化・樹脂送り込み行程のスクリュストロー
クの設定部31aと、スクリュ回転数の設定部31b
と、樹脂圧の設定部31cとが設けられている。また、
樹脂量計量行程の前半行程の条件設定欄33には、樹脂
量計量行程の前半行程の時間の設定部33aと、樹脂圧
の設定部33bとが設けられていると共に、最新ショッ
トにおける樹脂量計量行程の前半行程の完了時点での、
可塑化・樹脂送り込み行程完了時スクリュ測定位置から
の後退幅(スクリュが後退した場合はマイナス表示)の
表示部33cが設けられている。また、樹脂量計量行程
の後半行程の条件設定欄34には、樹脂量計量行程の後
半行程のスクリュの後退制限ストローク幅の設定部34
aと、樹脂量計量行程の後半行程の時間の設定部34b
と、樹脂圧の設定部34cとが設けられていると共に、
最新ショットにおける樹脂量計量行程の後半行程の完了
時点での、樹脂量計量行程の前半行程の完了時点でのス
クリュ測定位置からのスクリュの後退ストローク幅の表
示部34dが設けられている。そして、オペレータは、
良好な可塑化・計量が行われているときの、表示部34
dの表示データを参照することにより、後退制限ストロ
ーク幅の設定部34aでの設定値を適正値に設定できる
ようになっている。
【0037】図5は、図4の画面上の各設定数値と対応
付けた、本実施形態の可塑化・計量行程の時間軸に沿っ
た様子の1例を示す説明図であり、同図の横軸は時間を
表し、同図の縦軸は樹脂圧とスクリュ回転数を表してい
る。
【0038】図5において、N1は、可塑化・樹脂送り
込み行程で設定されたスクリュ回転数設定値で、ここで
は350rpmに設定されている。N2は可塑化・樹脂
送り込み行程のスクリュ回転数の実測値である。
【0039】また、M1は、可塑化・計量行程の各行程
に応じて設定された樹脂圧設定値で、可塑化・樹脂送り
込み行程では100kgf/cm2 に、樹脂量計量行程
の前半行程では150kgf/cm2 に、樹脂量計量行
程の後半行程では10kgf/cm2 に、それぞれ設定
されている。M2は、可塑化・計量行程の各行程の樹脂
圧実測値である。
【0040】図5に示すように、本実施形態では、樹脂
量計量行程の前半行程の樹脂圧設定値を、可塑化・樹脂
送り込み行程の樹脂圧設定値よりも大きくしてある。こ
のようにする所以は、先にも述べたように、可塑化・樹
脂送り込み行程ではスクリュ回転による推進力(圧力)
の影響を受け、正確な樹脂圧のコントロールが行われて
いないため、可塑化・樹脂送り込み行程の完了時には樹
脂密度にばらつきがあり、この樹脂密度のばらつきを無
くすには、可塑化・樹脂送り込み行程の樹脂圧よりも大
きな樹脂圧を、所定時間だけ圧力フィードバック制御に
よって(時間軸に沿った圧力フィードバック制御によっ
て)付加すると、樹脂密度のばらつきが良好に低減でき
ることが、実験的に立証されたからである。
【0041】また、図5に示すように、本実施形態で
は、樹脂量計量行程の後半行程の樹脂圧設定値を、樹脂
量計量行程の前半行程の樹脂圧設定値よりも格段に小さ
くしてある。このようにする所以は、樹脂量計量行程の
前半行程で高められた樹脂圧をこのまま射出開始の直前
まで維持すると、加熱シリンダ先端のノズルから溶融樹
脂がドルーリング(鼻たれ現象:drooling)す
る虞があるため、これを防止するためにサックバックと
ほぼ同等の効果を樹脂量計量行程の後半行程で得るため
である。
【0042】なお、ドルーリング防止弁を備えたノズル
をもつ射出成形機の場合には、上述した樹脂量計量行程
の後半行程を設ける必要はなく、この場合には、樹脂量
計量行程を、可塑化・樹脂送り込み行程の樹脂圧設定値
よりも大きな樹脂圧設定値とした、圧力1段設定の圧力
フィードバック制御によって実行するようにして、前記
した後退制限ストローク幅は、樹脂量計量行程の開始時
点の位置を基準として設定するようになせばよい。
【0043】図6は、図4の画面上の各設定数値と対応
付けた、本実施形態の可塑化・計量行程のスクリュスト
ローク軸に沿った様子の1例を示す説明図であり、同図
の横軸はスクリュストローク(スクリュ位置)を表し、
同図の縦軸は樹脂圧を表している。
【0044】図6に示すように、樹脂圧実測値M2は、
可塑化・樹脂送り込み行程の開始位置から立ち上がっ
て、可塑化・樹脂送り込み行程の終了位置まで、すなわ
ち樹脂量計量行程の前半行程の開始位置まで(ここで
は、可塑化・樹脂送り込み行程の開始位置を基準位置0
としたとき、28.50mmの位置まで)、可塑化・樹
脂送り込み行程の樹脂圧設定値に倣うように、圧力フィ
ードバック制御される。樹脂量計量行程の前半行程の開
始位置からは、樹脂量計量行程の前半行程の樹脂圧設定
値に倣うように、0.3秒の間だけ圧力フィードバック
制御が行われて、この結果、スクリュは所定量だけ前進
して、樹脂量計量行程の前半行程の終了時点(樹脂量計
量行程の後半行程の開始時点)では、スクリュ位置は基
準位置0から、例えばこの場合は28.35mmの位置
をとる。そして、この28.35mmが実測されて、樹
脂量計量行程の後半行程の開始時点の位置として認知さ
れると共に、樹脂量計量行程の後半行程の開始時点の位
置28.35mmに、樹脂量計量行程の後半行程のスク
リュの後退制限ストローク幅1.20mmを加算した位
置、すなわち、29.55mmのスクリュ位置が、スク
リュがそれ以上後退できない位置(スクリュ後退限規制
位置)として設定される。樹脂量計量行程の後半行程の
開始時点の位置からは、樹脂量計量行程の後半行程の樹
脂圧設定値に倣うように、0.2秒の間だけ圧力フィー
ドバック制御が行われて、この結果、スクリュは所定量
だけ後退して、樹脂量計量行程の後半行程の終了時点で
は、スクリュは29.55mmの位置またはその直前の
位置で停止することとなる。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、インライ
ンスクリュ式の射出成形機において、樹脂密度のばらつ
きを抑えると同時に、可塑化・計量行程の完了時点での
スクリュ位置のばらつきをも抑えることが可能となり、
精密成型等に好適な、良好かつ安定した可塑化・計量を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態に係るインスクリュ式の射
出成形機の要部構成を示す説明図である。
【図2】図1中の圧力フィードバック制御部の構成の1
例を示す説明図である。
【図3】本発明の1実施形態における、制御出力値y1
とy2との関係を示す、樹脂量計量行程の後半行程の様
子を示す説明図である。
【図4】本発明の1実施形態における、表示装置上に表
示された可塑化・計量条件の設定画面の1例を示す説明
図である。
【図5】本発明の1実施形態における、図4の画面上の
各数値と対応付けた、可塑化・計量行程の時間軸に沿っ
た様子の1例を示す説明図である。
【図6】本発明の1実施形態における、図4の画面上の
各数値と対応付けた、可塑化・計量行程のスクリュスト
ローク軸に沿った様子の1例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 加熱シリンダ 2 スクリュ 3 スクリュ回転用のサーボモータ 6 射出用のサーボモータ 9 エンコーダ 10 ロードセル 11 エンコーダ 12 可塑化・計量条件設定格納部 13 スクリュ回転数設定格納部 14 樹脂圧力条件設定格納部 15 可塑化・計量制御部 16 スクリュ回転数フィードバック制御部 17 圧力フィードバック制御部 18 サーボアンプ 19 サーボアンプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱シリンダ内にスクリュを回転並びに
    前後進可能であるように配設し、スクリュを回転駆動す
    るスクリュ回転駆動源と、スクリュを前後進駆動する射
    出駆動源とを具備した射出成形機の制御方法であって、 可塑化・計量行程の第1段階である可塑化・樹脂送り込
    み行程を、スクリュ回転数をフィードバック制御するこ
    とによりスクリュを回転駆動制御しつつ、スクリュに対
    して圧力フィードバック制御を行うことで実行し、 上記可塑化・樹脂送り込み行程に引き続く、可塑化・計
    量行程の第2段階である樹脂量計量行程を、スクリュの
    回転を停止させた状態で、スクリュに対して時間軸に沿
    った圧力フィードバック制御を行うことで実行すると共
    に、この樹脂量計量行程における最終のスクリュ後退限
    位置を規定する後退限規定値を設定して、樹脂量計量行
    程の期間においてもスクリュの現在位置を監視し、樹脂
    量計量行程期間中に、スクリュが上記後退限規定値で規
    定される位置を超えることがないように制御する、こと
    を特徴とした射出成形機の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、 前記樹脂量計量行程の少なくとも当初の所定時間は、前
    記可塑化・樹脂送り込み行程の圧力フィードバック制御
    の設定圧力値よりも高い設定圧力値によって、圧力フィ
    ードバック制御を行うようにした、ことを特徴とした射
    出成形機の制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載において、 前記樹脂量計量行程の前半期間は、前記可塑化・樹脂送
    り込み行程の圧力フィードバック制御の設定圧力値より
    も高い設定圧力値によって、圧力フィードバック制御を
    行い、前記樹脂量計量行程の後半期間は、サックバック
    効果をもたらせることが可能な程度の低い設定圧力値に
    よって、圧力フィードバック制御を行うようにした、こ
    とを特徴とした射出成形機の制御方法。
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