JP2000238271A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2000238271A
JP2000238271A JP4411799A JP4411799A JP2000238271A JP 2000238271 A JP2000238271 A JP 2000238271A JP 4411799 A JP4411799 A JP 4411799A JP 4411799 A JP4411799 A JP 4411799A JP 2000238271 A JP2000238271 A JP 2000238271A
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ink
discharge
ejection
electrode
jet recording
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JP4411799A
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English (en)
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Yoshinobu Fukano
善信 深野
Mamoru Okano
守 岡野
Atsushi Onose
敦士 小野瀬
Seiji Yonekura
清治 米倉
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】隣接するインク吐出部間の電気的な相互干渉を
抑制する構成の記録ヘッドを備えたインクジェット記録
装置を提供する。 【解決手段】絶縁性基板と、その基板上に補助部を介し
て配置される吐出部と、吐出部を挟んで配置され、吐出
部からインクを吐出するための吐出電極と、その吐出電
極を内包する被覆部とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置に関し、特に帯電された色剤粒子を含む顔料系イン
クを静電気力により記録媒体上に吐出させて印字するイ
ンクジェット記録ヘッド及びそれを用いた装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液体のインクを小さな液滴として記録媒
体上に吐出させて、記録ドットを形成し画像を記録する
装置は、インクジェットプリンタとして実用化されてい
る。このインクジェットプリンタは、他の記録方式と比
べて騒音が少なく、また記録媒体上に直接記録するので
他の記録方式よりも少ない部品数でプリンタを実現する
ことができるなどの利点を有しているため、普通紙記録
技術として注目されている。インクジェットプリンタの
記録方式としては、これまで発熱体の熱により発生する
気泡の圧力でインク滴を吐出させる方法(例えば特公昭
56−9429号)や圧電素子の歪みによって発生する体積変
化に伴う機械的な圧力によりインク滴を吐出させる方法
(例えば特公昭53−12138 号)などが考案されてきた。
上述の2つの方式では記録媒体上の一つ一つの記録ドッ
トに対するインク滴の吐出量が一定であるため、カラー
画像の印字においては、記録ドット間の疎密を空間的に
変化させて擬似的な階調表現が行われている。しかし、
この階調表現方法では写真と同等の高階調なカラー画像
を印字することは困難である。より高階調な画像を印字
するためには、記録ドットの面積を変化させるいわゆる
面積変調による階調表現が必要となる。しかし、上述の
2つの方式ではインク滴の吐出量が一定であるため、面
積変調による階調表現は極めて困難である。
【0003】この欠点を克服する記録方式として、基板
上に並列に配列された複数の電極に電圧を印加し、静電
気力を用いてインクあるいはインク中の色剤粒子を吐出
させる方式が考案された。具体的には、特開昭56−4467
号に開示されているように静電吸引力によりインクを吐
出させる方式や特表平7−502218 号に開示されているよ
うに帯電された色剤粒子を含むインクを用い色剤粒子の
濃度を高めて吐出させる方式などが提案されている。後
者の方式における前記インクジェット記録ヘッドの具体
的な形状としては、片面上にインク吐出用電極が形成さ
れた絶縁性電極基板をスペーサを介して積層させて複数
の吐出電極を有するマルチヘッドを構成するか、または
平板状の絶縁性基板上にインク吐出用電極を所望の解像
度の印字間隔で並列に薄膜電極として形成させて、これ
をマルチヘッドとして構成する方法が知られている。図
11は平板状の絶縁性基板上に薄膜電極を並列に配置し
たタイプのマルチヘッド基本構成の一例である。インク
ジェット記録ヘッドの中には複数のインク吐出用電極2
4が所望の解像度に対応した1ライン分のドット数だけ
並列に並べられており、インク吐出用電極24間にはイ
ンクがインクタンク(図中明示せず)から供給されてい
る。インク吐出用電極24の先端から長手方向に沿って
例えば1mm離れた位置に平板状の対向電極2が配置され
ており、その対向電極2の上に記録媒体が置かれてい
る。各々のインク吐出用電極24にはインクを吐出させ
るためのパルス電源9とインクの吐出を補助するための
バイアス電源8が接続されている。各々のパルス電源9
には駆動回路(図中明示せず)から個別に制御信号が送
られることによって、印字データに応じて各々のインク
吐出用電極24から独立してインク滴が吐出されるよう
になっている。すべてのインク吐出用電極24には例え
ば1.5〜2.0kV程度のバイアス電圧が印加されてお
り、インクを吐出させる場合には該当するインク吐出用
電極24に例えば300〜500V程度のパルス電圧を
重畳させる。ここで、パルス電圧の幅を変化させること
によってインクの吐出量を制御することができ、記録媒
体上に形成される記録ドットの面積を制御することがで
きるのがこの方式の利点である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで図11におい
て、各々のインク吐出用電極24は、印字パターンに応
じて個別にインクを吐出している。例えば、印字パター
ンによっては左から3番目のインク吐出用電極24に着
目すると、その両側に隣接するインク吐出用電極24に
印加される電圧が異なる場合、例えば、左から2番目の
インク吐出用電極24にはバイアス電圧Vb にパルス電
圧Vp が重畳されているのに対して、左から4番目のイ
ンク吐出用電極24にはバイアス電圧Vb だけが印加さ
れている場合がある。この場合、インク吐出電極間の電
気的相互干渉(クロストーク)によって左から3番目の
インク吐出用電極24先端での電位分布が非対称にな
り、歪んでしまう。その結果、左から3番目のインク吐
出電極24先端からインクが吐出される時、インクはま
っすぐに吐出されなくなってしまい、安定なインク吐出
が得られない。したがって、良好な印字画像が得られな
いという問題が生じる。このような問題を解決する発明
として、WO97/27057 においてインク吐出点を両脇から
1対の電極で挟んだ構造を有するインク吐出部を積層さ
せた構成により、電気的相互干渉を抑制する構成が知ら
れている。しかし、この構成において吐出点となる部材
には、比誘電率が3〜4程度の有機材料が用いられてい
る。上述の構成においてこのような材料を用いた場合に
おいても、隣接する吐出部間の電気的相互干渉は残って
おり、電気的相互干渉による記録媒体上での着弾位置ず
れ量は2次元の電界計算から図5(b)に示すように見
積もられる。ここで、吐出部材の比誘電率が3程度の場
合を見ると吐出点の先端と対向電極間のギャップが1mm
の場合には着弾位置ずれ量がおよそ60μmとなってし
まい、電気的相互干渉を抑止する効果がほとんど得られ
ないという問題が生じている。
【0005】本発明は上述した問題に鑑みてなされたも
のであり、複数のインク吐出用電極が配列されているマ
ルチヘッドにおける電極間の電気的相互干渉を抑制する
ことで、安定なインク吐出を実現し良好なカラー画像印
字を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、以下に述べる構成を採っている。絶
縁性基板と、その基板上に補助部を介して配置される吐
出部と、吐出部を挟んで配置され、吐出部からインクを
吐出するための吐出電極と、吐出電極を内包する被覆部
とを備えた構成とする。
【0007】本発明では隣接するインク吐出セル間では
どのような印字パターンにおける電圧の印加の仕方に対
しても、電気的な相互干渉による電位分布の歪みを抑制
することができる。また、インクはインク吐出セル内の
吐出部材の先端から常に正しい方向に吐出されて、記録
媒体上での着弾位置のずれを低減でき、長期間にわたり
安定したインク吐出特性が得られるインクジェット記録
用ヘッドまたは、そのヘッドを用いた装置を実現でき
る。
【0008】更には、吐出部は、スイッチを介して接地
させる構成とする。
【0009】本発明では、吐出部材と補助部材との界面
にトラップされた電荷を定期的に放電させることによ
り、トラップされた電荷による不要な電界の発生を防ぐ
ことが可能なインクジェット記録装置が提供できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面に基づいて
具体的に説明する。
【0011】図3は、本発明に関わるインクジェット記
録ヘッド1を用いたプリンタの構成を示している。イン
クタンク12からインク6が供給用のポンプ13aによ
り吸引され、インク循環路14aを通じて前記記録ヘッ
ド1に供給される。ここで、前記インク6は前記インク
循環路14aと記録ヘッド1との間のインク導入路15
により前記記録ヘッド1の流路に供給され、流路内を図
中の上から下の方向に流れる。前記インクジェット記録
ヘッド1にはインク吐出セル3が印字の主走査方向に並
列に複数配列されている。各々のインク吐出セル3には
個別にパルス電源9と共通のバイアス電源8が接続され
ている。また、前記パルス電源9には駆動回路10から
の制御信号が接続されており、パーソナルコンピュータ
等から送られてくる印字データに応じて各々のパルス電
源9へ制御信号が独立して送信されることにより、前記
インク吐出セル3への電圧の印加が制御されるようにな
っている。前記パルス電源9から電圧が印加された前記
インク吐出セル3からは、前記インク吐出セル3の先端
近傍の電界により前記インク6中に分散されている帯電
した色剤粒子(図中に明示せず)が凝集され、凝集され
た色剤粒子は接地された対向電極2に向かって吐出され
る。その結果、前記対向電極2上の記録媒体5に色剤粒
子の凝集体によるドットが形成されて、印字が行われ
る。前記記録ヘッド1の中の流路を流れたインク6は回
収用のポンプ13bにより吸引されて、インク循環路1
4bを通じて前記インクタンク12に戻されて、再び印
字に使用される。
【0012】図1は、第1の実施例に関わる前記インク
ジェット記録ヘッド1の基本構造を示す上面図である。
前記インクジェット記録ヘッド1は、図1に示すように
インク吐出セル3を例えば250μmの間隔を置いて並
列に並べた構成になっている。インク吐出セル3は吐出
部材32と前記吐出部材32を中心にしてこれを挟むよ
うに両脇に配置された吐出用電極31とから構成されて
いる。図2は第1の実施例に関わる前記インクジェット
記録ヘッド1の中の一つのインク吐出セル3の斜視図で
ある。前記インクジェット記録ヘッド1は図2に示す前
記インク吐出セル3を印字の主走査方向に並列に並べた
構造になっている。吐出用電極31および吐出部材32
は、1枚の絶縁性基板22上に真空蒸着または無電解め
っきなどの方法により成膜された金属である。ただし、
吐出部材32は補助部材19を介して前記絶縁性基板2
2上に成膜されており、周囲から電気的に絶縁された状
態(フローティングの状態)にある。前記補助部材19
には例えばポリイミドなどが用いられる。他方、吐出用
電極31は被覆部材4によってコーティングされてお
り、前記被覆部材4が吐出用電極31を内包した構造に
なっている。前記吐出部材32と吐出用電極31との間
はインク流路になっており、毛細管現象により供給側か
ら常にインク6を吸い上げて、前記吐出部材32の先端
を濡らしている。前記吐出部材32の先端はインク表面
から例えば50〜100μm程度突出している。隣接す
るインク吐出セル3の吐出用電極31間は被覆部材4に
より覆われており、隣接する吐出用電極31間の隙間に
インク6が浸透しないようにしている。吐出用電極31
の先端部分での電界の強さは、吐出部材32の先端部と
同程度であるため、インク6が吐出用電極31の周辺に
満たされていると吐出用電極31の先端部分からインク
6が吐出されてしまう。そこで、隣接する吐出用電極3
1間を被覆部材4で塞ぐことにより、不要な吐出を防い
でいる。また図1に示すように、吐出部材32の長手方
向に沿って前記吐出部材32の先端から例えば1mm程度
離れた位置に対向電極2が配されており、その上に置か
れた記録媒体5の上に印字が行われる。複数の前記イン
ク吐出セル3中の吐出用電極31には、それぞれインク
の吐出を補助するための共通のバイアス電源8とインク
を吐出させる為に用いられるパルス電源9が接続されて
いる。本発明において印字を行うとき、1ライン中で印
字すべきドットの位置に該当する前記吐出用電極31に
接続している前記パルス電圧源9に駆動回路10から印
字信号が与えられる。その結果、印字信号が与えられた
全ての前記パルス電圧源9に接続している前記吐出用電
極31に挟まれた前記吐出部材32から同時に独立して
帯電した色剤粒子が凝集された前記インク6が吐出さ
れ、印字が行われる。この時、従来の技術ではインクを
吐出させる部材そのものが電極になっており、このイン
ク吐出用電極に関して、接続されたパルス電圧源9に印
字信号が与えられた電極と与えられていない電極とが隣
接している場合、隣接するインク吐出用電極間で印加さ
れている電圧が異なるため前記インク吐出用電極間に電
気的な相互干渉(クロストーク)が発生する。
【0013】本発明の特徴は、吐出用電極31とこれに
囲まれた吐出部材32から成るインク吐出セル3におい
て吐出部材32に周囲から電気的に絶縁させた状態の
(フロートさせた状態の)導体を用いることにある。な
お、フロートさせた状態にある導体をポリイミドなどの
絶縁材料の薄膜によりコーティングして、吐出部材表面
へのインク6中の帯電した色剤粒子の固着を抑制しても
よい。具体的には、インク吐出セル3を上述した構成に
することにより、隣接するインク吐出セル間で印加され
る電圧が異なる場合でも、吐出部材32先端部分での電
位分布の対称性を保つことができる。その結果、電位分
布の歪みによる吐出部材32の先端部分での電界の方向
の偏りすなわちインク吐出方向の偏りを抑えることがで
きる。このメカニズムについて、以下、詳細に述べる。
図4はインク吐出セル3と対向電極2間における電位分
布を2次元で計算した結果を等電位線で表示した結果で
ある。等電位線の間隔は56Vである。図中において紙
面上の水平方向をy軸方向,垂直方向をx軸方向にとっ
ている。図4における計算条件は以下の通りである。図
4において、各インク吐出セル3の吐出用電極31への
印加電圧はそれぞれ吐出用電極31a,31b,31e
に2.5kV(バイアス電圧のみ)、吐出用電極31c,
31dには2.8kV(バイアス電圧にパルス電圧300
V重畳)とした。吐出部材32の先端から1mm離れた位
置に接地された(0V)の平板状対向電極を置いた。隣
接するインク吐出セル3の間隔は250μmである。吐
出用電極31a〜31eの幅は20μmである。吐出部
材32a〜32bの幅は50μmであり、先端の尖り角
は60°、先端曲率半径は10μmである。また、各々
の吐出用電極と吐出部材との間にあるインク流路の幅は
20μmである。各吐出用電極を覆っている被覆部材の
比誘電率は3.4、インクの比誘電率は2.6である。図
4において吐出部材32dを有するインク吐出セルに着
目すると、吐出部材32cを有するインク吐出セルには
2.8kV の電圧が印加されているのに対して、吐出部
材32eを有するインク吐出セルには2.5kV の電圧
が印加されているために吐出部材32d周辺の電位分布
は左右で非対称になっている(吐出部材32cについて
も同様である。)。しかし、吐出部材32dの近傍の電
位分布だけを見ると、等電位線の形は吐出部材32dの
中心軸に関してほぼ左右対称になっていることが分か
る。
【0014】そこで、吐出部材32dについて図5
(a)のようなモデルを考えて、対向電極でのインク滴
の着弾位置ずれ量を計算した。図5(a)において、電
気的な相互干渉が無い場合には、インク滴は色剤粒子の
凝集体として吐出部材32の先端部分から対向電極2に
向かって真っ直ぐに吐出される。しかし電気的な相互干
渉が存在するのは、図中に示すように前記吐出部材32
の先端部分の電界の方向は相互干渉の影響により傾く。
インク滴は、吐出部材32の先端において電界と帯電し
た色剤粒子の凝集体との静電反発力がインク6の表面張
力に打ち勝つことによって吐出することができる。ここ
で、吐出部材32の先端部分で電界が最も強いところか
らインク表面が破れてインク滴が吐出されるが、その吐
出方向は吐出部材32先端表面での電界の向きに一直線
に吐出される。したがって、理想的な吐出方向からの電
界ベクトルの傾き角をθとすると、吐出部材32の先端
から距離Dgap だけ離れたところにある対向電極上での
理想的な着弾位置からのずれ量δは以下のように与えら
れる。
【0015】 δ=Dgap ×tanθ (1) 図4の計算における電圧印加条件の下で、式(1)によ
り計算した吐出部材32先端と対向電極2間の距離D
gap と着弾位置ずれ量δとの関係は図5(b)のグラフ
ようになる。図4の計算はDgap =1(mm)、吐出部材
32が導体であり、吐出用電極31に印加されるパルス
電圧がVp =300(V)の場合であるから、図5
(b)のグラフより着弾位置ずれ量δはおよそ20μm
と見積もられる。ところで、図4の電位分布は2次元で
計算したものであり、吐出用電極31や吐出部材32な
どは紙面に垂直な方向に無限の厚さを持った形状をして
いるという仮定が暗黙のうちに含まれている。このよう
な無限長導体間の電位分布は導体間の距離Dの自然対数
に比例するので、長距離的な相互作用の下で各々の導体
の電位が決まる。他方、実際の吐出用電極31や吐出部
材32は有限の厚さである。このような場合の電位分布
は、上述の導体間の距離Dの自然対数ではなく、距離D
もしくは距離Dの2乗に反比例するので、2次元の場合
よりも実際は短距離の相互作用の下で電位分布が決まる
と考えられる。
【0016】すなわち、2次元の電界計算では最も強い
電気的な相互干渉の条件で計算していることになり、実
際の電気的な相互干渉は2次元の計算の場合よりも弱い
ことになる。したがって、実際の印字での着弾の位置ず
れ量δは、20μm以下になると見積もられる。例えば
600dpi の印字ではドット間隔はおよそ42μmであ
るが、印字画像上では20μm以下の着弾位置ずれは実
用上問題のないレベルである。さらに図5(b)のグラ
フから明らかなように、吐出部材32先端と対向電極間
の距離Dgap を短くすることにより、着弾位置ずれ量を
さらに低減することが可能となる。
【0017】以上、本実施例によって隣接するインク吐
出セル間の電気的相互干渉を抑制し、インクが吐出され
る吐出部材先端における電界分布を歪めることがなくな
る。その結果、対向電極上にある記録媒体に形成される
ドットの着弾位置ずれを抑制することが可能となる。
【0018】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図6(a)は、第2の実施例に関わるインクジェ
ット記録装置用の記録ヘッドの基本構造を示した図であ
る。インクジェット記録ヘッド1の中には複数のインク
吐出セル3が所望の解像度に対応した1ライン分のドッ
ト数だけ並列に並べられている。1つのインク吐出セル
3は吐出部材32と前記吐出部材32を囲むように配置
された吐出用電極31とから構成されている。吐出部材
32と吐出用電極31との間の隙間はインク流路になっ
ており、インクタンク12(図中明示せず)から供給さ
れるインク6が毛細管現象によって吐出部材32の先端
まで満たされている。インク吐出セル3の先端は、基板
の端面から例えば100μm突出している。インク吐出
セル3の先端から長手方向に沿って例えば1mm離れた位
置に平板状の対向電極2が配置されており、前記対向電
極2の上に記録媒体5が置かれている。各々のインク吐
出セル3中の吐出用電極31にはインクを吐出させるた
めのパルス電源9とインクの吐出を補助するためのバイ
アス電源8が接続されている。各々のパルス電源9には
駆動回路10から個別に制御信号が送られることによっ
て、印字データに応じて各々の吐出部材32から独立し
て前記吐出部材32周辺の電界によって凝集された帯電
した色剤粒子の集まりがインク滴として吐出されるよう
になっている。本実施例においてインク吐出セル3中の
吐出部材32は導体であり、前記吐出部材32はスイッ
チング素子20aを介して、接地されて(0V)いる。
印字動作中すなわちインクが吐出される間はスイッチン
グ素子20aは開放状態になっているので、吐出部材3
2は周囲から電気的に絶縁された(フロートされた)状
態にある。吐出部材32の断面構造は、図6(b)に示
すように絶縁性基板22の上に補助部材19を介して成
膜されているが、吐出部材32と補助部材19との間の
界面には不整合によって電荷のトラップサイトとなる欠
陥が多数存在しており、フロートされた状態で吐出部材
32に電圧が誘起され続けるとこれらの界面の欠陥に電
荷がトラップされたままになる。このような界面にトラ
ップされた電荷は不均一に分布しているので、これらの
トラップされた電荷からは不均一な電界が発生するの
で、前記吐出部材32近傍の電界が乱されてしまうこと
によってインクの吐出が不安定になる恐れがある。そこ
で、例えば1ページの印字動作が終了して次の1ページ
の印字動作に入るまでの印字休止期間中に、前記吐出用
電極31に印加する電圧をオフにするとともにスイッチ
ング素子20aを短絡状態にすることにより、界面にト
ラップされている電荷を放電させることができる。した
がって本実施例により、吐出部材32と補助部材19と
の界面にトラップされた電荷を放電させることが可能と
なり、界面にトラップされた電荷による不均一な電界の
発生を防ぐことが可能となる。その結果、安定したイン
ク吐出特性が得られることになる。
【0019】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図5(b)のグラフにおいて、吐出部材32の材
質としてフロートさせた導体の代わりに誘電体を用いた
場合の着弾位置ずれ量δと吐出部材32先端と対向電極
2間の距離Dgap との関係を併せて示している。図5
(b)において、同じ吐出部材32先端と対向電極2間
の距離Dgap に対して比誘電率第3.4 の場合に比べて
比誘電率第7.5 の場合の方が着弾位置ずれ量δが小さ
いことがわかる。これは、吐出粒材32の比誘電率が高
くしていくと、着弾位置ずれ量δと吐出部材32先端と
対向電極2間の距離Dgap との関係がフロートさせた導
体に近づいていくことを示している。図7(a)および
(b)は、それぞれ吐出部材32の比誘電率が100お
よび3000の場合でのインク吐出セル3と対向電極2
の間の電位分布を計算した結果である。計算の条件は、
吐出部材32の比誘電率を除いて図4の場合と同じであ
る。吐出部材32dの近傍に着目して図7(a)および
(b)を比較すると、両者において電位分布がほとんど
同じであることが分かる。そこで、吐出部材32先端と
対向電極2間の距離Dgap =1(mm)の場合について、
吐出部材32の比誘電率と着弾位置ずれ量δとの関係を
プロットすると図8のようになる。図8より比誘電率が
100以上では、着弾位置ずれ量δはおよそ35μmで
一定になっていることがわかる。この値は、図5(b)
からも分かるように前記吐出部材32にフロートさせた
導体を用いた場合(比誘電率が無限大の場合)とほぼ同
じであり、実用上無視しうる程度の着弾位置ずれ量であ
る。ところで吐出用電極31へ印加される電圧,吐出用
電極31,吐出部材32の形状,インク吐出セル3の配
列ピッチなどに依存して、図8の吐出部材32の比誘電
率と着弾位置ずれ量δとの関係を示す曲線は変化する
が、定性的には前記吐出部材32の比誘電率が高くなる
につれてフロートさせた導体の場合の着弾位置ずれ量に
近づいていく。このことは、図1において吐出部材32
の材質に導体の代わりに、導体の場合の前記吐出部材周
辺の電位分布と同様の電位分布をもたらす比誘電率を有
する誘電体を用いた場合でも、第1の実施例と同じく隣
接するインク吐出セル3間の電気的な相互干渉による着
弾の位置ずれを抑制することができることを示してい
る。したがって、本実施例においてインク吐出セル3中
の吐出部材32の材質に、導体の場合の前記吐出部材周
辺の電位分布と同様の電位分布をもたらす比誘電率を有
する誘電体を用いることにより、吐出部材32が導体で
なくなるので吐出用電極31による静電誘導による誘導
電荷が吐出部材32表面に発生しなくなる。その結果、
補助部材19との界面の欠陥に電荷がトラップされるこ
とがないので、電荷の放電動作無しに連続して印刷して
も安定してインクを吐出させつづけることが可能とな
る。
【0020】次に、本発明の第4の実施例について説明
する。図9(a)は、第4の実施例に関わるインクジェ
ット記録装置用の記録ヘッドの基本構造を示した図であ
る。インクジェット記録ヘッド1の中には1枚の基板上
に複数のインク吐出セル3が所望の解像度に対応した1
ライン分のドット数だけ並列に並べられている。1つの
インク吐出セル3は吐出部材32と前記吐出部材32を
挟むように配置された吐出用電極31とから構成されて
いる。吐出部材32と吐出用電極31との間の隙間はイ
ンク流路になっており、インクタンク12(図中明示せ
ず)から供給されるインク6が毛細管現象によって吐出
部材32の先端まで満たされている。インク吐出セル3
の先端は、基板の端面から例えば100μm突出してい
る。インク吐出セル3の先端から長手方向に沿って例え
ば1mm離れた位置に平板状の対向電極2が配置されてお
り、前記対向電極2の上に記録媒体5が置かれている。
各々のインク吐出セル3中の吐出用電極31にはインク
を吐出させるためのパルス電源9とインクの吐出を補助
するためのバイアス電源8が接続されている。各々のパ
ルス電源9には駆動回路10から個別に制御信号が送ら
れることによって、印字データに応じて各々の吐出用電
極31から独立して吐出部材周辺の電界によって凝集さ
れた帯電した色剤粒子の集まりがインク滴として吐出さ
れるようになっている。本実施例においてインク吐出セ
ル3中の吐出部材32は比誘電率が100以上の誘電体で
あり、前記吐出部材32はスイッチング素子20bを介
して、交流電源23に接続されている。印字動作中すな
わちインクが吐出される間はスイッチング素子20bは
開放状態になっているので、吐出部材32は周囲から電
気的に絶縁された(フロートされた)状態にある。吐出
部材32の断面構造は、図9(b)に示すように絶縁性基
板22の上に補助部材19を介して薄膜電極21aと2
1bに挟まれた構造になっているが、高誘電率材料の場
合には外部から電界が印加された場合にヒステリシス特
性があるために分極状態が初期の状態に戻らず残留分極
が発生してしまう。このような残留分極による不要な電
界によりインク吐出が不安定になることを防ぐために、
本実施例では例えばライン印字動作の間でスイッチング
素子20bを短絡状態にして、吐出部材32を挟んでい
る薄膜電極21aおよび21bの間に交流電源23を印
加する。この時、交流電源23の波形は図10のように
時間とともに振幅が減衰する波形になっている。このよ
うな波形の電圧を吐出部材32に印加することにより残
留分極を初期状態に戻すことができる。したがって本実
施例によって、吐出部材32に比誘電率100以上の高
誘電率材料を用いた場合に吐出部材32内に発生する残
留分極を定期的に初期化することが可能となり、長期間
にわたって安定なインク吐出を維持することができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
隣接するインク吐出セル間の電気的相互干渉を抑制し、
インクが吐出される吐出部材先端における電界分布を歪
めることがなくなり、対向電極上にある記録媒体に形成
されるドットの着弾位置ずれを抑制することが可能なイ
ンクジェット記録ヘッド及びそれを用いた装置を提供で
きる。
【0022】また、吐出部材と補助部材との界面にトラ
ップされた電荷を放電させることが可能となり、不要な
電界の発生を防ぐことが可能となり、安定したインク吐
出特性が得られるインクジェット記録装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に関わるインクジェット
記録ヘッドの基本構造を示す図。
【図2】本発明の第1の実施例に関わるインクジェット
記録ヘッド内のインク吐出セルを示す斜視図。
【図3】本発明に関わるインクジェット方式記録ヘッド
を用いた装置構成を示す図。
【図4】本発明の第1の実施例に関わるインクジェット
記録ヘッドと対向電極間の2次元での電位分布の計算結
果を等電位線で表示した図。
【図5】本発明の第1の実施例に関わるクロストークに
よる着弾位置ずれ量の計算モデル(a)および着弾位置
ずれ量と吐出部材先端と対向電極間の距離との関係(b)
を示す図。
【図6】本発明の第2の実施例に関わるインクジェット
記録ヘッドの基本構造(a)および断面構造(b)を示
す図。
【図7】本発明の第3の実施例に関わるインクジェット
記録ヘッドと対向電極間の2次元での電位分布の計算結
果を等電位線で表示した図。
【図8】本発明の第3の実施例に関わる吐出部材の比誘
電率と着弾位置ずれ量との関係を示す図。
【図9】本発明の第4の実施例に関わるインクジェット
記録ヘッドの基本構造(a)および断面構造(b)を示
す図。
【図10】本発明の第4の実施例に関わる薄膜電極への
印加電圧の波形を示す図。
【図11】従来の技術におけるインクジェット記録ヘッ
ドの基本構造を示す図。
【符号の説明】
1…インクジェット記録ヘッド、2…対向電極、3…イ
ンク吐出セル、4…被覆部材、5…記録媒体、6…イン
ク、8…バイアス電源、9…パルス電源、10…駆動回
路、12…インクタンク、13a,13b…ポンプ、1
4a,14b…インク循環路、15…インク導入路、1
9…補助部材、20a,20b…スイッチング素子、2
1a,21b…薄膜電極、22…絶縁性基板、23…交
流電源、24…インク吐出用電極、31…吐出用電極、
32…吐出部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野瀬 敦士 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 米倉 清治 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 2C057 AF30 AF71 AG16 AG32 AG37 AH07 AM04 AM16 AM40 AP14 AP54 AP55 AR20 BD07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板と、 前記絶縁性基板上に補助部を介して配置される吐出部
    と、 前記吐出部を挟んで配置され、前記吐出部からインクを
    吐出するための吐出電極と、 前記吐出電極を内包する被覆部とを有するインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  2. 【請求項2】請求項1のインクジェット記録ヘッドにお
    いて、 前記吐出部は、周囲から電気的に絶縁されているインク
    ジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】請求項1,2のインクジェット記録ヘッド
    において、 前記吐出部は、誘電体であるインクジェット記録ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】絶縁性基板と、 前記絶縁性基板上に補助部を介して配置される吐出部
    と、 前記吐出部を挟んで配置され、前記吐出部からインクを
    吐出するための吐出電極と、 前記吐出電極を内包する被覆部と、 前記吐出部に対向して配置された対向電極と、 前記吐出電極に電圧を印加するための第1の電源と、第
    2の電源とを有するインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】請求項4のインクジェット記録装置におい
    て、 前記吐出部は、誘電体であるインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】請求項4,5のインクジェット記録装置に
    おいて、 前記吐出部は、スイッチを介して接地されているインク
    ジェット記録装置。
  7. 【請求項7】請求項4のインクジェット記録装置におい
    て、 前記吐出部は、スイッチを介して交流電源に接続されて
    いるインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100691254B1 (ko) * 2005-07-07 2007-03-12 성균관대학교산학협력단 액적공급분사장치 및 액적공급분사방법

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KR100691254B1 (ko) * 2005-07-07 2007-03-12 성균관대학교산학협력단 액적공급분사장치 및 액적공급분사방법

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