JP2000239210A - シクロアルカノンの製造方法 - Google Patents

シクロアルカノンの製造方法

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JP2000239210A JP11042105A JP4210599A JP2000239210A JP 2000239210 A JP2000239210 A JP 2000239210A JP 11042105 A JP11042105 A JP 11042105A JP 4210599 A JP4210599 A JP 4210599A JP 2000239210 A JP2000239210 A JP 2000239210A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高効率でシクロアルカノンを製造する方法を
提供する。 【解決手段】 (A)酸化触媒の存在下、シクロアルカ
ンと分子状酸素と接触させ(酸化反応装置2)、(B)
反応混合物から、触媒、副生する酸成分又はその誘導体
を分離し、(濾過装置3、抽出塔4、加水分解装置7、
けん化装置8)、(C)反応混合物から、シクロアルカ
ンと、シクロアルカノールと、シクロアルカノンとを分
離して(蒸留塔5,6,9及び10)、シクロアルカノ
ールを反応系へリサイクルさせることにより、シクロア
ルカノンを効率よく製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化触媒存在下、
シクロアルカンと分子状酸素とによりシクロアルカノン
を製造する方法において、副生するシクロアルカノール
を効率よく、シクロアルカノンに変換させる方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】シクロアルカノンのうちシクロヘキサノ
ンは、ナイロンの原料であるε−アミノカプロラクタム
を製造する上で有用な化合物である。シクロヘキサノン
の製造において、液相中、触媒として可溶性コバルト塩
(例えば、コバルト0.1〜100ppm)の存在下、
分子状酸素または分子状酸素を含有するガスを用いて、
シクロヘキサンを酸化することによりシクロヘキサノン
とシクロヘキサノールとを生成させ、さらに、副生した
シクロヘキサノールを、脱水素反応器を用いて脱水素反
応に供することにより、シクロヘキサノンに変換するこ
とが知られている(「化学便覧応用化学編」536頁、
昭61.10.15版、日本化学会編、丸善)。しかし、従来の
方法では、副生物の生成量が多く、シクロヘキサノンの
生成割合が低い上に、副生するシクロヘキサノールをさ
らに脱水素処理しなければならない。そのため、工程が
煩雑になるばかりか、シクロヘキサノンを高い効率で得
ることができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、シクロアルカノンを高い生成割合で製造できる方法
を提供することにある。
【0004】本発明の他の目的は、副生するシクロアル
カノールを脱水素工程に供することなく、酸化反応系で
シクロアルカノンを高い選択率で効率よく生成できる方
法を提供することにある。
【0005】本発明のさらに他の目的は、蒸留塔を使用
してシクロアルカノールを分離してリサイクルするとい
う簡単な構成で、シクロアルカノンを高い効率で変換で
きる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討の結果、シクロアルカンの酸化
反応において、副生するシクロアルカノールを酸化反応
系へリサイクルすることにより、効率よくシクロアルカ
ノンに変換できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、酸化触媒の存在下、
シクロアルカンと分子状酸素とを反応させる反応系にお
いて、副生するシクロアルカノールを前記反応系へリサ
イクルさせることにより、高効率でシクロアルカノンを
製造する。
【0008】シクロアルカンとしては、シクロヘキサン
などが利用でき、酸化触媒としては、下記式(I)で表
されるイミド単位を有する化合物(特に、N−ヒドロキ
シフタル酸イミド)が利用できる。さらに酸化触媒は共
酸化剤と併用してもよい。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Xは酸素原子又はヒドロキシル基
を示す。) なお、本発明には、酸化触媒の存在下、シクロアルカン
と分子状酸素とを反応させる反応系において、副生する
シクロアルカノールを蒸留器を用いて分離し、前記反応
系へリサイクルさせるシクロアルカノンの製造方法も含
まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、必要に応じて添付図面を
参照しつつ本発明を詳細に説明する。本発明の方法にお
いては、反応混合物からシクロアルカノンと、シクロア
ルカノールとを分離する工程と、分離したシクロアルカ
ノールを酸化反応系にリサイクルする工程とを備えてい
ればよい。
【0012】図1は、本発明の製造方法を説明するため
のフロー図である。この例では、混合槽1において、酸
化触媒を含む触媒溶液を調製する工程と、(A)酸化反
応装置2において、前記触媒溶液を用いてシクロアルカ
ンと分子状酸素とを接触させてシクロアルカノンを生成
させる工程と、(B1)得られた反応混合物から触媒を
分離するための工程と、(B2)反応混合物から酸成分
を分離する工程と、(C1)触媒及び酸成分が分離され
た反応混合物から低沸点成分を分離する工程と、(B
3)シクロアルカンや水などの低沸点成分が分離された
反応混合物から、カルボン酸エステルなどの不純物を分
離する工程と、(C2)低沸点成分と不純物とが分離さ
れた反応混合物から、高沸点成分を分離する工程とを備
えており、高沸点成分の分離工程(C2)において、シ
クロアルカノンとシクロアルカノールとを分離してい
る。そして、分離、回収されたシクロアルカノールを前
記反応装置2へリサイクルすることにより、シクロアル
カノンを製造している。なお、酸化反応は、反応蒸留に
より行ってもよく、例えば、水及びシクロアルカンを共
沸により留出させ、シクロアルカン相は、全還流させ、
水相を抜き取る反応蒸留で進行させてもよい。また、反
応混合物から分離された触媒は、必要により触媒再生工
程を経て、混合槽1又は反応装置2へリサイクルしても
よい。
【0013】また、触媒、酸成分又はその誘導体を分離
する工程(B)は、反応混合物から前記触媒を分離する
工程(B1)、酸成分を分離する工程(B2)およびカ
ルボン酸エステルなどの不純物を分離する工程(B3)
で構成され、シクロアルカンと、シクロアルカノール
と、シクロアルカノンとを分離する工程(C)は、反応
混合物から低沸点成分を分離する工程(C1)と、高沸
点成分を分離する工程(C2)とで構成されている。
【0014】(酸化触媒)シクロアルカンと分子状酸素
との酸化反応を触媒する酸化触媒としては、式(I)で
表されるイミド単位を有する化合物(以下、単にイミド
化合物という場合がある)が挙げられる。
【0015】
【化4】
【0016】(式中、Xは酸素原子又はヒドロキシル基
を示す。) 好ましい酸化触媒は、下記式(II)で表される。
【0017】
【化5】
【0018】(式中、R1 及びR2 は、同一又は異なっ
て、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル
基を示し、R1 及びR2 は、互いに結合して二重結合、
あるいは芳香族性又は非芳香族性環を形成してもよく、
1及びR2 により形成される芳香族性又は非芳香族性
環は、前記式(I)で示されるイミド単位を少なくとも
1つ有していてもよい。Xは前記に同じ) 前記式(II)の化合物において、置換基R1 及びR2
のうちハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素及びフッ
素が含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s
ec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプ
チル、オクチル、デシル基などの炭素数1〜10程度の
直鎖状又は分岐鎖状アルキル基(好ましくは、C1-6
ルキル基、特にC1-4 アルキル基)が含まれる。
【0019】アリール基には、フェニル基、ナフチル基
などが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などのC3-10
シクロアルキル基が含まれる。アルコキシ基には、例え
ば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチル
オキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜10程度の
アルコキシ基、好ましくはC1-6 アルコキシ基、特にC
1-4 アルコキシ基が含まれる。
【0020】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度の
アルコキシカルボニル基(好ましくは、C1-6 アルコキ
シ−カルボニル基、C 1-4 アルコキシ−カルボニル基)
が含まれる。
【0021】アシル基としては、例えば、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、イソバレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6
程度のアシル基が例示できる。
【0022】前記置換基R1 及びR2 は、同一又は異な
っていてもよい。また、前記式(II)において、R1
及びR2 は互いに結合して、二重結合、あるいは芳香族
性又は非芳香族性の環を形成してもよい。好ましい芳香
族性又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員
環程度であり、複素環又は縮合複素環であってもよい
が、炭化水素環である場合が多い。芳香族性又は非芳香
族性環は、前記式(I)で表されるイミド単位を少なく
とも1つ(通常、1又は2)有していてもよい。このよ
うな環には、例えば、非芳香族性脂環族環(シクロヘキ
サン環などの置換基を有していてもよいシクロアルカン
環、シクロヘキセン環などの置換基を有していてもよい
シクロアルケン環など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノ
ルボルネン環などの置換基を有していてもよい橋かけ式
炭化水素環など)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置
換基を有していてもよい芳香族環が含まれる。前記環
は、芳香族環で構成される場合が多い。
【0023】好ましいイミド化合物には、下記式で表さ
れる化合物が含まれる。
【0024】
【化6】
【0025】(式中、R3 〜R6 は、同一又は異なっ
て、水素原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
ル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を
示す。R1 、R2 及びXは前記に同じ)。
【0026】置換基R3 〜R6 において、アルキル基、
アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ハ
ロゲン原子としては、前記と同様の基又は原子が例示で
きる。置換基R3 〜R6 は、通常、水素原子、炭素数1
〜4程度の低級アルキル基、カルボキシル基、ニトロ
基、ハロゲン原子である場合が多い。
【0027】酸化触媒としてのイミド化合物は、酸化反
応において一種又は二種以上使用できる。前記式(I)
で表されるイミド化合物に対応する酸無水物には、例え
ば、無水コハク酸、無水マレイン酸などの飽和又は不飽
和脂肪族ジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸(1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸無水物)、1,2,3,4−シクロヘキ
サンテトラカルボン酸 1,2−無水物などの飽和又は
不飽和非芳香族性環状多価カルボン酸無水物(脂環族多
価カルボン酸無水物)、無水ヘット酸、無水ハイミック
酸などの橋かけ環式多価カルボン酸無水物(脂環族多価
カルボン酸無水物)、無水フタル酸、テトラブロモ無水
フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ニトロフタ
ル酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリ
カルボン酸無水物、無水ピロメリット酸、無水メリト
酸、1,8;4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物などの芳香族多価カルボン酸無水物が含まれる。
【0028】好ましいイミド化合物としては、例えば、
N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシマレイ
ン酸イミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタル酸イミ
ド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカル
ボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミド、N−ヒ
ドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−ヒドロキシ
テトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキシヘット酸
イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミド、N−ヒド
ロキシトリメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシ
ピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒドロキシナフタ
レンテトラカルボン酸イミドなどが挙げられる。特に好
ましい化合物には、脂環族多価カルボン酸無水物、なか
でも芳香族多価カルボン酸無水物から誘導されるN−ヒ
ドロキシイミド化合物、例えば、N−ヒドロキシフタル
酸イミドなどが含まれる。
【0029】[ 酸化触媒の製造工程]前記イミド化合物
は、慣用のイミド化反応、例えば、対応する酸無水物と
ヒドロキシルアミンNH2 OHとを反応させて酸無水物
基を開環した後、閉環してイミド化することにより調製
できる。より具体的には、酸化触媒がN−ヒドロキシフ
タルイミドの場合、触媒原料として無水フタル酸とヒド
ロキシルアミンを使用し、反応で生成する水を除去しな
がら、反応蒸留により酸化触媒を製造してもよい。酸化
触媒の製造は、回分式、半回分式、連続式などの慣用の
方法により行うことができる。
【0030】得られた酸化触媒は、そのまま触媒として
後述の触媒溶液調製工程に供することができる。なお、
後述のように、酸化触媒や共酸化剤は、反応混合液から
分離し、必要に応じて再生し、反応系へリサイクルして
もよい。
【0031】[ ヒドロキシルアミンの製造工程]なお、
酸化触媒原料のヒドロキシルアミンは、例えば、次のよ
うにして製造できる。
【0032】アンモニア(後述の触媒再生工程で副生さ
れるアンモニアであってもよい)を分子状酸素により酸
化し、窒素酸化物を生成させる。この酸化反応での触媒
としては、白金系触媒が一般に使用される。この窒素酸
化物を抽出溶媒(例えば、水など)により抽出してもよ
く、抽出に水を使用する場合には、後述の低沸点成分分
離工程で分離した水を使用してもよい。抽出された窒素
酸化物を、水素による水素添加反応に供し、ヒドロキシ
ルアミンを製造できる。アンモニアを酸化する反応装置
としては、特に制限されないが、チューブ反応器を使用
する場合が多い。窒素酸化物の抽出装置としては、慣用
の装置が使用できる。水素添加反応装置は、慣用の装
置、例えば、攪拌槽型装置などが使用できる。前記反応
は、連続式、回分式または半回分式などの慣用の方法に
より行うことができる。得られたヒドロキシルアミン
は、そのまま酸化触媒製造工程、触媒再生工程に再使用
してもよい。
【0033】(共酸化剤)前記イミド化合物を用いる
と、塩化銅などの共酸化剤を併用しなくても、酸化活性
を高めることができ、穏和な条件であっても、酸化反応
を触媒的に促進できる。そのため、シクロアルカンを効
率よく高い選択率で酸化でき、シクロアルカノンを生成
させることができる。さらに、前記一般式(I)で表さ
れる単位を有するイミド化合物と共酸化剤との共存下で
シクロアルカンを酸化すると、転化率及び/又は選択率
をさらに向上できる。
【0034】助触媒としての共酸化剤には、金属化合
物、例えば、遷移金属化合物や、ホウ素化合物などのよ
うに周期表13族元素(ホウ素B、アルミニウムAlな
ど)を含む化合物が含まれる。共酸化剤は、一種又は二
種以上組合わせて使用できる。
【0035】前記遷移金属の元素としては、例えば、周
期表3族元素(例えば、スカンジウムSc、イットリウ
ムYの外、ランタンLa、セリウムCe、サマリウムS
mなどのランタノイド元素、アクチニウムAcなどのア
クチノイド元素)、周期表4族元素(チタンTi、ジル
コニウムZr、ハフニウムHfなど)、5族元素(バナ
ジウムV、ニオブNb、タンタルTaなど)、6族元素
(クロムCr、モリブデンMo、タングステンWな
ど)、7族元素(マンガンMnなど)、8族元素(鉄F
e、ルテニウムRu、オスミウムOsなど)、9族元素
(コバルトCo、ロジウムRh、イリジウムIrな
ど)、10族元素(ニッケルNi、パラジウムPd、白
金Ptなど)、11族元素(銅Cu、銀Ag、金Auな
ど)などが挙げられる。
【0036】特に、前記式(I)で表されるイミド化合
物と組合せたとき、Ceなどのランタノイド元素、Ti
などの4族元素、Vなどの5族元素、Mo、Wなどの6
族元素、Mnなどの7族元素、Fe、Ruなどの8族元
素、Co、Rhなどの9族元素、Niなどの10族元
素、Cuなどの11族元素を含む化合物は、高い酸化活
性を示す。
【0037】共酸化剤(助触媒)は、前記元素を含み、
かつ酸化能を有する限り特に制限されず、水酸化物など
であってもよいが、通常、前記元素を含む金属酸化物、
有機酸塩、無機酸塩、ハロゲン化物、前記金属元素を含
む配位化合物(錯体)やヘテロポリ酸又はその塩などで
ある場合が多い。また、ホウ素化合物としては、例え
ば、水素化ホウ素(例えば、ボラン、ジボラン、テトラ
ボラン、ペンタボラン、デカボランなど)、ホウ酸(オ
ルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸など)、ホウ酸塩
(例えば、ホウ酸ニッケル、ホウ酸マグネシウム、ホウ
酸マンガンなど)、B2 3 などのホウ素酸化物、ボラ
ザン、ボラゼン、ボラジン、ホウ素アミド、ホウ素イミ
ドなどの窒素化合物、BF3 、BCl3 、テトラフルオ
ロホウ酸塩などのハロゲン化物、ホウ酸エステル(例え
ば、ホウ酸メチル、ホウ酸フェニルなど)などが挙げら
れる。
【0038】有機酸塩としては、例えば、酢酸塩、プロ
ピオン酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩などが例示
され、無機酸塩としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩又は
リン酸塩などが挙げられる。また、ハロゲン化物として
は、例えば、塩化物や臭化物などが例示できる。
【0039】錯体を形成する配位子としては、OH(ヒ
ドロキソ)、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ基などのアルコキシ基、アセチル、プロピオニルなど
のアシル基、メトキシカルボニル(アセタト)、エトキ
シカルボニルなどのアルコキシカルボニル基、アセチル
アセトナト、シクロペンタジエニル基、塩素、臭素など
ハロゲン原子、CO、CN、酸素原子、H2 O(ア
コ)、ホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィンな
どのトリアリールホスフィン)などのリン化合物、NH
3 (アンミン)、NO、NO2 (ニトロ)、NO3 (ニ
トラト)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
ピリジン、フェナントロリンなどの窒素含有化合物など
が挙げられる。錯体又は錯塩において、同種又は異種の
配位子は一種又は二種以上配位していてもよい。
【0040】好ましい錯体には、前記遷移金属元素を含
む錯体が含まれる。前記遷移金属元素と配位子とは適当
に組合せて錯体を構成することができ、例えば、セリウ
ムアセチルアセトナト、コバルトアセチルアセトナト、
ルテニウムアセチルアセトナト、銅アセチルアセトナト
などであってもよい。
【0041】ヘテロポリ酸を形成するポリ酸は、例え
ば、周期表5族又は6族元素、例えば、V(バナジン
酸),Mo(モリブデン酸)及びW(タングステン酸)
の少なくとも一種である場合が多く、中心原子は特に制
限されない。ヘテロポリ酸の具体例としては、例えば、
コバルトモリブデン酸塩、コバルトタングステン酸塩、
モリブデンタングステン酸塩、バナジウムモリブデン酸
塩、バナドモリブドリン酸塩などが挙げられる。
【0042】なお、酸化触媒においてヘテロポリ酸は水
素引抜き反応に関与すると予測され、コバルト化合物や
ホウ素化合物などは過酸化物分解に関与すると予測され
る。前記式(I)で表されるイミド化合物、又はこのイ
ミド化合物(I)と前記共酸化剤とで構成される触媒系
は、均一系であってもよく、不均一系であってもよい。
また、触媒系は、担体に触媒成分が担持された固体触媒
であってもよい。担体としては、活性炭、ゼオライト、
シリカ、シリカ−アルミナ、ベントナイトなどの多孔質
担体を用いる場合が多い。固体触媒における触媒成分の
担持量は、担体100重量部に対して、前記式(I)の
イミド化合物0.1〜50重量部程度である。また、共
酸化剤の担持量は、担体100重量部に対して、0.1
〜30重量部程度である。
【0043】[ 触媒溶液調製工程] 触媒溶液調製工程で
は、所定の触媒濃度に調整するため、前記酸化触媒を、
他の成分(例えば、シクロアルカン、共酸化剤、溶媒な
ど)と混合槽1で混合することにより、触媒溶液を調製
している。
【0044】なお、式(I)のイミド化合物と共酸化剤
との割合は、例えば、イミド化合物/共酸化剤=95/
5〜5/95(モル比)、好ましくは90/10〜20
/80(モル比)、さらに好ましくは85/15〜50
/50(モル比)程度である。また、触媒濃度は、触媒
溶液の供給量に応じて、後述する酸化工程での触媒濃度
となるように調整される。
【0045】このように調整された触媒溶液は、酸化反
応装置2へ供給される。 [ 酸化工程(A)]酸化反応装置2において、酸化触媒
又は共酸化剤の存在下、シクロアルカンを分子状酸素と
反応させることにより、シクロアルカノンを生成させ
る。
【0046】(シクロアルカン) シクロアルカンとして
は、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘ
キサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、メチルシク
ロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘ
キサン、クロロシクロヘキサン、メトキシシクロヘキサ
ン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロドデカン、
シクロペンタデカン、シクロオクタデカンなどのC4-20
シクロアルカンなどが挙げられる。これらのシクロアル
カンは、一種又は二種以上組合わせて使用してもよい。
【0047】 好ましいシクロアルカンには、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタンなどのC
6-12シクロアルカンが挙げられる。通常、シクロヘキサ
ンが使用される。
【0048】なお、シクロヘキサンなどのシクロアルカ
ンの酸化反応での転化率が10%以上であれば、相当優
れた酸化方法であるとされていたが、このような酸化触
媒を使用すると、例えば、酸素雰囲気下、シクロヘキサ
ンと撹拌するだけで、シクロヘキサノンを高い選択率及
び収率(約20〜60%またはそれ以上)で得ることが
できる。そのため、前記酸化方法は、シクロアルカンを
酸化する上で有用である。
【0049】(酸素源) シクロアルカンの酸化に利用さ
れる分子状酸素は、特に制限されず、純粋な酸素を用い
てもよく、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素など
の不活性ガスで希釈した酸素を使用してもよい。操作性
及び安全性のみならず経済性などの点から、空気を使用
するのが好ましい。
【0050】分子状酸素の使用量は、通常、シクロアル
カン1モルに対して、0.5モル以上(例えば、1モル
以上)、好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは
2〜50モル程度である。シクロアルカンに対して過剰
モルの分子状酸素を使用する場合が多い。
【0051】分子状酸素を反応容器内に供給する場合、
予め十分な分子状酸素を供給した後、密閉系で反応を行
ってもよく、連続的に分子状酸素を流通させて行っても
よい。連続的に流通させる場合、酸素の流通速度は、例
えば、単位容積1L当たり0.0001〜10Nm3
分(例えば、0.1〜10Nm3 /分)、好ましくは
0.01〜5Nm3 /分(例えば、0.1〜5Nm3
分)程度である。
【0052】(反応溶媒)本発明の酸化方法は、反応に
不活性な有機溶媒の存在下又は非存在下で行なうことが
できる。有機溶媒としては、例えば、酢酸、プロピオン
酸などの有機酸、アセトニトリル、プロピオニトリル、
ベンゾニトリルなどのニトリル類、ホルムアミド、アセ
トアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル
アセトアミドなどのアミド類、t−ブタノール、t−ア
ミルアルコールなどのアルコール類、ベンゼンなどの芳
香族炭化水素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロ
ロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン
化炭化水素、ニトロベンゼン、ニトロメタン、ニトロエ
タンなどのニトロ化合物、酢酸エチル、酢酸ブチルなど
のエステル類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類、これらの混合溶媒などが挙げら
れる。溶媒としては、有機酸、ニトリル類、アミド類を
用いる場合が多い。なお、過剰量のシクロアルカンを用
いることにより、シクロアルカンを反応溶媒として利用
してもよい。
【0053】 特に、シクロヘキサンを基質及び溶媒とし
て使用した場合には、溶媒を使用することなく酸化反応
に供することができ、溶媒回収工程を省略できる。酸化
触媒(特に、式(I)のイミド化合物)の使用量は、広
い範囲で選択でき、例えば、シクロアルカン1モルに対
して0.001モル(0.1モル%)〜1モル(100
モル%)、好ましくは0.01モル(1モル%)〜0.
5モル(50モル%)、さらに好ましくは0.05モル
〜0.30モル程度であり、0.05モル〜0.25モ
ル程度である場合が多い。
【0054】また、助触媒(共酸化剤)の使用量も、例
えば、シクロアルカン1モルに対して0.001モル
(0.1モル%)〜0.7モル(70モル%)、好まし
くは0.005〜0.5モル、さらに好ましくは0.0
1〜0.3モル程度であり、0.005〜0.1モル程
度である場合が多い。
【0055】ヘテロポリ酸又はその塩を共酸化剤として
使用する場合、シクロアルカン100重量部に対して
0.1〜25重量部、好ましくは0.5〜10重量部、
さらに好ましくは1〜5重量部程度である。
【0056】本発明の酸化反応では、比較的温和な条件
であっても酸化反応が円滑に進行するという特色があ
る。反応温度は、例えば、0〜300℃、好ましくは3
0〜250℃、さらに好ましくは50〜200℃程度で
あり、通常、70〜180℃程度で反応する場合が多
い。また、反応は、常圧または加圧下で行なうことがで
き、加圧下で反応させる場合には、通常、1〜100a
tm(例えば、1.5〜80atm)、好ましくは2〜
70atm、さらに好ましくは5〜50atm程度であ
る場合が多い。反応時間(流通式反応においては滞留時
間)は、反応温度及び圧力に応じて、例えば、1分〜4
8時間、好ましくは1〜36時間、さらに好ましくは2
〜24時間程度の範囲から適当に選択できる。
【0057】なお、反応温度及び/又は反応圧力が高い
場合には、酸化反応速度を増加させることができるが、
カルボン酸類や過酸化物が副生する場合もある。 酸化反
応は、分子状酸素の存在下又は流通下、回分式、半回分
式、連続式などの慣用の方法により行うことができる。
反応は、水を除去しながら行う反応蒸留で行ってもよ
く、後述の低沸点成分の分離工程におけるデカンター5
aなどの水分離装置と組み合わせて水を除去する反応蒸
留で行ってもよい。装置としては、慣用の装置が使用で
き、連続式又は半回分式反応装置では、シクロアルカン
と分子状酸素(または分子状酸素を含有するガス)の一
方の成分又は各成分とを1又は複数個所から供給しても
よい。さらに、混合効率を高めるために、反応成分の供
給口をノズル状に形成してもよい。各成分の添加順序
は、特に制限されない。反応装置は、1槽でも2槽以上
連続的に接続してもよい。
【0058】[ 触媒分離工程(B1)]酸化反応装置2
の反応混合物は、必要により反応混合物を冷却して、1
又は複数の濾過装置3を用いて濾過し、析出する触媒
(例えば、N−ヒドロキシフタルイミド)を濾別してい
る。冷却温度又は濾過温度は、0〜100℃、好ましく
は5〜70℃、さらに好ましくは10〜50℃程度であ
る。この工程の処理操作は、連続式、回分式又は半回分
式で行うことができ、濾過装置としては、慣用の装置、
例えば、遠心濾過、フィルタープレスなどが利用でき
る。
【0059】また、分離された触媒(共酸化剤を含む)
は、反応系へリサイクルしてもよく、焼却処理に供し、
共酸化剤(例えば、コバルトなどの遷移金属)を回収し
て、再使用してもよい。この例では、濾過装置3により
触媒成分が分離された反応混合物は、酸成分の分離工程
(B2)を経て低沸点成分の分離工程(C1)に供され
る。
【0060】なお、触媒分離工程では、慣用の方法(例
えば、濾過、蒸留、晶析など)により触媒を分離でき
る。 [ 酸成分の分離工程(B2)]反応混合物は、副生した
高沸点の酸成分又はその誘導体(例えば、エステルな
ど)を含有する場合がある。そのため、通常、反応混合
物は、抽出塔4における抽出や蒸留により高沸点の酸成
分を除去して低沸点成分の分離工程に供される。抽出溶
媒として水などを使用した場合、抽出された高沸点の酸
及び水を含む成分は、後述する加水分解などによる不純
物除去工程に再使用してもよい。
【0061】また、抽出は、蒸留(抽出蒸留)により行
ってもよい。抽出装置としては、慣用の装置が使用で
き、これらの装置は、単独で又は二種以上組合わせて使
用してもよい。
【0062】[ 低沸点成分の分離工程(C1)]酸化反
応装置2の反応混合物には、低沸点成分(未反応のシク
ロアルカン、水、溶媒、低沸点不純物など)、高沸点成
分(シクロアルカノン、シクロアルカノール、高沸点不
純物など)が含まれている。図1において、酸成分が除
去された反応混合物からの低沸点成分(低沸点不純物成
分を含む)の分離は、1又は複数の蒸留塔(蒸留塔5、
6)を用いて行われる。この蒸留操作により、第1の蒸
留塔5の塔底からシクロアルカノンおよびシクロアルカ
ノールを含む成分(高沸点成分)が留出し、塔頂からシ
クロアルカン、水などの低沸点成分を含む留出液が留出
する。第2の蒸留塔6では、第1の蒸留塔5の塔頂から
の留出液を、塔底から留出するシクロアルカンと、塔頂
から留出する低沸点不純物とに分離している。なお、第
1の蒸留塔5の塔頂からの留出液は、水を分離するた
め、デカンター5aを経て第2の蒸留塔6に供給されて
いる。
【0063】さらに、第2の蒸留塔6で分離されたシク
ロアルカンは、混合槽1又は酸化反応装置2へリサイク
ルしている。なお、デカンター5aで分離された水は、
排水処理してもよいが、触媒原料(ヒドロキシルアミ
ン)の製造工程において窒素酸化物を回収するための抽
出水として使用してもよい。
【0064】蒸留塔(回収塔)の段数は、例えば、5〜
80段、好ましくは20〜60段程度であってもよい。
蒸留操作は、シクロアルカンの種類に応じて、塔頂温度
5〜180℃(好ましくは40〜120℃)程度、塔底
温度50〜250℃(好ましくは70〜150℃)程
度、圧力1mmHg〜20atm(好ましくは100m
mHg〜5atm)程度であってもよく、慣用の方法、
例えば、適当な還流比(例えば、0.1〜50、好まし
くは1〜20程度)で留出分を還流させながら行うこと
ができる。
【0065】なお、低沸点成分の分離は、慣用の分離手
段、例えば、濃縮、蒸留、蒸発、抽出などの分離手段、
又はこれらを組合わせた分離手段が使用できる。低沸点
成分の分離は、例えば、反応混合物から共沸により低沸
点成分を分離してもよい。また、反応混合物から低沸点
成分を分離するためには蒸留だけでもよいが、シクロア
ルカンを分離するために、1つの分離工程で行ってもよ
いが、複数の分離工程を組合わせるのが有利である。必
要により蒸留塔5で蒸留された留分(低沸点成分)の冷
却、及び留分中の水を除去するための分液(デカンター
など)とを組合わせて、水とシクロアルカン留分とを分
離してもよい。さらに、シクロアルカン留分は、精製す
ることなく、酸化反応系に反応原料として再使用しても
よいが、不純物を分離して、高純度のシクロアルカンと
し、反応の原料として再使用してもよい。
【0066】[ 不純物分離工程(酸成分の誘導体を分離
する工程)(B3)]第1の蒸留塔5により低沸点成分
を分離した混合物は、酸化反応において副生した高沸点
の酸成分(例えば、カルボン酸など)の誘導体(例え
ば、エステルなど)などを含有する場合がある。これら
不純物を分離するため、低沸点成分が分離された反応混
合物を不純物分離工程に供するのが好ましい。この操作
により、より高純度のシクロアルカノン、シクロアルカ
ノールを得ることができる。
【0067】図1において、低沸点成分が分離された反
応混合物は、加水分解塔7に供給されて加水分解処理さ
れ、この処理液は、中和及び/又はけん化塔8におい
て、混合物中の水を還流させながら、アルカリ(又はそ
の塩)を用いて中和及び/又はけん化している。なお、
加水分解塔7の水相は、高沸点不純物(触媒成分など)
を含む場合があるため、触媒回収装置11に供給され、
中和及び/又はけん化塔8の有機相(不純物が除去され
た反応混合物)は、分液器(デカンター8a)により水
分を分離した後、高沸点成分分離工程に供される。
【0068】なお、加水分解や中和及び/又はけん化に
よる不純物の除去は、蒸留などにより行ってもよく、反
応蒸留により行ってもよい。また、水、アルカリ又はそ
の塩などを使用して、蒸発、抽出、抽出蒸留、中和、け
ん化などにより行うことができる。より効率的に不純物
を除去するためには、これらの操作を組合わせて行うの
が有利である。蒸発、抽出、抽出蒸留、中和、けん化の
方法は、水、アルカリ又はその塩を用いて、連続式、回
分式、又は半回分式で行ってもよい。さらに、1又は複
数の分離工程で行ってもよい。
【0069】この工程でのけん化温度は、50〜200
℃、好ましくは80〜150℃程度である。圧力は0.
001〜20atm、0.1〜15atm程度ある。ア
ルカリ又は塩としては、特に制限されないが、例えば、
アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)
又はアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム)の
水酸化物又は塩、例えば、アルカリ金属水酸化物(例え
ば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなど)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素
リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムな
ど)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸リチウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウムなど)、アルカリ土類金属水酸化物
(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなど)、アル
カリ土類金属炭酸塩(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ムなど)などが挙げられる。また、必要であれば、アン
モニア又は有機塩基(アミン類など)を用いてもよい。
好ましいアルカリは、アルカリ金属水酸化物(水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)であ
る。
【0070】アルカリ水溶液(又はスラリー)として
は、通常、pHが7以上(好ましくは7〜10)程度の
水溶液を用いることができる。アルカリ水溶液(又はス
ラリー)の濃度は、幅広い範囲から選択できるが、通
常、操作性がよい範囲から選択でき、例えば、1〜90
重量%程度、好ましくは5〜60重量%、さらに好まし
くは10〜30重量%程度である。
【0071】[ 高沸点成分の分離工程(シクロアルカノ
ンの分離工程)(C2)]低沸点成分および不純物が除
去された反応混合物には、シクロアルカノン及びシクロ
アルカノールが含まれ、副生物、触媒(助触媒を含む)
などの高沸点不純物が残存する場合がある。そのため、
反応混合物を、高沸点成分の分離工程(蒸留塔9、10
による分離工程)に供し、シクロアルカノンとシクロア
ルカノールとをそれぞれ分離するとともに、高沸点不純
物(副生物、酸化触媒、共酸化剤など)も分離してい
る。
【0072】すなわち、図1において、高沸点成分の分
離は、第1の蒸留塔9の塔底からの留出液を第2の蒸留
塔10に供給し、塔頂からシクロアルカノン、塔底から
高沸点不純物を留出させている。また、蒸留塔10にお
いて、シクロアルカノールをサイドカット(例えば、段
数のうち、下から10〜80%の高さの段から)により
分離している。この例では、蒸留塔10で分離されたシ
クロアルカノールを、前記反応装置2の反応系にリサイ
クルして、シクロアルカノールをシクロアルカノンに変
換している。そのため、脱水素工程を経ることなく、効
率よくシクロアルカノンを生成できる。なお、第1の蒸
留塔9の塔頂からは、けん化工程の有機相に含まれてい
る低沸点不純物が留出する。
【0073】第1の蒸留塔9を利用すると、上記のよう
に、反応混合物に前記不純物除去工程で、抽出、加水分
解、けん化又は中和処理された処理物(中沸点不純物)
が残存する場合、シクロアルカノンとシクロアルカノー
ルとの分離に先立って、蒸留操作により中沸点不純物を
除去できる。蒸留塔(回収塔)の段数は、例えば、5〜
80段、好ましくは20〜60段程度であってもよい。
蒸留操作は、シクロアルカノンの種類に応じて、塔頂温
度5〜200℃(好ましくは40〜120℃)程度、塔
底温度50〜250℃(好ましくは70〜150℃)程
度、圧力1mmHg〜20atm(好ましくは100m
mHg〜5atm)程度であってもよく、慣用の方法、
例えば、適当な還流比(例えば、0.1〜50、好まし
くは1〜20程度)で留出分を還流させながら行うこと
ができる。
【0074】蒸留塔10の塔底から分離した高沸点不純
物は、そのまま焼却処理してもよいが、共酸化剤(例え
ば、コバルトなどの遷移金属)を含む場合、触媒回収装
置11に供給し、それらを分離し、触媒酸化反応系へ再
使用してもよい。
【0075】なお、高沸点成分の分離は、前記蒸留手段
に限らず、慣用の分離手段、例えば、濃縮、蒸留、蒸
発、抽出などの分離手段又はこれらを組合わせた分離手
段が採用できる。好ましい分離手段は、少なくとも蒸留
手段を含む。また、蒸留塔9の塔頂から中沸点不純物を
留出させ、塔底からシクロアルカノールを留出させると
ともに、シクロアルカノンをサイドカットにより分離す
ることができる。
【0076】さらに、高沸点成分の分離は、1又は複数
の蒸留又は分離工程で行ってもよい。高純度のシクロア
ルカン及びシクロアルカノールを得るために、高沸点不
純物及び中沸点不純物の分離を組合わせて行うのが有利
である。
【0077】[ リサイクル工程]本発明では、蒸留塔1
0で分離されたシクロアルカノールを、前記反応装置2
の反応系にリサイクルし、シクロアルカノールをシクロ
アルカノンに変換している。そのため、脱水素工程を経
ることなく、リサイクルという簡単な操作で、シクロア
ルカノンを高い効率で生成させることができる。
【0078】[ 触媒再生工程]反応混合物中の触媒成分
は、前記触媒分離工程(B1)、不純物除去工程(B1
及びB2)及び高沸点成分分離工程(C2)により分離
される。分離された酸化触媒は、触媒再生装置13に供
給され、再生できる。反応により変質又は活性が低下し
た酸化触媒の再生は、変質した酸化触媒が、主に、イミ
ド化合物に対応する多価カルボン酸又はその酸無水物
(例えば、フタル酸イミド、無水フタル酸など)で構成
されていることに着目して、ヒドロキシルアミンで処理
又は反応させることにより酸化触媒を再生できる。ヒド
ロキシルアミンは、前記ヒドロキシルアミン製造工程で
製造したヒドロキシルアミンを使用してもよい。また、
再生反応は、生成するアンモニアなどを除去しながら行
う反応蒸留により行ってもよい。
【0079】反応は、前記酸化触媒製造工程と同様に、
回分式、半回分式、連続式により慣用の方法で行うこと
ができる。反応装置は、前記と同様の装置が使用でき、
それら装置は一槽又は二槽以上使用してもよい。また、
反応装置は、慣用の装置が使用でき、これらの装置は、
前記触媒製造工程で使用した装置をそのまま使用しても
よい。
【0080】得られた酸化触媒(N−ヒドロキシフタル
イミドなど)は、そのまま触媒として触媒溶液調製工程
に使用してもよい。共酸化剤は、前記のように金属成分
を回収して、そのまま触媒として触媒溶液調製工程に使
用してもよい。
【0081】図2は、本発明の他の例を示すフロー図で
ある。この例のプロセスは、反応により変質又は活性が
低下した触媒を再生するための触媒再生プロセスを除い
て、前記図1に示すプロセスと基本的に共通している。
すなわち、濾過装置などの触媒分離装置3などにより反
応混合物から分離された触媒成分は触媒再生装置13に
供給される。この触媒再生装置13では、活性が低下又
は変質した触媒成分(イミド化合物に対応する多価カル
ボン酸又はその酸無水物(例えば、フタル酸イミド、無
水フタル酸など))をヒドロキシルアミンで処理又は反
応させることにより再生している。再生反応は、酸素又
は空気を供給するとともに、生成するアンモニアなどを
除去しながら行われる。
【0082】前記ヒドロキシルアミンは、次のようにし
て得ることができる。すなわち、アンモニア酸化器14
においてアンモニア(前記触媒再生装置13から生成す
るアンモニアであってもよい)を分子状酸素により酸化
し、窒素酸化物NOxを生成させる。この酸化反応での
触媒としては、白金系触媒が一般に使用される。生成し
た窒素酸化物NOxは、回収塔15で回収される。NO
xの回収は、抽出溶媒(例えば、水など)による抽出操
作、晶析操作、蒸留操作などを利用して行うことができ
る。反応器16において、回収された窒素酸化物NOx
を水素添加することによりヒドロキシルアミンを製造で
きる。このようにして得られたヒドロキシルアミンは、
前記触媒再生装置13に供給される。
【0083】前記触媒再生装置13で再生された触媒
(イミド化合物)は、濾過装置などの分離器17により
分離され、必要によりシクロアルカンなどと混合してタ
ンク18に貯留される。このタンク18内の触媒は、使
用に際して脱水塔19に供給され、脱水された後、前記
触媒調製のための混合槽1へ供給される。一方、前記分
離器17で分離された非触媒成分は、蒸留塔20に供給
され、塔頂からの留出分(低沸点成分)は、前記低沸点
成分の分離工程に供することができる。 [ 溶媒除去又は回収工程]本発明の酸化反応に溶媒を使
用する場合、溶媒を、その沸点に応じて、適当な工程
(例えば、前記低沸点又は高沸点成分分離工程)で分
離、回収してもよく、、溶媒回収装置をさらに付加して
溶媒を分離、回収してもよい。分離した溶媒は、反応系
にリサイクルしてもよく、前記触媒溶液の調製溶媒に使
用してもよい。
【0084】図3は本発明のさらに他の例を示すフロー
図である。この例では、シクロアルカンなどの低沸点留
出分よりも高い沸点を有する溶媒(例えば、酢酸など)
を用いた方法において、溶媒を分離回収するためのプロ
セスが示されている。
【0085】すなわち、反応装置2からの反応混合物
は、蒸発器21に供給され、この蒸発器21の塔頂から
の低沸点留出分は、前記と同様の低沸点成分の分離工程
に供給される。一方、蒸発器21の塔底から留出する留
出分(触媒成分、高沸点成分、溶媒など)は脱溶媒塔2
2に供給され、脱溶媒塔22の塔底からの留出分は、触
媒分離装置3に供給され、分離装置3で分離された触媒
成分は前記と同様な触媒再生装置13に供給される。触
媒分離装置13により触媒成分が分離された高沸点成分
は、前記酸成分分離工程に供することなく、加水分解塔
7およびけん化塔8を経て、上記と同様の高沸点成分の
分離工程に供給されている。
【0086】一方、脱溶媒塔22の塔頂からの留出分
は、溶媒として反応系にリサイクルされるとともに、混
合タンク23において、前記触媒再生装置13で再生さ
れた触媒、前記低沸点成分の分離工程における第1の蒸
留塔5の塔底からの留出分と混合され、混合タンク23
の混合液は、触媒成分を回収及び脱水するための蒸留塔
24に供給される。この蒸留塔24の塔頂からの留出分
は、前記低沸点成分の分離工程に供され、蒸留塔24の
塔底からの留出分は、前記触媒溶液を調製するための混
合槽に供給される。
【0087】なお、溶媒として、シクロアルカンなどの
低沸点成分と同等又は低い沸点を有する溶媒を用いる場
合には、低沸点成分の分離工程(例えば、第1の蒸留塔
など)で溶媒を回収し、反応溶媒としてリサイクルする
ことができる。また、シクロアルカノン及びシクロアル
カノールより高い沸点を有する溶媒を用いる場合には、
シクロアルカノン及びシクロアルカノールを分離した
後、溶媒を含む成分を酸化工程や触媒溶液調製工程に供
してもよい。
【0088】本発明において、酸化反応装置2の反応混
合物は、触媒分離工程に供することなく、シクロアルカ
ンを含む低沸点成分と、シクロアルカノン及びシクロル
カノールを含む高沸点成分とに分離してもよい。
【0089】図4は本発明の別の例を示すフロー図であ
る。この例では、酸化反応装置2の反応混合物は、低沸
点成分と高沸点成分とに分離するため、蒸留塔32に供
給される。この蒸留塔32の塔頂からの低沸点留分は、
前記と同様にシクロアルカンと低沸点不純物とを分離す
るため、第1の蒸留塔5及び第2の蒸留塔6に供給さ
れ、低沸点の分離工程(C1)に供される。
【0090】一方、蒸留塔32の塔底からの高沸点留分
(触媒成分、高沸点成分など)は、必要により反応混合
物を冷却して、1又は複数の濾過装置33を用いて濾過
し、析出する触媒を濾別している。触媒成分を分離した
反応混合物は、高沸点成分と高沸点不純物とを分離する
ため、蒸留塔39に供給される。この蒸留塔39の塔頂
からの留出分は、蒸留塔40に供給され、前記と同様に
シクロアルカノンとシクロアルカノールとを分離するた
めの高沸点成分の分離工程(C2)に供され、シクロア
ルカノールは反応装置2へリサイクルされる。また、蒸
留塔39の塔底からの高沸点不純物は、触媒と高沸点酸
成分又はその誘導体を含んでいる。そのため、この例で
は、蒸留塔39の塔底からの高沸点留出分は、触媒回収
装置41に供給される。なお、高沸点不純物は、前記の
ように触媒、酸成分又はその誘導体の分離工程に供し、
各成分を分離してもよい。
【0091】なお、本発明において、前記触媒製造工
程、ヒドロキシルアミン製造工程、触媒溶液調製工程、
触媒分離工程、不純物分離工程、低沸点成分の分離工
程、触媒再生工程、溶媒除去又は回収工程などは、必ず
しも行う必要はないが、シクロアルカノンを高効率で得
るためには、酸化工程、高沸点成分の分離工程及びリサ
イクル工程に加えて、低沸点成分の分離工程、および不
純物分離工程を組み合わせて行うのが有利であり、触媒
溶液調製工程を使用すると、安定してシクロアルカノン
を得ることができる。
【0092】また、各工程の順序は、特に制限されず、
前記の方法と異なっていてもよい。例えば、反応混合物
から低沸点成分を分離した後、低沸点成分が分離された
反応混合物から触媒、酸成分又はその誘導体と高沸点成
分とを分離し、高沸点成分からシクロアルカノンと、シ
クロアルカノールとを分離してもよく、反応混合物から
触媒、酸成分又はその誘導体を分離し、これら不純物が
分離された反応混合物から低沸点成分と高沸点成分とを
分離してもよい。さらに、触媒、副生する酸成分又はそ
の誘導体の分離操作は個別に行う必要はなく、1つの工
程で行ってもよい。
【0093】なお、酸化反応、加水分解やけん化工程に
おいて、反応装置としては、慣用の装置が使用でき、装
置の形状は球形、円形などであってもよい。反応装置内
部には、特別な装置を必要としないが、ドラフトのよう
な内部の混合を制御するような装置や、多孔板のような
内部を多室に分割するような装置を備えていてもよい。
また、攪拌効率を高めるために、攪拌羽根のような機械
的攪拌装置を有していてもよい。反応には、1又は複数
の反応槽を用いてもよい。さらに、蒸留塔及び抽出蒸留
塔としては、タナ段塔、多孔板塔、充填塔(規則充填
塔、不規則充填塔)、泡鐘塔、バルブ塔などが使用でき
る。抽出装置としては、慣用の装置、例えば、ミキサー
セトラー、多孔板塔、スプレー塔、充填塔、リング&プ
レート塔、回転円板抽出塔、カールカラムなどが例示で
きる。蒸発器としては、慣用の装置、例えば、自然循環
式、水平管型蒸発器、自然循環式垂直短管型蒸発器、水
平管下降膜型蒸発器、垂直長管下降膜型蒸発器、強制循
環式水平管型蒸発器、強制循環式垂直管型蒸発器、攪拌
膜型蒸発器などが例示できる。これらの装置は、1又は
複数で使用してもよく、単独で又は二種以上組合わせて
使用してもよい。
【0094】
【発明の効果】本発明では、シクロアルカンの酸化反応
により副生するシクロアルカノールを、酸化反応系にリ
サイクルさせることにより、脱水素工程を経ることな
く、高効率でシクロアルカノンを得ることができる。さ
らに、分離(蒸留)装置を使用することにより、シクロ
ヘキサノールを分離でき、シクロアルカノンに有効に変
換できる
【0095】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0096】実施例1 (1)触媒溶液調製工程 シクロヘキサン10000g/H、N−ヒドロキシフタ
ルイミド10g/H、コバルトアセトナート64g/H
の割合で触媒溶液を調製した。 (2)酸化工程 触媒溶液の割合、シクロヘキサン840g/H、空気
1.3Nm3 /Hの供給速度で反応装置2へ供給し、1
60℃、40atm、滞留時間2時間で、反応させたと
ころ、シクロヘキサンの転化率11%で、シクロヘキサ
ノンが選択率40%、シクロヘキサノールが選択率49
%で得られた。 (3)触媒分離工程 反応粗液を、20℃まで冷却し、濾過にて触媒を分離
し、分離した触媒は焼却処理し、コバルトを回収して反
応系へリサイクルし、再使用した。抽出塔4において、
濾液はリング&プレートを用いて、20℃、水による抽
出工程に供し、高沸酸などを抽出した。 (4)低沸点成分分離工程 有機相は、30段の多孔板塔5にて、水とシクロヘキサ
ンとの共沸によりシクロヘキサン/シクロヘキサノール
(KAオイル)及び高沸点成分とを分離させ、留出液は
デカンターにて水相とシクロヘキサン相に分離し、水を
除去した。シクロヘキサン相は30段の多孔板塔6に
て、低沸点成分を分離し、缶出から得たシクロヘキサン
は反応系へリサイクルし、再使用した。 (5)不純物除去工程 KAオイル及び高沸点成分液は、上記で得られた高沸酸
の酸性水溶液により、30段の多孔板塔7を用いて、高
沸点のエステルを加水分解させ、高沸酸の一部を分離
し、焼却処理した。留出液は、さらに5重量%の水酸化
ナトリウム水溶液及び5重量%炭酸ナトリウム水溶液を
1:1で混合した液にて、40段の多孔板塔8を用い
て、高沸点の酸および高沸点のエステルをけん化又は中
和し、除去した。留出液は、デンカンターにて水相とK
Aオイル相に分離し、水は還流させた。 (6)高沸点成分分離工程 KAオイル相は、20段の泡鐘塔9を用いて、中沸点成
分を分離した。KAオイルおよび高沸点成分は、60段
の多孔板塔10を用いて、製品シクロヘキサンを採取し
た。この方法での精製効率は90%、製品純度は99%
であた。 (7)リサイクル工程 また、上から50段目からシクロヘキサノールを採取
し、反応系へリサイクルしたところ、98%収率でシク
ロヘキサノンを容易に変換させることができた。脱水素
反応器を用いることなく、多孔板塔10の塔底からの高
沸点成分は、焼却処理した。
【0097】実施例2 (1)触媒溶液調製工程 シクロヘキサノン1000g/H、N−ヒドロキシフタ
ルイミド160g/H、コバルトアセトナート64g/
Hの割合で触媒液を調製した。 (2)酸化工程 触媒溶液割合、シクロヘキサン840g/H、空気1.
3Nm3 /Hの供給速度で反応装置22に供給し、16
0℃、40atmで滞留時間4時間で反応させたとこ
ろ、シクロヘキサンの転化率32%で、シクロヘキサノ
ンが選択率89%、シクロヘキサノールが選択率5%で
得られた。 (3)触媒分離工程 この反応粗液を20℃まで冷却し、濾過にて触媒を分離
した。抽出塔24において、濾液はリング&プレートを
用いて、20℃水にて抽出工程に供し、高沸酸などを抽
出した。 (4)低沸点分離工程 有機相は30段の多孔板塔25にて、水とシクロヘキサ
ンの共沸によりKAオイル及び高沸点成分と分離させ、
留出液はデカンターにて、水相とシクロヘキサン相に分
離した。シクロヘキサン相は30段の多孔板塔26に
て、低沸点成分を分離し、缶出から得たシクロヘキサン
は反応系へリサイクルし、再使用した。 (5)不純物除去工程 KAオイルおよび高沸点成分液は、上記で得られた高沸
酸の酸性水溶液により、30段の多孔板塔を用いて高沸
エステルを加水分解させ、高沸酸の一部を分離し、焼却
処理した。留出液は、さらに5重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液及び5重量%炭酸ナトリウム水溶液を1:1で
混合した液にて、40段の多孔板塔を用いて、高沸酸お
よび高沸エステルをけん化又は中和し、除去させた。留
出液はデカンターにて、水相とKAオイル相に分離し、
水は還流させた。 (6)高沸点分離工程 KAオイル相は、20段の泡鐘塔29を用いて、中沸点
成分を分離した。KAオイルおよび高沸点成分は、60
段の多孔板塔210を用いて、製品を採取した。この製
造方法での、精製収率は91%、製品純度は99%であ
った。 (7)リサイクル工程 また、上から50段目からシクロヘキサノールを採取
し、反応系へリサイクルしたところ、97%収率でシク
ロヘキサノンを容易に変換することができた。従来必要
であった脱水素反応器を省略できた。高沸点成分は、焼
却処理し、コバルトを回収して反応系へリサイクルし、
再使用した。 (8)触媒再生工程及び触媒原料製造工程 触媒は、ヒドロキシルアミンと30段の多孔板塔を用い
て、触媒を再生した。再生された触媒は、30段の多孔
板塔を用いて、水分を除去した後、反応系へリサイクル
し再使用した。また、触媒中のシクロヘキサンも反応系
へリサイクルし、再使用した。触媒再生および触媒製造
に用いられるヒドロキシルアミンは、触媒再生時に副生
されるアンモニアをチューブリアクターで白金触媒を用
いて、酸化反応を行い、NOx (NO2 、N2 3 、N
2 5 など)を生成し、前記低沸点成分分離工程で分離
した水を用いて、リング&プレートにて吸収し、水素添
加反応により、ヒドロキシルアミンを製造した。
【0098】実施例3 (1)触媒溶液調製工程 酢酸10000g/H、N−ヒドロキシフタルイミド1
60g/H、コバルトアセトナート64g/Hの割合で
触媒液を調製した。 (2)酸化工程 触媒溶液割合とシクロヘキサン840g/H、空気1.
3Nm3 /Hの供給速度で反応装置32へ供給し、75
℃、40atmで滞留時間4時間で反応させたところ、
シクロヘキサンの転化率31%で、シクロヘキサノンが
選択率90%、シクロヘキサノールが選択率5%で得ら
れた。 (3)低沸点成分分離工程 この反応粗液を強制循環式蒸発器により、シクロヘキサ
ン、水などの低沸点成分と酢酸、KAオイル、触媒など
の高沸点成分に分離した。シクロヘキサン、水などの低
沸点成分から、30段の多孔板塔を用いて、水とシクロ
ヘキサンの共沸により分離させ、デカンターにて、水相
とシクロヘキサン相に分離した。シクロヘキサン相は3
0段の多孔板塔にて、低沸点成分を分離し、缶出から得
たシクロヘキサンは反応系へリサイクルし、再使用し
た。 (4)溶媒分離工程 酢酸、KAオイル、触媒などの高沸点成分から、30段
の多孔板塔を用いて、酢酸を分離させ、反応系へリサイ
クルし、再使用した。 (5)不純物除去工程 KAオイル、触媒などの高沸点成分は20℃まで冷却
し、濾過により触媒を分離した。濾液は酸性の水溶液に
より、30段の多孔段塔を用いて、高沸エステルを加水
分解させ、高沸酸の一部を分離し、焼却処理した。留出
液は、5重量%水酸化ナトリウム水溶液及び5重量%炭
酸ナトリウム水溶液1:1で混合した液にて、40段の
多孔板塔を用いて、高沸酸および高沸酸エステルをけん
化又は中和し、除去させた。 (6)高沸点分離工程 留出液はデカンターにて、水相とKAオイル相に分離
し、水は還流させた。KAオイル相は、20段の泡鐘塔
を用いて、中沸点成分を分離した。KAオイルおよび高
沸点成分は、60段の多孔板塔を用いて、製品を採取し
た。この製造方法での、精製収率は91%、製品純度は
99%であった。 (7)リサイクル工程 また、上から50段目からシクロヘキサノールを採取
し、反応系へリサイクルしたところ、97%収率でシク
ロヘキサノンを容易に変換することができた。従来必要
であった脱水素反応器を省略できた。高沸点成分は、焼
却処理し、コバルトを回収して反応系へリサイクルし、
再使用した。 (8)触媒再生工程 触媒は、ヒドロキシルアミンと30段の多孔板塔を用い
て、触媒を再生した。再生された触媒は、30段の多孔
板塔を用いて、水分を除去した後、反応系へリサイクル
し再使用した。また、触媒中のシクロヘキサンも反応系
へリサイクルし、再使用した。触媒再生および触媒製造
に用いられるヒドロキシルアミンは、触媒再生時に副生
されるアンモニアをチューブリアクターで白金触媒を用
いて、酸化反応を行い、NOx (NO2 、N2 3 、N
2 5 など)を生成し、水を用いて、リング&プレート
にて吸収し、水素添加反応により、ヒドロキシルアミン
を製造した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法を説明するためのフロー
図である。
【図2】図2は、本発明の他の方法を説明するためのフ
ロー図である。
【図3】図3は、本発明のさらに他の方法を説明するた
めのフロー図である。
【図4】図4は、本発明の別の方法を説明するためのフ
ロー図である。
【符合の説明】
1…混合槽 2…酸化反応装置 3…触媒分離装置(濾過装置) 4…酸成分分離装置(抽出塔) 5…低沸点成分分離装置(蒸留塔) 5a…分液装置 6…シクロアルカン分離装置(蒸留塔) 7…加水分解装置 8…けん化装置 8a…分液装置 9…中沸点分離装置(蒸留塔) 10…高沸点分離装置(蒸留塔) 11…触媒回収装置 21…分離装置(蒸発器) 22…分離装置(脱溶剤塔) 32…分離装置(蒸留塔) 33…分離装置(濾過装置) 39…分離装置(蒸留塔) 40…分離装置(蒸留塔)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA04 AA15 BA21A BA21B BA27A BA27B BA27C BB07A BB07B BC16A BC16B BC31A BC43A BC50A BC59A BC60A BC66A BC67A BC67B BC67C BC70A BC71A BE11A BE11B BE11C BE13A BE13B CB07 CB12 4H006 AA02 AC44 AD13 BA08 BA10 BA12 BA14 BA16 BA21 BA22 BA29 BA30 BA31 BA37 BA38 BA43 BA45 BA51 BA75 BB11 BB12 BB15 BB17 BB18 BB20 BB21 BB25 BB61 BC10 BC11 BC18 BC31 BC51 BC52 BD33 BD52 BD84 BE30 BJ10 BR70 FC22 4H039 CA62 CC50

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化触媒の存在下、シクロアルカンと分
    子状酸素とを反応させる反応系によりシクロアルカノン
    を製造する方法であって、副生するシクロアルカノール
    を前記反応系へリサイクルさせるシクロアルカノンの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 シクロアルカンがシクロヘキサンである
    請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化触媒が、式(I)で表されるイミド
    単位を有する化合物である請求項1記載の製造方法。 【化1】 (式中、Xは酸素原子又はヒドロキシル基を示す。)
  4. 【請求項4】 酸化触媒が、式(II)で表されるイミ
    ド化合物である請求項1記載の製造方法。 【化2】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    及びR2 は互いに結合して二重結合、又は芳香族性又は
    非芳香族性環を形成してもよく、R1 及びR 2 により形
    成される芳香族性又は非芳香族性環は、前記式(I)で
    示されるイミド単位を少なくとも1つ有してもよい。X
    は前記に同じ)
  5. 【請求項5】 酸化触媒が、N−ヒドロキシコハク酸イ
    ミド、N−ヒドロキシマレイン酸イミド、N−ヒドロキ
    シヘキサヒドロフタル酸イミド、N,N′−ジヒドロキ
    シシクロヘキサンテトラカルボン酸イミド、N−ヒドロ
    キシフタル酸イミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタ
    ル酸イミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミ
    ド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハ
    イミック酸イミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミ
    ド、N,N′−ジヒドロキシピロメリット酸イミドおよ
    びN,N′−ジヒドロキシナフタレンテトラカルボン酸
    イミドからなる群から選択された少なくとも一種の化合
    物である請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 酸化触媒の使用量が、シクロアルカン1
    モルに対して0.001〜1モルである請求項1記載の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 さらに共酸化剤を用いる請求項1記載の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 共酸化剤が遷移金属化合物又はホウ素化
    合物である請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 温度0〜300℃、圧力1〜100at
    mで反応させる請求項1記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 酸化触媒の存在下、シクロアルカンと
    分子状酸素とを反応させる反応系によりシクロアルカノ
    ンを製造する方法であって、シクロアルカンと副生する
    シクロアルカノールとを蒸留塔により分離し、シクロア
    ルカノールを前記反応系へリサイクルさせるシクロアル
    カノンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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