JP2000239740A - 耐応力腐食割れ性に優れたFe基合金部材の製造方法、及びFe基合金部材 - Google Patents

耐応力腐食割れ性に優れたFe基合金部材の製造方法、及びFe基合金部材

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JP2000239740A
JP2000239740A JP11044408A JP4440899A JP2000239740A JP 2000239740 A JP2000239740 A JP 2000239740A JP 11044408 A JP11044408 A JP 11044408A JP 4440899 A JP4440899 A JP 4440899A JP 2000239740 A JP2000239740 A JP 2000239740A
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Yoshinao Urayama
義直 浦山
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高圧水中での安全性向上と経済性向上に
寄与すべく、高Ni,高Cr含有のFe基合金を用いて、前記
高応力作用下及び腐食雰囲気中で継続使用しても、隙間
応力腐食割れ等の発生を抑制できるばねの製造方法及び
該ばねを提供する。 【解決手段】 Fe基合金製ばねの製造方法において、重
量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、
Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30%、Ti:0.3%〜2.0%、
Al:0.3%〜2.0%、Mg:0.5%以下、P0.01%以下、S:
0.01%以下、残部FeよりなるFe基合金を、固溶化処理
し、次いで断面減少率20%〜60%の冷間加工を施し、そ
の後、時効処理してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高Cr含有のFe基合
金部材の製造方法及び該製造方法で製造されるFe基合金
部材に係り、特に、軽水原子炉用の耐応力腐食割れ性に
優れた高Cr含有のFe基合金原子炉用部材の製造方法及び
該製造方法で製造されるFe基合金部材に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、高温高圧水機器の部品として、ば
ねやボルト等の部材が多数使用されており、該ばね及び
ボルト等は、その本来の目的からして高応力作用下で使
用されているとともに、隙間が形成された箇所で用いら
れる場合が多いので隙間腐食される傾向が高い。前記ば
ね及びボルト等は、前記高応力作用下及び腐食雰囲気中
で継続使用されると、その表面に隙間応力腐食割れ(SC
C)の発生が懸念される。該隙間応力腐食割れ(SCC)
は、上記機器の信頼性や安全性の面で問題があり、その
対策が、重要課題となっている。
【0003】前記隙間応力腐食割れ(SCC)等を考慮し
たばね等としては、強度と腐食性に優れたインコネルX
−750合金が使用されている(特開昭58−77559号公報参
照)。該インコネルX−750合金は、固溶化処理後に冷
間塑性加工を施し、その後に時効処理する工程をへて製
造されるものである。前記インコネルX−750合金は、
固溶化処理と時効処理との中間に実施する冷間加工の加
工程度によっては、耐応力腐食割れ感受性が低下する場
合が生じ得ることから、使用中における材料信頼性が今
一つ低いし、インコネルX−750合金は、Niをベースに
した合金であるので、材料の価格が高くなり、経済性の
面でも問題があった。
【0004】即ち、前記技術のインコネルX−750合金
製から成るばねは、NiベースにCrを14〜17(wt%)含有
するものであることから、材料価格が高いものになるほ
か、冷間塑性加工後の時効処理において結晶粒界にCr炭
化物が析出し、粒界近傍にCr欠乏層が生成されるために
耐応力腐食割れ性が低下するといった問題がある。この
ために、ばねの耐応力腐食割れを防止するためには、粒
界Cr欠乏層の生成を抑制することが不可欠な課題となっ
ている。
【0005】前記Cr欠乏層の生成を抑制して、高耐食化
を図るべく、材料のFe基合金の高Cr化に着目した技術
として、特開平2−247358号公報に所載の技術がある。
該技術は、重量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、M
n:1.0%以下、Ni:25〜45%、Cr:25〜35%、Ti:0.3
〜2.0%、Al:0.3〜2.0%、Mg:0.5%以下、P,S:0.01
%以下、残部FeよりなるFe基合金を、900〜1250℃で断
面減少率にして20%以上の熱間加工を施した後、950〜1
050℃で1分〜2時間保持してから空冷以上の速い冷却
速度で冷却した原子炉用部材の製造技術である。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】ところで、前記特開平
2−247358号公報に所載の技術は、耐応力腐食割れ性に
優れた固溶強化型の耐食Fe基合金で、Feをベースとして
いるので価格が前記インコネルX−750合金に比べて安
価であるが、高温高圧水機器の伝熱管や配管材用として
開発されたものであって、ばねの如く絶えず大きな応力
が負荷されている材料用として、特に配慮されたもので
はなく、前記高応力作用下及び腐食雰囲気中で継続使用
されるばね材としては、強度的に劣り、ばね材としての
適用が問題となるものである。
【0007】本発明は、前記点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、原子炉の安全性向上
と経済性向上に寄与すべく、高Ni,高Cr含有のFe基合金
を用いて、前記高応力作用下及び腐食雰囲気中で継続使
用しても、隙間応力腐食割れ等の発生を抑制できる部材
の製造方法及びその部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明の第一のFe基合金部材の製造方法は、重量比で
C:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Ni:25
%〜40%、Cr:25%〜30%、Ti:0.3%〜2.0%、Al:0.
3%〜2.0%、Mg:0.5%以下、P:0.01%以下、S:0.01
%以下、残部FeよりなるFe基合金を、固溶化処理し、そ
の後、時効処理するか、重量比でC:0.1%以下、Si:1.
0%以下、Mn:1.0%以下、Ni:25%〜40%、Cr:25%〜
30%、Ti:0.3%〜2.0%、Al:0.3%〜2.0%、Mg:0.5
%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、残部Feよりな
るFe基合金を、固溶化処理し、次いで断面減少率20%〜
60%の冷間加工を施し、その後、時効処理することを特
徴としている。
【0009】また、本発明の第二のFe基合金部材の製造
方法は、重量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:
1.0%以下、Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30%、Ti:0.3
%〜2.0%、Nb:0.3%〜3.0%、Al:0.3%〜2.0%、M
g:0.5%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、残部Fe
より成るFe基合金を、固溶化処理し、その後、時効処理
するか、重量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:
1.0%以下、Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30%、Ti:0.3
%〜2.0%、Nb:0.3%〜3.0%、Al:0.3%〜2.0%、M
g:0.5%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、残部Fe
より成るFe基合金を、固溶化処理し、次いで断面減少率
20%〜60%の冷間塑性加工を施し、その後、時効処理す
ることを特徴としている。
【0010】更に、本発明の第一のFe基合金部材は、重
量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、
Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30%、Ti:0.3%〜2.0%、
Al:0.3%〜2.0%、Mg:0.5%以下、P:0.01%以下、
S:0.01%以下、残部Feよりなり、時効硬化処理された
非再結晶組織からなる部材もしくは、重量比でC:0.1%
以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以下、Ni:25%〜40
%、Cr:25%〜30%、Ti:0.3%〜2.0%、Al:0.3%〜
2.0%、Mg:0.5%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以
下、残部Feよりなり、冷間加工後に時効硬化処理された
非再結晶組織からなる部材からなることを特徴としてい
る。
【0011】更にまた、本発明の第二のFe基合金部材
は、重量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%
以下、Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30%、Ti:0.3%〜
2.0%、Nb:0.3%〜3.0%、Al:0.3%〜2.0%、Mg:0.5
%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、残部Feより成
り、時効硬化処理された非再結晶組織からなる部材もし
くは、重量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0
%以下、Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30%、Ti:0.3%
〜2.0%、Nb:0.3%〜3.0%、Al:0.3%〜2.0%、Mg:
0.5%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、残部Feよ
り成り、冷間加工後に時効硬化処理された非再結晶組織
からなる部材からなることを特徴としている。
【0012】前記の如く構成された本発明のFe基合金製
原子炉用部材、及びその製造方法は、前記第一の発明
で、Niを25%以上,40%以下、Crを25%以上,30%以下
含有させることで、高耐食化を図ることができ、前記第
二の発明で、TiやAlに比べて析出強化に対する効果が大
きいNbを更に0.3%以上,3.0%以下含有させ、高Cr含有
による熱間加工性の低下を防止するためにMgを0.5%以
下、好ましくは0.05%含有させることで、熱間加工性の
向上を図ることができる。
【0013】また、本発明のFe基合金部材は、合金をNi
ベースからFeベースとしたことによって、Niベースの合
金よりも安価に製造できるので高い経済性を得ることが
できるとともに、Feは、基地の組織を安定化し、耐食性
を向上させることができる。もっとも、Feの含有量が多
過ぎると有害相(Laves相)を生ぜしめるため、50%以
下とすることが望ましい。
【0014】更に、本発明のFe基合金部材の製造方法
は、固溶化処理を950℃〜1150℃で1min〜120min保持す
るものである。保持期間は、処理する物の形状によって
異なるが、前記温度で再結晶が終了すればよい。1150℃
以上では高温強度が低下するので、上限を1150℃とする
ことが望ましい。また、冷間塑性加工は、部材であるば
ねの種類により異なるが、実用面では板ばね及びコイル
ばね共に、断面減少率で20%〜60%が好ましい。
【0015】更にまた、本発明は、FeベースにNiを25%
〜40%、Crを25%〜30%含有させたFe基合金を、冷間塑
性加工後に、時効処理を600℃〜800℃で1時間〜30時間
加熱保持したものである。前記の如き処理をしても、結
晶粒界にはCr炭化物の析出がほとんど認められず、第一
の発明では、主に微細なγ'相〔Ni3(Al,Ti)〕が,第二
の発明では主にγ"相〔Ni3(Nb,Ti,Al)〕が析出する
ことから耐応力腐食割れ性の向上が図れ、材料の強度が
上昇する。即ち、本発明では、高Ni,高Cr含有のFe基合
金組成を有することから、冷間塑性加工+時効処理にお
いて粒界Cr炭化物の析出が抑制され、Nb,Ti及びAlの添
加により析出強化が図れるため、高耐食高強度のFe基合
金製ばねが提供できる。
【0016】現用されている前記インコネルX−750合
金製の部材は、冷間塑性加工後の時効処理において、粒
界にCr炭化物が析出して成長することにより、粒界に沿
ってCr欠乏域が形成され、粒界応力腐食割れ感受性が強
く示されるものであるが、時効処理において、Cr欠乏域
の生成を抑制するにはCrの添加が有効であることから、
本発明では、Crを25%〜30%添加含有させた(Crは耐食
性を維持するために必要不可欠の元素で25%以上添加す
ることが望ましい)。
【0017】また、Niも耐食性向上に有効な元素である
が、多量に含有すると脱気高温高圧水中での耐応力腐食
割れ性が低下するため、本発明では、25%〜40%とし
た。このように、本発明の高耐食高強度のFe基合金製ば
ねは、インコネルX−750合金製ばねの代替品として、
ばねに適用すれば、原子力プラントの安全性と材料コス
トの大幅な低減が図れる。
【0018】
【発明の実施の形態】〈実施例1〉表1は、本発明のFe
基合金部材の一例として原子炉用ばねの二つの供試材
A,Bと、従来材の供試材Cの化学成分を示したもので
ある。供試材Aは、主に微細なγ'相〔Ni3(Al,Ti)〕が
析出するFe基合金であり、供試材Bは、主にγ"相〔Ni3
(Nb,Ti,Al)〕が析出するFe基合金であり、供試材C
は、Ni基合金の従来材(現用のインコネルX−750合
金)である。
【0019】
【表1】
【0020】前記三つの供試材A,B,Cは、真空炉に
より溶製し、鍛造,熱間圧廷をしたものである。表2
は、前記三つの供試材A,B,Cの加工・熱処理条件を
示したものである。
【0021】
【表2】
【0022】供試材A,Bは、冷間加工後の時効処理温
度が再結晶温度以下の600〜800℃であるため非再
結晶組織となる。図1は、前記供試材Aの冷間加工度30
%と60%との各々の金属組織観察例と一次再結晶組織の
金属組織観察例とを示したものである。図2は、前記三
つの供試材A,B,CのCBB試験(Creveced bend
beamtest)のためのジグ1を示している。該ジグ1は、
上面が半径100mmの凸状円弧のあるプレス下部盤2と
同様に下面に半径r=100mmの凹状円弧のあるプレス
上部盤3とを備え、該上下部盤2,3の間に前記供試材
A,B,Cと隙間形成材としてのグラファイトウール4
とを介在させ、前記上下盤2,3によって前記供試材
A,B,Cを押圧して曲げ、500時間保持試験後の割
れ5、・・・の状態を測定するものである。
【0023】前記CBB試験においては、供試材A,
B,Cの大きさを、厚さt=2mm、幅w=10mm、長さ
l=50mmとし、試験条件は、表3に示す条件によって
行った。即ち、温度:288℃、押圧圧力:85kgf/cm
2 、試験時間:500h、溶存酸素:8ppm、電気伝導
度:約1.0μs/cm、流量:5l/h、付与ひずみ2t/2r
×100:Max1.0%とした。
【0024】
【表3】 表4は、前記供試材A,B,Cの前記CBB試験の試験
結果を示したものである。
【0025】
【表4】
【0026】該表4から理解されるように、固溶化処理
と時効処理との間に、供試材A,B,Cの断面が減少す
るような冷間加工を施した場合、本発明のFe基合金の供
試材A,Bは、冷間加工度10%(断面減少率10%)
で割れ感受性の程度が中(200μm〜1000μmの
割れ)となるが、それよりも冷間加工度の高い領域で
は、割れ感受性の程度が小(0μm〜200μmの割
れ)となり、耐応力腐食割れ性がよくなっており、隙間
応力腐食割れ(SCC)が少ないことが解る。即ち、本発
明のFe基合金の供試材A,Bは、冷間加工度が10%の軽
加工度の時に中程度の隙間SCC感受性が認められたが、
いずれの試料の場合においても、加工・熱処理条件に対
して安定した良好な耐隙間SCC感受性を示した。
【0027】しかし、従来のNi基合金の供試材Cは、冷
間加工度10%〜30%(断面減少率10〜30%)で
割れ感受性の程度が大(1000μm以上の割れ)とな
っているとともに、冷間加工度0%(断面減少0%)と
冷間加工度40%〜60%(断面減少率40〜60%)
でも、割れ感受性の程度が中(200μm〜1000μ
mの割れ)となっていることから、冷間加工度の度合い
如何にかかわらず、全体として耐応力腐食割れ性が悪
く、隙間応力腐食割れ(SCC)が大きくなることが解
る。
【0028】即ち、Ni基合金の供試材Cは、隙間SCC感
受性が、いずれの加工・熱処理条件においても認めら
れ、特に冷間加工度が10%,20%及び30%(10%〜30
%)の範囲で高く示された。冷間加工度が40%以上では
隙間SCC感受性が加工度の増大に伴なって改善される傾
向が認められるが、冷間加工が60%になると強加工組織
となり好ましい組織状態とは言い難い。
【0029】図3は、供試材Aと供試材Cとの冷間加工
度を20%とした場合のCBB試験後の試験片の断面状態の
一例を示したものである。図2から明かな様に、本発明
の供試材Aの方が、従来材の供試材Cに比べて隙間応力
腐食割れ深さが著しく小さく形成されており、耐隙間応
力腐食割れ性が良好であることがわかる。前記ことか
ら、本発明のFe基合金の供試材A,Bは、従来のNi基合
金の供試材Cに比べて、隙間応力腐食割れ感受性が小さ
く、特に、冷間加工度20%〜60%(断面減少率20
〜60%)の範囲で、隙間応力腐食割れ感受性が小さい
ので、耐応力腐食割れ性がよく、隙間応力腐食割れ(SC
C)が少ない素材であることが解る。
【0030】また、本発明の供試材A、Bは、冷間加工
を施さない試料においても高い耐隙間応力腐食割れ性を
示しているので、原子炉用ばね以外のボルトやジェット
ポンプビーム等にも適用が十分可能である。図4は、耐
応力腐食割れ性に優れた本発明のFe基合金製原子用ばね
及びボルトの製作工程のフローを示したものである。本
製造工程のフローによれば、Fe基合金製原子炉用ばね及
びボルトの耐応力腐食割れ性が向上できるので、ばね及
びボルトの寿命も長くなり、ひいては原子炉の信頼性の
向上に効果がある。
【0031】図5は、前記供試材A,Bと同じ材料で形
成された、本発明のFe基合金製原子炉用ばね、及び、ボ
ルトの形状と、その使用状態の例を示したものである。
図5の(a),(b)は、インデックスチューブ10内壁
にグラファイトシール11を取り付けるために用いられる
エクスパンションスプリング12を示している。該エクス
パンションスプリング12は、(b)に示されているよう
に、切り込み13を有する帯状のリングであって、幅10mm
で直径60mmのもである。該エクスパンションスプリング
12は、溶製後、圧廷、固溶化、冷圧、成形(25%以上の
加工)処理をした後、時効処理して製造されたものであ
る。
【0032】図5の(c),(d)は、ピストンチュー
ブ20にグラファイトシール21を取り付けるためのガータ
スプリング22を示したものである。このガータスプリン
グ22は、コイル状であって、コイル部の長さが166mm、
芯線直径が0.35mmである。該コイルスプリング22は、溶
製後、固溶化、伸線、コイリング(この際に25%以上の
加工)、及び時効の各処理によって製造されたものであ
る。
【0033】図5の(e)は、タイプレート30とチャン
ネルボックス31との間に設けられたスプリング32を示
し、図5の(f)は、キャップスクリュウ40に設けられ
たスプリング41を示している。これらのスプリング32,
41は、それぞれ図5(a),(b)のエクスパンション
スプリング12と同様にして製造されたものである。図5
の(f)において、42はガードであり、キャップスクリ
ュー40は、鍛造又は圧廷後、固溶化、軽造又は機械加工
によりネジ切り、及び時効の各処理によって製造される
ものである。以上、本発明の一実施形態について詳述し
たが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しな
い範囲で、設計において、種々の変更ができるものであ
る。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係るFe基合金部材は、耐応力腐食割れ性に優れてい
るので、該ばねをBWR炉のような高温高圧水環境にお
いて使用することで、高い安全性が確保される。また、
本発明のFe基合金部材は、Fe基ベースとした合金である
ことから、従来のNi基合金部材(インコネルX−750合
金ばね)に比較して材料コストを大幅に低減することが
できるので経済性のあるばねを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFe基合金製ばね材の供試材Aを冷間加
工度30%と60%とを行った場合の各々の断面組織を示す
図。
【図2】本発明のFe基合金製ばね材の供試材CBB試験
(Creveced bend beam test)のためのジグを示した
図。
【図3】本発明のFe基合金製ばね材の供試材Aと従来の
Ni基合金製原子炉用ばね材(現用のインコネルX−750
合金)の供試材Cとを冷間加工度を20%とした場合のCB
B試験後の試験片の断面状態の一例を示す図。
【図4】本発明のFe基合金製ばね及びボルトの製造工程
のフローを示す図。
【図5】本発明のFe基合金製ばねの形状を示す概略図で
あって、(a)と(b)は、エクスパンションスプリン
グを示した図、(c)と(d)は、ガータスプリングを
示した図、(e)は、タイプレートとチャンネルボック
スとの間に設けられたスプリングを示した図、(f)
は、キャップスクリュウに設けられたスプリングを示し
た図。
【符号の説明】
1…CBB試験装置、2…プレス下部盤、3…プレス上部
盤、4…グラファイトウール、5…割れ、10…インデック
スチューブ、12…エクスパンションスプリング、20…ピ
ストンチューブ、22…ガータスプリング、30:タイプレ
ート、32…スプリング、40…キャップスクリュウ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以
    下、Mn:1.0%以下、Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30
    %、Ti:0.3%〜2.0%、Al:0.3%〜2.0%、Mg:0.5%
    以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、残部Feよりなる
    Fe基合金を、固溶化処理し、その後、再結晶温度以下で
    時効処理することを特徴とする加入Fe基合金部材の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 重量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以
    下、Mn:1.0%以下、Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30
    %、Ti:0.3%〜2.0%、Al:0.3%〜2.0%、Mg:0.5%
    以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、残部Feよりなる
    Fe基合金を、固溶化処理し、次いで断面減少率20%〜60
    %の冷間加工を施し、その後、再結晶温度以下で時効処
    理することを特徴とする加入Fe基合金部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 重量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以
    下、Mn:1.0%以下、Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30
    %、Ti:0.3%〜2.0%、Nb:0.3%〜3.0%、Al:0.3%
    〜2.0%、Mg:0.5%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以
    下、残部Feより成るFe基合金を、固溶化処理し、その
    後、再結晶温度以下で時効処理することを特徴とする加
    入Fe基合金部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 重量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以
    下、Mn:1.0%以下、Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30
    %、Ti:0.3%〜2.0%、Nb:0.3%〜3.0%、Al:0.3%
    〜2.0%、Mg:0.5%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以
    下、残部Feより成るFe基合金を、固溶化処理し、次いで
    断面減少率20%〜60%の冷間塑性加工を施し、その後、
    再結晶温度以下で時効処理することを特徴とする加入Fe
    基合金部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記固溶化処理は、950℃〜1150℃で1m
    in〜120min加熱保持後、空冷以上の冷却速度で処理する
    ものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    一項に記載の加入Fe基合金部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 時効処理は、600℃〜800℃で1h〜30h加
    熱保持後、空冷する処理を1回以上することを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれか一項に記載の加入Fe基合金
    部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 重量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以
    下、Mn:1.0%以下、Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30
    %、Ti:0.3%〜2.0%、Al:0.3%〜2.0%、Mg:0.5%
    以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、残部Feよりな
    り、時効硬化処理された非再結晶組織からなることを特
    徴とする加入Fe基合金部材。
  8. 【請求項8】 重量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以
    下、Mn:1.0%以下、Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30
    %、Ti:0.3%〜2.0%、Al:0.3%〜2.0%、Mg:0.5%
    以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、残部Feよりな
    り、冷間加工後に時効硬化処理された非再結晶組織から
    なることを特徴とする加入Fe基合金部材。
  9. 【請求項9】 重量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以
    下、Mn:1.0%以下、Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30
    %、Ti:0.3%〜2.0%、Nb:0.3%〜3.0%、Al:0.3%
    〜2.0%、Mg:0.5%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以
    下、残部Feより成り、時効硬化処理された非再結晶組織
    からなることを特徴とする加入Fe基合金部材。
  10. 【請求項10】 重量比でC:0.1%以下、Si:1.0%以
    下、Mn:1.0%以下、Ni:25%〜40%、Cr:25%〜30
    %、Ti:0.3%〜2.0%、Nb:0.3%〜3.0%、Al:0.3%
    〜2.0%、Mg:0.5%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以
    下、残部Feより成り、冷間加工後に時効硬化処理された
    非再結晶組織からなることを特徴とする加入Fe基合金部
    材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007271526A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Ihi Corp Cbb試験方法及びこの方法に用いる試験治具
WO2012121389A1 (ja) * 2011-03-10 2012-09-13 三菱重工業株式会社 原子力機器用材料、蒸気発生器用伝熱管、蒸気発生器及び原子力プラント
CN104148896A (zh) * 2014-08-04 2014-11-19 贵州航宇科技发展股份有限公司 一种gh4169高温合金半环制造方法
US11118250B2 (en) * 2016-10-04 2021-09-14 Nippon Yakin Kogyo Co., Ltd. Fe—Cr—Ni alloy and method for production thereof

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