JP2000240747A - 電動式回転駆動装置 - Google Patents

電動式回転駆動装置

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JP2000240747A
JP2000240747A JP11047832A JP4783299A JP2000240747A JP 2000240747 A JP2000240747 A JP 2000240747A JP 11047832 A JP11047832 A JP 11047832A JP 4783299 A JP4783299 A JP 4783299A JP 2000240747 A JP2000240747 A JP 2000240747A
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steering
electric motor
worm
speed reducer
roller
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Ryoichi Otaki
大滝  亮一
Koichi Sakai
幸一 坂井
Hiroyuki Ito
裕之 伊藤
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型・軽量でバックラッシュが少なく、しか
も大きなトルクを得られる構造を実現する。 【解決手段】 電動モータ5の出力を、互いに直列に配
置した摩擦減速機42とウォーム減速機43とを介し
て、ステアリングシャフト2に伝達する。ウォーム減速
機43の減速比を、バックラッシュを大きくする事なく
大きくできるので、上記課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る電動式回転駆
動装置は、例えば自動車の操舵装置に組み込み、運転者
がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減
を図る為のパワーステアリング装置として利用する。或
は、自動車用ブレーキを作動させる為のアクチュエー
タ、自動車用の自動変速機の変速状態を切り換える為の
アクチュエータ、更にはエンジンを始動させる為のスタ
ータ(セルモータ)としても利用できる。
【0002】
【従来の技術】例えば、操舵輪(フォークリフト等の特
殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に運転
者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽
減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広
く使用されている。又、この様なパワーステアリング装
置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パ
ワーステアリング装置も、近年普及し始めている。電動
式パワーステアリング装置は、油圧式のパワーステアリ
ング装置に比べて小型・軽量にでき、補助動力の大きさ
(トルク)の制御が容易で、しかもエンジンの動力損失
が少ない等の利点がある。図5は、この様な電動式パワ
ーステアリング装置の基本構成を略示している。
【0003】入力部であるステアリングホイール1の操
作に基づいて回転する、被駆動軸であるステアリングシ
ャフト2の中間部には、上記ステアリングホイール1か
らこのステアリングシャフト2に加えられるトルクの方
向と大きさとを検出するトルクセンサ3と、減速機4と
を設けている。この減速機4の出力側は上記ステアリン
グシャフト2の中間部に結合し、入力側は、クラッチを
備えた電動モータ5の出力軸に結合している。又、上記
トルクセンサ3の検出信号は、車速を表す信号と共に、
上記電動モータ5への通電を制御する為の制御器6に入
力している。上記減速機4として従来一般的には、大き
なリード角を有し、動力の伝達方向に関して可逆性を有
するウォーム減速機を、一般的に使用していた。即ち、
回転力受取部材であるウォームホイールを上記ステアリ
ングシャフト2の中間部に固定すると共に、回転力付与
部材であり上記電動モータ5の出力軸に結合固定したウ
ォームを、上記ウォームホイールと係合させていた。
【0004】操舵輪に舵角を付与する為、上記ステアリ
ングホイール1を操作し、上記ステアリングシャフト2
が回転すると、上記トルクセンサ3がこのステアリング
シャフト2の回転方向とトルクとを検出し、その検出値
を表す信号を上記制御器6に送る。するとこの制御器6
は、上記電動モータ5に通電し、上記減速機4を介して
上記ステアリングシャフト2を、上記ステアリングホイ
ール1に基づく回転方向と同方向に回転させる。この結
果、上記ステアリングシャフト2の先端部(図5の下端
部)は、上記ステアリングホイール1から付与された力
に基づくトルクよりも大きなトルクで回転する。
【0005】この様なステアリングシャフト2の先端部
の回転は、自在継手7、7及び中間シャフト8を介して
ステアリングギヤ9の入力軸10に伝達される。この入
力軸10は、上記ステアリングギヤ9を構成するピニオ
ン11を回転させ、ラック12を介してタイロッド13
を押し引きし、操舵輪14に所望の舵角を付与する。上
述した説明から明らかな通り、上記ステアリングシャフ
ト2の先端部から自在継手7を介して中間シャフト8に
伝達されるトルクは、上記ステアリングホイール1から
上記ステアリングシャフト2の基端部(図5の上端部)
に加えられるトルクよりも、上記電動モータ5から減速
機4を介して加えられる補助動力分だけ大きい。従っ
て、上記操舵輪14に舵角を付与する為に運転者が上記
ステアリングホイール1を操作する為に要する力は、上
記補助動力分だけ小さくて済む様になる。尚、上記電動
モータ5に付設したクラッチは、この電動モータ5が焼
き付き等により回転不能となる故障を起こした場合に接
続を断ち、上記電動モータ5の存在に基づいて上記ステ
アリングシャフト2が回転不能になる事を防止する役目
を有する。
【0006】上述した様に電動式回転駆動装置の場合に
は従来から、電動モータ5とステアリングシャフト2と
の間に設ける減速機4として、ウォーム減速機等のギヤ
式の減速機のみを使用していた。即ち、自動車のパワー
ステアリングの補助動力源となる電動モータ5は、12
V或は24Vの直流電動モータであり、この電動モータ
5単独で必要なトルクを得る事は難しい。しかも、大き
なトルクを有する電動モータは、コスト、重量共に嵩む
為、量産性を考慮した場合、自動車用パワーステアリン
グ装置にこの様な電動モータを使用する事は好ましくな
い。
【0007】この様な事情を考慮した場合、自動車用パ
ワーステアリングを構成する為の電動式回転駆動装置に
は、小型(例えばヨークの直径が100mm以下)の電動
モータと、大きな減速比を有する減速機とを組み合わせ
て使用する事が好ましい。ところが、上記減速機として
ギヤ式の減速機のみを使用して必要な減速比を実現しよ
うとした場合には、補助動力の付与時に騒音や振動等が
発生し、運転者を含む乗員に不快感を与える場合があ
る。又、ギヤ式の減速機に不可避のバックラッシュが存
在する為、多少なりとも応答性が悪化する等、操作感が
悪くなる場合があった。特に、減速機の初段部分(電動
モータ寄り部分)で発生したバックラッシュは、拡大さ
れた状態で上記ステアリングシャフト2の回転方向の遊
び(がたつき)となる場合がある為、上記応答性の悪化
が顕著になり易い。これらの不都合は、バックラッシュ
を小さくしたり、或は減速機を構成するギヤを合成樹脂
製とする事により、或る程度解消できるが、寸法精度の
管理が難しくなる等の問題を生じる。
【0008】これに対して特開平11−22799号公
報には、摩擦減速機(トラクションドライブ減速機)と
傘歯車式の減速機とを組み合わせた、自動車用パワース
テアリング用の電動式回転駆動装置が記載されている。
この公報に記載された電動式回転駆動装置の場合には、
従前の電動式回転駆動装置に比べれば運転時に発生する
騒音を低減すると共に、バックラッシュの低減に基づく
操作感の向上を図れる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した公報に記載さ
れた電動式回転駆動装置の場合には、摩擦減速機と組み
合わせるギヤ式の減速機として傘歯車式の減速機を使用
している為、小型でしかも十分な出力トルクを有する電
動式回転駆動装置を実現する事が難しい。即ち、傘歯車
式の減速機により大きな減速比を実現する為には、出力
側に配置する被駆動歯車を大径にする必要があり、小型
化を図りにくくなる。入力側に配置する駆動歯車を小径
にする事により大きな減速比を実現する事も、理論的に
は可能であるが、安定した運転を確保する為には、バッ
クラッシュを極端に大きくする必要がある等、非現実的
である。
【0010】又、自動車用ブレーキや自動車用の自動変
速機の変速状態を切り換える作業を、電動式のアクチュ
エータにより行なわせる事が研究されているが、この様
な電動式のアクチュエータの場合も、バックラッシュに
基づくがたつきを僅少に抑え、大きなトルクを得る事が
要求される。即ち、バックラッシュに基づくがたつき
は、電動式アクチュエータによる位置決め精度の悪化に
結び付く為、僅少に抑える必要がある。本発明は、上述
の様な従来構造が有する問題点を解消し、小型で大きな
出力トルクを得られ、しかもパワーステアリング装置等
に組み込んだ場合に良好な操作感を得られ、又、アクチ
ュエータとして利用した場合に高度の位置決め精度を得
られる電動式回転駆動装置を実現すべく発明したもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の電動式回転駆動
装置は、電動モータと、この電動モータの出力軸により
回転駆動される被駆動軸と、これら出力軸と被駆動軸と
の間に互いに直列に配置された摩擦減速機及びウォーム
減速機とを備える。尚、このうちの摩擦減速機として
は、例えば前述の特開平11−22799号公報等に記
載されたウェッジローラ式のものが、伝達すべきトルク
の大小に拘らず、良好な伝達効率を実現できる事から、
好ましく利用できる。但し、特開昭47−26565号
公報等に記載されて従来から広く知られている遊星ロー
ラ式のものを使用する事もできる。又、上記摩擦減速機
とウォーム減速機との配列順序として好ましくは、電動
モータの側に摩擦減速機を、出力軸の側にウォーム減速
機を、それぞれ配置する。そして、上記電動モータと出
力軸との間の減速比(これら両減速機の減速比の積)
を、好ましくは50〜200程度にする。
【0012】
【作用】上述の様な構成を有する本発明によれば、小型
で大きな出力トルクを得られ、しかもバックラッシュに
伴う操作感の悪化を最低限に抑えられる電動式回転駆動
装置を実現できる。又、電動式アクチュエータを構成し
た場合に、高度の位置決め精度を得られる。例えば、電
動式の自動車用パワーステアリング装置を構成する場
合、12V又は24Vで駆動される電動モータを実用的
な大きさに納める場合には、この電動モータのトルクは
0.1〜0.5kgf・m 程度であるが、摩擦減速機とウォ
ーム減速機とのトルク増大作用により、上記電動式回転
駆動装置の出力軸のトルクを5〜30kgf・m 程度に迄大
きくできる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の実施の形態
の第1例として、本発明の電動式回転駆動装置を、自動
車用パワーステアリング装置の補助動力部として利用し
た状態を示している。ステアリングホイール1(図5参
照。図1には省略。)の操作に基づいて回転するステア
リングシャフト2の中間部は、ハウジング15の内側
に、回転自在に支持している。又、上記ハウジング15
の側方には、補助動力源となる電動モータ5と、この電
動モータ5の回転駆動力を減速してから上記ステアリン
グシャフト2に伝達する為の減速機4aとを設けてい
る。このうちの減速機4aは、摩擦減速機42とウォー
ム減速機43とを、上記電動モータ5の側から互いに直
列に配置して成る。
【0014】本発明の電動式回転駆動装置に組み込む、
上記減速機4aのうちの摩擦減速機42を構成する減速
機ケース16は、上記ハウジング15の側方に設けた円
筒状の保持部17の内側に保持固定している。上記減速
機ケース16は、有底円筒状の本体18と、この本体1
8の基端開口部を塞ぐ蓋体19とから成る。この減速機
ケース16内には、中心ローラ20の内半部(図1の左
半部)を、上記蓋体19の略中央部に形成した通孔21
を通じて挿入している。上記中心ローラ20の外周面
で、後述する外輪22の内側に存在する部分を、第一の
円筒面23としている。尚、上記通孔21は、上記本体
18の内周面の中心軸から、少しだけ外れた(偏った)
位置に設けている。上記中心ローラ20は、上記通孔2
1の内側に、深溝型の玉軸受24等の転がり軸受により
回転自在に支持し、上記電動モータ5により、上記減速
機4aの入力部と上記電動モータ5の出力軸との間に設
けた電磁クラッチ52を介して回転駆動自在としてい
る。
【0015】又、上記減速機ケース16の内側で上記中
心ローラ20の周囲部分には、3本の枢軸25a、25
b、25cを、それぞれこの中心ローラ20と平行に配
置している。即ち、これら各枢軸25a、25b、25
cの一端部(図1の右端部)を上記蓋体19に支持する
と共に、他端部(図1の左端部)を連結板26に支持し
ている。尚、これら3本の枢軸25a、25b、25c
のうち、図2〜3の上部中央に位置する1本の枢軸25
aは、その両端部を上記蓋体19及び連結板26に形成
した嵌合孔に圧入固定若しくはほぼがたつきなく挿入し
ている。従って、この枢軸25aが、上記減速機ケース
16内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。
【0016】これに対して、図2〜3の下部左右両側に
位置する残り2本の枢軸25b、25cは、両端部を上
記蓋体19及び連結板26に対し、上記減速機ケース1
6の円周方向及び直径方向に亙る若干の変位自在に支持
している。この為に、上記蓋体19及び連結板26の一
部で上記枢軸25b、25cの両端部に整合する部分に
は、図3に示す様に、上記両枢軸25b、25cの外径
よりも大きな内径を有する支持孔27、27を形成し、
これら各支持孔27、27に、上記両枢軸25b、25
cの両端部を緩く係合させている。そして、これら各枢
軸25a、25b、25cの中間部周囲に、それぞれが
中間ローラであるガイドローラ28及びウェッジローラ
29a、29bを、それぞれラジアルニードル軸受3
0、30、或は深溝型の玉軸受等の転がり軸受により、
回転自在に支持している。尚、上記連結板26は、上記
蓋体19の内面(上記ガイドローラ28及びウェッジロ
ーラ29a、29bを設置した空間側の面で、図1の左
面)の一部で、上記ガイドローラ28及びウェッジロー
ラ29a、29bから外れた位置に突設した突部31、
31に突き当て、連結ボルト32、32により、上記蓋
体19に連結固定している。
【0017】又、上記減速機ケース16の内側で上記ガ
イドローラ28及びウェッジローラ29a、29bを囲
む部分には、有底円筒状の外輪22を、回転自在に設け
ている。この外輪22は、円筒部33と、この円筒部3
3の一端(図1の左端)部を塞ぐ底板部34とを有す
る。そして、このうちの円筒部33の内周面を、第二の
円筒面35としている。そして、この第二の円筒面35
と、上記ガイドローラ28及びウェッジローラ29a、
29bの外周面である第三の円筒面36、36とを当接
自在としている。又、上記外輪22を構成する上記底板
部34の外面(上記各ローラ28、29a、29bが存
在する空間と反対側の面で、図1の左面)の中心部に、
出力軸37の基端部(図1の右端部)を結合固定してい
る。この出力軸37は、前記減速機ケース16を構成す
る本体18の中央部に形成した第二の通孔38の内側
に、深溝型の玉軸受39等の転がり軸受により、回転自
在に支持している。
【0018】上記ガイドローラ28及びウェッジローラ
29a、29bの外周面である、上記第三の円筒面3
6、36は、前記中心ローラ20の外周面である第一の
円筒面23、並びに上記外輪22を構成する円筒部33
の内周面である上記第二の円筒面35に当接させてい
る。上記中心ローラ20の中心と上記出力軸37及び外
輪22の中心とは互いに偏心している。即ち、前述の様
に、上記中心ローラ20を挿通する通孔21は、前記本
体18の内周面の中心軸から少しだけ外れた位置に設け
ているのに対して、上記出力軸37を挿通する第二の通
孔38は上記本体18の内周面の中心軸に一致する部分
に設けている。又、この第二の通孔38の内側に回転自
在に支持した出力軸37と外輪22とは互いに同心であ
る。従って、上記中心ローラ20と上記外輪22及び出
力軸37とは、上記通孔21の減速機ケース16の中心
からのずれ量δ分だけ、互いに偏心している。そして、
上記中心ローラ20の外周面である第一の円筒面23と
上記円筒部33の内周面である第二の円筒面35との間
に存在して上記ガイドローラ28及びウェッジローラ2
9a、29bが設けられた環状空間49の幅寸法が、上
記δなる偏心量に見合う分だけ、円周方向に亙り不同に
なっている。
【0019】この様に、上記環状空間49の幅寸法を円
周方向に亙り不同にした分、上記ガイドローラ28及び
ウェッジローラ29a、29bの外径を異ならせてい
る。即ち、上記外輪22に対して中心ローラ20が偏心
している側(図2〜3の下側)に位置するウェッジロー
ラ29a、29bの径を、互いに同じとすると共に比較
的小径にしている。これに対して、上記外輪22に対し
て中心ローラ20が偏心しているのと反対側(図2〜3
の上側)に位置するガイドローラ28の径を、上記両ウ
ェッジローラ29a、29bよりも大きくしている。そ
して、これらガイドローラ28及びウェッジローラ29
a、29bの外周面である第三の円筒面36、36を、
上記第一、第二の円筒面23、35に当接させている。
【0020】尚、上記1個のガイドローラ28及び2個
のウェッジローラ29a、29bのうち、ガイドローラ
28を支持した枢軸25aは、前述の様に、上記減速機
ケース16内に固定している。これに対して、ウェッジ
ローラ29a、29bを支持した枢軸25b、25c
は、やはり前述した様に上記減速機ケース16内に、円
周方向及び直径方向に亙る若干の変位を自在に支持して
いる。従って、上記ウェッジローラ29a、29bも、
上記減速機ケース16内で円周方向及び直径方向に亙り
若干の変位自在である。そして、前記連結板26内に設
けたシリンダ孔40、40内に装着した圧縮コイルばね
41、41等の弾性材により、上記各ウェッジローラ2
9a、29bを支持した枢軸25b、25cを、これら
各枢軸25b、25cに回転自在に支持したウェッジロ
ーラ29a、29bを前記環状空間49の幅の狭い部分
に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0021】上述の様に構成する摩擦減速機42の出力
軸37の回転を前記ステアリングシャフト2に、更に減
速して伝達すべく、このステアリングシャフト2の中間
部で前記ハウジング15内に位置する部分には、前記ウ
ォーム減速機43を構成するウォームホイール44を外
嵌固定している。このウォーム44の材質は特に問わな
いが、強度を要求される場合には金属製とし、上記ウォ
ーム減速機43の静粛性を特に求められる場合には合成
樹脂製とする。この場合に、ポリアセタール等の高機能
樹脂製とすれば、静粛性と強度確保とを、高次元で両立
させる事ができる。又、上記ハウジング15の内部にウ
ォーム45を、それぞれが深溝型の玉軸受46、46等
の1対の転がり軸受により、回転自在に支持している。
このウォーム45の材質に就いても、上記ウォームホイ
ール44と同様に考慮する。このウォーム45の中心軸
と上記ステアリングシャフト2の中心軸とは、捩れの位
置の関係にある。又、上記ウォーム45の基端部(図1
の右端部)と上記出力軸37の先端面(図1の左端部)
とは、凹凸係合のカップリング等により、回転力の伝達
自在に係合させている。そして、上記ウォームホイール
44とウォーム45とを互いに、動力の伝達方向に可逆
性を持たせて、噛合させている。従って、上記出力軸3
7の回転は、減速されつつ上記ステアリングシャフト2
に伝達される。
【0022】上述の様に構成する本発明の電動式回転駆
動装置の使用時、即ち、ステアリングホイール1の操作
に基づいて操舵輪14(図5参照)に舵角を付与する場
合で、ステアリングシャフト2に電動モータ5による補
助動力を付与する際の作用は、次の通りである。ステア
リングホイール1によりステアリングシャフト2を回転
させると、制御器6(図5参照)が上記電動モータ5に
通電する。この電動モータ5の出力部と前記中心ローラ
20との間には、必要に応じて前記電磁クラッチ52を
設けるが、この様な電磁クラッチ52が存在する場合に
はつないだ状態で、上記電動モータ5に通電する。そし
て、前記摩擦減速機42の中心ローラ20を回転させ
る。この中心ローラ20の回転は、この中心ローラ20
の外周面である第一の円筒面23と、ガイドローラ28
及びウェッジローラ29a、29bの外周面である第三
の円筒面36、36との当接部である、各内径側当接部
47、47を介して、これらガイドローラ28及びウェ
ッジローラ29a、29bに伝わる。更に、これらガイ
ドローラ28及びウェッジローラ29a、29bの回転
は、上記各第三の円筒面36、36と前記外輪22を構
成する円筒部33の内周面に設けた第二の円筒面35と
の当接部である、各外径側当接部48、48を介して、
この外輪22に伝わる。そして、この外輪22に結合固
定した前記出力軸37が回転する。
【0023】この様にして出力軸37が回転すると、前
記ウォーム45が回転し、更にこのウォーム45が、上
記ステアリングシャフト2の中間部外周面に固定したウ
ォームホイール44を回転駆動して、上記ステアリング
シャフト2に回転方向の補助動力を付与する。この様に
してステアリングホイール1及び電動モータ5からステ
アリングシャフト2に加えられた回転力は、自在継手
7、7及び中間シャフト8を介してステアリングギヤ9
の入力軸10に伝達され、ピニオン11を介してラック
12を軸方向に変位させ、操舵輪14(図5参照)に所
望の舵角を付与する。この為、上記電動モータ4からス
テアリングシャフト2に補助動力を付与した分、操舵輪
14に舵角を付与すべく、上記ステアリングホイール1
を操作する為に要する力を軽減できる。尚、上記電動モ
ータ5から上記ステアリングシャフト2に付与する補助
動力の大きさ(トルク)は、車速、或はエンジン回転数
等に応じて変化する。即ち、前記制御器6は、車速が遅
い(或はエンジン回転数が低い)場合程、上記電動モー
タ5への通電量を増やし、上記補助動力を大きくして、
ステアリングホイール1を操作する為に要する力を低減
させる。
【0024】上述の様な補助動力の付与時、前記摩擦減
速機42を構成する中心ローラ20が、例えば図2〜3
の時計方向(又は反時計方向)に、外輪22が同じく反
時計方向(又は時計方向)に、それぞれ回転すると、図
2〜3の右側の枢軸25b(又は左側の枢軸25c)に
回転自在に支持したウェッジローラ29a(又は29
b)が、上記第一、第二の円筒面23、35同士の間に
存在する環状空間49内で、この環状空間49の幅の狭
い部分(図2〜3の下側中央部分)に向け移動する。こ
の結果、上記枢軸25b(又は25c)に回転自在に支
持したウェッジローラ29a(又は29b)の外周面で
ある第三の円筒面36が、上記第一の円筒面23と第二
の円筒面35とを強く押圧する。そして、当該ウェッジ
ローラ29a(又は29b)に関する第三の円筒面36
と上記第一の円筒面23との当接部である内径側当接部
47、及び、当該ウェッジローラ29a(又は29b)
に関する第三の円筒面36と上記第二の円筒面35との
当接部である外径側当接部48の当接圧が高くなる。
【0025】上記1個のウェッジローラ29a(又は2
9b)に関する内径側、外径側両当接部47、48の当
接圧が高くなると、上記中心ローラ20と外輪22との
うちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾
性変形等に基づき、それぞれの直径方向に亙り僅かに変
位する。この結果、残り2個の中間ローラである、ガイ
ドローラ28及びウェッジローラ29b(又は29a)
の外周面である第三の円筒面36、36と上記中心ロー
ラ20の外周面である第一の円筒面23との当接部であ
る2個所の内径側当接部47、47、及びこれらウェッ
ジローラ29b(又は29a)及びガイドローラ28の
外周面である第三の円筒面36、36と外輪22の内周
面である第二の円筒面35との当接部である2個所の外
径側当接部48、48の当接圧が高くなる。
【0026】上記1本の枢軸25b(又は25c)に回
転自在に支持したウェッジローラ29a(又は29b)
を、上記環状空間49内でこの環状空間49の幅の狭い
部分に向け移動させようとする力は、上記中心ローラ2
0から上記外輪22に伝達するトルクの大きさに応じて
変化する。即ち、前記電動モータ5による上記中心ロー
ラ20の駆動トルクが大きくなる程、上記ウェッジロー
ラ29a(又は29b)を上記環状空間49の幅の狭い
部分に向け移動させようとする力が大きくなる。そし
て、この力が大きくなる程、上記各内径側、外径側両当
接部47、48の当接圧が大きくなる。逆に言えば、上
記駆動トルクが小さい場合には、これら各内径側、外径
側両当接部47、48の当接圧が小さい。前記摩擦減速
機42の伝達効率を確保すべく、上記各当接部47、4
8で滑りが発生する事を防止する為には、これら各当接
部の当接圧を、伝達すべきトルクに応じて高くする必要
がある。
【0027】これに対して、伝達すべきトルクが小さい
場合にも上記当接圧を大きくしたままにすると、上記各
当接部47、48での転がり抵抗が増大し、上記摩擦減
速機42の伝達効率を悪化させる。これに対して本発明
の電動式回転駆動装置を構成する摩擦減速機42は、伝
達すべきトルクが小さい場合には、上記各内径側、外径
側両当接部47、48の当接圧を小さくし、反対に伝達
すべきトルクが大きい場合には、上記各内径側、外径側
両当接部47、48の当接圧を大きくする。従って、上
記電動モータ5への通電量の相違に基づく補助動力のト
ルク変動に拘らず、上記摩擦減速機42の伝達効率を常
に良好に維持して、上記電動モータ5に通電する為のバ
ッテリーの消耗防止を図れる。
【0028】以上に述べた様に、本例の電動式回転駆動
装置の場合には、減速機4aの前段部分に、ウェッジロ
ーラ型の摩擦減速機42を使用している為、運転時に騒
音や振動が発生せず、操作感に影響する程のバックラッ
シュもない。この為、自動車用パワーステアリング装置
に利用した場合に、舵角付与時に運転者を含む乗員に不
快感を与えたり、ステアリングホイール1の操作感を悪
くする事がない。しかも消費電力を抑えて、バッテリー
への負担軽減も図れる。尚、上記摩擦減速機42の出力
軸37の回転を前記ステアリングシャフト2に伝達する
ウォーム45とウォームホイール44との噛合部には、
多少バックラッシュが存在する場合もあるが、この部分
のバックラッシュが拡大されて上記ステアリングシャフ
ト2の遊びになる事はない。従って、これらウォーム4
5とウォームホイール44との噛合部の存在に基づき、
運転者に不快感を与える程応答性が悪化する事はない。
又、上記摩擦減速機42と共に減速機4aを構成するギ
ヤ式の減速機として、小型でしかも減速比を大きくでき
る、ウォーム減速機43を使用している為、上記電動モ
ータ5として特に大型のものを使用しなくても、この電
動モータ5から上記ステアリングシャフト2に付与する
トルクを十分に大きくできる。従って、重量の嵩む自動
車の操舵力も、十分に軽減できる。
【0029】尚、図示の例では、本発明の電動式回転駆
動装置を、パワーステアリング装置の補助動力源として
利用する場合に就いて示したので、上記摩擦減速機42
として、1対のウェッジローラ29a、29bを有し、
両方向の回転運動を伝達自在なものを組み込んでいる。
これに対して、トルクの伝達方向が一方向のみに限られ
る用途に使用する電動式回転駆動装置であれば、ウェッ
ジローラを1個のみ備え、トルクの伝達方向が一方向に
限られるものを使用しても良い。
【0030】次に、図4は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、減速機4bを構成す
る摩擦減速機42aとして、遊星ローラ式のものを使用
している。従って、本例の場合、ウォーム減速機43を
構成するウォーム45は、上記摩擦減速機42aを構成
するキャリア50と同心に配置され、各遊星ローラ5
1、51の公転運動を取り出す形で、このキャリア50
と共に回転する。この様な遊星ローラ式の摩擦減速機の
構成及び作用自体は、従来から広く知られている為、詳
しい図示並びに説明は省略する。
【0031】尚、本発明を実施する場合に、例えば電動
モータ5の出力部とステアリングシャフト2等の被駆動
回転軸との間に、一方向クラッチや電磁クラッチを、回
転力の伝達方向に関して直列に設ける場合がある。この
場合に、電磁クラッチは何れの部分に設けても良いが、
一方向クラッチは、回転速度が遅い被駆動回転軸に設け
る事が好ましい。又、パワーステアリング装置に利用す
る場合には、ウォーム減速機として動力の伝達方向に可
逆性を有するものを使用して、電動モータの故障時にも
ステアリングシャフトの回転を可能にする必要がある。
これに対して、他の用途に使用する場合には、上記ウォ
ーム減速機として、動力の伝達方向が限られるものを使
用しても良い。
【0032】
【発明の効果】本発明の電動式回転駆動装置は、以上に
述べた通り構成され作用するが、小型且つ軽量に構成で
きるにも拘らず、例えばパワーステアリング装置として
使用した場合に、運転時に騒音や振動が発生せず、大き
なバックラッシュもない。この為、舵角付与時に運転者
を含む乗員に不快感を与えたり、ステアリングホイール
の操作感を悪くする事がなく、電動式パワーステアリン
グ装置を高級車に組み付ける事も可能になる。又、電動
式のアクチュエータを構成した場合に、高度の位置決め
精度を得られる等、電動式回転駆動装置の用途拡大に寄
与できる。更には、エンジン始動用のスタータとして利
用した場合に、スタータ作動時の騒音を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す部分切断面
図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】同じくB−B断面図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す要部斜視
図。
【図5】本発明の対象となる電動式回転駆動装置を組み
付ける装置の1例である、電動式パワーステアリング装
置の全体構造を示す略図。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト 3 トルクセンサ 4、4a、4b 減速機 5 電動モータ 6 制御器 7 自在継手 8 中間シャフト 9 ステアリングギヤ 10 入力軸 11 ピニオン 12 ラック 13 タイロッド 14 操舵輪 15 ハウジング 16 減速機ケース 17 保持部 18 本体 19 蓋体 20 中心ローラ 21 通孔 22 外輪 23 第一の円筒面 24 玉軸受 25a、25b、25c 枢軸 26 連結板 27 支持孔 28 ガイドローラ 29a、29b ウェッジローラ 30 ラジアルニードル軸受 31 突部 32 連結ボルト 33 円筒部 34 底板部 35 第二の円筒面 36 第三の円筒面 37 出力軸 38 第二の通孔 39 玉軸受 40 シリンダ孔 41 圧縮コイルばね 42、42a 摩擦減速機 43 ウォーム減速機 44 ウォームホイール 45 ウォーム 46 玉軸受 47 内径側当接部 48 外径側当接部 49 環状空間 50 キャリア 51 遊星ローラ 52 電磁クラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 裕之 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J009 DA11 DA17 ED06 ED08 FA08 FA10 3J051 AA01 BA03 BB08 BC03 BD02 BE02 ED15 FA02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータと、この電動モータの出力軸
    により回転駆動される被駆動軸と、これら出力軸と被駆
    動軸との間に互いに直列に配置された摩擦減速機及びウ
    ォーム減速機とを備えた電動式回転駆動装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007062412A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Nsk Ltd 車両の操舵装置
WO2015135970A1 (de) * 2014-03-11 2015-09-17 Continental Teves Ag & Co. Ohg Aktuator für eine kraftfahrzeugbremse
KR20180040822A (ko) * 2016-10-13 2018-04-23 상신브레이크주식회사 자동차용 전기식 디스크 브레이크
US11368071B2 (en) 2018-03-21 2022-06-21 Dyson Technology Limited Electric drive

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