JP2000243134A - 電解質、光電変換素子および光電気化学電池 - Google Patents

電解質、光電変換素子および光電気化学電池

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JP2000243134A
JP2000243134A JP11043356A JP4335699A JP2000243134A JP 2000243134 A JP2000243134 A JP 2000243134A JP 11043356 A JP11043356 A JP 11043356A JP 4335699 A JP4335699 A JP 4335699A JP 2000243134 A JP2000243134 A JP 2000243134A
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compound
electrolyte
dye
layer
semiconductor
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JP11043356A
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English (en)
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Koji Wariishi
幸司 割石
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な電解質を提供し、これを用いて光電変
換特性および耐久性に優れた光電気化学電池を提供す
る。 【解決手段】 エーテル結合を有する2官能性以上のニ
トリル化合物を用いて電解質とし、この電解質を含む電
荷移動層、導電性支持体、この導電性支持体上に塗設さ
れた半導体含有層、および対極とを有する光電変換素子
により光電気化学電池を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な電解質に関
する。さらには、この電解質を用いた光電変換素子およ
び光電気化学電池に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光発電は単結晶シリコン太陽電池、
多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電
池、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化
合物太陽電池が実用化もしくは主な研究開発の対象とな
っているが、普及させる上で製造コスト、原材料確保、
エネルギーペイバックタイムが長い等の問題点を克服す
る必要がある。一方、大面積化や低価格化を指向した有
機材料を用いた太陽電池もこれまでにも多く提案されて
いるが、変換効率が低く、耐久性も悪いという問題があ
った。こうした状況の中で、Nature(第353巻、第737〜
740頁、1991年)および米国特許4927721号、同5350
644号、同5463057、特開平7−249790
号、特公平8−15097号、Advanced Materials(第
9巻、11号、904〜906頁、1997年)等に、
色素によって増感された半導体微粒子を用いた光電変換
素子および太陽電池、ならびにこれを作成するための材
料および製造技術が開示された。提案された電池は、ル
テニウム錯体によって分光増感された二酸化チタン多孔
質薄膜を作用電極とし、電解液には有機溶剤が用いられ
る湿式太陽電池である。この方式は安価で高いエネルギ
ー変換効率が得られる点で有望である。しかしながら、
電解液として従来用いられてきたエチレンカーボネート
やプロピレンカーボネートなどの炭酸エステル系、アセ
トニトリルなどのニトリル系あるいは、これらの混合物
等を使用した場合には、経時による光電変換特性(特に
光電変換効率)の劣化がみられ、耐久性が不十分である
ことが判明した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、経時
による光電変換特性劣化の少ない光電変換素子および光
電気化学電池を提供することであり、これに適した新規
な電解質を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、本発明を
特定する下記の事項およびその好ましい態様によって達
成された。 (1)少なくとも1つのエーテル結合と少なくとも2つ
のシアノエチル基を有する化合物を含有する電解質。 (2)上記化合物が式(I)の化合物である上記(1)
の電解質。
【0005】
【化3】
【0006】(3)上記化合物が式(II)で表される上
記(1)の電解質。
【0007】
【化4】
【0008】〔式中、Lは、n価のアルコール残基を表
す。nは、2以上の整数を表す。〕 (4)式(II)において、nが2以上4以下である上記
(3)の電解質。 (5)式(II)において、nが2である上記(3)の電
解質。 (6)2価アルコール残基がポリエチレングリコール残
基である上記(5)の電解質。 (7)上記(1)〜(6)のいずれかの電解質を用いた
電解質含有層、導電性支持体、この導電性支持体上に塗
設された半導体含有層、および対極とを有する光電変換
素子。 (8)半導体が色素によって増感された微粒子半導体で
ある上記(7)の光電変換素子。 (9)半導体が金属カルコゲニドである上記(7)また
は(8)の光電変換素子。 (10)上記(7)〜(9)のいずれかの光電変換素子
を用いる光電気化学電池。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳述する。本
発明は、電解質に用いられる有機溶剤として、少なくと
も1つのエーテル結合と少なくとも2個以上のシアノエ
チル基を有する化合物を用いることを特徴とする。この
ような化合物を含有する電解質を用いた光電変換素子お
よび光電気化学電池は、素子としての光電変換特性に優
れ、また特に経時による特性劣化が少ない。
【0010】上述の化合物は、式(I)の化合物または
式(II)で表される化合物であることが好ましい。式
(II)において、Lは、n価のアルコールの残基を表わ
す。n価アルコールの残基とは、n価アルコールから水酸
基をすべて除いた残りの置換基をいう。nは、2以上の
整数であり、好ましくは、2以上4以下である。さらに
好ましくは2である。好ましいLの例としては、置換基
を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいア
リーレン基、またはこれらと−O−、−S−、−NH−
もしくは−N(CH3)−との組み合わされた置換基が
挙げられる。さらに好ましいLの具体例としては、-(C
2)k - (kは2以上10以下の整数を表わす)、-(C
2CH2O) m - CH2CH2-、-(C37O)m-C37-
(mは1以上30以下の整数を表わす)の他、
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】などである。最も好ましくは-(CH2CH2
O)m-CH2CH2-である。Lに置換してもよい置換基の
例としては、アルキル基(例えば、メチル、エチル)、
ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子)、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、
アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミ
ド)、スルホンアミド基、カルバモイル基、アシルオキ
シ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルコキシ
基(例えばメトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ)、
アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、ニトロ基、ホ
ルミル基、アルキルスルホニル基及びアリールスルホニ
ル基、アミノ基、アリール基等を挙げることができる。
【0014】以下に式(II)で表される化合物の具体例
を示すが、本発明は無論これらに限定されるものではな
い。
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】式(I)の化合物は、市販品があり、容易
に入手できる。また、式(II)で表される化合物は、J.
Am.Chem.Soc.、65巻、24頁(1943年)、Bull.C
hem.Soc.Jpn.、61巻、2443頁(1988年)等に
記載されている方法に準じて、アクリロニトリルと下記
式(II−a)の化合物を反応させて容易に合成できる。
【0018】
【化9】
【0019】本発明の電解質に用いられる塩はI2と各
種のヨウ化物(たとえばLiI、NaI、KI、Cs
I、CaI2などの金属ヨウ化物、4級イミダゾリウム
化合物のヨウ素塩、4級ピリジニウム化合物のヨウ素
塩、テトラアルキルアンモニウム化合物のヨウ素塩な
ど)、Br2と各種の臭化物(たとえばLiBr、Na
Br、KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭化
物、テトラアルキルアンモニウムブロマイドやピリジニ
ウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩な
ど)、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセ
ン−フェリシニウムイオンなどの金属錯体の組み合わ
せ、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキル
ジスルフィドなどのイオウ化合物の組み合わせ、アルキ
ルビオローゲン(例えばメチルビオローゲンクロリド、
ヘキシルビオローゲンブロミド、ベンジルビオローゲン
テトラフルオロボレート)とその還元体の組み合わせ、
ポリヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン、ナ
フトハイドロキノン等)とその酸化体の組み合わせなど
を用いることができる。この中では、LiI、NaI、
KI、CsI、CaI2の金属ヨウ化物、4級イミダゾ
リウム化合物のヨウ素塩、4級ピリジニウム化合物のヨ
ウ素塩またはテトラアルキルアンモニウム化合物のヨウ
素塩とI2の組み合わせが好ましい。
【0020】酸化還元対は電子のキャリアになるのであ
る程度の濃度が必要である。電解液中の好ましい濃度と
しては合計で0.01モル/リットル以上であり、より
好ましくは0.1モル/リットル以上であり、特に好ま
しくは0.3モル/リットル以上である。この場合の上
限にはとくに制限はないが、通常5モル/リットル程度
である。
【0021】次に、本発明の光電変換素子および光電気
化学電池の構成と材料について詳述する。本発明におい
て色素増感した光電変換素子は導電性支持体、導電性支
持体上に設置される色素等により増感した半導体膜(感
光層)、電荷移動層および対極からなる。この光電変換
素子を外部回路で仕事をさせる電池用途に使用できるよ
うにしたものが光電気化学電池である。感光層は目的に
応じて設計され、単層構成でも多層構成でもよい。感光
層に入射した光は色素等を励起する。励起された色素等
はエネルギーの高い電子を有しており、この電子が色素
等から半導体微粒子の伝導帯に渡され、さらに拡散によ
って導電性支持体に到達する。この時色素等の分子は酸
化体となっている。光電気化学電池においては導電性支
持体上の電子が外部回路で仕事をしながら対極および電
荷移動層を経て色素等の酸化体に戻り、色素等が再生す
る。半導体膜はこの電池の負極として働く。なお、本発
明ではそれぞれの層の境界において(例えば、導電性支
持体の導電層と感光層の境界、感光層と電荷移動層の境
界、電荷移動層と対極の境界など)、各層の構成成分同
士が相互に拡散して混合していてもよい。
【0022】本発明において、半導体はいわゆる感光体
であり、光を吸収して電荷分離を行い電子と正孔を生ず
る役割を担う。色素増感された半導体では、光吸収およ
びこれによる電子および正孔の発生は主として色素にお
いて起こり、半導体はこの電子を受け取り、伝達する役
割を担う。半導体としてはシリコン、ゲルマニウムのよ
うな単体半導体の他に、金属のカルコゲニド(例えば酸
化物、硫化物、セレン化物等)に代表されるいわゆる化
合物半導体またはペロブスカイト構造を有する化合物等
を使用することができる。金属のカルコゲニドとして好
ましくはチタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジル
コニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、
セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオ
ブ、もしくはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、
鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物、カドミウム、
鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられ
る。他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジ
ウム、カドミウム等のリン化物、ガリウムヒ素、銅−イ
ンジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物等が挙
げられる。また、ペロブスカイト構造を有する化合物と
して好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カル
シウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオ
ブ酸カリウムが挙げられる。本発明に用いられる半導体
としてより好ましくは、具体的にはSi、TiO2、SnO2、Fe
2O3 、WO3 、ZnO、Nb2O5 、CdS、ZnS、PbS、Bi2S3 、Cd
Se、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2 が挙げら
れる。さらに好ましくはTiO2、ZnO、SnO2、Fe2O3 、WO
3 、Nb2O5 、CdS、PbS、CdSe、InP、GaAs、CuInS2、CuI
nSe2 であり、特に好ましくはTiO2またはNb2O5 であ
り、最も好ましくはTiO2である。
【0023】本発明に用いられる半導体は、単結晶で
も、多結晶でもよい。変換効率としては単結晶が好まし
いが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバック
タイム等の点では多結晶が好ましく、特にナノメートル
からマイクロメートルサイズの微粒子半導体が好まし
い。これらの半導体微粒子の粒径は、投影面積を円に換
算したときの直径を用いた平均粒径で一次粒子として5
〜200nmであることが好ましく、特に8〜100nmで
あることが好ましい。また、分散物中の半導体微粒子
(二次粒子)の平均粒径としては0.01〜100μm
であることが好ましい。また、2種類以上の粒子サイズ
分布の異なる微粒子を混合して用いてもよく、この場
合、小さい粒子の平均サイズは5nm以下であることが好
ましい。また、入射光を散乱させて光捕獲率を向上させ
る目的で、粒子サイズの大きな、例えば300nm程度の
半導体粒子を混合してもよい。
【0024】半導体微粒子の作製法は、作花済夫の「ゾ
ル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1988年)、技術
情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技
術」(1995)等に記載のゾル−ゲル法、杉本忠夫の
「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイ
ズ形態制御」 まてりあ、第35巻、第9号 1012
頁から1018頁(1996)記載のゲル−ゾル法が好
ましい。またDegussa社が開発した塩化物を酸水
素炎中で高温加水分解により酸化物を作製する方法も好
ましい。また酸化チタンの場合は上記のゾル−ゲル法、
ゲル−ゾル法、塩化物を酸水素炎中で高温加水分解法が
いずれも好ましいが、さらに清野学の「酸化チタン 物
性と応用技術」技報堂出版(1997)に記載の硫酸
法、塩素法を用いることもできる。酸化チタンの場合は
上記のゾル−ゲル法のうち特にバーブ等の「ジャーナル
・オブ・アメリカン・セラミック・ソサエティー 第8
0巻、第12号、3157ページから3171ページ
(1997)」記載のものと、バーンサイド等の「ケミ
カル・マテリアルズ 第10巻 第9号、2419ペー
ジから2425ページ」記載の方法が好ましい。
【0025】導電性支持体は、金属のように支持体その
ものに導電性があるものか、または表面に導電剤を含む
導電層(導電剤層)を有するガラスもしくはプラスチッ
クの支持体を使用することができる。後者の場合好まし
い導電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アル
ミニウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、もしくは
導電性の金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸
化スズにフッ素をドープしたもの等)が挙げられる。上
記導電剤層の厚さは、0.02〜10μm程度であるこ
とが好ましい。導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。
好ましい表面抵抗の範囲としては100Ω/cm2以下で
あり、さらに好ましくは40Ω/cm2以下である。この
下限には特に制限はないが、通常0.1Ω/cm2程度で
ある。導電性支持体は実質的に透明であることが好まし
い。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上で
あることを意味し、50%以上であることが好ましく、
70%以上が特に好ましい。透明導電性支持体としては
ガラスもしくはプラスチックに導電性の金属酸化物を塗
設したものが好ましい。この中でもフッ素をドーピング
した二酸化スズからなる導電層を低コストのソーダ石灰
フロートガラスでできた透明基板上に堆積した導電性ガ
ラスが特に好ましい。また、低コストでフレキシブルな
光電変換素子または太陽電池には、透明ポリマーフィル
ムに上記導電層を設けたものを用いるのがよい。透明ポ
リマーフィルムには、テトラアセチルセルロース(TA
C)、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、シンジオクタチックポ
リステレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(P
PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクレート
(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステル
スルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PE
I)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等があ
る。透明導電性支持体を用いる場合、光はその支持体側
から入射させることが好ましい。この場合、導電性金属
酸化物の塗布量はガラスもしくはプラスチックの支持体
1m2当たり0.01〜100gが好ましい。
【0026】透明導電性基板の抵抗を下げる目的で金属
リードを用いることも好ましい。金属リードの材質はア
ルミニウム、銅、銀、金、白金、ニッケル等の金属が好
ましく、特にアルミニウム、銀が好ましい。金属リード
は透明基板に蒸着、スッパタリング等で設置し、その上
にフッ素をドープした酸化スズ、またはITO膜からな
る透明導電層を設けることが好ましい。また上記の透明
導電層を透明基板に設けたあと、透明導電層上に金属リ
ードを設置することも好ましい。金属リード設置による
入射光量の低下は1〜10%、より好ましくは1〜5%
である。
【0027】半導体微粒子を導電性支持体上に塗設する
方法としては、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶
液を導電性支持体上に塗布する方法、前述のゾル−ゲル
法などが挙げられる。光電変換素子の量産化、液物性や
支持体の融通性を考えた場合、湿式の膜付与方式が比較
的有利である。湿式の膜付与方式としては、塗布法、印
刷法が代表的である。半導体微粒子の分散液を作成する
方法としては前述のゾル-ゲル法の他、乳鉢ですり潰す
方法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるい
は半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させ
そのまま使用する方法等が挙げられる。分散媒としては
水または各種の有機溶媒(例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、ジクロロメタン、アセト
ン、アセトニトリル、酢酸エチル等)が挙げられる。分
散の際、必要に応じてポリマー、界面活性剤、酸、もし
くはキレート剤などを分散助剤として用いてもよい。塗
布方法としては、アプリケーション系としてローラ法、
ディップ法、メータリング系としてエアーナイフ法、ブ
レード法等、またアプリケーションとメータリングを同
一部分でできるものとして、特公昭58−4589号公
報に開示されているワイヤーバー法、米国特許2681
294号、同2761419号、同2761791号等
に記載のスライドホッパ法、エクストルージョン法、カ
ーテン法等が好ましい。また汎用機としてスピン法やス
プレー法も好ましく用いられる。湿式印刷方法として
は、従来から凸版、オフセット、グラビアの3大印刷法
をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好まし
い。前記方法の中から、液粘度やウェット厚みにより好
ましい膜付与方式を選択する。
【0028】液粘度は半導体微粒子の種類や分散性、使
用溶媒種、界面活性剤やバインダー等の添加剤により大
きく左右される。高粘度液(例えば0.01〜500Po
ise)ではエクストルージョン法やキャスト法が好まし
く、低粘度液(例えば0.1Poise以下)ではスライド
ホッパー法もしくはワイヤーバー法もしくはスピン法が
好ましく、均一な膜にすることが可能である。なお、エ
クストルージョン法による低粘度液の塗布の場合でも塗
布量がある程度の量あれば塗布は可能である。また半導
体微粒子の高粘度ペーストの塗設にはしばしばスクリー
ン印刷が用いられており、この手法を使うこともでき
る。このように塗布液の液粘度、塗布量、支持体、塗布
速度等のパラメータに対応して、適宜ウェット膜の付与
方式を選択すればよい。
【0029】さらに、半導体微粒子層は単層と限定する
必要はない。微粒子の粒径の違った分散液を多層塗布す
ることも可能であり、また半導体の種類が異なる、ある
いはバインダー、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗
布することもでき、また一度の塗布で膜厚が不足の場合
にも多層塗布は有効である。多層塗布には、エクストル
ージョン法またはスライドホッパー法が適している。ま
た多層塗布をする場合は同時に多層を塗布しても良く、
数回から十数回順次重ね塗りしてもよい。さらに順次重
ね塗りであればスクリーン印刷法も好ましく使用でき
る。
【0030】一般に、半導体微粒子含有層の厚みが増大
するほど単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため
光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増
すため電荷再結合によるロスも大きくなる。したがっ
て、半導体微粒子含有層には好ましい厚さが存在する
が、典型的には0.1〜100μmである。光電気化学
電池として用いる場合は1〜30μmであることが好ま
しく、2〜25μmであることがより好ましい。半導体
微粒子の支持体1m2当たりの塗布量は0.5〜400
g、さらには5〜100gが好ましい。半導体微粒子は導
電性支持体に塗布した後に粒子同士を電子的にコンタク
トさせるため、および塗膜強度の向上や支持体との密着
性を向上させるために加熱処理することが好ましい。好
ましい加熱処理温度の範囲は40℃以上700℃未満で
あり、より好ましくは100℃以上600℃以下であ
る。また加熱処理時間は10分〜10時間程度である。
ポリマーフィルムなど融点や軟化点の低い支持体を用い
る場合は、高温処理は支持体の劣化を招くため、好まし
くない。また、コストの観点からもできる限り低温であ
ることが好ましい。低温化は、先に述べた5nm以下の小
さい半導体微粒子の併用や鉱酸の存在下での加熱処理等
により可能である。また、加熱処理後、半導体粒子の表
面積を増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高め、色
素から半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例
えば四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チ
タン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよ
い。半導体微粒子は多くの色素を吸着することができる
ように表面積の大きいものが好ましい。このため半導体
微粒子層を支持体上に塗設した状態での表面積は、投影
面積に対して10倍以上であることが好ましく、さらに
100倍以上であることが好ましい。この上限には特に
制限はないが、通常1000倍程度である。
【0031】本発明に使用する色素は錯体色素、特に金
属錯体色素またはポリメチン色素が好ましい。本発明で
は、光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効
率を上げるため、二種類以上の色素を混合することもで
きる。そして、目的とする光源の波長域と強度分布に合
わせるように混合する色素とその割合を選ぶことができ
る。こうした色素は半導体微粒子の表面に対する適当な
結合基(interlockinggroup)を有していることが好ま
しい。好ましい結合基としては、COOH基、SO3H基、シア
ノ基、-P(O)(OH)2基、-OP(O)(OH)2 基、または、オキシ
ム、ジオキシム、ヒドロキシキノリン、サリチレートお
よびα−ケトエノレートのようなπ伝導性を有するキレ
ート化基が挙げられる。この中でもCOOH基、-P(O)(OH)2
基、-OP(O)(OH)2 基が特に好ましい。これらの基はアル
カリ金属等と塩を形成していてもよく、また分子内塩を
形成していてもよい。また、ポリメチン色素の場合、メ
チン鎖がスクアリリウム環やクロコニウム環を形成する
場合のように酸性基を含有するなら、この部分を結合基
としてもよい。
【0032】本発明に使用する色素が金属錯体色素の場
合、ルテニウム錯体色素が好ましく、さらに下記式(II
I)で表される色素が好ましい。 式(III) (A1) pRuBa b c 式中、pは0〜2であり、好ましくは2である。Ruは
ルテニウムを表す。A 1 はCl、SCN、H2 O、B
r、I、CN、NCOおよびSeCNから選択される配
位子である。Ba 、Bb 、Bc はそれぞれ独立に以下の
B−1〜B−8から選択される有機配位子である。
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】ここで、Raは水素原子、ハロゲン原子、
炭素原子数(以下C数という)1〜12個で置換もしく
は無置換のアルキル基、C数7〜12個で置換もしくは
無置換のアラルキル基、またはC数6〜12個で置換も
しくは無置換のアリール基を表す。上記のアルキル基、
アラルキル基のアルキル部分は直鎖状であっても分岐状
であってもよく、アリール基、アラルキル基のアリール
部分は単環であっても多環(縮合環、環集合)であって
もよい。本発明に用いられるルテニウム錯体色素として
は、例えば、米国特許4927721号、同4684537号、同5084
365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号および
特開平7-249790号明細書に記載の錯体色素が挙げられ
る。以下に本発明に使用する金属錯体色素の好ましい具
体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】本発明に使用する色素がポリメチン色素で
ある場合、下記式(IV)または式(V)で表される色素
が好ましい。
【0040】
【化15】
【0041】式中、RbおよびRfは各々水素原子、アル
キル基、アリール基、または複素環基を表し、Rc〜Re
は各々水素原子または置換基を表す。Rb〜Rfは互いに
結合して環を形成してもよい。X11およびX12は各々窒
素、酸素、硫黄、セレン、テルルを表す。m11およびm
13は各々0〜2の整数を表し、m12は1〜6の整数を表
す。式(IV)で表される化合物は分子全体の電荷に応じ
て対イオンを有してもよい。上記におけるアルキル基、
アリール基、複素環基は、置換基を有していてもよい。
アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、ア
リール基、複素環基は、単環でも、多環(縮合環、環集
合)であってもよい。またRb〜Rfによって形成される
環は、置換基を有していてもよく、単環であっても縮合
環であってもよい。
【0042】
【化16】
【0043】式中、Zaは含窒素複素環を形成するに必
要な非金属原子群を表す。Rgはアルキル基またはアリ
ール基である。Qは式(V)で表される化合物がメチン
色素を形成するのに必要なメチン基またはポリメチン基
を表す。X13は電荷均衡対イオンを表し、m14は分子の
電荷を中和するのに必要な0以上10以下の整数を表
す。上記のZaで形成される含窒素複素環は置換基を有
していてもよく、単環であっても縮合環であってもよ
い。また、アルキル基、アリール基は置換基を有してい
てもよく、アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であって
もよく、アリール基は単環であっても多環(縮合環、環
集合)であってもよい。式(V)で表される色素は、下
記式(V−a)〜(V−d)で表される色素であること
が好ましい。
【0044】
【化17】
【0045】式(V−a)〜(V−d)中、Ra1
a5、Rb1〜Rb4、Rc1〜Rc3、およびRd1〜Rd3はそ
れぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、また
は複素環基を表し、Y11、Y12、Y21、Y22、Y31〜Y
35およびY41〜Y46はそれぞれ独立に酸素、硫黄、セレ
ン、テルル、−CRe1e2−、または−NRe3−を表
す。Y23はO-、S-、Se-、Te-、またはNRe4 -
表す。Re1〜Re4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、アリール基、または複素環基を表す。V11、V12
21、V22、V31およびV41はそれぞれ独立に置換基を
表し、m15、m31およびm41はそれぞれ独立に1〜6の
整数を表す。上記におけるアルキル基、アリール基、複
素環基は置換基を有していてもよく、アルキル基は直鎖
であっても分岐鎖であってもよく、アリール基、複素環
基は単環であっても多環(縮合環、環集合)であっても
よい。以上のようなポリメチン色素の具体例はM.Okawar
a,T.Kitao,T.Hirasima, M.Matuoka著Organic Colorants
(Elsevier)等に詳しく記載されている。以下に式(I
V)または(V)で表されるポリメチン色素の好ましい
具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0046】
【化18】
【0047】
【化19】
【0048】
【化20】
【0049】
【化21】
【0050】
【化22】
【0051】
【化23】
【0052】
【化24】
【0053】
【化25】
【0054】
【化26】
【0055】
【化27】
【0056】
【化28】
【0057】式(IV)および式(V)で表される化合物
は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイ
クリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リ
レィティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cy
anine Dyes and Related Compounds)」、ジョン・ウィ
リー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニュー
ヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スター
マー(D.M.Sturmer)著「ヘテロ素サイクリック・コンパ
ウンズースペシャル・トピックス・イン・複素サイクリ
ック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Special
topics in heterocyclic chemistry)」、第18章、第
14節、第482から515項、ジョン・ウィリー・ア
ンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨーク、
ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オ
ブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry of Car
bon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977刊、第
15章、第369から422項、エルセビア・サイエン
ス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Scienc
e Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨーク、英国
特許第1,077,611号などに記載の方法に基づいて合成す
ることができる。
【0058】色素を半導体微粒子に吸着させるには色素
等の溶液中によく乾燥した半導体微粒子を数時間浸漬す
る方法が一般的である。色素の吸着は室温で行ってもよ
いし、特開平7-249790号に記載されているように加熱還
流して行ってもよい。色素の吸着は半導体微粒子を導電
性支持体に塗設する前に行っても塗設後に行ってもよい
し、半導体微粒子と色素等を同時に塗設して吸着させて
も良いが、塗設後の半導体微粒子膜に吸着させるのが好
ましい。導電性支持体に塗設した半導体微粒子膜に色素
を吸着させる方法は色素溶液中によく乾燥した半導体微
粒子膜を浸漬するか、もしくは色素溶液を半導体微粒子
膜上に塗布して吸着させる方法を用いることができる。
前者の場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法、エアーナ
イフ法などが使える。後者の塗布方法としては、ワイヤ
ーバー法、スライドホッパ法、エクストルージョン法、
カーテン法、スピン法、スプレー法があり、印刷方法と
しては、凸版、オフセット、グラビア、スクリーン印刷
等がある。
【0059】液粘度も半導体微粒子層の形成時と同様
に、高粘度液(例えば0.01〜500Poise)ではエク
ストルージョン法の他、各種印刷法が、低粘度液(例え
ば0.1Poise以下)ではスライドホッパー法もしくは
ワイヤーバー法もしくはスピン法が適していて、均一な
膜にすることが可能である。このように色素塗布液の液
粘度、塗布量、支持体、塗布速度等のパラメータに対応
して、適宜付与方式を選択すればよい。塗布後の色素吸
着に要する時間は、量産化を考えた場合、なるべく短い
方がよい。
【0060】色素の使用量は、全体で、支持体1m2当た
り0.01〜100ミリモルが好ましい。また、色素の
半導体微粒子に対する吸着量は半導体微粒子1gに対し
て0.01〜1ミリモルが好ましい。このような色素量
とすることによって、半導体における増感効果が十分に
得られる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不
十分となり、色素量が多すぎると、半導体に付着してい
ない色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
【0061】未吸着の色素の存在は素子性能の外乱にな
るため、吸着後速やかに洗浄によって除去することが好
ましい。湿式洗浄槽を使い、アセトニトリル等の極性溶
剤、アルコール系溶剤のような有機溶媒で洗浄を行うの
がよい。また、吸着色素量を増大させるため、加熱処理
を吸着前に行うことが好ましい。加熱処理後、半導体微
粒子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に戻さず
40〜80℃の間で素早く色素を吸着させることも好ま
しい。
【0062】会合など色素同士の相互作用を低減する目
的で無色の化合物を共吸着させてもよい。共吸着させる
疎水性化合物としてはカルボキシル基を有するステロイ
ド化合物(例えばコール酸)等が挙げられる。また、紫
外線による光劣化を防止する目的で紫外線吸収剤を共吸
着させることもできる。余分な色素の除去を促進する目
的で、色素を吸着した後にアミン類を用いて半導体微粒
子の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としては
ピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ポリビニル
ピリジン等が挙げられる。これらは液体の場合はそのま
ま用いてもよいし有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0063】以下、電荷移動層と対極について詳しく説
明する。電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機
能を有する層である。代表的な例としては酸化還元対を
有機溶媒に溶解した液体(電解液)、酸化還元対を有機
溶媒に溶解した液体をポリマーマトリクスに含浸したい
わゆるゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩などが
挙げられる。本発明では、電荷移動層を、本発明の電解
質を含有させた電解質含有層とするものである。電解質
含有層の厚みは0.001〜200μmが好ましく、
0.1〜100μmであることがより好ましい。本発明
の電解質は、塩を溶解した本発明の化合物から溶液を調
整し、キャスト法、塗布法、浸漬法、含浸法などにより
色素を担持した電極上に電解質層を形成させる方法によ
って製造することが好ましい。
【0064】塗布法によって電解質層を形成する場合、
塩を溶解した溶媒からなる塗布溶液にレベリング剤等の
塗布性改良剤などの添加剤を添加し調整した均一溶液を
スピンコート法、ディップコート法、エアーナイフコー
ト法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤー
バーコート法、グラビアコート法、或いは、米国特許第
2681294号記載のホッパーを使用するエクストルージョ
ンコート法、または米国特許第2761418号、同3508947
号、同2761791号記載の多層同時塗布方法等の方法によ
り塗布し本発明の電解質層を形成することができる。電
解質層にヨウ素などの化合物を導入する場合、電解質層
の形成後、例えば電解質層を含むサンプルをヨウ素など
の化合物と共に密閉容器内に置き、電解質中に拡散させ
る手法等により導入することができる。また、ヨウ素な
どの化合物は対極に塗布あるいは蒸着する方法により素
子中に導入することができる。
【0065】なお、電荷移動層中の水分としては10,
000ppm以下が好ましく、さらに好ましくは2,0
00ppm以下であり、特に好ましくは100ppm以
下である。
【0066】対極は、光電変換素子を光電気化学電池と
したとき、光電気化学電池の正極として働くものであ
る。対極は通常前述の導電性支持体と同様に導電性層を
有する支持体を用いることもできるが、強度や密封性が
十分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要で
ない。具体的に対極に用いる導電性の材料としては金属
(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、
インジウム等)、炭素、または導電性の金属酸化物(イ
ンジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープ
したもの等)が挙げられる。対極の厚さは、特に制限は
ないが、3nm以上10μm以下であることが好まし
い。金属材料である場合は、その膜厚は好ましくは5μ
m以下であり、さらに好ましくは5nm以上3μm以下
の範囲である。感光層に光が到達するためには、前述の
導電性支持体と対極の少なくとも一方は実質的に透明で
なければならない。本発明の光電気化学電池において
は、導電性支持体が透明であって太陽光を支持体側から
入射させるのが好ましい。この場合対極は光を反射する
性質を有することがさらに好ましい。本発明において対
極としては金属または導電性の酸化物を蒸着したガラス
またはプラスチック、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0067】対極の塗設については、電荷移動層の上に
付与する場合と先に半導体微粒子含有層上に付与する場
合の2通りある。いずれの場合も、対極材の種類や電荷
移動層の種類により、適宜、電荷移動層上または半導体
微粒子含有層上に対極材を塗布、ラミネート、蒸着、貼
り合わせなどの方法により形成可能である。例えば、対
極を貼り合わせる場合は、上記の導電性材料を塗布、蒸
着、CVD等の手法により導電層として設けられた基板
を貼り合わせることができる。
【0068】さらに、作用電極の導電性支持体または対
極に保護層、反射防止膜など、必要な他の機能の層を設
けることも可能である。このような層を多層にて機能分
離させる場合、同時多層塗布や逐次で塗布することが可
能であるが、生産性を優先させると同時多層塗布がより
好ましい。同時多層塗布では、生産性および膜付与均一
性を考えた場合、スライドホッパー法やエクストルージ
ョン法が適している。また、これらの機能層はその材料
により、蒸着や貼り付けなどの手法を用いて設けること
もできる。
【0069】本発明の光電気化学電池では構成物の劣化
や内容物の揮散を防止するために電池の側面をポリマー
や接着剤等で密封するのが好ましい
【0070】
【実施例】以下に具体例を挙げ、本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を超えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。 1.二酸化チタン粒子含有塗布液の作製 オートクレーブ温度を230℃にした以外はバーブのジャ
ーナル・オブ・アメリカン・セラミック・ソサイエティ
80巻3157頁記載の方法と同様の方法で二酸化チタン濃
度11重量%の二酸化チタン分散物を得た。得られた二酸
化チタン粒子の平均サイズは約10nmであった。この分散
物に二酸化チタンに対し30重量%のポリエチレングリコ
ール(分子量20000、和光純薬製)を添加し、混合し塗
布液を得た。
【0071】2.色素を吸着した二酸化チタン電極の作
成 フッ素をドープした酸化スズをコーティングした透明導
電性ガラス(日本板硝子製、表面抵抗は約10Ω/cm2
の導電面側にこの塗布液をドクターブレードで140μmの
厚みで塗布し、25℃で30分間乾燥した後、電気炉(ヤマ
ト科学製マッフル炉FP−32型)で450℃にて30
分間焼成した。二酸化チタンの塗布量は15g/m2であり、
膜厚は10μmであった。
【0072】ガラスを取り出し冷却した後、表1に示す
色素のエタノール溶液(3×10-4モル/リットル)に
3時間浸漬した。色素の染着したガラスを4−tert−ブ
チルピリジンに15分間浸漬した後、エタノールで洗浄
し自然乾燥させた。色素の塗布量は、色素の種類に応
じ、適宜0.1〜10mモル/m2の範囲から選択した。
【0073】
【表1】
【0074】3.光電気化学電池の作成 前述のようにして作製した色増感されたTiO2 電極基
板(2cm×2cm)にこれと同じ大きさの白金蒸着ガラス
と重ね合わせた(図1参照)。次に、両ガラスの隙間に
毛細管現象を利用して、表1に記載の本発明の溶媒化合
物に電解質塩0.65モル/リットルおよびヨウ素0.
05モル/リットルを加えたものをしみこませ、TiO
2 電極中に導入し、光電気化学電池を得た。
【0075】上述の工程を色素と電解質の溶媒と塩の組
み合わせを表1に記載したように変更して同様に行っ
た。
【0076】本実施例により、図1に示したとおり、導
電性ガラス1(ガラス上に導電剤層2が設層されたも
の)、TiO2 電極3、色素層4、電解液5、白金層6
およびガラス7が順に積層された光電気化学電池が作成
された。
【0077】4.比較用光電気化学電池の作成 本発明の化合物の代わりに、表1に示される従来の化合
物を溶媒とする電解質組成物と色素の組み合わせを用い
たほかは上記3.に示される方法と同様にして比較用光
電気化学電池を得た。
【0078】5.光電変換効率の測定 500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光を分光フィ
ルター(Oriel社製AM1.5)およびシャープカッ
トフィルター(KenkoL−42)を通すことにより
紫外線を含まない模擬太陽光を発生させた。この光の強
度は84mW/cm2であった。前述の光電気化学電池の導電
性ガラスと白金蒸着ガラスにそれぞれ、ワニ口クリップ
を接続し、模擬太陽光を照射し、発生した電気を電流電
圧測定装置(ケースレーSMU238型)にて測定した。
これにより求められた光電気化学電池の開放電圧(Vo
c)、短絡電流密度(Jsc)、形状因子(FF)、および光電変
換効率(η)と240時間連続照射後の光電変換効率
(η)の低下率を一括して表2に記載した。
【0079】
【表2】
【0080】比較例と比べ、本発明の電解質を用いるこ
とにより光電変換特性の劣化が少ない光電気化学電池が
得られることがわかる。
【0081】
【発明の効果】本発明の電解質を用いることにより、光
電変換特性に優れ、経時での特性劣化が少ない光電変換
素子および光電気化学電池が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成した光電気化学電池の構成を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 導電性ガラス 2 導電剤層 3 TiO2 電極 4 色素層 5 電解液 6 白金層 7 ガラス
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 14/00 C07C 255/13 5H032 // C07C 255/13 H01L 31/04 D Fターム(参考) 4H006 AA03 AB91 4J002 AA001 AB031 BB171 BC031 BG041 CF061 CF081 CG001 CH081 CM041 CN011 CN031 ET006 EU027 EU037 EU056 EU137 EU217 EV307 EV337 EZ007 FD097 GQ02 4J005 AA04 BD03 BD05 5F051 AA14 5G301 CA08 CA30 CD01 5H032 AA06 AS06 AS16 CC14 CC17 EE16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのエーテル結合と少なく
    とも2つのシアノエチル基を有する化合物を含有する電
    解質。
  2. 【請求項2】 上記化合物が式(I)の化合物である請
    求項1の電解質。 【化1】
  3. 【請求項3】 上記化合物が式(II)で表される請求項
    1の電解質。 【化2】 〔式中、Lは、n価のアルコール残基を表す。nは、2以
    上の整数を表す。〕
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの電解質を用い
    た電解質含有層、導電性支持体、この導電性支持体上に
    塗設された半導体含有層、および対極とを有する光電変
    換素子。
  5. 【請求項5】 上記半導体が色素によって増感された微
    粒子半導体である請求項4の光電変換素子。
  6. 【請求項6】 請求項4または5の光電変換素子を用い
    る光電気化学電池。
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