JP2000244036A - レーザパルス発生装置 - Google Patents

レーザパルス発生装置

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JP2000244036A
JP2000244036A JP11038816A JP3881699A JP2000244036A JP 2000244036 A JP2000244036 A JP 2000244036A JP 11038816 A JP11038816 A JP 11038816A JP 3881699 A JP3881699 A JP 3881699A JP 2000244036 A JP2000244036 A JP 2000244036A
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laser pulse
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Yasuyuki Kageyama
恭行 景山
Hirozumi Azuma
博純 東
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のパルスレーザ発生装置に比べて試料表
面を短時間で且つ確実に必要温度に加熱することができ
るパルスレーザ発生装置を提供する。 【解決手段】 非晶質シリコン薄膜をパルスレーザアニ
ールにより多結晶シリコン薄膜とするためのパルスレー
ザ発生装置であって、(1)レーザ発振器から発射され
たパルスレーザビームを形状を保持したまま強度のみを
分割する手段、(2)分割された前記ビームの一方に光
路長を追加する手段、(3)分割された前記ビームの他
方を、更に時間差を有する複数のパルスからなるパルス
列に分割する手段、 (4)前記両ビームの強度を独立し
て制御可能な強度減衰手段、並びに(5)前記両ビーム
の断面形状及び断面内強度分布を整形する手段、を有す
るパルスレーザ発生装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザパルス発生装
置、更に詳しくは、試料の前駆加熱、例えばシリコン薄
膜や炭化水素を多量に含んだゾルゲル法などの化学的方
法により形成された酸化物膜の結晶化アニールなどの目
的でシリコン薄膜や酸化物膜にレーザパルスビームを照
射する際に、該レーザパルスビームを二分割し、分割さ
れた前記ビームの一方の光路を延長させることにより遅
延させ、また分割された前記ビームの他方を更に複数に
分割して、試料の同位置に複数のレーザパルスビームを
時間差を設けて照射することが可能であり、この際、独
立して各パルスの断面形状及び強度を制御することによ
り、短時間で且つ確実に試料をレーザ加熱することがで
きるレーザパルス発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザビーム、例えばレーザパルスビー
ムを用いると他の方法では実施困難な微細加工や局部加
熱を容易に行うことができるので、近年、レーザビーム
を用いる種々の加工方法又はそのための装置が提案され
ている。例えば、レーザパルスビームを三回以上の多数
回にわたって被加工物に照射する方法及びその装置(特
開平5−29693号公報)、等強度のレーザパルスビ
ームを二つ発生させる装置(特開昭62−133788
号公報)等がある。レーザビームを結晶化アニール、例
えばシリコン薄膜の結晶化アニールなどの目的に用いる
こともできる。前記目的に使用する種々のレーザアニー
ル装置又は方法が提案されている。例えば、レーザパル
ス発振器を複数台使用して非晶質シリコン薄膜の異なる
位置を同時にパルスアニール処理してスループットを向
上させる装置及び方法(特開平10−41244号公
報)、レーザパルス発振器を複数台使用し、これらを同
期させてレーザ光を出射し、非晶質シリコン薄膜上にこ
れら出射されたレーザ光の端部を重ね合わせながらパル
スアニール処理を行い、非晶質シリコン薄膜上で結晶化
の継ぎ目部分を極力減少させる方法(特開平4−282
869号公報)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】非晶質シリコン(a−
Si)薄膜の結晶化においては、a−Si薄膜を高温に
保持することでシリコン原子の移動が活発に起こるよう
になり、まず結晶核の発生が起こり、次いでこの結晶核
が成長する、といった2段階の過程を経た後に結晶化が
完了する。この結果として、多結晶シリコン(poly-Si)
薄膜を、又は種結晶を用いる等の条件によっては単結晶
シリコン簿膜を得ることができる。前記結晶化過程にお
いて、結晶核の形成までにはa−Si薄膜中の不純物,
欠陥等が排出されて、結晶核の形成の際にシリコン原子
が再配列することが必要である。特にシラン系のガスを
原料としてCVD法により堆積されたa−Si薄膜を結
晶化する際には、このシリコン原子の再配列と同時に、
又はそれに先だって、a−Si薄膜中に含まれる水素原
子を充分に放出させる必要がある。
【0004】前記の水素原子の放出過程は結晶相として
は外部から観察することができない、いわゆる結晶化過
程における潜伏期といわれる前駆過程である。この状態
は数nsという極く短時間のレーザ照射加熱による結晶
化(レーザアニール)においても同様に発生すると考え
られる。レーザアニールによる結晶化においてはa−S
i薄膜に一旦溶融状態に達する程の高エネルギーを与え
る場合もあるが、溶融状態においても上述したような不
純物の排出過程は起こるはずであり、広い意味ではこの
場合も潜伏期に含まれる。その後にa−Si薄膜が冷却
されて結晶化が完結するが、a−Si薄膜が溶融状態に
至るか否かに関わらず、前記潜伏期における温度及び時
間がその後の結晶核形成及び結晶核成長期の段階での不
純物の含有量及び分布を決定し、ひいては結晶化過程及
び最終的に得られる製品の結晶状態に大きな影響を与え
ることは自明である。
【0005】このため、特にプラズマCVD法でシラン
系のガスを用いて堆積したa−Si薄膜の場合に顕著で
あるが、高エネルギーのレーザパルス照射によりa−S
i薄膜の溶融が生じる際に、炉アニールでは徐々に放出
される水素がレーザアニールでは爆発的に脱離すること
で前記膜が破壊したり、前記膜表面の激しい凹凸が生じ
る、といった現象が頻繁に生じた。これを防ぐために従
来のレーザアニールによる結晶化においては、予め水素
脱離を施すための低エネルギーのパルスを3Hzの周波
数で10秒間にわたってa−Si薄膜に与える操作を二
度繰り返した後に結晶化の高エネルギーパルスを別途与
える方法〔P. M.smith etal ,Appl. Phys.Lett.,70
(3),342(1997)〕、又は予めa−Si薄膜を炉中におい
て500℃程度以下の結晶化を誘起しない温度領域での
水素脱離予備アニールを行なった後、レーザアニールで
結晶化させる方法が取られていた。
【0006】前述の如く、従来のレーザアニールによる
結晶化では水素脱離のための処理が結晶化前に必要とな
り、工程上の時間を多く費やしていた。水素脱離を数回
のレーザパルスで行なう方法に関しても前述のような予
備処理に対する時間を必要とする。これはレーザパルス
の間隔が長いために、試料に対して非効率な加熱しかで
きなかったことが原因である。すなわち、従来のレーザ
アニールで使用されたレーザパルスでは、a−Si薄膜
に照射されるレーザパルスの間隔がレーザ発振器本体の
みによって決定されたものであり、最も短い場合でも1
ms程度である。パルスの幅が通常考え得る最大値の1
00nsであったとしても、次のパルスが照射されるま
での問にパルス幅の104 倍の時間待機状態となる。し
たがって、a−Si薄膜に与えられたレーザ光エネルギ
ーの中で脱水素に使用されない分は熱エネルギーとなっ
て基板に散逸し、シリコン薄膜内の温度は前パルスの照
射前と同温度に戻る。このためパルス列を重畳してレー
ザアニールを行ったとしても、レーザ照射されるシリコ
ン薄膜は常に定常状態にあるため、エネルギーの蓄積の
効果は顕著に現れなかった。
【0007】従来技術のレーザパルス発生装置を使用し
ても、前記レーザアニールによる結晶化の際に充分な水
素脱離を行うことはできない。すなわち、特開平5−2
9693号公報、特開昭62−133788号公報に記
載された装置により形成したパルス列では充分な強度比
及び回数を有するパルス列を形成することができない。
また特開平5−29693号公報に記載された装置は、
実際の使用に際してレーザビーム拡大器を必要とする。
【0008】特開平5−29693号公報に記載された
マルチパスレーザ発生装置では、図5に示すような非直
線偏光化・遅延手段としてのガラス板又はファイバーを
用いてマルチレーザパルスビームを出射する。すなわち
図5の装置において、レーザパルス発振器31より出射
されるレーザパルス32はビーム拡大器33で拡大され
る。ビーム拡大器33を出たレーザパルスPINは偏光ビ
ームスプリッタ34に入射し、透過光P1 と反射光S1
とに分離される。反射光S1 は出射光POUT となる。他
方、透過光P1 は遅延光路長を与えるガラス板35、直
線偏光を円偏光や楕円偏光に変える1/4波長板36に
順次入射し、全反射ミラー37,38,39で反射され
て再び偏光ビームスプリッタ34に入射する。偏光ビー
ムスプリッタ34を透過したレーザパルスP2 はレーザ
パルスPINの反射光S1 に次いで出射光POUT となり、
また偏光ビームスプリッタ34で反射したレーザパルス
は、同様にして、レーザパルスP3 以降の出射光POUT
となる。
【0009】図6に、図5の装置を用いて得られたパル
ス列(出射光POUT )の強度比と時間差を示す。各パル
ス列は約100nsの時間間隔で出射される。また、最
初のパルス列と次のパルス列とは約200μsの時間間
隔で出射される。図7に、図5の装置を使用してレーザ
パルスを照射した場合のa−Si薄膜試料の温度変化を
示す。図5の装置を用いて得られたパルス列では、複数
のパルス間の時間間隔が長く、また最初のパルス列と次
のパルス列との間の時間間隔も長いので、照射されたa
−Si薄膜の温度は一旦室温に戻ってしまい、レーザパ
ルスのエネルギーが充分有効に利用されない。
【0010】特開平10−41244号公報、特開平4
−282869号公報に記載された装置では複数のレー
ザ発振器を使用しなければならない。また特開平10−
41244号公報に記載された装置では、レーザ発振器
から生じるレーザパルスはシリコン薄膜上の異なる位置
を照射するので、シリコン薄膜上の所定位置に充分なエ
ネルギーを付与することは困難である。
【0011】上述の如く、従来のレーザパルス発生装置
を使用しても、非晶質薄膜、例えば非晶質シリコン薄膜
に対して充分なレーザアニールを行うことは困難であ
る。本発明は上記従来技術の問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的とするところは、短時間で
効率的且つ確実に試料をレーザ加熱することができるレ
ーザパルス発生装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、非晶
質薄膜をレーザパルスアニールにより多結晶薄膜とする
ためのレーザパルス発生装置であって、(1)レーザ発
振器から発射されたレーザパルスビームを形状を保持し
たまま強度のみを分割する手段、(2)分割された前記
ビームの一方に光路長を追加する手段、(3)分割され
た前記ビームの他方を、更に時間差を有する複数のパル
スからなるパルス列に分割する手段、(4)前記両ビー
ムの強度を独立して制御可能な強度減衰手段、並びに
(5)前記両ビームのビーム断面形状及び強度分布を整
形する手段、を有することを特徴とするレーザパルス発
生装置に関するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の装置で使用することがで
きる非晶質薄膜の大きさや形状は適宜選択する。非晶質
薄膜としては、金属,半金属,セラミック等の非晶質薄
膜、例えば非晶質シリコン薄膜や非晶質酸化物薄膜が挙
げられる。本発明の装置を用いてレーザ照射する試料
は、予め適する方法、例えばCVD法により適する支持
体上に好適な大きさや形状で形成しておいてよい。本発
明の装置は単一の工程において使用することができる
が、他の工程、例えば前述のCVD法により形成した薄
膜を処理するために、例えば連続工程中で使用すること
もできる。また、所望により、本発明の装置を他の装置
や種々の方法と組み合わせて使用してもよい。レーザ発
振器から発射されたレーザパルスビームを形状を保持し
たまま強度のみを分割する手段としては、例えばハーフ
ミラーを使用することができる。分割された前記ビーム
の一方に光路長を追加する手段としては、例えば全反射
ミラーを使用することができる。光路長の追加により、
最大1μs程度の遅延を生ぜしめるようにすることが好
ましい。分割された前記ビームの他方を、更に時間差を
有する複数のパルスからなるパルス列に分割する手段と
しては、例えば全反射ミラーを使用することができる。
複数のパルスは、例えば数〜数十nsの時間遅れを持っ
たパルスとすることが好ましい。前記両ビームの強度を
独立して制御可能な強度減衰手段としては、例えばアッ
テネータを使用することができる。前記両ビームの断面
形状及び断面内強度分布を整形する手段としては、例え
ばホモジナイザーを使用することができる。前記のハー
フミラー,全反射ミラー,アッテネータ及びホモジナイ
ザーの大きさ,形状,数,性能等は、本発明の目的を達
成し得る範囲内で選択してよい。本発明の装置の各構成
要素を最適に制御するために、例えばパーソナルコンピ
ュータなどの制御器を設けてもよい。
【0014】<作用>本発明のレーザパルス発生装置で
は、非晶質薄膜、例えば非晶質シリコン薄膜に対して、
結晶化に必要とされるエネルギーを潜伏期と結晶核生成
・成長期とに各々分離し、且つ強度制御して与える。本
発明の装置におけるレーザパルス付与は、従来の同種装
置とは異なり、レーザ発振器から発生した唯一のレーザ
パルスのみで完結させることが可能である。それ故、本
発明の装置は操作が簡便であり、且つ安価にシステム構
成をすることができる。
【0015】本発明の装置は、例えばa−Si薄膜に対
するレーザアニールにおいて、単一の照射パルスを分割
し、これらのパルスを二段階に分けてa−Si薄膜に付
与し得るような光学回路を有する。そして、第一段階で
付与されるパルスは、水素等の不純物排出を充分に行い
結晶化前の非晶質状態を改質できるが、しかし結晶化を
誘起するには至らないように強度調節したものとし、続
く第二段階で付与されるパルスは、結晶核形成及び結晶
成長が開始される程度に充分高いエネルギーを有するよ
うに強度調節したものとする。
【0016】前記第二段階において、レーザパルスのエ
ネルギーが高い場合にはa−Si薄膜を一旦溶融にまで
至らせた後に冷却過程に入った段階で、 またレーザパル
スのエネルギーが低い場合には溶融には至らずども原子
移動を活発化した段階で、何れも結晶核形成と結晶核成
長を行わしめる。
【0017】本発明の装置では、特に第一段階における
レーザパルスを更に時系列により複数化し、 この時のパ
ルス列の間隔をレーザパルス幅と同程度のオーダに短縮
することが可能である。 この機能により前パルスのエネ
ルギーがシリコン薄膜中に蓄積されている間に次のパル
スを与えて熱エネルギーの追加供給が可能となる。これ
によりアニール中のa−Si薄膜内部の温度に対して従
来にない精密な制御が可能となり、ひいては結晶性の制
御に優れた効果を発揮する。本来レーザアニールが利用
される目的は、基板の温度上昇により不純物が多結晶シ
リコン薄膜中に拡散することを妨げることであり、 結晶
化対象であるa−Si薄膜のみの温度を上昇させ、これ
を支持する基板に対しては温度を極力上げないことが要
求される。 この観点からも、結晶化に際してレーザによ
る供給エネルギーを必要最小限に抑え得る本装置はレー
ザアニール本来の目的を実現できるといえる。
【0018】
【実施例】以下の実施例により、本発明を更に詳細に説
明する。実施例1 図1は本発明の実施例1のレーザパルス発生装置の概略
構成図である。なお、以下において本発明の装置を用い
て処理する試料(a−Si薄膜)は、予めCVD法によ
り支持体上に形成したものである。それ故、実際の操作
は前記のCVD法による薄膜形成を含めて連続的に行わ
れるが、以下、レーザパルス照射部分に関して説明す
る。KrFエキシマレーザパルス発振器lから出射され
たレーザパルス2はハーフミラー3により二分割され
る。本実施例では透過光と反射光が1:1の強度比とな
るように設定した。ハーフミラー3を透過した光は以下
の工程でa−Si薄膜の結晶化前駆過程を促進するため
の第一段階パルス列となる。前記透過光は更に直進し、
次のハーフミラー4へ進む。ここから先に第一段階のレ
ーザパルスを複数の遅延パルス列に分割するためのハー
フミラー4,5及び全反射ミラー6,7,8,9により
形成される光学回路部を設置した。
【0019】前記光学回路部により、ハーフミラー4及
びハーフミラー5の双方を透過したレーザパルスがa−
Si薄膜試料18に最初に到達するレーザパルスとな
る。次いで、ハーフミラー4で反射された後、全反射ミ
ラー6,7及びハーフミラー5で反射されたレーザパル
スがa−Si薄膜試料18に到達する。更に、ハーフミ
ラー4を透過した後にハーフミラー5で反射されたレー
ザパルスが全反射ミラー8,9を経由した後再度ハーフ
ミラー4に至るレーザパルスが生じる。この後に、再び
最初にレーザパルスがハーフミラー4に到達した場合と
同じ形態で、ハーフミラー4を透過した後にハーフミラ
ー5へ向かいハーフミラー5を透過してa−Si薄膜試
料18へ向かうレーザパルスと、ハ−フミラー4で反射
された後全反射ミラー6,7及びハーフミラー5で反射
されたレーザパルスとが発生し、遅延時間をもってa−
Si薄膜試料18に入射する。以下、同様にして、ハー
フミラー4,5により遅延パルスが順次形成される。本
実施例ではハーフミラー4,5ともに透過光と反射光と
の強度比が1:1となるように設定した。
【0020】これらの第一段階パルス列はアッテネータ
10によりレーザパルス強度を所定値に制御され、その
後ハーフミラー11を透過し、更にシリンドリカルミラ
ーレンズ及びスリットからなるホモジナイザー12によ
りレーザビームの断面形状及び断面内内強度分布を所定
形状に整形された後にa−Si薄膜試料18に入射す
る。本実施例ではレーザビーム形状を寸法11mm×2
mmの矩形形状とした。本実施例において、ハーフミラ
ー4とハーフミラー5との間、及び全反射ミラー6と全
反射ミラー7との間、並びに全反射ミラー8と全反射ミ
ラー9との間の各空間中でレーザパルスが通過に所要す
る時間をa、またハーフミラー4と全反射ミラー6との
間、及び全反射ミラー7とハーフミラー5との間の各空
間中でレーザパルスが通過に所要する時間をb、またハ
ーフミラー5と全反射ミラー8との間、及び全反射ミラ
ー9とハーフミラー4との間の各空間中でレーザパルス
が通過に所要する時間をcすると、この時第一段階パル
ス列のハーフミラー11において観測される強度比と時
間差を図2に示す。図2から明らかな如く、第一段階パ
ルス列は強度の等しい2個のパルスが対となり、これら
が遅延を操り返す毎に強度を1/4に減じつつ連なって
試料方向に向かっている。本実施例において、a,b及
びcの値は、発生パルス幅と同程度とした。
【0021】一方、ハーフミラー3による反射光は、結
晶化過程の第二段階、すなわち結晶核形成及び成長過程
を促進するためのパルスとするため、 第一段階パルス列
によりa−Si薄膜試料が適度に高温度となり、且つあ
る程度の時間を経過した後に試料表面に入射するよう
に、全反射ミラー13,14からなる遅延回路により遅
延時間を調節されている。また、この第二段階パルスが
照射される段階では、Si薄膜試料はすでに充分に脱水
素が完了しているので、従来のレーザアニールでは膜の
破壊・剥離が生じるために照射不可能であったような高
強度のパルスを用いても差し支えない。前記状況下で結
晶化を迅速に完了させるためには、第一段階パルス列よ
りも高強度のパルスを一回照射すればよい。このような
条件のパルス強度を得るために、先の第一段階パルス列
を制御したアッテネータ10の条件を考慮して、全反射
ミラー15から出射した第二段階パルスに対する強度制
御をアッテネータ16により行なう。この後、第二段階
パルスは全反射ミラー17を経由してハーフミラー11
に入射し、更にこのハーフミラー11により反射された
後、第一段階パルス列と同様にシリンドリカルミラーレ
ンズ及びスリットからなるホモジナイザー12によりビ
ームの断面形状及び断面内強度分布を所定形状に整形さ
れた後にSi薄膜試料18に入射する。Si薄膜試料1
8の表面に入射する前記第二段階パルスのハーフミラー
11において観測される強度比と時間差の様子を同じく
図2に示す。
【0022】試料表面のレーザパルス照射位置は、試料
と取り付けた試料ステージ19により調節する。a−S
i薄膜試料18の結晶化を試料の全面又は特定の位置の
みに対して制御性良く行ない得るように、結晶化の状態
を常に観測できるようなX線回折装置又はラマン分光装
置を設置する。X線回折法を用いる場合はX線源20と
X線検出器21とをa−Si薄膜試料18の表面に対し
て適当な角度をもって設置し、 X線検出器21が発する
X線強度信号を増幅するX線検出器の信号増幅器22の
出力により結晶化が完了したことを確認することができ
る。またラマン分光法を用いる場合はArレーザ源20
と光電子検出器21とをa−Si薄膜試料18の表面に
対して適当な角度をもって設置し、 光電子検出器21が
発するラマン散乱強度信号を増幅するラマン分光装置の
信号増幅器22の出力により結晶化が完了したことを確
認することができる。この信号をパーソナルコンピュー
タ等の制御器24へ送り、制御器24は次の位置への試
料移動を位置制御器23に命令する。結晶化が完了しな
い場合には、制御器24はパルス照射条件を変更するよ
うに働き、レーザ発振器1へパルス強度を増加する命
令、又は全反射ミラー12及び全反射ミラー14の角度
を変えて遅延時間を短縮する命令、等の命令を送る。
【0023】実施例2 図3は本発明の実施例2のレーザパルス発生装置の概略
構成図である。実施例2の装置は、実施例1の装置では
第一段階パルス列と第二段階パルスとがハーフミラー1
1により同一のホモジナイザー12に導かれる構成であ
った部分を、 図3に示すように第一段階パルス列に対し
ては全反射ミラー11a及びホモジナイザー12を、第
二段階パルスに対しては全反射ミラー17及びホモジナ
イザー25を配置することにより、第一段階パルス列及
び第二段階パルスを同一仕様の異なる二つの光学回路を
経由させ、この後何れもa−Si薄膜試料18上の同一
位置に導く装置である。実施例2の装置を用いる場合
も、図2と同一のパルス時系列特性が得られる。実施例
2の装置の場合、実施例1の装置と異なり、アッテネー
タ10,16から出射されたパルスはそれ以降ハーフミ
ラーを経由することなくa−Si薄膜試料18に入射す
るため、絶対的な光量の減少が生じないという利点があ
る。
【0024】図4に本発明のレーザパルス発生装置を使
用してレーザパルスを照射した場合のa−Si薄膜試料
の温度変化を示す。図4の従来のレーザパルス発生装置
を使用してレーザパルスを照射した場合のa−Si薄膜
試料の温度変化と図7とを比較すると明らかな如く、図
7では各レーザパルスの強度が経時的に指数級数的に減
少しているのに対して、図4では二つの等強度のレーザ
パルスからなる階段が形成されており、この階段の強度
(二つの等強度のレーザパルスの強度)が経時的に段階
的に減少しているため、a−Si薄膜試料の温度変化が
少なく温度低下が抑制される。それ故、図4においては
a−Si薄膜試料の温度が室温まで完全に低下すること
なく、この状態で第二段階のレーザパルスを入射させる
ことができる。従って、本発明のレーザパルス発生装置
を使用すると、レーザパルスのエネルギーが有効に使用
されることが判る。
【0025】
【発明の効果】本発明のレーザパルス発生装置では、容
易に複数のレーザパルスを形成することが可能であり、
且つ各パルスの時間間隔,断面形状及び強度を独立して
制御することが可能である。これにより、試料表面の前
駆加熱が必要な場合に、試料表面をレーザ照射して充分
な強度比及び回数を有するパルス列を付与することがで
き、試料表面を短時間で且つ確実に必要温度に加熱する
ことが可能であるため、作業効率が向上し、また得られ
る製品品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のレーザパルス発生装置の概
略構成図である。
【図2】本発明の装置により発生するレーザパルスの時
系列による強度比を示す図である。
【図3】本発明の実施例2のレーザパルス発生装置の概
略構成図である。
【図4】本発明の装置により加熱されたa−Si薄膜内
部の時間に対する温度変化を示す図である。
【図5】従来例のレーザパルス発生装置の一例の概略構
成図である。
【図6】図5の装置により発生するレーザパルスの時系
列による強度比を示す図である。
【図7】図5の装置により加熱されたa−Si薄膜内部
の時間に対する温度変化を示す図である。
【符号の簡単な説明】
1,31:レーザパルス発振器 2,32,PIN,P2 ,P3 :レーザパルス 3,4,5,11:ハーフミラー 6,7,8,9,11a,13,14,15,17,3
7,38,39:全反射ミラー 10,16:アッテネータ 12,25:ホモジナイザー 18:a−Si薄膜試料 19:試料ステージ 20:X線源又はArレーザ源 21:光電子検出器又はX線検出器 22:X線検出器の信号増幅器又はラマン分光装置の信
号増幅器 23:位置制御器 24:制御器 33:ビーム拡大器 34:偏光ビームスプリッタ 35:ガラス板 36:1/4波長板 S1 :反射光 P1 :透過光 POUT :出射光
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月15日(1999.3.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H041 AA02 AA06 5F072 AA06 JJ02 JJ05 KK05 KK15 KK30 MM01 MM08 RR05 SS06 YY08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質薄膜をレーザパルスアニールによ
    り多結晶薄膜とするためのレーザパルス発生装置であっ
    て、(1)レーザ発振器から発射されたレーザパルスビ
    ームを形状を保持したまま強度のみを分割する手段、
    (2)分割された前記ビームの一方に光路長を追加する
    手段、(3)分割された前記ビームの他方を、更に時間
    差を有する複数のパルスからなるパルス列に分割する手
    段、(4)前記両ビームの強度を独立して制御可能な強
    度減衰手段、並びに(5)前記両ビームの断面形状及び
    断面内強度分布を整形する手段、を有することを特徴と
    するレーザパルス発生装置。
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