JP2000247728A - 耐食性に優れたアルミナセラミックス焼結体 - Google Patents

耐食性に優れたアルミナセラミックス焼結体

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JP2000247728A
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Yasuki Yoshitomi
靖樹 吉富
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フッ素系と塩素系の両方のプラズマ照射に対し
て耐食性(耐エッチング性)の優れたアルミナ焼結体の
提供。 【解決手段】重量で、アルミナ(Al2O3)の含有率が99.
9%以上、Mgの含有率が20〜200ppmであり、かつ嵩密度
が3.97g/cm3よりも大きいことを特徴とするアルミナセ
ラミックス焼結体。AlおよびMg以外の金属成分の含有率
が、単独ではいずれも20ppm以下、合計では100ppm以下
であることが望ましい。このセラミックスがプラズマ照
射を受ける部品の一部にあってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐エッチング性
(耐食性)に優れたアルミナセラミックスに関し、特
に、フッ素系と塩素系の両プラズマ照射に対して優れた
耐食性を有するアルミナセラミックス、およびそのセラ
ミックスを表層部に持つ部材に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマエッチング装置、プラズマアッ
シング装置、プラズマCVD装置等のプラズマを用いて
処理を行う装置は、低温で効率よく必要な処理を行うこ
とができ、処理条件の制御も比較的簡単であり、半導体
基板等の材料にダメージを与えるおそれが少ないという
点から、高集積半導体装置、液晶表示装置等の製造にお
いて欠くことができないものとなっている。
【0003】これらの装置では、真空近くに減圧した処
理容器内に、反応ガスを導入し、高周波やマイクロ波を
印可してガス放電を起こさせてプラズマを生成させるの
で、容器を構成する部品、例えば、マイクロ波透過窓、
保護プレート、クランパ、静電チャック等の内表面はプ
ラズマに曝される。したがって、これらの部材は、プラ
ズマによってエッチングされ難い性質(耐エッチング性
…ここではこれを耐食性という)を有する必要がある。
特に、エッチング処理においては、CF4あるいはSF6、そ
の他のフッ素系ガスから生成されるフッ素系プラズマ
や、C12あるいはBC13など塩素系ガスから生成される塩
素系プラズマの両プラズマに対して優れた耐食性を有す
る部材が望まれている。これは、エッチング処理に塩素
系プラズマ、エッチング後のクリーニング処理にフッ素
系プラズマが使用されるケースが多く、これらの処理は
同一容器内で実施されるからである。
【0004】上記のようなプラズマ処理装置の部品の素
材として、アルミナセラミックスが好んで使用される。
アルミナセラミックスは、誘電特性、耐熱性、化学的お
よび機械的性質等において、前記部品に好適だからであ
る。そして、そのアルミナセラミックスのプラズマに対
する耐食性を改善しようとする提案が下記のようにいく
つか知られている。
【0005】特開平4-356922号公報(文献1)には、CF
4+O2ガスに対する耐食性に優れた高純度アルミナセラ
ミックスが提案されている。ここでは、アルミナの純度
は99.9%以上、嵩密度は3.95g/cm3以上が望ましい、と
している。
【0006】特開平8−81258号公報(文献2)は、耐ド
ライエッチング性に優れるアルミナ焼結体を提案してい
る。同公報によれば、そのアルミナセラミックス焼結体
は、99.2%以上、99.99%以下の酸化アルミニウムと残
部がアルミニウム以外の金属の酸化物からなり、そこに
おいて平均粒子径は0.5μm以上、1.5μm以下であり、
かつ密度は3.88g/cm3以上、3.97g/cm3以下である。ま
た、研削加工したその焼結体は、1000℃以上、1550℃以
下の温度で0.1時間以上、6時間以下にわたり加熱処理
されている。
【0007】特開平8−231266号公報(文献3)には、
フッ素プラズマによるエッチングに対して強い抵抗性を
有する改良されたアルミナセラミックス材料およびその
作製法が開示されている。同公報によれば、改良された
アルミナセラミックス材料は、99.5%〜99.8%のアルミ
ナと、0.5%〜0.2%のシリカ、CaOとMgOの混合物である
バインダーとからなり、かつ15μm〜30μmを中心とす
る単一モードの粒径分布を有する。
【0008】特開平9−2864号公報(文献4)にもフッ
素プラズマに対して高い耐性を有するアルミナセラミッ
クス材料とその製造方法が開示されている。同公報によ
れば、多結晶アルミナセラミックス材料は、99.3%〜9
9.7%のアルミナと0.7%〜0.3%のバインダーとからな
る未焼結体を形成し、約1400℃〜1700℃の温度で約8〜1
2時間焼結することにより製造される。このとき、多結
晶アルミナセラミックス材料中の未焼結粒子の面積%は
0.1を超えない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなプラズマ
処理装置に用いられるアルミナセラミックス部材には、
主にクリーニング目的に使用されるフッ素系プラズマに
対する耐食性と、本来のプラズマ処理に使用される塩素
系プラズマに対する耐食性とを兼備しなければならな
い。それに加えて、両プラズマ照射により局所的な損傷
が発生しないこと、ウェーハ等の加工物を汚染する程度
が無視できるレベルであること、材料強度が十分である
こと等の条件を満たすことが望まれている。
【0010】前掲の特開平4-356922号公報(文献1)で
提案されたセラミックスは、フッ素系プラズマに対する
耐食性の改善のみ目的としている。また、その嵩密度
は、3.95g/cm3を以上とするのが望ましいというが、実
際にどこまでの高密度化がなされたか不明である。
【0011】特開平8−81258号公報(文献2)では、密
度が3.97g/cm3以上のものは得られないとして、密度の
上限を3.97g/cm3に限定している。この程度までの密度
では、焼結体にはポア(空孔)が多く存在し、プラズマ
照射により局所的損傷(深い掘れ込み)が進みやすいと
考えられる。また、アルミナ以外はNa、Ca、Mg、Si、Fe
等の金属酸化物からなるというが、これらの酸化物の耐
食性に及ぼす影響は考慮されていない。
【0012】特開平8−231266号公報(文献3)および
特開平9−2864号公報(文献4)に開示されるアルミナ
セラミックス材料でも、アルミナ純度が低いため、ウェ
ーハヘの汚染が無視できないレベルにある。
【0013】本発明の目的は、フッ素系と塩素系の両方
のプラズマ照射に対して、従来の材料よりも耐食性の優
れたアルミナ焼結体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、アルミナ焼
結体のフッ素系および塩素系プラズマに対する耐食性
が、その焼結体を構成するアルミナの純度(Al2O3の含
有率)、焼結助剤として添加され焼結体中に残存するMg
Oの含有率、および焼結体の嵩密度に依存することを見
いだし、それらについて最適な条件を探求して、本発明
を完成させるに到った。
【0015】本発明は「重量で、アルミナ(Al2O3)の
含有率が99.9%以上、Mgの含有率が20〜200ppmであり、
かつ嵩密度が3.97g/cm3よりも大きいことを特徴とする
耐食性(耐エッチング性)に優れたアルミナセラミック
ス焼結体」を要旨とする。以下の説明で単に%またはpp
mと記すのは、すべて重量比率である。
【0016】上記本発明の焼結体は、アルミニウム(A
l)およびマグネシウム(Mg)以外の金属成分(例え
ば、Na、K、Ca、Fe、Si、Cr、Ti等)の含有率が、単独
ではいずれも20ppm以下(合計では100ppm以下)である
ことが望ましい。これらの金属成分が少ないほど、処理
容器内で処理されるウェーハ等の汚染が少なくなり、ま
た、アルミナセラミックス自体の焼結密度の増大、ひい
ては耐食性の改善が容易になる。
【0017】本発明のセラミックス焼結体は、例えば、
ウェーハのエッチング、アッシング、半導体エピタキシ
ャル成長膜の作製、CVD、LSI回路製造、液晶表示
装置製造などのプラズマプロセスに用いられる装置の構
成要素または部品に適用することができる。具体的に
は、本発明の焼結体により、装置の内壁材、シールド
材、プレート材、クランプ材などの真空チャンバ部品、
表面処理用ダミーウェーハ、シリコンウェーハ用ハン
ド、マイクロ波導入窓、静電チャックなどを構成するこ
とができる。
【0018】上記のような部品を本発明の焼結体の単一
体で作製してもよいが、プラズマ照射を受ける面の表層
部だけを本発明の焼結体で構成した複合部材としてもよ
い。例えば、一表面だけがプラズマに曝される部品であ
れば、その面の表層部だけを本発明のセラミックス焼結
体で構成するのである。その場合、その表層部の厚さは
10〜200μm程度でよい。表層部以外は、通常のアルミ
ナセラミックス、あるいは、金属材料等で構成すればよ
い。このような複合部材は、本発明のアルミナセラミッ
クス焼結体を他部材とガラス接合等によって張り合わせ
る方法、あるいはCVD法等で作製することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】プラズマ照射によるセラミックス
材料の腐食(エッチング)は、結晶粒子間の粒界と、結
晶粒内で進行する。セラミックス材料の耐食性を上げる
ためには、粒界に存在する耐食性に劣る不純物層および
空隙を少なくすること、ならびに結晶粒自体の耐食性を
上げることの両方が重要である。
【0020】まず、アルミナセラミックスの主要成分で
あるアルミナの純度を高めることで、焼結体中に含まれ
る不純物を減らし、粒界における不純物層の生成および
析出を抑制することができる。
【0021】本発明では、焼結体のアルミナ(Al2O3)
の含有率、言い換えればアルミナ純度、を99.9%以上と
することによって、粒界でのプラズマによる腐食が少な
い材料を提供する。さらに、アルミニウムと後述するマ
グネシウム以外の残りの金属成分の含有率を、それぞれ
単独で20ppm以下(合計で100ppm以下)とするのが望ま
しい。
【0022】上記の高いアルミナ含有率は、焼結原料と
して市販の高純度のアルミナ(最近では99.99%以上の
純度のアルミナも市販されている)を使用することによ
って達成できる。
【0023】アルミナ含有率(アルミナ純度)が99.9%
を下回ると、焼結したセラミックスの粒界に存在する不
純物濃度が高まるだけでなく、プラズマ照射により脱落
した粒子(いわゆるパーティクル)による被処理物の汚
染の問題が生じる。
【0024】さらに本発明者は、現在、エッチング処理
用として主に使用されているC12あるいはBC13など塩素
系ガスより生成される塩素系プラズマに対する耐食性
が、セラミックス焼結体のMgOの含有率にも依存するこ
とを見いだした。
【0025】焼結体の嵩密度が3.97g/cm3よりも大きい
場合には、MgOの含有率は、フッ素系プラズマに対する
耐食性には実質的に影響しない。しかし、塩素系プラズ
マに対する耐食性には、MgOの含有率が大きく影響す
る。本発明者の詳細な検討によれば、焼結したアルミナ
セラミックス中の金属マグネシウム(Mg)の含有率が20p
pm未満の場合は、アルミナ粒内のMgOの固溶量が不足
し、耐食性が劣る。一方、Mgの含有率が200ppmを超える
と、上記の固溶量は十分になるが、過剰なMgOが粒界に
偏析してスピネル化し、エッチングされやすくなるとと
もにアルミナ粒子と粒界とに熱膨張率の差が生じ、アル
ミナ粒子の剥離・脱落が生じるようになる。
【0026】MgOを添加する際には、Mg(OH)2を水溶液に
して添加することが望ましい。そうすることによって、
アルミナ原料の粒子は、それぞれにMg(OH)2で被覆さ
れ、焼結時にはMg(OH)2から変化したMgOがアルミナ粒子
中によく固溶するからである。
【0027】本発明の焼結体は、実質的にアルミナとMg
Oとからなり、残部は不可避的な不純物である。その不
純物は、主にアルミニウムとマグネシウム以外の前記の
ような金属の酸化物であるが、それらの金属は、それぞ
れが20ppm以下、合計で100ppm以下であることが望まし
い。
【0028】前記のアルミナ含有率およびMgO含有率と
ともに重要なのは、焼結体の嵩密度である。嵩密度を上
げて緻密化することにより、焼結体の粒界および粒内に
存在する空隙部分を減少させることができ、プラズマに
対する耐食性を向上させることができる。この嵩密度が
3.97g/cm3以下の場合は、たとえアルミナおよびMgOの
含有率が前記の範囲にあっても、所望の耐食性が得られ
ない。
【0029】3.97g/cm3を超える高い嵩密度は、先に掲
げた文献2にも記載されているように、一般には達成し
難い。HIPやホットプレスのような特別の方法を用い
れば高密度化は可能であるが、それには高価な装置が必
要で製造コストの高騰が避けられず、また製品のサイズ
にも制約がある。しかし、次に述べる工程からなる方法
によれば、焼成を大気圧下で、しかも大気雰囲気中で行
っても、3.97g/cm3を超える高い嵩密度が実現できる。
即ち、安価に任意のサイズの製品が製造できる。
【0030】 純度99.9%以上のアルミナ粉末を所定
量のMg(OH)2でおよびバインダーとともに混合し、その
混合物を予備成形する。
【0031】 予備成形体に、例えば水蒸気雰囲気に
さらして、加湿処理を施す。
【0032】 さらに加圧成形して最終部材形状とす
る。
【0033】 焼成を次の条件で実施する。
【0034】-1. 昇温過程の1000〜1200℃で0.5〜5
時間保持する。
【0035】-2. 1000〜1500℃の温度域での平均昇
温速度を5℃/hr〜30℃/hrとする。
【0036】-3. 最高加熱温度を1550℃以上とす
る。
【0037】上記で用いるアルミナ粉末は、平均粒径
が0.2〜0.5μmで、できるだけ粒径のそろったものが望
ましい。バインダーとしてはPVAその他の通常の有機
系バインダーが使用できる。
【0038】の加湿処理を行えば、予備成形体中のバ
インダーが水分を吸収して軟化し、その結果、成形体を
構成する粒子が塑性変形しやすくなり、の加圧成形の
際に粒子の密着度が高まる。
【0039】の加圧成形は、例えばCIPによって1
〜2ton/cm2の圧力で行えばよい。その後、乾燥等の所
要の処理をしての焼成を行う。焼成工程はバインダー
除去のための加熱工程と焼結のための加熱工程を含む。
これらの工程でのヒートパターンが重要である。
【0040】昇温過程の1000〜1200℃の温度域で保持す
るのは、成形体の表面から内部までの温度を均一化する
ためである。併せて1000〜1500℃の温度域での平均昇温
速度を5℃/hr〜30℃/hrとすることによって、成形体
の温度上昇はゆるやかになり、表面だけが先に緻密化し
て内部に気泡が閉じこめられることがなくなる。即ち、
前記-1および-2の条件は、成形体の全体を高密度に
するために必要な条件である。
【0041】-1の保持の時間は、成形体のサイズにも
よるが、概ね0.5〜5時間でよい。なお、保持温度は一
定である必要はなく、1000〜1200℃の温度域で徐々に昇
温するようなヒートパターンでも構わない。要するに10
00℃から1200℃に昇温するのに0.5〜5時間かける、と
いうことである。
【0042】-2の昇温速度は、30℃/hrを超えるよう
だと成形体の表面と内部の温度勾配が大きくなり、均一
な緻密化が難しくなる。一方、5℃/hrよりも遅い昇温
速度は不必要に焼成の効率低下を招く。
【0043】焼成の最高温度を1550℃以上とすること
も、焼結したセラミックスの嵩密度を3.97g/cm3より大
きくするために必要がある。この温度は高いほどよい
が、1750℃を超えるような高温度は粒成長を促し、エッ
チング処理時の脱粒を招くので好ましくない。なお、最
高加熱温度での保持時間は、成形体のサイズにもよる
が、概ね0.5〜5時間でよい。焼成工程の終了後は、一
般に行われているように温度を制御しつつ冷却すればよ
い。
【0044】上記の製造方法は、成形を常温で行い、か
つ焼成は大気雰囲気で実施する方法であるから、特別に
複雑で高価な装置を要しない。従って、本発明のアルミ
ナセラミックス焼結体を安価に量産するのに好適であ
る。しかし、条件が許せば、例えば工程短縮のために、
HIP、ホットプレス、水素雰囲気焼成法等の特殊な製
造方法を採用してもよい。
【0045】HIPは、前記の工程で焼成した後の焼結
体に施す。ただし、焼成の時間は短縮することができ
る。HIPにより焼結体中の空孔が減少し、十分な高密
度化が達成されるからである。ホットプレス法では、前
記の工程で混合した原料粉を金型に入れ、所定の高温
度でプレスして成形と焼成とを同時に行う。水素雰囲気
での焼成も高密度化に有効である。この方法を用いる場
合は、前記までの工程で成形したものを、まず大気雰
囲気下で仮焼してバインダーを除去し、次いで水素雰囲
気中で焼成する。そのときは前記-1〜-3の焼成条件
を採用するのが望ましい。
【0046】
【実施例】次の工程によりプラズマ処理テスト用のセラ
ミックスウェーハを製作した。
【0047】平均粒径 0.4μmの高純度アルミナ原料粉
末(Al2O3:99.99%、Na:15ppm、K:5ppm、Ca:2pp
m、Mg:1ppm、Fe:4ppm、Si:10ppm)に水、分散剤、
バインダー(PVA)および Mg(OH)2水溶液を所定量添
加し、ボールミルで 16時間混合することによりスラリ
ー化した。このスラリをスプレードライヤーで噴霧乾燥
することにより平均粒径 80μmの球状顆粒とした。
【0048】上記の顆粒をゴム型に入れてCIP装置を
用い、静水圧 0.5 ton/cm2で加圧し、予備成形体を作
製した。次いでこの予備成形体を水蒸気雰囲気に置い
て、水分含有率が1.8wt%になるように加湿処理を施し
た。
【0049】CIP装置を使用して、上記の加湿した予
備成形体にさらに1ton/cm2の圧力をかけて最終的なウ
ェーハの形状に成形した。その成形体を乾燥した後、電
気炉中で下記の条件で焼成した。
【0050】1) 室温から500℃まで10℃/hrで昇温 2) 500℃で6時間保持 3) 500℃から1000℃まで50℃/hrで昇温 4) 1000℃で5時間保持 5) 1000℃から1500℃まで30℃/hrで昇温 6) 1500℃から1650℃まで100℃/hrで昇温 7) 1650℃で2時間保持 8) 上記の温度から100℃/hrで室温まで冷却 このようにして得た焼結体が、下記の表1に「発明例」
として示すものである。さらに原料配合や製造方法を変
えて、同表に「比較例」として示したウェーハを作製し
た。
【0051】表1の製造条件の欄の[成形」のA法とい
うのは上記の加湿処理を伴う方法であり、B法は加湿処
理を行わない方法である。また、「焼成」のA法は上記
の1)〜8)の工程からなる方法である。B法は常温から16
50℃まで100℃/hrの昇温速度で加熱し、1650℃で2時
間保持する方法である。HIPは、上記1)〜8)の工程終
了後に、さらに1400℃の温度、1200kgf/mm2のアルゴン
雰囲気で2時間処理する方法である。
【0052】上記の方法でそれぞれ作製された発明例お
よび比較例の焼結体(ウェーハ)を研削加工して厚みを
調整し、ダイヤモンド砥粒で面粗さ(Ra)O.01μm以下
に研磨した。その研磨面に下記の条件でプラズマを照射
し、耐食性を評価した。評価は試料の重量変化量を浸食
速度(エッチングレート)に換算して行った。その結果
を表1に併記する。
【0053】プラズマ照射の条件: 使用装置…平行平板型プラズマエッチング装置 高周波周波数…13.56 MHz 電極間距離…約 20 cm 雰囲気圧力… 5 Pa 照射時間…3時間
【0054】
【表1】
【0055】表1に示すとおり、アルミナ純度、Mg含有
量および嵩密度がすべて本発明で定める範囲にある焼結
体(発明例)では、CF4およびCl2のいずれのプラズマ照
射においても4nm/min未満の優れた耐食性が得られてい
る。
【0056】これに対して、試験No.1のようにMg含有
量が少なすぎるもの、および試験No.8〜10のようにMg
含有量が多すぎるものでは、Cl2のプラズマに対する耐
食性が劣る。一方、Mgの含有量が適正範囲にあっても、
No.11〜14のように嵩密度が小さいものは、どちらのプ
ラズマに対しても耐食性が不十分である。
【0057】試験No.15〜18はHIP処理を施したもの
である。これらは、嵩密度は十分に高いが、No.17およ
び18のようにMgの含有量が適正範囲になければ、Cl2プ
ラズマに対する耐食性は改善されない。
【0058】なお、試験No.2は、SiおよびNaの含有率
が高く、不純物の合計量も多いものであるが、アルミナ
純度、Mg含有量および嵩密度のすべてが本発明で定める
範囲にあるために、耐食性は悪くない。しかし、ほぼ同
じ条件のNo.5と対比してみれば明らかなように、不純
物が少ない方が耐食性は明らかに優れている。
【0059】
【発明の効果】本発明のアルミナセラミックス焼結体
は、フッ素系および塩素系の両方のプラズマ照射に対し
て優れた耐食性を有するものである。この焼結体は、ウ
ェーハエッチング、アッシング、半導体エピタキシャル
成長膜の作製、CVD、LSI回路製造、液晶表示装置
製造などのプラズマ処理プロセスに用いられる装置の構
成要素または部品の素材として特に有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量で、アルミナ(Al2O3)の含有率が99.
    9%以上、Mgの含有率が20〜200ppmであり、かつ嵩密度
    が3.97g/cm3よりも大きいことを特徴とする耐食性に優
    れたアルミナセラミックス焼結体。
  2. 【請求項2】アルミニウム(Al)およびマグネシウム(M
    g)以外の金属成分の含有率が、単独ではいずれも20ppm
    以下であることを特徴とする請求項1に記載のアルミナ
    セラミックス焼結体。
  3. 【請求項3】少なくとも表層部が請求項1または2の焼
    結体であるプラズマ処理装置の部材。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105777079A (zh) * 2016-01-28 2016-07-20 深圳市商德先进陶瓷有限公司 耐等离子刻蚀陶瓷体及其制造方法、等离子刻蚀设备
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