JP2000248490A - ロジン系エマルジョンサイズ剤及びそれを用いる紙のサイジング方法 - Google Patents

ロジン系エマルジョンサイズ剤及びそれを用いる紙のサイジング方法

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JP2000248490A
JP2000248490A JP5563599A JP5563599A JP2000248490A JP 2000248490 A JP2000248490 A JP 2000248490A JP 5563599 A JP5563599 A JP 5563599A JP 5563599 A JP5563599 A JP 5563599A JP 2000248490 A JP2000248490 A JP 2000248490A
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Hitoshi Ishida
人士 石田
Kunio Takeuchi
邦雄 竹内
Daisuke Kuroki
大輔 黒木
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Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd
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Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロジン系エマルジョンサイズ剤及
びそれを用いる紙のサイジング方法に関し、pH5〜9
の広い領域、特に高pHの領域の抄紙領域においてもサ
イズ性能の低下が無く、良好なサイズ効果、耐熱水性を
有するロジン系エマルジョンサイズ剤を提供する。 【解決手段】 アルケニル置換コハク酸類
(a)、ロジン類(b)及び多価アルコール(c)を触
媒としての金属酸化物(d)の存在下に加熱反応させて
得られるロジンエステル(A)と強化ロジン(B)との
混合樹脂、又は前記(a)成分、(b)成分、(c)成
分及びα,β−不飽和カルボン酸類(e)を触媒として
の金属酸化物(d)の存在下に加熱反応させて得られる
強化ロジンエステル(D)を乳化分散剤(C)を用いて
水に分散せしめて得られるロジン系エマルジョンサイズ
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロジン系エマルジ
ョンサイズ剤に関する。更に詳しくは、エステル化触媒
として金属酸化物を用いて得られたロジンエステルと強
化ロジンの混合樹脂、又は強化ロジンエステルからなる
ロジン系エマルジョンサイズ剤及びそれを用いる紙のサ
イジング方法であり、pH5〜9の広い領域、特に高p
Hの抄紙領域においてもサイズ性能の低下が無く、良好
なサイズ効果、耐熱水性サイズ度を発現するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年の製紙業界においては、工場排水の
規制強化、用水のコスト低減等の観点から抄紙排水をで
きるだけ回収しようとするために抄紙工程のクローズ化
が指向され、これに伴い抄紙用水中の溶解電解質の増大
乃至抄紙温度の上昇が余儀なくされ、抄紙条件は悪化す
る傾向にある、又、製紙技術では紙の填料あるいはコー
ティング顔料として炭酸カルシウムが一般に使用されて
おり、炭酸カルシウムを内添した場合には必然的に抄紙
pHは6以上となり、又、コーティング顔料として使用
した紙あるいは炭酸カルシウム内添紙等の損紙、古紙を
再利用した抄紙系ではpHが5以上になるのが通例であ
る。
【0003】このような状況下では、従来汎用されてき
たロジン又は強化ロジンの水性分散液や苛性カリ等のア
ルカリでケン化したケン化型ロジン系サイズ剤が紙のサ
イジングに有効でないため、これに代ってアルケニル置
換コハク酸無水物(ASA)、アルキルケテンダイマー
(AKD)等を有効成分とする中性サイズ剤が用いられ
ている。しかし、AKD系サイズ剤は紙の滑り、トナー
接着性の低下の恐れがあり、又、ASA系サイズ剤を使
用した場合、抄紙工程の汚れ発生の問題が完全に解決さ
れていない。
【0004】前記したような抄紙条件下でもサイズ効果
を発揮するロジン系エマルジョンサイズ剤が提案されて
いる。例えば、強化ロジンを第3級アミノアルコールで
エステル化した変性ロジンの分散剤からなるサイズ剤
(特開昭60−161472号公報)、ロジンまたは強
化ロジンを3〜4価のアルコールと反応せしめた変性ロ
ジンの分散剤からなるサイズ剤(特公平3−79480
号公報、特公平6−4954号公報)、ロジン物質に炭
化水素樹脂やアルケニルコハク酸類等を配合した樹脂の
分散液からなるサイズ剤(特公昭57−5420号公
報、特開平7−189173号公報)などがある。しか
しながら、これらの各公報に開示されているサイズ剤は
一応の効果を発揮するものの、ASA系及びAKD系サ
イズ剤と比べて所定のサイズ効果を得るには使用量を増
やさねばならないのでコストアップになるばかりか、抄
紙工程の発泡の増大や各種の汚れも増大するという問題
がある。
【0005】最近、サイズ効果、発泡性、汚れトラブル
を改良したロジン系エマルジョンサイズ剤が開示されて
いる。例えば、ロジン類と多価アルコール類とのエステ
ルを含有するロジン系物質をカチオン性(メタ)アクリ
ルアミド系ポリマーで乳化分散したサイズ剤(特開平5
−125693号公報)、ロジン系物質を(メタ)アク
リルアミド系ポリマーで乳化分散したサイズ剤(特開平
8−337997号公報)、ロジンエステル等のロジン
系物質をスチレン−(メタ)アクリル酸−スルホン酸系
共重合体で乳化分散したサイズ剤(特開平7−1093
60号公報)があり、更に広い抄紙pH領域でも効果を
発揮する特定ロジンエステルを有するロジン系エマルジ
ョンサイズ剤(特開平10−156603号公報、特願
平10−310994号)が提案されているが、更なる
サイズ効果を発揮するサイズ剤が強く求められている。
【0006】又、石膏ボード原紙、カップ原紙等で例示
される耐熱水性が要求される紙においても、従来強化ロ
ジンの中でも、α,β−不飽和酸の付加が比較的多い強
化ロジンを苛性カリ等のアルカリでケン化したケン化型
ロジンサイズ剤が酸性領域で使用されてきた。しかるに
前記したように抄紙条件の悪化あるいは炭酸カルシウム
を含有する損紙又は古紙を原料パルプとして一部使用せ
ざるを得ない結果、抄紙pHを酸性域に保持することが
難しく、これらのケン化型ロジン系サイズ剤では充分な
耐熱水性を有する紙が得られなくなってきたために、前
記したようなロジン系エマルジョンサイズ剤を使用する
ことが通例になっている。
【0007】しかしながら、これらのロジン系エマルジ
ョンサイズ剤でもクローズ化又は炭酸カルシウムに起因
する抄紙pHの上昇に対して充分なサイズ効果や耐熱水
性サイズ度を得ることが困難になっていると共に、ロジ
ンをエステル化する際は長時間反応する必要があり、こ
のことが生産コストの増加につながっている。
【0008】
【問題を解決しようとする課題】本発明者らは、ロジン
のエステル化において、反応時間を大幅に短縮でき、生
産コストが低く押さえられると共に、pH5〜9の広い
領域、特に高pHの抄紙領域においてサイズ性能の低下
がなく、良好なサイズ効果、耐熱水性サイズ度を紙に付
与するロジン系エマルジョンサイズ剤及びそれを用いる
紙のサイジング方法を提供することを技術的課題として
鋭意研究の結果、次の発明を完成したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アルケ
ニル置換コハク酸類(a)、ロジン類(b)及び多価ア
ルコール(c)を触媒としての金属酸化物(d)の存在
下に加熱反応させて得られるロジンエステル(A)と強
化ロジン(B)との混合樹脂を乳化分散剤(C)を用い
て水に分散せしめて得られるロジン系エマルジョンサイ
ズ剤、又はアルケニル置換コハク酸類(a)、ロジン類
(b)、多価アルコール(c)及びα,β−不飽和カル
ボン酸類(e)を触媒としての金属酸化物(d)の存在
下に加熱反応させて得られる強化ロジンエステル(D)
を乳化分散剤(C)を用いて水に分散せしめて得られる
ロジン系エマルジョンサイズ剤及び該ロジン系エマルジ
ョンサイズ剤をpH5〜9の広い領域、特に高pHの抄
紙領域のパルプスラリーに添加し抄紙する紙のサイジン
グ方法であり、サイズ性能の低下が無く、良好なサイズ
効果、耐熱水性サイズ度を発現するものである。
【0010】本発明に係るアルケニル置換コハク酸類
(a)は、炭素数6〜36の内部オレフィン、エチレン
オリゴマー、プロピレンオリゴマー及びブチレンオリゴ
マー等あるいはこれらの混合物と無水マレイン酸及び/
又はマレイン酸とを付加反応せしめることによって得ら
れる。特に好ましくは単素数12〜16のプロピレンテ
トラマー及び/又はプロピレンペンタマーと無水マレイ
ン酸との付加反応物が挙げられる。
【0011】アルケニル置換コハク酸類(a)は常法に
よって製造でき、例えば前記オレフィン類に無水マレイ
ン酸及び/又はマレイン酸を加え、オートクレーブ反応
器で150〜250℃で20〜24時間反応して得られ
る。
【0012】本発明に係るロジン類(b)としては、ガ
ムロジン、トールロジン、ウッドロジン、水添ロジン、
アルデヒド変性ロジン、フェノール・ホルマリン樹脂変
性ロジン等の各種ロジン類を挙げることができ、これら
の単独、または2種以上を併用できる。
【0013】本発明に係る多価アルコール(c)として
は、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリ
トール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキ
サンジオール、トリメチロールプロパン、ソルビトール
等を挙げることができ、これら単独又は2種以上を併用
できる。
【0014】本発明に係る強化ロジン(B)又は強化ロ
ジンエステル(D)に使用するα,β−不飽和カルボン
酸類(e)としては、フマル酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸
等の不飽和ジカルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸等
の不飽和モノカルボン酸などが挙げられ、これらの単独
又は2種以上を併用し得る。なお、付加させるα,β−
不飽和カルボン酸類(e)はロジン類(b)に対して、
重量で 2〜 25%、より好ましくは 5〜17%であ
る。前記α,β−不飽和カルボン酸類(e)が2重量%
に満たない場合は、低pH領域におけるサイズ効果に優
れず、25重量%を超える場合は、酸価が過剰に大きく
なるためにサイズ効果に悪影響を及ぼし、いずれも好ま
しくない。
【0015】本発明に係るロジンエステル(A)又は強
化ロジンエステル(D)において、アルケニル置換コハ
ク酸類(a)とロジン類(b)との配合割合が(a):
(b)=0.5:99.5〜20:80重量部、より好
ましくは(a):(b)=1:99〜10:90重量部
であり、アルケニル置換コハク酸類(a)とロジン類
(b)の総カルボキシル基当量に対する多価アルコール
(c)の水酸基当量が0.2〜1.5、より好ましくは
0.4〜1.0となる仕込み割合で加熱反応して得られ
る。前記アルケニル置換コハク酸類(a)の配合割合が
0.5重量部以下の場合、分子量が小さくなり、また2
0重量部以上の場合は、分子量分布が不均一になるため
にサイズ効果に悪影響を及ぼし、いずれも好ましくな
い。前記アルケニル置換コハク酸類(a)とロジン類
(b)の総カルボキシル基当量に対する多価アルコール
(c)の水酸基当量が0.2以下の場合は、分子量が小
さくなり、さらに酸価が過剰大きくなり、また1.5以
上の場合は、未反応の多価アルコール(c)が残存する
ためにサイズ効果に悪影響を及ぼし、いずれも好ましく
ない。
【0016】本発明に係る触媒としての金属酸化物
(d)としては、亜鉛、カルシウム及びマグネシウム等
の各種金属酸化物などが挙げられる。これらのなかでも
酸化亜鉛が好ましい。
【0017】本発明において、金属酸化物(d)をエス
テル化触媒として使用した場合、少量でエステル化反応
時間が短縮でき、生産コストが安くなり、該ロジンエス
テル(A)又は強化ロジンエステル(D)を用いて得ら
れるロジン系エマルジョンサイズ剤はpHの広い領域、
特に高pH抄紙領域においてもサイズ性能が低下せず、
良好なサイズ効果、耐熱水性サイズ度が得られる。一般
に、エステル化触媒として、金属酸化物以外にパラトル
エンスルホン酸、メタスルホン酸、リン酸系、塩化アル
ミニウムなどのルイス酸、酢酸等の酸性触媒等がある。
これらのエステル化触媒もエステル化反応時間を短縮す
る効果があるが、該ロジン系エマルジョンサイズ剤は、
サイズ効果並びに耐熱水性サイズ度の低下が見られる。
【0018】本発明に係る触媒としての金属酸化物
(d)の使用量は、ロジン類(b)の総重量に対して
0.001〜0.5重量%、より好ましくは0.01〜
0.2重量%である。前記金属酸化物(d)の使用量が
0.001重量%に満たない場合はエステル化反応時間
の短縮が行われず、また0.5重量%を超える場合は未反
応の金属酸化物がサイズ効果に悪影響を及ぼし、過剰に
使用する意義が認められない。
【0019】本発明に係るロジンエステル(A)の製造
は常法に従って行えばよく、例えばアルケニル置換コハ
ク酸類(a)、ロジン類(b)及び多価アルコール
(c)を金属酸化物(d)の存在下に200〜280℃
で、10〜24時間加熱反応して得られる。
【0020】強化ロジン(B)の製造は常法に従って行
えばよく、例えば、前記ロジン類(b)にα,β−不飽
和カルボン酸類(e)を180〜250℃で1〜5時間
加熱反応して得られる。
【0021】本発明に係るロジンエステル(A)と強化
ロジン(B)との配合割合は(A):(B)=10:9
0〜80:20重量部であり、より好ましくは(A):
(B)=30:70〜60:40重量部である。前記ロ
ジンエステル(A)の配合割合が10重量部以下の場合
は、水中における樹脂の溶解度が増加するために高pH
領域におけるサイズ効果に優れず、80重量部以上の場
合は低pH領域におけるサイズ効果に優れないため、い
ずれも好ましくない。
【0022】本発明に係る強化ロジンエステル(D)の
製造は、常法に従って行えばよく、例えばアルケニル置
換コハク酸類(a)、ロジン類(b)及び多価アルコー
ル(c)を触媒としての金属酸化物(d)の存在下に2
00〜280℃で10〜24時間加熱反応させた後に
α,β−不飽和カルボン酸類(e)を加え、180〜2
50℃で1〜5時間反応させてもよく、ロジン類(b)
にα,β−不飽和カルボン酸類(e)を180〜250
℃で1〜5時間反応させた後に、多価アルコール(c)
を加え触媒としての金属酸化物(d)の存在下に200
〜280℃で10〜24時間加熱反応させてもよく、ア
ルケニル置換コハク酸類(a)、ロジン類(b)、多価
アルコール(c)及びα,β−不飽和カルボン酸類
(e)を同時に仕込み、触媒としての金属酸化物(d)
の存在下に200〜280℃で10〜24時間加熱反応
させてもよい。
【0023】なお、本発明の効果を損なわない範囲でロ
ジンエステル(A)と強化ロジンエステル(D)以外
に、C5以上の脂肪族系、芳香族系の残留オレフィン類
を重合した石油樹脂等を用いても良い。
【0024】本発明に係る乳化分散剤としては、各種低
分子量界面活性剤、高分子系乳化分散剤及びカゼイン、
ポリビニルアルコール、変性澱粉などの保護コロイド等
が使用でき、これらの単独あるいは2種以上を組合せて
使用してもよい。
【0025】各種低分子量界面活性剤としては、強化ロ
ジンのアルカリ金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸モノエス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
スルホコハク酸モノエステル塩、ポリオキシエチレンモ
ノ及びジスチリルフェニルエーテルスルホコハク酸モノ
エステル塩などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノ及びジスチ
リルフェニルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシプロピ
レンポリオキシエチレングリコール等の非イオン性界面
活性剤、更にはテトラアルキルアンモニウムクロライ
ド、トリアルキルベンジルアンモニウムクロライド、ア
ルキルアミン、モノ及びポリオキシエチレンアルキルア
ミン等のカチオン性界面活性剤を例示することができ
る。又、高分子系乳化分散剤としては、疎水基、非イオ
ン性基又はイオン性基を持つ合成高分子あるいは一般の
天然高分子系乳化分散剤が使用でき、一例を挙げればア
ニオン性あるいはカチオン性のスチレン−(メタ)アク
リル酸系共重合体の部分あるいは完全中和物、アニオン
性あるいはカチオン性の(メタ)アクリル酸エステル系
共重合体、あるいは(メタ)アクリルアミド系共重合
体、カチオン性のポリアミノポリアミド−エピクロルヒ
ドリン樹脂、ポリ(ジアリルアミン)−エピクロルヒド
リン樹脂等を例示することができる。なお、これらの高
分子系乳化分散剤は保護コロイドとして単独あるいは2
種以上を併用してもよい。
【0026】本発明に係る製紙用中性サイズ剤の製造法
は、特に制限されるものではないが、例えば特公昭54
−36242号公報に記載されている方法に準じて、前
記(A)と前記(B)成分との混合樹脂、又は前記
(D)成分を溶剤(例えばベンゼン、トルエン、塩化メ
チレン等)に溶かし、 前記(C)成分を添加した後、
ホモジナイザーを通して水中油型エマルジョンを製造す
る方法(溶剤法)、特開昭54−77209号公報に記
載されている方法に準じて溶融した前記(A)成分と前
記(B)成分との混合溶融樹脂、又は前記(D)成分の
溶融樹脂に前記(C)成分を添加して、油中水型エマル
ジョンを形成し、反転水を添加し水中油型エマルジョン
に相転移させる方法(転相法)、特公昭53−3238
0号公報に記載されている方法に準じて前記(A)成分
と前記(B)成分との混合樹脂、又は前記(D)成分
に、更に前記(C)成分を混合した後、高温高圧下(例
えば130〜200℃、150〜1000kg/c
2)でホモジナイザーを通して水中油型エマルジョン
を製造する方法(メカニカル法)等が用いられる。
【0027】本発明に係る紙のサイジング方法はpH5
〜9の抄紙領域における種々の紙や板紙の製紙工程にお
いて、例えばウェットエンド部のパルプスラリーに本発
明のロジン系エマルジョンサイズ剤を添加することによ
り実施され、パルプ絶乾重量に対して0.01〜5固形
分重量%、好ましくは0.05〜2重量%添加する。
【0028】定着剤としては公知のものをそのまま使用
でき、例えばカチオン化澱粉、ポリアミドポリアミン樹
脂のエピクロルヒドリン変性物、ジシアンジアミド樹脂
のエピクロルヒドリン変性物、スチレン−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート共重合物のエピクロルヒドリン
変性物、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、アク
リルアミド−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重
合体、ポリアクリルアミドのホフマン分解物、ジアルキ
ルジアリルアンモニウムクロライドと二酸化イオウとの
共重合体等が挙げられる。
【0029】本発明に係る紙のサイジング方法において
使用し得る填料は、特に制限されず、従来公知のいずれ
をも用いることができ、更には、従来の酸性抄紙方法で
は使用し得なかった炭酸カルシウムも好適に使用できる
為、成紙価格の低減に大きく寄与し得る利点がある。
【0030】本発明に係るロジン系エマルジョンサイズ
剤は、炭酸カルシウムを含有する古紙の使用、又はクロ
ーズ化等による溶解電解質の増加、抄紙温度の上昇、高
pH等の抄紙領域において良好なサイズ効果、並びに耐
熱水性サイズ度を発現するが、これはカルボキシル基を
2個有するアルケニル置換コハク酸類(a)、ロジン類
(b)、及び多価アルコール(c)とのロジンエステル
(A)が一部ポリエステル化した構造を分子内に有して
いると推定され、更にエステル化触媒として酸化亜鉛を
使用することにより、エステル化反応時間を短縮すると
同時に、酸化亜鉛が何らかの形で反応に関与し、酸化亜
鉛を使用しないロジンエステル又はロジン類と多価アル
コールとのロジンエステルよりも分子量が大きく、結果
的にサイズ効果並びに耐熱水性サイズ度を発現するのに
最適の大きさにあることが要因と考えられる。
【0031】本発明に係るロジン系エマルジョンサイズ
剤は、上質紙、中質紙、コート紙等の印刷用紙、PPC
用紙、フォーム用紙、感熱紙、感圧紙等の情報用紙、包
装用紙、段ボール原紙、白板紙、石膏ボード用紙等の板
紙に適用できる。更にセルロース繊維の抄造のみなら
ず、セルロース繊維と鉱物繊維、例えば石綿、岩綿等や
合成繊維、例えばポリアミド、ポリエステル、ポリオレ
フィン等との混合物を抄造し、紙、板紙、繊維板等を製
造する際にも有利に適応できる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は次の通りで
ある。 ・アルケニル置換コハク酸類(a)の製造:オートクレ
ーブ反応器にオレフィンオリゴマーと無水マレイン酸の
所定量を仕込み、窒素気流下で、150〜250℃、1
0〜24時間反応後、減圧蒸留を行いアルケニル置換コ
ハク酸無水物を得た。
【0033】・ロジンエステル(A)の製造:攪拌機、
温度計、留出管、窒素導入管を付した反応器内の約18
0℃で溶融状態にあるガムロジンの所定量に酸化亜鉛の
所定量、前記アルケニル置換コハク酸無水物及びグリセ
リンの所定量を加え、窒素気流下に200〜280℃で
10〜24時間反応させロジンエステルを得た。
【0034】・強化ロジン(B)の製造:攪拌機、温度
計、窒素導入管を付した反応器内の約200℃で溶融状
態にあるガムロジンの所定量に無水マレイン酸の所定量
を徐々に加え、窒素気流下に180〜250℃で1〜5
時間付加反応させ、強化ロジン(B)を得た。
【0035】・強化ロジンエステル(D)の製造:攪拌
機、温度計、留出管、窒素導入管を付した反応器内の約
180℃で溶融状態にあるガムロジンの所定量に酸化亜
鉛の所定量、前記アルケニル置換コハク酸無水物及びグ
リセリンの所定量を加え、窒素気流下に200〜280
℃で10〜24時間反応させ、次に無水マレイン酸の所
定量を徐々に加え180〜250℃で1〜5時間付加反
応させ、強化ロジンエステル(D)を得た。
【0036】・ロジン系エマルジョンサイズ剤の製造:
ここで得たロジンエステル(A)と強化ロジン(B)の
所定量の混合樹脂、又は強化ロジンエステル(D)を約
150℃に加熱溶解し、激しく攪拌しながら、これに乳
化分散剤(C)の所定量を添加混合して油中水型エマル
ジョンとし、これに更に熱水の所定量を素早く添加して
安定な水中油型エマルジョンとした後、室温まで冷却し
てロジン系エマルジョンサイズ剤を得た。
【0037】・ロジン系エマルジョンサイズ剤の性能評
価: (1)ステキヒトサイズ度試験 濃度2.5%パルプスラリー(L−BKP,CSF38
0ml)にカチオン化澱粉を絶乾パルプに対して固形分
換算で0.5%、硫酸アルミニウムを絶乾パルプに対し
て固形分換算で0.5%、更に前記製造したロジン系エ
マルジョンサイズ剤を絶乾パルプに対して固形分換算で
0.4%、軽質炭酸カルシウムを絶乾パルプに対して固
形分換算で10%添加し、水を加えてパルプ濃度を1%
に希釈し、次いでベントナイトを絶乾パルプに対して固
形分換算で0.04%添加して、常法に従いTAPPI
スタンダードシートマシンにより抄紙した。この時パル
プスラリーのpHは8.0であった。次に3.5kg/
cm2でプレスし、ドラムドライヤー(表面温度90℃)
で1分間乾燥して手抄紙を調製した。この手抄紙は成紙
坪量60g/m2であった。こうして得た手抄紙を温度
20℃、湿度65%において24時間調湿後、各成紙の
サイズ効果をJIS P8112ステキヒト法により測
定した。
【0038】(2)耐熱水性サイズ度試験:濃度2.5
%パルプスラリー(新聞古紙/チラシ古紙=7/3、C
SF200ml)に硫酸アルミニウムを固形分換算で6
%(スラリーpH5)、4%(スラリーpH6)を添加
し、ロジン系エマルジョンサイズ剤を絶乾パルプに対し
て固形分換算で1.0%添加して充分混合し、抄紙用パ
ルプスラリーを得た。このパルプスラリーに同一pH値
の水を加えパルプ濃度1%に希釈し、スターガムKX−
12(商品名、星光化学工業(株)製:カチオン性アク
リルアミド系ポリマー、濃度10%)を絶乾パルプに対
して0.1%添加して、常法に従いTAPPIスタンダ
ードシートマシンにより抄紙し、次に3.5kg/cm2
でプレスしてドラムドライヤー(表面温度90℃)で1
分間乾燥して手抄紙を調製した。この手抄紙は成紙坪量
65g/m2であった。こうして得られた手抄紙を温度
20℃、湿度65%において24時間調湿後、各成紙を
80℃の熱水に浮かべ、その表面積の1/5が濡れるま
でに要した時間(耐熱水性サイズ度)を測定した。
【0039】
【実施例】以下、製造例、実施例、比較例を挙げて本発
明を具体的に説明するが、本発明はこれらの各例に限定
されるものではない。尚、各例中、部及び%は特記しな
い限り全て重量基準である。
【0040】・アルケニル置換コハク酸類(a)の製
造: [製造例a−1]オートクレーブ反応器にハイマスポリマ
ー(商品名、日本石油(株)製:プロピレンオリゴマー:
炭素数15)144部、無水マレイン酸68部を仕込
み、窒素気流下で、200℃で24時間反応後、減圧蒸
留を行い、酸価230のアルケニル置換コハク酸無水物
を得た。
【0041】・ロジンエステル(A)の製造: [製造例A−1]攪拌器、温度計、留出管、窒素導入管を
付した反応器内の180℃で溶融状態にあるガムロジン
800部に酸化亜鉛0.01部、製造例a−1で得られ
たアルケニル置換コハク酸無水物13部、グリセリン8
6部を仕込み、窒素気流下に245〜250℃で15時
間反応させ、酸価12.9のロジンエステル(A)を得
た。その性状を表1に示す。
【0042】[製造例A−2〜8]製造例A−1におい
て、アルケニル置換コハク酸類(a)、ロジン類
(b)、多価アルコール(c)及び金属酸化物(d)の
仕込量と種類を表1の通りに代えた以外は、製造例A−
1と同様にして製造例A−2〜8のロジンエステルを得
た。その性状を表1に示す。
【0043】・比較ロジンエステル(CA)の製造: [比較製造例CA−1〜8] 製造例A−1において、アルケニル置換コハク酸類
(a)、ロジン類(b)、多価アルコール(c)及びエ
ステル化触媒の仕込量と種類を表2の通りに代えた以外
は製造例A−1と同様にして、比較製造例CA−1〜8
のロジンエステル(A)を得た。その性状を表2に示
す。
【0044】・強化ロジンエステル(D)の製造: [製造例D−1]攪拌機、温度計、留出管、窒素導入管を
付した反応器の約180℃で溶融状態にあるガムロジン
800部に酸化亜鉛0.1部、製造例a−1で得られた
アルケニル置換コハク酸類 (a)13部及びグリセリ
ン42部を加え、窒素気流下に240〜250℃で15
時間反応させ、次に無水マレイン酸80部を徐々に加え
180から250℃で3時間付加反応させ、製造例D−
1の強化ロジンエステル(D)を得た。その性状を表1
に示す。
【0045】[製造例D−2]製造例D−1において、ア
ルケニル置換コハク酸類(a)、ロジン類(b)、多価
アルコール(c)、α,β−不飽和カルボン酸類(e)
及びエステル化触媒金属酸化物(d)の仕込み量と種類
を表1の通りに代えた以外は製造例D−1と同様にし
て、製造例D−2の強化ロジンエステル(D)を得た。
その性状を表1に示す。
【0046】
【表1】 *α,β−UR:α,β−不飽和カルボン酸類 *MR:無水マレイン酸 *ASA:アルケニル置換コハク酸類 *ZnO:酸化亜鉛 *MgO:酸化マグネシ *CaO:酸化カルシウム *Z-100S:コロパールZ-100S(商品名);星光化学工業(株)製;アルケニル置換 無水コハク酸 ;濃度100%
【0047】・比較強化ロジンエステル(CD)の製
造: [比較製造例CD−1]製造例D−1において、アルケニ
ル置換コハク酸類(a)、ロジン類(b)、多価アルコ
ール(c)、α,β−不飽和カルボン酸類(e)及びエ
ステル化触媒(d)の仕込量と種類を表2の通りに代え
た以外は製造例D−1と同様にして、比較製造例CD−
1の強化ロジンエステル(D)を得た。その性状を表2
に示す。
【0048】
【表2】 *α,β−UR:α,β−不飽和カルボン酸類 *MR:無水マレイン酸 *ASA:アルケニル置換コハク酸類 *CH3COONa:酢酸ナトリウム *ZnO:酸化亜鉛 *MgO:酸化マグネシウム *PTS:パラトルエンスルホン酸 *CaO:酸化カルシウム *Ca(OH)2:水酸化カルシウム *KOH:水酸化カリウム *Z-100S:コロパールZ-100S(商品名);星光化学工業(株)製;アルケニル置換 無水コハク酸 ;濃度100%
【0049】・強化ロジン(B)の製造: [製造例B−1]攪拌機、温度計、窒素導入管を付した反
応器内の180℃で溶融状態にあるガムロジン800部
に無水マレイン酸80部を徐々に加え、窒素気流下に2
00℃で5時間付加反応させ、酸価230の強化ロジン
(B)を得た。
【0050】[製造例B−2]製造例B−1において無水
マレイン酸100部を用いた以外は、製造例B−1と同
様にして、酸価242の強化ロジン(B)を得た。
【0051】・ロジン系エマルジョンサイズ剤の製造: [実施例1]製造例A−1のロジンエステル(A)30部
と製造例B−1の強化ロジン(B)70部の混合樹脂を
約150℃に加熱溶融し、激しく攪拌しながら、乳化分
散剤RX−1 (商品名、星光化学工業(株)製:アニオン
性スチレンアクリル系共重合体:濃度20%)45部を
添加混合して油中水型エマルジョンとし、これに更に熱
水93部を素早く添加して安定な水中油型エマルジョン
とした後、室温まで冷却してロジン系エマルジョンサイ
ズ剤を得た。その性状を表3に示す。
【0052】[実施例2〜10]実施例1におけるロジン
エステル(A)と強化ロジン(B)または強化ロジンエ
ステル(D)及び乳化分散剤(C)の配合割合と種類
を、表3の通りに代えた以外は、実施例1と同様にし
て、実施例2〜10のロジン系エマルジョンサイズ剤を
得た。その性状を表3に示す。
【0053】
【表3】 *RX−1:(商品名、星光化学工業(株)製:乳化分散剤
(C);アニオン性スチレンアクリル系共重合体:濃度
20%)
【0054】・比較ロジン系エマルジョンサイズ剤の製
造: [比較例1〜9]実施例1において分散剤樹脂組成物の仕
込量と種類を表4に示す通り変更した以外は実施例1と
同様の方法で乳化分散を行い、各々のロジン系エマルジ
ョンサイズ剤を得た。その性状を表4に示す。
【0055】
【表4】 *RX−1:(商品名、星光化学工業(株)製:乳化分散剤
(C);アニオン性スチレンアクリル系共重合体:濃度
20%) *参考例:コロパールS−80(商品名、星光化学工業
(株)製 ケン化型ロジンサイズ剤:濃度50%)
【0056】[ロジン系エマルジョンサイズ剤の性能評
価]前記実施例1〜10及び比較例1〜9に示すロジン系
エマルジョンサイズ剤のサイズ効果並びに耐熱水性サイ
ズ度を前記実施の態様に準じて測定し性能評価を行っ
た。その効果を表5に示す。
【0057】
【表5】
【0058】
【発明の効果】本発明のロジン系エマルジョンサイズ剤
は、実施例に示した通り、エステル化触媒として金属酸
化物を用いて得られたロジンエステルと強化ロジンの混
合樹脂、又は強化ロジンエステルからなるロジン系エマ
ルジョンサイズ剤及びそれを用いる紙のサイジング方法
であり、エステル化触媒として金属酸化物を用いること
により少量で反応時間を大幅に短縮でき、生産コストが
低く押さえられると共にpH5〜9の広い領域、特に高
pHの抄紙領域においてもサイズ性能の低下が無く、良
好なサイズ効果、耐熱水性サイズ度を発現するものであ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルケニル置換コハク酸類(a)、ロジン
    類(b)及び多価アルコール(c)を触媒としての金属
    酸化物(d)の存在下に加熱反応させて得られるロジン
    エステル(A)と強化ロジン(B)との混合樹脂を乳化
    分散剤(C)を用いて水に分散せしめたことを特徴とす
    るロジン系エマルジョンサイズ剤。
  2. 【請求項2】アルケニル置換コハク酸類(a)、ロジン
    類(b)、多価アルコール(c)及びα,β−不飽和カ
    ルボン酸類(e)を触媒としての金属酸化物(d)の存
    在下に加熱反応させて得られる強化ロジンエステル
    (D)を乳化分散剤(C)を用いて水に分散せしめたこ
    とを特徴とするロジン系エマルジョンサイズ剤。
  3. 【請求項3】触媒としての金属酸化物(d)をロジン類
    (b)に対して0.001〜0.5重量%用いることを
    特徴とする請求項1又は2記載のロジン系エマルジョン
    サイズ剤。
  4. 【請求項4】触媒としての金属酸化物(d)が酸化亜鉛
    である請求項1〜3のいずれかに記載のロジン系エマル
    ジョンサイズ剤。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のロジン系
    エマルジョンサイズ剤をパルプスラリーに添加し抄紙す
    ることを特徴とする紙のサイジング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102875738A (zh) * 2012-10-20 2013-01-16 岑溪市林化工业有限公司 一种松香型混合醇类191树脂的制备方法

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