JP2000248648A - 建築物外壁用防湿シート、壁体構造及び壁体内結露の防止方法 - Google Patents

建築物外壁用防湿シート、壁体構造及び壁体内結露の防止方法

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JP2000248648A
JP2000248648A JP11051840A JP5184099A JP2000248648A JP 2000248648 A JP2000248648 A JP 2000248648A JP 11051840 A JP11051840 A JP 11051840A JP 5184099 A JP5184099 A JP 5184099A JP 2000248648 A JP2000248648 A JP 2000248648A
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Toshiyuki Origasa
利幸 折笠
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Abstract

(57)【要約】 【課題】住宅などの建築物の通気層の外壁側に吸放湿機
能を有するシートを施工することにより、通気層内部に
侵入した湿気を速やかに除去し、壁体内部(透湿防水シ
ート側)への湿気の移動を抑制することにより壁体内部
の高湿化を抑制する建築物外壁用防湿シート、それを用
いる壁体内結露の防止方法及び建築物外壁用防湿シート
を施工せしめた建築物の壁体構造を提供する。 【解決手段】少なくとも屋外側から外壁基板、通気層及
び内壁基板を有する建築物壁体構造の通気層に面した側
に積層して使用するシートであって、防湿性樹脂シート
基材の片面のみに吸放湿性層を積層してなり、前記防湿
性樹脂シートを前記外壁側に位置せしめて積層し、且つ
前記吸放湿性層を前記通気層側に位置せしめたことを特
徴とする建築物外壁用防湿シート、該防湿シートを建築
物外壁の通気層に面した側に施工した壁体構造及び壁体
内結露の防止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、戸建住宅等の建築
物外壁の通気層に面した側に積層して使用する建築物外
壁用防湿シート、該防湿シートを用いた建築物の壁体構
造及び建築物における壁体内結露の防止方法及びに関す
る。
【0002】
【従来の技術】高気密・高断熱化が進んでいる近年の住
宅においては、室内温度と内壁表面温度の差はほとんど
生じなくなってきているため壁体表面結露は発生しなく
なってきている。
【0003】しかしながら、実際の住宅においては気密
度が完全である場合は皆無であり、「一定の隙間」は常
に存在するため、室内で発生した湿気が壁体内に流入
し、断熱材の厚さ方向で露点温度以下になった部分で結
露が発生する場合がある。
【0004】特に寒冷地における住宅等においては、室
内の暖房による温かい湿気が屋外に排出されるため、こ
の壁体内結露が生じやすい。従って、この「壁体内結
露」の対策として、以下の様な工法が採られている。
【0005】即ち、図4に示すように、住宅などの建築
物の内壁基板12と外壁基板6との間に、内壁基板12
の裏面側からポリエチレン等からなる防湿シート11
と、その屋外側に、主としてグラスウール、ロックウー
ル等の繊維系断熱材からなる断熱材層10と、さらにそ
の外壁基板側に空隙からなる通気層8を順次施工する。
そして更に、前記断熱材層10と通気層8との界面に
は、湿気は通すが水は通さない性質を有する透湿防水シ
ート9を施工するものである。
【0006】このようにして、室内側の透湿抵抗を高
く、屋内側の透湿抵抗を低くすることで、室内で発生
し、内壁基板の繋ぎ目等から断熱材層内に侵入した湿気
を速やかに通気層を通して断熱材層から屋外に向かって
排出し、かつ通気層から侵入する雨等(水)は壁体内部
に透過させないことにより、壁体内に湿気を溜めずに壁
体内結露の発生を防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、関東以西の
温暖地の夏期の高温多湿な気候風土の地域においては、
壁体内での湿気の移動が冬季寒冷地とは逆になる。即
ち、透湿防水シートは、双方向に湿気を通過するため、
夏期においては、冷房使用等により外気の方が建物の中
よりも高温多湿となり、高温多湿な空気が通気層から断
熱材層中に流入する。そして、それが次第に冷やされ
て、壁体内で露点温度以下となり結露してしまうことに
なる。
【0008】従って、北海道や東北地方のような寒冷地
においては、冬季の壁体内結露のみを考慮すればよい
が、関東以西の夏期が高温多湿な気候風土の地域におい
ては、夏期の壁体内結露も考慮しなければならないこと
になる。
【0009】このような壁体内結露が生じる場合には、
断熱材の性能を低下させるばかりではなく、黴や菌類の
発生、或いは壁体乃至はその周辺部の部材の腐蝕や錆の
原因となり、住宅の耐久性にも悪影響を与える。特に、
夏期においては、結露を生じなくとも壁体内は高湿状態
になりやすく、結果として結露同様の被害を被るおそれ
がある。
【0010】そこで、本発明は、住宅などの建築物の通
気層の外壁側に吸放湿機能を有するシートを施工するこ
とにより、通気層内部に侵入した湿気を速やかに除去
し、壁体内部(透湿防水シート、及び断熱材層側)への
湿気の移動を抑制することにより壁体内部の高湿化を抑
制する建築物外壁用防湿シート、該防湿シートを施工せ
しめた建築物の壁体構造、及び建築物の外壁用防湿シー
トを用いる壁体内結露の防止方法を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明は、少なくとも屋外側から外壁基板、通気層及び
内壁基板を有する建築物の壁体構造の通気層に面した側
に積層して使用するシートであって、防湿性樹脂シート
基材の片面のみに吸放湿性層を積層してなり、前記防湿
性樹脂シートを前記外壁側に位置せしめて積層し、且つ
前記吸放湿性層を前記通気層側に位置せしめることを特
徴とする建築物外壁用防湿シートを提供する。
【0012】また本発明は、外壁基板と、前記外壁基板
の屋内側に設置された防湿性樹脂シート基材と、前記防
湿性樹脂シート基材の屋内側に設置された吸放湿性層
と、前記吸放湿性層の屋内側に設置された通気層と、前
記通気層に面した屋内側に設置された透湿防水シート層
と、前記透湿防水シート層の屋内側に設置された断熱材
層と、及び、前記断熱材層の屋内側に設置された内壁基
板とを有する建築物の壁体構造を提供する。
【0013】さらに本発明は、少なくとも外壁基板とそ
の屋内側に設けられた通気層と、その屋内側に設けられ
た内壁基板とから構成された建築物の壁体構造におい
て、前記外壁基板の通気層に面した側に、防湿性樹脂シ
ート基材及び吸放湿性層とをこの順に積層し、外壁基板
を透過してくる湿気は遮断し、且つ通気層側から侵入し
てくる湿気は吸収することを特徴とする壁体内結露の防
止方法を提供する。
【0014】本発明の建築物外壁用防湿シート、それを
用いる壁体内結露防止方法及び壁体構造によれば、住宅
などの建築物の通気層の外壁側に吸放湿機能を有するシ
ートを施工することにより、通気層内部に侵入した湿気
を速やかに除去し、壁体内部(透湿防水シート側及び断
熱材層側)への湿気の移動を抑制することにより壁体内
部の高湿化を抑制することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (1)建築物外壁用防湿シート 本発明の建築物外壁用防湿シート1は、図1に示すよう
な防湿性樹脂シート基材2と吸放湿性層5が積層された
構造を有する。
【0016】本発明の防湿性樹脂シート基材2の材料と
しては、防湿性を有するものであれば特に制限はない。
吸湿性や透湿性を有するものは、湿気が吸放湿層を通過
して外装材との界面に湿気が滞留する可能性があるため
好ましくない。かかる基材材料として、例えば、高密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン等のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等
の樹脂を用いることができる。これらの樹脂の熔融物
を、カレンダー法、インフレーション法、T−ダイ押出
し法等の公知の製膜方法によって、所定の膜厚の防湿シ
ートとすることができる。
【0017】本発明の防湿性樹脂シート基材としては、
上記した樹脂からなるシートのうち、防湿性能面、コス
ト面、取り扱い性等の点より、特にポリエチレン又はポ
リプロピレンのフィルムが好ましい。フィルムの厚みは
25〜125μm程度が好適である。
【0018】また、前記防湿性樹脂シート基材2の表面
及び/又は裏面には、所望により、コロナ放電処理等の
公知の易接着処理を施すことも好ましい。或いは防湿性
能を更に向上させる為に、前記防湿シート基材の表面及
び/又は裏面にシリカ又はアルミニウムの薄膜を真空蒸
着、スパッタリング等により形成しても良い。
【0019】本発明の吸放湿性層5は、図1の如く樹脂
バインダー3中に吸放湿性材料4を添加してなるのが好
ましい。吸放湿性材料を含有する樹脂バインダーとして
は、吸放湿性材料を保持可能であって、層状に形成可能
な樹脂であれば制限はないが、特に、成形・加工性、吸
放湿性材料との親和性がよい等の観点からポリオレフィ
ン系樹脂やアクリル樹脂の使用が好ましい。
【0020】かかるポリオレフィン系樹脂としては、例
えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体等のエチレン系不飽
和単量体とそれ以外の重合可能な単量体との2元或いは
3元共重合体、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のエチレン系不
飽和単量体のみからなる単独共重合体、例えば、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテ
ン共重合体等のエチレン系不飽和単量体同士の共重合体
等を挙げることができる。
【0021】また、アクリル樹脂としては、例えば、ポ
リ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸
エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、
(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチ
ル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独
又は共重合体からなるものが挙げられる。なお、ここ
で、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタ
クリレートの意味で用いるものとする。これらのうち、
硝子転移温度が15〜60℃のものが好ましい。
【0022】本発明においては、これらの樹脂のうち、
樹脂それ自体に或る程度の吸放湿性があり、しかも吸放
湿性材料との馴染みがよく、且つ吸放湿性材料の分散性
が良好で添加量が増やせること等の理由から、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、或いはこれの鹸化物を使用する
のが特に好ましい。
【0023】また、これらアクリル樹脂とポリオレフィ
ン系樹脂の1種乃至2種以上からなる混合物、例えば、
エチレン−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との混合
物、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ナイ
ロン、ABS、ポリスチレン等の樹脂も用いることもで
きる。
【0024】前記吸放湿性材料としては、活性白土、酸
性白土、セピオライト、珪藻土、トバモライト、ゼオラ
イト、シリカゲル等の無機系材料、澱粉とアクリロニト
リルとのグラフト共重合体の鹸化物、ポリビニルアルコ
ール架橋体(高分子吸水性材料)等の有機系材料の何れ
もが用いられる。
【0025】これらの吸放湿性材料のうち、吸湿、放湿
のサイクルの繰り返し再現性、吸湿による膨潤がないこ
と、防黴性を有すること及び製造コスト等の理由から、
無機系のものが好ましく用いられる。中でも樹脂との相
溶性が良く、樹脂中に添加した樹脂組成物の製膜、塗工
適性の良好な活性白土がより好ましい。
【0026】活性白土(モンモリロナイト)は、酸処理
を施して活性を強めた白土である。通常、天然の酸性白
土又はこれに類似の粘土を常温で乾かし、粉末とし、こ
れを常圧又は加圧のもとで90℃以上の温度で、硫酸等
の酸の適当量で加熱し、加熱後に濾別・洗浄し、120
〜200℃で乾燥させたものが用いられる。活性白土
は、その強い吸着特性、また多孔の細孔径の分布から、
高い吸放湿性能を有していることが知られている。
【0027】活性白土は強力な吸放湿剤であり、しかも
水に溶解したり水で膨潤したりせず、また空気中で長時
間暴露されても変質したり黴を生じたりせず、吸湿と放
湿を繰り返すことができる。
【0028】前記吸放湿性材料は、微粒子(吸放湿性微
粒子)状で樹脂中に分離、沈降を起こすことなく均一に
分散させて用いられるのが好ましい。微粒子状で含有せ
しめることにより、後述するように、成膜した際に、該
微粒子の一部が樹脂層内部から樹脂表面に押し出され、
樹脂表面に露出する粒子の面密度が増加する。また、粒
子と周辺の樹脂との間の剪断応力によって、樹脂層が多
孔質化され、樹脂層内部の粒子も外気と流通するため、
吸放湿性の機能がより有効に利用されることになる。
【0029】本発明で用いる吸放湿性材料の平均粒径
は、0.1〜100μm程度が好ましい。また、平均細
孔径は、湿度を40〜60%に保つ意味で10〜60
Å、好ましくは20〜30Å程度のものが吸放湿効果の
点で良好である。
【0030】なお、吸放湿性材料として活性白土等の酸
性物質を用いる場合には、樹脂中には吸放湿性材料に加
えてアルカリ性添加剤を含有せしめるのがより好まし
い。活性白土等の酸性吸放湿性材料は、酸性度が分散し
た樹脂に対して、耐光性試験及び耐熱性試験の結果、黄
変等を生じる原因となる。本発明においては、かかる問
題を回避するために、樹脂中に酸性吸放湿性材料ととも
にアルカリ性の添加材を配合してpHの調整を行うこと
により、耐光黄変の抑制を行うことが好ましい。
【0031】前記アルカリ性添加剤としては、アンモニ
ア(アンモニア水)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭
酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸
水素塩等を挙げることができる。アルカリ性添加剤の添
加量は、例えばアンモニア水(28重量%)の場合でい
うと活性白土の10重量%以上、好ましくは20重量%
程度である。
【0032】前記樹脂中には、吸放湿性材料及び所望に
よりアルカリ性添加剤を含有せしめるが、さらに必要に
応じ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の難
燃剤、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン等
の防黴剤、銀イオン担持ゼオライト等の抗菌剤、有機ア
ミノ化合物等のホルムアルデヒド捕捉剤、炭酸カルシウ
ム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料、ビス
−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉
剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤等
の光安定剤、アルキルフェノール類、アミン類、キノン
類等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、サリチレート
系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系等の各
種紫外線吸収剤、シリコン系或いは非シリコン系消泡剤
やポリカルボン酸等の分散剤、チタン白、カーボンブラ
ック、フタロシアニンブルー等の着色顔料、熱安定剤、
可塑剤のほか、後述するような発泡剤を添加することが
できる。
【0033】特に、発泡剤を添加する場合には、樹脂層
内に空洞を多数有するものが得られ、通気性が良好であ
って、従って吸放湿性も良好となる。
【0034】前記吸放湿性材料の樹脂中への添加量は、
樹脂分(バインダー)100重量部に対し、20〜15
0重量部程度が好ましい。20重量部以下では、吸放湿
性能が十分に発揮されない。一方、150重量部以上添
加した場合には、水分散エマルジョン中に吸放湿性材料
を添加した組成物が増粘し、塗工適性が低下する。又、
塗膜として得られる吸放湿性樹脂層の強度が低下して脆
くなる。
【0035】また、塗工量は、塗工厚が5〜100μm
程度になるようにするのが好ましい。吸放湿性材料の配
合比や塗工量(塗工厚)を多くしすぎる場合には、冬期
における室内側から通気層側への湿気の移動を妨げ、通
気工法本来の機能を低下させるおそれがある。
【0036】前記防湿性樹脂シート基材表面へ吸放湿性
層を積層する方法としては、特に制限はない。例えば、
(1)防湿性樹脂シート基材を先ず製膜し、しかる後
に、該防湿性樹脂シート基材の片面のみに吸放湿性層を
形成する方法、(2)防湿性樹脂シート基材を製造する
ときに同時に吸放湿性層を防湿性樹脂シート基材と積層
して形成する方法等がある。
【0037】前記(1)の予め製膜された防湿性樹脂シ
ート基材の片面に吸放湿性層を形成する方法としては、
例えば、防湿性樹脂シート基材の片面に後述する吸放
湿性材料を含有する樹脂系のコーティング材料を、防湿
性樹脂シート基材の片面に、ロールコータ、コンマコー
タ、カーテンフロータ等の塗工機を用いて前記液状組成
物、例えば、水分散エマルジョンを50〜300μmの
厚さで塗工し、次いで、例えば、120〜200℃で
30秒から1時間加熱乾燥し、その後、例えば、20
0〜250℃程度で、30秒から1時間加熱乾燥するこ
とによって固化せしめる。更に発泡剤を添加した場合に
は、これを発泡させて、防湿シート基材と吸放湿性樹脂
層の積層体を得ることができる。
【0038】また、上記樹脂を製膜乃至塗工するには、
有機溶剤溶液、加熱熔融物等の形で用いることも出来る
が、pHの調整の上では水分散エマルジョンの形で用い
るのが好ましい。即ち、ポリオレフィン系樹脂及びアク
リル樹脂の1種乃至2種以上からなる混合樹脂の水分散
エマルジョン中に、所望によりアルカリ性添加剤を配合
してエマルジョンのpHをアルカリ性領域にするのが好
ましい。
【0039】活性白土等の酸性吸放湿性材料の酸性度
は、活性能を上げるためになされた硫酸処理の残留分、
及び酸処理により塩基性成分が溶出したことに起因して
いる。このため完全に中和することは困難であるため、
見かけ上エマルジョンをアルカリ性領域にしておくこと
が好ましい。また、作業者の安全を考慮して、pH値と
しては8〜11程度に設定することが好ましい。
【0040】また、前記(2)の方法としては、例え
ば、熔融押出し成形法等により防湿性樹脂シート基材を
製膜する際に、吸放湿性材料を練り込んだ樹脂層を一緒
にTダイから共押出し、成形するものがある。
【0041】(建築物の壁体構造)外壁への吸放湿機能
付与は、既存の外壁への施工が容易なことより、本発明
の防湿シートを建築物の外壁基板と通気層の間に、防湿
シートの吸放湿性層を通気層側に向けて施工することに
より行われる。
【0042】即ち、本発明の壁体構造は、外壁基板と、
前記外壁基板の屋内側表面に、防湿性樹脂シート基材が
外壁基板側、そして吸放湿性層が通気層側に向くように
積層して設置された本発明の防湿シート層と、前記防湿
シート層の屋内側に設けられた通気層と、前記通気層に
面した屋内側に設置された透湿防水シート層と、前記透
湿防水シートの屋内側に設置された断熱材層と、及び、
前記断熱材層の屋内側に設置された内壁基板とを少なく
とも有する。
【0043】例えば図2(A)及び図3に示すように、
住宅などの建築物の内壁基板12と外壁基板6との間
に、内壁基板12の裏面側からポリエチレン等からなる
防湿シート11と、その屋外側に、主としてグラスウー
ル、ロックウール等の繊維系断熱材からなる断熱材層1
0と、さらにその外壁基板側に空隙からなる通気層8を
順次施工する。そして、前記断熱材層10と通気層8と
の界面には、湿気は通すが水は通さない性質を有する透
湿防水シート9を施工する。更に、外壁基板6と通気層
8の間に、本発明の防湿シート1を、吸放湿性層5を通
気層8側にして施工するものである(壁体構造13
A)。
【0044】本発明の防湿シートは、基材シート層7面
側を外壁基板上にして接着剤層を介して、或いはタッカ
ー張り等の外壁基板の種類に応じた任意の施工方法によ
り施工することができる。
【0045】また、図2(B)に示すように、前記13
Aの壁体構造において、防湿シート11に代えて、防湿
性樹脂シート基材層7’と吸放湿性樹脂層5’からなる
防湿シート1’を吸放湿性層5’を断熱材層10側にし
て施工することもできる(壁体構造13B)。
【0046】前記建築物の外壁基板又は内壁基板として
は、通常の住宅等の建築物の外壁材及び内壁材であれば
特に制限はない。例えば、杉、檜、松、ラワン、チーク
等の樹木からなる木材単板、木材合板、パーティクルボ
ード等の木質板、珪酸カルシウム板、石膏板、セメント
板等の非セラミックス系窯業系板、陶器板、磁器板等の
セラミックス板、鉄、アルミニウム板等の金属板等の中
から適宜選択することができる。
【0047】以上説明したように、本発明の建築物外壁
用防湿シート、それを用いる壁体構造及びそれを用いる
壁体内結露防止方法は、住宅等の建築物、特に夏期にお
いて高温・多湿となる気候風土における住宅等の壁体内
結露防止を実現するために有用である。勿論、冬期にお
ける暖房時の壁体内結露防止を実現する為にも有用であ
る。
【0048】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により、更
に具体的に説明する。実施例1 ポリエチレンフィルム(三井東圧化学(株)製:易接着
処理品、厚さ50μm)からなる防湿性樹脂基材シート
の片面に、アクリル共重合体樹脂の水分散エマルジョン
(中央理化(株)の商品名「リカボンドET−84」)
からなる樹脂バインダー100重量部に対し、活性白土
(水沢化学(株)製の商品名「ガレオンアースV2
R」)からなる吸放湿性材料を70重量部配合したもの
を、ロールコート法により、厚さ20μm(乾燥時)と
なるように塗工して吸放湿性層とすることにより、図1
に示すのと同様の層構成を有する実施例1の防湿シート
を得た。
【0049】次いで、この防湿シートを、厚さ10mm
の窯業系外装サイディリング外壁材の通気層側に、2液
硬化型ウレタン樹脂系の接着剤を用いて施工し、図2
(A)と同様の構造を有する壁体構造を得た。
【0050】なお、内壁基材側には、図2(A)と同
様、通気層側から透湿防水シート9としてタイベックシ
ート(デュポン(株)製のポリエチレン製の不織布)を
通気層8と断熱材層10の間、防湿シート11として、
厚さ50μmのポリエチレンフィルム(三井化学(株)
製)を、厚さ12.5mmの石膏ボード内壁基板12
と、グラスウールからなる厚さ100mmの断熱材層1
0の間にそれぞれ施工した。なお、通気層の厚さは20
mmとした。
【0051】実施例2 実施例1において、防湿シート11の代わりに、外壁基
板側に施工したものと同様の防湿性樹脂シート基材上に
吸放湿性層を形成した防湿シートを施工し、図2(B)
に示すのと同様な構造を有する壁体構造を得た。
【0052】比較例1 比較例として、実施例1で用いたのと同じ防湿シート及
び透湿防水シートを用いて、図4に示すのと同様な構造
の壁体構造を形成した。その他の構成は、実施例1及び
実施例2と共通とした。
【0053】
【発明の効果】JISA 6111の結露防止試験 JISA 6111に基づく結露防止試験を流用し、以
下の2条件で実施した。但し、試験壁体としては、図2
(A)(実施例1)、図2(B)(実施例2)及び図3
(比較例)に示すような断面構造を有する所定の大きさ
の壁体構造を用い、図4に示す試験装置の室内側(高温
室)及び外気側(低温質)の2室の界壁に試験体壁を取
り付け、第1表の試験条件に設定して行った。
【0054】また、室内側の相対湿度は、はじめ30〜
40%程度の低湿にして、温度だけの設定を行い、試験
体壁の温度が定常状態になってから加湿し、60%に設
定した。
【0055】結露の観察は、湿度が60%に達してから
24時間後に、試験体から石膏ボード、グラスウールを
順次外し、透湿防水シート面を露出させて、目視により
結露の有無を見た。なお、結露の観察の際には、室内側
の湿度を初期と同様に低湿にして行った。試験条件及び
試験結果を、第1表にまとめた。そのうち、条件2の方
は、夏期の壁体内結露の条件に近い形で設定を変化させ
たものである。
【0056】
【表1】
【0057】第1表から明らかなように、実施例1及び
実施例2のいずれの場合も、外壁側及び内壁側のいずれ
にも壁体内結露の発生が見られなかった。
【0058】以上説明したように、本発明の建築物外壁
用防湿シートは、冬期においては低温多湿、夏期におい
ては高温多湿となるような気候風土の住宅等の建築物の
外壁基板と通気層との間に施工されるものであり、該建
築物の壁体内に発生する壁体内結露をきわめて効果的に
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の建築物外壁用防湿シートの構
造断面図である。
【図2】図2は、本発明の建築物壁体構造の断面図であ
る。
【図3】図3は、従来の壁体内結露防止のための防湿シ
ート及び透湿防水シートの施工状態断面図である。
【図4】図4は、JISA 6111の結露防止試験の
試験体壁の試験体壁取付方法を示す図である。
【符号の説明】
1,1’…本発明の防湿シート、2,7…防湿性樹脂シ
ート基材、3,3’…樹脂バインダー、4,4’…吸放
湿性材料、5,5’…吸放湿性層、6…外壁基板、8…
通気層、9…透湿防水シート、10…断熱材層、11…
防水シート、12…内壁基板、13A,13B…本発明
の壁体構造、14…従来の壁体構造
フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DB01 DB02 DB03 DB05 DD01 FA04 GA12 GA22 GA23 GA24 HA01 HA03 HA14 HA21 HB02 HB04 HC01 HC02 HC04 HD11 HF04 JD02 ND12 4F100 AC00 AE06 AG00 AK01A AK04 AK25 AK25J AK51G AL01 AR00B AR00D AR00E AT00C AT00E BA02 BA05 BA07 BA10C BA10E CB02 DG15 EH46 GB07 JD02D JD04 JD04A JD04E JD05E JD15 JD15B JD16B JJ02E JL07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも屋外側から外壁基板、通気層及
    び内壁基板を有する建築物の壁体構造の通気層に面した
    側に積層して使用するシートであって、 防湿性樹脂シート基材の片面のみに吸放湿性層を積層し
    てなり、前記防湿性樹脂シートを前記外壁側に位置せし
    めて積層し、且つ前記吸放湿性層を前記通気層側に位置
    せしめることを特徴とする、 建築物外壁用防湿シート。
  2. 【請求項2】外壁基板と、 前記外壁基板の屋内側に設置された防湿性樹脂シート基
    材と、 前記防湿性樹脂シート基材の屋内側に設置された吸放湿
    性層と、 前記吸放湿性層の屋内側に設置された通気層と、 前記通気層に面した屋内側に設置された透湿防水シート
    層と、 前記透湿防水シート層の屋内側に設置された断熱材層
    と、及び、 前記断熱材層の屋内側に設置された内壁基板とを有す
    る、 建築物の壁体構造。
  3. 【請求項3】少なくとも外壁基板とその屋内側に設けら
    れた通気層と、その屋内側に設けられた内壁基板とから
    構成された建築物の壁体構造において、前記外壁基板の
    通気層に面した側に、防湿性樹脂シート基材及び吸放湿
    性層とをこの順に積層し、外壁基板を透過してくる湿気
    は遮断し、且つ通気層側から侵入してくる湿気は吸収す
    ることを特徴とする壁体内結露の防止方法
JP11051840A 1999-02-26 1999-02-26 建築物外壁用防湿シート、壁体構造及び壁体内結露の防止方法 Pending JP2000248648A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105297924A (zh) * 2015-10-16 2016-02-03 万明聪 一种耐候性良好的外墙围护
US11865820B2 (en) 2017-12-19 2024-01-09 Saint-Gobain Adfors Canada, Ltd. Reinforcing layer, a cementitious board, and method of forming the cementitious board

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