JP2000248967A - 内燃機関の吸気弁または排気弁を駆動する電磁式動弁およびその制御方法 - Google Patents

内燃機関の吸気弁または排気弁を駆動する電磁式動弁およびその制御方法

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JP2000248967A
JP2000248967A JP11048120A JP4812099A JP2000248967A JP 2000248967 A JP2000248967 A JP 2000248967A JP 11048120 A JP11048120 A JP 11048120A JP 4812099 A JP4812099 A JP 4812099A JP 2000248967 A JP2000248967 A JP 2000248967A
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valve
internal combustion
combustion engine
electromagnetic
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Masanori Ichinose
昌則 一野瀬
Noriyuki Maekawa
典幸 前川
Atsushi Yokoyama
篤 横山
Atsuo Kishi
敦夫 岸
Kiichi Hoshi
喜一 星
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Hitachi Ltd
Astemo Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電磁力による減速や緩衝ばねを使用することな
く、弁体を保持しているばねによる減速方向のばね力を
効果的に利用することで、少ない消費電力で弁体を緩や
かに着座させることができる電磁式動弁およびその制御
方法を提供する。 【解決手段】前記弁体の作動開始後に、弁体の駆動のた
めの吸引側電磁石の励磁電流を、可動子が電磁石に到達
するに足るだけの期間と大きさで供給し、その後可動子
が電磁石に衝突する直前で励磁電流の供給を減少もしく
は停止し、可動子の保持のための励磁電流を所定の時間
経過後に再度供給開始する。着座直前の必要な加速動作
が完了した時点で電磁石の励磁電流を減少もしくは停止
し、弁体を保持しているばねによる減速方向のばね力を
効果的に利用することにより、少ない消費電力で弁体を
緩やかに着座させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気弁
または排気弁として機能する電磁式動弁、特に該電磁式
動弁の電磁式駆動装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の吸気弁または排気
弁を電磁力によって開閉駆動することで、運転状態に応
じて開弁期間および弁開閉時期を任意に設定可能な電磁
式動弁が知られている。例えば、弁体と一体になって動
く可動子を一対のばねの釣り合いによって中間位置に保
持し、その摺動方向の両側に配置した電磁石に電流を流
すことによって可動子に電磁力を作用させ、可動子およ
び弁体をその中立位置から全開方向または全閉方向へ移
動させる構造の電磁式動弁が挙げられる。前述の電磁式
動弁によれば、例えば弁体を全閉状態から全開状態へ移
動させようとしたとき、前述のばねの付勢力に抗して全
閉状態に保持している全閉側の電磁石への励磁電流の供
給を停止すると、可動子および弁体はばね力によって全
開方向への移動を開始し、ばね−質量系の単振動による
運動をする。そのため、弁体の移動途中で摩擦や外力に
よって失われた運動エネルギーを全開側の電磁石による
電磁力によって供給するだけで弁体を全開位置まで移動
することができ、エネルギー効率の優れた動弁機構を構
成することができる。
【0003】しかしながら、前述の構成による場合、可
動子を引き付けるための電磁石の電磁力は、磁路の飽和
による影響などを除けば可動子のエアギャップの2乗に
反比例するため、電磁石に一定電流を供給すると可動子
が引き付け側の電磁石に接近するにつれて電磁力は急激
に増大し、可動子は電磁石に激しく衝突する。自動車な
どに搭載される内燃機関においては静粛性に対する要求
も高いことから、前述の衝突による衝撃音を低減する必
要がある。また、閉弁時においては弁体も弁座に激しく
衝突するため、弁座上で弁体が飛び跳ねる現象を生じ、
確実な閉弁が行われない可能性もある。衝撃音を低減す
るために弁体の減速制御が行われてきた。例えば、特開
平6−129219 号公報には、緩衝ばねを用いて弁体の減速
を機械的に行うことが示されており、特開平8−135416
号公報には弁体動作中に引き付け側の電磁石とは反対側
の電磁石にも通電し、弁体の減速制御を行うことが示さ
れている。また、特開平4−179806 号公報には、内燃機
関の吸排気バルブを電磁力によって駆動し開閉弁せしめ
る電磁駆動バルブにおいて、前記吸排気バルブに取付け
た強磁性体の鉄心と、該鉄心に対応し前記吸排気バルブ
の移動方向に順次に配置した複数の電磁石の磁極と、前
記内燃機関の運転状態に応じ配置した順序にしたがい順
次に磁極を磁化する電磁石への通電制御手段とを有する
電磁駆動バルブが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】緩衝ばねによる減速制
御にあっては、可動子を電磁石から引き離す方向に常に
緩衝ばねによるばね力が発生しているため、弁体の保持
期間において保持電流を多く供給する必要がある。反対
側の電磁石にも通電する減速制御にあっては、最も減速
が必要な着座直前の状態において電磁石と可動子のエア
ギャップが大きくなり、多大な励磁電流を供給する必要
がある。他の従来の減速制御にあっても前述したと同様
に保持電流あるいは励磁電流を多く必要とするばかりで
なく、装置の構造が複雑になるという問題もあった。
【0005】本発明は、かかる点に鑑みて、弁体を保持
しているばねによる減速方向のばね力を効果的に利用
し、少ない消費電力で弁体を緩やかに着座させ、衝撃音
を低減することのできる電磁式動弁およびその制御方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、弁体の駆動の
ための吸引側電磁石に励磁電流を供給して弁体の吸引を
行い、その後可動子が電磁石に着座する直前で吸引側の
励磁電流の供給を減少もしくは停止するものである。そ
して、本発明は、所定の時間経過後に励磁電流を再度供
給開始することを1つの特徴とする。
【0007】本発明は、可動子が電磁石に着座する直前
で吸引側の励磁電流制御を行うために、可動子現在状態
量を求め、可動子の現在状態量に依存して励磁電流制御
を行っている。
【0008】上記目的を達するため本発明は、内燃機関
の吸気弁または排気弁と、前記弁体と一体になって動く
可動子を一対のばねの釣り合いによって中間位置に保持
し、その摺動方向の両側に配置した電磁石に電流を流す
ことによって可動子に電磁力を作用させ、可動子および
弁体をその中立位置から全開方向または全閉方向へ移動
させる構造の電磁式動弁において、前記弁体の作動開始
後に、弁体の駆動のための吸引側電磁石の励磁電流を供
給し、その後可動子が電磁石に衝突する直前で励磁電流
の供給を減少もしくは停止し、所定の時間経過後に励磁
電流を再度供給開始することを特徴とする。
【0009】また、この電磁式動弁の制御方法は、前記
弁体の駆動のための吸引側電磁石の励磁電流は、可動子
が電磁石に到達するに足るだけの期間と大きさで供給す
ることを特徴とする。
【0010】また、この電磁式動弁の制御方法は、前記
再度供給開始する励磁電流は、電磁石に到達した可動子
の保持に必要な大きさで供給することを特徴とする。
【0011】また、この電磁式動弁の制御方法は、前記
可動子にはその位置を計測するための可動子位置計測手
段を設け、計測された可動子位置と予め用意した可動子
動作軌道とを比較し、前記弁体の駆動のための吸引側電
磁石の励磁電流は前記可動子動作軌道を可動子が超えた
時点で減少もしくは停止することを特徴とする。
【0012】また、この電磁式動弁の制御方法は、前記
可動子動作軌道は、弁体の動作開始後の経過時間に対す
る目標位置として与えられることを特徴とする。
【0013】また、この制御方法は、前記可動子動作軌
道は、弁体の現在位置に対する目標速度として与えられ
ることを特徴とする。
【0014】また、この電磁式動弁の制御方法は、前記
可動子にはその位置を計測するための可動子位置計測手
段を設け、計測された可動子位置と、前記可動子位置か
ら算出した可動子の速度を用い、弁体および可動子の持
つ運動エネルギーと、それを支持するばねに蓄えられた
エネルギーを算出し、前記エネルギーの和が、可動子が
電磁石に到達するに必要なエネルギーを超えた時点で減
少もしくは停止することを特徴とする。
【0015】本発明は、具体的には次に掲げる装置およ
び方法を提供する。
【0016】本発明は、内燃機関の吸気弁または排気弁
と一体になって動く可動子を一対のばねの釣り合いによ
って中間位置に保持し、その摺動方向の両側に配置した
電磁石に電流を流すことによって可動子に電磁力を作用
させ、可動子をその中立位置から全開方向または全閉方
向へ移動させる構造の電磁式動弁において、内燃機関の
運転状態信号をA/D変換するA/D変換部と、弁作動
に対し電磁石駆動力を減少させる指令を記憶する記憶部
と、A/D変換部からの信号を入力して可動子現在状態
量を求め、記憶部からの駆動力減少値を求めて可動子動
作指令について駆動減少演算する演算装置と、および該
演算装置からの該駆動減少演算に基づいて励磁作動を電
磁石に指令する内燃機関の吸気弁または排気弁を駆動す
る電磁式動弁を提供する。
【0017】本発明は、内燃機関の吸気弁または排気弁
と一体になって動く可動子を一対のばねの釣り合いによ
って中間位置に保持し、その摺動方向の両側に配置した
電磁石に電流を流すことによって可動子に電磁力を作用
させ、可動子をその中立位置から全開方向または全閉方
向へ移動させる電磁式動弁の制御方法において、可動子
現在状態量を求め、可動子現在状態量に基づいて、可動
子が電磁石に衝突する直前で励磁電流の供給を減少もし
くは停止する内燃機関の吸気弁または排気弁を駆動する
電磁式動弁の制御方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】まず、本発明の第1の実施例を説
明する。図1は、本発明の第1の実施例の構成を示す図
である。
【0019】同図に示される電磁式動弁は、内燃機関の
吸排気弁1と可動子2が一体となって摺動するように配
置され、一対のばね5,6によるばね力の釣り合いによ
って摺動範囲の中間位置に保持される。可動子2の摺動
範囲の両端に対応する位置には全開側電磁石3および全
閉側電磁石4が配置され、これら電磁石3,4に電流を
流すことによって可動子2に電磁力(励磁作動指令2
4)を作用させ、可動子2および吸排気弁1を中立位置
から全開方向または全閉方向へ移動させることで、吸排
気弁の開閉を実現する。
【0020】内燃機関の状態を示すセンサ入力群はA/
D変換部7に入力され、演算装置8に渡される。演算装
置8ではセンサ入力値から電磁式動弁の動作タイミング
および励磁電流の供給時間や大きさを算出し、もしくは
記憶部9のテーブルから読み出し、所定のタイミングで
D/A変換部10,11に電流指令値(可動子動作指令
20)に基づく励磁作動指令24を出力する。変換され
た電流指令値は駆動回路12,13へ入力され、指令値
に応じた励磁電流を電磁石4,5に供給する。
【0021】図2は、可動子の位置と電流指令値の関係
を示す図である。図で、(a)は全閉側電磁石への電流
指令値、(b)は可動子の位置、(c)は全開側電磁石
への電流指令値の時間変化を示す図である。図では、例
として全閉状態xcから全開状態xoへと動作させる場
合を示している。内燃機関に取り付けられたクランク角
センサの入力信号から算出した開閉弁タイミング、もし
くはECU(EngineControl Unit)から直接指示された
開閉弁タイミングに従い、電磁式動弁は動作を開始する
が、この時刻をt0とする。時刻t0の時点で全閉側電
磁石への電流の供給を停止すると、可動子および弁体は
ばねの付勢力によって全開方向へと運動を開始する。こ
の間に全開側電磁石への加速電流I1の供給が開始さ
れ、電磁力によって可動子はさらに全開方向へ加速され
る。可動子位置が中立位置xmを超えると、ばね力は減
速方向へと力の向きを変えるため、全開側電磁石への電
流の供給を停止すると可動子は減速を始める。そこで、
規定の時刻t1の時点で電流の供給を停止することで、
可動子が全開側電磁石に着座する速度を緩和することが
できる。このままではばねの逆向きの付勢力により可動
子および弁体は全閉側に戻ってしまうため、時刻t2の
時点で可動子を全開側に保持するための保持電流I2を
供給する。可動子は時刻t3で全開側電磁石に着座する
ため、時刻t4以降はばね力に対抗できる程度の電磁力
が得られる保持電流I3を供給すれば良い。すなわち、
時刻t0からt1の期間において電磁石に供給する励磁
電流I2によって可動子に作用する電磁力の時間積分、
言い換えれば電磁力により与えられる運動エネルギー
が、弁体の運動の際に摩擦などで失われるエネルギーと
等しくなるように設定すれば、可動子が電磁石に着座す
る際の速度をゼロに近づけることができる。また、弁体
の摺動部の潤滑油の状態や要求トルク変化によっても供
給すべきエネルギー量が変化するので、内燃機関の冷却
水の水温,油温やアクセル開度,弁の電流指令値などの
内燃機関の運転状態信号をセンサ入力群25の値から、
加速電流I1の大きさや印加期間t0〜t1を変化させ
るようにしても良い。
【0022】図1において、センサ入力群25からの値
に基づき可動子現在状態量21を求め、記憶部9からの
可動子現在状態量に対する目標値24を求めて両者を比
較し、可動子駆動減少指令23を求め、この値を可動子
動作指令20に反映して励磁作動指令を得る。
【0023】次に、本発明の第2の実施例を説明する。
図3は、本発明の第2の実施例の構成を示す図である。
【0024】内燃機関の状態を示すセンサ入力群および
可動子2の位置を計測する可動子位置計測手段14の出
力はA/D変換部7に入力され、演算装置8に渡され
る。この実施例の場合、可動子位置計測手段14の出力
が直接的に可動子現在状態量21を示すことになる。演
算装置8では可動子の位置情報と記憶装置9の可動子動
作軌道テーブルの値を比較し、その結果に応じてD/A
変換部10,11に電流指令値を出力する。変換された
電流指令値は駆動回路12,13へ入力され、指令値に
応じた励磁電流を電磁石3,4に供給する。
【0025】記憶装置9に保持された可動子動作軌道
は、例えば可動子の着座速度がゼロになるように滑らか
に運動する際に実現される可動子2の理想的な位置の変
化を予め用意したものである。可動子2および吸排気弁
1の運動の際に摩擦などで運動エネルギーが失われるた
め、実際の可動子の軌道は記憶部に保持された軌道より
も遅れて動作する。ここで、電磁石3,4による電磁力
によって可動子は加速されるため、供給エネルギーが十
分に与えられた時点で記憶部9に保持された軌道(可動
子動作軌道)を追い越すことになる。この時点で加速電
流の供給を停止すれば、可動子が電磁石に着座する際の
速度をゼロに近づけることができる。制御方法は第1の
実施例の場合と同様である。
【0026】次に、本発明の第3の実施例を説明する。
【0027】先に説明した第2の実施例において、記憶
部に保持された軌道を、弁体の動作開始後の経過時間に
対する目標位置として与えておくことが考えられる。こ
れによって、可動子現在状態量を求め、可動子現在状態
量に基づいて、可動子が電磁石に着座する直前で励磁電
流の供給を減少もしくは停止することができる。例えば
図4に示すように、可動子の着座速度がゼロになるよう
に滑らかに運動する際に実現される可動子の理想的な位
置の変化40を、経過時間毎のテーブルにしておいて、
記憶部9に記憶しておく。すなわち、時間軸を弁体と可
動子の質量とそれを保持するばねのばね定数によって物
理的に決定される固有振動の周期tfの1/2に合わ
せ、運動の軌道を摩擦減衰を考慮しないばね振り子振動
の軌跡である余弦曲線として予め計算しておけば良い。
実際の可動子の速度変化は、摩擦などによって減速され
るため、曲線41に示すような曲線を描く。ここで、電
磁力によって可動子は加速されるため、曲線41を辿っ
ていた軌跡は図中の矢印の方向に移動していき目標であ
る曲線40に追いつく。この時点で、すなわち可動子が
電磁石に着座する直前で加速電流の供給を停止れば、可
動子が電磁石に着座する際の速度をゼロに近づけること
ができる。
【0028】次に、本発明の第4の実施例を説明する。
【0029】先に説明した第2の実施例において、記憶
部に保持された軌道を、弁体の現在位置に対する目標速
度として与えておくことも考えられる。これによって、
可動子現在状態量を求め、可動子現在状態量に基づい
て、可動子が電磁石に着座する直前で励磁電流の供給を
減少もしくは停止することができる。例えば図5の曲線
50に示すように、可動子の着座速度がゼロになるよう
に滑らかに運動する際に実現される可動子の理想的な速
度の変化を、可動子位置毎のテーブルにしておく。すな
わち、位置の軸を可動子の移動範囲xc〜xoとし、速
度の変化を正弦曲線として予め計算しておけば良い。こ
の方法によれば、例えば経時変化によるばねのへたりや
製作時のばね定数のばらつき,可動部の質量のばらつき
などによって固有振動数がずれていたとしても、所望の
位置(xc)において速度がゼロとなるような運動を定
義することができる。位置−速度平面内における運動の
軌跡は次に説明するようになる。実際の可動子の速度変
化は、摩擦などによって減速されるため、曲線51に示
すような曲線を描く。ここで、電磁力によって可動子は
加速されるため、曲線51を辿っていた軌跡は図中の矢
印の方向に移動していき目標である曲線50に追いつ
く。この時点で、すなわち可動子が電磁石に着座する直
前で加速電流の供給を停止すれば、可動子が電磁石に着
座する際の速度をゼロに近づけることができる。
【0030】次に、本発明の第5の実施例を説明する。
図6は、本発明の第5の実施例の演算手順を示す図であ
り、図7はタイムチャートを示す図である。また、図3
が示す構成は、本発明の第5の実施例に使用可能であ
る。
【0031】図3において、内燃機関の状態を示すセン
サ入力群および可動子2の位置を計測する可動子位置計
測手段14の出力はA/D変換部7に入力され、演算装
置8に渡される。演算装置8では可動子の位置情報と位
置情報から算出した速度情報を基に、吸排気弁1および
可動子2の持つ総運動エネルギーを計算する。その結果
と着座に必要な最低エネルギーを比較し、最低エネルギ
ーを超えるまでD/A変換部10,11に電流指令値を
出力する。変換された電流指令値は駆動回路12,13
へ入力され、指令値に応じた励磁電流を電磁石3,4に
供給する。
【0032】次にエネルギー比較の具体的な演算手順を
説明する。計測された可動子の位置入力60から、ばね
に蓄えられたエネルギー61を算出する。ばねに蓄えら
れたエネルギー61は中立位置xmにおいてゼロとな
り、可動子の移動範囲の両端で最大となる。並行して、
計測された可動子の位置入力60から速度算出手段62
において可動子の速度を算出する。速度算出の方法とし
ては、簡単には可動子位置の微分演算を行えば良い。デ
ィジタル計算機による離散化処理の場合であれば、位置
の変化分をサンプリング周期で割れば速度が求められ
る。他にはばね振り子の運動モデルを計算機内部に定義
し、状態観測器を用いた速度推定器を構成する方法も考
えられる。次に速度算出手段62で算出した速度を用
い、弁体および可動子の持つ運動エネルギー63を算出
する。図7に示すように、算出されたこれら2つのエネ
ルギーの和が、電磁式動弁が振り子運動系内に蓄えた総
エネルギーとなる。一方、可動子が反対側の電磁石に到
達するに必要なエネルギー64は可動子の移動範囲の両
端でばねに蓄えられるエネルギーのみであり、速度ゼロ
で着座するために運動エネルギー分もゼロとなる。ここ
で、電磁式動弁が振り子運動系内に蓄えた総エネルギー
と可動子が反対側の電磁石に到達するに必要なエネルギ
ーをコンパレータ65で比較し、総エネルギーが必要エ
ネルギーを超えれば0、超えなければ1を出力する。コ
ンパレータ65の出力にゲイン66を掛けた値を電流指
令値として駆動回路に出力する。総エネルギーが必要エ
ネルギーを超えた時点で、すなわち可動子が電磁石に着
座する直前で加速電流の指令値として0が出力され、電
流供給を停止すれば、その時点で持っていた運動エネル
ギーは全てばねを縮めるためのエネルギーに変換され、
着座時の可動子の速度はゼロになる。この方法によれ
ば、制御器内部に時間テーブルや軌道パターンのテーブ
ルを用意することなく電流供給を停止する時刻を決定す
ることができる。また、直接的にエネルギー量として比
較を行うため、考慮していない外乱により可動子および
弁体の可減速が行われたとしても、適切な速度制御を行
うことができるという利点もある。
【0033】以上説明した電磁式動弁の制御方法は、通
常の弁動作における着座速度の低減に適用できることは
もちろん、機関始動時に弁体を中立位置から全閉位置に
移動させる初期化動作時の着座速度の低減にも好適であ
る。前述のように、電磁力を印加しない状態では可動子
および弁体は一体のばねの釣り合いによって中間位置に
保持されるが、内燃機関の始動時には吸排気弁を全閉位
置に移動する初期化動作が必要となる。一般的に初期化
動作には、電磁石に大電流を供給して一気に全閉側に引
き上げる方法や、可動部の固有振動周期に一致した周期
で交互に電磁力を発生させ、共振により徐々に可動子位
置を全閉側に引き上げていく方法が用いられる。定常動
作中における電磁力は前述のように運動エネルギーの損
失分を補うために用いられるのに対し、初期化動作時に
はいずれの方式においても電磁石と可動子のエアギャッ
プが大きな状態から電磁力を発生する必要があるため、
定常動作に比較して大電流を必要とする。この場合の弁
体や可動子の着座衝撃は通常よりもさらに大きくならざ
るを得ず、着座速度の低減がより重要な課題となる。本
発明の電磁式動弁の制御方法は減速のための大電流を必
要としないため、電力をより必要とする初期化動作時に
おいても好適な方法である。
【0034】可動子現在状態を予め設定した位置に設定
しておいても効果がある。
【0035】本発明の他の実施例によれば、内燃機関の
吸気弁または排気弁と一体になって動く可動子を一対の
ばねの釣り合いによって中間位置に保持し、その摺動方
向の両側に配置した電磁石に電流を流すことによって可
動子に電磁力を作用させ、可動子をその中立位置から全
開方向または全閉方向へ移動させる電磁式動弁の制御方
法に可動子位置を求め、可動子が電磁石に着座する1m
m以上2mm以下の範囲で予め設定した位置を超えたこ
とを条件として、それまでに可動子を動作させていた方
向の励磁電流の供給を減少もしくは停止せしめる内燃機
関の吸気弁または排気弁を駆動する電磁式動弁の制御方
法が提供される。
【0036】更に可動子が電磁石に着座する1mm以上
2mm以下の範囲で予め設定した位置を超えたことの条
件に加えて、その他の可動子現在状態量を求めて前記励
磁電流の制御を行う内燃機関の吸気弁または排気弁を駆
動する電磁弁動弁の制御方法としてもよい。
【0037】このような構成することによって装置全体
をコンパクト化することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、電磁力による減速や緩
衝ばねを使用することなく、着座直前の必要な加速動作
が完了した時点で電磁石の励磁電流を減少もしくは停止
し、弁体を保持しているばねによる減速方向のばね力を
効果的に利用することにより、少ない消費電力で弁体を
緩やかに着座させることができるという効果がある。
【0039】また本発明によれば、電磁石の励磁電流を
減少もしくは停止する時刻を決定するために可動子の位
置を利用することで、考慮していない外乱により可動子
および弁体の可減速が行われたとしても、適切な速度制
御を行うことができるという利点がある。
【0040】さらに本発明によれば、直接的にエネルギ
ー量として比較を行うことで、制御器内部に時間テーブ
ルや軌道パターンのテーブルを用意することなく電流供
給を停止する時刻を決定することができるという利点が
ある。
【0041】さらに本発明によれば、減速のための大電
流を必要としないため、機関始動時に弁体を中立位置か
ら全閉位置に移動させる初期化動作時においても適切な
速度制御を行うことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁式動弁の制御方法の一実施形態を
示す構成図である。
【図2】本発明の電磁式動弁の制御方法による可動子の
位置と電流指令値の関係を示す図である。
【図3】本発明の電磁式動弁の制御方法の他の実施形態
を示す構成図である。
【図4】本発明の電磁式動弁の制御方法に用いる可動子
動作軌道の一例である。
【図5】本発明の電磁式動弁の制御方法に用いる可動子
動作軌道の他の例である。
【図6】本発明の電磁式動弁の制御方法におけるエネル
ギー比較の具体的な演算手順を説明する図である。
【図7】他の実施例のタイムチャート図である。
【符号の説明】
1…吸排気弁、2…可動子、3…全開側電磁石、4…全
閉側電磁石、5…下ばね、6…上ばね、7…A/D変換
部、8…演算装置、9…記憶装置、10,11…D/A
変換部、12,13…駆動回路、14…可動子位置計測
手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 7/18 H01F 7/18 S (72)発明者 前川 典幸 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 横山 篤 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 岸 敦夫 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 星 喜一 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 Fターム(参考) 3G092 AA11 DA01 DA02 DA07 DF05 DG02 DG09 EA02 EA14 EA17 EC09 FA14 HA13X HA13Z 3H106 DA07 DA25 DB02 DB12 DB26 DB32 DC02 DC17 DD03 EE22 FB07 KK17

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の吸気弁または排気弁と一体にな
    って動く可動子を一対のばねの釣り合いによって中間位
    置に保持し、その摺動方向の両側に配置した電磁石に電
    流を流すことによって可動子に電磁力を作用させ、可動
    子をその中立位置から全開方向または全閉方向へ移動さ
    せる構造の電磁式動弁において、 内燃機関の運転状態信号をA/D変換するA/D変換部
    と、 弁作動に対し電磁石駆動力を減少させる指令を記憶する
    記憶部と、 A/D変換部からの信号を入力して可動子現在状態量を
    求め、記憶部からの駆動力減少値を求めて可動子動作指
    令について駆動減少演算する演算装置と、および該演算
    装置からの該駆動減少演算に基づいて励磁作動を電磁石
    に指令することを特徴とする内燃機関の吸気弁または排
    気弁を駆動する電磁式動弁。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記可動子現在状態量は、演算で求められた可動子の位
    置であることを特徴とする内燃機関の吸気弁または排気
    弁を駆動する電磁式動弁。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、 前記可動子現在状態量は、可動子の検出位置であること
    を特徴とする内燃機関の吸気弁または排気弁を駆動する
    電磁式動弁。
  4. 【請求項4】請求項1において、 前記可動子現在状態量は、可動子の移動速度であること
    を特徴とする内燃機関の吸気弁または排気弁を駆動する
    電磁式動弁。
  5. 【請求項5】請求項1において、 駆動力減少演算は、吸気弁または排気弁および可動子の
    総運動エネルギーに基づくものであることを特徴とする
    内燃機関の吸気弁または排気弁を駆動する電磁式動弁。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれかにおいて、 可動子駆動力減少演算に基づいた励磁作動の所定時間経
    過後に、もしくは可動子が所定位置に到達したことをも
    って励磁電流を再度供給することを特徴とする内燃機関
    の吸気弁または排気弁を駆動する電磁式動弁。
  7. 【請求項7】内燃機関の吸気弁または排気弁と一体にな
    って動く可動子を一対のばねの釣り合いによって中間位
    置に保持し、その摺動方向の両側に配置した電磁石に電
    流を流すことによって可動子に電磁力を作用させ、可動
    子をその中立位置から全開方向または全閉方向へ移動さ
    せる電磁式動弁の制御方法において、 可動子現在状態量を求め、可動子現在状態量に基づい
    て、可動子が電磁石に着座する直前で励磁電流の供給を
    減少もしくは停止することを特徴とする内燃機関の吸気
    弁または排気弁を駆動する電磁式動弁の制御方法。
  8. 【請求項8】請求項7において、 可動子駆動力減少演算に基づいた励磁作動の所定の時間
    経過後に、もしくは可動子が所定位置に到達したことを
    もって励磁電流を再度供給開始することを特徴とする内
    燃機関の吸気弁または排気弁を駆動する電磁式動弁の制
    御方法。
  9. 【請求項9】請求項7において、 前記再度供給開始する励磁電流は、電磁石に到達した可
    動子の保持に必要な大きさで供給することを特徴とする
    内燃機関の吸気弁もしくは排気弁を駆動する電磁式動弁
    の制御方法。
  10. 【請求項10】請求項7において、 前記可動子の位置を計測し、計測された可動子位置と予
    め用意した可動子動作軌道とを比較し、前記弁体の駆動
    のための吸引側電磁石の励磁電流は前記可動子動作軌道
    を可動子が超えた時点で減少もしくは停止することを特
    徴とする内燃機関の吸気弁または排気弁を駆動する電磁
    式動弁の制御方法。
  11. 【請求項11】請求項10において、 前記可動子動作軌道は、弁体の動作開始後の経過時間に
    対する目標位置として与えられることを特徴とする内燃
    機関の吸気弁または排気弁を駆動する電磁式動弁の制御
    方法。
  12. 【請求項12】請求項10において、 前記可動子動作軌道は、弁体の現在位置に対する目標速
    度として与えられることを特徴とする内燃機関の吸気弁
    または排気弁を駆動する電磁式動弁の制御方法。
  13. 【請求項13】請求項9において、 前記可動子の位置を計測し、計測された可動子位置と、
    前記可動子位置から算出した可動子の速度を用い、弁体
    および可動子の持つ運動エネルギーと、それを支持する
    ばねに蓄えられたエネルギーを算出し、前記エネルギー
    の和が、可動子が電磁石に到達するに必要なエネルギー
    を超えた時点で減少もしくは停止することを特徴とする
    内燃機関の吸気弁または排気弁を駆動する電磁式動弁の
    制御方法。
  14. 【請求項14】内燃機関の吸気弁または排気弁と一体に
    なって動く可動子を一対のばねの釣り合いによって中間
    位置に保持し、その摺動方向の両側に配置した電磁石に
    電流を流すことによって可動子に電磁力を作用させ、可
    動子をその中立位置から全開方向または全閉方向へ移動
    させる電磁式動弁の制御方法に可動子位置を求め、 可動子が電磁石に着座する1mm以上2mm以下の範囲
    で予め設定した位置を超えたことを条件として、それま
    でに可動子を動作させていた方向の励磁電流の供給を減
    少もしくは停止せしめることを特徴とする内燃機関の吸
    気弁または排気弁を駆動する電磁式動弁の制御方法。
  15. 【請求項15】請求項14において、 可動子が電磁石に着座する1mm以上2mm以下の範囲
    で予め設定した位置を超えたことの条件に加えて、その
    他の可動子現在状態量を求めて前記励磁電流の制御を行
    うことを特徴とする内燃機関の吸気弁または排気弁を駆
    動する電磁式動弁の制御方法。
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