JP2000249831A - 光学素子及び光ヘッド装置 - Google Patents

光学素子及び光ヘッド装置

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JP2000249831A
JP2000249831A JP11050998A JP5099899A JP2000249831A JP 2000249831 A JP2000249831 A JP 2000249831A JP 11050998 A JP11050998 A JP 11050998A JP 5099899 A JP5099899 A JP 5099899A JP 2000249831 A JP2000249831 A JP 2000249831A
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譲 田辺
Naomitsu Umemura
尚充 梅村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複屈折性を有する光記録媒体に対しても、常に
一定の光量で情報を読み取ることができる光学素子およ
び光ヘッド装置を提供する。 【解決手段】入射する光の偏光方向により回折効率の異
なる偏光性回折素子1と、1/4又は5/4波長板2と、有機
高分子材料からなる偏光板3とを、この順で重ねて構成
して光ヘッド装置に搭載した。偏光板3として偏光性回
折素子1を用いてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク及び光
磁気ディスク等の光記録媒体に光学的情報を書き込んだ
り、光学的情報を読み取るための光学素子及び光ヘッド
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】CD(コンパクトディスク)やDVD
(デジタルビデオディスク)などの光ディスク及び光磁
気ディスクなどの光記録媒体に光学的情報を書き込んだ
り、光記録媒体から光学的情報を読み取ったりするの
に、回折素子などの光束制御素子を備えた光ヘッド装置
が用いられる。
【0003】図6は上記光ヘッド装置の概略的な構成を
示す側面図であり、光ヘッド装置では、半導体レーザな
どの光源11からの出射光が、光束制御素子の一種であ
るホログラムビームスプリッタなどの光学素子60を透
過し、対物レンズ14で光記録媒体である光ディスク1
2の上に集光される。光ディスク12からの反射光は、
再び対物レンズ14を透過し、ホログラムビームスプリ
ッタなどの光学素子60により回折されて光検出器を構
成する受光素子5に到達する。受光素子5は、受光した
反射光を電気信号に変換し、変換された電気信号はアン
プで増幅され、さらに自動ゲイン補正回路でゲインが掛
けられて信号レベルを一定範囲に調整される。
【0004】上記光学素子60などの光束制御素子とし
ては、従来、無偏光系のホログラムビームスプリッタが
使われていた。図7に無偏光系のホログラムビームスプ
リッタ61の側方断面図を示した。無偏光系のホログラ
ムビームスプリッタ61は、たとえば、ガラス基板62
の上面に、等方性の光学材料からなる等方性回折格子6
3を形成したものである。なお、図中、64はホログラ
ムビームスプリッタの両面に施された低反射コートであ
る。無偏光系のホログラムビームスプリッタの場合、往
路の0次透過効率が50%、復路の1次回折効率が20
%であるので、理論往復効率が、50%×20%=10
%となる。しかし、実際には、往復効率が10%のホロ
グラムビームスプリッタを作製するのは困難であり、6
〜7%程度の往復効率が得られればよい方なので、無偏
光系のホログラムビームスプリッタは往復効率が低いと
いう問題があった。
【0005】そこで、光の往復効率を10%よりも上げ
るために、光の偏光方向によって回折効率が変わるホロ
グラムビームスプリッタを用いることが提案されてい
る。さらには、複屈折性を持つ光ディスクに対しても情
報を読み取るように改善した偏光性回折素子を備えた光
学素子が提案されている。偏光性回折素子は、これに入
射する光の偏光方向により回折効率の異なる素子であ
る。通常、複屈折性光学材料に断面が凹凸状の格子を形
成し、この凹凸部に複屈折性光学材料の常光屈折率また
は異常光屈折率に等しい光学的等方性媒体を充填する。
図8に偏光系のホログラムビームスプリッタ65を示す
側方断面図を示した。偏光系のホログラムビームスプリ
ッタ65は、ガラス基板66の上に、高分子液晶などの
複屈折性光学材料によって偏光性回折格子67を形成
し、複屈折性光学材料の常光屈折率no または異常光屈
折率neと等しい屈折率nsを有する等方性媒体68が、
偏光性回折格子67とガラス基板69との間に充填され
ている。
【0006】なお、偏光系のホログラムビームスプリッ
タ65を用いる場合には、このホログラムビームスプリ
ッタ65と光ディスク12との間に、1/4波長板を挿
入することにより、ホログラムビームスプリッタ65を
通過するときの光の偏光方向を往路と復路で90゜回転
させる。
【0007】偏光系のホログラムビームスプリッタ65
では、たとえば、複屈折性光学材料68の常光屈折率n
oと等方性媒体8の屈折率nSを等しくした場合(no
S)、光源11からの出射光の往路における偏光方向
を複屈折性光学材料68の常光屈折率no方向に一致さ
せると、ホログラムビームスプリッタ65は機能しない
ため、0次透過効率を高くすることができる。一方、復
路では、1/4波長板によって反射光の偏光方向が複屈
折性光学材料68の異常光屈折率ne方向と等しくなる
ため、ホログラムビームスプリッタ65が機能し、1次
回折効率を高くすることができる。その結果として、無
偏光系のホログラムビームスプリッタ61の理論往復効
率である10%よりも高い往復効率が得られる
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した偏光
系のホログラムビームスプリッタ65を用いた光ヘッド
装置には、以下のような問題があった。すなわち、光記
録媒体である光ディスク12は、一般に樹脂成形品であ
り、可能な限り均質に成形することが要請されている
が、実際の光ディスクには、型に樹脂を注入する時など
に樹脂の流動に片寄りが生じるなどして歪を生じ、部分
的な複屈折性を1箇所以上持つものが含まれることがあ
る。一般に光ディスク基板の成形方式は、中心にダイレ
クトゲート(注入口)を持つラジアルフロー型の円盤成
形方式である。ラジアルフロー型の円盤形成方式におい
ては、基板の内周方向では半径方向の配向が残り、ま
た、外周に近づくほど周方向の配向が残り、部分的に複
屈折を有するような流動パターンを示す。
【0009】すると、光ディスク12は、高速回転され
るので、1箇所以上の部分的な複屈折性を持った光ディ
スク12からの反射光は、偏光方向が一定とならずに時
々刻々変動し、往路の光の偏光方向に対して復路の偏光
方向が90゜からずれる。しかも、どの程度偏光方向が
ずれているかがまったく不明な反射光が戻ってくること
になる。偏光系のホログラムビームスプリッタは所定の
偏光成分のみを回折するので反射光の偏光方向の変動に
伴って戻り光量が変動し、最悪の場合には、光ディスク
12からの反射光が往路と同じ偏光方向で戻ることも起
こる。このような場合には、偏光系のホログラムビーム
スプリッタ65は、ほとんど反射光を回折できず、光デ
ィスク12からの情報を受光素子5で読み取ることがで
きない。
【0010】本発明は、上述の実情に鑑み、複屈折性を
有する光記録媒体に対しても、常に一定の光量で情報を
読み取ることができる光学素子および光ヘッド装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、入射する光の
偏光方向により回折効率の異なる偏光性回折素子と、1
/4または5/4波長板と、有機高分子材料からなる偏
光板とが、この順に重ねられていることを特徴とする光
学素子を提供する。
【0012】この光学素子では、特定方向に偏光された
光が偏光性回折素子側から入射すると、その往路におい
て、偏光性回折素子は特定の偏光成分だけを透過させ
る。ここでは、特定の偏光成分とは、図2の半導体レー
ザ11の光が前後方向に振動している方向をいう。1/
4波長板または5/4波長板は直線偏光を円偏光の光に
変換し、偏光板は円偏光された光のうち、前記特定の偏
光成分とは直交する偏光成分だけを透過させる。一方、
復路においては、偏光板は前記直交する偏光成分だけを
透過させ、1/4波長板または5/4波長板は直線偏光
から円偏光の光に変換する。偏光性回折素子は円偏光と
された光のうち、前記直交する偏光成分だけを回折させ
る。このような光学素子を光ヘッド装置に用いた場合
に、光記録媒体の複屈折性による影響を軽減し、良好に
光記録媒体に光学的情報を書き込んだり読み込むここと
が可能となる。
【0013】また、前記偏光板として偏光性回折素子を
用いることを特徴とする光学素子を提供する。
【0014】この光学素子では、偏光板として偏光性回
折素子を用いることで、偏光板の耐水性を大きく向上さ
せることができる。以て、設定された偏光特性を長期に
亘り安定して得ることができ、光学素子の信頼性を向上
できる。
【0015】また、半導体レーザからの出射光を光記録
媒体へ導き、光記録媒体からの反射光を光検出器で検出
する光ヘッド装置において、光記録媒体と光検出器の間
に前記いずれかの光学素子が、偏光板を光記録媒体側に
向けて配されていることを特徴とする光ヘッド装置を提
供する。
【0016】この光ヘッド装置では、半導体レーザ光の
出射光が偏光性回折素子、1/4波長板または5/4波
長板、偏光板の順に通過して光記録媒体に照射され、光
記録媒体からの反射光がこの逆の順で通過し、偏光性回
折素子により回折された光が光検出器により検出され
る。このように、特定の偏光方向のレーザ光が光記録媒
体に照射されることで、光記録媒体が複屈折性を有して
いても、複屈折性による影響が低減されるため、一定の
光量の戻り光を得ることができる。以て、複屈折性を有
する光記録媒体に対して光学的情報を書き込んだり、読
み込むことが可能となる。
【0017】また、前記光学素子を構成する偏光板の偏
光方向が、前記光記録媒体上での出射光の照射位置にお
ける半径方向またはこれに垂直な方向であることを特徴
とする光ヘッド装置を提供する。
【0018】この光ヘッド装置では、複屈折性の影響を
受けない複屈折中性軸に偏光方向を一致させたレーザ光
が光記録媒体に照射されるため、反射レーザ光は光記録
媒体の複屈折性がキャンセルされる。これにより、常に
最大で且つ一定の光量の戻り光が得られることになり、
光記録媒体に対して安定して光学的情報を書き込んだ
り、読み込むことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1は本発明に係る第1実施形
態の偏光性回折素子1、位相差板2、偏光板3を一体化
した光学素子4の側方断面図、図2は光学素子4を光ヘ
ッド装置10に使用した場合の光学素子の作用を説明す
る図である。また、光ヘッド装置10の基本的な構成に
ついては、図6と同様であるため、必要に応じて図6を
参照する。本実施形態の光学素子4は、偏光性回折素子
1、位相差板2、偏光板3が順次積層され、位相差板2
と偏光板3とは接着層5を介して一体化されている。偏
光性回折素子1及び偏光板3の表面を透明基板6、7に
接着層5を介して貼り合わせることで、光学素子4の剛
性を増し、保持しやすく使いやすい光学素子にできる。
なお、透明基板6、7としては、表面平坦な光学ガラス
板以外にアクリル系などのプラスチック板も使用でき
る。
【0020】本発明においては、上記のように透明基板
6、偏光性回折素子1、位相差板2偏光板3、透明基板
7の順序に積層することが好ましい。積層する際の接着
剤としては、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、あ
るいはそれらの混合系などの接着剤を使用でき、作業性
向上の観点からUV硬化型や熱硬化型の接着剤を使用す
ることが好ましい。また、接着剤は平滑に一定厚みで薄
く塗布することが波面収差を良好にするために必要とな
り、そのため塗布方法としては、例えばスピンコートや
ロールコートなどの方法が使用される。これらの方法
は、作業性に優れ、また厚み制御が容易であるため好ま
しい。さらに、透明基板6、7の表面に無反射膜を形成
することにより、光反射損を低減させることが好まし
い。この無反射コートは、光学素子4を単体で使用する
場合も、後述する光ヘッド装置10に組み込んで使用す
る場合にも有効である。
【0021】上記光学素子4に使用される偏光性回折素
子1としては、液晶や、液晶材料を配向させ重合して高
分子化した高分子液晶などの複屈折性有機物質を用いた
回折素子や、LiNbO3のような複屈折性無機単結晶
やポリカーボネートのような1軸伸延した高分子のフィ
ルムを用いた回折素子などが挙げられる。複屈折有機物
質を用いた回折素子の具体的な構造としては、たとえ
ば、ガラスなどの透明基板上にフォトリソグラフィやエ
ッチングなどにより断面矩形波状の複屈折性回折格子を
形成し、複屈折性回折格子の少なくとも凸部間に等方性
充填材を充填したものがある。なお、液晶を液状のまま
使用するには、対向配置させた基板との間にシール材を
設けて液晶を封入する構造とすればよい。
【0022】等方性充填剤を構成する等方性光学材料と
しては、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂などが使用で
き、特に、光硬化型のポリマー、熱硬化型のポリマーな
どが好ましい。例えばアクリル系紫外線硬化型接着剤な
どが好適に使用できる。なお、偏光性回折格子1は、上
記構成以外にも、透明基板に直接的に格子を形成したも
のでもよく、回折格子の形成されたフィルムを透明基板
に貼り付けたものであってもよい。
【0023】次に、この偏光性回折素子1の概略的な作
製方法を説明する。まず、ガラス基板などの透明基板上
に、一様に配向した光硬化性を有する高分子液晶からな
る複屈折性膜を形成する。この複屈折性膜を構成する高
分子液晶の配向方向としては、透明基板に対して水平
で、かつ、入射直線偏光に対して垂直/平行のいずれで
もよく、どちらの場合でも高透過にできる。次に、成膜
して配向した高分子液晶による複屈折性膜に、断面が凹
凸状の格子を形成する。格子を形成する手段としては、
フォトリソグラフィ、エッチングによる方式や、格子形
状を有する金型プレス方式などが挙げられる。
【0024】そして、形成された格子の凹凸部に等方性
媒体を充填する。等方性媒体の屈折率は、入射直線偏光
方向と複屈折性膜を構成する高分子液晶の配向方向との
関係によって決定される。例えば、入射直線偏光方向と
高分子液晶の配向方向とを垂直にした場合には、高分子
液晶の常光屈折率とほぼ等しい屈折率を有する等方性媒
体により凹部を充填し、また、入射直線偏光方向と高分
子液晶の配向方向とを平行にした場合には、高分子液晶
の異常光屈折率とほぼ等しい屈折率を有する等方性媒体
により凹部を充填する。なお、等方性材料の充填時に
は、回折素子全体の透過波面歪みを抑制するために、低
反射コートを施したカバーガラスなどで挟み込んで硬化
させる方法が容易であるが、回折素子の薄型化、軽量化
のために、カバーガラスなしで硬化させる方が好まし
い。
【0025】次に、位相差板2について説明する。有機
高分子材料からなり複屈折性を有する位相差板2は、た
とえば、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、高
分子液晶などの材料を使用できる。この位相差板2は、
光源となる半導体レーザの波長λ、例えば650nmに
対してλ/4となる波長板を用いる。これにより、半導
体レーザから出射した直線偏光は円偏光となり、往路と
復路で偏光方向が90゜回転する。また、1/4波長板
の代わりに5/4波長板を使用してもよい。
【0026】そして、有機高分子材料からなる偏光板3
は、たとえば、ポリビニルアルコール、高分子液晶など
の材料が使用でき、フォトリソグラフィ、エッチングに
より直線格子等が形成される。
【0027】ここで、偏光性回折素子1は光学的には次
のように作用する。すなわち、光源から出射され偏光性
回折素子1を通過するレーザ光は、偏光性回折素子1の
常光線の偏光方向となる直線偏光成分に対しては何の変
化も受けず理論的には100%透過する。一方、この偏
光成分に対して90゜回転した直線偏光成分に対しては
偏光性回折素子1が回折格子として機能し、理論上は1
次光として最大40%程度、−1次光として最大40%
程度の回折光が得られる。また、位相差板2は1/4波
長板または5/4波長板であり直線偏光を円偏光に変換
する。偏光板3は偏光方向に一致する方向の偏光成分だ
けを透過させる。
【0028】次に、この光学素子4の作用を、図6に示
すような光ディスクなどの光記録媒体への光学的情報の
書き込み、読み取りを行う光ヘッド装置に搭載した一実
例に基づいて説明する。図2は本実施形態の光学素子4
を光ヘッド装置10に使用した一構成例であり、半導体
レーザ11からのレーザ光に対する、偏光性回折素子
1、位相差板2、偏光板3の偏光方向及び透過効率をそ
れぞれ示している。偏光板3の偏光方向は光ディスク1
2の半径方向またはこれに垂直な方向に設定し、偏光性
回折素子1の偏光方向を偏光板3の透過光の偏光方向に
一致させる。また、1/4波長板2の透過偏光方向は、
偏光板3の偏光方向に対して0゜〜90゜の間に設定し
たものであっても光透過機能を果たすことができるが、
35゜〜50゜の間に設定すれば偏光性回折素子1の回
折機能が利用でき、特に45゜の角度に設定することが
最も好ましい。偏光性回折素子1の透過光の偏光方向と
1/4波長板2の偏光方向に対しても、往路に関して
は、これと同様の角度関係が成り立ち、35゜〜50゜
の間であれば偏光性回折素子1の回折機能が利用でき、
特に45゜の角度に設定することが最も好ましい。光源
11は、レーザ光の直線偏光軸を偏光性回折素子1の透
過偏光方向に一致させて配置する。なお、復路に関して
はいずれの角度であってもよい。
【0029】図2によれば、光の往路において、偏光性
回折素子1に対する常光の偏光方向(複屈折性光学材料
と光学的等方性媒体の間に屈折率差がない方向)に直線
偏光された光源11からのレーザ光が偏光性回折素子1
に入射すると、何も変化を受けずに通過し、そのまま1
/4波長板2に入射して円偏光の光となる。そして、偏
光板3により光ディスク12の半径方向に平行な、異常
光の偏光方向となり、レーザ光が光ディスク12面上に
到達する。原理的には、偏光性回折素子1に対する常光
の偏光方向に対する出射レーザ光強度のほぼ50%の光
が到達することになる。前述のように光ディスク12の
複屈折中性軸はディスクの半径方向に平行もしくは垂直
方向にあるため、ディスク面上に到達したディスクの半
径方向に平行な直線偏光の光は、光ディスク12の複屈
折特性の影響を受けずにそのまま反射する。
【0030】次に、光の復路において、戻り光は偏光方
向が偏光板3の透過偏光軸と一致した異常光の偏光方向
であるため偏光板3をそのまま透過し、再び1/4波長
板2に入射して円偏光の光に変化する。円偏光で偏光性
回折素子1に入射した光は、常光と異常光に分離し、異
常光の偏光成分については回折し、+1次回折光として
10%程度(最大12.5%程度)が光検出器であるホ
トディテクタ13に到達する。
【0031】このような構成とすることにより、光ディ
スク12が複屈折性を有していても、複屈折性の影響を
受けない複屈折中性軸に偏光方向が一致したレーザ光を
光ディスク12に照射することで、反射レーザ光は光デ
ィスク12の複屈折性がキャンセルされたものとなる。
これにより、常に最大で且つ一定の戻り光が得られるこ
とになり、安定して光学的情報を書き込んだり、読み込
むことができる。また、光ディスク12に照射されるレ
ーザ光の偏光方向が光ディスクの複屈折中性軸に完全に
一致していなくても、光検出器13の出力信号強度が低
下するものの、十分に書き込みや読み込み動作を行うこ
とができる。
【0032】さらに、1/4波長板2の偏光方向を偏光
板3の偏光方向に対して45゜の角度に設定することに
より光検出器13の出力信号強度を最大にできる。ま
た、1/4波長板2の偏光方向と偏光性回折素子1の透
過光の偏光方向に対してもこれと同様で、45゜の角度
に設定することにより光検出器13の出力信号強度を最
大にできる。なお、偏光性回折素子1により回折された
0次光、+1次光、−1次光の少なくとも2つの光を光
検出器で検出する構成としてもよい。この場合には、よ
り高い出力信号強度が得られることになる。そして、偏
光性回折素子1、位相差板2、偏光板3を積層して一体
化することで、光ヘッド装置10の部品点数を減らすこ
とができるとともに、装置を小型軽量化できる。また、
光学素子4を組み付ける際の光学調整が容易となり組立
作業を大幅に簡略化できる。なお、上記の光学素子は光
ヘッド装置に用いて好適な光学素子であるが、他の光学
装置に対しても適用することが可能であり、同様な効果
を奏する。
【0033】ここで、半導体レーザ11は出射波長65
0nmのものを使用しているが、例えば出射波長790
nmのものを使用してもよく、あるいはこれらを図3に
示すようにハーフミラー31を介して同一光軸に出射さ
せる構成としてもよい。このように、異なる波長の半導
体レーザを複数組み合わせて用いる場合は、1/4波長
板の代わりに5/4波長板を使用することで、一方の半
導体レーザの波長を他方の半導体レーザの波長に近づけ
ることもできる。これにより、CDやDVDなどの光デ
ィスク及び光磁気ディスクなどの光記録媒体の種類によ
らずに光情報の書き込みや読み込みを共通化することが
可能となる。
【0034】次に、偏光板として偏光性回折素子を用い
て構成した本発明に係る第2実施形態を説明する。前述
の第1実施形態における断面矩形波状の偏光性回折素子
を偏光板としても用い、他の構成は第1実施形態と同様
にして光学素子9を作製した。図4に本実施形態の光学
素子9の側方断面図を示した。光学素子9は、偏光性回
折素子1、位相差板2,偏光板としての偏光性回折素子
8を順次積層し、位相差板2は、接着層5を介して偏光
性回折素子1、8と一体化している。偏光性回折素子
1,8と位相差板2の積層体表面には、ガラスなどの透
明基板6、7が貼り付けてある。
【0035】偏光板として機能する偏光性回折素子8
は、偏光性回折素子1と同様にガラス基板上に直線格子
をフォトリソグラフィ、エッチングにより作成したもの
で、透明基板上の回折格子が位相差板2側となるよう
に、すなわち、偏光性回折素子1を上下反転させた状態
で積層して一体化する。なお、接着層5は、偏光性回折
素子1、8の充填材により位相差板2を接着する場合は
必要ない。
【0036】この光学素子9によれば、半導体レーザか
ら特定方向に偏光されたレーザ光が入射した場合、高分
子液晶からなる凸部の屈折率と等方性媒体からなる凹部
の屈折率との差はなく(共に1.5程度の屈折率)、レ
ーザ光は回折せずに透過する。一方、特定方向に対し直
交方向に偏光されたレーザ光が入射した場合、凸部の屈
折率は1.6(異常光屈折率)程度となり、凹部の屈折
率はほぼ1.5(常光屈折率)となるため、光学素子9
は回折格子として機能する。このように、偏光性回折素
子8は特定の偏光方向の光を回折する良好な偏光板とし
て機能する。なお、偏光回折素子の格子ピッチをファイ
ン化しておけば、回折角がより大きくなり、漏れ光を無
くすことができる。
【0037】上述の通り、偏光板として高分子液晶から
なる偏光性回折素子8を用いることで、ポリビニルアル
コールを用いた場合と比較して偏光板の耐水性を大きく
向上させることができる。以て、安価な構成のまま設定
された偏光特性を長期に亘り安定して得ることができ、
光学素子及び光ヘッド装置の信頼性を向上できる。ま
た、格子ピッチのファイン化を含め格子パターンの設計
自由度が高い上に、様々な用途の光学部品を積層一体化
できるので、軽量化、かつ薄型化に適した偏光板とする
ことができる。さらに、上記偏光性回折素子8以外に
も、偏光板としてLiNbO3のような複屈折性無機単
結晶を用いることができ、図4に示す位相差板の上方に
積層することで同様な効果を奏する光学素子を得ること
ができる。
【0038】
【実施例】[実施例1]図1に示す、偏光性回折素子
1、位相差板2、偏光板3とを一体化した偏光性回折型
の光学素子4を作製した。以下に偏光性回折素子1の作
製方法を図5を参照しつつ説明する。まず、図5(a)に
示すように、低反射コートが施された透明ガラス基板6
の片面にポリイミド配向膜51を形成した。本実施例で
は、直径5インチ、厚さ0.5mmの透明ガラスの基材
を用いた。次に、図5(b)に示すように、形成されたポ
リイミド配向膜51にラビングを施した後、光硬化性を
有する高分子液晶の未重合の液体をポリイミド配向膜5
1上に滴下した。
【0039】さらに、別の透明ガラス基板52の表面に
ポリイミドを塗布し、透明基板6のラビング方向と18
0゜のラビングを施した後に離型化処理を施した対向ガ
ラス基板52を図5(c)に示すように重ね合わせ、未重
合の高分子液晶を水平配向状態にした。そして、図5
(d)に示すように、光量600mJの紫外光を照射して
重合を行った後、上記の対向ガラス基板52を離型除去
して、図5(e)に示すように、厚さ3.0μmの水平配
向された高分子液晶による複屈折性膜53を形成した。
次いで、図5(f)に示すように、光量3000mJの紫
外光を照射して追加重合を行った後に、140℃で30
分間アニール(焼鈍)を実施して複屈折性膜53を完全
に固化させた。
【0040】この高分子液晶による複屈折性膜53上
に、図5(g)に示すように、スパッタ法により保護膜と
してSiO2膜54を約50nm成膜した。さらに、S
iO2膜55の上に、フォトリソグラフィにより格子の
ストライプ方向がラビング方向に対して90゜の角度を
なし、ピッチ4μmの格子状のフォトレジストマスクを
形成した。この格子状のフォトレジストマスクを利用し
て、流量100SCCMのCF4ガスなどのフッ化炭素
ガスを用い、圧力0.2Torr、出力300Wの条件
下で5分間の反応性イオンエッチングを実施して、Si
2膜54にフォトレジストマスクの格子パターンを転
写した。これにより、図5(h)に示すようなSiO2の選
択マスク55を形成した。
【0041】次に、このSiO2の選択マスク55を利
用して、流量100SCCMのO2ガスを用いて、圧力
0.2Torr、出力300Wの条件下で20分間のア
ッシング(灰化処理)を行った。これにより、図5(i)
に示すように、反応性イオンエッチングで残存したフォ
トレジストマスクを除去すると同時に、深さ3μm、ピ
ッチ4μmの格子体56を高分子液晶による複屈折性膜
53に形成した。
【0042】その後、図5(j)に示すように、複屈折性
膜53に用いた高分子液晶(常光屈折率no=1.5、
異常光屈折率ne=1.6)の常光屈折率noと等しい屈
折率(n=1.5)を有する紫外線硬化型の等方性材料
57を、重ね合わせて一体化した離型化処理された対向
ガラス基板58との間に充填した。そして、光量500
0mJの紫外光照射により硬化重合させ、対向ガラス基
板58を離型除去して回折素子を形成した。最後に、ダ
イシングにより切断することで、外径4mm×4mm、
厚さ約1mmの偏光性回折素子の形状に仕上げた。
【0043】このようにして作製した偏光性回折素子の
特性を調べたところ、透過光の波面収差は、偏光性回折
素子1の光入射面の中心部(直径3mmの円形の範囲)
で、0.020λrms(自乗平均)以下であった。ま
た、位相差板2は一軸延伸で作成したポリカーボネート
で作製し、その位相差は163nm、厚みは45μmで
あった。そして、偏光板3は、ガラス基板上に複屈折性
をもつ高分子液晶薄膜を形成し、4μmピッチの直線格
子をフォトリソグラフィ、エッチングにより形成した。
この直線格子により、半導体レーザの波長650nmに
おいて常光の0次光透過率97%、異常光0次透過率が1
%となり、偏光板として良好に機能することが確認でき
た。
【0044】上記位相差板2を偏光性回折素子1に接着
剤により貼り合わせ、さらに偏光板3を同様に貼り合わ
せることで光学素子4を完成させた。そして、得られた
光学素子4を、図6に示すような半導体レーザ11、光
学素子4、対物レンズ14、光検出器13を有する光ヘ
ッド装置10に搭載し、波長650nmの半導体レーザ
11からのレーザ光を光ディスク12に照射した。その
結果、良好な光ディスク12の再生信号が得られた。
【0045】[実施例2]前述した高分子液晶からなる
断面矩形波状の偏光性回折素子を偏光板として用い、他
の構成を実施例1と同様にして光学素子9を作製した。
しかし、実施例1との相違点は、偏光板が偏光性回折素
子に変更されている点にある。偏光板として機能する偏
光性回折素子8は、実施例1の偏光性回折素子1と同様
な作製方法により得たもので、特性を調べたところ、常
光透過率96%、異常光透過率2%であった。この偏光
性回折素子8を、透明基板上の回折格子が位相差板2側
となるように、すなわち、偏光性回折素子1に対して上
下反転させた状態で積層して一体化した。本実施例で
は、位相差板2を接着剤により偏光性回折素子1、8に
接着しているが、偏光性回折素子1、8の充填材により
位相差板2を接着してもよい。
【0046】この光学素子9を、図6に示すような光ヘ
ッド装置10に搭載し、波長650nmの半導体レーザ
11からのレーザ光を光ディスク12に照射した。その
結果、良好な光ディスク12の再生信号が得られた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、偏光性回折素子
と、1/4または5/4波長板と、有機偏光板とを、こ
の順に重ねて構成した本発明の光学素子を用いることに
より、光ディスクの複屈折性をキャンセルして、常に最
大で一定の光量の戻り光を得ることができる。さらに、
光学素子を光ヘッド装置に用いることにより、良好な光
記録媒体の再生信号が得られる。また、偏光板として偏
光性回折素子を用いることで、耐久性に優れた光学素子
及び光ヘッド装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の偏光性回折素子、
位相差板、偏光板を一体化した光学素子の側方断面図で
ある。
【図2】光学素子を光ヘッド装置に使用した場合の光学
素子の作用を説明する図である。
【図3】異なる波長の半導体レーザを複数組み合わせて
光源を構成した例を示す図である。
【図4】第2実施形態の光学素子の側方断面図である。
【図5】偏光性回折素子を作製する工程を示す図であ
る。
【図6】光ヘッド装置の概略的な構成を示す側面図であ
る。
【図7】従来の無偏光系のホログラムビームスプリッタ
の側方断面図である。
【図8】従来の偏光系のホログラムビームスプリッタの
側方断面図である。
【符号の説明】
1:偏光性回折素子 2:1/4波長板 3、8:偏光板 4、9:光学素子 5:接着層 6、7:透明基板 10:光ヘッド装置 11:半導体レーザ 12:光ディスク(光記録媒体) 13:ホトディテクタ(光検出器)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA25 AA43 AA44 AA53 AA57 BA02 BA06 BA07 BA42 BA45 BA47 BB03 BB43 BC21 5D119 AA43 BA01 DA01 DA05 EA02 EA03 EC48 FA05 JA23 JA25 JA30 JA32 JA33

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入射する光の偏光方向により回折効率の異
    なる偏光性回折素子と、1/4または5/4波長板と、
    有機高分子材料からなる偏光板とが、この順に重ねられ
    ていることを特徴とする光学素子。
  2. 【請求項2】前記偏光板として偏光性回折素子を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 【請求項3】半導体レーザからの出射光を光記録媒体へ
    導き、光記録媒体からの反射光を光検出器で検出する光
    ヘッド装置において、光記録媒体と光検出器の間に請求
    項1または請求項2に記載の光学素子が、偏光板を光記
    録媒体側に向けて配されていることを特徴とする光ヘッ
    ド装置。
  4. 【請求項4】前記光学素子を構成する偏光板の偏光方向
    が、前記光記録媒体上での出射光の照射位置における半
    径方向またはこれに垂直な方向であることを特徴とする
    請求項3に記載の光ヘッド装置。
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